説明

サッシ見切材および見切材ユニット

【課題】サッシ見切材を用いる場合にいわゆる納まりのよい見切構造を得ることのできるサッシ見切材が望まれている。
【解決手段】サッシ見切材1は、建築物の開口部を構成する木質窓枠材10と、この木質窓枠材10に取り付けられるサッシ11との間に介装されるものであって、サッシ載置面2Aを有する見切材本体2と、見切材本体2におけるサッシ載置面2Aの一辺部2Cに当該一辺部2Cに沿って延在して立ち上がった立上り条部3とを備えて成り、木質窓枠材10の上面10Aに載置される見切材本体2の下面2Bから立上り条部3の上端面3Dまでの寸法L2が、木質窓枠材10の上面10Aに添設される巾木16の厚さL1よりも大きく設定されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部を構成する木質窓枠材とサッシとの間に介装されるサッシ見切材、およびこれと木質窓枠材を一体に組み合わせた見切材ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、窓枠は、家屋の窓の部屋内側に取り付けて意匠性を持たせたり結露の浸水を防ぐため、壁とサッシとをつなぐ造作材として知られている。かかる窓枠は、木材を無垢のまま使用されたり、木材の表面に塗装を施したりあるいは化粧シートを貼ったりして使用されていた。
一方で、近年の景気低迷による住宅着工数の減少により、価格競争が激化して価格破壊が起こっている。そこで、コストダウンを図るため、断面L字型の合成樹脂成型品の下面に両面粘着テープを貼り付けて成る合成樹脂製の「サッシ見切材」と称されるものが市販されている。かかるサッシ見切材を使用する場合、従前の無垢の木材や化粧シートを貼った木材の代わりに、ベニヤ材(9mm厚もしくは12mm厚)などの木質窓枠材を下地として用い、建築現場でその木質窓枠材に前記のサッシ見切材を両面粘着テープで接着して見切材〜サッシ一体品を製作し、その見切材〜サッシ一体品にサッシをビスで固定する施工を行なっていた。その後、木質窓枠材の表面にクロスシートを貼り付けることにより工事完了となる。このような合成樹脂製のサッシ見切材による納まりは、意匠性に関して、従前の無垢の木材や化粧シートを貼った木材を用いた額縁よりも、すっきりとした空間作りができるという評価があり、マンションや戸建てに採用される事例が増えている。
【0003】
前記したサッシ見切材としては、図8に示すようなサッシ見切材51が市場に多く出回っている。このサッシ見切材51は、サッシ(図示書略)を載置してビスなどで固定されるサッシ載置面52Aを有する見切材本体52と、見切材本体52におけるサッシ載置面52Aの一辺部に、この一辺部に沿って長く延在して立ち上がった立上り条部53とを備えて構成されている。見切材本体52の下面52Bには、離型紙付きの両面接着シート(図示省略)が貼り付けられている。そして、木質窓枠材の上面に添設される巾木16の厚さL1は、木質窓枠材60の上面60Aに載置される見切材本体52の下面52Bから立上り条部53の上端面までの寸法M2よりも大きくなっている。このサッシ見切材51は、建築物の窓枠を構成する木質窓枠材60と、木質窓枠材60に取り付けられるサッシとの間に介装される。すなわち、サッシ載置面52A上の数箇所の適宜位置に、予めドリルなどでビス用穴があけられ、離型紙が剥がされたのちに、見切材本体52が木質窓枠材60の上面60Aの所定位置に置かれ、両面接着シートの粘着力で接着される。その後、サッシ見切材51は、ビス用穴を通したビスにより木質窓枠材60に固定されるようになっている。上記市販のサッシ見切材51に近い技術は、例えば下記の特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−309857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した従来のサッシ見切材51では、木質窓枠材60に添設される巾木16の厚さL1が、木質窓枠材60の上面60Aに載置される見切材本体52の下面52Bから立上り条部53の上端面までの寸法M2よりも大きいので、巾木16の端面16Aがサッシ見切材51の立上り条部53から突出し露出してしまう。そのままでは見栄えが悪く、いわゆる「納まり」のよい見切構造を得ることができない。そこで、露出した端面16Aに化粧を施したり、隠蔽用のシールを貼り付けたり、あるいは他の施工を行なうことにより、納まりの改善を行なっていた。しかしながら、これらの施工は、施工者にとって多大な手間と時間がかかり重労働であった。
