説明

サンシェード装置

【課題】ガイドレールの形状に拘らず遮光板の回転を可能とするサンシェード装置を提供する。
【解決手段】本発明のサンシェード装置10は、遮光板20の引き出しをガイドする一対のガイドレール26a,26bと、遮光板20を支持するとともに、ガイドレール26a,26bのそれぞれに移動自在に取り付けられた一対の支持部材22とを備え、一対のガイドレール26a,26bは、遮光板20の引き出し方向に沿って、互いの距離が接近するように配置されており、遮光板20と支持部材22とは、遮光板20の引き出しに伴い、遮光板20を挟む一対のガイドレール26a,26b間の距離が小さくなることに伴って互いに相対移動可能とされるとともに、その相対移動に伴って遮光板20が回転可能となるように互いに取り付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓を覆うためのサンシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のリアウィンドウを覆うためのサンシェード装置として、特許文献1に記載のサンシェード装置が知られている。
特許文献1に記載のサンシェード装置は、車両のリアウィンドウの両側部に沿って付設されたガイドレールを備えており、このガイドレールに沿ってローラーブラインドを上下方向に移動させることが可能となっている。
【特許文献1】特開2007−126143公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したサンシェード装置においては、ローラーブラインドの端部に形成された成形板を回転させるべく、ガイドレールが湾曲状をなしている。そのため、当該ガイドレールを接地するスペースを大きく必要とし、ウィンドウとの間の空間も大きく必要となっている。また、特にこのような湾曲状のガイドレールを部材が滑動ないし摺動すると、滑動ないし摺動抵抗による作動音が発生するとともに、劣化が進み易い不具合を生じ得る。さらに、湾曲状のガイドレールは曲げ加工が必要なため、当該加工の分、コスト高となり得る。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、ガイドレールの形状に拘らず成形板の回転を可能とすること、省スペース化を可能とすること、滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難いこと、コスト削減に寄与すること、を実現可能なサンシェード装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のサンシェード装置は、車両のウィンドウ部に沿って展開可能にされた幕体と、前記幕体の端部に配された成形板とを備え、前記成形板の引き出しに伴って前記幕体が展開されるサンシェード装置であって、前記成形板の引き出しをガイドする一対のガイドレールと、前記成形板を支持するとともに、前記ガイドレールのそれぞれに移動自在に取り付けられた一対の支持部材と、を備え、一対の前記ガイドレールは、前記成形板の引き出し方向に沿って、互いの距離が接近するように配置されており、前記成形板と前記支持部材とは、前記成形板の引き出しに伴い、一対の前記ガイドレール間の距離が変化することに伴って互いに相対移動可能とされるとともに、その相対移動に伴って当該成形板が回転可能となるように互いに取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
このようなサンシェード装置によると、成形板の引き出しに伴い、当該成形板を挟む一対のガイドレール間の距離が小さくなるが、そのようなガイドレール間距離の狭小化に伴って、成形板と支持部材とが互いに相対移動するように取り付けられ、さらにその相対移動に伴って当該成形板が回転可能となるように互いに取り付けられているため、ガイドレールの形状(成形板の引き出し方向に沿う形状)に関わらず、成形板を回転させることが可能となり、例えば直線状のガイドレールにて構成することで、省スペース化を実現でき、湾曲部における滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難くなり、また曲げ加工等が不要なためコスト削減にも寄与することが可能となる。
【0007】
本発明のサンシェード装置の好適な構成として、前記支持部材は、軸断面形状が長手方向に沿って略同一な柱状部材を捻った構成をなす一方、前記成形板は、前記支持部材を挿通可能な挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、前記支持部材の捻れに沿って回転するものとすることができる。
このような構成の支持部材ないし成形板により、ガイドレールの形状に関わらず、成形板の引き出しに伴って、当該成形板を回転させることが可能となる。
【0008】
