説明

サンド装置、入金残高精算機、管理サーバ及び遊技システム

【課題】遊技媒体への変換に利用されていない入金残高の蓄積や引出などの入金残高に係る機能を、カードを利用しないで実現できるようにする。
【解決手段】本発明のサンド装置は、遊技者の顔を撮像する撮像手段と、撮像手段と被写体との間の撮像距離を測定する撮像距離測定手段と、予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、撮像距離測定手段からの撮像距離データと基準距離データとの比較結果に基づいて、撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データに合致するように、撮像信号を補正する撮像信号補正手段とを備える。そして、蓄積指示があると、顔データと入金残高データとを管理サーバに送信し、引出指示があると、顔データを管理サーバに送信して、顔認証させて、蓄積されている入金残高データを管理サーバから送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサンド装置、入金残高精算機、管理サーバ及び遊技システムに関し、例えば、パチンコ機やパチスロ機などに関連して設けられているサンド装置を構成要素としている遊技システムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やパチスロ機などに関連して設けられているサンド装置は、入金処理などに応じて、遊技球や遊技コインなどの遊技媒体を排出したり、遊技機に遊技媒体の排出を指示したりするものである。サンド装置に対する入金方法として、現金による入金方法の他、プリペイドカードや会員カードなどのカードを利用する方法がある。ここで、サンド装置に会員カードが挿入された際には、サンド装置と、遊技場の管理サーバ(管理サーバやホストコントローラなどをまとめて管理サーバと呼ぶ)とが通信して会員の認証を行う。
【0003】
しかしながら、カードを利用しているサンド装置の場合、遊技者が何らかの理由により一時的に離席した際に、サンド装置からカードが抜き取られ、カードが悪用されるという不正行為の可能性がある。また、カードを利用しているサンド装置の場合、カードの搬送機構やカードの読み取り機構などの機構的な構成が多く、カード詰まりや読み取りエラーなどの異常の発生頻度が高くなっている。
【0004】
そのため、カードを利用しないで、カードを利用していた場合と同様な機能(例えば入金残高の蓄積や、蓄積残高からの球貸し)を有するサンド装置が望まれている。
【0005】
ところで、遊技場には各種の装置が存在しており、金銭や、金銭と同様な価値を有する遊技媒体を取り扱う装置の中には、従業員などの操作者を認証するために、既に指紋認証機能を適用したものもある(特許文献1〜特許文献3参照)。
【0006】
指紋認証機能は、そのための読取構成などが小さくサンド装置に適用し易い反面、他人によって指紋の読み取りが強要された場合にも認証がOKとなる。
【0007】
このような点を考慮すると、撮像されている意識を、認証対象者だけでなく周囲の者にも与える顔認証機能は好ましい(特許文献4、5参照)。
【特許文献1】特開2000−61124号公報
【特許文献2】特開2002−126177号公報
【特許文献3】特開2002−8131号公報
【特許文献4】特開2004−297621号公報
【特許文献5】特開2005−234765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、指紋認証のような接触を要件とし、撮像による読取範囲が狭い場合には、撮像環境はほとんど問題とならない。一方、顔認証の場合には、撮像領域が大きくなり、撮像環境の影響は大きい。
【0009】
また、遊技場は、カクテル光線等の照明演出が実行されたり、多くの遊技者が好適な台を捜して移動したり、また、出入口からの距離によって外光の影響も異なったりするなど、撮像環境の変化が激しい場所である。また、撮像対象者が、背もたれが小さい椅子に腰掛けている、遊技機に向かっている遊技者であり、腰掛け方など(前かがみの座り方と反り返った座り方など)も撮像画像に大きな影響を与える。すなわち、遊技場は撮像環境や撮像条件などが悪く、既存の顔認証方法をそのまま適用した場合に、本来ならば認証OKの対象者でも認証できないようなことも生じる。このような不都合を回避しようとして、認証時の判定用閾値を小さくすると(認証OKが出やすくすると)、認証NGの対象者に対して認証してしまう恐れが高くなる。
【0010】
そのため、顔を撮像する際に、基準データの撮像時と同程度の撮像距離で撮像し、顔認証方法を適用しながら十分な認証精度を達成することができるサンド装置、入金残高精算機、管理サーバ及び遊技システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため、請求項1の本発明のサンド装置は、現金の入金を取り入れ、貸出し操作に応じて、所定単位数の遊技媒体を排出する、又は、対応する遊技機に対し、所定単位数の遊技媒体の排出を指示すると共に、取り入れた入金残高を所定単位分だけ減少させるサンド装置であって、(1)遊技者の顔を撮像する撮像手段と、(2)撮像手段と被写体との間の撮像距離を測定する撮像距離測定手段と、(3)予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、(4)撮像距離測定手段からの撮像距離データと基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データに合致するように、撮像信号を補正する撮像信号補正手段と、(5)入金残高の蓄積指示操作を取り込む蓄積指示取込手段と、(6)蓄積指示取込手段への蓄積指示操作があったときに、撮像手段が撮像し、撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データと、入金残高データとを管理サーバに送信して蓄積させる蓄積送信制御手段と、(7)蓄積送信制御手段により管理サーバに蓄積されている入金残高の引出指示操作を取り込む引出指示取込手段と、(8)引出指示取込手段への引出指示操作があったときに、撮像手段が撮像し、撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データを管理サーバに送信して、顔認証させて、蓄積されている入金残高データを管理サーバから送信させる入金残高引出制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の本発明の管理サーバは、各サンド装置の状態を管理する管理サーバであって、(1)顔データと入金残高データとを対応付けた顔データベースと、(2)予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、(3)入金残高を蓄積させるために、いずれかのサンド装置から送信されてきた入金残高データを、送信されてきた撮像距離データと基準距離データとの比較結果に基づいて、各サンド装置から送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに対応付けて顔データベースに格納させる入金残高登録手段と、(4)入金残高の引出しのために、いずれかの上記サンド装置から送信されてきた撮像距離データと基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに基づいて、顔データベースを探索し、合致する顔データがあったときに、顔データに対応付けられている入金残高データを、撮像信号の送信元のサンド装置に送信する第1の入金残高供給手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3の本発明の管理サーバは、請求項2の本発明の管理サーバにおいて、入金残高の精算のために、いずれかの入金残高精算機から送信されてきた撮像距離データと基準距離データとの比較結果に基づいて、入金残高精算機から送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに基づいて、顔データベースを探索し、合致する顔データがあったときに、顔データに対応付けられている入金残高データを、撮像信号の送信元の入金残高精算機に送信する第2の入金残高供給手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4の本発明の入金残高精算機は、遊技媒体に変換されていない入金残高を精算する入金残高精算機であって、(1)遊技者の顔を撮像する撮像手段と、(2)撮像手段と被写体との間の撮像距離を測定する撮像距離測定手段と、(3)予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、(4)撮像距離測定手段からの撮像距離データと基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、撮像信号を補正する撮像信号補正手段と、(5)入金残高の精算指示操作を取り込む精算指示取込手段と、(6)精算指示取込手段への精算指示操作があったときに、撮像手段が撮像し、撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データを管理サーバに送信して、顔認証させて、蓄積されている入金残高データを管理サーバから送信させる精算額取込手段と、(7)管理サーバから送信された入金残高データに対応する現金を排出する精算金排出手段とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項5の本発明の遊技システムは、請求項1の本発明の複数のサンド装置と、請求項2の本発明の管理サーバとを有することを特徴とする。
【0016】
請求項6の本発明の遊技システムは、請求項1の本発明の複数のサンド装置と、請求項3の本発明の管理サーバと、請求項4の本発明の少なくとも1以上の入金残高精算機とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のサンド装置、入金残高精算機、管理サーバ及び遊技システムによれば、基準データの撮像時と同程度の撮像距離で撮像し、顔認証方法を適用しながら十分な認証精度を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(A)実施形態
以下、本発明によるサンド装置、入金残高精算機、管理サーバ及び遊技システムを、サンド装置を含む遊技システムに適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0019】
