サーバ装置及び情報処理方法
【課題】背景の変更を行わずにデスクトップの見た目を変更可能とする。
【解決手段】一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末Tに配信することにより、端末Tでは一の画像に基づくアイコンiのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景画像を変えられない端末Tにおいても、背景画像の代用として並んだアイコンiで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。また、ユーザがアイコンiを収集することにより、対応する各アプリケーションのダウンロードを促進させることもできる。
【解決手段】一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末Tに配信することにより、端末Tでは一の画像に基づくアイコンiのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景画像を変えられない端末Tにおいても、背景画像の代用として並んだアイコンiで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。また、ユーザがアイコンiを収集することにより、対応する各アプリケーションのダウンロードを促進させることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット接続やウェブ閲覧など情報処理を行う情報処理装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)に加えて、スマートフォンなどのモバイル機器も増加し、これら情報処理装置はクライアント端末(単に「端末」とも呼ぶこととする)などとも呼ばれる。これら端末において起動時や待受け時などの表示画面はデスクトップと呼ばれ、デスクトップでは、アプリケーション(本出願では応用プログラムに限らずプログラム全般を意味するものとする)を起動するためのアイコンが表示され、アイコン表示の背景画像は壁紙などと呼ばれる。
【0003】
上記のようなデスクトップの見た目をユーザ自身の好みに合わせるため、端末の背景画像を変えたいという要望は多く、例えば、特許文献1では、サーバから適宜ダウンロードした画像を壁紙としてデスクトップの背景として表示させる技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−242689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザがアプリケーションを実行する際、デスクトップにそのアプリケーションのアイコンを配置しておくことで、デスクトップから即座に該アプリケーションを実行することができる。しかし、アプリケーションをデスクトップに配置するとアイコンが背景画像の上に重なってしまうため、特許文献のようにデスクトップの背景を所望の画像に変更できたとしても、背景画像の一部がアイコンによって隠れてしまい、デスクトップの見た目をユーザの好みに合わせられなかった。
【0006】
上記の課題に対し、本発明の目的は、背景の変更を行わずにデスクトップの見た目を変更可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)は、クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置において、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として記憶しているアイコン記憶手段と、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記態様を方法という見方から捉えた態様(7)としては、クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置を用いる情報処理方法において、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として所定のアイコン記憶手段に予め記憶させ、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信ステップを含むことを特徴とする。
【0009】
上記各態様に関連する態様(6)としては、クライアント端末を制御する複数のアプリケーションを組み合わせたアプリケーションのセットであって、一の原画像の分割に基づく複数の画像をそれぞれアイコンとして前記アプリケーションに関連付けて複数組み合わせたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、以上のように、一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末に配信することにより、端末では一の画像に基づくアイコンのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景の変更を行わずに、背景画像の代用として並んだアイコンで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。
【0011】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記アイコン記憶手段は、画面表示における位置を表す位置情報を前記アイコンごとに対応付けて記憶しており、前記配信手段(ステップ)は、前記アイコンに対応する前記位置情報をアイコンと共に配信することを特徴とする。
【0012】
上記態様をシステムとして把握した態様(4)としては、上記いずれかの態様におけるサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、前記クライアント端末は、各アイコンの前記位置情報に基づいて、クライアント端末の画面表示においてそのアイコンを配列する位置を判定する位置判定手段とサーバ装置から配信されたアイコンを、前記位置判定手段により判定された位置に画面表示するアイコン表示手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
