説明

サーキュレータ用フェライト接着治具

【課題】台座に対するフェライトの固定位置を容易に位置決めすることができるとともに、1度に2つの台座のそれぞれに対してフェライトを固定することができるようにする。
【解決手段】ガイド部が設けられた筒形形状の柄部と、楔形形状を備えた端部をガイド部から突出するようにして柄部内に挿通したシャフト部と、側面に形成された開口部から楔形形状を備えた端部を内部に挿入した筒部と、筒部内に挿入された楔形形状を備えた端部を挟むように対向して配置された第1のピストンブロックおよび第2の面側に配置された第2のピストンブロックと、第1のピストンブロックに設けられた第1の保持手段と、第2のピストンブロックに設けられた第2の保持手段と、第1の保持手段に保持されるフェライトを筒部の中心軸に向けて付勢する第1の付勢手段と、第2の保持手段に保持されるフェライトを筒部の中心軸に向けて付勢する第2の付勢手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーキュレータ用フェライト接着治具に関し、さらに詳細には、サーキュレータの内部にフェライトを接着する際に用いて好適なサーキュレータ用フェライト接着治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マイクロ波回路に用いられる導波管型のサーキュレータにおいては、その内部にフェライトが設けられている。
【0003】
ところで、こうしたサーキュレータにおいては、その内部における所定の位置にフェライトを固定しなければ、所望の特性を得ることができないことが知られている。
【0004】

ここで、図1乃至図3を参照しながら、サーキュレータの内部にフェライトを固定するための従来の手法について説明する。
【0005】
図1には、従来の手法によりサーキュレータの内部にフェライトを挿入する際の説明図が示されており、また、図2(a)(b)には、従来の手法によりサーキュレータの内部に挿入したフェライトを位置決めする際の説明図が示されており、また、図3(a)(b)には、従来の手法によりサーキュレータの内部で位置決めされたフェライトを接着する際の説明図が示されている。
【0006】
なお、説明の便宜上、以下の説明においては、図1における矢印A方向を上方側とし、また、図1における矢印B方向を下方側として説明する。
【0007】

即ち、サーキュレータの内部にフェライトを固定するためには、従来の手法によれば、まず、作業者はピンセット12で略円板形状のフェライト14を挟み、フェライト14を挟んだピンセット12をサーキュレータ10の内部に挿入することにより、フェライト14をサーキュレータ10の内部に挿入する(図1を参照する。)。
【0008】
この際に、サーキュレータ10の内部に挿入されたフェライト14は、作業者の目視による作業により、サーキュレータ10の内部に設けられた略円柱形状の台座16の上面16aの所定の位置に貼り付けられる(図2(a)を参照する。)。
【0009】
なお、台座16の上面16aまたは台座16の上面16aと当接するフェライト14の下面14aのうち、少なくともいずれか一方には接着剤が塗布されている。
【0010】
次に、作業者は、フェライト14の上面14bに接着固定治具18の先端部18aを当接させ、塗布されていた接着剤が硬化するまでフェライト14を台座16に対して押し付けておく。
【0011】
上記した作業により、台座16の上面16aに貼り付けられたフェライト14は、台座16に完全に接着固定される(図3(a)を参照する。)。
【0012】
このようにして、フェライト14を台座16に固定し終えると、同様にして、サーキュレータ10の内部において台座16と対向して設けられた略円柱形状の台座20に対し、略円板形状のフェライト22を接着固定する。
【0013】
即ち、作業者はピンセット12でフェライト22を挟み、フェライト22を挟んだピンセット12をサーキュレータ10の内部に挿入することにより、フェライト22をサーキュレータ10の内部に挿入する(図1を参照する。)。
【0014】
この際に、サーキュレータ10の内部に挿入されたフェライト22は、作業者の目視による作業により、サーキュレータ10の内部に設けられた略円柱形状の台座20の下面20aの所定の位置に貼り付けられる(図2(a)を参照する。)。
【0015】
なお、台座20の下面20aまたは台座20の下面20aと当接するフェライト22の上面22aのうち、少なくともいずれか一方には接着剤が塗布されている。
【0016】
次に、作業者は、フェライト22の下面22bに接着固定治具18の先端部18aを当接させ、塗布されていた接着剤が硬化するまでフェライト22を台座20に対して押し付けておく。
【0017】
上記した作業により、台座20の下面20aに貼り付けられたフェライト22は、台座20に完全に接着固定される(図3(a)を参照する。)。
【0018】
以上において説明した手法により、サーキュレータ10の内部にフェライト14およびフェライト22が固定される。
【0019】