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態の遊技システムの構成を示すブロック図である。図1において、この実施形態の遊技システム1は、複数の遊技機2、サンド装置3、島ユニットコントローラ4、管理サーバ5、データベース6、入金残高精算機7及びページャ基地局8を有する。
【0020】
遊技機2としては、パチンコ機やスロットマシン等の種々のものがある。以下では、遊技機2がパチンコ機であるとして説明する。
【0021】
サンド装置3は、各遊技機2に並設して設けられ、遊技球を貸し出すためのものである。この実施形態のサンド装置3は、現金又は蓄積入金残高に基づいて遊技球を貸し出すものであり、入金残高の蓄積や、蓄積入金残高の取り出しに、顔認証機能を利用している。
【0022】
島ユニットコントローラ4は、遊技場ホール内で遊技島を構成している複数対の遊技機2及びサンド装置3に共通に設けられ、管理サーバ5と、遊技機2やサンド装置3との通信中継機能を担っているものである。なお、遊技機2やサンド装置3が、島ユニットコントローラ4によらずに、直接、管理サーバ5と通信し得るものであっても良い。
【0023】
管理サーバ5は、サンド装置3毎の情報や遊技機2毎の遊技情報などの管理機能を担っていると共に、顔認証処理時の照合機能を担っているものであり、例えば、ハードディスクでなるデータベース6が関連して設けられている。データベース6には、顔データベース6aやサンドデータベース6bも含まれている。なお、管理サーバ5は、複数の遊技場に共通なものであっても良く、遊技場以外の場所に設置されているものであっても良い。
【0024】
入金残高精算機7は、例えば、景品交換所や出口の近傍に配置され、入金された金額のうち、遊技媒体に変換されていない入金残高を精算するものである。
【0025】
ページャ基地局8は、遊技場従業員に携帯させている図示しないページャ端末と通信を行う基地局であり、遊技場内に設けられている。
【0026】
例えば、管理室などに配置されている管理サーバ5と、遊技場ホール内に配置されている遊技機2、サンド装置3、島ユニットコントローラ4、入金残高精算機7及びページャ基地局8との間の通信には、遊技場ネットワーク9が利用される。なお、遊技場ネットワーク9ではなく、専用回線などを用いた通信であっても良い。
【0027】
図2は、実施形態のサンド装置3の外観を示す斜視図である。設置されている状態のサンド装置3については、その表面に設けられている、警告ランプ11、複数(図2は3個の例)の状態表示LED12a〜12c、紙幣挿入口13、硬貨投入口14、リモコン用通信窓15、表示LCD16、テンキー部17、硬貨返却口18、CCDカメラ窓19及び赤外線センサ窓191を目視できる。
【0028】
警告ランプ11は、当該サンド装置3に異常が発生したような場合(例えば、後述するような顔認証に矛盾が生じた場合)に点灯又は点滅され、警告を発するものである。
【0029】
状態表示LED12a〜12cは、それぞれの点灯若しくは点滅、又は、複数の点灯若しくは点滅の組み合わせにより、当該サンド装置3又は対応する遊技機2の状態を表示するものである。例えば、顔撮像の待ち状態や、読み取り後の処理中状態などを表示するものである。
【0030】
紙幣挿入口13は、入金に係る紙幣を受け付けるための部分であり、硬貨投入口14は、入金に係る硬貨を受け付けるための部分である。硬貨返却口18は、入金時の正規でない硬貨を排出させる部分である。なお、入金金種を紙幣のみに限定したサンド装置であっても良く、この場合には、硬貨投入口14や硬貨返却口18は不要である。
【0031】
リモコン用通信窓15は、遊技場従業員が携帯し、当該サンド装置3に対して指示などを発するリモコン送信機(図示せず)からの赤外線などによるリモコン信号を取り込むための窓部である。
【0032】
表示LCD16は、管理サーバ5などから与えられたり、当該サンド装置3が形成したりした管理情報などを表示するものである。テンキー部17は、遊技者や従業員などの操作情報を取り込むものである。表示LCD16とテンキー部17とで操作パネル部が構成されている。
【0033】
CCDカメラ窓19は、この奥側に後述するCCDカメラ部29(図3参照)が設けられている窓部であり、後述するCCDカメラ部29は、この窓部19を介して顔認証のための撮像を行うものである。CCDカメラ窓19は、透明平板で形成されたものであっても良く、また、半球状を有する板で形成されたものであっても良い。また、CCDカメラ窓19は、CCDカメラ部29と一体となって、後述するような左右方向に揺動するものであっても良い。
【0034】
赤外線センサ窓191は、この奥に、測距手段としての赤外線センサ部SEが設けられている窓部である。赤外線センサ窓191は、例えば、透明平板で形成されたものであり、赤外線の照射光又は反射光を遮光しないものが望ましい。なお、赤外線の照射光又は反射光の遮光を防止するため、窓部を設けないようにしてもよい。
【0035】
図3は、実施形態のサンド装置3の電気的構成を示すブロック図である。サンド装置3は、電気的な処理構成として、制御部20、通信部21、リモコン受信部22、紙幣処理部23、硬貨処理部24、警告ランプドライバ部25、LEDドライバ部26、表示LCDドライバ部27、テンキーインタフェース部(テンキーIF部)28、CCDカメラ部29及び赤外線センサ部SEなどを有する。
【0036】
制御部20は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該サンド装置3の全体の制御を司るものである。制御部20は、例えば、後述する図7〜図9、図11及び図14のフローチャートに示すような動作を、当該サンド装置3が実行するように、各部を制御する。また、制御部20は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。例えば、入金され、遊技媒体に変換されていない入金残高のデータを記憶している。
【0037】
この実施形態の場合、制御部20は、当該サンド装置3及び右隣(遊技者側から見た場合における左隣)のサンド装置3R(以下、符号末尾の「R」は右隣のサンド装置の要素であることを表している)のCCDカメラ部29、29Rから与えられた撮像信号(顔画像の信号)を処理して、登録用又は認証用の一対の顔データ(ステレオ画像の顔データ)に変換する処理を行うようになされている。CCDカメラ部29の撮像信号(以下では、アナログ/デジタル変換された撮像信号をいうこととする)を処理して得た顔データを「右撮像顔データ」と呼び、CCDカメラ部29Rの撮像信号を処理して得た顔データを「左撮像顔データ」と呼ぶこととする。また、右撮像顔データを作成する元となる撮像信号を右撮像信号と呼び、左撮像顔データを作成する元となる撮像信号を左撮像信号と呼ぶこととする。
【0038】
制御部20は、右撮像信号用及び左撮像信号用の一対の基準濃淡データ20a、20aRと、この基準濃淡データ20a、20aRの設定の際に撮像対象まで撮像距離を示す基準撮像距離データ20bを内部記憶している。制御部20は、遊技者の顔を撮像する際、後述するように、赤外線センサ部SEにより測定された遊技者の顔までの撮像距離データを受け取り、この撮像距離データと基準撮像距離データとの比較結果及び基準濃淡データ20a、20aRを利用して、CCDカメラ部29、29Rからの右撮像信号及び左撮像信号に対する濃淡補正を行うものである。この濃淡補正機能については動作の項で詳細に説明する。
【0039】
基準濃淡データ20a、20aRは、例えば、サンド装置3、3Rの設置時などに、メーカー関係者や遊技場関係者などの設定作業者によって設定され、その後、固定的に保持するものである。基準濃淡データ20a、20aRとしては、例えば、遊技者2正面の遊技者の位置に関係者を着席させ、携帯型の照明器具によって、遊技機2の島位置に関係なく照明環境を所定環境にしてCCDカメラ部29、29Rによって撮像した右撮像信号、左撮像信号から、設定作業者が所定の領域を指定し、その領域内の右撮像信号、左撮像信号を用いる。例えば、右撮像信号又は左撮像信号に、対向する位置の遊技機(パチンコ機又はパチスロ機)の上部に設けられている台番号が映っているような場合には、右撮像信号又は左撮像信号における台番号を含む小さな領域の信号を、基準濃淡データ20a、20aRとして設定する。
【0040】
基準撮像距離データ20bは、基準濃淡データ20a、20aRの設定の際に、赤外線センサ部SEを用いて、撮像対象となる設定作業者の顔までの撮像距離を測定したものであり、基準濃淡データ20a、20aRに対応付けて設定する。
【0041】
なお、以上のような基準濃淡データ20a、20aRの取得、設定のために、図示は省略するが、サンド装置3は、モニタ部を有する設定用の端末との接続コネクタを有し、端末と制御部20との間で信号を授受できるようになされている。なお、通信部21を介した信号授受であってもよい。
【0042】
なお、照明環境を所定環境にして撮像しても時間帯によって所定環境の達成度合が異なる恐れもあるので、基準濃淡データ20a、20aRとして、後述する濃淡補正がし易いように、時間帯ごとに別個のものを用意しておくようにしても良い。また、CCDカメラ部29、29Rからの右撮像信号及び左撮像信号に対して統計処理を行う統計処理機能を制御部20が有し、制御部20の統計処理機能により求めた所定時間内で平均化した右撮像信号及び左撮像信号を基準濃淡データ20aとするようにしてもよい。
【0043】
この実施形態の場合、顔認証には、上述のように、左右一対のステレオ画像の顔データを利用することとしている。右端の遊技機2の併設サンド装置のように、右隣のサンド装置が存在しなくても、ステレオ画像が得られるように、右端の遊技機2の右側に、撮像機能のみを有する薄型装置(以下、撮像専用サンド装置と呼ぶ)を設けておく。この撮像専用サンド装置も、顔認証のための撮像機能面からは、一般的なサンド装置3と同様なものである。
【0044】
通信部21は、制御部20の制御下で、遊技機2、島ユニットコントローラ4、管理サーバ5などとの通信を実行するものである。図3ではまとめて表記しているが、遊技機2用の通信部は、他の装置用の通信部と別個になっていることが多い。管理サーバ5は、サンド装置3に対しては、1台ずつを順番に通信相手とするポーリング方式を採用しており、通信部21は、そのようなポーリングに応じて、管理サーバ5と通信を行う。なお、入金残高精算機7もサンド装置3と同様に、管理サーバ5からのポーリング方式の対象としても良い。
【0045】
なお、当該サンド装置3は、右隣のサンド装置(撮像専用サンド装置の場合もある)3Rとは島ユニットコントローラ4を介して通信する。
