説明

サーバ装置および制御プログラム

【課題】食品スーパーマーケットにおける生鮮食品および高鮮度商品の販売管理水準を向上させる。
【解決手段】計量値付け器(102)から送信される生産データを受信する一方、POS端末(103)から送信される販売データを受信する通信インタフェース(101a)と、その受信した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部(101b)と、その作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部(101c)と、を備え、データ作成部(101b)は、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、売場陳列状況を示すデータとして算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、店舗にて販売される個々の商品を個体として識別し、商品の管理および売れ行き分析を行なう技術が知られている。例えば、特開2004−110764号公報には、次のような商品販売システムが開示されている。すなわち、商品値付け装置において個々の商品を個体として識別するための個体識別子を含むバーコードを各商品に付し、その個体識別子に関連付けて各商品の商品コード、商品名などを商品データベースに格納する。POSレジスタが商品に付されたバーコードを読み取ると、POSレジスタは、このバーコードに含まれる個体識別子に基づいて店舗コンピュータへ精算の問い合わせを行なう。店舗コンピュータは、商品データベースを検索し、商品名や価格等をPOSレジスタへ返答すると共に、商品データベースに販売年月日等を格納する。
【0003】
また、特開平7−325872号公報には、製造日からの経過期間で示される商品毎の鮮度基準情報を予め保持しておき、入荷日に基づいて日付で示される仮鮮度管理基準に基づく簡易鮮度管理モードで管理を行なう在庫鮮度管理装置が開示されている。この在庫鮮度管理装置は、仮鮮度管理基準を超越した在庫が発生した場合には警告を行ない、警告があった場合に製造日を登録し、厳密鮮度管理モードによる管理に切り替える。
【0004】
さらに、特開平5−158955号公報には、製造日付および時間により商品価値が変わる商品(食品)の資産管理、在庫管理を行なう商品管理装置が開示されている。この商品管理装置は、商品コードや製造年月日などの商品に関する初期情報を情報入力手段で一括入力し、この初期情報および時間経過を表す期限情報を情報更新手段で逐次更新する。そして、更新された初期情報と期限情報とに基づいて期限管理手段で在庫商品毎の現在の価値を算出する。また、価値を喪失した在庫商品の移動を外部装置制御手段で外部装置に促すとともに、移動された商品の数量情報を含む資産情報を資産管理手段にて管理する。
【特許文献1】特開2004−110764号公報
【特許文献2】特開平7−325872号公報
【特許文献3】特開平5−158955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、食品スーパーマーケットは、成長性のある事業領域であると考えられている一方、店舗の大量出店や企業間の合併などに見ることができるように、競争が激化しているという現実がある。スーパーマーケットは、地域密着型の事業であると考えられるため、一店舗毎に競争力の強化が必須である。特に、顧客支持を獲得するための最重要ポイントは、生鮮食品および高鮮度商品の販売管理技術を向上させることによる他社との差別化にあるものと考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、食品スーパーマーケットにおける生鮮食品および高鮮度商品の販売管理水準を向上させることができるサーバ装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明に係るサーバ装置は、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、前記データ作成部は、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴としている。
【0008】
このように、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場の鮮度の状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、生鮮食品および高鮮度商品の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0009】
(2)また、本発明に係るサーバ装置は、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、前記データ作成部は、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴としている。
【0010】
このように、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場の陳列状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避し、売り上げを向上させることが可能となる。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0011】
(3)また、本発明に係るサーバ装置は、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、前記データ作成部は、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の値引作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴としている。
【0012】
このように、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の値引作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場における値引作業が、どのくらいの値引行為であるのかを数値として目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0013】