また、本発明のサンシェード装置の異なる構成として、前記支持部材は、長手方向に沿って捻れた形で形成された溝部を備える柱状部材にて構成される一方、前記成形板は、前記支持部材を挿通可能であって、前記溝部と嵌合可能な突部を内部に有した挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、前記支持部材の前記溝部の捻れに沿って回転するものとすることができる。
このような構成の支持部材ないし成形板によっても、ガイドレールの形状に関わらず、成形板の引き出しに伴って、当該成形板を回転させることが可能となる。
【0009】
また、本発明のサンシェード装置の異なる構成として、前記支持部材は、突部を備える柱状部材にて構成される一方、前記成形板は、前記支持部材を挿通可能であって、前記突部と嵌合可能であり長手方向に沿って捻れた形で形成された溝部ないし孔部を有した挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、当該成形板の前記溝部ないし孔部の捻れに沿って回転するものとすることができる。
このような構成の支持部材ないし成形板によっても、ガイドレールの形状に関わらず、成形板の引き出しに伴って、当該成形板を回転させることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガイドレールの形状に拘らず成形板の回転を可能とすること、省スペース化を可能とすること、滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難いこと、コスト削減に寄与すること、を実現可能なサンシェード装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態のサンシェード装置10の側面図であり、図2は、サンシェード装置10の背面図であって幕体(シェード)が収容された状態を示す図、図3は、サンシェード装置10の背面図であって幕体が展開された状態を示す図である。また、図4は、サンシェード装置の要部の拡大斜視図、図5は、遮光板(成形板)が引き出しに伴って回転する態様を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように、車両1の後部座席2の後方上部にはパッケージトレイ3が配設されており、そのパッケージトレイ3の後部にはサンシェード装置10が設置されている。サンシェード装置10は、図2及び図3にも示すように、可撓性のシート状部材からなる幕体(シェード)12を備えており、当該幕体12をリアウィンドウWの車室内側の表面に沿って展開することで、車両1のリアウィンドウWの車室内側を覆うことが可能となっている。幕体12を構成するシート状部材としては、例えば、半透明シート、不透明シート、メッシュシート、織布、不織布等を使用することができる。このようなシート状部材の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン等の合成樹脂材料を使用することができる。
【0013】
また、サンシェード装置10は、幕体12を巻き取るためのシャフト14と、シャフト14を収容するケース16と、を備えている。
シャフト14は、幕体12をその周囲に巻き取ることが可能な円筒状の部材によって構成されている。シャフト14は、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料、あるいは、アルミニウムや鉄などの金属材料によって形成されている。シャフト14の内部には、幕体12をケース16の内部に巻き取る方向に付勢するための図示しないコイルバネが内蔵されている。
ケース16は、シャフト14を回転可能な状態でその内部に収容することが可能な角筒状の部材によって構成されている。ケース16は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料、あるいは、アルミニウムや鉄などの金属材料によって形成されている。ケース16の上方側には、幕体12を上方に引き出すための開口部18が設けられている。
【0014】
幕体12の上端部には、長尺の板状部材からなる遮光板(成形板)20が取り付けられている。この遮光板20は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料、あるいは、アルミニウムや鉄などの金属材料によって形成されており、幕体12の引き出しを行い易くし、リアウィンドウWの上部で展開支持するフレームの役目を果たすとともに、車室内に対する遮光性を高めるべく、その上辺部20aが車室内天井面Rに沿うようにして円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、この遮光板20の引き出し操作に伴って、可撓性部材からなる幕体12のリアウィンドウWに沿った展開が可能となっている。