【0046】
リモコン受信部22は、上述したリモコン用通信窓15を介して、遊技場従業員が携帯しているリモコン送信機(図示せず)からのリモコン信号を受信して、制御部20に与えるものである。
【0047】
紙幣処理部23は、図示しない紙幣の搬送構成や認識構成や貯留構成などを直接制御するものであり、上述した紙幣挿入口13から挿入された紙幣の真偽判定や金種判定などを行い、挿入された紙幣の情報を制御部20に与えるものである。なお、紙幣挿入口13に挿入されたものを偽紙幣と判定した場合には、紙幣処理部23は、その判定用紙を紙幣挿入口13から排出させる処理を行う。
【0048】
硬貨処理部24は、図示しない硬貨の搬送構成や認識構成や貯留構成などを直接制御するものであり、上述した硬貨投入口14から投入された硬貨の真偽判定や金種判定などを行い、投入された硬貨の情報を制御部20に与えるものである。なお、硬貨処理部24は、硬貨投入口14に投入されたものが偽硬貨と判定した場合には、その偽判定の硬貨を硬貨返却口18から排出させる処理を行う。なお、当該サンド装置3が取り扱うことができる硬貨を、五百円硬貨に限定するようにしても良い。これによって、硬貨の真偽判定や金種判定などが容易になる。
【0049】
警告ランプドライバ部25は、制御部20の制御下で、警告ランプ11を駆動するものであり、LEDドライバ部26は、制御部20の制御下で、状態表示LED12a〜12cを駆動するものである。
【0050】
表示LCDドライバ部27は、制御部20の制御下で、表示LCD16を駆動するものである。表示LCD16には、例えば、遊技媒体への変換が可能な入金残高データやその他のデータやメッセージが表示される。テンキーインタフェース部28は、テンキー部17に対する操作をセンスして操作信号を制御部20に通知するものである。
【0051】
CCDカメラ部29は、制御部20の制御下で、CCDカメラ窓19を介して遊技者の顔を撮像し、その画像信号を制御部20に与えるものである。CCDカメラ部29の構成は図示しないが、モノクロCCDカメラと、このCCDカメラが設けられていて、左右方向に揺動(回動)する撮像方向調整機構を有している。
【0052】
赤外線センサ部SEは、撮像の際、撮像対象となる遊技者の顔に向けて、赤外線を照射し、その反射光に基いて距離を測定することで、撮像対象である遊技者の顔までの撮像距離を測定するものであり、その測定した撮像距離データを制御部20に与えるものである。なお、撮像対象までの撮像距離を測定する測距手段として機能するものでは、赤外線センサ部に限定されることなく他の光学系測距センサ(例えばレーザ光を用いたセンサ等)を適用できる。また、測距方法としては、上記の反射光の光量による距離測定のほかに、右隣のサンド装置3Rの赤外線センサ部SERによる測定結果を用いた3点測量等を適用できる。
【0053】
図2及び図3に示したサンド装置3は、遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を備えず、遊技機2の遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を起動制御するものであるが、遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を備えたものであっても良い。
【0054】
図4は、実施形態の管理サーバ5の電気的構成を示すブロック図である。図4において、管理サーバ5は、制御部30、通信部31及びデータベースアクセス部(DBアクセス部)32などを有する。
【0055】
制御部30は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該管理サーバ5の全体の制御を司るものである。制御部30は、例えば、後述する図12、図13、図16及び図17のフローチャートに示すような動作を、当該管理サーバ5が実行するように、各部を制御する。また、制御部30は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。
【0056】
通信部31は、制御部30の制御下で、サンド装置3(及び遊技機2との組)、島ユニットコントローラ4、入金残高精算機7、ページャ基地局8などとの通信を実行するものである。図4ではまとめて表記しているが、通信相手によって選択的に使用される複数の通信部を備えていても良い。通信部31は、各サンド装置3に対してはポーリング方式に従って通信を行うものである。
【0057】
データベースアクセス部32は、制御部30の制御下で、データベース6をアクセスし、データを書き込んだり読み出したりするものである。
【0058】
図5は、データベース6における顔データベース6aの構成を示す説明図である。顔データベース6aの1レコードは、右撮像顔データ、左撮像顔データ、登録時刻データ、入金残高データ、サンド履歴データなどのフィールド(項目)を含んでいる。
【0059】
右撮像顔データは、いずれかのサンド装置3が当該サンド装置3に対応する遊技機2の遊技者の顔画像のデータそのもの又はその顔画像データを処理して得た顔の特徴データである。左撮像顔データは、右撮像顔データの撮像元のサンド装置3に対し、右隣のサンド装置3Rが、サンド装置3に対応する遊技機2の遊技者の顔画像のデータそのもの又はその顔画像データを処理して得た顔の特徴データである。
【0060】
なお、顔データベース6aの各レコードは、右撮像顔データによってソーティングされているものである。すなわち、右撮像顔データの先頭側からの「0」、「1」の並びによってソーティングされているものである。一般的な顔認証とは異なり、この実施形態での顔データは不特定者のものである。そのため、顔データの照合の際に、他の情報から照合に用いる顔データの範囲を狭めることがほとんどできず、ソーティングによって多少なりとも照合時間の短縮を図っている。
【0061】
登録時刻データは、当該レコードが形成された時刻(日時情報を含む)である。入金残高の現金への精算は、例えば、入金残高を蓄積したその日限りに認めることとする。この場合、登録時刻データに基づいて、現金精算を行っても良いか否かを判別する。また例えば、データベース6に蓄積した入金残高データの取り出しは、当初の蓄積時点(登録時)から所定期間(例えば1ヶ月)を限って認めるようにしても良く、この場合も、登録時刻データが基準となる。
【0062】
入金残高データは、遊技媒体への変換が可能な入金残高の額であり、この入金残高を遊技媒体に変換する際には、登録されている顔データ(右撮像顔データ、左撮像顔データ)と、その際に撮像によって得た顔データとの一致が必要となっている。
【0063】
サンド履歴データは、顔データを含む送信データが到来したときに、顔データを除く部分を受信時刻と共に格納する部分である。
【0064】
サンドデータベース6bは構成の図示は省略するが、サンド装置3毎の各種データを格納しているものである。例えば、現金入金の入金額と入金時刻のデータが格納されている。また例えば、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中であるか否かのデータが格納されている。但し、サンドデータベース6bには、顔データは格納されていない。
【0065】
図6は、実施形態の入金残高精算機7の電気的構成を示すブロック図である。図6において、入金残高精算機7は、電気的な処理構成として、制御部40、通信部41、紙幣処理部42、硬貨処理部43、警告ランプドライバ部44、状態LEDドライバ部45、キーインタフェース部(キーIF部)46、一対のCCDカメラ部47L、47R、及び赤外線センサ部48などを有する。
【0066】
制御部40は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該入金残高精算機7の全体の制御を司るものである。制御部40は、例えば、後述する図15のフローチャートに示すような動作を、当該入金残高精算機7が実行するように、各部を制御する。また、制御部40は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。
【0067】
この実施形態の場合、制御部40は、CCDカメラ部47L、47Rから与えられた左右の撮像信号を処理して右撮像顔データ又は左撮像顔データに変換する処理を行うようになされている。制御部40は、右撮像信号用及び左撮像信号用の一対の基準濃淡データ40a、40aRと、この基準濃淡データ40a、40aRの設定の際に撮像対象までの撮像距離を示す基準撮像距離データ40bを内部記憶している。制御部40は、遊技者の顔を撮像する際、後述するように、赤外線センサ部48により測定された遊技者の顔までの撮像距離データを受け取り、この撮像距離データと基準撮像距離データとの比較結果及び基準濃淡データ40a、40aRを利用して、CCDカメラ部47L、47Rからの右撮像信号及び左撮像信号に対する濃淡補正を行うものである。
【0068】
通信部41は、制御部40の制御下で、管理サーバ5との通信を実行するものである。管理サーバ5は、入金残高精算機7に対しても、サンド装置3と同様にポーリング対象としても良く、この場合であれば、通信部41は、ポーリングに応じて、管理サーバ5と通信を行う。なお、ポーリング対象とはせずに、通信部41が管理サーバ5との通信を行うものであっても良い。
【0069】
紙幣処理部42は、図示しない紙幣の搬送構成や紙幣の貯留構成などを直接制御するものであり、制御部40の制御下で、入金残高の返金において紙幣の排出が必要なときに、指示された金種の紙幣を指示された枚数だけ、図示しない紙幣排出口に排出させるものである。
【0070】
硬貨処理部43は、図示しない硬貨の搬送構成や貯留構成などを直接制御するものであり、制御部40の制御下で、入金残高の返金において硬貨の排出が必要なときに、指示された種類の硬貨を指示された枚数だけ、図示しない硬貨排出口に排出させるものである。
【0071】
警告ランプドライバ部44は、制御部40の制御下で、図示しない警告ランプを駆動するものである。
【0072】
状態LEDドライバ部45は、制御部40の制御下で、図示しない1又は複数の状態LEDを駆動するものである。状態LEDの点灯若しくは点滅(又はそれらの組み合わせ)によって、撮像位置に設けられている椅子(図示せず)への着席を遊技者に促したりする。キーインタフェース部46は、図示しない精算キーや係員呼び出しキーなどに対する操作をセンスして操作信号を制御部40に通知するものである。
【0073】
