サンド形おむすび製造方法及びその製造装置
【課題】 本発明は,成形米飯を上飯体と下飯体に分離して間に具を介在させてサンド形おむすびを成形することによって,簡単で小型化できるサンド形おむすび製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】 このおむすび製造装置は,おむすび1つ分の成形米飯gを成形する上型成形穴17を設けた間欠回動する上型成形円盤2,上型成形円盤2に枢着された下型成形穴18を備えた下型成形枠3,上型成形穴17と下型成形穴18との間をスライドして成形米飯gを上飯体cと下飯体dに分離するカッタ9,下飯体d上に具eを供給する具供給部E,上飯体cを具e上に移動させて成形されたサンド形おむすびfを受け取るレシーバ13,及びレシーバ13上のサンド形おむすびfを所定の位置へ送り出す送出コンベヤ15から構成されている。
【解決手段】 このおむすび製造装置は,おむすび1つ分の成形米飯gを成形する上型成形穴17を設けた間欠回動する上型成形円盤2,上型成形円盤2に枢着された下型成形穴18を備えた下型成形枠3,上型成形穴17と下型成形穴18との間をスライドして成形米飯gを上飯体cと下飯体dに分離するカッタ9,下飯体d上に具eを供給する具供給部E,上飯体cを具e上に移動させて成形されたサンド形おむすびfを受け取るレシーバ13,及びレシーバ13上のサンド形おむすびfを所定の位置へ送り出す送出コンベヤ15から構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,平らに成形した上飯体と下飯体との間に切り昆布,削り鰹,梅干し,鮭等の具をサンドイッチ状(以下,サンド状とする)に挟み込んだ平らに成形されたサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,サンド形おむすびは,コンビニエンスストア,スーパ等の店頭に並べられ,売れ筋の商品である。そのため,おむすびの製造装置のメーカーの各社は,共に早い時期から開発に着手しており,現在では下記のように数多くの特許出願がされ,権利になっている特許発明もある。
【0003】
現在,コンビニエンスストア,スーパ等の店頭で販売されている丸形や三角形のおむすびは,その外側を海苔で巻き,各社特有のフイルムで包装されているが,おむすびの中に入っている各種の具の入れ方は,大別すると次の3種類の形態がある。
1.おむすびの上面に具が露出している形態。
2.おむすびの真ん中に具を包み込んでいる包あん状の形態。
3.おむすびの上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンド状の形態。
【0004】
従来のおむすびサンドの製造装置の1例としては,ターンテーブルと成形型を用いるものが知られている。該おむすびサンドの製造装置は,第1ターンテーブルの上方には第1成形型内へ下飯体用の米飯を供給する米飯供給機構と下飯体上部に具材を充填する具材充填機構とを回転方向へ順次配設し,第2ターンテーブルの上方には,第2成形型内へ上飯体用の米飯を供給する米飯供給機構を配設し,第1成形型内の下飯体及びその上部にある具材と第2成形型内の上飯体とを両成形型が互いに一致連通する位置において合体するようにプレス機構を装備しているものである。プレス機構は,下飯体を第1ターンテーブルの第1成形型から上方へ脱型し,第2ターンテーブルの第2成形型へ押し込むプレスヘッドと,下飯体が下方から押し込まれた第2成形型内の上飯体をその上面で支持し,上下両飯体を具材を介在して押圧合体するプレスヘッドとから構成されている(例えば,特許文献1参照)。
【0005】
従来知られているサンドイッチ形おむすびの製造装置は,第一と第二の成形型組を周方向に複数配置し,第一成形型内の第一半割飯体上に具材を載置可能としたターンテーブルと,両成形型内に供給された米飯を板状に押し固める第一プレス装置と,前記ターンテーブルの下面に同軸で重合配置され,ターンテーブルの回転時に両成形型にそれぞれ重合連通する貫通孔組を設けた補助円板と,補助円板の下方に,ターンテーブルと独立して回転し両貫通孔を介して両成形型にそれぞれ対応して重合連通するサンド用孔を設けたサンド円板と,ターンテーブルを回転させて成形型組を補助円板の貫通孔組に重合させた時に,第一成形型で成形された上面に具材が載置された第一半割飯体をサンド用円板のサンド用孔の下方位置まで押し込み,第二半割飯体をサンド用孔まで押し込む第二プレス装置と,サンド用円板を回転させ,サンド用孔中の第二半割飯体をサンド用円板の下方に位置する第一半割飯体上に重合させた後,下方からターンテーブルの第一成形型内まで押し上げるリフト装置と,を具備するものである(例えば,特許文献2参照)。
【0006】
また,握飯製造機として,内部にえび等の具材を収容し,しっぽを握飯の外側に露出させた具材入り握飯を製造する装置が知られている。該握飯製造機は,機台上の帯板の内面に沿って摺接する間歇回動雌型を固定台板上に連設し,雌型の側面開口部を帯板の内面に接し,帯板の始端部の高さが側面開口部を閉鎖する程度であり,中程から終端部までの高さは側面開口部のほぼ1/2高さと同じ又は若干低く形成され,中程に帯板の分離部が設けられ,分離部に側面開口部の符号する雌型の直下の固定台板に雄型の昇降する透孔を穿設し,透孔内に雄型を下降し,雄型上に載せられたほぼ1/2量飯上にある具材の本体は透孔内に,尾部は上記空間内に収容するように形成したものである(例えば,特許文献3参照)。
【0007】
従来,全体として定重量,定密度のサンドおにぎりを効率良く成型できるサンドおにぎりの成型装置が提供されている。該サンドおにぎりの成型装置は,上飯体成形型と下飯体成形型を各貫通して設けた成形テーブルと,両成形型の一個ずつに対応するように周方向へ所定の間隔をおいて上記成形型と同形,同一大の複数の成形型を貫通して設けたサンドテーブルとを,上下配置としてのフレームに間欠回転自在に軸支し,成形テーブルの上方に内外両成形型へ同僚の米飯を同時に供給する米飯供給・成形部と,下飯体に対する具材供給部と,上飯体,具材をサンドテーブルの成形型へ落し込む下飯体プレス部と,下飯体プレス部とを順番に配設して構成されている(例えば,特許文献4参照)。
【特許文献1】特許第3117300号公報
【特許文献2】特許第3600547号公報
【特許文献3】特許第2974973号公報
【特許文献4】特開2002−65187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら,従来のサンド形おむすびは,前述したとおりに,上飯体と下飯体の成形を別々に行う必要があり,更に,成形された下飯体の上面に,おかか,鮭,昆布等の具を載せ,次いで,成形された上飯体と合体させ,完成するということになるため,各社の特許出願に見られるように,米飯の供給系統が上飯体用と下飯体用との2系統になったり,成形円板を上飯体用,下飯体用及び具用の複数個使用したり,上飯体と下飯体との合体装置を設けたり,装置そのものが通常のおむすびの製造装置に比べて複雑になり,大型になっているのが実状であり,客先からは小型で簡素化した装置についての要望が強く出ているのが現状である。即ち,現在,おむすびの中に各種の具を入れておむすびの上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンドイッチ状の形態では,上飯体と下飯体とを別々に成形する必要があり,装置そのものが複雑になるという問題があった。そこで,おむすび製造装置として,サンドイッチ形に具を挟み込んだおむすびを,如何に簡単に確実に見栄え良く作ると共に,しかもふっくらとした美味なおむすびに仕上げるかの課題があった。
【0009】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,上飯体と下飯体との間に具が挟み込まれたサンドイッチ形おむすび(以下,サンド形おむすびという)を極めてシンプルな小型の装置によって形良く,しかもふっくらした美味なものを製造するものであり,特に,おむすび1つ分の成形米飯をカッタで上飯体と下飯体とに切断分離し,間に具を介在させることによって成形工程と装置そのものを簡単で小型に形成することができるサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は,米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造方法において,
間欠回動する上型成形円盤に設けられた上型成形穴におむすび1個分の米飯を前記米飯供給装置から供給して成形米飯に成形する工程,前記上型成形穴に供給された前記成形米飯を前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する下型成形枠の下型成形穴に移動させる工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間にカッタをスライドさせて前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを離隔して前記下型成形穴内の前記下飯体上に具を載置する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させる工程,並びに前記下型成形枠内で前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびに成形して送り出す工程から構成されていることを特徴とするサンド形おむすび製造方法に関する。