このように、画面上での位置を表す位置情報とともに各アイコンを配信し、その位置情報を基に端末側でアイコンを配列することにより、端末のユーザが絵柄を基にパズルのように手作業で配列を試行錯誤する負担を省き、使い勝手を改善することができる。
【0014】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記サーバ装置は、前記画面表示において前記アイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信する予約配信手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様(5)は、上記いずれかの態様におけるサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、前記クライアント端末は、前記サーバ装置から配信される前記アプリケーションのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいてそのアイコンを表示することを特徴とする。
【0016】
このように、画面表示位置を予約するための予約データをサーバから配信しておき、画像の分割に基づく実際のアイコンをダウンロードするたびにその位置情報の表す位置の予約データに基づいてアイコンを表示してゆくことにより、アイコンを組み合わせた画像の完成が確実となる。特に、予約データを視覚的に表示すれば、収集すべきアイコン数やそのうちどれだけ揃ったかを一見して視覚的に把握容易となり、ユーザの動機付けや使い勝手の改善につながる。
【0017】
なお、上記の各態様に対応する他のカテゴリ(例えば、装置に対し方法、方に対しプログラムなど)や、以下に説明するさらに具体的な各態様も、本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、背景の変更を行わずにデスクトップの見た目を変更可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における各情報(データ)を例示する図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における原画像を例示する図。
【図5】本発明の実施形態において、原画像からアイコンの画像を切り出した残りの部分を示す概念図。
【図6】本発明の実施形態におけるアイコン配列位置に関する行と列を例示する図。
【図7】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態におけるアイコン配列の位置情報を位置座標で表す例を示す概念図。
【図9】本発明の実施形態における予約データを例示する図。
【図10】本発明の実施形態における行と列に基づくアイコン配列を例示する図。
【図11】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【図12】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について、図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0021】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1(構成図)に示すように、クライアント端末(以下、単に「端末」とも呼ぶ)Tに対し通信ネットワークNを経てアプリケーションを配信するサーバ装置1と、端末Tと、を有する情報処理システムに関するものである。ここで、端末Tは、通信ネットワークNを介して、サーバ装置1が提供するウェブページにアクセスする情報処理装置(例えばPC(パーソナルコンピュータ)や携帯電話端末装置など)であり、図1には代表として一つを示すが、実際には多数用いる。
【0022】
そして、サーバ装置1は、一般的なコンピュータの構成として、少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、外部記憶装置(HDDなど)や主メモリなどの記憶装置7と、通信ネットワーク(インターネットや携帯電話網、これらの組合せなど)Nとの通信手段8(ゲートウェイサーバ、LANアダプタなど)と、を有する。各端末Tは、上記のような一般的なコンピュータの構成に加え、少なくとも、タッチパネルなどの入力装置Eと、液晶表示パネルや有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などの表示装置Dと、を有する。なお、サーバ装置1と端末Tとの通信(図中、破線矢印で示す)は、通信ネットワークNで行う。
【0023】
これらサーバ装置1及び端末Tでは、それぞれ、記憶装置7に予め記憶(インストール)した図示しない所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(11,13,32,33など)を実現する。これら各要素のうち、情報の記憶手段は、記憶装置7において各種のファイルやデータベース(「DB」とも表す)、配列などの変数やレジスタ値などの一時記憶、システム設定値など任意の形式で実現でき、例えば、揮発性の主メモリに展開される構成の場合は、その記憶手段を用いるプログラムが実行されていない間は外部記憶装置などに退避され、プログラムの実行再開と共に主メモリ上に復元される。
【0024】
これら記憶手段のうち、サーバ装置1のアイコン記憶手段15は、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンiとし(図2(1)及び(2))、それぞれのアイコンiを、端末Tが実行可能なアプリケーションとの組として記憶している(図2(3))手段である。なお、アイコンは画像であって、文字を表象化した画像を含む。また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明する情報処理の機能・作用を実現・実行する処理手段である。