CCDカメラ部47L、47Rは、制御部40の制御下で、撮像位置に設けられている椅子に着席している遊技者を撮像し、その画像信号を制御部40に与えるものである。ここで、入金残高精算機7における撮像位置に設けられている椅子とCCDカメラ部47Lとの位置関係は、遊技機2の前の椅子と、その遊技機2に対応するサンド装置3におけるCCDカメラ部29との関係と同様であり、入金残高精算機7における撮像位置に設けられている椅子とCCDカメラ部47Rとの位置関係は、遊技機2の前の椅子と、その遊技機2に対応するサンド装置3の右隣のサンド装置3RにおけるCCDカメラ部29Rとの関係と同様である。なお、入金残高精算機7のCCDカメラ部47L、47Rは、例えば、サンド装置3のCCDカメラ部29とは異なり、左右方向の揺動機構が設けられていなくても良い。
【0074】
赤外線センサ部48は、撮像の際、撮像対象となる遊技者の顔に向けて、赤外線を照射し、その反射光に基いて距離を測定することで、撮像対象である遊技者の顔までの撮像距離を測定するものであり、その測定した撮像距離データを制御部40に与えるものである。なお、撮像対象までの撮像距離を測定する測距手段として機能するものでは、赤外線センサ部に限定されることなく他の光学系測距センサ(例えばレーザ光を用いたセンサ等)を適用できる。また、測距方法としては、例えば、3点測量や5点測量等による既存技術を適用することができる。
【0075】
遊技機2、島ユニットコントローラ4及びページャ基地局8の詳細構成は、従来からのものと同様であるので、その詳細構成の説明は省略する。
【0076】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態の遊技システム1の特徴動作を説明する。この実施形態は、入金残高の蓄積や引き出しに顔認証を利用すると共に、顔認証の認証精度を向上させるため、撮像の際、撮像対象までの撮像距離データ及び基準濃淡データを利用して濃淡補正機能を導入することを特徴としたものである。
【0077】
図7は、実施形態のサンド装置の待機状態からの処理分岐の概要を示すフローチャートである。
【0078】
サンド装置3の制御部20は、待機状態において、球貸しが指示されたか、現金が入金されたか、顔認証による入金が指示されたか、入金残高の返金が指示されたかを繰り返し監視している(S100〜S103)。
【0079】
当該サンド装置3の球貸しキー、又は、当該サンド装置3と組をなす遊技機2の球貸しキーが操作された場合には、制御部20は、自己が内部で記憶している入金残高データが0であるか否かを確認し(S104)、入金残高データが0であれば直ちに待機状態に戻り、入金残高データが0以外であると、球貸し処理を実行した後(S105)、待機状態に戻る。
【0080】
S105の球貸し処理では、詳細な処理の図示は省略しているが、制御部20は、図示しない遊技媒体の排出機能と連携して遊技機2の遊技媒体受け台へ所定数の遊技媒体を排出させると共に、内部記憶する入金残高データを1単位分だけ減少させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ、入金残高データの変動を管理サーバ5に通知する。このとき、管理サーバ5は、当該サンド装置3からの通知を受けて、データベース6における各サンド装置3毎(又は各遊技機2毎)のデータを格納しているサンドデータベース6bの当該サンド装置3の入金残高データを更新する。
【0081】
なお、各サンド装置3から管理サーバ5への各種データの通知(送信)は、管理サーバ5が当該サンド装置3にポーリングによって送信権を与えたタイミングで実行される。以下、ポーリングについていちいち言及しないが、同様に、サンド装置3から管理サーバ5へのデータ送信は、ポーリングのタイミングで実行される。
【0082】
また、サンド装置3の制御部20は、紙幣処理部23や硬貨処理部24からの入金通知があると、すなわち、現金入金があると、詳細処理の図示は省略しているが、内部記憶する入金残高データを入金分だけ増加させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ、入金残高データの変動を管理サーバ5に通知して管理サーバ5の入金残高データも更新させ(S106)、そして、待機状態に戻る。
【0083】
サンド装置3の制御部20は、入金残高の返金(蓄積)が指示された場合には、図8に示す返金処理に移行し、顔認証を用いた入金が指示された場合には、図11に示す顔認証を用いた入金処理に移行する。
【0084】
サンド装置3のテンキー部17などに設けられている返金キー、又は、サンド装置3に対応する遊技機2に設けられている返金キーが操作された場合には、言い換えると、入金残高の返金が指示された場合には、サンド装置3の制御部20は、図8に示すように、まず入金残高データが0であるか否かを確認し(S150)、入金残高データが0であると、図7に示した待機状態に戻る。
【0085】
一方、サンド装置3の制御部20は、入金残高データが0以外であると、状態表示LED12a〜12cの点灯又は点滅の組み合わせ(1個のみ点灯若しくは点滅する場合を含む;以下同様)によって、又は、表示LCD16のメッセージ表示によって、まもなく撮像する旨を遊技者に通知すると共に(S151)、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rに、撮像時刻を含む左撮像の指示を与える(S152)。
【0086】
サンド装置3の制御部20は、図8では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rから、左撮像指示に対する受信応答があったことを条件とし、赤外線センサ部SEに対して測距処理を指示し(S153)、また上記撮像時刻にCCDカメラ部29によって撮像させ(S154)、また、右隣のサンド装置3RのCCDカメラ部29Rが撮像した左撮像信号を取り込む(S155)。なお、左撮像信号に対する受信応答がない場合には、左撮像の指示を再送する。
【0087】
図8では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rは、左撮像指示が与えられると、撮像が可能な状態であることを確認して(撮像が不可能な場合には、例えば、右撮像の準備又は動作を実行している場合(図8のS153の処理を開始している場合)、受信応答を返信すると共に、自己のCCDカメラ部29Rに対し、左撮像のための揺動を指示し)、その後、左撮像指示に含まれている撮像時刻に、CCDカメラ部29Rによって撮像させ、得られた撮像信号(左撮像信号)を、指示先のサンド装置3の制御部20に送信する。
【0088】
なお、各サンド装置3のCCDカメラ部29における待機時の向きは、当該サンド装置3の遊技者を撮像(右撮像)する方向とする。また、撮像時の遊技者の向きは問われないものである。
【0089】
その後、サンド装置3の制御部20は、CCDカメラ部29が得た右撮像信号及びCCDカメラ部29Rが得た左撮像信号に対し、設定されている基準濃淡データ20a、20aR及び基準撮像距離データ20bを利用して濃淡補正を行う(S156)。
【0090】
図9は、このステップS156の撮像信号に対する濃淡補正動作の詳細を示すフローチャートである。
【0091】
制御部20は、まず、赤外線センサ部SEが測定した撮像距離データと基準撮像距離データ20bとを比較し、基準撮像距離データ20bと当該撮像距離データとの間の差分(基準撮像距離データ−撮像距離データ)を求める(S170)。
【0092】
基準撮像距離データ20bと撮像距離データとの間の差分を求めると、制御部20は、予め定めた撮像距離データの差分と輝度補正値との間の補正関係に基づいて、当該差分に応じた輝度補正値を決定し(S171)、その輝度補正値を用いて、右撮像信号と左撮像信号とを補正する(S172)。
【0093】
ここで、図10は、撮像距離データの差分と輝度補正値との間の補正関係を示す説明図である。図10において、横軸は、基準撮像距離データ20bとの差分を変数とする座標軸であり、当該撮像距離データが基準撮像距離データ20bより、小さいときの差分(基準撮像距離データ−撮像距離データ>0)を正の座標とし、大きいときの差分(基準撮像距離データ−撮像距離データ<0)を負の座標とする。一方、縦軸は、輝度補正値を変数とする座標軸であり、輝度値を大きくする(すなわち、明るくする補正)ときを正の座標とし、輝度値を小さくする(すなわち、暗くする補正)ときを負の座標とする。
【0094】
図10では、一般に、撮像距離が大きくなるとCCDカメラが取り込む光量が多くなり画素毎の輝度値が大きくなることから、基準撮像距離データ20bより撮像距離が小さいときには輝度値を大きく補正し、基準撮像距離データ20bより撮像距離が大きいときには輝度値を小さく補正値する、補正関係を設定した。これにより、基準撮像距離データと当該撮像距離データとの間の差分に応じて、右撮像信号及び左撮像信号に対する輝度値の補正値を決定することができる。
【0095】
また、遊技者の腰掛け方や身長、体格などによっては、CCDカメラからの遊技者の顔までの撮像距離がまちまちになり、撮像環境及び撮像条件が異なり得るが、上記撮像距離データの差分に応じた濃淡補正処理を行うことにより、基準濃淡データ20a、20aRの設定時の撮像距離と近い状態(すなわち、設定時と同等の撮像環境及び撮像条件)として補正できるから、顔認証の認証精度を高めることができる。
【0096】
なお、上記の撮像距離データの差分に応じた右撮像信号及び左撮像信号に対する濃淡補正処理後、補正後の右撮像信号及び左撮像信号について、基準濃淡データ20a、20aRを利用した濃淡補正を行うようにしてもよい。これにより、基準濃淡データ20a、20aRに、より近い状態として補正することができ、顔認証の精度を高めることができる。
【0097】
ここで、基準濃淡データ20a、20aRを利用した右撮像信号及び左撮像信号に対する濃淡補正処理の例として、例えば、制御部20は、右撮像信号における、基準濃淡データ20aに対応する領域(例えば、背景領域、顔領域、又は、顔の特徴点付近若しくは特徴点を含む領域等)を認識し、その認識領域における最大輝度、最小輝度を検出する。そして、制御部20は、基準濃淡データ20aにおける最大輝度MAX、最小輝度MINと、右撮像信号における最大輝度max、最小輝度minとに基づいて、右撮像信号における輝度の補正関数を決定し、この補正関数に従って、右撮像信号を補正する方法がある。左撮像信号についても、基準濃淡データ20aRを利用して、右撮像信号における濃淡補正と同様に行う。
【0098】
