説明

サンプリング装置および信号モニタ

【課題】被測定信号をサンプリングして得たアナログのサンプリング信号をサンプリング用パルスとは非同期でA/D変換することが可能な等価時間サンプリング装置を実現する。
【解決手段】
サンプリング部から出力されたサンプリング信号を、サンプリング用パルスの繰り返し周波数の2倍以上の周波数でサンプリング用パルスとは非同期にサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換器から出力されたデジタル信号のうちサンプリング用パルスに同期したデジタル信号を選択して出力する間引き手段と、A/D変換器から出力されたデジタル信号に基づいて被測定信号の繰り返し周波数とサンプリング用パルスの繰り返し周波数のビート信号に基づくトリガ信号を発生するトリガ信号発生部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、等価時間サンプリング方式のサンプリング装置およびそれを用いた信号モニタに係り、特に、サンプリング信号をサンプリング用パルスとは非同期でサンプリングするA/D変換器を備えたサンプリング装置およびそれを用いた信号モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
高速で繰り返し変調する信号の波形を観測するために、その信号の繰返し周期Tに対して微小時間ΔTずらした周期T+ΔTのサンプリングパルスでサンプリングを行う等価時間サンプリング方式が従来から用いられている。
【0003】
図7は、従来の等価時間サンプリング方式の信号モニタ50のブロック図である。
【0004】
信号モニタ50は、等価時間サンプリングを行うサンプリング装置51、サンプリング信号に基づき波形情報を記憶する波形メモリ56、波形情報に基づいて被測定信号の品質評価を行う演算部57から構成され、サンプリング装置51は、さらに、サンプリング部52、サンプリング用パルス発生部53、A/D変換器54、位相調整器55から構成される。
【0005】
サンプリング部52は、図8(a)に示すように、周期Tcで同一波形が繰り返される被測定信号Axを受けて、被測定信号Axの周期Tcの整数倍Nに対して微小時間ΔT長い周期Tsのパルス信号Asでサンプリングを行い、図8(c)に示すように、サンプリング用パルスAsに同期したサンプリング信号Ay(瞬時振幅値)を取得し、A/D変換器54でサンプリング毎にサンプリング信号Ayの振幅値に応じたデジタルデータDzに変換する。
【0006】
そして、A/D変換器54から出力されたデジタルデータを、被測定信号Axの波形情報として波形メモリ56に記憶する。サンプリング信号Ayは被測定信号Axの波形を時間軸上でTs/ΔT倍に拡大した包絡線を描くから、波形メモリ56は、例えば、この包絡線の周期に従って異なる領域に順次デジタルデータを記憶する。
【0007】
演算部57は、図9に示すように、波形メモリ56に記憶された波形情報に基づいて、波形メモリ56の異なる領域に記憶された波形情報を重ね合わせてアイパターンを作成したり、あるいは、2値レベルの一方を表す振幅と他方を表す振幅の確率分布を求め、その標準偏差を算出することで、信号品質を表すQ値を得る。
【0008】
上記のように、等価時間サンプリングを行う技術は、次の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特公平6−63869号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の等価時間サンプリング装置では、A/D変換器54は、サンプリング用パルスAsが出射される毎にサンプリング用パルス発生部53から同時に出射されるサンプリングタイミング信号Esを位相調整器55を介して受けて、このサンプリングクロックEsのタイミングでサンプリングを行うことによってサンプリング信号Ayに同期させている。
この位相調整器55の位相調整量は、個々のサンプリング装置に合わせてあらかじめ調整しておく必要があるが、その調整作業が煩雑であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、
サンプリング対象の被測定信号(Ax)を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)の整数倍(N)に対して所定のオフセット時間(ΔT)だけ異なる周期を有するサンプリング用パルス(As)を出射するサンプリング用パルス発生部(3)と、
