説明

サポートサービスシステム、電子機器、および画像形成装置

【課題】 ユーザーに対して適切なサポートを行うことができるようにする。
【解決手段】 画像形成装置1において、メタデータ送信部36が、コールセンター端末装置3からメタデータ取得コマンドを受信すると、表示装置11aの画面画像データ、入力装置に対するユーザー操作情報、および画像形成装置1の状態情報を収集してコールセンター端末装置3へメタデータとして送信し、表示制御部31が、コールセンター端末装置3から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を表示装置11aに表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サポートサービスシステム、電子機器、および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器にエラーが発生した場合、サポートサービスなどに問い合わせを行い、エラーの解決を行うことがある。
【0003】
あるシステムでは、オペレーターが監視端末を操作して電子機器の操作ログを採取して、顧客の操作状況を把握する(例えば特許文献1参照)。また、別のシステムでは、ユーザー側の画像処理装置が、ユーザー操作データを保持して、サポートPCへ送信する(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、別のシステムでは、ある情報端末は、エラーコードを送信し、そのエラーコードに対応するリカバリー策を受信して表示する(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−77419号公報
【特許文献2】特開2010−74522号公報
【特許文献3】特開2005−332129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献3に記載の技術では、エラーコードに対応するリカバリー策が表示されるものの、各エラー事象について画一的なリカバリー策が表示されるため、機器の状態などが考慮されておらず、ユーザーが、エラーに対して、適切な対応を行えない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーに対して適切なサポートを行うことができるサポートサービスシステム、並びに、そのシステムで使用可能な電子機器および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0009】
本発明に係るサポートサービスシステムは、電子機器と、サポートサービス端末装置とを備える。電子機器は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信すると、表示装置の画面画像データ、入力装置に対するユーザー操作情報、および当該電子機器の状態情報を収集してサポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、サポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を表示装置に表示させる表示制御部とを有する。一方、サポートサービス端末装置は、メタデータ取得コマンドに対応して電子機器から送信されてくるメタデータを解析するメタデータ解析部と、メタデータ取得コマンドを電子機器へ送信するとともに、メタデータ解析部によるメタデータの解析結果に応じて選択されるユーザーサポートデータを電子機器へ送信する遠隔制御部とを有する。
【0010】
これにより、ユーザー操作およびそのときの電子機器の状態に基づいてユーザーサポートデータが選択されるため、ユーザーに対して適切なサポートを行うことができる。
【0011】
本発明に係る電子機器は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信すると、表示装置の画面画像データ、入力装置に対するユーザー操作情報、および当該電子機器の状態情報を収集してサポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、送信したメタデータに対応してサポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を表示装置に表示させる表示制御部とを備える。
【0012】
これにより、サポート側でユーザー操作およびそのときの当該電子機器の状態に基づいてユーザーサポートデータが選択されるため、ユーザーに対して適切なサポートを行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、電子機器は、要求を受け付け、受け付けた要求に応じたジョブを実行する要求処理部をさらに備える。そして、メタデータ送信部は、要求処理部からジョブステータス情報を状態情報として収集する。
【0014】
これにより、電子機器でのジョブの状態を考慮したユーザーサポートデータが選択される。
【0015】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、電子機器は、ユーザーのログイン処理を行うログイン処理部をさらに備える。メタデータ送信部は、ログイン処理部からログインユーザー情報を状態情報として収集する。
【0016】
これにより、ログインユーザーの属性(ユーザー権限など)を考慮したユーザーサポートデータが選択される。
