説明

サーバ、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、コンピュータプログラム

【課題】BD再生装置ごとの動作環境に適した更新データを送信するための枠組みを提供する。
【解決手段】サーバ5は、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張する機能を備えるBD再生装置3aと通信可能に接続されており、BD再生装置3aから、該装置に固有のパラメータを取得するパラメータ取得手段311と、取得したパラメータに基づき、BD−Jアプリケーションを拡張するためのBD再生装置3a専用の更新データを生成し、BD再生装置3aへ送信する更新データ生成手段503と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを更新データを用いて拡張する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
Blu-ray Disc(以下「BD」と称する。)に格納されている映画やゲーム等のコンテンツを再生するには、BDからコンテンツを読み出して再生する機能を備えたBD再生装置が用いられる。また、最近では、Blu-ray Disc Java(以下「BD−J」と称する。なお、Java は登録商標である。)という言語で記述されたアプリケーション(以下「BD−Jアプリケーション」と称する。)の普及に伴い、BD−Jアプリケーションを解釈するBD−Jアプリケーション解釈手段を備えたBD再生装置も増えてきている。このようなBD再生装置では、BDがセットされ、BD−Jアプリケーションが実行されることで、インタラクティブなメニューを表示する機能やネットワーク機能などの高度な機能を実現する手段が機能的に実現される。
【0003】
さらに、BD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張するための、Virtual File System(VFS)と呼ばれる機能を備えたBD再生装置も提供されている。
【0004】
VFSにおいては、BD再生装置は、Binding Unit Data Area(BUDA)と呼ばれる不揮発性メモリ内の領域に格納されている、BD−Jアプリケーションを拡張するための更新データ、及び該更新データとBD−Jアプリケーションの関連性を示す情報(以下「マニフェストファイル」と称する。)を用いて、BD−Jアプリケーションの拡張処理を実行する。なお、マニフェストファイルには、更新データが、BD内のどこに追加されるのかを示す情報や、BD内のどのデータと置換されるのかを示す情報などが含まれる。
【0005】
このようなVFSを実現するために、BD再生装置は、VFSの動作を制御する拡張制御手段や、BD−Jアプリケーションに更新データを追加したり、既存データを更新データに置換するアプリケーション拡張手段を備えている。
【0006】
以下、VFSによるBD−Jアプリケーションの拡張処理の流れを説明する。
【0007】
拡張制御手段は、マニフェストファイルと、該マニフェストファイルに対する電子署名を示す署名データファイルの両方がBUDA内に存在するかどうかをチェックし、その結果と、これら2つのファイルがBUDA内に存在する場合には、BUDAに格納されている更新データのバージョン情報とを高機能実行手段に渡す。
【0008】
高機能実行手段は、BDに格納されているBD−Jアプリケーションの識別情報とともに、BUDAに上記2つのファイルが存在する場合は、拡張制御手段から取得したバージョン情報を、BUDAに上記2つのファイルが存在しない場合は、BDに格納されているBD−Jアプリケーションのバージョン情報を、BD−Jアプリケーションの更新データを配信するサーバへ送信する。
【0009】
サーバは、BD再生装置から取得したBD−Jアプリケーションの識別情報及びバージョン情報に基づき、より新しいバージョンの更新データの有無をチェックし、より新しい更新データが存在しない場合は、その旨をBD再生装置に通知し、より新しい更新データが存在する場合は、最新の更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルをBD再生装置へ送信する。
【0010】
BD再生装置は、サーバから更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルを取得した場合は、これらをBUDAに格納する。
【0011】
拡張制御手段は、これらの処理の結果、BUDA内に、未適用の更新データ(BD−Jアプリケーションの拡張に用いられていない更新データ)、マニフェストファイル、及び署名データファイルが格納されている場合、アプリケーション拡張手段にBD−Jアプリケーションの拡張処理を実行するよう指示する。
【0012】
アプリケーション拡張手段は、周知の公開鍵暗号方式を用いてBD−Jアプリケーションが真正なデータかどうか(不正な改変等が施されていないかどうか)を判断し、真正であると判断した場合には、BD−Jアプリケーションの拡張処理を実行する。具体的には、アプリケーション拡張手段は、BD−Jアプリケーションに更新データが適切に追加された状態で、又はBD−Jアプリケーション内のデータが更新データに適切に置き換えられた状態でBD−Jアプリケーションが実行されるように、アプリケーションの変更状況(例えば、参照パスの変更状況など)を示す参照情報を生成し、BUDAに格納することで、アプリケーションの拡張処理を実行する。
【0013】
以上の処理の後、BD−Jアプリケーションが拡張されていない場合、すなわちBUDAに参照情報が格納されていない場合には、BDに格納されているBD−Jアプリケーションがそのまま実行されることにより、BD再生装置の高機能実行手段が機能的に実現される。一方、BD−Jアプリケーションが拡張されている場合、すなわちBUDAに参照情報が格納されている場合には、該参照情報に基づき、更新データによる拡張後のBD−Jアプリケーションが実行されることにより、高機能実行手段が機能的に実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来のVFSの仕組みにおいては、更新データは、BD−Jアプリケーションごとに予めサーバに格納されており、BD再生装置から取得したBD−Jアプリケーションの識別情報及びバージョン情報に基づいて一義的に最新の更新データが決定され、BD再生装置へ送信される。このため、BD再生装置では、自身の動作環境に不適な更新データ、例えば処理速度、通信速度、及び実現可能な機能などの条件に見合わない更新データがサーバから送信される可能性があり、更新データの受信や、拡張後のBD−Jアプリケーションに基づく動作に不具合が生じることがある。