【0025】
〔2.作用〕
上記のように構成した本実施形態について動作手順の一例を図3に示す。まず、アイコン記憶手段15内のアイコンは、手作業で作成し予め記憶しておいてもよいが、本実施形態では、サーバ装置1又は他の装置において原画像から次のような情報処理によって作成するものとする。
【0026】
〔2−1.アイコンの作成〕
ここで、図2は、一の原画像から切り出した複数の画像をアイコンとして、アプリケーションと組み合わせて記憶する一例を示す概念図である。すなわち、この例では、原画像記憶手段11に記憶された一の原画像G(例えば図4)をもとに、サーバ装置1の分割加工手段13が、原画像Gの分割に基づく複数の画像を切り出し(図2(1))、切り出した複数の画像をアイコンiとし(ステップS11、図2(2))、それぞれのアイコンiを、端末Tが実行可能なアプリケーションと対応付けた組としてアイコン記憶手段15に記憶させる(ステップS12、図2(3))。ここで、アイコンとアプリケーションとの組として記憶する具体的態様は自由であり、例えば、アイコンはアプリケーションファイルに含まれる一要素として記憶してもよい。
【0027】
この原画像記憶手段11に記憶される原画像は、サーバ装置1が予め記憶しているものであるが、端末Tからアップロードされる画像であってもよい。この場合は、ユーザが所望する画像(例えば、カメラで撮影した画像)が原画像として分割されて、アプリケーションが対応付けられるため、その分割した画像をアイコンとしたアプリケーションのダウンロードが可能になる。
【0028】
また、一の原画像の「分割に基づく」とは、原画像から矩形などで切り出すことにより生ずる余剰分の枠など、使われない部分があってよい趣旨である。例えば、本実施形態の例では、図4、図2(1)の原画像Gから略正方形のアイコン部分の画像を切り出した残りの部分(図5)は用いない。もちろん、他の例として、このように切り出した残りを生じさせないか又は些少とし、原画像をほぼ縦横に桝目状に切断するだけでアイコンの画像として用いてもよい。なお、文字が並んだ画像から切り出す領域として個々の文字がある領域を文字認識によって判定し、各領域を切り出してアイコンとしてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、矩形などの切り出しは、端末Tについて予め定められたアイコンの表示サイズや間隔(図2及び図12の符号K)などのピクセル数に基づいて行う(図2(1))。そして、本実施形態では矩形の四隅をラウンド形状に欠いた形状であるが、アイコンの形状は矩形には限定されないので、円形その他の形状の画像を切り出した形状のアイコンとしてもよい。
【0030】
以上のように切り出した各画像のアイコンをアプリケーションと組み合わせて記憶させる結果(図2(3))、アイコン記憶手段15には、端末Tを制御する複数のアプリケーションであって、一の原画像の分割に基づく複数の画像を、それぞれアイコンとして前記アプリケーションと関連付けて複数組み合わせたことを特徴とするアプリケーションのセット、が記憶された状態となる。これらアプリケーションの組み合わせは、端末Tにおいて各アイコンを所定の位置関係で配列したときに(例えば図12)、一の原画像若しくはそれに準じた画像の全体構成を視認させるものである。
【0031】
また、アイコン記憶手段15は、アイコンごとに画面表示における位置を表す位置情報を対応付けて記憶している。例えば、図2(3)の例における位置情報は、原画像の識別情報「X」と、画面表示上の配列位置を表す行番号及び列番号(「1−1」「1−2」など)を含んでいる。これら行番号及び列番号は、端末Tの所定の画面領域に、図6に例示するように所定数(例えば16個)のアイコンを配置する位置が存在する場合に、そのいずれかの位置を表している。
【0032】
〔2−2.アイコンなどの配信〕
先ず、アイコンの配信に先立って、サーバ装置1は、複数のアプリケーションのアイコンを組み合わせることにより一つの原画像を完成させることができるという旨のメッセージを端末Tに表示させることで、ユーザに複数のアプリケーションの収集を促す。
【0033】
そして、端末Tからの要求があると(図3のステップS21、ステップS13:「YES」)、まず、サーバ装置1の予約配信手段43が、そのアプリケーションのセットについてアイコンを初めて要求してきた端末に対しては(ステップS14:「YES」)、アイコンの配信に先立ってもしくはセットの中で端末に一番最初に送るアイコンと共に、画面表示においてアイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信し(ステップS15)、これを端末Tではウェブブラウザなどのダウンロード手段31が受信する(ステップS22)。
【0034】
ここで、位置を予約するための予約データは、画面において特段の表示をすることなく、その位置への他のアイコンの配置を単に内部的に阻止するデータでもよいし、特定の外観のアイコンや破線の枠など何らかの表示を伴うデータでもよい。例えば、図7はハンディタイプの端末Tの正面を例示する図であり、表示装置Dの画面表示D2において、破線の枠を伴うグレーのアイコン状の予約表示Rが16個表示されている。この場合、予約データは、原画像のIDすなわち識別情報とアイコンの配列数を含むデータであり、例えば、識別情報「X」で識別されるアプリケーションのセットは16個で、それぞれのアイコンが縦4個×横4個に配列されるべきことを示している。
【0035】
そして、端末Tからの要求に応じ(ステップS13:「YES」)、サーバ装置1の配信手段17が、アイコン記憶手段15に記憶されているアイコン及びアプリケーションの組を、アイコンに対応する前記位置情報と共に配信し(ステップS16)、これらアイコン、アプリケーション及び位置情報を端末Tのダウンロード手段31が受信し(ステップS23)アイコン記憶手段32に記憶させる。