【0015】
遮光板20の左右の両端部には、長尺の柱状部材(棒状部材)からなる一対の支持部材22がそれぞれ取り付けられている。この支持部材22は、遮光板20を支持し、軸断面形状が長手方向に沿って略同一な柱状部材(ここでは円柱状部材)からなり、その表面に、突起(突部)51を嵌め込み固定(螺子止めでも良い)可能な穿孔50を備えている。各支持部材22の一端は、遮光板20の左右の両端部に形成された挿入孔21の内部に差し込まれ、他端は、ガイドレール26a,26bに取り付けられたスライダ24と一体化している。なお、本実施形態では、支持部材22はスライダ24に対して位置決め固定されており、つまり軸回転不能な状態で取り付けられている。
【0016】
リアウィンドウWの両側部には、軸断面略コの字型の長尺部材からなる一対のガイドレール26a、26bが付設されている。一対のガイドレール26a、26bは、例えば、鉄やアルミニウム等の金属材料によって形成され、リアウィンドウWの両側部に沿うようにして配置されている。また、一対のガイドレール26a、26bのそれぞれの内側には、上記したスライダ24が上下方向に摺動可能な構成で移動自在に嵌め込まれ、これによりスライダ24(支持部材22)、ひいては遮光板20を引き出し方向にガイドするものとしている。なお、ガイドレール26a、26bは、スライダ24のスライド方向、つまり遮光板20の引き出し方向に直線状をなし、さらに、該遮光板20の引き出し方向に沿って、互いの距離が接近するように、車幅方向内側に傾斜する形で配置されている。
【0017】
図4に示すように、遮光板20に形成された挿通孔21は、支持部材22の軸断面形状に相当(相似)する孔軸断面形状(ここでは円形状)を有し、これにより支持部材22を軸ぶれせずに挿通させることが可能となっている。また、挿通孔21には、その孔を形成する壁部を切り欠いた形の孔部60が形成されており、当該孔部60は、支持部材22の突部51と嵌合可能とされ、長手方向に沿って捻れた形で形成されている。この場合、突部51と孔部60とが嵌合した状態で、挿入孔21に対する支持部材22の挿入ないし後退が可能となっている。ここで、支持部材22の遮光板20に対する組付けは、突部51を穿孔50に取り付けない状態で、支持部材22を挿通孔21に挿通し、その後、孔部60を介して突部51を穿孔50に嵌め込み固定することで行われる。なお、挿通孔21に形成した孔部60は、挿通孔21の内面に形成された溝部(壁部を貫通しないもの)であっても良い。
【0018】
以下、図2を参照しながら、遮光板20を上下方向に移動させることで幕体12の引き出し及び巻き取り操作を行うための機構について説明する。
図2に示すように、リアウィンドウWの下部にはモータMが配設されており、このモータMの駆動軸にはピニオンギヤ28が取り付けられている。このピニオンギヤ28には、当該ピニオンギヤ28が回転することで一対のガイドレール26a、26bの内側に沿って上下方向に駆動されるギヤードワイヤ30が噛み合っている。このギヤードワイヤ30の先端には、上記したスライダ24が取り付けられている。
【0019】
したがって、モータMの駆動力によってピニオンギヤ28が正転あるいは逆転すると、ギヤードワイヤ30の先端に取り付けられスライダ24が一対のガイドレール26a、26bの内側に沿って上方向あるいは下方向に駆動される。これにより、支持部材22を介してスライダ24に取り付けられた遮光板20を上下方向に移動させることが可能となっている。
【0020】
上記したように、一対のガイドレール26a、26bは、その上端部が車幅方向内側に向かってそれぞれ傾斜している。したがって、遮光板20を上下方向に移動させた場合、遮光板20の両端部と、一対のガイドレール26a、26bとの間の距離が変化する(具体的には、遮光板20の引き出しに伴って距離が小さくなる)のであるが、遮光板20の両端部には支持部材22が取り付けられているために、この支持部材22が遮光板20の挿入孔21に対して車幅方向に摺動することで、このような距離の変化を吸収することができるようになっている。
【0021】
このように、支持部材22が遮光板20の挿通孔21に進退することで、支持部材22と遮光板20とが相対移動し、ガイドレール26a,26b間の距離を吸収しているが、一方で、上述した通り、この支持部材22と遮光板20との相対移動に伴って、遮光板20が、自身の挿通孔21に形成された孔部60の捻れに沿って回転するものとなっている。
具体的には、図5に示すように、遮光板20を引き戻した状態(幕体12の収納状態)では、遮光板20は寝た状態であって、車外と車内との遮光機能が実現されない状態(非遮光状態)となる一方、遮光板20を引き出した状態(幕体12の展開状態)では、遮光板20は引き出しに伴って回転した起立状態であって、車外と車内との遮光機能が実現される状態(遮光状態)となる。このような遮光板20の回転は、遮光板20の挿通孔21において長手方向に沿って形成された孔部60の捻れに起因しており、支持部材22が、捻れた孔部60と自身の突部50との嵌合を維持したまま遮光板20の挿通孔21に進退することで、遮光板20が孔部60の捻れに沿って回転する仕組みとなっている。