なお、領域認識の方法として、例えば、基準濃淡データ20a、20aRに対応する領域の位置情報が固定であるので、右撮像信号及び左撮像信号におけるその領域との一致度(例えば、対応する位置の画素値間の差の2乗和を適用する)を算出すると共に、その位置より、画素単位で、水平方向や垂直方向に数画素(1〜5画素)ずらした他の候補領域との一致度も算出し、最も一致している(一致度の値が最も小さい)領域候補を、対応する領域と認識する方法がある。
【0099】
また、補正関数の決定方法として、例えば、右撮像信号及び左撮像信号における輝度は、基準濃淡データ20a、20aRにおける輝度と一致することが望ましいから、右撮像信号及び左撮像信号の最小輝度minの補正量はMIN−minであり、最大輝度maxの補正量はMAX−maxとし、最小輝度minと最大輝度maxとの間の輝度yの補正量は、その輝度yが最小輝度min及び最大輝度max間をどの比率で按分したものかを捉え、最小輝度minの補正量MIN−minと最大輝度maxの補正量MAX−maxとを上記按分比率で振り分ける合成する方法がある。
【0100】
図8に戻って、制御部20は、濃淡補正動作を終了すると、右撮像信号及び左撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる右撮像顔データ及び左撮像顔データへの変換を行い(S157)、得られた右撮像顔データ及び左撮像顔データを一旦バッファリングする(S158)。撮像信号を顔データへ変換する圧縮方法は、既存の任意の方法を適用することができる。
【0101】
なお、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中においては、返金を拒否するようにしても良い。すなわち、撮像を実行する際には、他の処理を禁止し、明確に撮像のタイミングを規定するようにする。なお、顔データは個人に帰属する情報であるので、蓄積返金時に初めて登録させ、不必要な登録を実行しないようにしている。なお、図8では省略しているが、撮像に失敗した場合や、撮像信号において基準濃淡データに対応する領域を認識できない場合等では、状態表示LED12a〜12cの表示内容や表示LCD16の表示メッセージを再撮像を行う旨の内容とし、撮像を再度行うようにする。
【0102】
サンド装置3の制御部20は、自己が送信権を獲得したときには、蓄積用であることを表すデータ、当該サンド装置3のID、入金残高データ、右撮像顔データ及び左撮像顔データを少なくとも含む蓄積用送信データを管理サーバ5に送信し(S159)、状態表示LED12a〜12c又は表示LCD16に撮像終了を表示し(S160)、管理サーバ5からの蓄積完了通知を待ち受ける(S161)。なお、この蓄積用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
【0103】
管理サーバ5の制御部30は、蓄積用送信データを受信すると、図12に示すように、顔データベース6aへの入金残高データの蓄積動作を行うと共に(S200〜S203)、サンドデータベース6bにおける入金残高データを0クリアし(S204)、その後、蓄積用送信データを送信したサンド装置3に対するポーリング送信によって、蓄積完了を通知する(S205)。
【0104】
管理サーバ5の制御部30による顔データベース6aへの入金残高データの蓄積動作は、例えば、以下の通りである。制御部30は、受信した顔データ(右撮像顔データ及び左撮像顔データ)と合致する顔データのレコードが既に存在するかを確認する(S200)。存在している場合には、そのレコードの入金残高データを、当初の値に受信した入金残高データの値を加算したものに更新すると共に、サンド履歴データに、今回の受信に係る履歴データを追加する(S201)。受信した顔データと合致する顔データのレコードが、顔データベース6aに存在していない場合には、受信した顔データ用の新たなレコードを設定し(S202)、顔データのフィールドには受信した顔データを挿入し、登録時刻データのフィールドには制御部30が内蔵するタイマによる今回の受信時刻を挿入し、入金残高データのフィールドには受信した入金残高データを挿入し、サンド履歴データのフィールドには今回の受信に係るデータを挿入する(S203)。受信した指紋データ用の新たなレコードの設定では、顔データに基づいたソーティングを行っている。
【0105】
顔データベース6aに、受信した顔データと合致する顔データのレコードが存在するとは、右撮像顔データも、左撮像顔データもそのレコードの格納データと合致していると判断できるレベルのものである。なお、まず最初に、右撮像顔データだけで合致度を判断し、その合致度が第1の閾値以上であれば、左撮像顔データについては合致判断を省略して合致するようにし、右撮像顔データについての合致度が第1の閾値より小さく、第2の閾値以上のときには、左撮像顔データを用いた合致判断を行うようにし、平均的な合致判断の時間を短縮するようにしても良い。右撮像顔データについての合致度が第2の閾値より小さいときは合致しないと判断する。
【0106】
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から蓄積完了通知が与えられると、入金残高データの表示を0クリアし(S162)、図7の待機状態に戻る。
【0107】
サンド装置3の制御部20は、待機状態において、サンド装置3のテンキー部17などに設けられている蓄積残高呼出キーが操作された場合には、言い換えると顔認証を利用した入金が指示された場合には、図11に示すように、状態表示LED12a〜12cの点灯又は点滅の組み合わせによって、又は、表示LCD16のメッセージ表示によって、まもなく撮像する旨を遊技者に通知すると共に(S250)、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rに、撮像時刻を含む左撮像の指示を与える(S251)。
【0108】
サンド装置3の制御部20は、図11では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rから、左撮像指示に対する受信応答があったことを条件とし、赤外線センサ部SEに対して測距処理を指示し(S252)、また上記撮像時刻にCCDカメラ部29によって撮像させ(S253)、また、右隣のサンド装置3RのCCDカメラ部29Rが撮像した左撮像信号を取り込む(S254)。なお、左撮像信号に対する受信応答がない場合には、左撮像の指示を再送する。
【0109】
その後、サンド装置3の制御部20は、CCDカメラ部29が得た右撮像信号及びCCDカメラ部29Rが得た左撮像信号に対し、設定されている基準撮像距離データ20b及び基準濃淡データ20a、20aRを利用して濃淡補正を行い(S255)、濃淡補正された右撮像信号及び左撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる右撮像顔データ及び左撮像顔データへの変換を行い(S256)、得られた右撮像顔データ及び左撮像顔データを一旦バッファリングする(S257)。
【0110】
なお、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中においては、顔認証による引き出しを拒否するようにしても良い。すなわち、撮像を実行する際には、他の処理を禁止し、明確に撮像のタイミングを規定するようにする。
【0111】
サンド装置3の制御部20は、自己が送信権を獲得したときには、引出用であることを表すデータ、当該サンド装置3のID、右撮像顔データ及び左撮像顔データを少なくとも含む引出用送信データを管理サーバ5に送信し(S258)、状態表示LED12a〜12cによる顔読み取りを促す表示をクリアし(S259)、管理サーバ5からの入金通知などの返信を待ち受ける(S260〜S263)。なお、この引出用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
【0112】
管理サーバ5の制御部30は、引出用送信データを受信すると、図13に示すような顔データベース6aからの入金残高データの引出動作を行う。
【0113】
管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データ(右撮像顔データ及び左撮像顔データ)のレコードが顔データベース6aに存在するか否かを確認する(S300)。受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在するとする判断基準は、上述の残高蓄積の際の判断基準と同様である。
【0114】
存在している場合には、そのレコードの入金残高データが0か否かを判別する(S301)。入金残高データが0以外であると、管理サーバ5の制御部30は、そのレコードの入金残高データを含む入金通知を形成してサンド装置3に返信し(S302)、当該レコードの入金残高データを0クリアし、履歴データに今回の内容を追加すると共に、サンドデータベース6bにおける当該サンド装置3についての入金残高データの更新も行う(S303)。
【0115】
これに対して、受信した顔データと合致する顔データのレコードにおける入金残高データが0であると、管理サーバ5の制御部30は、サンド履歴データに基づいて、直前に引出を行ったサンド装置(以下、このサンド装置の符号を3Xとする)と引出時刻とを認識し、その直前に引出を行ったサンド装置3Xについてのサンドデータベース6bの格納内容などに基づいて、サンド装置3Xの現在の状態が不正の可能性があるものか否かを判別する(S304)。
【0116】
遊技者がサンド装置3Xにおいて蓄積残高の引出しを行って遊技を行い、残高を再度蓄積することなく、サンド装置3Xに残高を残したまま、他のサンド装置3の位置に移動して蓄積引出を要求した場合において、前のサンド装置3Xに対する次の遊技者が、前の遊技者が残していった残高をそのまま流用して遊技している可能性があると、管理サーバ5の制御部30は、認識することができる。顔データベース6a及びサンドデータベース6bの格納内容に基づいて、前のサンド装置3Xにおける引出時刻以降、サンド装置3からの今回の引出要求の間に、前のサンド装置3Xに対する現金の入金がないのに、前のサンド装置3Xに入金残高があることを検出することにより、上述した不正の可能性がある状況を管理サーバ5の制御部30は認識することができる。
【0117】
直前に引出を行ったサンド装置3Xの現在状態が不正の可能性がある状態であると、管理サーバ5の制御部30は、サンド装置3Xに対しては使用不可通知を形成して送信すると共に(S305)、今回受信した引出用送信データの送信元のサンド装置3に対しては、サンドデータベース6bにおけるサンド装置3Xについての入金残高データを含む入金通知を形成してサンド装置3に返信し(S306)、受信顔データのレコードの入金残高データを0クリアし、履歴データに今回の内容を追加すると共に、サンドデータベース6bにおける当該サンド装置3についての入金残高データの更新も行い(S307)、サンド装置3Xを担当する遊技場従業員が携帯するページャ端末に対して、サンド装置3Xについて不正の可能性がある旨を通知する(S308)。