【0011】
このサンド形おむすび製造方法は,前記米飯供給装置から供給される前記成形米飯と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するのは,前記上型成形円盤の下面に設けた上型アンダープレートによって行われ,また,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するのは,前記下型成形枠の下面に設けた下型アンダープレートによって行われるものである。
【0012】
また,この発明は,米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造装置において,
前記米飯供給装置から供給される前記米飯を受け入れて前記米飯を成形米飯に成形する上型成形穴を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤,前記上型成形円盤に枢着され且つ前記上型成形穴に整合する下型成形穴を備えた下型成形枠,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させ,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間をスライドして前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離するカッタ,前記下型成形穴に保持された前記下飯体の上に前記具を供給するため前記上型成形円盤に所定の箇所に設けられた具供給ステーション,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成形されたサンド形おむすびを受け取るレシーバ,並びに前記レシーバからの前記サンド形おむすびを所定の位置へ送り出す送出コンベヤから構成されていることを特徴とするサンド形おむすびの製造装置に関する。
【0013】
このサンド形おむすび製造装置では,前記下型成形枠は,前記上型成形円盤に形成された切欠きに嵌め込まれるヒンジピンを備えており,前記ヒンジピンを支点として前記上型成形円盤に対して枢着され,前記上型成形穴と前記下型成形穴とが整合した位置と離間した位置に回転自在に枢着されている。
【0014】
このサンド形おむすび製造装置は,前記上型成形穴内を下降する上プッシャーと前記下型成形穴内を上昇する下プッシャーとで前記成形米飯を挟んで保持し,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させるものである。
【0015】
このサンド形おむすび製造装置は,前記米飯供給装置から供給される前記飯体と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するため前記上型成形円盤の下面に上型アンダープレートが設けられ,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成る前記サンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するため前記下型成形枠の下面に下型アンダープレートが設けられている。
【0016】
このサンド形おむすび製造装置において,前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する前記カッタは,前記上型アンダープレートに形成された上型アンダープレート溝でスライドし,前記上型成形円盤に対して枢着された前記下型成形枠は,前記下型アンダープレートに形成された下型アンダープレート溝で規制されて回転運動する。
【0017】
このサンド形おむすび製造装置は,前記下型アンダープレートで前記下型成形穴に保持された前記下飯体を成形する押圧成形プッシャー,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成る前記サンド形おむすびに成形する押出成形プッシャー,及び前記レシーバ上の前記サンド形おむすびを送出コンベヤへ送り出す送出プッシャーが設けられている。
【発明の効果】
【0018】
このサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置は,上記のように,間欠回動する上型成形円盤に枢支点で回動自在になるように下型成形枠を嵌め込んで成形型を一体化したので,装置そのものを小型で簡素化することができる。また,回動自在の下型成形枠を下型アンダープレート溝に嵌め込み,該溝の作用により上型成形円盤の間欠回動に合わせて下型成形枠を回転移動させ,おむすび1つ分の成形米飯を上飯体と下飯体とに切断分離し,上飯体と下飯体との間に具を載置し,これらを合体させることを可能にした。上型成形円盤と下型成形枠との間に上型アンダープレートを設置し,該上型アンダープレートの溝にカッタをスライドさせることによって成形穴内で成形米飯の形状を保持したままで成形米飯を上飯体と下飯体とに容易に且つ的確に切断分離させることができる。
【0019】
更に,このサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置は,上型成形円盤へ供給する米飯は一系統で良く,成形も一組の円盤の中で済み,更に,従来の製造装置のように上飯体と下飯体とのそれぞれの成形装置と両者の合体装置を必要とせず,装置そのものを小形化にすることができ,サンド形おむすびの製造工程における米飯の流れもシンプルな簡素な装置にすることができる。また,米飯のサンド形おむすびへの成形は,すべて上型と下型との成形穴内で行い,各々の成形された上飯体と下飯体の移動は成形穴内に収容された状態で行うため,米飯の形状崩れによる不良品の発生を防止でき,良品率を向上させることができる。更に,このサンド形おむすびの製造装置は,具の供給作業が容易であり,供給した具の他の場所へのこぼれが発生しないものである。即ち,通常,米飯への具の供給は,人手によって行われているが,このサンド形おむすびの製造装置における具の供給工程は,下型成形枠の成形穴内に向って人手によって供給すればよく,下型成形枠という目標が定まっており,具の供給作業が容易であり,具の供給時の具のこぼれの心配が無く,装置稼働中の具のこぼれによる装置の汚れ防止と共に,具の供給歩留りを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,図面を参照して,この発明によるサンド形おむすび製造方法及びその製造装置の実施例を説明する。ここで用いる米飯供給装置1は,例えば,本出願人に係る特許出願である特願2007−236200号における図8〜図11を参照して明細書に開示されたものを使用できるので,ここではその詳細な説明は省略する。
【0021】
図1に示すように,このサンド形おむすび製造装置は,主として,上型成形円盤2と上型成形円盤2の周方向に沿って所定間隔に配設された複数の下型成形枠3とから成り,下型成形枠3は上型成形円盤2の切欠き16に嵌め込まれたヒンジピン4が枢支点になって上型成形円盤2に対して回転自在に取り付けられている。上型成形円盤2と下型成形枠3には,周方向に沿って,米飯aを上型成形円盤2の上型成形穴17に供給する米飯供給部A,成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに二分割する分離部B,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域C,下飯体dを成形する下飯体成形部D,具eを下飯体dに載せる具供給部E,具eの供給状態を調整する具供給予備部F,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域G,上飯体cと下飯体dとの合体部H,及びサンド形おむすびfを送り出す送出部Jが順次に設けられている。
【0022】
まず,この発明によるサンド形おむすび製造方法について説明する。このサンド形おむすび製造方法は,主として,米飯供給装置1から供給される米飯aを上飯体cと下飯体dとの間に具eを挟み込んだサンド形おむすびfに成形するものであり,間欠回動する上型成形円盤2に設けられた上型成形穴17におむすび1個分の定量米飯bを米飯供給装置1から供給する工程,上型成形穴17に供給された定量米飯bを上型成形穴17で成形米飯gに成形する工程,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形枠3の下型成形穴18に移動させる工程,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18との間にカッタ9をスライドさせて成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに分離する工程,上型成形穴17と下型成形穴18とを離隔して下型成形穴18内の下飯体d上に具eを載置する工程,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させる工程,並びに下型成形枠3内で上飯体c,具e及び下飯体dから成るサンド形おむすびfに成形して取り出す工程から構成される。
【0023】