【0017】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、メタデータ送信部は、メタデータ取得コマンドを受信すると、当該電子機器の状態情報として、当該電子機器の機能を実現する内部装置の状態情報を収集する。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、当該画像形成装置の機能を実現する内部装置と、サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信すると、表示装置の画面画像データ、入力装置に対するユーザー操作情報、および内部装置の状態情報を収集してサポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、送信したメタデータに対応してサポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を表示装置に表示させる表示制御部とを備える。
【0019】
これにより、サポート側でユーザー操作およびそのときの画像形成装置の状態に基づいてユーザーサポートデータが選択されるため、ユーザーに対して適切なサポートを行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電子機器などのユーザーに対して適切なサポートを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す画像形成装置およびコールセンター端末装置を有するサポートサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示すシステムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【図4】図4は、図3におけるメタデータ収集の詳細について説明するフローチャートである。
【図5】図5は、メタデータを説明する図である。
【図6】図6は、図3におけるメタデータ解析の詳細について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。画像形成装置1は、電子機器の一種であり、複合機である。画像形成装置1は、ユーザー操作を受け付ける操作パネル11を有する。なお、画像形成装置1は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機などといった印刷機能を有する他の装置でもよい。
【0024】
図2は、図1に示す画像形成装置1およびコールセンター端末装置3を有するサポートサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、画像形成装置1は、操作パネル11、通信装置21、印刷装置22、画像読取装置23、記憶装置24、および演算処理装置25を備える。
【0026】
操作パネル11は、液晶ディスプレイなどの表示装置11a、およびタッチパネルなどの入力装置11bを備え、ユーザーに対する操作画面の表示およびユーザー操作の検出を行う。
【0027】
また、通信装置21は、ネットワーク2を介して図示せぬホスト装置やコールセンター端末装置3に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。なお、ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)、インターネットなどを含むコンピューターネットワークである。
【0028】
また、印刷装置22は、例えば電子写真方式で原稿画像を印刷用紙に印刷する内部装置である。また、画像読取装置23は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0029】
また、記憶装置24は、半導体メモリー、ハードディスクドライブなどといった、データやプログラムを記憶する装置である。
【0030】
また、演算処理装置25は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、ROM、記憶装置24または図示せぬ他の記憶装置に記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0031】
画像形成装置1の起動後に、各種プログラムが演算処理装置25により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置25において、表示制御部31、通信処理部32、要求処理部33、画像処理部34、コントローラー35、メタデータ送信部36などの処理部が実現される。
【0032】
表示制御部31は、表示装置11aに画面を表示させるとともに、入力装置11bに対するユーザー操作に従って表示装置11aの画面遷移を行う。また、表示制御部31は、所定のユーザー操作を検出すると、そのユーザー操作に対応する要求を要求処理部33に供給する。また、表示制御部31は、当該画像形成装置1内で発生した所定のエラーが要求処理部33などにより検出されると、そのエラーの内容を示すエラー画面を表示装置11aに表示させる。
【0033】
また、表示制御部31は、コールセンター端末装置3から送信されてくるユーザーサポートデータに基づく、ユーザーによるエラー問い合わせに対するエラー解決手順の説明などの回答画面を表示装置11aに表示させる。
【0034】
通信処理部32は、通信装置21を制御してコールセンター端末装置3、ホスト装置などとデータ通信を実行する処理部である。
【0035】
また、要求処理部33は、操作パネル11に対するユーザー操作に基づく印刷要求やホスト装置から供給される印刷要求、コピー要求などを受け付け、その要求に応じて、コントローラー35で印刷装置22、画像読取装置23などを制御してジョブを実行する。また、要求処理部33は、操作パネル11の入力装置11bを操作しているユーザーのログイン処理を行うログイン処理部として機能する。ログイン処理では、ユーザーが入力したユーザーIDからユーザーが特定される。また、必要に応じて、ログイン処理では、ユーザーが入力したユーザーIDおよびパスワードに基づいてユーザー認証が行われる。
【0036】