サンプリング用パルス発生部から出射されるサンプリング用パルスを用いてサンプリング対象の被測定信号をサンプリングして得たサンプリング信号(Ay)を出力するサンプリング部(2)とを備えたサンプリング装置において、
サンプリング部(2)から出力されたサンプリング信号(Ay)を、サンプリング用パルス(As)の繰り返し周波数の2倍以上の周波数でサンプリング用パルスとは非同期にサンプリングしてデジタル信号(Dz)に変換するA/D変換器(4)と、
A/D変換器から出力されたデジタル信号のうち前記サンプリング用パルス(As)に同期したデジタル信号(Dz’)を選択して出力する間引き手段(5)と、
A/D変換器から出力されたデジタル信号に基づいて被測定信号の繰り返し周波数(fc)とサンプリング用パルスの繰り返し周波数(n・fs)のビート信号に基づくトリガ信号(T)を発生するトリガ信号発生部(6,20)とをさらに備えた。
【0011】
本願請求項2の発明は、請求項1のサンプリング装置において、トリガ信号発生部は、間引き手段で選択されたデジタル信号(Dz’)に基づいて前記トリガ信号(T)を発生する。
【0012】
本願請求項3の発明は、請求項1または請求項2のサンプリング装置において、
トリガ信号発生部は、ビート信号を透過するバンドパスフィルタ(6a)と、
該バンドパスフィルタから出力されたビート信号に基づいてトリガ信号を検出するトリガ信号検出手段(6c)とを含む。
【0013】
本願請求項4の発明は、請求項3のサンプリング装置において、被測定信号を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)およびオフセット時間(ΔT)を受けて、サンプリング用パルスのサンプリング周期(Ts)を、
Ts=N・Tc+ΔT
の演算で求めて、サンプリング用パルス発生部に設定するパラメータ設定部(9)と、
被測定信号を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)、オフセット時間(ΔT)、およびパラメータ設定部が算出したサンプリング周期(Ts)を受けて、ビート信号の周波数(fh)を、
fh=fc・ΔT・fs
(ここで、fcは被測定信号の繰り返し周波数であって繰り返し周期Tcの逆数、fsはサンプリング用パルスの繰り返し周波数であってサンプリング周期Tsの逆数である。)
の演算で求めて、前記バンドパスフィルタの透過帯域を設定する基本周波数算出手段(6b)をさらに備える。
【0014】
本願請求項5の発明は、請求項1または請求項2のサンプリング装置において、トリガ信号発生部は、
A/D変換器から出力されたデジタル信号に基づいてサンプリング信号(Ay)の周波数成分を解析する離散フーリエ変換手段(20a)と、
離散フーリエ変換手段で解析した周波数成分に基づいてビート信号を検出するとビート信号検出手段(20b)と、
該ビート信号検出手段で検出されたビート信号に基づいてトリガ信号を検出するトリガ信号検出手段(20c)とから構成される。
【0015】
本願請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一のサンプリング装置において、
被測定信号はデータ信号で変調された変調信号光(Px)であり、
サンプリング用パルス発生部は光パルス(Ps)をサンプリング用パルスとして出力するパルス光源(41)であり、
且つ、サンプリング部は、変調信号光とサンプリング用パルス発生部から出射された光パルスとを受けてサンプリング光(Py)を出力する光サンプリング手段(40a)と、光サンプリング手段から出力されたサンプリング光を受けて電気のサンプリング信号を出力する光電変換器(40d)とを含む。
【0016】
本願請求項7の発明は、請求項6のサンプリング装置において、光サンプリング手段は、電解吸収型光変調器である。
【0017】
本願請求項8の発明は、
請求項1から請求項7のいずれか一に記載のサンプリング装置と、
サンプリング装置のトリガ信号発生部から出力されたトリガ信号に従って間引き手段で選択されたデジタル信号を順次書き込む複数の異なる領域を有する波形メモリ(7)と、
波形メモリに書き込まれたデジタル信号に基づいて、被測定信号の品質を表す値を算出する演算部(8)を含む信号モニタである。
【0018】