このサンド形おむすび製造方法では,米飯供給装置1から供給される米飯aは,米飯供給装置1の下面の供給口23に設けられた一対のシャッタ22を開口して上型成形円盤2の上型成形穴17に供給され,おむすび1個分の定量米飯bが供給されると,シャッタ22を閉鎖することによって,定量米飯bが上型成形円盤2の上型成形穴17に供給される。また,成形米飯g及び上飯体cを上型成形円盤2の成形穴17で保持する時には,上型成形円盤2の上型成形穴17の下面には上型アンダープレート5が位置し,下型成形枠3の下面には下型アンダープレート6が位置しているものである。
【0024】
次に,この発明によるサンド形おむすび製造装置を説明する。このサンド形おむすび製造装置は,米飯供給装置1から供給される米飯aを上飯体cと下飯体dとの間に具eを挟み込んだサンド形おむすびfに成形するものである。図13に示すように,上型成形円盤2は,周方向に等間隔に隔置して複数の上型成形穴17が貫通して形成されている。上型アンダープレート5には,上型アンダープレート溝20が形成されている。分離部Bにおいて,上型アンダープレート溝20をカッタ9がスライドするように設けられている。図14に示すように,上型成形円盤2には,下面側にヒンジピン嵌め込み用の切欠き16が形成されている。図15に示すように,下型成形枠3は,上型成形穴17に対応する形状に形成された下型成形穴18が形成されると共に,上型成形円盤2の切欠き16に嵌め込まれて上型成形円盤2に対して枢着するヒンジピン4が設けられている。図16に示すように,このサンド形おむすび製造装置は,上型成形円盤2と下型成形枠3との間に上型アンダープレート5を介在して,上型成形円盤2の切欠き16に下型成形枠3のヒンジピン4が嵌め込まれて上型成形円盤2と下型成形枠3とが一体化され,下型成形枠3が上型成形円盤2に対して上型成形穴17と下型成形穴18とが整合した位置と離間した位置に回転自在に配設されている。
【0025】
図16及び図17に示すように,下型成形枠3の下方には,上型成形円盤2の外形より,回転領域C,下飯体成形部D,具供給部E,具供給予備部F,及び回転領域Gの領域が大きくなるように形成された下型アンダープレート6が配設されている。下型アンダープレート6には,下型アンダープレート溝19が形成されている。下型アンダープレート溝19は,内周ガイド面26と外周ガイド面27から形成されている。内周ガイド面26と外周ガイド面27は,回転領域Cにおいて外側へ延び出し,下型アンダープレート溝19が上型成形円盤2の外周面より外側へ張り出し,その張り出し状態は,下飯体成形部D,具供給部E,及び具供給予備部Fの領域で続く。次いで,内周ガイド面26と外周ガイド面27は,回転領域Gにおいて内側へ引っ込み,上飯体と下飯体との合体部Hにおいて下型成形穴18が上型成形穴17に整合する位置に戻る。下型成形枠3は,下型アンダープレート溝19に嵌め込まれて自由な動きが規制されている。従って,下型成形枠3は,下型アンダープレート溝19の作用によって,ヒンジピン4を支点として回転領域Cにおいて,図18に示すように,回転移動して下型成形穴18を外側へ移動させ,下飯体dの成形を可能にし,下型成形穴18への具eの供給を可能にする。
【0026】
このサンド形おむすび製造装置は,主として,米飯供給装置1から供給される米飯aを受け入れて米飯aを成形米飯gに成形する上型成形穴17を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤2,上型成形円盤2に枢着され且つ上型成形穴17に整合する下型成形穴18を備えた下型成形枠3,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形穴18へ移動させ,上型成形穴17と下型成形穴18との間をスライドして成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに切断分離するカッタ9,下型成形穴18に保持された下飯体dの上に具eを供給するため上型成形円盤2に所定の箇所に設けられた具供給部Eを構成する具供給ステーション,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させて上飯体c,具e及び下飯体dから成形されたサンド形おむすびFを受け取るレシーバ13,並びにレシーバ13からのサンド形おむすびfを所定の位置へ送り出す送出コンベヤ15から構成されている
【0027】
このサンド形おむすび製造装置では,下型成形枠3は,上型成形円盤2に形成された切欠き16に嵌め込まれるヒンジピン4を備えており,ヒンジピン4を枢支点として上型成形円盤2に対して回転自在に取り付けられ,上型成形穴17と下型成形穴18とが整合した位置と離間した位置に移動自在に構成されている。このサンド形おむすび製造装置は,上型成形穴17内を下降する上プッシャー7と下型成形穴18内を上昇する下プッシャー8とで成形米飯gを挟んで保持し,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形穴18に移動させることができる。成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに切断分離するカッタ9は,上型アンダープレート5に形成された上型アンダープレート溝20でスライドし,また,上型成形円盤2に対して枢着された下型成形枠3は,下型アンダープレート6に形成された下型アンダープレート溝19で規制されて回転領域C,Gの領域で回転運動する。
【0028】
このサンド形おむすび製造装置は,米飯供給装置1から供給される成形米飯gと上飯体cを上型成形穴17に保持するため,上型成形円盤2の下面に上型アンダープレート5が設けられ,下飯体d及び上飯体c,具e及び下飯体dから成るサンド形おむすびfを下型成形穴18に保持するため,下型成形枠3の下面に下型アンダープレート6が設けられている。また,このサンド形おむすび製造装置は,下型アンダープレート6で下型成形穴3に保持された下飯体dを成形する押圧成形プッシャー10,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させて上飯体c,具e及び下飯体dとから成るサンド形おむすびfに成形する押出成形プッシャー11,及びレシーバ13上のサンド形おむすびfを送出コンベヤ15へ送り出す送出プッシャー14が設けられている。
【0029】
このサンド形おむすび製造方法では,米飯供給部Aでは,米飯供給装置1から供給された米飯aを,図2及び図3に示すように,間欠回動している上型成形円盤2の上型成形穴17に定量供給する。ここでは,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18とは,整合状態に位置している。この状態では,上型成形円盤2の上型成形穴17は上型アンダープレート溝20に位置し,また,下型成形枠3の下型成形穴18は下型アンダープレート溝19に位置している。次いで,図4に示すように,上型アンダープレート5を移動させ,上飯体cと下飯体dとの分離部B(図1)では,待機していた上プッシャー7が上から下降し,更に下プッシャー8が下型アンダープレート6の開口24を通じて下から上昇して,上プッシャー7と下プッシャー8によって,定量米飯bを崩れない程度でふっくらした程度の固さに上下から押え,上型アンダープレート溝20に形成した開口25を通じて成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを,上型成形穴17に整合する下型成形枠3の下型成形穴18に移動した位置(即ちセンタリングの位置)に移動させる。次いで,図5に示すように,上型アンダープレート5の溝20に待機していたカッタ9が作動し,成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに二等分して分離する。その後,図6に示すように,上プッシャー7と下プッシャー8とはそれぞれの待機位置に戻る。
【0030】
図7及び図18に示すように,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域C(図1)は,下型成形枠3が回転移動する領域であり,上型成形円盤2の間欠回動に合わせ,下型成形穴18に下飯体dを収容している下型成形枠3が上型成形円盤2から離れ,具eの供給できる位置即ち具供給部E(図1)まで回転移動する。下型成形枠3の具供給部Eへの回転移動の状態は,図18に示すとおりである。図7に示すように,上型成形円盤2の上型成形穴17が下型成形枠3の下型成形穴18と離間するように,下型成形枠3が回転移動して,下飯体成形部D(図1)に至り,そこで下型成形枠3が定位置に停止すると,待機している押圧成形プッシャー10が下降し,図8に示すように,押圧成形プッシャー10によって下型成形穴18内に下飯体dの最終成形を行う。即ち,下飯体dの上に具eを載置することができるように下飯体dの上面を平らな面に成形する。
【0031】