例えば、ホスト装置から、PDL(Page Description Language)、PDF(Portable Document Format)などの所定のデータ形式の原稿データが印刷要求として受信されると、要求処理部33は、その原稿データから画像データを生成する。また、要求処理部33は、操作パネル11に対するユーザー操作によるコピー要求を、表示制御部31から受け付けると、画像読取装置23により読み取られた原稿画像の画像データを取得する。
【0037】
なお、印刷時に適用される印刷設定は、ホスト装置から供給される印刷要求、操作パネル11に対するユーザー操作などで指定される。
【0038】
また、画像処理部34は、その画像データに対して所定の画像処理を実行し、印刷データ(例えば色ごとに2値化された印刷画像データ)を生成する。
【0039】
また、コントローラー35は、印刷装置22、画像読取装置23などの内部装置を監視および制御する処理部である。
【0040】
また、メタデータ送信部36は、コールセンター端末装置3からメタデータ取得コマンドを受信すると、画面遷移が発生するごとに、画面のスナップショット画像データ、ユーザー操作情報、および画像形成装置1の状態情報をメタデータとして記憶装置24に記憶していき、通信装置21および通信処理部32を使用して、そのメタデータをコールセンター端末装置3へ送信する。
【0041】
この実施の形態では、メタデータ送信部36は、要求処理部33からジョブステータス情報を画像形成装置1の状態情報として収集する。
【0042】
また、この実施の形態では、メタデータ送信部36は、メタデータ取得コマンドを受信したときにログインしているユーザーのログインユーザー情報を画像形成装置1の状態情報として要求処理部33から収集する。ログインユーザー情報は、ユーザーID、そのユーザーIDの属性情報(ユーザー権限情報、所属部門情報など)を含む。
【0043】
さらに、この実施の形態では、メタデータ送信部36は、印刷装置22、画像読取装置23などの内部装置の状態情報を収集する。
【0044】
なお、この実施の形態では、各画面に画面IDを割り当てておき、メタデータ送信部36は、スナップショット画像データに関連付けて、表示中の画面の画面IDをメタデータに含めるようにしてもよい。また、この実施の形態では、メタデータ送信部36は、上述のスナップショット画像データを圧縮し、圧縮後のスナップショット画像データを送信するようにしてもよい。
【0045】
一方、コールセンター端末装置3は、コールセンター(つまり、サポートセンター)に設置されているパーソナルコンピューターなどの端末装置であって、ネットワーク2に接続されており、画像形成装置1についてのサポートサービス提供時にメタデータを画像形成装置1から取得する。また、コールセンター端末装置3は、そのメタデータの解析結果に対応して選択されたユーザーサポートデータを画像形成装置1へ提供する。
【0046】
コールセンター端末装置3は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、演算処理装置54、および記憶装置55を備える。
【0047】
通信装置51は、ネットワーク2を介して画像形成装置1に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。
【0048】
表示装置52は、コールセンターのオペレーターに対して、サポートサービス対象の画像形成装置1の情報を表示する、液晶ディスプレイなどの装置である。入力装置53は、コールセンターのオペレーターの操作を受け付ける、キーボードなどの装置である。
【0049】
演算処理装置54は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであり、ROMまたは記憶装置55に記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0050】
記憶装置55は、データやプログラムを予め記憶している、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、ユーザーサポートデータベース64を記憶している。ユーザーサポートデータベース64は、1または複数のユーザーサポートデータを有する。コールセンターのオペレーターにより選択されたユーザーサポートデータが、ユーザーサポートデータベース64から読み出され、画像形成装置1へ提供される。
【0051】
また、ユーザーサポートデータは、例えば、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語で記述されたテキストデータ、および画像ファイルを有し、そのテキストデータは、画面内で表示されるテキストメッセージ、並びにそのテキストメッセージおよび画像ファイルに基づく画像のレイアウト情報を有する。
【0052】
コールセンター端末装置3の起動後に、各種プログラムが演算処理装置54により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置54において、通信処理部61、遠隔制御部62、メタデータ解析部63などの処理部が実現される。
【0053】
通信処理部61は、通信装置51を制御して画像形成装置1とデータ通信を実行する。
【0054】
遠隔制御部62は、コールセンターのオペレーターの操作に従って、通信装置51および通信処理部61を使用して、オペレーターにより指定された画像形成装置1へメタデータ取得コマンドを送信する。また、遠隔制御部62は、コールセンターのオペレーターの操作により、メタデータ解析部63によるメタデータの解析結果に応じて選択されたユーザーサポートデータをユーザーサポートデータベース64から読み出して、通信装置51および通信処理部61を使用して画像形成装置1へ送信する。
【0055】
なお、遠隔制御部62は、メタデータ解析部63によるメタデータの解析結果に対応するユーザーサポートデータを自動的にユーザーサポートデータベース64から読み出して、通信装置51および通信処理部61を使用して画像形成装置1へ送信するようにしてもよい。