【0118】
ステップS306で形成する入金通知と、ステップS302による正規の入金通知とを、サンド装置3の制御部20が区別できる情報を盛り込むことが好ましい。
【0119】
入金残高データが0であり、前のサンド装置3Xについて不正の可能性がない場合には、管理サーバ5の制御部30は、蓄積残高が0である旨を、今回受信した引出用送信データの送信元のサンド装置3に送信する(S309)。
【0120】
また、管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在しないと判定した場合には、そのサンド装置3についての顔認証失敗回数CNTを1インクリメントし(S310)、その回数CNTが上限(例えば3回)に達したか否かを判別し(S311)、上限に達していない場合には、再読み取りによる顔データの再送通知をサンド装置3に送信し(S312)、上限に達した場合には、認証エラー通知をサンド装置3に送信する(S313)。
【0121】
管理サーバ5からの入金通知がサンド装置3に与えられると(S260)、サンド装置3の制御部20は、内部記憶する入金残高データを入金分だけ増加させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ(S264)、そして、図7に示した待機状態に戻る。なお、状態表示LED12a〜12cの点灯若しくは点滅の組み合わせによって、上述したステップS306による入金通知の受信と、ステップS302による入金通知の受信とを区別できるようにしても良い。
【0122】
管理サーバ5から残高が0である旨の通知がサンド装置3に与えられると(S261)、サンド装置3の制御部20は、表示LCD16や状態表示LED12a〜12cによってその旨を表示し(S265)、図7の待機状態に戻る。
【0123】
管理サーバ5から再読み取りによる顔画像の再送通知がサンド装置3に与えられると(S262)、サンド装置3の制御部20は、上述したステップS250に戻り処理を繰り返す。
【0124】
管理サーバ5から認証エラー通知がサンド装置3に与えられると(S263)、サンド装置3の制御部20は、表示LCD16や状態表示LED12a〜12cによってその旨を表示し(S266)、図7の待機状態に戻る。
【0125】
図14は、サンド装置3Xが、管理サーバ5から使用不可通知(図12のS205参照)を受信したときの動作を示すフローチャートである。
【0126】
サンド装置3Xの制御部20は、管理サーバ5から使用不可通知を受信すると、自己が内部で記憶している入金残高データや表示している入金残高データを強制的に0クリアすると共に(S350)、警告ランプ11を点灯又は点滅させて警告を発する(S351)。なお、警告をブザーによっても行うようにしても良い。
【0127】
図15は、入金残高精算機7の精算時の動作を示すフローチャートである。顔データに対応付けて蓄積させた入金残高を、遊技者は現金に精算することができる。精算可能日を限定しなくても良い。但し、以下では、現金入金して蓄積させた初日に限り、現金に精算することができるものとして説明する。
【0128】
入金残高精算機7の制御部40は、精算キーや係員呼び出しキーの操作を待ち受けており、精算キーが操作されたときには、図15に示す処理を開始する。なお、係員呼び出しキーの操作時の動作説明は省略する。なお、遊技者は、入金残高精算機7の本体の前に設置されている椅子に着席して精算キーを操作するものとする。
【0129】
入金残高精算機7の制御部40は、精算キーが操作されて入金残高の精算が指示された場合には、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせによって(又は、表示LCDを有する場合であればそのメッセージ表示によって)、まもなく撮像する旨を遊技者に通知し(S400)、赤外線センサ部48に対して測距処理を指示し(S401)、その後の所定時刻に、CCDカメラ部47L及び47Rによって撮像させる(S402)。
【0130】
その後、入金残高精算機7の制御部40は、赤外線センサ部48からの撮像距離データと基準撮像距離データ48bとの差分に応じて、CCDカメラ部47Lが得た右撮像信号及びCCDカメラ部47Rが得た左撮像信号に対し濃淡補正を行い(S403)、濃淡補正された右撮像信号及び左撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる顔データへ変換し(S404)、得られた顔データを一旦バッファリングする(S405)。
【0131】
入金残高精算機7の制御部40は、自己が送信権を獲得したときには、精算用であることを表すデータ、当該入金残高精算機7のID、右撮像顔データ及び左撮像顔データを少なくとも含む精算用送信データを管理サーバ5に送信し(S406)、撮像終了を遊技者に通知し(S407)、管理サーバ5からの認証通知の返信を待ち受ける(S408〜S411)。なお、この精算用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
【0132】
入金残高精算機7から精算用送信データが管理サーバ5に与えられると、管理サーバ5の制御部30は、図16に示すような顔データを用いた動作を行う。
【0133】
管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在するか否かを確認する(S450)。
【0134】
存在している場合には、そのレコードの入金残高データが0か否かを判別する(S451)。入金残高データが0以外であると、管理サーバ5の制御部30は、そのレコードの登録時刻データが本日になっているか否かを判別する(S452)。登録時刻データが本日であると、そのレコードの入金残高データを含む肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信し(S453)、入金残高精算機7からの精算完了の返信を待ち受け(S454)、精算完了が返信されると、顔データベース6aの該当するレコードそのものを削除する(S455)。
【0135】
入金残高データが0の場合には、管理サーバ5の制御部30は、その旨の肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S456)。
【0136】
入金残高データが0以外であって登録時刻データが本日でない場合には、管理サーバ5の制御部30は、その旨の肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S457)。
【0137】
また、管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在しない場合には、否定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S458)。
【0138】
管理サーバ5から入金残高データを含む肯定認証通知が入金残高精算機7に与えられると(S408)、入金残高精算機7の制御部40は、紙幣処理部42や硬貨処理部43によって、入金残高に相当する現金を払出し(S412)、精算完了を管理サーバ5に送信し(S413)、その後、待機状態に復帰する。
【0139】
また、管理サーバ5から入金残高データ0である旨の肯定認証通知が入金残高精算機7に与えられると(S409)、入金残高精算機7の制御部40は、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで、入金残高データが0である旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S414)、その後、待機状態に復帰する。
【0140】
さらに、管理サーバ5から入金残高データが0以外であって登録時刻が本日でない旨の肯定認証通知が入金残高精算機7に与えられると(S410)、入金残高精算機7の制御部40は、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで、登録日以外の現金精算をできない旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S415)、その後、待機状態に復帰する。
【0141】
さらにまた、管理サーバ5から否定認証通知が入金残高精算機7に与えられると(S411)、入金残高精算機7の制御部40は、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで、顔データの認証できなかった旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S416)、その後、待機状態に復帰する。なお、精算時においても、認証失敗時に顔データ(右撮像顔データ及び左撮像顔データ)を再送させるようにしても良い。
【0142】
以上のようにして、顔データを登録した日においては、顔データに対応付けて蓄積した入金残高を精算することができる。
【0143】
図17は、管理サーバ5の制御部30が実行する顔データベース6aの整理動作を示すフローチャートである。
【0144】
管理サーバ5の制御部30は、営業時間後の所定時刻(例えば午後11時)になると自動的に図17に示す処理を開始する。管理サーバ5が、テンキー部や、リモコン受信部などのマンマシンインターフェースを備えている場合であれば、遊技場管理者や従業員からの指示によって、図17に示す処理を開始するようにしても良い。
【0145】
管理サーバ5の制御部30は、図17に示す処理を開始すると、先頭レコードを処理対象レコードに設定した上で(S500)、全てのレコードに対する第1の整理処理(S502及びS503)が終了していないことを確認し(S501)、処理対象レコードの入金残高データが0か否かを判別する(S502)。処理対象レコードの入金残高データが0であれば、そのレコードを削除した後(S503)、処理対象レコードの入金残高データが0以外であれば直ちに、処理対象レコードを後続する次のレコードに設定し(S504)、上述したステップS501に戻る。
【0146】
管理サーバ5の制御部30は、全てのレコードに対する第1の整理処理が終了すると、先頭レコード(第1の整理処理で残っている中での先頭レコード)を処理対象レコードに設定した上で(S505)、全てのレコードに対する第2の整理処理(S507及びS508)が終了していないことを確認した後(S506)、処理対象レコードの登録時刻データや履歴データを参照しつつ1月(この期間を利用者が可変設定できるようにしても良い)以上このレコードがアクセスされていないか否かを判別する(S507)。処理対象レコードが1月以上アクセスされていないものであれば、そのレコードを削除した後(S508)、処理対象レコードが1月より近いときにアクセスされているものであれば直ちに、処理対象レコードを後続する次のレコードに設定し(S509)、上述したステップS506に戻る。
【0147】
管理サーバ5の制御部30は、全てのレコードに対する第2の整理処理が終了すると、図18に示す一連の処理を終了する。
【0148】
以上のようにして、入金残高が0のレコードや、入金残高が0以外であるが1月以上アクセスされていないレコードを整理することができる。
【0149】
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、入金残高を顔データに対応付けて管理サーバに蓄積し、蓄積した入金残高を顔認証によってサンド装置に取り出す方法を、撮像環境や撮像条件などが悪い遊技場に適用することができる。
【0150】
すなわち、撮像の際、赤外線センサ部が測定した遊技者の顔までの撮像距離と、基準濃淡データを設定したときの撮像距離である基準撮像距離とを比較して得た比較結果に基づいて、撮像信号に対する濃淡補正を行うようにしたので、遊技者の腰掛け方などの違いにより、撮像距離が異なる場合であっても、濃淡補正によって、被写体に係る撮像信号を同様なものとでき、顔認証を適切に実行させることができる。
【0151】
カードを利用した入金残高の蓄積、取り出しでは、遊技者の離席時にカードを盗難されることもあったが、顔認証の利用では、このような盗難による問題は発生しない。また、実施形態では、カードの搬送機構などが存在せず、その分、サンド装置の信頼性を高めることができる。さらに、カードの搬送構成や貯留構成アクセス構成などを指画像の撮像構成に置き換えられるので、サンド装置の簡易、安価化が期待できる。また、消耗品であるカードの不存在によっても、遊技システムの低廉化を図ることができる。
【0152】
他の遊技機への移動や精算機への移行時にもカード方式の場合には、カードの携帯が必要であり、紛失を気に掛けることになるが、実施形態のような顔データを利用する場合には、携帯物品がないので、紛失などを考慮する必要がない。また、遊技場を一旦離れ、後で蓄積した入金残高を引き出す場合にも同様である。
【0153】
カードの場合、カードを盗んだ者がカードを盗んだことを証明することは困難であるが、顔データに基づいて引き出した入金残高を残したまま、他の遊技機に移動して再度入金残高を引き出そうとした場合に、前の遊技機に残高を残してきたことを管理サーバが認識でき、仮に、そこで他の者が遊技を行っていても、その不正行為を履歴データによって証明することができる。
【0154】
また、上記実施形態では、顔データをソーティングして顔データベースに格納しておくようにしたので、蓄積した入金残高の取出し時の認証動作を、この面で、迅速化させることができる。顔データを認証に利用する他のシステムでは、顔認証以外の他の認証方式を併用している。例えば、カードからの所定データ(口座データやカードIDなど)を得た上で、顔データを用いた認証を行うようになされており、照合に供するデータベース側の顔データは一意に定まっている。一方、この実施形態の場合、照合に供するデータベース側の顔データの範囲を狭めることができず、それなりのデータ量を有する顔データのソーティングが有効に機能する。
【0155】
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0156】
上記実施形態では、遊技媒体の排出構成は遊技機が備え、その遊技機に排出を指示するサンド装置を示したが、遊技媒体の排出構成を備えるサンド装置に本発明を適用することができる。
【0157】
また、上記実施形態では、入金残高を蓄積させる際の正規の撮像回数が1回のものを示したが、2回以上、撮像を実行させるようにしても良い。例えば、1回目で管理サーバに仮登録し、2回目の顔データが、1回目の顔データと合致することを以って本登録を行うようにしても良い。蓄積された入金残高の引き出しでも、2回以上の読み取りを実行させることとし、セキュリティを高めるようにしても良い。
【0158】
さらに、上記実施形態においては、顔データベースの格納顔データと、読取り顔データとの照合では、判定結果が合致と非合致とのいずれかであるものを示したが、半合致のような中間的な判定結果を設けるようにしても良い。例えば、中間的な判定結果が得た場合には、管理サーバは、サンド装置に対し、新規蓄積の場合には指を変えた読み取りを指示し、再蓄積の場合には同一の指での再読み取りを指示するように、指示内容を変更するようにしても良い。
【0159】
さらにまた、上記実施形態では、撮像画像から顔データへの変換をサンド装置が実行するものを示したが、管理サーバに撮像画像をそのまま与えて管理サーバが顔データへの変換を行うようにしても良い。このようにした場合には、サンド装置の処理負担を軽減することができる。また、通信の中継を行う島ユニットコントローラ4に、撮像画像から顔データへの変換機能を設けるようにしても良い。このようにした場合には、サンド装置及び管理サーバの処理負担を軽減することができる。また、撮像画像そのものを顔データとして用いるようにしても良い。
【0160】
また、上記実施形態においては、蓄積された入金残高を読み出して球貸しを行い、その後の残った入金残高の再蓄積を許容するものを示したが、再蓄積を許容しない遊技システムであっても良い。さらに、再蓄積を前提としているため、上記実施形態では、蓄積残高を読み出しても顔データベースからレコードを削除しないものを示したが、蓄積残高を読み出したときには、顔データベースからそのレコードを削除するようにしても良い。なお、この場合、再蓄積時にも、新たな蓄積として、レコードを作成すれば良い。
【0161】
さらにまた、上記実施形態においては、入金残高を蓄積させる際に、サンド装置から管理サーバに対し、顔データと入金残高データとを共に含む送信データを送信するものを示したが、顔データと入金残高データとを別個の送信データに分けて異なるタイミングで送信するようにしても良い。この場合において、顔データと入金残高データのいずれを先に送信するかは問わない。
【0162】
また、上記実施形態においては、入金残高を蓄積させる操作が返金キーの操作であって、入金された現金の一部が遊技媒体に変換された後の残高を蓄積できるものを示したが、これに加え、又は、これに代えて、入金された直後の残高、言い換えると、遊技媒体に変換がなされる前の入金残高を顔データに対応付けて蓄積できるようにしても良い。すなわち、遊技者は、現金を入金した直後に直ちに顔データに対応付けて入金残高を蓄積させ、蓄積させた入金残高からサンド装置への引き出しを行うことができる。
【0163】
さらに、上記実施形態においては、蓄積された入金残高の引き出しでは全額が引き出されるものを示したが、遊技者が、サンド装置のテンキー部などによって、蓄積されている入金残高の一部を引き出すことができるようにしても良い。
【0164】
さらにまた、上記実施形態においては、サンド装置及び管理サーバ間で、金銭データとして残高データを直接授受するものを示したが、他の形式で金銭データを授受し、管理サーバに入金残高データを蓄積させるようにしても良い。例えば、現金入金があったときには顔データに対応させないで入金額を管理サーバに与えて、サンド装置のIDに対応付けて管理させ、返金キーがあったときに、顔データと消費データ(遊技媒体への変換を行った金銭データ)とを管理サーバに与え、このときに始めて、顔データベースに、顔データと演算で得られた入金残高データとを対応付けて格納するようにしても良い。また、蓄積されている入金残高データの引出時にも、顔データベースに入金残高データを残し、再蓄積時にも、消費データを管理サーバに与えるようにしても良い。特許請求の範囲における「入金残高データ」の装置間の移動は、このような間接的な場合をも含むものとする。
【0165】
上記実施形態において、撮像の際、赤外線センサ部が測定した撮像距離データと基準撮像距離データとの差分が閾値を超えるものである場合には、遊技者に対し、腰掛け方を正す旨のアナウンスや、CCDカメラを向くようお願いするアナウンス等を報知するようにしてもよい。
【0166】
上記実施形態においては、操作ガイダンスや警告などを視覚的に表示、報知するものを示したが、これに代え、聴覚的に、操作ガイダンスや警告などを報知するようにしても良い。また、警告の報知は、サンド装置や入金残高精算機の単独装置だけでなく、島ユニットなどのグループ単位の装置を利用して行うようにしても良い。例えば、各装置が有する発光構成を利用して発光パターンなどによって報知するようにしても良い。
【0167】
上記実施形態においては、CCDカメラ部は、左右方向に揺動させる場合を説明したが、上下方向や回動させるようにしてもよい。また、右撮像と左撮像のうち双方又はいずれかについて、ソフト的なズーム処理を行うようにしてもよく、このズーム処理を用いた撮像パターンの中からも撮像環境のよいものを選択するようにしても良い。
【0168】
また、上記実施形態においては、ステレオ顔データを利用するものを示したが、1つの顔データを利用するようにしても良い。
【0169】
さらに、上記実施形態では、モノクロCCDカメラを利用する場合の例を示したが、カラーCCDカメラを利用しても良く、この場合には、基準色調データを記憶しておき、この基準色調データに最も近似する撮像信号を選択するようにすれば実現することができる。また、基準濃淡データ及び基準色調データを用いて、撮像信号の濃淡及び色調を補正するようにしてもよい。
【0170】
上記実施形態においては、入金残高の蓄積や、蓄積されている入金残高の引出しに、顔認証だけを利用するものを示したが、物品の携帯を不要とする他の認証方法を併用するようにしても良い。例えば、パスワード入力による認証方法や、他の個体認証方法を併用するようにしても良い。なお、パスワード入力を併用するようにした場合には、蓄積されている入金残高の引出し時に、照合する顔データの範囲を絞り込むことができて照合時間を短いものとすることができる。
【0171】
上記実施形態においては、サンド装置が、入金残高データを顔データに対応付けて管理サーバに蓄積でき、また、引き出せる機能を有するものであったが、このような機能に加えて、入金残高データを今までと同様にカードに記憶したりカードから読み出したりする機能を有するサンド装置であっても良い。このようなサンド装置の場合には、遊技者は、テンキーなどを利用して、入金残高データを管理データに蓄積させるか、カードに記録させてそのカードを排出させるかを選択することができる。管理サーバへの蓄積ができる分だけ、カードの排出機会が減少するので、顔データに対応させて入金残高データを蓄積させる機能を有することによる効果(例えばカード詰まりの減少)は、このような場合であっても発揮させることができる。