【0022】
以上のような本実施形態のサンシェード装置10においては、遮光板20の引き出しに伴い、遮光板20を挟む一対のガイドレール26a,26b間の距離が小さくなるが、そのようなガイドレール26a,26b間の距離が小さくなるのに伴って、遮光板20と支持部材22とが互いに相対移動するように取り付けられ、さらにその相対移動に伴って遮光板20が回転可能となるように互いに取り付けられている。したがって、ガイドレール26a,26bの形状(遮光板20の引き出し方向に沿う形状)に関わらず、遮光板20を回転させることが可能となり、本実施形態のように直線状のガイドレール26a,26bであっても遮光板20を回転させることができるものとなっている。したがって、曲線状のガイドレールに比して省スペース化を実現でき、湾曲状のガイドレールにおける滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難くなり、また曲げ加工等が不要なためコスト削減が実現される。
【0023】
<第2実施形態>
次に、本発明の異なる実施形態(第2実施形態)を説明する。
図6は第2実施形態のサンシェード装置が具備する支持部材122と遮光板120との構成を示す要部拡大斜視図である。なお、第2実施形態のサンシェード装置において、第1実施形態のサンシェード装置10と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
第2実施形態においても、遮光板120の引き出し操作に伴って、幕体12のリアウィンドウWに沿った展開が可能となっている。そして、遮光板20の左右の両端部には、長尺の柱状部材(棒状部材)からなる支持部材122がそれぞれ取り付けられている。この支持部材122は、遮光板120を支持し、軸断面形状が長手方向に沿って略同一な柱状部材(ここでは円柱状部材)からなり、その表面に、当該支持部材122の長手方向に沿って捻れた形(螺旋状)で形成された溝部150を備えている。ここでも、各支持部材122の一端は、遮光板120の左右の両端部に形成された挿入孔121の内部に差し込まれ、他端は、ガイドレール26a,26bに取り付けられたスライダ24と一体化している。
【0025】
一方、遮光板120に形成された挿通孔121は、支持部材122の軸断面形状に相当(相似)する孔軸断面形状(ここでは円形状)を有し、これにより支持部材122を軸ぶれせずに挿通させることが可能となっている。また、挿通孔121には、支持部材122の溝部150と嵌合可能な、つまり溝部150に入り込む突部160を備え、該突部160と溝部150とが嵌合した状態で、挿入孔121に対する支持部材122の挿入が可能となっている。なお、第2実施形態においても、遮光板120と支持部材122とは、挿通孔121に対する支持部材122の進退に伴って互いに相対移動(接近ないし離間)するものとされ、該相対移動に伴って、遮光板120が支持部材122の溝部150の捻れに沿って回転するものとされている。
【0026】
また、第2実施形態においも、一対のガイドレール26a、26bは、その上端部が車幅方向内側に向かってそれぞれ傾斜している。したがって、遮光板120を上下方向に移動させた場合、遮光板120の両端部と、一対のガイドレール26a、26bとの間の距離が変化する(具体的には、遮光板120の引き出しに伴って距離が小さくなる)のであるが、遮光板120の両端部には支持部材122が取り付けられているために、この支持部材122が遮光板120の挿入孔121に対して車幅方向に摺動することで、このような距離の変化を吸収することができるようになっている。
【0027】
このように、支持部材122が遮光板120の挿通孔121に進退することで、支持部材122と遮光板120とが相対移動し、ガイドレール26a,26b間の距離を吸収しているが、一方で、上述した通り、この支持部材122と遮光板120との相対移動に伴って、遮光板120は支持部材122の溝部150の捻れに沿って回転するものとなっている。具体的には、遮光板120を引き戻した状態(幕体12の収納状態)では、遮光板120は寝た状態であって、車外と車内との遮光機能が実現されない状態(非遮光状態)となる一方、遮光板120を引き出した状態(幕体12の展開状態)では、遮光板120は引き出しに伴って回転した起立状態であって、車外と車内との遮光機能が実現される状態(遮光状態)となる。このような遮光板120の回転は、支持部材122において長手方向に沿って形成された溝部150の捻れに起因しており、この捻れた溝部150を備える支持部材22が、当該溝部150と突部160との嵌合を維持したまま遮光板120の挿通孔121に進退することで、相手方の遮光板120が該捻れに沿って回転する仕組みとなっている。