【0056】
メタデータ解析部63は、メタデータ取得コマンドに対応して画像形成装置1から送信されてくるメタデータを解析し、その解析結果を表示装置52に表示させる。例えば、メタデータ解析部63は、画像形成装置1の画面遷移に沿って、画像形成装置1の画面画像、ユーザー操作、および画像形成装置1の状態を表示させる。また、例えば、メタデータ解析部63は、状態情報の値とエラー要因との対応関係を蓄積している図示せぬデータベースを参照し、状態情報に基づいて画像形成装置1でのエラー要因を特定して表示させる。
【0057】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0058】
図3は、図2に示すシステムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【0059】
ユーザーは、例えば、画像形成装置1を使用中にエラーが発生した場合、電話などを使用してコールセンターへ問い合わせる。コールセンターでは、そのユーザーの応対をするオペレーターが、コールセンター端末装置3を操作して、ユーザーの名称、画像形成装置1のIDなどから、そのユーザーの画像形成装置1を特定する。
【0060】
コールセンター端末装置3では、入力装置53に対するオペレーターの操作に従って、遠隔制御部62が、通信装置51および通信処理部61を使用して、そのユーザーの画像形成装置1へメタデータ取得コマンドを送信する(ステップS1)。
【0061】
画像形成装置1では、メタデータ送信部36は、通信装置21および通信制御部32を使用してそのメタデータ取得コマンドを受信すると、メタデータの収集を行う(ステップS2)。メタデータ送信部36は、メタデータ取得コマンドを受信すると、ユーザー操作に基づく画面遷移が発生するたびに、表示装置11aの画面画像をキャプチャーしてスナップショット画像データを生成し、そのユーザー操作情報を表示制御部31から収集し、要求処理部33などから状態情報を収集して、記憶装置24に蓄積する。
【0062】
ここでは、状態情報には、画面画像をキャプチャーしたときの日時情報、画面画像をキャプチャーしたときのログインユーザー情報、画面画像をキャプチャーしたときのジョブステータス情報、および画面画像をキャプチャーしたときの内部装置のステータス情報が含まれている。内部装置のステータス情報には、オプションハードウェア(オプションメモリー、フィニッシャーなど)の装着状況(装着の有無など)が含まれる。
【0063】
そして、メタデータ送信部36は、所定の条件でメタデータの収集を完了し、収集したメタデータをコールセンター端末装置3へ送信する(ステップS3)。例えば、所定のユーザー操作が検出されたときに、メタデータ送信部36はメタデータの収集を完了する。あるいは、例えば、コールセンター端末装置3から取得完了コマンドが受信されたときに、メタデータ送信部36はメタデータの収集を完了する。
【0064】
コールセンター端末装置3では、遠隔制御部62が、通信装置51および通信処理部61を使用して、メタデータを受信すると、そのメタデータをメタデータ解析部63に渡す。メタデータ解析部63は、そのメタデータ情報を解析し、その解析結果を表示装置52に表示させる(ステップS4)。
【0065】
そして、オペレーターは、その解析結果を見ながら、サポートサービスをユーザーに提供する。このとき、オペレーターは、入力装置53を操作して、そのメタデータの解析結果に対応するユーザーサポートデータを選択し、画像形成装置1に送信させる。
【0066】
コールセンター端末装置3では、遠隔制御部62は、入力装置53に対する操作に応じてユーザーサポートデータをユーザーサポートデータベース64から読み出し、画像形成装置1へ送信する(ステップS5)。
【0067】
画像形成装置1では、表示制御部31は、通信装置21および通信処理部32を使用して、そのユーザーサポートデータを受信すると、まず、「回答を開く」ボタンを表示装置11aに表示させる(ステップS6)。
【0068】
その後、ユーザーが入力装置11bを操作して、その「回答を開く」ボタンを押下すると、表示制御部31は、その操作を検出し(ステップS7)、そのユーザーサポートデータに基づく「回答」(つまり、エラー解決手順)を表示装置11aに表示させる(ステップS8)。このとき、例えば、表示制御部31は、そのユーザーサポートデータから、マークアップ言語で記述された複数の画面データファイルを作成し、ブラウザーで、作成した複数の画面データファイルに基づいて、画面を遷移させていき、複数の画面を順番に表示させる。
【0069】
ここで、上述のメタデータ収集(ステップS2)の詳細と、上述のメタデータ解析(ステップS4)の詳細について説明する。
【0070】
図4は、図3におけるメタデータ収集(ステップS2)の詳細について説明するフローチャートである。図5は、メタデータを説明する図である。図5(A)は、画面画像の例およびメタデータにおけるユーザー操作情報に使用されるボタンIDの例を示す図である。図5(B)は、メタデータにおける履歴ファイルの例を示す図である。図5(C)は、メタデータのファイル構成例を示す図である。
【0071】
画像形成装置1において、メタデータ送信部36は、まず、記憶装置24における履歴ファイル71内の保存領域を示す保存先ポインターの値を1に初期化し(ステップS21)、この時点での表示装置11aの画面をキャプチャーし画面画像データを生成する(ステップS22)。メタデータ送信部36は、固有のファイル名を生成し、生成した画面画像データを、そのファイル名のスナップショット画像ファイル72−iとして記憶装置24に保存する。例えば、図5(A)に示す画面画像の画像データがスナップショット画像ファイル72−1として保存される。
【0072】