他方で、木質窓枠材60とサッシ見切材51との接着は、両面粘着テープによる固定になるので、木質窓枠材60およびサッシ見切材51にサッシをビスで固定する時に、サッシ見切材51が木質窓枠材60上の所定位置からずれて施工が困難になるという問題があった。また、サッシ見切材51と木質窓枠材60は、それぞれ別個に建築現場に納品されていたので、小型で軽量な合成樹脂製のサッシ見切材51を紛失する場合が多々あった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、サッシ見切材を用いる場合にいわゆる納まりのよい見切構造を得ることのできるサッシ見切材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るサッシ見切材は、建築物の開口部を構成する木質窓枠材と、この木質窓枠材に取り付けられるサッシとの間に介装されるサッシ見切材であって、サッシ載置面を有する見切材本体と、見切材本体におけるサッシ載置面の一辺部に当該一辺部に沿って延在して立ち上がった立上り条部とを備えて成り、木質窓枠材の上面に載置される見切材本体の下面から立上り条部の上端部までの寸法が、木質窓枠材の上面に添設される巾木の厚さよりも大きく設定されているものである。
【0008】
また、前記構成において、先端が下向きに垂下した先端垂下条部を有するサッシに用いられるサッシ見切材であって、見切材本体のサッシ載置面に、前記サッシの先端垂下条部を収容する収容溝が形成されているものである。
【0009】
そして、前記した各構成において、木質窓枠材の上面に貼られるクロスシートの先端部を収容するための切欠き部が、見切材本体の下面と、立上り条部におけるサッシ載置面とは反対側の側面との境界部分に形成されているものである。
【0010】
更に、前記した各構成において、見切材本体の下面に、木質窓枠材の上面に形成された嵌合溝部と嵌合する垂凸条部が、立上り条部の延在方向に沿って形成されているものである。
【0011】
また、本発明に係るサッシ見切材は、請求項4に記載のサッシ見切材における見切材本体の垂凸条部と、当該垂凸条部と嵌合した木質窓枠材の嵌合溝部とが接着手段により固着されて、サッシ見切材と木質窓枠材とが一体に構成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るサッシ見切材によれば、木質窓枠材の上面に載置される見切材本体の下面から立上り条部の上端部までの寸法が、木質窓枠材の上面に添設される巾木の厚さよりも大きく設定されているので、巾木の端面はサッシ見切材の立上り条部の側面により被われて隠れてしまう。これにより、シンプルで見栄えのよい、いわゆる「納まり」のよい見切構造を得ることができる。従って、従来のサッシ見切材のように、突き合わせ端面に化粧を施したり、隠蔽用のシールを貼り付けたり、あるいは他の施工を行なったりする必要がなくなる。加えて、このサッシ見切材は構造が簡素かつ軽量であり、安価な製造コストで提供され得る。
【0013】
また、見切材本体のサッシ載置面に、サッシの先端垂下条部を収容する収容溝が形成されているものでは、見切材本体のサッシ載置面上にサッシを置いたとき、サッシの先端垂下条部がサッシ載置面の収容溝内に収容されるので、サッシの下面は見切材本体のサッシ載置面に密着する。従って、この状態で例えばサッシにビス用穴をあけてビス止めしても、サッシの表面が撓んで変形したり割れてしまったりすることがなく、美しい外観を呈することができる。
【0014】
そして、見切材本体の下面と立上り条部におけるサッシ載置面とは反対側の側面との境界部分に、切欠き部が形成されているものでは、木質窓枠材の上面に貼られるクロスシートの先端部を切欠き部内に収容することができる。これにより、クロスシートの先端部は切欠き部内に隠れて周囲から見えなくなる。従って、サッシ見切材とクロスシート先端の接合状態は見た目に美しくなるし、クロスシートの先端部の接着強度も高くすることができる。
【0015】
更に、見切材本体の下面に、木質窓枠材の上面に形成された嵌合溝部と嵌合する垂凸条部が、立上り条部の延在方向に沿って形成されているものでは、垂凸条部と嵌合溝部との嵌合により、サッシ見切材と木質窓枠材とが位置決め固定されるので、更にビスなどを用いてサッシ見切材および木質窓枠材にサッシを固着する際に、ビスのねじ込みによる木質窓枠材からのサッシ見切材の位置ズレなどを引き起こすといったことを回避することができる。
【0016】