しかしながら、上記した従来の手法によれば、サーキュレータ10の内部に対向して設けられた台座16および台座20に対しフェライト14およびフェライト22をそれぞれ接着する際に、サーキュレータ10の内部という限られた空間内で作業を行う必要があるため、作業者が目視によりフェライト14およびフェライト22を正確に位置決めすることが非常に困難であるとともに、ピンセット12によりフェライト14やフェライト22あるいはサーキュレータ10の内壁を傷つけてしまう恐れがあるという問題点があった。
【0020】
また、接着剤が硬化するまで、作業者が単に接着固定治具18の先端部18aによりフェライト14およびフェライト22を台座16および台座20に対してそれぞれ押し付けているだけなので、硬化した際の接着剤の接着膜厚を均一にすることが困難であった。
【0021】
このため、台座16および台座20への接着後におけるフェライト14の上面14aとフェライト22の下面22aとの平行が維持できず、製作したサーキュレータに所望の特性が備わっていない恐れがあるという問題点があった。
【0022】
さらに、台座16にフェライト14を貼り付けて接着剤を硬化させた後に、台座20にフェライト22を貼り付けて接着剤を硬化させるようにしているため、熱硬化性の接着剤を使用する場合には、台座16とフェライト14とを接着する接着剤は2度も所定の温度にさらされることになるため、使用する接着剤の種類によっては当該接着剤の接着強度が低下する恐れがあるという問題点があった。
【0023】
さらにまた、上記した各種の問題点があるため、作業者にはスキルが求められ、誰もが容易に、かつ、安定してサーキュレータ内部にフェライトを接着することができないという問題点が生じていた。
【0024】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サーキュレータの内部に対向して設けられた2つの台座のそれぞれにフェライトを固定する際に、簡単な構造により、台座に対するフェライトの固定位置を容易に位置決めすることができるとともに、1度に2つの台座のそれぞれに対してフェライトを固定することができるようにしたサーキュレータ用フェライト接着治具を提供しようとするものである。
【0026】
また、本発明の目的とするところは、サーキュレータの内部に設けられた台座とフェライトとを接着剤で接着する際に、当該接着剤の接着膜厚が均一になるように接着することができるようにしたサーキュレータ用フェライト接着治具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、サーキュレータの内部に対向して設けられた台座に対してフェライトを固定する際に用いるサーキュレータ用フェライト接着治具において、台座の外周面の形状に適合する形状のガイド面を備えたガイド部が設けられた筒形形状の柄部と、互いに対向する第1の面と第2の面とが傾斜した楔形形状を備えた端部を上記ガイド部から突出するようにして上記柄部内に挿通したシャフト部と、上記ガイド部の上記ガイド面側に固定されるとともに、側面に形成された開口部から上記楔形形状を備えた端部を内部に挿入した筒部と、上記筒部内において上記筒部の軸方向に沿って摺動自在、かつ、上記筒部内に挿入された上記楔形形状を備えた上記端部を挟むように対向し、上記第1の面側に配置された第1のピストンブロックおよび第2の面側に配置された第2のピストンブロックであって、上記第1の面と対向する一方の面に上記第1の面と適合する傾斜角度を備えた第1のガイド溝が設けられた第1のピストンブロックおよび上記第2の面と対向する一方の面に上記第2の面と適合する傾斜角度を備えた第2のガイド溝が設けられた第2のピストンブロックと、上記第1のピストンブロックの他方の面に設けられた第1の保持手段と、上記第2のピストンブロックの他方の面に設けられた第2の保持手段と、上記筒部に複数設けられ、上記第1のピストンブロックの他方の面において上記第1の保持部材により保持されるフェライトを上記筒部の中心軸に向かって付勢する第1の付勢手段と、上記筒部に複数設けられ、上記第2のピストンブロックの他方の面において上記第2の保持部材により保持されるフェライトを上記筒部の中心軸に向かって付勢する第2の付勢手段とを有するようにしたものである。
【0028】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明は、さらに、上記柄部に対して上記シャフト部を固定する固定手段とを有するようにしたものである。
【0029】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、上記第1の付勢手段は、上記筒部における一方の開口面の近傍の内周面に複数設けられたスプリング板よりなり、当該スプリング板は、上記筒部の中心軸に向かって突出するように略く字形状に屈曲させ、上記第2の付勢手段は、上記筒部における他方の開口面の近傍の内周面に複数設けられたスプリング板よりなり、当該スプリング板は、上記筒部の中心軸に向かって突出するように略く字形状に屈曲させるようにしたものである。
【0030】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記第1の保持手段と第2の保持手段は、接着剤による上記フェライトと上記台座との接着力より弱く、かつ、上記フェライトを保持できる強さの保持力を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、以上説明したように構成されているので、サーキュレータの内部に対向して設けられた2つの台座のそれぞれにフェライトを固定する際に、簡単な構造により、台座に対するフェライトの固定位置を容易に位置決めすることができるようになるとともに、1度に2つの台座のそれぞれに対してフェライトを固定することができるようになるという優れた効果を奏する。
【0032】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、サーキュレータの内部に設けられた台座とフェライトとを接着剤で接着する際に、当該接着剤の接着膜厚が均一になるように接着することができるようになるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0034】