本願請求項8の発明は、請求項8の信号モニタにおいて、演算部は、前記波形メモリに書き込まれたデジタル信号を重ね合わせることによりアイパターンを得る。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明では、サンプリング信号とA/D変換器のサンプリングの同期をとるために従来のサンプリング装置および信号モニタで必要であった位相調整器を不要にしたので、位相調整器の調整にかかる使用者の負担を軽減するという効果がある。
【0020】
また、サンプリング信号の周波数成分を離散フーリエ変換により算出し、その算出した周波数成分から被測定信号の繰り返し周波数とサンプリング用パルスの繰り返し周波数とのビート周波数を得るサンプリング装置では、上記の効果に加えて、評価対象の被測定信号の正確な繰り返し周波数fcが不明であっても、被測定信号の品質評価を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本願発明に係る第1の実施形態の信号モニタ30aのブロック図である。
この実施形態の信号モニタ30aは、繰返し周期Tcのデータ信号で変調した被測定信号Axを等価時間サンプリングして波形情報を取得するサンプリング装置1aと、その波形情報を記憶する波形メモリ7と波形情報に基づき被測定信号の品質評価を行う演算部8から構成される。
【0022】
サンプリング装置1aは、さらに、サンプリング部2、サンプリング用パルス発生部3、A/D変換器4、間引き手段5、トリガ信号発生部6、パラメータ設定部9から構成される。
【0023】
パラメータ設定部9は、被測定信号Axの繰返し周期Tcとオフセット時間ΔTの情報を受けて、サンプリング用パルスのサンプリング周期Tsを、次の(1)式から算出し、
Ts=N・Tc+ΔT ・・・(1)
(Nは任意の整数)
サンプリング用パルス発生部3に設定するとともに、後述する基本周波数算出手段6bにサンプリング周期Ts、繰返し周期Tcおよびオフセット時間ΔTを設定する。
【0024】
サンプリング用パルス発生部3は被測定信号Axの周期Tcの整数倍Nに対して微小時間ΔT長い周期Tsのサンプリング用パルスAsを出射し、サンプリング部2は、図7の従来技術のサンプリング部52と同様に、被測定信号Axを受けて、サンプリング用パルス発生部3から出射されたサンプリング用パルスAsでサンプリングを行い、サンプリング信号Ay(瞬時振幅値)を取得する。
【0025】
サンプリング部2の出力信号はA/D変換器4でデジタルデータDzに変換される。ただし、このA/D変換器4は従来技術で説明したサンプリング装置のA/D変換器54と異なり、サンプリング信号Ayとは非同期でサンプリングを行う。
したがって、本実施形態では、従来技術のサンプリング装置では必須であった、A/D変換器がサンプリング用パルスAsと同期するためのサンプリングタイミング信号Esが不要であり、したがって、従来技術のサンプリング装置が備えていたサンプリング用パルス発生部53からA/D変換器54へサンプリングタイミング信号Esを伝達するための信号線やサンプリングタイミング信号Esの位相を調整する位相調整器55を本実施形態のサンプリング装置は備えておらず、また、あらかじめ位相調整器を調整するという作業も不要である。
【0026】
A/D変換器4は、サンプリング信号Ayと非同期であるかわりに、サンプリング用パルスAsの繰返し周波数Tsの2倍以上の周波数でサンプリング信号Ayのサンプリングを行い、AyをデジタルデータDzに変換する。これは、サンプリング定理に則り、非同期サンプリングにおいてもサンプリング信号Ayの波形(瞬時振幅値)を正確に再現するためである。
A/D変換器4からのデジタルデータDzは、トリガ発生部6および間引き手段5に送出される。
【0027】
トリガ信号発生部6は、サンプリング信号Ayが描く包絡線の繰り返し周波数を検出するバンドパスフィルタ6aとバンドパスフィルタの透過帯域を設定する基本周波数算出手段6bから構成される。
繰り返し周波数fsのサンプリング用パルスAsが幅無限小の理想パルスの場合には、その周波数成分Axは、図5に示すように、n・fsの連続した周波数成分を含み(nは整数)、被測定信号の繰り返し周波数fcと最も近傍の周波数成分n・fsとの間で、サンプリング信号Ayが描く包絡線の繰り返し周波数に相当する差周波数fhのビート信号を発生する。
【0028】
バンドパスフィルタ6aは、このビート信号の周波数fhを検出する。
【0029】
基本周波数算出手段6bは、パラメータ設定部9から、被測定信号Axの繰返し周期Tc、サンプリング用パルスAsのサンプリング周期Tsおよびオフセット時間ΔTを受けて、包絡線波形の基本波成分信号の周波数fhを、次の(2)式から算出し、
fh=fc・ΔT・fs ・・・(2)
バンドパスフィルタに透過帯域の中心波長として設定する。
【0030】
トリガ信号検出手段6cは、バンドパスフィルタ6aで検出したビート信号から、サンプリング信号のデジタルデータDz’を後述する波形メモリ7へ書き込むためのトリガ信号Tを発生する。
【0031】
間引き手段5は、A/D変換器4からのデジタルデータDzのうち、サンプリング用パルスAsに同期したデジタルデータDz’のみを選択して出力する。
【0032】
波形メモリ7は、間引き手段5から出力端子10aを介して出力されたデジタルデータDz’を被測定信号Axの波形情報として記憶する。この書き込みは、トリガ信号発生部6から出力端子10bを介して出力されたトリガ信号Tのタイミングで、包絡線の周期に従って順次異なる領域に行われる。
【0033】
演算部8は、波形メモリに記憶された波形情報に基づいて、アイパターンを作成したり、Q値を求めて被測定信号の品質評価を行う。
【0034】
なお、図1のサンプリング装置30aのトリガ信号発生部6は、A/D変換器4のデジタルデータDzに基づいてトリガ信号Tを発生しているが、図2のサンプリング装置30bのように間引き手段5で選択されたデジタル信号Dz’に基づいてトリガ信号Tを発生する構成にすることも可能である。
【0035】
以上説明した本願の第1の実施形態のサンプリング装置または信号モニタによれば、従来必要であったA/D変換器の同期をとるための位相調整器を不要にし、使用者の負担を軽減するという効果を奏する。
(第2の実施形態)
【0036】
図3は、本願発明に係る第2の実施形態の信号モニタ30cのブロック図である。
この実施形態の信号モニタ30cは、第1の実施形態の信号モニタ30aと比較すると、パラメータ設定部9が不要であることとトリガ信号発生部20の内部構成のみ相違するので、以下、第1の実施形態と相違する部分のみ説明し、同一部分については極力説明を省略する。
【0037】
この実施形態では、サンプリング用パルスAsの繰り返し周波数fsは、被測定信号Axの繰り返し周波数fcとは無関係に任意に(非同期に)設定される。
ただし、第1の実施形態と同じく、後段のA/D変換器は非同期でサンプリングを行うので、サンプリング定理に則り、サンプリング用パルスAsは、被測定信号Axの繰り返し周波数fcの2倍の周波数より大きな周波数fsになるように十分余裕をもって設定される。
【0038】
トリガ信号発生部20は、A/D変換器4から出力されたデジタルデータに基づいて離散フーリエ変換によりサンプリング信号Ayの周波数成分を解析する離散フーリエ変換器20aと、離散フーリエ変換器20aが解析した周波数成分から、被測定信号Axの繰り返し周波数fcとサンプリング用パルスAsの繰り返し周波数のビート信号を検出するビート信号検出手段20bと、検出されたビート信号からトリガ信号Tを発生するトリガ信号検出手段20cから構成される。
【0039】
波形メモリ7は、第1実施例と同様に、トリガ信号発生部20が発生したトリガ信号Tに基づいて間引き手段5からのデジタルデータを記憶し、演算部8は被測定信号の品質評価を行う。
【0040】
この第2の実施形態のサンプリング装置は、第1の実施形態のサンプリング装置の効果に加えて、さらに、被測定信号の正確な繰り返し周波数fcが不明であっても、被測定信号の品質評価を行うことができるという効果を奏する。
【0041】
また、図4に示すように、この第2の実施形態においても、第1実施形態のサンプリング装置1bと同様に、間引き手段5で選択されたデジタル信号Dz’に基づいてトリガ信号発生部6がトリガ信号Tを発生する構成にすることが可能である。
(第3の実施形態)
【0042】
被測定信号が光信号Pxであって、サンプリング装置が光パルスでサンプリングを行う光サンプリング装置である場合の実施形態を、本願の第3の実施形態として図6に示す。
本実施形態では、評価対象が光信号Psであることと光サンプリング部40の代わりにサンプリング用光パルス発生部41を備えている点以外は、第1実施形態および第2実施形態と同じであるので、同一する構成要素についてはその説明を省略する。
【0043】
図6には、光サンプリング部40の一実施例として、電解吸収型光変調器40aの相互吸収飽和特性を利用した光サンプリング部40の構成が示されている。
【0044】
電解吸収型光変調器40aの2つある入力光ポートのうち一方のポートに被測定信号光Pxを入射し、他方のポートにはサンプリング用光パルス発生部41が出射した幅の狭いパルス光Psをサーキュレータ40cを介して入射する。
【0045】
被測定信号光Pxのみを入射しサンプリング用パルスPsを入射していないときには、電解吸収型光変調器40aは被測定信号光Pxに対して高い吸収性を示しその透過を妨げるが、サンプリング用光パルスPsを入射したときは相互吸収飽和特性により吸収率が低下して被測定信号光Pxを透過する。
【0046】
このように、サンプリング用光パルスPsを入射したときのみ電解吸収型光変調器40aを透過してサンプリングされたサンプリング信号光Pyは、サーキュレータ40cによりサンプリング用光パルス発生部41が接続された光路とは別の光路に接続された光電変換器40dでその光強度に応じた電気信号Ayに変換される。
【0047】
この電気信号は、第1または第2の実施形態と同様にA/D変換器で非同期サンプリングされ被測定信号光の品質が評価される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施形態に係るサンプリング装置および信号モニタの構成を説明するためのブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るサンプリング装置および信号モニタの他の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】第2の実施形態に係るサンプリング装置および信号モニタの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係るサンプリング装置および信号モニタの他の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】被測定信号とサンプリング用パルスの関係を説明するための図である
【図6】第1の実施形態に係るトリガ信号発生部の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】従来技術かかるサンプリング装置および信号モニタの構成を説明するためのブロック図である。
【図8】等価時間サンプリングを説明するための図である。
【図9】アイパターンを説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
1a、1b、1c、1d、51・・・サンプリング装置、30a、30b、30c、30d、50・・・信号モニタ、2、40、52・・・サンプリング部、3、53・・・サンプリング用パルス発生部、4、54・・・A/D変換器、5・・・間引き手段、6、20・・・トリガ信号発生部、6a・・・バンドパスフィルタ、6b・・・基本波周波数算出手段、6c、20c・・・トリガ信号検出手段、20a・・・離散フーリエ変換器、20b・・・ビート信号検出手段、7、56・・・波形メモリ、8、57・・・演算部、10a、10b・・・出力端子、40a・・・電解吸収型光変調器、40b・・・直流電源、40c・・・サーキュレータ、40d・・・光電変換器、41・・・サンプリング用光パルス発生器
Ax、Px・・・被測定信号、As、Ps・・・サンプリング用パルス、Es・・・サンプリングタイミング信号、Ay、Py・・・サンプリング信号、Dz・・・デジタルデータ、T・・・トリガ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング対象の被測定信号(Ax)を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)の整数倍(N)に対して所定のオフセット時間(ΔT)だけ異なる周期を有するサンプリング用パルス(As)を出射するサンプリング用パルス発生部(3)と、
前記サンプリング用パルス発生部から出射されるサンプリング用パルスを用いて前記サンプリング対象の被測定信号をサンプリングして得たサンプリング信号(Ay)を出力するサンプリング部(2)とを備えたサンプリング装置において、
前記サンプリング部(2)から出力されたサンプリング信号(Ay)を、前記サンプリング用パルス(As)の繰り返し周波数の2倍以上の周波数で前記サンプリング用パルスとは非同期にサンプリングしてデジタル信号(Dz)に変換するA/D変換器(4)と、
前記A/D変換器から出力されたデジタル信号のうち前記サンプリング用パルス(As)に同期したデジタル信号(Dz’)を選択して出力する間引き手段(5)と、
前記A/D変換器から出力されたデジタル信号に基づいて前記被測定信号の繰り返し周波数(fc)と前記サンプリング用パルスの繰り返し周波数(n・fs)のビート信号に基づくトリガ信号(T)を発生するトリガ信号発生部(6,20)と
をさらに備えたことを特徴とするサンプリング装置。
【請求項2】
前記トリガ信号発生部は、前記間引き手段で選択されたデジタル信号(Dz’)に基づいて前記トリガ信号(T)を発生することを特徴とする請求項1に記載のサンプリング装置。
【請求項3】
前記トリガ信号発生部は、
前記ビート信号を透過するバンドパスフィルタ(6a)と、
該バンドパスフィルタから出力されたビート信号に基づいて前記トリガ信号を検出するトリガ信号検出手段(6c)とを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンプリング装置。
【請求項4】
前記被測定信号を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)および前記オフセット時間(ΔT)を受けて、前記サンプリング用パルスのサンプリング周期(Ts)を、
Ts=N・Tc+ΔT
の演算で求めて、前記サンプリング用パルス発生部に設定するパラメータ設定部(9)と、
前記被測定信号を変調しているデータ信号の繰り返し周期(Tc)、前記オフセット時間(ΔT)、および前記パラメータ設定部が算出したサンプリング周期(Ts)を受けて、前記ビート信号の周波数(fh)を、
fh=fc・ΔT・fs
(ここで、fcは前記被測定信号の繰り返し周波数であって前記繰り返し周期Tcの逆数、fsはサンプリング用パルスの繰り返し周波数であって前記サンプリング周期Tsの逆数である。)
の演算で求めて、前記バンドパスフィルタの透過帯域を設定する基本周波数算出手段(6b)をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のサンプリング装置。
【請求項5】
前記トリガ信号発生部は、
前記A/D変換器から出力されたデジタル信号に基づいて前記サンプリング信号(Ay)の周波数成分を解析する離散フーリエ変換手段(20a)と、
前記離散フーリエ変換手段で解析した周波数成分に基づいて前記ビート信号を検出するとビート信号検出手段(20b)と、
該ビート信号検出手段で検出されたビート信号に基づいて前記トリガ信号を検出するトリガ信号検出手段(20c)とから構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンプリング装置。
【請求項6】
前記被測定信号はデータ信号で変調された変調信号光(Px)であり、
前記サンプリング用パルス発生部は光パルス(Ps)を前記サンプリング用パルスとして出力するパルス光源(41)であり、
且つ、前記サンプリング部は、前記変調信号光と前記サンプリング用パルス発生部から出射された光パルスとを受けてサンプリング光(Py)を出力する光サンプリング手段(40a)と、前記光サンプリング手段から出力されたサンプリング光を受けて電気のサンプリング信号を出力する光電変換器(40d)とを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一に記載のサンプリング装置。
【請求項7】
前記光サンプリング手段は、電解吸収型光変調器であることを特徴とする請求項6に記載のサンプリング装置。
【請求項8】
(信号モニタ)
請求項1から請求項7のいずれか一に記載のサンプリング装置と、
前記サンプリング装置のトリガ信号発生部から出力されたトリガ信号に従って前記間引き手段で選択されたデジタル信号を順次書き込む複数の異なる領域を有する波形メモリ(7)と、
前記波形メモリに書き込まれたデジタル信号に基づいて、前記被測定信号の品質を表す値を算出する演算部(8)を含むことを特徴とする信号モニタ。
【請求項9】
前記演算部は、前記波形メモリに書き込まれたデジタル信号を重ね合わせることにより、アイパターンを得ることを特徴とする請求項8に記載の信号モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−71936(P2010−71936A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242526(P2008−242526)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】