次いで,具供給ステーションにおける具供給部E(図1)では,図9に示すように,間欠回動する上型成形円盤2が停止している時間内に,人手によって具eを下型成形枠3の下型成形穴18を目標として下型成形穴18に具eを投入して具eを下飯体dの上面に載置する。具供給ステーションには,具供給部Eの後流に具供給予備部Fが設けられている。具供給予備部Fでは,下飯体d上に載置した具eの状態を修正したり,余分の具eを取り外したり,或いは下飯体d上に具eが載置されていない場合には具eを載置する作業を行うことができる。次に,下型成形枠3の回転領域Gでは,下型成形枠3を元の位置に戻す下型成形枠3の回転領域であり,下型成形枠3は,回転領域Cの回転とは逆の回転をし,図10に示すように,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18とが整合する定位置まで戻ることになる。下型成形枠3が戻った位置には押圧成形プッシャー11が待機している。
【0032】
次いで,上飯体c,具e及び下飯体dの合体部Hでは,図10に示すように,待機していた押圧成形プッシャー11が下降し,上飯体cを下型成形枠3の下型成形穴18内の具eの上に載せながら,下型成形穴18内で上飯体cを適度に押圧して,上飯体c,具e及び下飯体dを合体させてサンド形おむすびfを完成させる。次いで,下型成形枠3は移動してサンド形おむすびfの排出部即ち送出部Jに到達する。図11に示すように,サンド形おむすびfの送出部Jでは,下型アンダープレート6の下型アンダープレート溝19には送出口21が形成されていると共に,下型成形枠3の下に受け取りレシーバ13が待機している。そこで,サンド形おむすびfを押出プッシャー12と受け取りレシーバ13とで挟んで形崩れしないように,送出口21を通じて下降させ,サンド形おむすびfは受け取りレシーバ13上に位置して下型成形枠3の下型成形穴18から送りされる。次いで,受け取りレシーバ13が下降して送出コンベヤ15との高さまで下降すると,サンド形おむすびfの横方向に待機していた送出プッシャー14が作動し,図12に示すように,送出プッシャー14によってサンド形おむすびfを送出コンベヤ15に押し出し送り出すことになる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明は,例えば,上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンド形おむすびを製造するのに適用して好ましいサンド形おむすび製造方法及びその製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明によるサンド形おむすび製造装置の一実施例を示す概略平面図である。
【図2】この発明によるサンド形おむすび製造において,米飯供給装置から上型成形円盤へ所定量の米飯を供給する工程を示す説明図である。
【図3】上型成形円盤の上型成形穴に米飯が供給された状態を示す説明図である。
【図4】成形米飯の一部を下型成形穴へ移動させた状態を示す説明図である。
【図5】成形米飯を上下プッシャーで挟んだ状態で成形米飯をカッタで上飯体と下飯体とに分離する状態を示す説明図である。
【図6】上飯体と下飯体とに分離された状態を示す説明図である。
【図7】下型成形枠を回転させて上飯体と下飯体とを離間させた状態を示す説明図である。
【図8】下型成形枠の下型成形穴に位置する下飯体の成形する状態を示す説明図である。
【図9】下型成形枠の下型成形穴に位置する下飯体の上に具を載置した状態を示す説明図である。
【図10】下型成形枠を回転させて上飯体と下飯体とを整合させ,下型成形穴に入った上飯体,具及び下飯体から成るサンド形おむすびを押圧成形プッシャーで成形する状態を示す説明図である。
【図11】サンド形おむすびを受け取りレシーバで受け取った状態を示す説明図である。
【図12】サンド形おむすびを受け取りレシーバ上からベルトコンベヤへ送り出した状態を示す説明図である。
【図13】上型成形円盤の一例を示す平面図である。
【図14】図13の上型成形円盤の断面図である。
【図15】下型成形枠の一例を示し,(A)は平面図,(B)は側面図である。
【図16】上型成形円盤の上型成形穴と下型成形枠の下型成形穴とを整合させた状態を示す断面図である。
【図17】下型アンダープレートを示す平面図である。
【図18】上型成形円盤に対して下型成形枠の回転状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 米飯供給装置
2 上型成形円盤
3 下型成形枠
4 ヒンジピン
5 上型アンダープレート
6 下型アンダープレート
7 上プッシャー
8 下プッシャー
9 カッタ
10,11 押圧成形プッシャー
13 レシーバ
14 送出プッシャー
15 送出コンベヤ
16 切欠き(上型成形円盤)
17 上型成形穴
18 下型成形穴
19 下型アンダープレート溝
20 上型アンダープレート溝
a 米飯
b 定量米飯
c 上飯体
d 下飯体
e 具
f サンド形おむすび
g 成形米飯
E 具供給部
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,平らに成形した上飯体と下飯体との間に切り昆布,削り鰹,梅干し,鮭等の具をサンドイッチ状(以下,サンド状とする)に挟み込んだ平らに成形されたサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,サンド形おむすびは,コンビニエンスストア,スーパ等の店頭に並べられ,売れ筋の商品である。そのため,おむすびの製造装置のメーカーの各社は,共に早い時期から開発に着手しており,現在では下記のように数多くの特許出願がされ,権利になっている特許発明もある。
【0003】
現在,コンビニエンスストア,スーパ等の店頭で販売されている丸形や三角形のおむすびは,その外側を海苔で巻き,各社特有のフイルムで包装されているが,おむすびの中に入っている各種の具の入れ方は,大別すると次の3種類の形態がある。
1.おむすびの上面に具が露出している形態。
2.おむすびの真ん中に具を包み込んでいる包あん状の形態。
3.おむすびの上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンド状の形態。
【0004】
従来のおむすびサンドの製造装置の1例としては,ターンテーブルと成形型を用いるものが知られている。該おむすびサンドの製造装置は,第1ターンテーブルの上方には第1成形型内へ下飯体用の米飯を供給する米飯供給機構と下飯体上部に具材を充填する具材充填機構とを回転方向へ順次配設し,第2ターンテーブルの上方には,第2成形型内へ上飯体用の米飯を供給する米飯供給機構を配設し,第1成形型内の下飯体及びその上部にある具材と第2成形型内の上飯体とを両成形型が互いに一致連通する位置において合体するようにプレス機構を装備しているものである。プレス機構は,下飯体を第1ターンテーブルの第1成形型から上方へ脱型し,第2ターンテーブルの第2成形型へ押し込むプレスヘッドと,下飯体が下方から押し込まれた第2成形型内の上飯体をその上面で支持し,上下両飯体を具材を介在して押圧合体するプレスヘッドとから構成されている(例えば,特許文献1参照)。
【0005】
従来知られているサンドイッチ形おむすびの製造装置は,第一と第二の成形型組を周方向に複数配置し,第一成形型内の第一半割飯体上に具材を載置可能としたターンテーブルと,両成形型内に供給された米飯を板状に押し固める第一プレス装置と,前記ターンテーブルの下面に同軸で重合配置され,ターンテーブルの回転時に両成形型にそれぞれ重合連通する貫通孔組を設けた補助円板と,補助円板の下方に,ターンテーブルと独立して回転し両貫通孔を介して両成形型にそれぞれ対応して重合連通するサンド用孔を設けたサンド円板と,ターンテーブルを回転させて成形型組を補助円板の貫通孔組に重合させた時に,第一成形型で成形された上面に具材が載置された第一半割飯体をサンド用円板のサンド用孔の下方位置まで押し込み,第二半割飯体をサンド用孔まで押し込む第二プレス装置と,サンド用円板を回転させ,サンド用孔中の第二半割飯体をサンド用円板の下方に位置する第一半割飯体上に重合させた後,下方からターンテーブルの第一成形型内まで押し上げるリフト装置と,を具備するものである(例えば,特許文献2参照)。
【0006】
また,握飯製造機として,内部にえび等の具材を収容し,しっぽを握飯の外側に露出させた具材入り握飯を製造する装置が知られている。該握飯製造機は,機台上の帯板の内面に沿って摺接する間歇回動雌型を固定台板上に連設し,雌型の側面開口部を帯板の内面に接し,帯板の始端部の高さが側面開口部を閉鎖する程度であり,中程から終端部までの高さは側面開口部のほぼ1/2高さと同じ又は若干低く形成され,中程に帯板の分離部が設けられ,分離部に側面開口部の符号する雌型の直下の固定台板に雄型の昇降する透孔を穿設し,透孔内に雄型を下降し,雄型上に載せられたほぼ1/2量飯上にある具材の本体は透孔内に,尾部は上記空間内に収容するように形成したものである(例えば,特許文献3参照)。
【0007】
従来,全体として定重量,定密度のサンドおにぎりを効率良く成型できるサンドおにぎりの成型装置が提供されている。該サンドおにぎりの成型装置は,上飯体成形型と下飯体成形型を各貫通して設けた成形テーブルと,両成形型の一個ずつに対応するように周方向へ所定の間隔をおいて上記成形型と同形,同一大の複数の成形型を貫通して設けたサンドテーブルとを,上下配置としてのフレームに間欠回転自在に軸支し,成形テーブルの上方に内外両成形型へ同僚の米飯を同時に供給する米飯供給・成形部と,下飯体に対する具材供給部と,上飯体,具材をサンドテーブルの成形型へ落し込む下飯体プレス部と,下飯体プレス部とを順番に配設して構成されている(例えば,特許文献4参照)。
【特許文献1】特許第3117300号公報
【特許文献2】特許第3600547号公報
【特許文献3】特許第2974973号公報
【特許文献4】特開2002−65187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら,従来のサンド形おむすびは,前述したとおりに,上飯体と下飯体の成形を別々に行う必要があり,更に,成形された下飯体の上面に,おかか,鮭,昆布等の具を載せ,次いで,成形された上飯体と合体させ,完成するということになるため,各社の特許出願に見られるように,米飯の供給系統が上飯体用と下飯体用との2系統になったり,成形円板を上飯体用,下飯体用及び具用の複数個使用したり,上飯体と下飯体との合体装置を設けたり,装置そのものが通常のおむすびの製造装置に比べて複雑になり,大型になっているのが実状であり,客先からは小型で簡素化した装置についての要望が強く出ているのが現状である。即ち,現在,おむすびの中に各種の具を入れておむすびの上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンドイッチ状の形態では,上飯体と下飯体とを別々に成形する必要があり,装置そのものが複雑になるという問題があった。そこで,おむすび製造装置として,サンドイッチ形に具を挟み込んだおむすびを,如何に簡単に確実に見栄え良く作ると共に,しかもふっくらとした美味なおむすびに仕上げるかの課題があった。
【0009】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,上飯体と下飯体との間に具が挟み込まれたサンドイッチ形おむすび(以下,サンド形おむすびという)を極めてシンプルな小型の装置によって形良く,しかもふっくらした美味なものを製造するものであり,特に,おむすび1つ分の成形米飯をカッタで上飯体と下飯体とに切断分離し,間に具を介在させることによって成形工程と装置そのものを簡単で小型に形成することができるサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は,米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造方法において,
間欠回動する上型成形円盤に設けられた上型成形穴におむすび1個分の米飯を前記米飯供給装置から供給して成形米飯に成形する工程,前記上型成形穴に供給された前記成形米飯を前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する下型成形枠の下型成形穴に移動させる工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間にカッタをスライドさせて前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを離隔して前記下型成形穴内の前記下飯体上に具を載置する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させる工程,並びに前記下型成形枠内で前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびに成形して送り出す工程から構成されていることを特徴とするサンド形おむすび製造方法に関する。
【0011】
このサンド形おむすび製造方法は,前記米飯供給装置から供給される前記成形米飯と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するのは,前記上型成形円盤の下面に設けた上型アンダープレートによって行われ,また,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するのは,前記下型成形枠の下面に設けた下型アンダープレートによって行われるものである。
【0012】
また,この発明は,米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造装置において,
前記米飯供給装置から供給される前記米飯を受け入れて前記米飯を成形米飯に成形する上型成形穴を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤,前記上型成形円盤に枢着され且つ前記上型成形穴に整合する下型成形穴を備えた下型成形枠,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させ,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間をスライドして前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離するカッタ,前記下型成形穴に保持された前記下飯体の上に前記具を供給するため前記上型成形円盤に所定の箇所に設けられた具供給ステーション,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成形されたサンド形おむすびを受け取るレシーバ,並びに前記レシーバからの前記サンド形おむすびを所定の位置へ送り出す送出コンベヤから構成されていることを特徴とするサンド形おむすびの製造装置に関する。
【0013】
このサンド形おむすび製造装置では,前記下型成形枠は,前記上型成形円盤に形成された切欠きに嵌め込まれるヒンジピンを備えており,前記ヒンジピンを支点として前記上型成形円盤に対して枢着され,前記上型成形穴と前記下型成形穴とが整合した位置と離間した位置に回転自在に枢着されている。
【0014】
このサンド形おむすび製造装置は,前記上型成形穴内を下降する上プッシャーと前記下型成形穴内を上昇する下プッシャーとで前記成形米飯を挟んで保持し,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させるものである。
【0015】
このサンド形おむすび製造装置は,前記米飯供給装置から供給される前記飯体と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するため前記上型成形円盤の下面に上型アンダープレートが設けられ,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成る前記サンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するため前記下型成形枠の下面に下型アンダープレートが設けられている。
【0016】
このサンド形おむすび製造装置において,前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する前記カッタは,前記上型アンダープレートに形成された上型アンダープレート溝でスライドし,前記上型成形円盤に対して枢着された前記下型成形枠は,前記下型アンダープレートに形成された下型アンダープレート溝で規制されて回転運動する。
【0017】
このサンド形おむすび製造装置は,前記下型アンダープレートで前記下型成形穴に保持された前記下飯体を成形する押圧成形プッシャー,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成る前記サンド形おむすびに成形する押出成形プッシャー,及び前記レシーバ上の前記サンド形おむすびを送出コンベヤへ送り出す送出プッシャーが設けられている。
【発明の効果】
【0018】
このサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置は,上記のように,間欠回動する上型成形円盤に枢支点で回動自在になるように下型成形枠を嵌め込んで成形型を一体化したので,装置そのものを小型で簡素化することができる。また,回動自在の下型成形枠を下型アンダープレート溝に嵌め込み,該溝の作用により上型成形円盤の間欠回動に合わせて下型成形枠を回転移動させ,おむすび1つ分の成形米飯を上飯体と下飯体とに切断分離し,上飯体と下飯体との間に具を載置し,これらを合体させることを可能にした。上型成形円盤と下型成形枠との間に上型アンダープレートを設置し,該上型アンダープレートの溝にカッタをスライドさせることによって成形穴内で成形米飯の形状を保持したままで成形米飯を上飯体と下飯体とに容易に且つ的確に切断分離させることができる。
【0019】
更に,このサンド形おむすびの製造方法及びその製造装置は,上型成形円盤へ供給する米飯は一系統で良く,成形も一組の円盤の中で済み,更に,従来の製造装置のように上飯体と下飯体とのそれぞれの成形装置と両者の合体装置を必要とせず,装置そのものを小形化にすることができ,サンド形おむすびの製造工程における米飯の流れもシンプルな簡素な装置にすることができる。また,米飯のサンド形おむすびへの成形は,すべて上型と下型との成形穴内で行い,各々の成形された上飯体と下飯体の移動は成形穴内に収容された状態で行うため,米飯の形状崩れによる不良品の発生を防止でき,良品率を向上させることができる。更に,このサンド形おむすびの製造装置は,具の供給作業が容易であり,供給した具の他の場所へのこぼれが発生しないものである。即ち,通常,米飯への具の供給は,人手によって行われているが,このサンド形おむすびの製造装置における具の供給工程は,下型成形枠の成形穴内に向って人手によって供給すればよく,下型成形枠という目標が定まっており,具の供給作業が容易であり,具の供給時の具のこぼれの心配が無く,装置稼働中の具のこぼれによる装置の汚れ防止と共に,具の供給歩留りを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,図面を参照して,この発明によるサンド形おむすび製造方法及びその製造装置の実施例を説明する。ここで用いる米飯供給装置1は,例えば,本出願人に係る特許出願である特願2007−236200号における図8〜図11を参照して明細書に開示されたものを使用できるので,ここではその詳細な説明は省略する。
【0021】
図1に示すように,このサンド形おむすび製造装置は,主として,上型成形円盤2と上型成形円盤2の周方向に沿って所定間隔に配設された複数の下型成形枠3とから成り,下型成形枠3は上型成形円盤2の切欠き16に嵌め込まれたヒンジピン4が枢支点になって上型成形円盤2に対して回転自在に取り付けられている。上型成形円盤2と下型成形枠3には,周方向に沿って,米飯aを上型成形円盤2の上型成形穴17に供給する米飯供給部A,成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに二分割する分離部B,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域C,下飯体dを成形する下飯体成形部D,具eを下飯体dに載せる具供給部E,具eの供給状態を調整する具供給予備部F,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域G,上飯体cと下飯体dとの合体部H,及びサンド形おむすびfを送り出す送出部Jが順次に設けられている。
【0022】
まず,この発明によるサンド形おむすび製造方法について説明する。このサンド形おむすび製造方法は,主として,米飯供給装置1から供給される米飯aを上飯体cと下飯体dとの間に具eを挟み込んだサンド形おむすびfに成形するものであり,間欠回動する上型成形円盤2に設けられた上型成形穴17におむすび1個分の定量米飯bを米飯供給装置1から供給する工程,上型成形穴17に供給された定量米飯bを上型成形穴17で成形米飯gに成形する工程,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形枠3の下型成形穴18に移動させる工程,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18との間にカッタ9をスライドさせて成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに分離する工程,上型成形穴17と下型成形穴18とを離隔して下型成形穴18内の下飯体d上に具eを載置する工程,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させる工程,並びに下型成形枠3内で上飯体c,具e及び下飯体dから成るサンド形おむすびfに成形して取り出す工程から構成される。
【0023】
このサンド形おむすび製造方法では,米飯供給装置1から供給される米飯aは,米飯供給装置1の下面の供給口23に設けられた一対のシャッタ22を開口して上型成形円盤2の上型成形穴17に供給され,おむすび1個分の定量米飯bが供給されると,シャッタ22を閉鎖することによって,定量米飯bが上型成形円盤2の上型成形穴17に供給される。また,成形米飯g及び上飯体cを上型成形円盤2の成形穴17で保持する時には,上型成形円盤2の上型成形穴17の下面には上型アンダープレート5が位置し,下型成形枠3の下面には下型アンダープレート6が位置しているものである。
【0024】
次に,この発明によるサンド形おむすび製造装置を説明する。このサンド形おむすび製造装置は,米飯供給装置1から供給される米飯aを上飯体cと下飯体dとの間に具eを挟み込んだサンド形おむすびfに成形するものである。図13に示すように,上型成形円盤2は,周方向に等間隔に隔置して複数の上型成形穴17が貫通して形成されている。上型アンダープレート5には,上型アンダープレート溝20が形成されている。分離部Bにおいて,上型アンダープレート溝20をカッタ9がスライドするように設けられている。図14に示すように,上型成形円盤2には,下面側にヒンジピン嵌め込み用の切欠き16が形成されている。図15に示すように,下型成形枠3は,上型成形穴17に対応する形状に形成された下型成形穴18が形成されると共に,上型成形円盤2の切欠き16に嵌め込まれて上型成形円盤2に対して枢着するヒンジピン4が設けられている。図16に示すように,このサンド形おむすび製造装置は,上型成形円盤2と下型成形枠3との間に上型アンダープレート5を介在して,上型成形円盤2の切欠き16に下型成形枠3のヒンジピン4が嵌め込まれて上型成形円盤2と下型成形枠3とが一体化され,下型成形枠3が上型成形円盤2に対して上型成形穴17と下型成形穴18とが整合した位置と離間した位置に回転自在に配設されている。
【0025】
図16及び図17に示すように,下型成形枠3の下方には,上型成形円盤2の外形より,回転領域C,下飯体成形部D,具供給部E,具供給予備部F,及び回転領域Gの領域が大きくなるように形成された下型アンダープレート6が配設されている。下型アンダープレート6には,下型アンダープレート溝19が形成されている。下型アンダープレート溝19は,内周ガイド面26と外周ガイド面27から形成されている。内周ガイド面26と外周ガイド面27は,回転領域Cにおいて外側へ延び出し,下型アンダープレート溝19が上型成形円盤2の外周面より外側へ張り出し,その張り出し状態は,下飯体成形部D,具供給部E,及び具供給予備部Fの領域で続く。次いで,内周ガイド面26と外周ガイド面27は,回転領域Gにおいて内側へ引っ込み,上飯体と下飯体との合体部Hにおいて下型成形穴18が上型成形穴17に整合する位置に戻る。下型成形枠3は,下型アンダープレート溝19に嵌め込まれて自由な動きが規制されている。従って,下型成形枠3は,下型アンダープレート溝19の作用によって,ヒンジピン4を支点として回転領域Cにおいて,図18に示すように,回転移動して下型成形穴18を外側へ移動させ,下飯体dの成形を可能にし,下型成形穴18への具eの供給を可能にする。
【0026】
このサンド形おむすび製造装置は,主として,米飯供給装置1から供給される米飯aを受け入れて米飯aを成形米飯gに成形する上型成形穴17を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤2,上型成形円盤2に枢着され且つ上型成形穴17に整合する下型成形穴18を備えた下型成形枠3,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形穴18へ移動させ,上型成形穴17と下型成形穴18との間をスライドして成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに切断分離するカッタ9,下型成形穴18に保持された下飯体dの上に具eを供給するため上型成形円盤2に所定の箇所に設けられた具供給部Eを構成する具供給ステーション,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させて上飯体c,具e及び下飯体dから成形されたサンド形おむすびFを受け取るレシーバ13,並びにレシーバ13からのサンド形おむすびfを所定の位置へ送り出す送出コンベヤ15から構成されている
【0027】
このサンド形おむすび製造装置では,下型成形枠3は,上型成形円盤2に形成された切欠き16に嵌め込まれるヒンジピン4を備えており,ヒンジピン4を枢支点として上型成形円盤2に対して回転自在に取り付けられ,上型成形穴17と下型成形穴18とが整合した位置と離間した位置に移動自在に構成されている。このサンド形おむすび製造装置は,上型成形穴17内を下降する上プッシャー7と下型成形穴18内を上昇する下プッシャー8とで成形米飯gを挟んで保持し,成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを上型成形穴17に整合する下型成形穴18に移動させることができる。成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに切断分離するカッタ9は,上型アンダープレート5に形成された上型アンダープレート溝20でスライドし,また,上型成形円盤2に対して枢着された下型成形枠3は,下型アンダープレート6に形成された下型アンダープレート溝19で規制されて回転領域C,Gの領域で回転運動する。
【0028】
このサンド形おむすび製造装置は,米飯供給装置1から供給される成形米飯gと上飯体cを上型成形穴17に保持するため,上型成形円盤2の下面に上型アンダープレート5が設けられ,下飯体d及び上飯体c,具e及び下飯体dから成るサンド形おむすびfを下型成形穴18に保持するため,下型成形枠3の下面に下型アンダープレート6が設けられている。また,このサンド形おむすび製造装置は,下型アンダープレート6で下型成形穴3に保持された下飯体dを成形する押圧成形プッシャー10,上型成形穴17と下型成形穴18とを整合させて上飯体cを具e上に移動させて上飯体c,具e及び下飯体dとから成るサンド形おむすびfに成形する押出成形プッシャー11,及びレシーバ13上のサンド形おむすびfを送出コンベヤ15へ送り出す送出プッシャー14が設けられている。
【0029】
このサンド形おむすび製造方法では,米飯供給部Aでは,米飯供給装置1から供給された米飯aを,図2及び図3に示すように,間欠回動している上型成形円盤2の上型成形穴17に定量供給する。ここでは,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18とは,整合状態に位置している。この状態では,上型成形円盤2の上型成形穴17は上型アンダープレート溝20に位置し,また,下型成形枠3の下型成形穴18は下型アンダープレート溝19に位置している。次いで,図4に示すように,上型アンダープレート5を移動させ,上飯体cと下飯体dとの分離部B(図1)では,待機していた上プッシャー7が上から下降し,更に下プッシャー8が下型アンダープレート6の開口24を通じて下から上昇して,上プッシャー7と下プッシャー8によって,定量米飯bを崩れない程度でふっくらした程度の固さに上下から押え,上型アンダープレート溝20に形成した開口25を通じて成形米飯gの下飯体dに相当する部分だけを,上型成形穴17に整合する下型成形枠3の下型成形穴18に移動した位置(即ちセンタリングの位置)に移動させる。次いで,図5に示すように,上型アンダープレート5の溝20に待機していたカッタ9が作動し,成形米飯gを上飯体cと下飯体dとに二等分して分離する。その後,図6に示すように,上プッシャー7と下プッシャー8とはそれぞれの待機位置に戻る。
【0030】
図7及び図18に示すように,上型成形円盤2に対する下型成形枠3の回転領域C(図1)は,下型成形枠3が回転移動する領域であり,上型成形円盤2の間欠回動に合わせ,下型成形穴18に下飯体dを収容している下型成形枠3が上型成形円盤2から離れ,具eの供給できる位置即ち具供給部E(図1)まで回転移動する。下型成形枠3の具供給部Eへの回転移動の状態は,図18に示すとおりである。図7に示すように,上型成形円盤2の上型成形穴17が下型成形枠3の下型成形穴18と離間するように,下型成形枠3が回転移動して,下飯体成形部D(図1)に至り,そこで下型成形枠3が定位置に停止すると,待機している押圧成形プッシャー10が下降し,図8に示すように,押圧成形プッシャー10によって下型成形穴18内に下飯体dの最終成形を行う。即ち,下飯体dの上に具eを載置することができるように下飯体dの上面を平らな面に成形する。
【0031】
次いで,具供給ステーションにおける具供給部E(図1)では,図9に示すように,間欠回動する上型成形円盤2が停止している時間内に,人手によって具eを下型成形枠3の下型成形穴18を目標として下型成形穴18に具eを投入して具eを下飯体dの上面に載置する。具供給ステーションには,具供給部Eの後流に具供給予備部Fが設けられている。具供給予備部Fでは,下飯体d上に載置した具eの状態を修正したり,余分の具eを取り外したり,或いは下飯体d上に具eが載置されていない場合には具eを載置する作業を行うことができる。次に,下型成形枠3の回転領域Gでは,下型成形枠3を元の位置に戻す下型成形枠3の回転領域であり,下型成形枠3は,回転領域Cの回転とは逆の回転をし,図10に示すように,上型成形円盤2の上型成形穴17と下型成形枠3の下型成形穴18とが整合する定位置まで戻ることになる。下型成形枠3が戻った位置には押圧成形プッシャー11が待機している。
【0032】
次いで,上飯体c,具e及び下飯体dの合体部Hでは,図10に示すように,待機していた押圧成形プッシャー11が下降し,上飯体cを下型成形枠3の下型成形穴18内の具eの上に載せながら,下型成形穴18内で上飯体cを適度に押圧して,上飯体c,具e及び下飯体dを合体させてサンド形おむすびfを完成させる。次いで,下型成形枠3は移動してサンド形おむすびfの排出部即ち送出部Jに到達する。図11に示すように,サンド形おむすびfの送出部Jでは,下型アンダープレート6の下型アンダープレート溝19には送出口21が形成されていると共に,下型成形枠3の下に受け取りレシーバ13が待機している。そこで,サンド形おむすびfを押出プッシャー12と受け取りレシーバ13とで挟んで形崩れしないように,送出口21を通じて下降させ,サンド形おむすびfは受け取りレシーバ13上に位置して下型成形枠3の下型成形穴18から送りされる。次いで,受け取りレシーバ13が下降して送出コンベヤ15との高さまで下降すると,サンド形おむすびfの横方向に待機していた送出プッシャー14が作動し,図12に示すように,送出プッシャー14によってサンド形おむすびfを送出コンベヤ15に押し出し送り出すことになる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明は,例えば,上飯体と下飯体との間に具を挟み込んだサンド形おむすびを製造するのに適用して好ましいサンド形おむすび製造方法及びその製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明によるサンド形おむすび製造装置の一実施例を示す概略平面図である。
【図2】この発明によるサンド形おむすび製造において,米飯供給装置から上型成形円盤へ所定量の米飯を供給する工程を示す説明図である。
【図3】上型成形円盤の上型成形穴に米飯が供給された状態を示す説明図である。
【図4】成形米飯の一部を下型成形穴へ移動させた状態を示す説明図である。
【図5】成形米飯を上下プッシャーで挟んだ状態で成形米飯をカッタで上飯体と下飯体とに分離する状態を示す説明図である。
【図6】上飯体と下飯体とに分離された状態を示す説明図である。
【図7】下型成形枠を回転させて上飯体と下飯体とを離間させた状態を示す説明図である。
【図8】下型成形枠の下型成形穴に位置する下飯体の成形する状態を示す説明図である。
【図9】下型成形枠の下型成形穴に位置する下飯体の上に具を載置した状態を示す説明図である。
【図10】下型成形枠を回転させて上飯体と下飯体とを整合させ,下型成形穴に入った上飯体,具及び下飯体から成るサンド形おむすびを押圧成形プッシャーで成形する状態を示す説明図である。
【図11】サンド形おむすびを受け取りレシーバで受け取った状態を示す説明図である。
【図12】サンド形おむすびを受け取りレシーバ上からベルトコンベヤへ送り出した状態を示す説明図である。
【図13】上型成形円盤の一例を示す平面図である。
【図14】図13の上型成形円盤の断面図である。
【図15】下型成形枠の一例を示し,(A)は平面図,(B)は側面図である。
【図16】上型成形円盤の上型成形穴と下型成形枠の下型成形穴とを整合させた状態を示す断面図である。
【図17】下型アンダープレートを示す平面図である。
【図18】上型成形円盤に対して下型成形枠の回転状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 米飯供給装置
2 上型成形円盤
3 下型成形枠
4 ヒンジピン
5 上型アンダープレート
6 下型アンダープレート
7 上プッシャー
8 下プッシャー
9 カッタ
10,11 押圧成形プッシャー
13 レシーバ
14 送出プッシャー
15 送出コンベヤ
16 切欠き(上型成形円盤)
17 上型成形穴
18 下型成形穴
19 下型アンダープレート溝
20 上型アンダープレート溝
a 米飯
b 定量米飯
c 上飯体
d 下飯体
e 具
f サンド形おむすび
g 成形米飯
E 具供給部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造方法において,
間欠回動する上型成形円盤に設けられた上型成形穴におむすび1個分の米飯を前記米飯供給装置から供給して成形米飯に成形する工程,前記上型成形穴に供給された前記成形米飯を前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する下型成形枠の下型成形穴に移動させる工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間にカッタをスライドさせて前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを離隔して前記下型成形穴内の前記下飯体上に具を載置する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させる工程,並びに前記下型成形枠内で前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびに成形して送り出す工程から構成されていることを特徴とするサンド形おむすび製造方法。
【請求項2】
前記米飯供給装置から供給される前記飯体と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するのは,前記上型成形円盤の下面に設けた上型アンダープレートによって行われ,また,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するのは,前記下型成形枠の下面に設けた下型アンダープレートによって行われることを特徴とする請求項1に記載のサンド形おむすび製造方法。
【請求項3】
米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造装置において,
前記米飯供給装置から供給される前記米飯を受け入れて前記米飯を成形米飯に成形する上型成形穴を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤,前記上型成形円盤に枢着され且つ前記上型成形穴に整合する下型成形穴を備えた下型成形枠,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させ,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間をスライドして前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離するカッタ,前記下型成形穴に保持された前記下飯体の上に前記具を供給するため前記上型成形円盤に所定の箇所に設けられた具供給ステーション,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成形されたサンド形おむすびを受け取るレシーバ,並びに前記レシーバからの前記サンド形おむすびを所定の位置へ送り出す送出コンベヤから構成されていることを特徴とするサンド形おむすびの製造装置。
【請求項4】
前記下型成形枠は,前記上型成形円盤に形成された切欠きに嵌め込まれるヒンジピンを備えており,前記ヒンジピンを支点として前記上型成形円盤に対して枢着され,前記上型成形穴と前記下型成形穴とが整合した位置と離間した位置に回転自在に枢着されていることを特徴とする請求項3に記載のサンド形おむすび製造装置。
【請求項5】
前記上型成形穴内を下降する上プッシャーと前記下型成形穴内を上昇する下プッシャーとで前記成形米飯を挟んで保持し,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載のサンド形おむすびの製造装置。
【請求項6】
前記米飯供給装置から供給される前記成形米飯と前記上飯体を前記上型成形穴に保持するため前記上型成形円盤の下面に上型アンダープレートが設けられ,前記下飯体と前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成る前記サンド形おむすびとを前記下型成形穴に保持するため前記下型成形枠の下面に下型アンダープレートが設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のサンド形おむすび製造装置。
【請求項7】
前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する前記カッタは,前記上型アンダープレートに形成された上型アンダープレート溝でスライドし,前記上型成形円盤に対して枢着された前記下型成形枠は,前記下型アンダープレートに形成された下型アンダープレート溝で規制されて回転運動することを特徴とする請求項6に記載のサンド形おむすびの製造装置。
【請求項8】
前記下型アンダープレートで前記下型成形穴に保持された前記下飯体を成形する押圧成形プッシャー,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成る前記サンド形おむすびに成形する押出成形プッシャー,及び前記レシーバ上の前記サンド形おむすびを送出コンベヤへ送り出す送出プッシャーが設けられていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のサンド形おむすび製造装置。
【請求項1】
米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造方法において,
間欠回動する上型成形円盤に設けられた上型成形穴におむすび1個分の米飯を前記米飯供給装置から供給して成形米飯に成形する工程,前記上型成形穴に供給された前記成形米飯を前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する下型成形枠の下型成形穴に移動させる工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間にカッタをスライドさせて前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを離隔して前記下型成形穴内の前記下飯体上に具を載置する工程,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させる工程,並びに前記下型成形枠内で前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびに成形して送り出す工程から構成されていることを特徴とするサンド形おむすび製造方法。
【請求項2】
前記米飯供給装置から供給される前記飯体と分離された前記上飯体を前記上型成形穴に保持するのは,前記上型成形円盤の下面に設けた上型アンダープレートによって行われ,また,分離された前記下飯体及び前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成るサンド形おむすびを前記下型成形穴に保持するのは,前記下型成形枠の下面に設けた下型アンダープレートによって行われることを特徴とする請求項1に記載のサンド形おむすび製造方法。
【請求項3】
米飯供給装置から供給される米飯を上飯体と下飯体とから構成し,前記上飯体と前記下飯体との間に具を挟み込んでサンド形おむすびに成形するサンド形おむすび製造装置において,
前記米飯供給装置から供給される前記米飯を受け入れて前記米飯を成形米飯に成形する上型成形穴を周方向に沿って複数設けた間欠回動する上型成形円盤,前記上型成形円盤に枢着され且つ前記上型成形穴に整合する下型成形穴を備えた下型成形枠,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させ,前記上型成形穴と前記下型成形穴との間をスライドして前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離するカッタ,前記下型成形穴に保持された前記下飯体の上に前記具を供給するため前記上型成形円盤に所定の箇所に設けられた具供給ステーション,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成形されたサンド形おむすびを受け取るレシーバ,並びに前記レシーバからの前記サンド形おむすびを所定の位置へ送り出す送出コンベヤから構成されていることを特徴とするサンド形おむすびの製造装置。
【請求項4】
前記下型成形枠は,前記上型成形円盤に形成された切欠きに嵌め込まれるヒンジピンを備えており,前記ヒンジピンを支点として前記上型成形円盤に対して枢着され,前記上型成形穴と前記下型成形穴とが整合した位置と離間した位置に回転自在に枢着されていることを特徴とする請求項3に記載のサンド形おむすび製造装置。
【請求項5】
前記上型成形穴内を下降する上プッシャーと前記下型成形穴内を上昇する下プッシャーとで前記成形米飯を挟んで保持し,前記成形米飯の前記下飯体に相当する部分だけを前記上型成形穴に整合する前記下型成形穴に移動させることを特徴とする請求項3又は4に記載のサンド形おむすびの製造装置。
【請求項6】
前記米飯供給装置から供給される前記成形米飯と前記上飯体を前記上型成形穴に保持するため前記上型成形円盤の下面に上型アンダープレートが設けられ,前記下飯体と前記上飯体,前記具及び前記下飯体から成る前記サンド形おむすびとを前記下型成形穴に保持するため前記下型成形枠の下面に下型アンダープレートが設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のサンド形おむすび製造装置。
【請求項7】
前記成形米飯を前記上飯体と前記下飯体とに分離する前記カッタは,前記上型アンダープレートに形成された上型アンダープレート溝でスライドし,前記上型成形円盤に対して枢着された前記下型成形枠は,前記下型アンダープレートに形成された下型アンダープレート溝で規制されて回転運動することを特徴とする請求項6に記載のサンド形おむすびの製造装置。
【請求項8】
前記下型アンダープレートで前記下型成形穴に保持された前記下飯体を成形する押圧成形プッシャー,前記上型成形穴と前記下型成形穴とを整合させて前記上飯体を前記具上に移動させて前記上飯体,前記具及び前記下飯体とから成る前記サンド形おむすびに成形する押出成形プッシャー,及び前記レシーバ上の前記サンド形おむすびを送出コンベヤへ送り出す送出プッシャーが設けられていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のサンド形おむすび製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−148367(P2010−148367A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327124(P2008−327124)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(591165942)市川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(591165942)市川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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