ここで、図4には、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の概略構成斜視説明図が示されており、また、図5には、図4のA−A線による断面構成説明図が示されており、また、図6(a)には、図4の要部の上方側からの概略構成斜視説明図が示されており、また、図6(b)には、図4の要部の下方側からの概略構成斜視説明図が示されており、また、図7には、図6(a)のB−B線による要部断面構成斜視説明図が示されおり、また、図8には、シリンダの概略構成斜視説明図が示されており、また、図9(a)には、ガイド部を設けた柄部の概略構成斜視説明図が示されており、また、図9(b)には、図9(a)に示す柄部に設けられたガイド部に嵌合するシリンダの概略構成斜視説明図が示されており、また、図10(a)(b)(c)には、ピストンブロックの概略構成斜視説明図が示されており、また、図11(a)(b)には、筒部におけるスプリング板の固定状態を示す概略構成斜視説明図概示されており、また、図11(c)には、図11(a)(b)の要部を拡大した概略構成斜視説明図が示されており、また、図11(d)には、筒部におけるスプリング板の挿入状態を示す概略構成斜視説明図が示されており、また、図12には、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の使用状態を示す断面説明図が示されている。
【0035】
なお、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の内部構造の理解を容易にするために、図7においては上方側のピストンブロックを省略して図示している。
【0036】
また、以下の説明においては、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具を用いて、図1乃至図3を参照しながら説明したサーキュレータ10の内部に対向して設けられた台座16および台座20に対し、フェライト14およびフェライト22をそれぞれ固定する場合を例にして説明する。
【0037】

このサーキュレータ用フェライト接着治具30は、筒形形状の柄部32と、柄部32の一方の端部32aに設けられたナット34と、柄部32の他方の端部32bに設けられた押圧部36と、ナット34から柄部32の内部を通過して先端部38aが押圧部36に達するように設けられたシャフト部38とを有して構成されている(図4ならびに図5を参照する。)。
【0038】

押圧部36は、図6に示すように、略円柱形状のシリンダ40と、柄部32の端部32bに上方側および下方側に延長して設けられるとともに台座16、20の外周面の形状に適合する略一致した円弧形状のガイド面42aが形成されたガイド部42とにより構成されている。
【0039】
ここで、シリンダ40とガイド部42とは、シリンダ40を結合ピン43によりガイド部42に固定することにより、両者が一体化されている。
【0040】
また、後述するシリンダ40の筒部41の内周面41aは、ガイド面42aの形状と略一致するように寸法設定されている。
【0041】
より詳細には、図7に示すように、シャフト部38の先端部38aは、左方側および右方側に沿って延長した略直方体形状に形成されて、先端面38aeの高さ(長さ)h1が後端面38afの高さ(長さ)h2より小さい楔形形状を備えている。
【0042】
なお、後端面38afの高さh2は、シリンダ40の高さ(長さ)L1より小さく設計されている。
【0043】
また、シリンダ40は、内径が台座16、20の外径と略一致するとともに開口部41bを備えた筒部41と、筒部41の内径と略一致する径を備えるとともに筒部41の軸方向に沿って筒部41の内周面41aに対して所定の摩擦力をもって接するとともに、当該所定の摩擦力に抗する力により摺動可能に配置されて、上面44aがシリンダ40の上面を形成するとともに下面44bにガイド溝44cが設けられた略円板形状のピストンブロック44と、筒部41の上方側の開口面の近傍に複数設けられるとともに筒部41の中心軸に向かって付勢力を備えて突出するスプリング板46と、筒部41の内径と略一致する径を備えるとともに筒部41の軸方向に沿って筒部41の内周面41aに対して所定の摩擦力をもって接するとともに、当該所定の摩擦力に抗する力により摺動可能に配置されて、下面48aがシリンダ40の下面を形成するとともに上面48bにガイド溝48cが設けられた略円板形状のピストンブロック48と、筒部41の下方側の開口面の近傍に複数設けられるとともに筒部41の中心軸に向かって付勢力を備えて突出するスプリング板50と、シリンダ40の上面を形成するピストンブロック44の上面44aに設けられて略円板形状のフェライトを保持する粘着テープ52と、シリンダ40の下面を形成するピストンブロック48の下面48aに設けられて略円板形状のフェライトを保持する粘着テープ54とを有して構成されている。
【0044】