その後、画面遷移が発生するユーザー操作が入力装置11bで検出されると(ステップS23)、表示制御部31は、そのユーザー操作に従って画面遷移を行うとともに(ステップS24)、ユーザー操作情報をメタデータ送信部36に供給する。例えば図5(A)に示す画面における6つのボタンにb−1からb−6までのボタンIDが割り当てられており、ユーザーが押下したボタンに対応するボタンIDが、ユーザー操作情報として表示制御部31からメタデータ送信部36へ供給される。
【0073】
メタデータ送信部36は、そのユーザー操作情報を受け付けると、状態情報を要求処理部33などから収集し、その状態情報、ユーザー操作情報、および画像情報(ステップS22で保存したファイルのファイル名)を、保存先ポインターの現在の値が示す保存領域に保存する(ステップS25)。
【0074】
例えば図5(B)に示す履歴ファイル71では、保存先ポインターの値が1のときの保存領域に、スナップショット画像ファイル72−1のファイル名「GB0001.png」、ユーザー操作のあったボタンのボタンID「b−1」などが保存されている。
【0075】
その保存が完了すると、メタデータ送信部36は、保存先ポインターの値をインクリメントする(ステップS26)。そして、メタデータ送信部36は、保存先ポインターが所定の値(予め確保されている保存領域の数)を超えているか否かを判定し(ステップS27)、保存先ポインターが所定の値を超えている場合には、保存先ポインターの値を1にリセットする(ステップS28)。
【0076】
その後、メタデータ送信部36は、ステップS22に戻り、遷移後の画面をキャプチャーし、画面遷移が発生するユーザー操作が検出されるまで待機する(ステップS23)。
【0077】
このようにして、例えば図5(C)に示すように、画面遷移ごとに、履歴ファイル71が更新されていくとともにスナップショット画像ファイル72−iが追加されていき、メタデータ送信部36は、所定の条件で、その履歴ファイル71とスナップショット画像ファイル72−1,・・・を記憶装置24から読み出してコールセンター端末装置3へ送信する。
【0078】
図6は、図3におけるメタデータ解析(ステップS4)の詳細について説明するフローチャートである。
【0079】
コールセンター端末装置3において、メタデータ解析部63は、受信された履歴ファイル71を読み込むとともに(ステップS41)、受信されたスナップショット画像ファイル72−1,・・・を読み込む(ステップS42)。
【0080】
そして、メタデータ解析部63は、まず、メタデータに基づいて保存先ポインターの初期値を特定し、保存先ポインターの値をその初期値にセットする(ステップS43)。例えば、画像形成装置1において、履歴ファイル71内の各保存領域にフラグを設けておき、先頭の(つまり、最初に収集された)レコードが保存されている保存領域のフラグの値をその他の保存領域のフラグの値と異なるようにしておき、メタデータ解析部63は、そのフラグの値から、保存先ポインターの初期値(つまり、先頭レコードが保存されている保存領域の保存先ポインターの値)を特定する。
【0081】
次に、メタデータ解析部63は、この時点での保存先ポインターの値と同一の値を有する保存領域におけるファイル名を有するスナップショット画像ファイルに基づく画面画像を表示装置52に表示させるとともに(ステップS44)、その保存領域におけるユーザー操作情報に基づき、ユーザー操作のあった位置を表示装置52に表示されている画面画像内で報知する(ステップS45)。例えばユーザー操作のあったボタンの色や輝度を変化させる。このとき、メタデータ解析部63は、その保存領域における状態情報や、その状態情報の解析結果を併せて表示させる。
【0082】
そして、ステップS44,S45での表示開始から所定の時間が経過するか、オペレーターによる所定の操作があると、メタデータ解析部63は、保存先ポインターをインクリメントする(ステップS46)。メタデータ送信部36は、保存先ポインターが所定の値(予め確保されている保存領域の数)を超えているか否かを判定し(ステップS47)、保存先ポインターが所定の値を超えている場合には、保存先ポインターの値を1にリセットする(ステップS48)。
【0083】
その後、メタデータ送信部36は、保存先ポインターの値が、ステップS43でセットした初期値に戻っているか否かを判定し(ステップS49)、保存先ポインターの値が初期値に戻っている場合には、解析処理を終了し、保存先ポインターの値が初期値に戻っていない場合には、ステップS44に戻り、次の画面について、画面画像などを表示させる(ステップS44,S45)。
【0084】
このようにして、履歴ファイル71に記録されている画面についての情報が順番に表示されていき、すべて表示されると、解析処理が終了する。
【0085】
以上のように、上記実施の形態によれば、画像形成装置1では、メタデータ送信部36が、コールセンター端末装置3からメタデータ取得コマンドを受信すると、表示装置11aの画面画像データ、入力装置11bに対するユーザー操作情報、および画像形成装置1の状態情報を収集してコールセンター端末装置3へメタデータとして送信し、表示制御部31が、コールセンター端末装置3から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を表示装置11aに表示させる。一方、コールセンター端末装置3では、遠隔制御部62が、メタデータ取得コマンドを画像形成装置1へ送信するとともに、メタデータに応じて選択されるユーザーサポートデータを画像形成装置1へ送信し、メタデータ解析部63が、メタデータ取得コマンドに対応して画像形成装置1から送信されてくるメタデータを解析する。
【0086】
これにより、ユーザー操作およびそのときの画像形成装置1の状態に基づいてユーザーサポートデータが選択されるため、ユーザーに対して適切なサポートを行うことができる。
【0087】