【0172】
また、上記実施形態においては、管理サーバ及びサンド装置間の通信方式としてポーリング方式を適用したものを示したが、他の方式を適用するようにしても良い。例えば、蓄積時には、サンド装置が送信権の要求を行い、管理サーバが競合調停を行っていずれかのサンド装置に送信権を付与するようにしても良い。
【0173】
上記実施形態においては、測距手段の例として赤外線センサ部を適用した場合を説明したが、ステレオカメラ(サンド装置のCCDカメラ部及び右隣のサンド装置のCCDカメラ)を測距手段として利用してもよい。この場合、例えば、制御部は、右撮像信号及び左撮像信号に基づく画像を利用して、遊技者の顔(特徴点)までの撮像距離を求め、これら右撮像信号に基づく撮像距離、左撮像信号に基づく撮像距離、CCDカメラ間の距離を下に3点測量で、遊技者の顔までの距離を求めるようにしてもよい。画像における遊技者の顔の測距については、画像サイズを固定し、予め定めた基準点(例えば、台番号など)が映し出されるように撮像し、その基準点と遊技者の顔(特徴点)との間の2点間距離を測定することにより求める方法がある。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】実施形態の遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のサンド装置の外観を示す斜視図である。
【図3】実施形態のサンド装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態の管理サーバの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の顔データベースの構成を示す説明図である。
【図6】実施形態の入金残高精算機の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態のサンド装置の待機状態からの処理分岐の概要を示すフローチャートである。
【図8】実施形態のサンド装置の入金残高の蓄積時動作を示すフローチャートである。
【図9】実施形態のサンド装置の濃淡補正動作を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の実施形態のサンド装置の濃淡補正を説明する説明図である。
【図11】実施形態のサンド装置の蓄積残高の引出時動作を示すフローチャートである。
【図12】実施形態の管理サーバの入金残高の蓄積時動作を示すフローチャートである。
【図13】実施形態の管理サーバの蓄積残高の引出時動作を示すフローチャートである。
【図14】実施形態のサンド装置の使用不可通知の受信時動作を示すフローチャートである。
【図15】実施形態の入金残高精算機の精算時動作を示すフローチャートである。
【図16】実施形態の管理サーバの精算時動作を示すフローチャートである。
【図17】実施形態の管理サーバによる顔データベースの整理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0175】
1…遊技システム、2…遊技機、3…サンド装置、5…管理サーバ、6…データベース、7…入金残高精算機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金の入金を取り入れ、貸出し操作に応じて、所定単位数の遊技媒体を排出する、又は、対応する遊技機に対し、所定単位数の遊技媒体の排出を指示すると共に、取り入れた入金残高を所定単位分だけ減少させるサンド装置であって、
遊技者の顔を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段と被写体との間の撮像距離を測定する撮像距離測定手段と、
予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、
上記撮像距離測定手段からの撮像距離データと上記基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、上記撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、上記基準データに合致するように、上記撮像信号を補正する撮像信号補正手段と、
入金残高の蓄積指示操作を取り込む蓄積指示取込手段と、
上記蓄積指示取込手段への蓄積指示操作があったときに、上記撮像手段が撮像し、上記撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、該撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データと、入金残高データとを管理サーバに送信して蓄積させる蓄積送信制御手段と、
上記蓄積送信制御手段により上記管理サーバに蓄積されている入金残高の引出指示操作を取り込む引出指示取込手段と、
上記引出指示取込手段への引出指示操作があったときに、上記撮像手段が撮像し、上記撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、該撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データを管理サーバに送信して、顔認証させて、蓄積されている入金残高データを上記管理サーバから送信させる入金残高引出制御手段と
を有することを特徴とするサンド装置。
【請求項2】
各サンド装置の状態を管理する管理サーバであって、
顔データと入金残高データとを対応付けた顔データベースと、
予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、
入金残高を蓄積させるために、いずれかの上記サンド装置から送信されてきた入金残高データを、送信されてきた撮像距離データと上記基準距離データとの比較結果に基づいて、上記各サンド装置から送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、上記基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、上記撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、該補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに対応付けて上記顔データベースに格納させる入金残高登録手段と、
入金残高の引出しのために、いずれかの上記サンド装置から送信されてきた撮像距離データと上記基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、上記基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、上記撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、該補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに基づいて、上記顔データベースを探索し、合致する顔データがあったときに、当該顔データに対応付けられている入金残高データを、上記撮像信号の送信元の上記サンド装置に送信する第1の入金残高供給手段と
を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項3】
入金残高の精算のために、いずれかの入金残高精算機から送信されてきた撮像距離データと上記基準距離データとの比較結果に基づいて、上記入残高精算機から送信されてきた撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、上記基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、上記撮像信号を補正し、補正した撮像信号、又は、補正した撮像信号を特徴圧縮した顔データに基づいて、上記顔データベースを探索し、合致する顔データがあったときに、当該顔データに対応付けられている入金残高データを、上記撮像信号の送信元の上記入金残高精算機に送信する第2の入金残高供給手段を有することを特徴とする請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
遊技媒体に変換されていない入金残高を精算する入金残高精算機であって、
遊技者の顔を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段と被写体との間の撮像距離を測定する撮像距離測定手段と、
予め撮像された濃淡又は色調の基準データと、この基準データの設定の際の撮像距離を示す基準距離データとを記憶する基準データ記憶手段と、
上記撮像距離測定手段からの撮像距離データと上記基準データ記憶手段に記憶された基準距離データとの比較結果に基づいて、上記撮像手段からの撮像信号の濃淡又は色調が、上記基準データ記憶手段に記憶された基準データに合致するように、上記撮像信号を補正する撮像信号補正手段と、
入金残高の精算指示操作を取り込む精算指示取込手段と、
上記精算指示取込手段への精算指示操作があったときに、上記撮像手段が撮像し、上記撮像信号補正手段が補正した後の撮像信号、又は、該撮像信号を特徴圧縮した圧縮データでなる顔データを管理サーバに送信して、顔認証させて、蓄積されている入金残高データを上記管理サーバから送信させる精算額取込手段と、
上記管理サーバから送信された入金残高データに対応する現金を排出する精算金排出手段と
を有することを特徴とする入金残高精算機。
【請求項5】
請求項1に記載の複数のサンド装置と、請求項2に記載の管理サーバとを有することを特徴とする遊技システム。
【請求項6】
請求項1に記載の複数のサンド装置と、請求項3に記載の管理サーバと、請求項4に記載の少なくとも1以上の入金残高精算機とを有することを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−67788(P2008−67788A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247249(P2006−247249)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】