【0015】
かかる課題に鑑み、本発明は、BD再生装置ごとの動作環境に適した更新データを送信するための枠組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のサーバは、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを更新データを用いて拡張する機能を備える情報処理装置と通信可能に接続されたサーバであって、前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記取得したパラメータに基づき、前記アプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信する更新データ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施態様では、前記パラメータ取得手段は、前記情報処理装置から、前記動作環境を示す情報として、処理速度、通信速度、又は実行可能な機能のうち、少なくとも1つを示す情報を取得する。
【0018】
別の実施態様では、前記パラメータ取得手段は、前記情報処理装置から、前記ブルーレイディスクに格納されたアプリケーションのバージョン情報若しくは拡張済みアプリケーションのバージョン情報を取得し、前記更新データ生成手段は、前記取得したパラメータ及びバージョン情報に基づき、前記更新データを生成する。
【0019】
また別の実施態様では、さらに、前記アプリケーションの更新データの部品を、前記パラメータに対応づけて記憶する部品データ記憶手段を備え、前記更新データ生成手段は、前記取得したパラメータに対応する部品を前記部品データ記憶手段から取得し、該取得した部品を用いて更新データを生成する。
【0020】
本発明の情報処理装置は、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを拡張するための更新データを、与えられたパラメータに基づき生成するサーバと通信可能に接続された情報処理装置であって、該情報処理装置に固有のパラメータを前記サーバへ送信するパラメータ送信手段と、前記サーバから、前記送信したパラメータに基づき生成された更新データを取得する更新データ取得手段と、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを、前記取得した更新データを用いて拡張するアプリケーション拡張手段と、前記拡張したアプリケーションを解釈して実行するアプリケーション実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の上方処理システムは、情報処理装置と、該情報処理装置と通信可能に接続されたサーバとを含む情報処理システムであって、前記サーバは、前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記取得したパラメータに基づき、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信する更新データ生成手段と、を備え、前記情報処理装置は、該情報処理装置に固有のパラメータを前記サーバへ送信するパラメータ送信手段と、前記サーバから、前記送信したパラメータに基づき生成された更新データを取得する更新データ取得手段と、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを、前記取得した更新データを用いて拡張するアプリケーション拡張手段と、前記拡張したアプリケーションを解釈して実行するアプリケーション実行手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0022】
本発明の情報処理方法は、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを更新データを用いて拡張する機能を備える情報処理装置と通信可能に接続されたサーバにおける情報処理方法であって、前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するステップと、前記取得したパラメータに基づき、前記アプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明のコンピュータプログラムは、上記の情報処理方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
なお、本発明において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の手段や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、アプリケーションを拡張するための更新データを、情報処理装置(BD再生装置)に固有のパラメータに基づいて生成することで、該情報処理装置に適した専用の更新データを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態における情報処理システムを示す図である。
【図2】(A)は、BD再生装置のハードウェア構成を示し、(B)は、サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】(A)は、BD再生装置の機能構成を示し、(B)は、高機能実行手段の詳細な構成を示す図である。
【図4】更新情報記憶手段のデータ構造の例を示す図である。
【図5】サーバの機能構成を示す図である。
【図6】部品データ記憶手段のデータ構造の例を示す図である。
【図7】BD再生装置及びサーバによる、BD再生装置の動作環境に適した動作環境反映型の更新データの生成処理の一例を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態に係る情報処理システム1は、Blu-ray Disc再生装置(以下、Blu-ray Discを「BD」と称する。)ごとの動作環境に適した更新データを送信するための枠組みを提供する。
【0028】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す。
【0030】
情報処理システム1は、1以上(本実施形態では3つ)のBD再生装置3a〜cと、該BD再生装置3a〜cとインターネット等の通信回線7を介して通信可能に接続されたサーバ5とを含んで構成される。
【0031】
各BD再生装置3a〜cは、BD9a〜cに格納されている、映画やゲームなどのコンテンツを読み出して再生したり、Blu-ray Disc Java(以下「BD−J」と称する。)という言語で記述されたアプリケーション(以下「BD−Jアプリケーション」と称する。)を解釈して実行したり、BD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張するなどの機能を有する。また、各BD再生装置3a〜cは、BD−Jアプリケーションを実行することにより、高度なメニューを表示する機能やネットワーク機能等を追加的に備えることができる。
【0032】
本実施形態では、BD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張するための枠組みとして、周知のVirtual File System(VFS)を用いる。従って、本実施形態では、拡張前後における参照パスの変更状況を示す参照情報ファイル、例えば、BD−Jアプリケーションが拡張されたことによって変更された参照パスについて、拡張前の参照パスと拡張後の参照パスなどを対応づけて記録するテキスト形式のファイルを生成することによって、BD−Jアプリケーションの拡張を実行する。
【0033】
また、サーバ5は、BD再生装置3a〜cからの要求に応じて、各BD再生装置専用の更新データ、すなわちBD再生装置3a〜3cごとの動作環境に適した動作環境反映型の更新データを生成し、要求元の装置へ送信する機能を有する。
【0034】
これらBD再生装置3a〜c及びサーバ5の具体的な機能については、図3〜図7を参照して後述する。
【0035】
図2(A)は、BD再生装置3aのハードウェア構成を示す。
【0036】
本実施形態のBD再生装置3aは、例えば、CPU20と、メモリ(一般的なRAMやROMのみならず、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリを含む。)21と、ハードディスクドライブ(HDD)22と、ディスプレイ23と、入力装置24と、通信装置25と、メディアIF26と、スピーカ27とをバスを介して接続して構成される。なお、BD再生装置3aは、例えば汎用のパーソナルコンピュータを用いて又は専用の装置として構成することができる。また、ディスプレイ23及びスピーカ27については、必ずしもBD再生装置3aと一体的に構成される必要はない。
【0037】
メモリ21及びHDD22には、BD再生装置3aの各機能を実現するためのコンピュータプログラム等の情報や、BDに格納されているBD−Jアプリケーションを拡張するための更新データ等の情報が格納される。
【0038】
ディスプレイ23は、コンテンツの内容やメニュー画面等を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイ等の一般的な表示装置を用いることができる。
【0039】
入力装置24は、ユーザーから各メニューに対応する操作指示等を受け付けるための装置であり、例えばBD再生装置3aが専用の装置として構成される場合には、該装置の側面等に配置される操作用のボタンや、リモコンからの信号を無線又は有線で受信可能な受信機などを用いることができ、BD再生装置3aが汎用のパーソナルコンピュータを用いて構成される場合には、キーボードやマウス等の一般的な入力装置を用いることができる。
【0040】
通信装置25は、通信回線7を介して他の装置と通信するための装置であり、例えばLANアダプタ等を用いることが考えられる。
【0041】
メディアIF26は、BD9aなどの可搬型記憶媒体との間でデータの読み書きを行うための装置である。
【0042】
スピーカ27は、音声を出力するための一般的な装置を用いることができる。
【0043】
なお、他のBD再生装置3b,3cについても同様のハードウェア構成とすることができる。
【0044】
図2(B)は、サーバ5のハードウェア構成を示す。
【0045】
本実施形態のサーバ5は、CPU30と、メモリ31と、HDD32と、ディスプレイ33と、入力装置34と、通信装置35をバスを介して接続して構成される。
【0046】
メモリ31及びHDD32には、サーバ5の各機能を実現するためのコンピュータプログラム等の情報が予め格納されている。
【0047】
ディスプレイ33は、サーバ5のメンテナンス時等において処理結果等を表示するための液晶ディスプレイ等の一般的な表示装置である。
【0048】
入力装置34は、演算に必要な情報の入力をユーザーから受け付けるためのキーボードやマウス等の一般的な入力装置であり、ディスプレイ33と同様に、例えばサーバ5のメンテナンス時等に使用される。
【0049】
通信装置35は、通信回線7を介して他の装置と通信するための装置であり、例えばLANアダプタ等を用いることが考えられる。
【0050】
図3(A)は、BD再生装置3aの機能構成を示す。
【0051】
BD再生装置3aは、その機能的手段として、更新情報記憶手段301と、再生制御手段302と、BD−Jアプリケーション解釈手段303と、高機能実行手段304と、拡張制御手段305と、アプリケーション拡張手段306とを備える。例えば、更新情報記憶手段301は、メモリ21(例えば、フラッシュメモリなど)においてBinding Unit Data Area(BUDA)として機能的に実現され、高機能実行手段304は、BD−Jアプリケーション解釈手段303がBD9aに格納されているBD−Jアプリケーションをメモリ21(例えばRAM)上に読み出して実行することにより機能的に実現され、その他の手段については、CPU20がメモリ21(例えばROM)やHDD22に格納されたコンピュータプログラムをメモリ21(例えばRAM)上に読み出して実行することにより機能的に実現される。
【0052】
更新情報記憶手段301は、図4に示すように、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションを拡張するための更新データと、該更新データとBD−Jアプリケーションの関連性を示すマニフェストファイルと、マニフェストファイルに対する電子署名を示す署名データファイルと、参照情報ファイルとを、アプリケーションの識別情報(アプリID)及びバージョンを示す情報に対応づけて格納する。本実施形態では、参照情報ファイルは、後述のアプリケーション拡張手段306によって生成され格納される。また、更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルは、サーバ5から受信し格納される。なお、更新データのバージョンは、該更新データを用いて拡張したBD−Jアプリケーション(拡張済みアプリケーション)のバージョンを示す。
【0053】
再生制御手段302は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、BD9aから映画やゲーム等のコンテンツを読み出して実行したり、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションの実行指示を受け付けた場合には、BD−Jアプリケーション解釈手段303に対して、該BD−Jアプリケーションの解釈及び実行を指示する。
【0054】
BD−Jアプリケーション解釈手段303は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、BD9aからBD−Jアプリケーションを読み出して解釈し、実行する。また、BD−Jアプリケーションが更新データを用いて拡張されている場合には、拡張済みアプリケーションを解釈し、すなわちBD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張した状態で解釈して実行する。このように、BD−Jアプリケーション解釈手段303がBD−Jアプリケーション又は拡張済みアプリケーションを解釈して実行することによって、高機能実行手段304が機能的に実現される。なお、BD−Jアプリケーション解釈手段303としては、BD−Jアプリケーションを解釈して実行する周知の技術(例えば、Java仮想マシン)を用いることが考えられる。
【0055】
高機能実行手段304は、本実施形態では、BD再生装置3aの動作環境に適した動作環境反映型の更新データを取得するためにサーバ5と情報のやり取りを行ったり、BD9aに格納されているコンテンツに対応するメニュー画面を表示するなどの機能を備える。高機能実行手段304の詳細な機能については、図3(B)を参照して後述する。
【0056】
拡張制御手段305は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、BD−Jアプリケーション解釈手段303が解釈しようとするBD−Jアプリケーションに対応するマニフェストファイルと、該マニフェストファイルに対する電子署名を示す署名データファイルの両方が、更新情報記憶手段301内に存在するかどうかをチェックする。そして、そのチェック処理の結果を、これら2つのファイルが更新情報記憶手段301内に存在する場合には、対応する更新データのバージョン情報とともに、高機能実行手段304(具体的には、後述のパラメータ送信手段311)に渡す。
【0057】
また、拡張制御手段305は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、高機能実行手段304がサーバ5から更新データ等を取得した後、BD−Jアプリケーション拡張手段306に対し、該更新データを用いてBD−Jアプリケーションを拡張するよう指示する。
【0058】
アプリケーション拡張手段306は、該指示を受け付けた場合、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、更新データが真正なデータかどうか(不正な改変等が施されていないかどうか)を判断するとともに、真正なデータであると判断した場合には、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張する。本実施形態では、拡張前後におけるアプリケーションの参照パスの変更状況を示す参照情報ファイルを生成し、更新情報記憶手段301に格納する。なお、更新データが真正なデータかどうかの判断方法については、図7を参照して後述する。
【0059】
図3(B)は、高機能実行手段304の詳細な機能構成を示す。
【0060】
高機能実行手段304は、パラメータ送信手段311、更新情報取得手段312、映像再生制御手段313、メニュー制御手段314、及び文字入力補完手段315等を含む。なお、高機能実行手段304に含まれる機能手段のうち、パラメータ送信手段311及び更新情報取得手段312は、本発明を実施するにあたり必須の構成要素であり、その他の機能手段については、適宜変更が可能である。本実施形態では、高機能実行手段304のうち、パラメータ送信手段311及び更新情報取得手段312以外の機能的手段が、更新データを用いて拡張される(すなわち更新データが追加され、又は更新データに置き換えられる)ものとする。
【0061】
パラメータ送信手段311は、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションの識別情報(アプリID)、該アプリケーションのバージョン情報(ただし、拡張制御手段305からバージョン情報を取得した場合は、該取得したバージョン情報)、並びにBD再生装置3aに固有の動作環境を示す情報を、パラメータとしてサーバ5へ送信する。なお、動作環境を示す情報には、BD再生装置3aの処理速度(例えば、CPU20のクロック周波数など)、BD再生装置3aの通信速度(例えば、通信回線7を介したデータの受信速度や通信線の太さなど)、又は実行可能な機能(例えば、BD−Jアプリケーション解釈手段303が解釈可能な機能の有無若しくは該機能の種類、又はBD再生装置3a〜cが実行可能な機能の有無若しくは種類など)のうち、少なくとも1つを示す情報が含まれるように設定するのがよい。
【0062】
更新情報取得手段312は、サーバ5から、パラメータ送信手段311が送信したパラメータに基づき生成された更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルを取得する。また、マニフェストファイル中や更新データのファイル名などからバージョン情報を抽出し、図4に関して説明したように、これらをアプリIDに対応付けて更新情報記憶手段301に格納する。
【0063】
映像再生制御手段313は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、例えばユーザによるリモコン操作やBD再生装置3aの筺体に備えられたボタンの操作に対応付けられた処理が実行されるように制御する。例えば、BD9aに格納された映画が日本語の音声で再生されている場合において、ユーザによってリモコンの言語切替ボタンが押された場合には、BD9aから英語の音声ファイルを取得し、言語切替が実行されるように再生制御手段302に指示する。これにより、音声を日本語から英語に切り替えることができる。このように、BD−Jアプリケーションでは、リモコンやボタンの操作に対応する処理の内容について、再生制御手段302とは別個に定義することができる。
【0064】
メニュー制御手段314は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、ユーザによるリモコンやボタンの操作に応じて動的にメニュー画面を遷移させるなどして、インタラクティブなメニュー画面を表示する。
【0065】
文字入力補完手段315は、従来のBD再生装置が備えるものと同様に、例えば、ユーザによるリモコン操作によって入力された文字を適宜変換したり(平仮名を漢字に変換したり)、過去の変換時に採用した文字を変換候補として表示する。
【0066】
図5は、サーバ5の機能構成を示す。
【0067】
サーバ5は、その機能的手段として、部品データ記憶手段501と、パラメータ取得手段502と、更新データ生成手段503とを備える。例えば、部品データ記憶手段501は、サーバに備えられたHDD32によって機能的に実現され、その他の手段については、CPU30がメモリ31(例えばROM)やHDD32に格納されたコンピュータプログラムをメモリ31(例えばRAM)上に読み出して実行することにより機能的に実現される。
【0068】
本実施形態では、BD−Jアプリケーションを拡張するための更新データは、1又は複数の部品データから構成され、部品データ記憶手段501は、図6(A)に示すように、各部品データを、部品データIDに対応づけて格納する。なお、部品データとしては、例えば実行制御モジュール、固有識別番号管理モジュール、映像再生モジュール、メニュー制御モジュール、ネットワーク接続モジュール、文字入力補完モジュール等が考えられる。
【0069】
このように、更新データ自体を予め用意しておくのではなく、更新データを構成する部品データを予め用意しておき、これらを組み合わせて更新データを生成するという構成を採用することにより、更新データを生成する際に、必要な部品データ(更新された部品データ)のみを変更すれば足り、更新データ全体を変更する場合と比較して作業量が各段に少なくなる。
【0070】
また、部品データ記憶手段501は、図6(B)のデータ構造の例に示すように、更新データごとに、必要な部品データのIDを、アプリID、更新データのバージョン情報、BD再生装置3a〜cの動作環境を示す情報に対応するランク(動作環境ランク)、及び秘密鍵データに紐づけて記憶する。このように、本実施形態では、秘密鍵データをアプリIDに対応付けて記憶することにより、秘密鍵データと、プレス時にBD9aに格納される公開鍵を示す証明書ファイルとを対応付けている。
【0071】
パラメータ取得手段502は、BD再生装置3aが送信したパラメータ、すなわちアプリID、バージョン情報、及びBD再生装置3aに固有の動作環境を示す情報を取得する。
【0072】
更新データ生成手段503は、パラメータ取得手段502がBD再生装置3a〜cから取得したパラメータに基づき、該パラメータに含まれるアプリIDに対応するBD−Jアプリケーションを拡張するための、BD再生装置3a〜c専用の動作環境反映型の更新データを生成する。また、更新データ生成手段503は、生成した更新データとBD−Jアプリケーションの関連性及び該更新データ中の部品データ間の関連性を示すマニフェストファイルを生成するとともに、該マニフェストファイルに電子署名を施す。具体的には、該電子署名を示す署名データファイルを生成することで、マニフェストファイルに電子署名を施すことができる。なお、この場合、マニフェストファイル中や更新データのファイル名などに、更新データのバージョン情報を埋め込むことが考えられる。そして、これら更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルを更新情報として、パラメータの送信元であるBD再生装置3a〜cへ送信する。
【0073】
該更新データ生成手段503による動作環境反映型の更新データの生成方法については、図7を参照して後述する。
【0074】
図7は、BD再生装置3a及びサーバ5による、BD再生装置3aの動作環境に適した動作環境反映型の更新データの生成処理の一例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、処理の内容を説明する。なお、本明細書において、フローチャート等に示す各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0075】
まず、BD再生装置3aにBD9aがセットされると、再生制御手段302がBD9aからコンテンツを読み出し、該コンテンツがBD−Jアプリケーションの場合は、BD−Jアプリケーション解釈手段303に実行を指示する。これにより、未拡張のBD−Jアプリケーションが実行され、BD再生装置3aにおいて高機能実行手段304が機能的に実現される。そして、高機能実行手段304は、拡張制御手段305に対し、更新情報のチェック処理を実行するよう指示する。ここまでの処理の流れは、従来のBD再生装置と同様であるため、図示を省略し、その後の処理の流れについて、フローチャートを用いて説明する。
【0076】
まず、BD再生装置3aの拡張制御手段305は、高機能実行手段304からの指示に基づき、更新情報のチェック処理を実行する(ST701)。
【0077】
具体的には、拡張制御手段305は、BD−JアプリケーションのアプリIDに基づき、更新情報記憶手段301内の情報を参照し、該アプリIDに対応するマニフェストファイルと該マニフェストファイルに対応する署名データファイルの両方が存在するかどうかをチェックする。そして、そのチェック処理の結果と、これら2つのファイルが更新情報記憶手段301内に存在する場合には、対応する更新データのバージョン情報とを、高機能実行手段304のパラメータ送信手段311に渡す。
【0078】
パラメータ送信手段311は、所定のパラメータをサーバ5へ送信する(ST702)。
【0079】
具体的には、BD−JアプリケーションのアプリID、該アプリケーションのバージョン情報、及びBD再生装置3aの動作環境を示す情報をパラメータとして送信する。バージョン情報は、拡張制御手段305から取得したチェック結果に基づき、拡張制御手段305から更新データのバージョン情報を取得した場合は該バージョン情報を、拡張制御手段305から更新データのバージョン情報を取得していない場合、すなわち対応する更新データやマニフェストファイル等の更新情報が更新情報記憶手段301内に存在しない場合は、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションのバージョン情報を送信する。また、動作環境を示す情報は、処理速度、通信速度、実現可能な機能を示す情報を、BD再生装置3aに固有のパラメータとして送信するものとする。
【0080】
サーバ5では、パラメータ取得手段502は、BD再生装置3aからパラメータを取得し(ST703)、該パラメータに含まれるBD再生装置3aの動作環境を示す情報に基づき、動作環境ランクを決定する(ST704)。なお、本実施形態では、動作環境ランクとして、各更新データがBD再生装置3aの動作環境に適した内容となるように、例えば、各BD再生装置の処理速度、通信速度、及び実現可能な機能に基づき動作環境の程度別に設定した"高"、"中"、"低"のランクを用いている。
【0081】
次に、パラメータ取得手段502は、決定した動作環境ランクと、BD再生装置3aから取得したパラメータに含まれるアプリID及びバージョン情報とを、部品データ記憶手段501に記憶されている情報(図6(B))に照合し、アプリID及び動作環境ランクに応じた、より新しいバージョンの更新データが登録されているかどうかを判断する(ST705)。
【0082】
かかる判断の結果、より新しい更新データが登録されていない場合、パラメータ取得手段502は、その旨を示すメッセージを、更新情報としてBD再生装置3aへ送信し(ST706)、サーバ5の処理が終了する。
【0083】
一方、より新しい更新データが登録されている場合、更新データ生成手段503は、該更新データの部品となる部品データのIDに基づき、部品データ記憶手段501(図6(A))から部品データを取得し(ST707)、該取得した部品データを用いて、BD再生装置3aの動作環境に適した動作環境反映型の更新データを生成する(ST708)。例えば、部品データを組み合わせて更新用のアプリケーションファイルを生成し、更新データとすることが考えられる。
【0084】
また、更新データ生成手段503は、生成した更新データとBD−Jアプリケーションの関連性及び該更新データ中の部品データ間の関連性を示すマニフェストファイルを生成するとともに(ST709)、電子署名を示す署名データファイルを生成することで、該生成したマニフェストファイルに電子署名を施す(ST710)。
【0085】
具体的には、生成したマニフェストファイルのデータにハッシュ関数を適用してハッシュ値を生成し、BD再生装置3aから取得したパラメータに含まれるアプリIDに対応する秘密鍵を用いて、該ハッシュ値を暗号化して電子署名を示す署名データファイルを生成することで、マニフェストファイルに電子署名を施すことが考えられる。
【0086】
そして、更新データ生成手段503は、更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルを、更新情報としてBD再生装置3aへ送信し(ST711)、サーバ5の処理が終了する。
【0087】
BD再生装置3aの更新情報取得手段312は、サーバ5から更新情報を取得し(ST712)、該更新情報に更新データ、マニフェストファイル、及び署名データファイルが含まれている場合には、これらを、図4に示すように、アプリID及びバージョン情報に対応づけた状態で更新情報記憶手段301へ格納する(ST713)。
【0088】
なお、ST712でサーバ5から取得した更新情報が、より新しい更新データが登録されていない旨のメッセージの場合、その旨をユーザに通知するため、ディスプレイ25に「新しいバージョンの更新データが見つかりませんでした。」等のコメントを表示するように構成してもよい。
【0089】
次に、拡張制御手段305は、更新情報記憶手段301に、未適用の更新データ(BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションの拡張に用いられていない更新データ)が格納されているかどうかを判断する(ST714)。
【0090】
かかる判断の結果がYesの場合、拡張制御手段305は、BD−Jアプリケーション拡張手段306に対し、更新情報記憶手段301に格納されている更新データを用いてBD−Jアプリケーションを拡張するように指示する(ST715)。
【0091】
アプリケーション拡張手段306は、該指示を受け付けた場合、BD−Jアプリケーションの拡張処理を実行する前に、更新情報記憶手段301に格納されている、更新データに対応するマニフェストファイルが真正なデータかどうかを判断する(ST716)。
【0092】
この判断は、例えば、更新情報記憶手段301に格納されているマニフェストファイル及び該マニフェストファイルに対応する署名データファイル、並びにBD9aに格納されている公開鍵を示す証明書ファイルに基づき、周知の公開鍵暗号方式を用いて行うことができる。具体的には、マニフェストファイルを示すデータにハッシュ関数を適用して得られるハッシュ値と、公開鍵を用いて署名データファイルを復号して得られるハッシュ値とが一致した場合に、マニフェストファイルが真正であると判断することができる。
【0093】
かかる判断の結果、マニフェストファイルが真正なデータではないと判断した場合、アプリケーション拡張手段306は、BD−Jアプリケーションの拡張処理をエラー終了する。
【0094】
一方、上記判断の結果、マニフェストファイルが真正なデータであると判断した場合、アプリケーション拡張手段306は、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションを更新データを用いて拡張する。
【0095】
具体的には、BD−Jアプリケーションに更新データが適切に追加された状態で、又はBD−Jアプリケーション内のデータが更新データに適切に置き換えられた状態でBD−Jアプリケーションが実行されるように、マニフェストファイルに基づき、拡張前後におけるBD−Jアプリケーションの参照パスの変更状況を示す参照情報ファイルを生成し、更新情報記憶手段301に格納する(ST717)。これにより、BD−Jアプリケーションの拡張処理が終了する。
【0096】
BD−Jアプリケーションが拡張されると、BD−Jアプリケーション解釈手段303は、高機能実行手段304を再起動して、拡張済みアプリケーションを実行する(ST718)。
【0097】
具体的には、BD−Jアプリケーション解釈手段303は、更新情報記憶手段301に格納されている最新の参照情報ファイルに基づき、該参照情報ファイルに対応する更新データを用いてBD−Jアプリケーションを拡張した状態で解釈して実行する。これにより、拡張済みアプリケーションに基づき、高機能実行手段304が機能的に実現される。
【0098】
また、ST714の判断の結果がNoの場合、拡張制御手段305は、BD−Jアプリケーションが拡張済みかどうかを判断する(ST719)。
【0099】
具体的には、適用済みの更新データ(BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションを拡張するために用いられた更新データ)、マニフェストファイル、署名データファイル、及び参照情報ファイルが更新情報記憶手段301に格納されているかどうかを判断する。
【0100】
その結果、BD−Jアプリケーションが拡張されている場合(判断結果がYesの場合)、ST718へ処理を移行し、拡張されていない場合(判断結果がNoの場合)、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションをそのまま実行するように、BD−Jアプリケーション解釈手段303に指示する。
【0101】
BD−Jアプリケーション解釈手段303は、該指示を受け付けた場合、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションをそのまま実行する(ST720)。
【0102】
本発明によれば、上記のように、サーバ5が、処理速度、通信速度、及び実現可能な機能などの、BD再生装置3aに固有の動作環境を示す情報をパラメータとして、BD再生装置3aの動作環境に適した動作環境反映型の更新データを生成する。これにより、BD再生装置3aにおいて、自身の動作環境に適した更新データを受信してBD−Jアプリケーションを拡張できるので、更新データを受信するのに長時間かかってしまったり、拡張済みアプリケーションに基づく動作に不具合が生じることを回避することができる。
【0103】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
[変形例]
例えば、BD再生装置3aの各機能を実現するためのコンピュータプログラム(例えば、BD−Jアプリケーション解釈手段303、拡張制御手段305、又はアプリケーション拡張手段306を実現するためのプログラムなど)をBD9aに格納しておき、必要に応じて該BD9aから読み出して実行するように構成してもよい。
【0104】
上記実施形態では、パラメータ送信手段311は、アプリID、バージョン情報、及びBD再生装置3aに固有の動作環境を示す情報をサーバ5へ同時に送信しているが、アプリIDとバージョン情報を同時に送信し、その後、BD再生装置3aに固有の動作環境を示す情報を送信するように構成してもよい。具体的には、まず、アプリIDとバージョン情報を送信し、サーバ5から、対応する更新データが登録されているどうかを示す情報を取得する。そして、更新データが登録されている場合、ディスプレイ23に「アプリケーションをアップデートしますか?」等のメッセージを表示するなどして、ユーザに対して更新データ取得についての意志確認を行う。そのうえで、ユーザから更新データの取得指示が入力された場合には、動作環境を示す情報を送信し、BD再生装置3aの動作環境に適した動作環境反映型の更新データを取得することが考えられる。
【0105】
上記実施形態では、サーバ5のパラメータ取得手段502は、BD再生装置3aの処理速度、通信速度、及び実現可能な機能に基づき動作環境ランクを決定しているが、さらに、BD再生装置3aのメーカー名、BD再生装置3aのID、及びBD−Jアプリケーションの実行環境のバージョン(例えば、Java仮想マシンのバージョン)に基づき動作環境ランクを決定してもよい。あるいは、これらの情報のうち、いずれか一種類に基づき動作環境ランクを決定してもよい。なお、この場合、BD再生装置3aのパラメータ送信手段311は、BD再生装置3aのメーカー名、BD再生装置3aのID、及びBD−Jアプリケーションの実行環境のバージョンの少なくとも一種類の情報をパラメータとしてサーバ5へ送信するように構成しておくのがよい。
【0106】
上記実施形態では、BD再生装置3aのアプリケーション拡張手段306は、図7のST714において、マニフェストファイルが真正なデータではないと判断した場合、BD−Jアプリケーションの拡張処理をエラー終了しているが、ST720へ処理を移行し、BD9aに格納されているBD−Jアプリケーションをそのまま実行するようにしてもよい。
【0107】
別の実施形態として、サーバ5の更新データ生成手段503は、マニフェストファイルに電子署名を施したのと同様に、生成した更新データに電子署名を施すように構成されていてもよい。
【0108】
また別の実施形態として、BD再生装置3aのパラメータ送信手段311は、BD再生装置3aに固有の情報として、さらに、BD再生装置3aのIDやユーザの識別情報(例えば、ユーザネームなど)をサーバ5へ送信するように構成してもよい。この場合、サーバ5の部品データ記憶手段501には、部品データのIDを、さらに、BD再生装置3aのIDやユーザの識別情報に対応づけて格納しておくのがよい。これにより、更新データ生成手段503は、BD再生装置3aのIDやユーザの識別情報に基づき、更新データを生成して送信することができる。例えば、BD再生装置3aの動作環境に適しつつ、ユーザの好みを反映させた更新データ(例えば、カスタマイズメニューなど)を提供することも可能である。
【0109】
さらに別の実施形態としては、ユーザから収集した拡張済みアプリケーションの不具合に関する情報に基づき、更新データを生成するように構成してもよい。例えば、BD再生装置3a〜cの識別情報と、不具合を生じた更新データに含まれる部品データのIDとの対応関係を示す情報を記憶手段に保持しておけば、更新データ生成手段503は、BD再生装置3aから装置の識別情報を取得し、該取得した装置識別情報に基づき不具合を生じない更新データを生成することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 情報処理システム
3a〜c BD再生装置
5 サーバ
7 通信回線
9a〜c ブルーレイディスク(BD)
20,30 CPU
21,31 メモリ
22,32 HDD
23,33 ディスプレイ
24,34 入力装置
25,35 通信装置
26 メディアIF
27 スピーカ
301 更新情報記憶手段
302 再生制御手段
303 BD−Jアプリケーション解釈手段
304 高機能実行手段
305 拡張制御手段
306 アプリケーション拡張手段
311 パラメータ送信手段
312 更新情報取得手段
313 映像再生制御手段
314 メニュー制御手段
315 文字入力補完手段
501 部品データ記憶手段
502 パラメータ取得手段
503 更新データ生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを更新データを用いて拡張する機能を備える情報処理装置と通信可能に接続されたサーバであって、
前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記取得したパラメータに基づき、前記アプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信する更新データ生成手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記パラメータ取得手段は、前記情報処理装置から、前記動作環境を示す情報として、処理速度、通信速度、又は実行可能な機能のうち、少なくとも1つを示す情報を取得する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記パラメータ取得手段は、前記情報処理装置から、前記ブルーレイディスクに格納されたアプリケーションのバージョン情報若しくは拡張済みアプリケーションのバージョン情報を取得し、
前記更新データ生成手段は、前記取得したパラメータ及びバージョン情報に基づき、前記更新データを生成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
さらに、前記アプリケーションの更新データの部品を、前記パラメータに対応づけて記憶する部品データ記憶手段を備え、
前記更新データ生成手段は、前記取得したパラメータに対応する部品を前記部品データ記憶手段から取得し、該取得した部品を用いて更新データを生成する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサーバ。
【請求項5】
ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを拡張するための更新データを、与えられたパラメータに基づき生成するサーバと通信可能に接続された情報処理装置であって、
該情報処理装置に固有のパラメータを前記サーバへ送信するパラメータ送信手段と、
前記サーバから、前記送信したパラメータに基づき生成された更新データを取得する更新データ取得手段と、
ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを、前記取得した更新データを用いて拡張するアプリケーション拡張手段と、
前記拡張したアプリケーションを解釈して実行するアプリケーション実行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置と、該情報処理装置と通信可能に接続されたサーバとを含む情報処理システムであって、
前記サーバは、
前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記取得したパラメータに基づき、ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信する更新データ生成手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
該情報処理装置に固有のパラメータを前記サーバへ送信するパラメータ送信手段と、
前記サーバから、前記送信したパラメータに基づき生成された更新データを取得する更新データ取得手段と、
ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを、前記取得した更新データを用いて拡張するアプリケーション拡張手段と、
前記拡張したアプリケーションを解釈して実行するアプリケーション実行手段と、
を備える、ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
ブルーレイディスクに格納されているアプリケーションを更新データを用いて拡張する機能を備える情報処理装置と通信可能に接続されたサーバにおける情報処理方法であって、
前記情報処理装置から、該情報処理装置に固有のパラメータを取得するステップと、
前記取得したパラメータに基づき、前記アプリケーションを拡張するための前記情報処理装置専用の更新データを生成し、前記情報処理装置へ送信するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−277394(P2010−277394A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130359(P2009−130359)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(500212952)ヴィジョネア株式会社 (16)
【Fターム(参考)】