例えば、画像形成装置1において、オプションメモリーを増設することで使用可能になる機能がある場合、接触不良などでオプションメモリーが使用できない状態のときには、その機能を実行させるための操作部が画面に表示されなくなる。このような場合にオプションメモリーの存在がユーザーにはわからないため、コールセンターのオペレーターは、ユーザーからの説明だけでは、オプションメモリーが装着されているにも拘わらず使用できないという状況を認識することができない。しかしながら、この実施の形態によれば、オペレーターは、画像形成装置1の状態情報から、オプションメモリーの状態を認識することができる。
【0088】
また、例えば、画像形成装置1が、故障部分を切り離して、残りの部分で動作を継続できる機能を有する場合、オペレーターは、画像形成装置1の状態情報から、故障部分を切り離されていることを認識することができる。
【0089】
これらの例の場合、オペレーターが、画像形成装置1の状態情報から、画像形成装置1の状態を正確に把握できるため、その状態に対応した適切なエラー解決手順のユーザーサポートデータが選択される。
【0090】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、例えば、画像形成装置のサポートサービスに適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成装置(電子機器の一例)
3 コールセンター端末装置(サポートサービス端末装置の一例)
11a 表示装置
11b 入力装置
31 表示制御部
36 メタデータ送信部
62 遠隔制御部
63 メタデータ解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、
サポートサービス端末装置とを備え、
前記電子機器は、
ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、
前記ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、
前記サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信すると、前記表示装置の画面画像データ、前記入力装置に対するユーザー操作情報、および当該電子機器の状態情報を収集して前記サポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、
前記サポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を前記表示装置に表示させる表示制御部とを有し、
前記サポートサービス端末装置は、
前記メタデータ取得コマンドに対応して前記電子機器から送信されてくる前記メタデータを解析するメタデータ解析部と、
前記メタデータ取得コマンドを前記電子機器へ送信するとともに、前記メタデータ解析部による前記メタデータの解析結果に応じて選択される前記ユーザーサポートデータを前記電子機器へ送信する遠隔制御部とを有すること、
を特徴とするサポートサービスシステム。
【請求項2】
ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、
前記ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、
サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信すると、前記表示装置の画面画像データ、前記入力装置に対するユーザー操作情報、および当該電子機器の状態情報を収集して前記サポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、
送信した前記メタデータに対応して前記サポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
要求を受け付け、受け付けた要求に応じたジョブを実行する要求処理部をさらに備え、
前記メタデータ送信部は、前記要求処理部からジョブステータス情報を前記状態情報として収集すること、
を特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記ユーザーのログイン処理を行うログイン処理部をさらに備え、
前記メタデータ送信部は、ログイン処理部からログインユーザー情報を前記状態情報として収集すること、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
当該電子機器の機能を実現する内部装置をさらに備え、
前記メタデータ送信部は、前記メタデータ取得コマンドを受信すると、前記状態情報として、前記内部装置の状態情報を収集すること、
を特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の電子機器。
【請求項6】
ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、
前記ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、
当該画像形成装置の機能を実現する内部装置と、
サポートサービス端末装置からメタデータ取得コマンドを受信したときに、前記表示装置の画面画像データ、前記入力装置に対するユーザー操作情報、および前記内部装置の状態情報を収集して前記サポートサービス端末装置へメタデータとして送信するメタデータ送信部と、
送信した前記メタデータに対応して前記サポートサービス端末装置から送信されてくるユーザーサポートデータに基づきエラー解決手順を前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−45200(P2013−45200A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181192(P2011−181192)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】