上記において説明したように、シリンダ40には、図8に示すように、側面に開口部41bが形成されている。
【0045】
そして、このシリンダ40に設けられている開口部41b(つまり、筒部41の開口部41bである。)に、柄部32の端部32bに設けられたガイド部42から突出したシャフト部38の先端部38aを挿入するようにして、シリンダ40をガイド部42に設けられた溝42bに嵌合させる(図9(a)(b)を参照する。)。
【0046】
そして、嵌合したシリンダ40とガイド部42とは、ガイド部42に設けられた孔42cとシリンダ40に設けられた孔40cとを位置合わせして結合ピン43を挿通することにより、互いに固定されるようになされている。
【0047】

ここで、シリンダ40の高さ方向の長さL1は、台座16の上面16aと台座20の下面20aとの間の長さL2より短く設計されている。
【0048】
また、ピストンブロック44の厚さt1は、シリンダ40の高さ方向の長さL1の1/2以下に設定されている。
【0049】
そして、ピストンブロック44に設けられたガイド溝44cは、シャフト部38の先端部38aの上面38aaの傾斜角度と適合する略一致した傾斜角度を備えるように底面44caが形成されるとともに、先端部38aがガイド溝44c内を摺動可能なように先端部38aの幅と略一致する大きさの幅を有するように形成されている(図10(a)を参照する。)。
【0050】
また、ピストンブロック48の厚さt2は、ピストンブロック44の厚さt1と同一に設定されていて、シリンダ40の高さ方向の長さL1の1/2以下に設定されている。
【0051】
そして、ピストンブロック48に設けられたガイド溝48cは、シャフト部38の先端部38aの下面38abの傾斜角度と適合する略一致した傾斜角度を備えるように底面48caが形成されるとともに、先端部38aがガイド溝48c内を摺動可能なように先端部38aの幅と略一致する大きさの幅を有するように形成されている(図10(b)を参照する。)。
【0052】
上記したピストンブロック44とピストンブロック48とを、筒部41内においてピストンブロック44の下面44bとピストンブロック48の上面48bとを対向して配置することにより(図10(c)を参照する。)、ピストンブロック44に設けられたガイド溝44cとピストンブロック48に設けられたガイド溝48cとによりガイド部58が形成される。
【0053】
こうして形成されたガイド部58は、ガイド部58の開口部58aに近いほど空間が大きくなり、開放部58aから遠くなるほど空間が小さくなっている(図12を参照する。)。
【0054】
なお、ピストンブロック44とピストンブロック48とを筒部41内に配設する際には、ガイド部58の開口部58aを筒部41に設けられた開口部41bに位置合わせするようにして配置する。
【0055】
こうして形成されたガイド部58に沿って、シャフト部38の先端部38aが前方側または後方側に摺動自在に移動するようになる。
【0056】

また、スプリング板46は、略く字形状に略中央部を屈曲して形成され、筒部41の上方側に複数設けられた溝41bに挿入され、結合ネジ56により筒部41に抜け止めされて係止されている(図11(a)(c)を参照する。)。
【0057】
より詳細には、スプリング板46は、略中央部を屈曲した略く字形状に形成されており、また、筒部41の内周面41aにおける上方側の開口面の近傍の3カ所に設けられた溝41bは、略中央部位が筒部41の内周面41aにおいて開放されるように形成されており、両端部位は筒部41の内周面41aの内部に形成されている。
【0058】
なお、筒部41の上方側の開口面の近傍の3カ所に設けられた溝41bは、隣り合う溝との距離が等しくなるように形成されている。
【0059】
この溝41bの両端部位のそれぞれにスプリング板46の各端部が挿入されることにより、スプリング板46の略中央部およびその近傍が筒部41の内周面41aから筒部41の中心軸に向かって突出するように配置されることとなる(図11(d)を参照する。)。
【0060】
なお、溝41bは、スプリング板46を挿入したときに、スプリング板46が筒部41の上方側の開口面と平行に突出するように形成されている。
【0061】
そして、筒部41の上方側の端面41fに設けられたネジ穴41dに結合ネジ56をネジ結合して、溝41bに挿入されたスプリング板46を筒部41の軸方向で抜け止め係止する。
【0062】
このようにしてスプリング板46が筒部41の上方側の開口面の近傍に係止されているため、ピストンブロック44が上方側に移動して筒部41の上方側の開口面の近傍まで移動してきたときには、ピストンブロック44の上方側への移動がスプリング板46によって妨げられる。つまり、スプリング板46によって、ピストンブロック44の筒部41における移動可能な上限位置を決められることになる。
【0063】
さらに、略中央部が屈曲して略く字形状に形成されたスプリング板46が筒部41の内周面41aにおいて筒部41の中心軸に向かって突出するようにして溝41bに挿入されているため、スプリング板46は筒部41の中心軸に向かって付勢力を生じることとなる。
【0064】
そして、筒部41の上方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板46は、それぞれ同様に構成されているため、互いに等しい付勢力を示し、こうした付勢力によりピストンブロック44の上面44aに粘着テープ52を介して保持されるフェライト22を上面44aにおける中央位置に位置決めするようにしている。
【0065】
また、スプリング板50もスプリング板46と同様にして略く字形状に略中央部を屈曲して形成され、筒部41の下方側に複数設けられた溝41cに挿入され、結合ネジ56により筒部41に抜け止め係止される(図11(b)(c)を参照する。)。
【0066】
より詳細には、スプリング板50は、略中央部を屈曲した略く字形状に形成されており、また、筒部41の内周面41aにおける下方側の開口面の近傍の3カ所に設けられた溝41cは、略中央部位が筒部41に内周面41aにおいて開放されるように形成されており、両端部位は筒部41の内周面41aの内部に形成されている。
【0067】
なお、筒部41の下方側の開口面の近傍の3カ所に設けられた溝41cは、隣り合う溝との距離が等しくなるように形成されている。
【0068】
この溝41cの両端部位のそれぞれにスプリング板50の各端部が挿入されることにより、スプリング板50の略中央部およびその近傍が筒部41の内周面41aから筒部41の中心軸に向かって突出するように配置されることとなる(図11(d)を参照する。)。
【0069】
なお、溝41cは、スプリング板50を挿入したときに、スプリング板50が筒部41の下方側の開口面と平行に突出するように形成されている。
【0070】
そして、筒部41の下方側の端面41gに設けられたネジ穴41eに結合ネジ56をネジ結合して、溝41cに挿入されたスプリング板50を筒部41の軸方向で抜け止め係止する。
【0071】
このようにしてスプリング板50が筒部41の下方側の開口面の近傍に係止されているため、ピストンブロック48が下方側に移動して筒部41の下方側の開口面の近傍まで移動してきたときには、ピストンブロック48の下方側への移動がスプリング板50によって妨げられる。つまり、スプリング板50によって、ピストンブロック48の筒部41における移動可能な下限位置が決められることになる。
【0072】
さらに、略中央部が屈曲して略く字形状に形成されたスプリング板50が筒部41の内周面41aにおいて筒部41の中心軸に向かって突出するようにして溝41cに挿入されているため、スプリング板50は筒部41の中心軸に向かって付勢力を生じることとなる。
【0073】
そして、筒部41の下方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板50は、それぞれ同様に構成されているため、互いに等しい付勢力を示し、こうした付勢力によりピストンブロック48の下面48aに粘着テープ54を介して保持されるフェライト14を下面48aにおける中央位置に位置決めするようにしている。
【0074】

また、粘着テープ54の粘着力は、接着剤によるフェライト14と台座16との接着力より弱く、かつ、フェライト14を保持できる程度の強さとする。
【0075】
同様に、粘着テープ52の粘着力は、接着剤によるフェライト22と台座20との接着力より弱く、かつ、フェライト22を保持できる程度の強さとする。
【0076】
さらに、粘着テープ54は、フェライト14と台座16との接着に用いる接着剤が熱硬化性である場合には、接着剤を硬化させる際に加熱する加熱温度によって溶けることのないものを用いるようにする。
【0077】
同様に、粘着テープ52は、フェライト22と台座20との接着に用いる接着剤が熱硬化性である場合には、接着剤を硬化させる際に加熱する加熱温度によって溶けることのないものを用いるようにする。
【0078】

また、ナット34は、所定の方向に回転させることによりシャフト部38の軸部38bを締め付けて、柄部32に対してシャフト部38を固定することができるとともに、当該所定の方向とは反対方向に回転させることによりシャフト部38の軸部38bの締め付けを解除して、柄部32に対するシャフト部38の固定を解除することができるものである。
【0079】

以上の構成において、サーキュレータ用フェライト接着治具30を用いて、サーキュレータ10の内部に対向して設けられた略円柱形状の台座16および台座20に対し、フェライト14およびフェライト22をそれぞれ接着するには、以下に説明する手順で行えばよい。
【0080】
まず、図5に示すような状態、つまり、サーキュレータ用フェライト接着治具30のシャフト部38を後方側に引き、シャフト部38の先端部38aをシリンダ40における柄部32に最も近い場所に位置させるようにする。
【0081】
この状態において、ピストンブロック44の下面44bとピストンブロック48の上面48bとは、互いに最も接近した状態となっている。
【0082】
なお、図5に示す上記した状態、即ち、「シャフト部38を後方側に引き、シャフト部38の先端部38aをシリンダ40における柄部32に最も近い場所に位置させて、ピストンブロック44の下面44bとピストンブロック48の上面48bとが互いに最も接近している状態」を「初期状態」と適宜に称することとする。
【0083】
そして、この初期状態において、筒部41の上方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板46により、シリンダ40の上面を形成するピストンブロック44の上面44aにおいて中心位置にフェライト22が位置決めされ、当該位置決めされた位置において上面44aに設けられた粘着テープ52によりシリンダ40の上面にフェライト22を保持させる。
【0084】
また、この初期状態において、筒部41の下方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板50により、シリンダ40の下面を形成するピストンブロック48の下面48aにおいて中心位置にフェライト14が位置決めされ、当該位置決めされた位置において上面44aに設けられた粘着テープ54によりシリンダ40の下面にフェライト14を保持させる。
【0085】
なお、フェライト14の下面14aには接着剤が塗布され、また、フェライト22の上面22aには接着剤が塗布されているものとする。
【0086】

次に、サーキュレータ10の内部に、上記のようにしてフェライト14、22を保持させたサーキュレータ用フェライト接着治具30を挿入し、ガイド部42のガイド面42aを台座16および台座20の外周面に当接させる(図12を参照する。)
これにより、台座16に対するフェライト14の固定位置と台座20に対するフェライト22の固定位置との位置決めが行われる。
【0087】
上記のようにして、台座16に対するフェライト14の固定位置と台座20に対するフェライト22の固定位置との位置決めが行われると、次に、シャフト部38を初期状態の位置から前方側に移動させる。
【0088】
このシャフト部38の前方側への移動により、先端部38aがピストンブロック44のガイド溝44cとピストンブロック48のガイド溝48cとにより形成されたガイド部58において前方側に移動して、筒部41の内周面41aとの摩擦力に抗してピストンブロック44を上方側に押し上げるとともにピストンブロック48を下方側に押し下げる。
【0089】
そして、ピストンブロック44が上方側に押し上げられることにより、ピストンブロック44の上面44aに保持されているフェライト22が台座20に押し付けられ、また、ピストンブロック48が下方側に押し下げられることにより、ピストンブロック48の下面48aに保持されているフェライト14が台座16に押し付けられる。
【0090】
このとき、フェライト14が台座16に押し付けられる圧力とフェライト22が台座20に押し付けられる圧力とは、シャフト部38の先端部38aの前方側への移動量により調整することができる。
【0091】
つまり、先端部38aが前方側へ移動するほど、ピストンブロック44が上方側に押し上げられることとなるため、ピストンブロック44の上面44aに保持されたフェライト22が台座20に押し付けられる圧力が高くなる。
【0092】
また、先端部38aが前方側へ移動するほど、ピストンブロック48が下方側に押し下げられることになるため、ピストンブロック48の下面48aに保持されたフェライト14が台座16に押し付けられる圧力が高くなる。
【0093】
このように、シャフト部38の先端部38aの移動量を調整することにより、フェライト14を台座16に押し付ける圧力およびフェライト22を台座20に押し付ける圧力を調整する。
【0094】
なお、ピストンブロック44は筒部41の上方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板46により、筒部41において移動可能な上限位置が決められているため、ピストンブロック44が上方側に押し上げられる量は、初期状態のときに位置する位置から当該上限位置までの範囲内とされ、この範囲内におけるピストンブロック44の移動量によりフェライト22の台座20にかけられる圧力を調整するようになされている。
【0095】
また、ピストンブロック48は筒部41の下方側の開口面の近傍の3カ所に設けられたスプリング板50により、筒部41において移動可能な加減位置が決められているため、ピストンブロック48が下方側に押し下げられる量は、初期状態のときに位置する位置から当該下限位置までの範囲内とされ、この範囲内におけるピストンブロック48の移動量によりフェライト14の台座16にかけられる圧力を調整するようになされている。
【0096】

上記した操作によりフェライト14を台座16に押し付ける圧力およびフェライト22を台座20に押し付ける圧力を所望の大きさ調整した後に、ナット34を所定の方向に回転させてシャフト部38の軸部38bを締め付け、柄部32に対してシャフト部38を固定する。
【0097】
これにより、フェライト14を台座16に押し付ける圧力およびフェライト22を台座20に押し付ける圧力を、所望の大きさに維持することができる。
【0098】
そして、フェライト14を台座16に押し付ける圧力およびフェライト22を台座20に押し付ける圧力を所望の大きさに維持した状態で、フェライト14の下面14aに塗布されていた接着剤をフェライト14と台座16との間で硬化させるとともに、フェライト22の上面22aに塗布されていた接着剤をフェライト22と台座20との間で硬化させる。
【0099】
このように、フェライト14を台座16に押し付ける圧力およびフェライト22を台座20に押し付ける圧力を一定の大きさに維持した状態で、フェライト14と台座16との間における接着剤の硬化とフェライト22と台座20との間における接着剤の硬化とが行われるため、フェライト14、22と台座16、20とをそれぞれ接着する接着剤の接着膜厚を均一化することができる。
【0100】
なお、接着剤の硬化方法は、使用する接着剤によって異なるが、例えば、使用する接着剤が熱硬化性の接着剤であるならば、サーキュレータ10の内部を所定の温度まで昇温させて所定の時間をかけて接着剤を硬化させる。
【0101】

接着剤が硬化したならば、ナット34を所定の方向とは反対側の方向に回転させて、柄部32に対するシャフト部38の固定を解除し、シャフト部38を後方側に移動させて初期状態の位置に復帰させる。
【0102】
上記のようにして、シャフト部38を後方側へ移動して初期状態の位置に復帰させることにより、先端部38aは、ピストンブロック44のガイド溝44cとピストンブロック48のガイド溝48cとにより形成されたガイド部58を後方側に摺動し、初期状態の位置に復帰する。
【0103】
このシャフト部38を後方側への移動によって先端部38aを初期状態の位置へ復帰させた後に、サーキュレータ用フェライト接着治具30をサーキュレータ10内から引き抜きながら、ピストンブロック44に設けられた粘着テープ52からフェライト22を剥がすとともに、ピストンブロック48に設けられた粘着テープ54からフェライト14を剥がされる。
【0104】
この際、ピストンブロック44がスプリング板46によって筒部41における移動可能な上限位置で移動が制限されるとともに、ピストンブロック48がスプリング板50によって筒部41における移動可能な下限位置で移動が制限されるため、ピストンブロック44の上面44aに設けられた粘着テープ52およびピストンブロック48の下面48aに設けられた粘着テープ54からそれぞれフェライト22およびフェライト14を容易に剥がすことができるものである。
【0105】

以上において説明したように、サーキュレータ用フェライト接着治具30によれば、サーキュレータ10の内部に対向して設けられた2つの台座16、20のそれぞれにフェライト14、22を固定する際に、フェライト14、22の表面やサーキュレータ10の内壁に傷を付けることなく、台座16、20に対するフェライト14、22の固定位置を容易に位置決めすることができる。
【0106】
また、サーキュレータ用フェライト接着治具30によれば、1度に2つの台座16、20のそれぞれにフェライト14、22を固定することができ、かつ、フェライト14、22と台座16、20とをそれぞれ接着する接着剤の接着膜厚を均一化することができる。
【0107】
さらに、サーキュレータ10内部の限られた空間内であっても、作業者が接着作業を容易に行うことができ、対向する位置にある2つの台座16、20のそれぞれに1度にフェライト14、20をそれぞれ接着することができるので、2つの台座16、20に対するフェライト14、20の接着作業を短時間で完了することができる。
【0108】
さらにまた、サーキュレータ用フェライト接着治具30によれば、接着剤として熱硬化性の接着剤を用いた場合であっても、1度の加熱でフェライト14、22と台座16、20とをそれぞれ接着する接着剤を硬化することができるため、接着剤の接着強度を低下させることがなくなる。
【0109】
従って、サーキュレータ用フェライト接着治具30を用いることにより、サーキュレータ内部に設けられた台座に対するフェライトの固定作業に習熟していない作業初心者であっても、サーキュレータの内部に設けられた台座に対してフェライトを容易に接着することができるようになる。
【0110】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形することができるものである。
【0111】
(1)上記した実施の形態においては、粘着テープ52、54によりフェライト14、22をそれぞれ保持するようにしたが、フェライト14、22の保持手段はこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、ピストンブロック44の上面44aやピストンブロック48の下面48aに粘着性のある材料などを塗布するようにして、フェライト14、22の保持手段としてもよい。
【0112】
(2)上記した実施の形態においては、台座16、20が略円柱形状を備えるとともに、フェライト14、22が略円板形状を備える場合について説明したが、台座16、20やフェライト14、22の形状はこれに限られるものではなく、設計に応じて適宜に変更すればよい。
【0113】
なお、台座16、20の外周面の形状を変更した場合には、台座16、20の外周面の形状の変更に応じて、ガイド部42のガイド面42aの形状を変更する。
【0114】
(3)上記した実施の形態においては、略く字形状に屈曲したスプリング板46、50によりフェライト22、14をそれぞれ付勢するようにしたが、フェライト22、14を付勢する付勢手段はこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、コイルスプリングなどを含む各種形状のスプリングやゴムなどの各種弾性体などを付勢手段としてもよい。
【0115】
(4)上記した実施の形態においては、ナット34により柄部32に対してシャフト部38を固定するようにしたが、柄部32に対してシャフト部38を固定する固定手段はこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、柄部32とシャフト部38とにそれぞれ孔を穿設しておき、これらの孔にピンを挿入することにより固定手段としてもよい。
【0116】
(5)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、マイクロ波回路に用いられるサーキュレータなどにおけるフェライトの固定作業に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図1は、従来の手法によりサーキュレータの内部にフェライトを挿入する際の説明図である。
【図2】図2(a)(b)は、従来の手法によりサーキュレータの内部に挿入したフェライトを位置決めする際の説明図である。
【図3】図3(a)(b)は、従来の手法によりサーキュレータの内部で位置決めされたフェライトを接着する際の説明図である。
【図4】図4は、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の概略構成斜視説明図である。
【図5】図5は、図4のA−A線による断面構成説明図である。
【図6】図6(a)は、図4の要部の上方側からの概略構成斜視説明図であり、また、図6(b)は、図4の要部の下方側からの概略構成斜視説明図である。
【図7】図7は、図6(a)のB−B線による要部断面構成斜視説明図である。
【図8】図8は、シリンダの概略構成斜視説明図である。
【図9】図9(a)は、ガイド部を設けた柄部の概略構成斜視説明図であり、また、図9(b)は、図9(a)に示す柄部に設けられたガイド部に嵌合するシリンダの概略構成斜視説明図である。
【図10】図10(a)(b)(c)は、ピストンブロックの概略構成斜視説明図である。
【図11】図11(a)(b)は、筒部におけるスプリング板の固定状態を示す概略構成斜視説明図であり、図11(c)は、図11(a)(b)の要部を拡大した概略構成斜視説明図であり、図11(d)は、筒部におけるスプリング板の挿入状態を示す概略構成斜視説明図である。
【図12】図12は、本発明によるサーキュレータ用フェライト接着治具の使用状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0119】
10 サーキュレータ
12 ピンセット
14、22 フェライト
16、20 台座
18 接着固定治具
30 サーキュレータ用フェライト接着治具
32 柄部
34 ナット
36 押圧部
38 シャフト部
40 シリンダ
41 筒部
42、58 ガイド部
43 結合ピン
44、48 ピストンブロック
46、50 スプリング板
52、54 粘着テープ
56 結合ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーキュレータの内部に対向して設けられた台座に対してフェライトを固定する際に用いるサーキュレータ用フェライト接着治具において、
台座の外周面の形状に適合する形状のガイド面を備えたガイド部が設けられた筒形形状の柄部と、
互いに対向する第1の面と第2の面とが傾斜した楔形形状を備えた端部を前記ガイド部から突出するようにして前記柄部内に挿通したシャフト部と、
前記ガイド部の前記ガイド面側に固定されるとともに、側面に形成された開口部から前記楔形形状を備えた端部を内部に挿入した筒部と、
前記筒部内において前記筒部の軸方向に沿って摺動自在、かつ、前記筒部内に挿入された前記楔形形状を備えた前記端部を挟むように対向し、前記第1の面側に配置された第1のピストンブロックおよび前記第2の面側に配置された第2のピストンブロックであって、前記第1の面と対向する一方の面に前記第1の面と適合する傾斜角度を備えた第1のガイド溝が設けられた第1のピストンブロックおよび前記第2の面と対向する一方の面に前記第2の面と適合する傾斜角度を備えた第2のガイド溝が設けられた第2のピストンブロックと、
前記第1のピストンブロックの他方の面に設けられた第1の保持手段と、
前記第2のピストンブロックの他方の面に設けられた第2の保持手段と、
前記筒部に複数設けられ、前記第1のピストンブロックの他方の面において前記第1の保持部材により保持されるフェライトを前記筒部の中心軸に向かって付勢する第1の付勢手段と、
前記筒部に複数設けられ、前記第2のピストンブロックの他方の面において前記第2の保持部材により保持されるフェライトを前記筒部の中心軸に向かって付勢する第2の付勢手段と
を有することを特徴とするサーキュレータ用フェライト接着治具。
【請求項2】
請求項1に記載のサーキュレータ用フェライト接着治具において、さらに、
前記柄部に対して前記シャフト部を固定する固定手段と
を有することを特徴とするサーキュレータ用フェライト接着治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のサーキュレータ用フェライト接着治具において、
前記第1の付勢手段は、前記筒部における一方の開口面の近傍の内周面に複数設けられたスプリング板よりなり、該スプリング板は、前記筒部の中心軸に向かって突出するように略く字形状に屈曲させ、
前記第2の付勢手段は、前記筒部における他方の開口面の近傍の内周面に複数設けられたスプリング板よりなり、該スプリング板は、前記筒部の中心軸に向かって突出するように略く字形状に屈曲させた
ことを特徴とするサーキュレータ用フェライト接着治具。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のサーキュレータ用フェライト接着治具において、
前記第1の保持手段と第2の保持手段は、接着剤による前記フェライトと前記台座との接着力より弱く、かつ、前記フェライトを保持できる強さの保持力を備えた
ことを特徴とするサーキュレータ用フェライト接着治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−147903(P2010−147903A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324152(P2008−324152)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】