【0028】
以上のような第2実施形態のサンシェード装置においても、ガイドレール26a,26bの形状(遮光板120の引き出し方向に沿う形状)に関わらず、遮光板120を回転させることが可能となり、直線状のガイドレール26a,26bであっても遮光板120を回転させることができるものとなっている。したがって、曲線状のガイドレール26a,26bに比して省スペース化を実現でき、湾曲状のガイドレールにおける滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難くなり、また曲げ加工等が不要なためコスト削減が実現される。
【0029】
<第3実施形態>
次に、本発明の異なる実施形態(第3実施形態)を説明する。
図7は第3実施形態のサンシェード装置が具備する支持部材222と遮光板220との構成を示す要部拡大斜視図、図8は遮光板220が引き出しに伴って回転する態様を示す説明図である。なお、第3実施形態のサンシェード装置において、第1実施形態のサンシェード装置10と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
第3実施形態においても、遮光板220の引き出し操作に伴って、幕体12のリアウィンドウWに沿った展開が可能となっている。そして、遮光板220の左右の両端部には、長尺の柱状部材(棒状部材)からなる一対の支持部材222がそれぞれ取り付けられている。この支持部材222は、遮光板220を支持する部材であって、軸断面形状(ここではアルファベット「D」の形状)が長手方向に沿って略同一な柱状部材を捻った構成をなし(つまり螺旋形状を有している)、それぞれ一端が、遮光板220の左右の両端部に形成された挿入孔221の内部に差し込まれ、他端が、図7に示すようにガイドレール26a,26bに取り付けられたスライダ24と一体化している。
【0031】
一方、遮光板220に形成された挿通孔221は、開口部分から小幅で支持部材222の軸断面形状に相当(相似)する孔軸断面形状(ここではアルファベット「D」の形状)を有し、それより奥側は支持部材222の径よりわずかに大きい円筒形状に形成され、これにより支持部材222を軸ぶれせずに挿通させることが可能となっている。なお、遮光板220と支持部材222とは、挿通孔221に対する支持部材222の進退に伴って互いに相対移動(接近ないし離間)するものとされ、該相対移動に伴って、遮光板220が支持部材222の捻れに沿って回転するものとされている。
【0032】
第3実施形態においても、遮光板220と支持部材222とは、挿通孔221に対する支持部材222の進退に伴って互いに相対移動(接近ないし離間)するものとされ、該相対移動に伴って、遮光板220は支持部材222の捻れに沿って回転するものとなっている。
【0033】
また、第3実施形態においも、一対のガイドレール26a、26bは、その上端部が車幅方向内側に向かってそれぞれ傾斜している。したがって、遮光板220を上下方向に移動させた場合、遮光板220の両端部と、一対のガイドレール26a、26bとの間の距離が変化する(具体的には、遮光板220の引き出しに伴って距離が小さくなる)のであるが、遮光板220の両端部には支持部材222が取り付けられているために、この支持部材222が遮光板220の挿入孔221に対して車幅方向に摺動することで、このような距離の変化を吸収することができるようになっている。
【0034】
このように、支持部材222が遮光板220の挿通孔221に進退することで、支持部材222と遮光板220とが相対移動し、ガイドレール26a,26b間の距離を吸収しているが、一方で、上述した通り、この支持部材222と遮光板220との相対移動に伴って、遮光板220は支持部材222の捻れに沿って回転するものとなっている。具体的には、図8に示すように、遮光板220を引き戻した状態(図示右下:幕体12の収納状態)では、遮光板220は寝た状態であって、車外と車内との遮光機能が実現されない状態(非遮光状態)となっている。一方、遮光板220を引き出した状態(図示左上:幕体12の展開状態)では、遮光板220は引き出しに伴って回転した起立状態であって、車外と車内との遮光機能が実現される状態(遮光状態)となっている。このような遮光板220の回転は、支持部材222の長手方向に沿って形成された捻れに起因しており、この捻れた支持部材222が遮光板220の挿通孔221に進退することで、相手方の遮光板20が該捻れに沿って回転する仕組みとなっている。
【0035】