(4)また、本発明に係るサーバ装置において、前記生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、前記データ作成部は、前記陳列場所に応じて前記売場陳列状況を示すデータを作成することを特徴としている。
【0014】
このように、生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、その陳列場所に応じて売場陳列状況を示すデータが作成されるので、同じ商品を複数の場所に陳列した場合に、売場毎の陳列状況および販売状況が目で見えるようになり、容易に把握することが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明に係るサーバ装置において、前記データ作成部は、売場陳列状況を示すデータを数値またはグラフで表示可能に作成することを特徴としている。
【0016】
このように、売場陳列状況を示すデータ、例えば、上記鮮度値、機会ロス数、機会ロス金額、または値引作業金額が数値またはグラフで表示可能となるため、ディスプレイに表示しまたはプリンタで印刷することによって、目で見て容易に把握することが可能となる。
【0017】
(6)また、本発明に係る制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。
【0018】
このように、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場の鮮度の状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、生鮮食品および高鮮度商品の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0019】
(7)また、本発明に係る制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。
【0020】
このように、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場の陳列状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避し、売り上げを向上させることが可能となる。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0021】
(8)また、本発明に係る制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出する処理と、記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。
【0022】
このように、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の値引作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納するので、作業の現場においてディスプレイ表示またはプリンタで印刷をすることによって、商品群または売場における値引作業が、どのくらいの値引行為であるのかを数値として目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。なお、計量値付け器から出力される生産データおよびPOS端末から出力される販売データを入出力インタフェースに入力する場合、計量値付け器およびPOS端末と、入出力インタフェースとを通信ネットワークで接続し、オンラインで前記生産データおよび販売データを送受信しても良いし、通信ネットワークを用いずに、計量値付け器から出力された生産データを商品に付するICタグに記録して、当該店舗にその商品が入荷されたときにICタグから生産データを読み取るようにしても良い。
【0023】
(9)また、本発明に係る制御プログラムにおいて、前記生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、データ作成部において、前記陳列場所に応じて前記売場陳列状況を示すデータを作成する処理を含むことを特徴としている。
【0024】
このように、生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、その陳列場所に応じて売場陳列状況を示すデータが作成されるので、同じ商品を複数の場所に陳列した場合に、売場毎の陳列状況および販売状況が目で見えるようになり、容易に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、売場の陳列状況および販売状況を目で見ることができる状態とすることができるので(可視化)、商品の鮮度管理、機会ロスの低減、値引および廃棄ロスの低減、作業精度の向上を図ることが可能となる。また、現場で作業を行なう担当者の作業漏れや運用ミスを把握することが可能となる。また、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避することができるので、売り上げを向上させることができる。さらに、売りたい商品等以外の商品については、売れ残りを低減させることができるので、廃棄ロスを低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る商品管理システムの概略構成を示すブロック図である。この商品管理システム100は、生鮮個体管理サーバ101において、店舗で販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理する。生鮮個体管理サーバ101は、入出力インタフェース101a、データ作成部101b、および記憶部101cを備えており、入出力インタフェース101aでデータの出力および入力を行なう。例えば、計量値付け器102から出力された生産データやPOS端末103から出力された販売データを入力する。データ作成部101bは、入出力インタフェース101aが入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成する。記憶部101cは、データ作成部101bによって作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する。
【0027】
計量値付け器102は、商品を生産する領域に設けられ、商品に識別ラベル(個体識別ラベル)を貼付すると共に、生産データを生鮮個体管理サーバ101へ出力する。また、図1において点線で囲まれたPOS端末103は、POSレジ103aとPOSサーバ103bとから構成され、売場に陳列された商品が販売されたことを、上記識別ラベルを読み取ることにより認識する。そして、POS端末103が識別ラベルを認識した際に、販売データを生鮮個体管理サーバ101へ出力する。キッチンプリンタ104は、指示されたデータ、例えば、生鮮個体管理サーバ101の記憶部101cに格納されたデータを紙媒体へ印刷し、クライアントPC105は、生鮮個体管理サーバ101の記憶部101cに格納されたデータを画面に表示し、また、計量値付け器102やキッチンプリンタ104のデータを管理する。以上の各構成要素は、LAN106によって接続され、相互にデータの授受が可能となっている。
【0028】
なお、図1中、点線Aで囲まれた部分は、スーパーマーケットにおいて、惣菜部門、畜産部門、水産部門、農産部門などの部門毎に設置される。
【0029】
図2は、本実施形態に係る商品管理システムのデータの流れを示す図である。計量値付け器102は、例えば、畜産部門の場合、カッティングされパックされたステーキ肉を計量し、値付けを行なう。この際、例えば、個体識別ラベルとしての機能を果たす二段バーコード200がステーキ肉のパックに貼付され、パック商品201が完成する。一方、計量値付け器102は、上記のように計量した計量値、値付けを行なった値段、製造年月日、商品名などの内容を示す生産データD1を生鮮個体管理サーバ101へ出力する(ステップS1)。生鮮個体管理サーバ101は、この生産データD1の入力を、例えば、15分毎に行なうようにしても良い。
【0030】
生鮮個体管理サーバ101では、計量値付け器102から入力した最新の生産データD1で生産データの更新を行ない(ステップS2)、記憶部101cとしての生鮮個体データベース群に格納する。
【0031】
一方、パック商品201が販売されたことをPOSレジ103aおよびPOSサーバ103bが認識すると、POSサーバ103bは、そのパック商品201の商品名、販売年月日、計量値、値段などの内容を示す販売データD2を生鮮個体管理サーバ101へ出力する(ステップS3)。生鮮個体管理サーバ101は、この販売データD2の入力を、例えば、15分毎に行なうようにしても良い。
【0032】
生鮮個体管理サーバ101では、POSサーバ103bから入力した最新の販売データD2で販売データの更新を行ない(ステップS4)、記憶部101cとしての生鮮個体データベース群に格納する。
【0033】
次に、生鮮個体管理サーバ101は、売場に陳列されている商品の鮮度状況の表示を行なう(ステップS5)。ここで、本実施形態に係る商品管理システムでは、鮮度の考え方を以下のように定義している。すなわち、計量値付け器102で生産された時刻から現時点までの経過時間を鮮度値(Fr値)という数値を用いて表現する。つまり、この鮮度値がその商品の鮮度を示すものとするのである。これにより、時間の経過に応じて落ちていく鮮度を、鮮度値という数値を用いて明確に表示することが可能となる。これにより、各商品の鮮度が明確に把握されることとなる。
【0034】
(A)商品の個体毎の鮮度は、一商品毎に計量値付け器102で生産された時刻から現時点までの経過時間を鮮度値(Fr値)という数値として可視化する。
【0035】
(B)陳列されている複数の商品を商品群としてとらえ、商品群単位の鮮度を鮮度値として可視化する。商品群の鮮度は、数式(1)で表わすことができる。
【数1】

【0036】
(C)陳列されている複数の商品を売場(部門)としてとらえ、売場単位の鮮度を鮮度値として可視化する。部門で販売している商品には、複数の販売期限を有する商品(例えば、販売期限が当日限り、2日間、3日間など)が存在し、販売期限別の鮮度を管理する必要がある。このために鮮度値を用いる。売場の鮮度は、数式(2)で表わすことができる。
【数2】

【0037】
図3は、各商品の生産時刻、販売時刻および鮮度値を示す図である。10時に5個の商品が第1の商品群として生産された。第1の商品群のうち、最初の1個が11時30分に販売され、次の1個が13時前に販売された。そして、次の1個が15時過ぎに販売された。18時の時点で2個売れ残っている。また、14時に5個の商品が第2の商品群として生産された。第2の商品群のうち、最初の1個が15時30分に、次の1個が16時30分に、次の1個が17時前に、次の1個が17時過ぎに販売された。そして、18時の時点で1個売れ残っている。
【0038】
第1の商品群で売れ残っている2個の商品は、生産時刻から9時間が経過しているため、各商品の鮮度値は9Frとなる。また、第2の商品群で売れ残っている1個の商品は、生産時刻から4時間経過しているため、その商品の鮮度値は4Frとなる。
【0039】
次に、商品群としての鮮度値は、上記数式(1)により、商品群としての鮮度値は、
(9+9+4)Fr/3=7.3Fr
として求めることができる。そして、このFr値がクライアントPC105に表示される。これにより、担当者は各商品、商品群、売場の鮮度を明確かつ容易に把握することが可能となる。
【0040】
また、図2において、ステップS5の陳列鮮度状況表示により、クライアントPC105には、陳列鮮度状況グラフ202が表示される。この陳列鮮度状況グラフ202は、例えば、図4に示すように表示される。図4の左側には、日別および販売期間別の売り場完成時の鮮度値の推移グラフが示されている。また、図4の右側には、当日の販売期間別の各時間帯の鮮度値の推移グラフが示されている。ここでは、例えば、販売期間が3日間の推移グラフ、販売期間が2日間の推移グラフ、そして販売期間が当日のみの推移グラフが示されている。これにより、鮮度値の推移が担当者に明確に示される。
【0041】
次に、生鮮個体管理サーバ101は、図2に示す各種分析処理ステップS6および各種指示処理ステップS7を行なう。まず、機会ロスについて説明する。従来、店舗における売場や棚に商品が無くなっていることから売り逃し(機会ロス)があったことを判断していた。この判断手法では、具体的にどのくらいの売り逃し数量および金額があったのかを把握することができなかった。本実施形態では、どのような商品が何時からどのくらいの売り逃し数量および金額があったのかを表とグラフで表示する。
【0042】
機会ロス数を、次のように定義する。すなわち、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差を機会ロス数とする。
【0043】
上記機会ロスを表で表わす場合、機会ロス数は、次の数式(3)により算出される。
(機会ロス数)=(平均販売数)×(最低陳列数を下回った時間数)−(最低陳列数を下回った時間帯での販売数)・・・(3)
【0044】
また、機会ロス金額を、次のように定義する。すなわち、前記平均販売金額に機会ロス数を乗じた額を機会ロス金額とする。
【0045】
上記機会ロス金額を表で表わす場合、機会ロス金額は、次の数式(4)により算出される。
(機会ロス金額)=(平均販売金額)×(機会ロス数)・・・(4)
【0046】
ここで、上記の平均販売数は、次の数式(5)により算出される。
(平均販売数)=(商品陳列数が最低陳列数以上の時間帯の販売数)÷(商品陳列数が最低陳列数以上の時間帯の時間数)・・・(5)
【0047】
また、上記の平均販売金額は、次の数式(6)により算出される。
(平均販売金額)=(販売金額)÷(販売数)・・・(6)
【0048】
また、機会ロスをグラフで表わす場合、機会ロス数を商品陳列数が最低陳列数を下回った時間毎に、次の数式(7)により算出して表示する。
(平均販売数)−(販売数)・・・(7)
【0049】
また、平均販売数を、次の数式(8)により算出して表示する。
(商品陳列数が最低陳列数以上の時間帯の販売数)÷(商品陳列数が最低陳列数以上の時間帯の時間
数)・・・(8)
【0050】
例えば、図5に示すように、平均販売数および最低陳列数が横軸と平行な点線で示される。また、13時、14時、19時および20時に商品の陳列数が最低陳列数を下回っているので、機会ロス数は、販売数の棒グラフの上に積み重ねるように白抜きの棒グラフで示される。このグラフは、図2におけるクライアントPC105における機会ロス分析203として表示される。
【0051】
また、生鮮個体管理サーバ101では、このように分析した機会ロス数および機会ロス金額に基づいて、各種指示処理(ステップS7)として、クライアントPC105に対して生産・仕込指示204を行なう。クライアントPC105のディスプレイには、その生産・仕込指示204が表示されるので、担当者は迅速に生産および仕込を行なうことが可能となる。
【0052】
このように、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、生鮮個体管理サーバ101において、最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、売場陳列状況を示すデータとして算出し、クライアントPC105のディスプレイで表示するので、商品群または売場の陳列状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避し、売り上げを向上させることが可能となる。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。
【0053】
次に、図2に示す各種分析処理ステップS6および各種指示処理ステップS7において、値引ロス分析205および値引指示画面206について説明する。本実施形態に係る生鮮個体管理サーバ101は、予め定められた店舗若しくは企業の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の値引作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、売場陳列状況を示すデータとして算出する。
【0054】
ここで、本実施形態では、値引作業金額という数値を用いる。この値引作業金額とは、店舗若しくは企業で予め定められた値引ルールに基づいて、値引対象となる商品を個体でとらえ、対象商品の数、その販売金額および値引金額を含む数値である。また、一度値引対象となった商品が、売れ残っていて更なる値引をする場合(例えば、20%引きのシールの上に30%引きのシールを貼るような場合)、値引金額は、その差額を計算して表示する。つまり、値引作業が、どのくらいの値引行為になるのかを数値で表現するのである。
【0055】
図6は、図2に示すクライアントPC105のディスプレイに表示される値引指示画面206の一例を示す図である。図6の上側に18:30になったので値引をする旨の指示がなされている状態を示す。店舗若しくは企業で予め定める値引ルールに基づいて、値引作業時間になると指示画面を表示し、さらに赤色として、注意を喚起する。図6の下側には、値引作業の情報が表示される。例えば、陳列されている商品情報として、陳列商品の商品数、陳列商品の当初設定売価などが表示される。また、値引作業情報として、値引ルールに従って値引作業をする商品数(図6では「値引パック数」)、値引ルールに従って値引作業する値引金額および値引後の陳列金額などが表示される。また、値引率として、(今回値引作業する値引金額)÷(陳列商品の当初設定売価)を算出したものを表示する。
【0056】
従来は、販売時点での値引金額および値引数量しか把握することができなかった。従って、どれだけの値引作業(金額および数量)を行なったのかを把握することができなかった。本実施形態に係る商品管理システムによれば、値引作業と販売時点における値引データから値引作業効率まで把握することができるようになる。
【0057】
なお、図2における各種分析処理S6における値引ロス分析205として、図7に示すように、値引作業精度を分析することができる。これは、店舗若しくは企業で予め定める値引ルール通りに値引作業が実施されているか、作業精度を表示し、把握することができる。図7に示すように、
(1)値引指示をしたのに値引をしなかった、
(2)値引指示に対して値引率が小さすぎた、
(3)値引指示と同じ値引率で値引をした、
(4)値引指示対して値引率が大きすぎた、
(5)値引指示がないのに値引をした、ということが一覧表で表示されるので、作業精度を容易に把握することが可能となる。
【0058】
図8は、同じ商品を複数の売場に陳列する場合に異なる売場コードを付する様子を示す図である。従来は、ある商品Aを売場01と売場02の2箇所で陳列した場合、どちらの売場に陳列した商品が売れたのかを把握することは分からなかった。本実施形態では、計量値付け器102で計量・パッキング(生産)する際に、その商品をどの売場に陳列するかを示す売場コードを付する。
【0059】
このように、計量値付け器102が生鮮管理サーバ101へ出力する生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれているので、生鮮管理サーバ101は、その陳列場所に応じて売場陳列状況を示すデータを作成する。これにより、同じ商品を複数の場所に陳列した場合に、売場毎の陳列状況および販売状況が目で見えるようになり、容易に把握することが可能となる。
【0060】
なお、図2に示す商品管理システム100では、その他に、各種分析処理(ステップS6)および各種指示処理(ステップS7)として、廃棄ロス分析207および廃棄指示画面208の機能がある。これにより、販売期限が切れてしまう商品の廃棄を具体的に指示することが可能となる。また、廃棄作業の実施状況についても確認をすることが可能となる。
【0061】
また、クライアントPC105の間違いラベル入力画面209から間違いラベル登録(ステップS8)を行なうことができる。さらに、クライアントPC105のパラメータ入力画面211からパラメータ登録(ステップS9)を行なうことができる。
【0062】
また、生鮮個体管理サーバ101が生鮮個体データベース群103cに格納しているデータは、出力データとして抽出することができ(ステップS10)、出力データD3を出力処理(ステップS11)により、分析装置などの外部の装置へ出力することができる。
【0063】
(応用例)
【0064】
図9は、母店子店間のデータの流れを示す図である。生鮮食料品の分野では、各店舗における生産の効率化を図るため、一部の商品について、母店で数店舗分まとめて生産し、各店舗(子店)に配送するという手法を採用している企業が存在する。このような手法に対応させるため、本発明は、図9に示すような構成を採ることも可能である。すなわち、子店に設置された生鮮個体管理サーバ101と、母店900における計量値付け器901を通信ネットワーク902で接続し、生産データD4を計量値付け器901から生鮮個体管理サーバ101へ出力するのである。生鮮個体管理サーバ101は、生産データD4の入力処理を行ない(ステップS90)、最新の生産データD4によって生産データの更新を行なう(ステップS91)。更新した生産データD4を生鮮個体データベース群103cに格納する。
【0065】
一方、母店900では、計量値付け器901が商品の包装・値付けをする際に、計量値付け器の場所コードを店番として使用し、生産データD4を振り分け、該当する子店の生鮮個体管理サーバ101に出力する。計量値付け器901によって生産されたパック商品903がトラック904によって当該子店に配送される。生鮮個体管理サーバ101では、荷受時の検品処理を行ない(ステップS92)、最新の検品データD5によって検品データを更新し(ステップS93)、更新した検品データD5を生鮮個体データベース群103cに格納する。
【0066】
なお、母店の端末装置で、子店の売場陳列状況を分析したり、表示させたりするようにしても良い。また、子店における商品陳列状況を母店で確認できるようにすることによって、発注レスのシステム構築も可能となる。一方、子店では、配送されてきた商品を売り切ることに注力すればよく、作業負担が大幅に軽減される。
【0067】
一方、本発明は、上記の母店をプロセスセンターに代えた構成を採ることもできる。この際、プロセスセンターから店舗の生鮮個体管理サーバへデータを送るために、母店子店の場合のように通信ネットワークで両者を接続しても良い。また、通信ネットワークを用いずに、商品にICタグを付して生産データを生鮮個体管理サーバへ移しても良い。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る商品管理システムによれば、売場の陳列状況および販売状況を目で見ることができる状態とすることができるので(可視化)、商品の鮮度管理、機会ロスの低減、値引および廃棄ロスの低減、作業精度の向上を図ることが可能となる。また、現場で作業を行なう担当者の作業漏れや運用ミスを把握することが可能となる。また、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避することができるので、売り上げを向上させることができる。さらに、売りたい商品等以外の商品については、売れ残りを低減させることができるので、廃棄ロスを低減させることが可能となる。
【0069】
以上のような本発明の特徴的な動作は、制御プログラムを実行することによって行なわれる。すなわち、この制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェース101aにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器102が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器102から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェース101aにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末103が認識した際に前記POS端末103から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部101bにおいて、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、記憶部101cにおいて、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。これにより、商品群または売場の鮮度の状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。
【0070】
また、本発明に係る制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェース101aにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器102が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器102から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェース101aにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末103が認識した際に前記POS端末103から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部101bにおいて、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売金額から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売額の差である機会ロス金額の少なくとも一方を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、記憶部101cにおいて、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。これにより、商品群または売場の陳列状況を目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。その結果、店舗にとって売りたい商品や売れている商品の品切れを回避し、売り上げを向上させることが可能となる。これにより、商品群および売場の管理水準を向上させることができる。
【0071】
また、本発明に係る制御プログラムは、店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、入出力インタフェース101aにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器102が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器102から出力される生産データを入力する処理と、入出力インタフェース101aにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末103が認識した際に前記POS端末103から出力される販売データを入力する処理と、前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部101bにおいて、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出する処理と、記憶部101cにおいて、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴としている。これにより、商品群または売場における値引作業が、どのくらいの値引行為であるのかを数値として目で見ることができる状態にすることができる(可視化)。
【0072】
また、本発明に係る制御プログラムにおいて、前記生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、データ作成部において、前記陳列場所に応じて前記売場陳列状況を示すデータを作成する処理を含むことを特徴としている。これにより、同じ商品を複数の場所に陳列した場合に、売場毎の陳列状況および販売状況が目で見えるようになり、容易に把握することが可能となる。
【0073】
なお、この制御プログラムは、CD−ROMやDVD等の記録媒体に記録された状態で入手することができる。また、このようなプログラムは、ネットワークを構成する公衆電話回線、専用電話回線、ケーブルテレビ回線、無線通信回線等により構成される通信網等の伝送媒体を介して、送信装置であるコンピュータにより送信された信号を受信することで入手することもできる。この信号は、プログラムを含む所定の搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号である。この送信の際、伝送媒体中には上記プログラムの少なくとも一部を伝送していればよい。すなわち、上記プログラムを構成するすべてのデータが、一時に伝送媒体上に存在している必要はない。また、上記コンピュータからプログラムを送信する送信方法には、プログラムを構成するデータを連続的に送信する場合も、断続的に送信する場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る商品管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る商品管理システムのデータの流れを示す図である。
【図3】各商品の生産時刻、販売時刻および鮮度値を示す図である。
【図4】鮮度情報の画面表示例を示す図である。
【図5】機会ロス数の画面表示例を示す図である。
【図6】値引指示の画面表示例を示す図である。
【図7】値引作業精度を確認するための画面表示例を示す図である。
【図8】同じ商品を複数の売場に陳列する場合に異なる売場コードを付する様子を示す図である。
【図9】母店子店間のデータの流れを示す図である。
【符号の説明】
【0075】
100 商品管理システム
101 生鮮個体管理サーバ
101a 入出力インタフェース
101b データ作成部
101c 記憶部
102 計量値付け器
103 POS端末
103a POSレジ
103b POSサーバ
104 キッチンプリンタ
105 クライアントPC
106 LAN
200 2段バーコード
201 パック商品
900 母店
901 計量値付け器
902 通信ネットワーク
903 パック商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、
商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、
前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、
前記データ作成部は、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、
商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、
前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、
前記データ作成部は、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、
前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、
販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置であって、
商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する一方、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する入出力インタフェースと、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、売場陳列状況を示すデータを作成するデータ作成部と、
前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する記憶部と、を備え、
前記データ作成部は、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の値引作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出することを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
前記生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、前記データ作成部は、前記陳列場所に応じて前記売場陳列状況を示すデータを作成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記データ作成部は、売場陳列状況を示すデータを数値またはグラフで表示可能に作成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項6】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、
入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、
入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、各商品が生産された時点からの経過時間に基づいて、商品群または売場の鮮度を示す鮮度値を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、
記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴とする制御プログラム。
【請求項7】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、
入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、
入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、売場に陳列された商品の陳列数が予め定められた最低陳列数を下回った場合、前記最低陳列数を下回っていない時間帯の平均販売数から前記最低陳列数を下回った時間帯における実際の販売数の差である機会ロス数、または、販売金額を販売数で除して得られる平均販売金額に前記機会ロス数を乗じた額である機会ロス金額の少なくとも一方を、前記売場陳列状況を示すデータの一部として算出する処理と、
記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
店舗にて販売される商品の陳列状況、生産数量、生産時期、値引きの時期、および廃棄の時期を管理するサーバ装置の制御プログラムであって、
入出力インタフェースにおいて、商品を生産する領域に設けられた計量値付け器が商品に識別ラベルを貼付した際に前記計量値付け器から出力される生産データを入力する処理と、
入出力インタフェースにおいて、売場に陳列され前記識別ラベルが貼付された商品が販売されたことをPOS端末が認識した際に前記POS端末から出力される販売データを入力する処理と、
前記入力した生産データおよび販売データに基づいて、データ作成部において、予め定められた店舗の値引ルールに基づいて、商品の販売期間毎の作業時間に対する値引率をパラメータとして登録し、売場に陳列されている商品の値引前と値引後の売価および商品数から値引作業金額を、前記売場陳列状況を示すデータとして算出する処理と、
記憶部において、前記作成された売場陳列状況を示すデータを、ディスプレイで表示可能またはプリンタで印刷可能な状態で格納する処理と、を含む一連の処理を、コンピュータが読み取りおよび実行可能にコマンド化したことを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
前記生産データには、店舗内で陳列される場所を特定する場所データが含まれており、データ作成部において、前記陳列場所に応じて前記売場陳列状況を示すデータを作成する処理を含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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