また、本発明に係る見切材ユニットによれば、サッシ見切材における見切材本体の垂凸条部と、当該垂凸条部と嵌合した木質窓枠材の嵌合溝部とが接着手段により固着され一体化しているので、家屋の窓枠の開口寸法に合わせて見切材ユニットを予め工場などで切断しておいたものを建築現場に搬入することができる。これにより、建築現場での施工を簡素化して、建築現場でサッシ見切材と木質窓枠材を接着したり所定長さに切断したりする労力手間と施工時間を大幅に削減することができる。また、サッシ見切材と木質窓枠材とはそれぞれ個別に建築現場に納入されないので、サッシ見切材を紛失しやすいという問題を解消することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るサッシ見切材の側面図である。
【図2】前記サッシ見切材を用いた家屋の掃き出し窓を示す側面構成図である。
【図3】前記掃き出し窓を示す平面構成図である。
【図4】前記掃き出し窓を示す図3に対応した部分平面構成図である。
【図5】前記掃き出し窓を示す一部切り欠いた部分斜視図である。
【図6】本発明に係る見切材ユニットを示す部分斜視図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係るサッシ見切材の側面図である。
【図8】従来のサッシ見切材を木質窓枠材に取り付けて更に巾木を取り付けた構造を斜め下から見上げた状態を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係るサッシ見切材の側面図、図6は本発明に係る見切材ユニットを示す部分斜視図である。
図1および図6において、この実施形態に係るサッシ見切材1はポリエステルなどの合成樹脂製であり、サッシ載置面2Aを上面として有する見切材本体2と、見切材本体2のサッシ載置面2Aの一辺部2Cに、その一辺部2Cに沿う方向(図1における紙面直角の奥行き方向および図6における矢印P方向)に長く延在するとともにその一辺部2Cから立ち上がって形成された立上り条部3と、見切材本体2の下面2Bに下向きに突出するとともに立上り条部3の延在方向に沿って長く形成された垂凸条部5とを備えた、一体成型品として構成されている。
【0019】
そして、サッシ見切材1は、サッシ本体13と、このサッシ本体13にビス24で固着される見切取付部12とから構成されたサッシ11に対して使用される。見切取付部12の先端部は、下向きに垂下しているとともに図1の紙面直角方向奥向きに長く延在する先端垂下条部12Aを有している。立上り条部3の側面3Aに隣接した見切材本体2のサッシ載置面2Aには、見切取付部12の先端垂下条部12Aを収容する収容溝4が立上り条部3の延在方向に沿って長く、且つ、下面2B向きに陥没して形成されている。
【0020】
前記の垂凸条部5は、木質窓枠材10の上面10Aに陥没して形成された長溝である嵌合溝部10Bと嵌合するようになっている。ここで用いられる木質窓枠材10としては、例えばベニア材やMDFなどが挙げられる。サッシ見切材1と木質窓枠材10とは、垂凸条部5の下面5Aが嵌合溝部10Bと嵌合した状態で、接着剤(図示省略)またはビスなどの接着手段により固着されるようになっている。そして、見切材本体2の下面2Bと、立上り条部3におけるサッシ載置面2Aと反対側の側面3Bとの境界部分に、テーパ面状の切欠き部6が形成されている。また、立上り条部3における側面3Bと上端面3Dとの境界部分には、テーパ面状の面取部3Cが形成されている。そして、このサッシ見切材1では、木質窓枠材10の上面10Aに載置される見切材本体2の下面2Bから立上り条部3の上端面3Dまでの寸法L2が、木質窓枠材10の上面10Aに添設される巾木16の厚さL1よりも大きく設定されている。前記の寸法L2は例えば10〜12mm程度であり、巾木16の厚さL1は例えば6〜9mm程度である。
【0021】
前記した構成のサッシ見切材1は、図2〜図5に示すように、例えば家屋(建築物の例)20の掃き出し窓(開口部の例)21に用いられる。この掃き出し窓21は、下辺部がフローリング材19で形成され、左右辺部および上辺部が壁体で形成されている。前記した壁体における屋内N寄りの部分は、屋外T側から順に、発泡ポリウレタンなどの断熱材18、石膏系接着剤層25、プラスターボード17、およびポリ塩化ビニルなどのクロスシート14が積層して設けられている。そして、掃き出し窓21における壁体の木口部分には、左右辺部および上辺部の木質窓枠材10がそれぞれ木工用接着剤やビスなどで固着されている。そして、木質窓枠材10の嵌合溝部10Bには、サッシ見切材1の垂凸条部5が嵌合され、両面粘着テープや接着剤(いずれも図示省略)で固着される。そして、上部および左右の木質窓枠材10,10,10と下部のフローリング材19とから成る額縁構造の内周部に、正面視矩形枠状のサッシ11が装着される。この場合、木質窓枠材10,10,10とサッシ11の見切取付部12,12,12との間に、サッシ見切材1,1,1が介装される。この家屋20において、掃き出し窓21の屋内Nと屋外Tは、引き戸22A,22Bの閉止により遮蔽される。
【0022】
続いて、上記したプラスターボード17の表面および木質窓枠材10の上面10Aに、クロスシート14が接着剤などで貼り付けられる。クロスシート14の厚さL4は例えば0.5mm程度である。木質窓枠材10の上面10Aにおいて、クロスシート14の先端部14Aはサッシ見切材1の切欠き部6内に収容されている。この場合、サッシ見切材1の切欠き部6と立上り条部3の側面3Bとの境目位置と、見切材本体2の下面2Bとの間の寸法L3は例えば2mm程度であり、クロスシート14の厚さL4よりも大きく設定してある。その後、サッシ見切材1の側面3B、切欠き部6、およびクロスシート14から成るコーナ部がコーキング15で被覆される。続いて、フローリング材19直上のクロスシート14の表面に、巾木16が両面粘着テープや接着剤などで添着される。そして、木質窓枠材10の外方に配置された巾木16の一方の端面16Aと、プラスターボード17の外方に配置された巾木16の端面16Aとは、それぞれ、上から見て45度の角度に切断された端面であり、これらの16A,16A同士が突き合わされた配置にされている。
【0023】
上記したように、この実施形態のサッシ見切材1によれば、見切材本体2の下面2Bから立上り条部3の上端面3Dまでの寸法L2が巾木16の厚さL1よりも大きく設定されているので、巾木16の他方の端面16Aはサッシ見切材1の立上り条部3の側面3Bに被われて必ず隠れてしまう。これにより、巾木16の外面から露出した立上り条部3の側面3B(A)の部分が見えるので、シンプルで見栄えがよい、いわゆる「納まり」がよくなる(図4および図5参照)。
【0024】
ところで、近年、サッシ11の見切取付部12は、その長手方向(図6の矢印P方向)の撓みや波打ちなどの変形を解消するとともに先端部の強度を高めるために、その先端部を下向きにした先端垂下条部12Aが形成されているものが多用されている。このようなサッシ11を本実施形態のサッシ見切材1に用いる場合、見切材本体2のサッシ載置面2A上の他辺部2D側に見切取付部12を置くと、見切取付部12の先端垂下条部12Aが収容溝4内に収容されるので、見切取付部12の下面は見切材本体2のサッシ載置面2Aに密着する。この状態でビス用穴12Bを穿孔する作業を行なうと、見切材本体2が合成樹脂製でありながら変形することはない。ましてや、見切取付部12をサッシ見切材1および木質窓枠材10に固定する際にビス用穴12Bからビス7でネジ止めしても、見切取付部12の表面が撓んで変形したり割れてしまったりすることがなく、美しい外観を呈する。
【0025】
それに対し、図8に示した従来市販のサッシ見切材51の場合、その見切材本体52の上面52Aは全面が平たんであるため、先端垂下条部12A付きの見切取付部12を用いると、先端垂下条部12Aは収まるところがない。そのため、見切取付部12の下面と見切材本体52の上面52Aとの間に隙間が生じてしまう。その状態で、見切取付部12を見切材本体52にビス止めすると、見切取付部12の表面が撓んで見苦しくなったり、ひいては割れたりするおそれがある。
【0026】
一方、このサッシ見切材1では、立上り条部3と見切材本体2の下面2Bとの間に切欠き部6が設けられているので、クロスシート14の先端部14Aはサッシ見切材1の切欠き部6内に隠れて周囲から見えない。従って、サッシ見切材1とクロスシート14先端の接合状態が見た目に美しいし、クロスシート14の先端部14Aの接着強度も高くなる。また、サッシ見切材1の切欠き部6と立上り条部3の側面3Bとの境目位置と、見切材本体2の下面2Bとの間の寸法がクロスシート14の厚さL3よりも大きくされているので、クロスシート14の先端部14Aはサッシ見切材1の切欠き部6内の奥深くに入り込む。その結果、長年の使用によっても、クロスシート14の先端部14Aが木質窓枠材10の上面10Aから剥がれにくくなる。加えて、切欠き部6内におけるクロスシート14の先端部14Aの上方部分は空間になるので、この空間部分にコーキング15が入り込めるので、コーキング15の乗りがよいうえ接着強度が高くなり、経年使用によってもコーキング15の剥離が生じにくいものになるという相乗効果が得られる。
【0027】
また、立上り条部3における側面3Bと上端面3Dとの境目部分がテーパ面状の面取部3Cになっているので、立上り条部3に手で触れたときの感触が柔らかく、見た目にやさしい外観を呈することとなる。そして、サッシ11とクロスシート14は、水密性に関してサッシ見切材1の介在により縁切りされるので、結露浸入の問題を生じない。また、サッシ見切材1は、上記したように構成が簡素で軽量であり製造コストの点でも優れていて意匠もシンプルに納められるので、付加価値の高い商品として提供することができる。
【0028】
尚、上記の実施形態では、サッシ見切材1と木質窓枠材10とを個別に建築現場に納め、それらを建築現場で組み付けた例を示したが、本発明はその態様に限定されるものでない。例えば、図6に示すように、サッシ見切材1における垂凸条部5と、その垂凸条部5の下面5Aと嵌合した木質窓枠材10の嵌合溝部10Bとを、例えば接着剤33(接着手段の例)などで予め固着しておくことにより、サッシ見切材1と木質窓枠材10とが一体構成となった見切材ユニット30を提供することができる。因みに、実際の現場施工では、この見切材ユニット30で納品される。すなわち、上述した掃き出し窓21の例では、掃き出し窓21の縦寸法に合わせた長さに切断された見切材ユニット30が2本、掃き出し窓21の横寸法に合わせた長さに切断された見切材ユニット30が1本使用される。この見切材ユニット30を利用することで、大工の施工を極めて簡素化することができ、施工時間と労力を大幅に削減できる。また、前記した実施形態のように、合成樹脂製のサッシ見切材1と例えばベニヤ板製の木質窓枠材10とをそれぞれ個別に現場に納入していたのでは、合成樹脂製のサッシ見切材1を紛失しやすいが、この見切材ユニット30を用いることにより紛失の問題も解消することができる。尚、この見切材ユニット30に用いる接着手段としては、前記の接着剤33以外に、例えば両面粘着テープやビスなどが挙げられる。
【0029】
また、上記では、見切材本体2の下方に垂凸条部5を有するサッシ見切材1を例示したが、本発明はそれに限定されない。例えば、図7に示すサッシ見切材1aのように、垂凸条部5を持たず、下面2Bが一面平らである見切材本体2aを有するものであっても構わない。この場合、一面平らな下面2Bに、離型シート32付きの両面粘着テープ31を貼り付けておけば、作業性はよくなる。
【0030】
また、本発明のサッシ見切材が適用される建築物の開口部としては、上述した掃き出し窓21に限らず、例えば腰窓などであっても構わない。
【符号の説明】
【0031】
1,1a サッシ見切材
2,2a 見切材本体
2A サッシ載置面
2B 下面
2C 一辺部
3 立上り条部
3B 側面
3D 上端面
4 収容溝
5 垂凸条部
5A 下面
6 切欠き部
10 木質窓枠材
10A 上面
10B 嵌合溝部
11 サッシ
12 見切取付部
12A 先端垂下条部
14 クロスシート
14A 先端部
16 巾木
16A 端面
20 家屋(建築物)
21 掃き出し窓(開口部)
23 サッシ
30 見切材ユニット
33 接着材(接着手段)
L1 厚さ
L2 寸法
P 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の開口部を構成する木質窓枠材と、この木質窓枠材に取り付けられるサッシとの間に介装されるサッシ見切材であって、サッシ載置面を有する見切材本体と、見切材本体におけるサッシ載置面の一辺部に当該一辺部に沿って延在して立ち上がった立上り条部とを備えて成り、木質窓枠材の上面に載置される見切材本体の下面から立上り条部の上端部までの寸法が、木質窓枠材の上面に添設される巾木の厚さよりも大きく設定されていることを特徴とするサッシ見切材。
【請求項2】
先端が下向きに垂下した先端垂下条部を有するサッシに用いられるサッシ見切材であって、見切材本体のサッシ載置面に、前記サッシの先端垂下条部を収容する収容溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサッシ見切材。
【請求項3】
木質窓枠材の上面に貼られるクロスシートの先端部を収容するための切欠き部が、見切材本体の下面と、立上り条部におけるサッシ載置面とは反対側の側面との境界部分に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサッシ見切材。
【請求項4】
見切材本体の下面に、木質窓枠材の上面に形成された嵌合溝部と嵌合する垂凸条部が、立上り条部の延在方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサッシ見切材。
【請求項5】
請求項4に記載のサッシ見切材における見切材本体の垂凸条部と、当該垂凸条部と嵌合した木質窓枠材の嵌合溝部とが接着手段により固着されて、サッシ見切材と木質窓枠材とが一体に構成されていることを特徴とする見切材ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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