以上のような第3実施形態のサンシェード装置においても、ガイドレール26a,26bの形状(遮光板220の引き出し方向に沿う形状)に関わらず、遮光板220を回転させることが可能となり、直線状のガイドレール26a,26bであっても遮光板220を回転させることができるものとなっている。したがって、曲線状のガイドレール26a,26bに比して省スペース化を実現でき、湾曲状のガイドレールにおける滑動ないし摺動抵抗による作動音の発生や劣化が生じ難くなり、また曲げ加工等が不要なためコスト削減が実現される。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、車両1のリアウィンドウWを覆うためのサンシェード装置10について説明したが、本発明はこのような態様に制限されるものではない。本発明は、例えば、車両のサイドウィンドウを覆うためのサンシェード装置に適用することも可能である。
(2)上記実施形態では、遮光板20をモータMの駆動力によって上下方向に移動させる例について説明したが、遮光板20を手動によって上下方向に移動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】サンシェード装置の側面図である。
【図2】サンシェード装置の背面図であって幕体が収容された状態を示す図である。
【図3】サンシェード装置の背面図であって幕体が展開された状態を示す図である。
【図4】サンシェード装置の要部の拡大斜視図である。
【図5】遮光板が引き出しに伴って回転する態様を示す説明図である。
【図6】第2実施形態のサンシェード装置の要部の拡大斜視図である。
【図7】第3実施形態のサンシェード装置の要部の拡大斜視図である。
【図8】第3実施形態のサンシェード装置において遮光板(成形板)が引き出しに伴って回転する態様を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1…車両、10…サンシェード装置、12…幕体、14…シャフト、16…ケース、18…開口部、20,120,220…遮光板、20a…上面、21,121,221…挿通孔、22,122,222…支持部材、26a,26b…ガイドレール、51…突部、60…孔部(溝部)、150…溝部、160…突部、R…車室内天井面、W…リアウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウィンドウ部に沿って展開可能にされた幕体と、前記幕体の端部に配された成形板とを備え、前記成形板の引き出しに伴って前記幕体が展開されるサンシェード装置であって、
前記成形板の引き出しをガイドする一対のガイドレールと、
前記成形板を支持するとともに、前記ガイドレールのそれぞれに移動自在に取り付けられた一対の支持部材と、を備え、
一対の前記ガイドレールは、前記成形板の引き出し方向に沿って、互いの距離が接近するように配置されており、
前記成形板と前記支持部材とは、前記成形板の引き出しに伴い、当該成形板を挟む一対の前記ガイドレール間の距離が小さくなることに伴って互いに相対移動可能とされるとともに、その相対移動に伴って当該成形板が回転可能となるように互いに取り付けられていることを特徴とするサンシェード装置。
【請求項2】
前記ガイドレールは、前記成形板の引き出し方向に直線状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項3】
前記支持部材は、軸断面形状が長手方向に沿って略同一な柱状部材を捻った構成をなす一方、
前記成形板は、前記支持部材を挿通可能な挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、前記支持部材の捻れに沿って回転することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード装置。
【請求項4】
前記支持部材は、長手方向に沿って捻れた形で形成された溝部を備える柱状部材にて構成される一方、
前記成形板は、前記支持部材を挿通可能であって、前記溝部と嵌合可能な突部を内部に有した挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、前記支持部材の前記溝部の捻れに沿って回転することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード装置。
【請求項5】
前記支持部材は、突部を備える柱状部材にて構成される一方、
前記成形板は、前記支持部材を挿通可能であって、前記突部と嵌合可能であり長手方向に沿って捻れた形で形成された溝部ないし孔部を有した挿通孔を備えるとともに、当該成形板と前記支持部材との相対移動に伴い、当該成形板の前記溝部ないし孔部の捻れに沿って回転することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサンシェード装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate