説明

サンプル液の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための測定ユニット

本発明は、サンプル液44の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための測定ユニット1を対象とし、上側ベアリングユニット14を伴う少なくとも1つの上側ベアリングアーム3と、下側ベアリングユニット21を伴う少なくとも1つの下側ベアリングアーム4と、それぞれの測定システム40に対して取り付け可能なベース5とを有する支持要素2と、シャフトトウ11,12を有するとともに、上側ベアリングユニット14及び下側ベアリングユニット21によって回転軸20について回転可能に支持されるシャフト10であって、上側ベアリングユニット14、下側ベアリングユニット21、及びシャフトトウ11,12がそれぞれトウベアリングを構成するシャフト10と、検出要素31及び駆動要素32を有するインターフェース要素24であって、シャフト10に固定され、かつ、サンプル液44の特性の測定のために、プローブコネクタ部37を伴うカップリングシャフト35に接続されるインターフェース要素24と、を備え、インターフェース要素24及びカップリングシャフト35は、シャフトに同軸状に配置される。本発明はまた、対応する測定システム40を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル液の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための測定ユニットに関する。本発明はまた、対応する測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
傷が流血を止めること、すなわち、身体が、適切な止血のメカニズムを有することは、生存のために不可欠である。血液の凝固の過程は、外性因子又は内性因子、例えば、それぞれ、組織因子(TF)又はハーゲマン因子(FXII)のいずれかによる傷又は炎症の場合において、活性化され得る。
【0003】
最終的な血液凝固の他の主な成分は、フィブリン線維によって相互結合され、かつ、凝固の過程の間の多くの生理的な変化を受ける血小板である。
【0004】
様々な方法が、適切な凝固を形成し、血液の凝固の安定性を決定するための血液の潜在力を評価するために導入されている。トロンボサイト計数又はフィブリン濃度の決定のような共通の臨床検査は、検査された成分が、十分な量で有用であるかどうかの情報を提供するが、検査された成分が、生理的な条件下で適切に機能するかどうかという疑問に答えることに欠ける(たとえば、生理的な条件下でフィブリノゲンの重合活性が一般の光学的手法によって評価できない)。その他、大部分の臨床検査は、血漿において機能し、それ故、特にPOC(point of care)条件下で好ましくない、準備時間及び追加時間のための追加のステップを必要とする。
【0005】
これらの問題を克服する他のグループの検査が、「粘弾性法」という用語によって要約される。これらの方法の共通の特徴は、血液凝固の堅固さ(又はそこで依存する他のパラメータ)が、最初のフィブリン線維の形成から繊維素溶解による血液凝固の分解まで、連続的に決定されるということである。血液凝固の堅固さは、凝固が血管内の傷の場所で、血圧及び剪断応力に抗しなければならないことから、生体内での止血のために重要な機能パラメータである。凝固の堅固さは、多数の相互にリンクするプロセス、凝固活性化、トロンビン形成、フィブリン形成、及び重合、血小板活性、及びフィブリン−血小板の相互作用の結果であり、線維素溶解によって妥協され得る。それ故、粘弾性モニタリングの使用によって、凝固系の全てのこれらのメカニズムが評価される。
【0006】
凝固診断のために使用される全てのこれらの方法の共通の特徴は、血液凝固が、円筒状のピンと軸対称なカップとの間の空間に設けられ、それらの2つのボディを結合するための血液凝固の能力が決定されるということである。
【0007】
第1の粘弾性法は、「トロンボエラストグラフィ」(Hartert H: Blutgerinnungsstudien mit der Thrombelastographie, einem neuen Untersuchungsverfahren . Klin Wochenschrift 26:577-583, 1948)と呼ばれる。トロンボエラストグラフィにおいて、サンプル液としてのサンプルが、左右にそれぞれ約5°で定期的に回転させられるカップ内に設置される。プローブピンが、トーションワイヤによって自由に支持される。凝固が形成されるとき、カップの動きが、トーションワイヤの逆の運動量に抗してプローブピンに伝達することが始まる。凝固の堅固さのための手段としてのプローブピンの動きは、連続的に記録され、時間に対してプロットされる。歴史的な理由から、堅固さは、ミリメータで測定される。
【0008】
凝固診断のために使用される全てのこれらの方法の共通の特徴は、血液凝固が、円筒状のピンと軸対称なカップとの間の空間に設けられ、それらの2つのボディを結合するための血液凝固の能力が決定されるということである。
【0009】
Calatzis et al .(米国特許第5777215号明細書)は、トロンボエラストメトリという用語の下で知られる、図1に例示される測定を記述する。上記の修正に対して、トロンボエラストメトリは、プローブ要素42が活動的に回転される間に、カップホルダ48に固定されるカップ43に基づく。この目的のために、プローブ要素42は、ベースプレート39内のボールベアリング49によって支持されるカップリングシャフト35'に取り付けられ、それに接続される駆動要素32を有する。駆動要素32の反対の端部で誘導される図面の平面に対して垂直な振動が、カップリングシャフト35'と、接続されたカップ43との各方向における約5°の回転軸20回りの周期的な回転に変換される。サンプル液44が凝固を開始するので、光線の変位によって、検出手段41及び検出要素31、例えばミラーから検出されるカップリングシャフト35'の動きの振幅は、減少し始める。
【0010】
凝固中に、フィブリン骨格は、血液収容カップ43の表面とその中に押し込まれるプローブ要素42との間の機械的な弾性リンク機構をつくり出す。それ故、1以上の活性化因子が加えられることによって誘発される進展する凝固工程が観測される。この方法において、患者の止血状態の様々な欠陥が、現れ、かつ適切な医療的介入について解釈される。
【0011】
この分野において、他の臨床方法と比較した粘弾性、例えばトロンボエラストリック技術の一般的な有利性は、凝固過程及びサンプルの機械的特性が全体として監視されることである。これは、上記した他の臨床方法に対して、トロンボエラストメトリが、凝固経路の全ての成分が十分な量で利用可能かどうかを示すだけでなく、各成分が適切に機能するかどうかを示すということを意味する。
【0012】
図1に示すように、トーションワイヤトロンボエラストメトリを使用する上記の装置は、ボールベアリングが、測定装置の特定の安定性を提供すること、例えば、測定装置が、持ち運び可能な装置として構成され、かつ、POC(point of care)状態下で使用され得るという有利性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明に内在する問題は、サンプル液の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための改良された測定ユニットを提供することである。
【0014】
本発明に直接的につながるのは、サンプル液の粘弾性特性、特に、血液サンプル液の凝固特性を測定するための対応する改良された測定システムを提供するという問題である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの問題は、独立請求項の主題によって解決される。望ましい実施形態が従属請求項に設けられる。
【0016】
第1の態様において、本発明は、サンプル液の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を特性するための測定ユニットであって、上側ベアリングユニットを伴う少なくとも1つの上側ベアリングアームと、下側ベアリングユニットを伴う少なくとも1つの下側ベアリングアームと、それぞれの測定システムに取り付け可能なベースとを有する支持要素と、シャフトトウを有するとともに、前記上側ベアリングユニットと下側ベアリングユニットとによって回転軸について回転可能に支持されるシャフトであって、前記上側ベアリングユニット、前記下側ベアリングユニット及び前記シャフトトウがそれぞれトウベアリングを構成するシャフトと、検出要素と駆動要素とを有するインターフェース要素であって、前記シャフトに固定され、かつ、前記サンプル液の特性を測定するためのプローブコネクタ部を伴うカップリングシャフトに接続されるインターフェース要素と、を備え、前記インターフェース要素及びカップリングシャフトは、前記シャフトに同軸状に配置される。
【0017】
第2の態様において、本発明は、サンプル液の特性、特に、血液サンプルの粘弾性特性を特性するための測定システムであって、本発明による少なくとも1つの測定ユニットを備える。
【0018】
トウベアリングは、ボールベアリングに関連して減少されるクリアランスおよび摩擦損失を有する。特に、トウベアリングは、同様に角度調節に関して、より小さなクリアランスを有するという有利性がある。本発明による測定装置はまた、高い精度で水平に配置されるベースメントを必要としないユニットを提供するという有利性を有する。それ故、POC状態等における使用のために非常に適している。さらに、本発明による測定ユニットは、振動の場合に、最新技術よりも、より影響をうけ難い。他の有利性は、トウベアリングの小型形状である。
【0019】
支持要素は、測定ユニットの構造的な剛体要素を構成し、トウベアリングによってシャフトを支持する。シャフトは、いくつかの機能を伴う要素であるインターフェース要素によってカップリングシャフトに結合される。
【0020】
前記上側ベアリングユニット及び前記下側ベアリングユニットは、前記支持要素のそれぞれのベアリングアーム内にそれぞれ固定される取り外し可能なインサートである。それ故、メンテナンスの場合に、支持要素を変えることなく、ベアリングユニットをシャフトと一緒に取り外すことができる。
【0021】
前記下側ベアリングユニットは、スラストベアリングであり、前記上側ベアリングユニットは、可動ベアリングである。移動可能なベアリングは、調整手段によって、最適な摩擦及びクリアランスを達成するように調整可能に構成される。
【0022】
ベアリングユニットには、例えば、宝石の類、例えば、サファイア又は/及びセラミックで製造されたベアリングプレートが装備される。
【0023】
インターフェース要素は、前記シャフトに接続される上側コネクタ部を含む。これは、簡単なシャフトへの接続を形成する。
【0024】
さらに、前記インターフェース要素は、測定ユニットのコンパクトなアセンブリ、及びカップリングシャフトへの接続を許容する前記支持要素の前記下側ベアリングアームの通路のための開口を有するフレームを有する。
【0025】
最後に、インターフェース要素は、前記検出要素をそこに接して固定するためのフロントを有し、さらに、前記駆動要素を内部で固定するレセプタクルを有する。
【0026】
インターフェース要素は、前記インターフェース要素を前記シャフトに固定するための固定ユニットをさらに含む。前記固定ユニットは、簡単な固定を実現するために、少なくとも1つのねじであることが望ましい。
【0027】
他の実施形態において、前記シャフトの対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有する固定ユニットが構成される。
【0028】
他の工具なしで、容易かつ迅速な接続のために前記カップリングシャフトのインターフェース部の対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有する前記下側コネクタ部が構成される。
【0029】
前記プローブコネクタ部上に取り外し可能に固定されるプローブ要素の対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有する前記カップリングシャフトの前記プローブコネクタ部が構成されることもまた望ましい。それ故、異なるプローブ要素の容易な組み立て及び分解が行われ得る。
【0030】
他の望ましい実施形態において、前記検出要素は、ミラーであり得る。
【0031】
カップリングシャフトの挿入及び/又はプローブ要素のカップリングシャフトへの挿入の場合に、軸方向の力が、シャフトとインターフェース要素に作用し、上側可動ベアリングへの方向に、シャフトの軸方向の移動を生じさせる。シャフト及びインターフェース要素の前記軸方向の移動と上側可動ベアリングの可能な損傷を制限するために、測定ユニットは、軸方向の停止手段を備え得る。前記停止手段は、例えば、インターフェース要素のショルダ又は/及びシャフトのショルダによって構成され、前記ショルダは、上側ベアリングアームの方向に面し、上側ベアリングアーム及び/または上側ベアリングユニットの対応するショルダと協働する。
【0032】
他の実施形態において、少なくとも1つの前記上側ベアリングユニット及び前記下側ベアリングユニットは、少なくとも1つのベアリングカバープレートを備え得る。前記ベアリングカバープレートは、シャフトに関して、シーリング及び/又はセンタ手段としての役割を果たす。
【0033】
他の実施形態において、駆動要素は、スプリングワイヤであることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、最新技術によるトロンボエラストメトリの例の概略図である。
【図2】図2は、本発明による測定ユニットの例示的な実施形態の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1の組み立てられた測定ユニットの回転軸20に沿う断面図のy方向に沿う概略図である。
【図4】図4は、本発明による測定装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図5】図5は、図4の測定装置の平面図である。
【図6】図6は、図4の測定装置のy方向に沿う図である。
【図7】図7は、図4の測定装置のx方向における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明のさらなる特徴および有利性が、図面を参照して実施形態の記載から明らかとなるであろう。
【0036】
同じ機能を有する部分及び要素は、同じ参照符号で示される。図面において、x、y、及びzの方向を示す座標系は、より良い方向を許容する。
【0037】
ここで、本発明による測定ユニット1の例示的な実施形態は、図2及び図3に関して記述されるであろう。
【0038】
図2は、本発明による測定ユニット1の例示的な実施形態の分解斜視図であり、図3は、図1の組み立てられた測定ユニット1の回転軸20に沿う断面図のy方向に沿う概略図である。
【0039】
測定ユニットは、z方向に延びるボディ6を伴う支持要素2を備える。ボディ6は、上側ベアリングアーム3と下側ベアリングアーム4とを接続する。x方向において延びるベアリングアーム3及び4は、互いに間隔をおいて平行である。ボディ6及び前記ベアリングアーム3及び4は、ベアリングアーム3及び4によって定められる距離で凹部7を有するU状のブロックを構成する。
【0040】
ボディ6及び下側ベアリングアーム4は、x方向に延びるベース5上に固定される。ベース5は、固定孔を備える(例えば取付要素38について図4参照)。
【0041】
上側ベアリングアーム3は、上側ベアリングユニット14のための貫通孔とともに構成され、下側ベアリングアーム4は、下側ベアリングユニット21のための貫通孔を有し、貫通孔は、回転軸20に沿って配置される。
【0042】
上側ベアリングユニット14及び下側ベアリングユニット21は、前記貫通孔に挿入されるインサートとして構成される。上側ベアリングアーム3内で、y方向において、ボディ6の側部から延びる上側固定通路8は、固定要素34、例えば、ねじによって、挿入された上側ベアリングユニット14を固定することを許容する。挿入された下側ベアリングユニット21は、同様に、下側ベアリングアーム4内で延びる下側固定通路9を介して、固定要素34によって固定され得る。
【0043】
上側シャフトトウ(上側シャフト先端)11と下側シャフトトウ(下側シャフト先端)12とを有するシャフトボディ13を伴うシャフト10が、ベアリングユニット14及び21によって支持されるように備えられる。前記ベアリングユニット14及び21は、それぞれトウベアリングを構成すべく、前記上側シャフトトウ11及び下側シャフトトウ12を有するシャフト10とともに構成される。サークリップ50のための溝51がシャフトボディ13内に形成される。
【0044】
上側ベアリングユニット14は、固定部15及びベアリング部16を備える。図3に見られるように、ベアリング部16は、上側ベアリングアーム3の貫通孔内に挿入される。上側ベアリングユニット14は、ベアリングユニット14の貫通孔内に設けられる、例えば宝石又はセラミックで製造される移動可能なベアリングプレート46を伴う移動可能なベアリングとして設計される。シャフト10の上側シャフトトウ11は、移動可能なベアリングプレート46に接して位置する。移動可能なベアリングプレート46は、回転軸、すなわち、z方向において移動可能である。スプリング45が、固定部15内に設けられ、かつ、調整手段17、例えば、ねじによって調整可能であり、調整手段17は、固定手段18、例えば、ねじによって、固定通路19を介して固定部15内に固定され得る。
【0045】
下側ベアリングユニット21は、カラー22及びベアリング部23を備える。ベアリング部23は、下側ベアリングアーム4の貫通孔内に挿入され、カラー22は、下側ベアリングアーム4上に位置する。スラストベアリングプレート47が、下側ベアリングユニット21の貫通孔内に設けられ、その中で固定される。スラストベアリングプレート47は、移動可能なベアリングプレートと同様な材料で製造され、シャフト10の下側シャフトトウ12は、スラストベアリングプレート47に接して位置する。
【0046】
ベアリングユニット14,21及びシャフト10のプリテンションは、調整手段17によって調整され得る。
【0047】
測定ユニット1は、上側コネクタ部25、フレーム26、及び下側コネクタ部27を有するインターフェース要素24をさらに備える。開口28が、下側ベアリングアーム4の断面よりも大きな断面を有する通路を構成するためにフレーム内に形成される(図3も参照)。
【0048】
上側コネクタ部25は、図3に見られるように、シャフト10に接続される孔とともに形成され、シャフト10は、インターフェース要素24をシャフト10に固定するための固定ユニット29、例えば、ねじによって固定される。
【0049】
下側コネクタ部27はまた、カップリングシャフト35に接続される孔とともに提供される。この目的を達成するために、カップリングシャフト35は、望ましくはクリップ手段として構成されるインターフェース部36とともに構成される。他の固定手段も可能である。カップリングシャフト35は、プローブ要素42(図1参照)に接続されるように備えられるプローブコネクタ部37をさらに備える。
【0050】
さらに、インターフェース要素24は、検出要素31、例えばミラー(図1及び図2も参照)が例えば接着剤によって固定されるフロント30を有する。インターフェース要素24はまた、フレーム26の下側部分でフロントの側部にレセプタクル33を備える。駆動要素32、例えばスプリングワイヤは、既に図1に示すように、このレセプタクル33内に挿入され得る。
【0051】
この例において、上側ベアリングユニット14及び下側ベアリングユニット21には、ベアリングカバープレート52が備えられる。前記ベアリングカバープレート52は、ディスク状であり、ベアリングカバープレート52の通路孔を通じて延びるシャフト10の部分を囲む方法で、ベアリングユニット14及び21の貫通孔内に挿入される。これらの通路孔は、対応するシャフトの部分の外径よりもやや大きな内径を有する。それ故、ベアリングカバープレート52は、特定のシール機能を与える。その一方で、ベアリングカバープレート52は、シャフト10を中心に置き得る。使用中では、ベアリングカバープレート52と対応するシャフト部との間に摩擦は存在しない。図3の例において、上側ベアリングユニット14のベアリングカバープレート52は、ベアリング部16の下側部分内に挿入され、シャフト10の上側シャフトトウ11の円筒部と協働する。下側ベアリングユニット21のベアリングカバープレート52は、カラー22の上側部分内に挿入され、シャフト10のシャフトボディ13の円筒部と協働する。
【0052】
測定ユニット1の組み立ては、組み立てられたユニットを達成するために以下のように行われる(図2及び3参照)。
【0053】
最初に、下側ベアリングユニット21が、下側ベアリングアーム4内に挿入され、上記のように固定される。その後、下側ベアリング4が、インターフェース要素24のフレーム26の開口28を通じて延びかつ突出する方法で、上側ベアリングアーム3と下側ベアリングアーム4との間の凹部7内にインターフェース要素24が挿入される。インターフェース要素24は、その孔とともに回転軸20に対して配置されるべきである。ここで、シャフト10は、回転軸20に沿って、貫通孔を通じ、上側ベアリングアーム3内に挿入され、インターフェース要素24の上側コネクタ部25の孔を通じて、下側ベアリングユニット21内に挿入され、下側シャフトトウ12は、下側ベアリングユニットのスラストプレート47上に位置する。
【0054】
ここで、上側ベアリングユニット14は、上側ベアリングアーム3の貫通孔内に挿入され、上記のように固定され、移動可能なベアリングプレート46は、上側シャフトトウ11に接して位置する。その後、調整手段17が、所定のプリテンションのために、そのとき又は後に調整され得る。
【0055】
インターフェース要素24は、溝51がサークリップ50に適合され得るまで、シャフトボディ13に接して上方にシフトされる。その後、インターフェース要素24は、回転軸20に沿って所定の軸方向の位置を維持するためのサークリップ50に接して位置するように下方にシフトされる。ここで、インターフェース要素24は、前記固定ユニット29によってシャフトボディ13上に固定され得る。
【0056】
スラストプレート47及び移動可能なプレート46は、それぞれディンプルを備える。ディンプルは、シャフト10をインターフェース要素24及びカップリングシャフト35とともに配列させる。
【0057】
最後に、カップリングシャフト35、検出要素31及び駆動要素32が、インターフェース要素24に接続され得る。
【0058】
カップリングシャフト35の挿入及び/又はプローブ要素42(図1参照)のカップリングシャフト35への挿入の場合に、軸方向の力が、インターフェース要素24を経由して、シャフト10に作用し、そして、回転軸20の方向において、上側の移動可能なベアリング14へのシャフト10の軸方向の移動を生じさせる。シャフト10及びインターフェース要素24の前記軸方向の移動と、上側の移動可能なベアリング14の損傷を制限するために、測定ユニット1は、軸方向の停止手段を備え得る。前記停止手段は、示される実施形態において、例えば、インターフェース要素24の上側のショルダ又は/及びシャフト10のショルダによって構成可能であり、前記ショルダは、上側ベアリングアーム3に面しており、上側ベアリングアーム3及び/又は上側ベアリングユニット14の対応するショルダと協働する。
【0059】
組み立てられた測定ユニット1は、図3に示され、本発明による測定装置40の例示的な実施形態の斜視図である図4に示されるように、測定装置40のベースプレート39上に取り付けられ得る。
【0060】
示される実施形態において、測定装置40は4つの測定ユニット1を備える。測定ユニット1は、取付要素、例えば、ねじ又はクリップ固定手段によってベースプレート39上に固定され、カップリングシャフト35は、ベースプレート39内で対応する開口を通じて延びる。駆動要素32は、y方向に延び、そして、そこで接続されるそれぞれのカップリングシャフト35(及び、上記のように対応する部分)とともに、それぞれのインターフェース要素24をそれぞれの回転軸20まわりに振動させるための図示しない駆動装置によって駆動され得る。
【0061】
図5は、図4の測定装置40の平面図である。ここで、駆動要素32及び接続されたインターフェース要素24が特定の角度でy方向に設けられるということが示される。
【0062】
図6は、図4の測定装置のy方向に沿った図であり、検出要素31が正面図から見受けられ得る。
【0063】
最後に、図7は、図4の測定装置40のx方向における斜視図である。
【0064】
添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、変形及び修正が実施形態に対して為され得るということが当業者に明らかとなるであろう。
【符号の説明】
【0065】
1…測定ユニット、2…支持要素、3…上側ベアリングアーム、4…下側ベアリングアーム、5…ベース、6…ボディ、7…凹部、8…上側固定通路、9…下側固定通路、10…シャフト、11…上側シャフトトウ、12…下側シャフトトウ、13…シャフトボディ、14…上側ベアリングユニット、15…固定部、16…ベアリング部、17…調整手段、18…固定手段、19…固定通路、20…回転軸、21…下側ベアリングユニット、22…カラー、23…ベアリング部、24…インターフェース要素、25…上側コネクタ部、26…フレーム、27…下側コネクタ部、28…開口、29…固定ユニット、30…フロント、31…検出要素、32…駆動要素、33…レセプタクル、34…固定要素、35,35'…カップリングシャフト、36…インターフェース部、37…プローブコネクタ部、38…取付要素、39…ベースプレート、40…測定装置、41…検出手段、42…プローブ要素、43…カップ、44…サンプル液、45…スプリング、46…移動可能なベアリングプレート、47…スラストベアリングプレート、48…カップホルダ、49…ボールベアリング、50…溝、51…サークリップ、52…ベアリングカバープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル液(44)の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための測定ユニット(1)であって、上側ベアリングユニット(14)を伴う少なくとも1つの上側ベアリングアーム(3)と、下側ベアリングユニット(21)を伴う少なくとも1つの下側ベアリングアーム(4)と、それぞれの測定システム(40)に対して取り付け可能なベース(5)とを有する支持要素(2)と、
シャフトトウ(11,12)を有するとともに、前記上側ベアリングユニット(14)及び前記下側ベアリングユニット(21)によって回転軸(20)について回転可能に支持されるシャフト(10)であって、前記上側ベアリングユニット(14)、前記下側ベアリングユニット(21)、及び前記シャフトトウ(11,12)がそれぞれトウベアリングを構成するシャフト(10)と、
検出要素(31)及び駆動要素(32)を有するインターフェース要素(24)であって、前記シャフト(10)に固定され、かつ、前記サンプル液(44)の特性の測定のために、プローブコネクタ部(37)を伴うカップリングシャフト(35)に接続されるインターフェース要素(24)と、を備え、
前記インターフェース要素(24)及びカップリングシャフト(35)は、前記シャフトに同軸状に配置される測定ユニット(1)。
【請求項2】
前記上側ベアリングユニット(14)及び前記下側ベアリングユニット(21)のそれぞれは、各ベアリングアーム(3,4)内に固定される取り外し可能なインサートである請求項1に記載の測定ユニット(1)。
【請求項3】
前記下側ベアリングユニット(21)は、スラストベアリングであり、前記上側ベアリングユニット(14)は、調整手段(17)によって調整可能な、移動可能なベアリングである請求項1又は2に記載の測定ユニット(1)。
【請求項4】
前記上側ベアリングユニット(14)及び前記下側ベアリングユニット(21)は、宝石及び/又はセラミックで製造されるベアリングプレート(46,47)を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項5】
前記インターフェース要素(24)は、前記シャフト(10)に接続される上側コネクタ部(25)と、前記支持要素(2)の前記下側ベアリングアーム(4)の通路のための開口(28)を有するフレーム(26)と、前記カップリングシャフト(35)に接続される下側コネクタ部(27)と、前記検出要素(32)をそこで固定するためのフロント(30)と、内部に前記駆動要素(32)を固定するためのレセプタクル(33)とを備える請求項1から4のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項6】
前記インターフェース要素(24)は、前記シャフト(10)にインターフェース要素(24)を固定するための固定ユニット(29)をさらに備える請求項5に記載の測定ユニット(1)。
【請求項7】
前記固定ユニット(29)は、少なくとも1つのねじである請求項6に記載の測定ユニット(1)。
【請求項8】
前記固定ユニット(29)は、前記シャフト(10)の対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有するように構成される請求項6に記載の測定ユニット(1)。
【請求項9】
前記下側コネクタ部(27)は、前記カップリングシャフト(35)のインターフェース部(36)の対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有するように構成される請求項5から8のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項10】
前記カップリングシャフト(35)の前記プローブコネクタ部(37)は、前記プローブコネクタ部(37)に取り外し可能に固定されるプローブ要素の対応するクリップ手段と協働するクリップ手段を有するように構成される請求項1から9のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項11】
前記検出要素(31)はミラーである請求項1から10のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項12】
駆動要素(32)はスプリングワイヤである請求項1から11のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項13】
シャフト(10)とインターフェース要素(24)の軸方向の移動を制限するための軸方向の停止手段を備える請求項1から12のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項14】
軸方向の停止手段は、インターフェース要素(24)のショルダ又は/及びシャフト(10)のショルダによって構成され、前記ショルダは、上側ベアリングアーム(3)に面しており、かつ、上側ベアリングアーム(3)及び/又は上側ベアリングユニット(14)の対応するショルダと協働する請求項13に記載の測定ユニット(1)。
【請求項15】
少なくとも1つの前記上側ベアリングユニット(14)及び前記下側ベアリングユニット(21)は、少なくとも1つのベアリングカバープレート(52)を備える請求項1から14のいずれか1項に記載の測定ユニット(1)。
【請求項16】
サンプル液の特性、特に血液サンプルの粘弾性特性を測定するための測定システム(40)であって、請求項1から15のいずれか1項に記載の少なくとも1つの測定ユニット(1)を備える測定システム(40)。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−515340(P2012−515340A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545745(P2011−545745)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050454
【国際公開番号】WO2010/081876
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511151145)ツェー アー カズィゾ アーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】C A CASYSO AG
【住所又は居所原語表記】Rieserstrasse 8,CH−4132 Muttenz(CH)
【Fターム(参考)】