【0036】
なお、予約データや位置情報におけるアイコンの配列位置は、行や列の番号に限らず、画面上の位置座標でもよい。例えば、図8に例示するように、アイコンを配置可能な画面領域上の左上隅を原点(0,0)とし、破線で示す各アイコンを配置する左上隅の位置座標は(0,0)、(50,0)、(100,0)、(0,50)のように表すことができる。このような位置座標をアイコンに関する予約データや位置情報に含めれば、等間隔以外の任意のアイコン配列が実現できる。このような位置座標で各アイコンの配列位置を表した予約データの一例を図9に示す。
【0037】
〔2−3.端末での位置判定とアイコンの表示〕
上記のようにアイコン、アプリケーション及び位置情報を受信した端末Tでは、位置判定手段33が、サーバ装置1から配信された各アイコンについて、同時に配信されたその位置情報に基づいて、端末の画面表示D2においてそのアイコンを配列する位置を判定する(ステップS24)。
【0038】
具体例として、あるセットの一部として配信されたアイコンが「1−3」「2−4」といった位置情報を伴うが、そのセットについて予約情報が存在しない場合を考える。この場合、図10に例示するように、配信されたアイコンの位置情報に登場した最大の行数及び列数で画面に等間隔表示するように、各アイコンをその位置情報の行と列(上記の例では「1−3」「2−4」)に該当する位置に表示すればよい。この場合、セットの中で1番目にダウンロードしたアイコンは任意の位置に表示し、既にダウンロード済すなわち既存のアイコンがあって2番目以降のアイコンをダウンロードした際は、各アイコンの位置情報の行と列の数を基に、既存のアイコンに対する相対的な位置を求めるようにしてもよい。
【0039】
そして、アイコン表示手段35が、サーバ装置1から配信されダウンロードしたアプリケーションのアイコンを、位置判定手段33により判定された位置に、かつ、そのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいて、画面表示する(ステップS25)。例えば、図11の画面表示D2では、いくつかの予約表示Rがアイコンi1〜i7に置き換えられている。
【0040】
上記のようなアプリケーションとアイコンのダウンロードを繰り返し、図12に例示するように、セットを構成する全てのアイコン(例えばi1〜i16)が揃うと、もとの原画像を完成させ表示することができる。この状態でアイコンに対して、タッピング操作などでアプリケーション実行を指示することで、対応するアプリケーションを実行手段36が実行する。なお、予約表示Rについても、単なる予約データとせずアプリケーションと対応するアイコンとし、実行の指示操作に応じて「アプリケーションを集めて画像を完成させましょう!ヒントは・・・」といったメッセージを表示するなどの動作を行わせてもよい。
【0041】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末に配信することにより、端末では一の画像に基づくアイコンのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景画像を変えられない端末においても、背景画像の代用として並んだアイコンで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。
【0042】
また、アプリケーションの提供事業者は、ユーザにダウンロード・使用してもらうために、該アプリケーションについての広告を行う必要があるが、原画像を完成させるためにアイコンを収集(コレクション)するというきっかけをユーザに与えることにより、該アイコンに対応する各アプリケーションのダウンロードを促進させることもできる。
【0043】
また、本実施形態では、画面上での位置を表す位置情報とともに各アイコンを配信し(図3のステップS16)、その位置情報を基に端末側でアイコンを配列するという行為により(図3のステップS24,S25)、端末のユーザが絵柄を基にパズルのように手作業で配列を試行錯誤する負担を省き、使い勝手を改善することができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、画面表示位置を予約するための予約データを事前にサーバから配信しておき(図3のステップS15)、画像の分割に基づく実際のアイコンをダウンロードするたびにその位置情報の表す位置の予約データに基づいて表示してゆくことにより(図3のステップS25)、必要な数のアイコンを組み合わせた画像の完成が確実となる。
【0045】
特に、図7や図11に例示したように予約データを視覚的に表示すれば、収集すべきアイコン数やそのうちどれだけ揃ったかを一見して視覚的に把握容易となり、ユーザの動機付けや使い勝手の改善につながる。また、予約データは、視覚的に表示しない場合も、セットを構成する全てのアイコンを配列するスペースを確保する効果がある。
【0046】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記各実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本発明は図7、図11、図12に例示したいようなスマートフォンに限らず、パーソナルコンピュータやPDAなど他の種類のクライアント端末すなわち情報処理装置に適用してもよい。また、原画像からアイコンを作成する処理やそのための各手段(例えば、11,13)は、サーバ装置1とは別体の装置において実現してもよいし、必須ではないので省略してもよい。
【0047】
また、アイコンと共に位置情報を配信しそれをもとに位置を判定する処理や手段(例えば33)も、必須ではなく省略可能であり、配信された各アイコンをユーザがパズルの要領で手作業で並び替えて配列させる態様とすれば、娯楽的要素が加味できる。また、予約データに関する処理や手段も、必須ではなく省略可能である。
【0048】
また、アイコンとアプリケーションとを直接的に関連付けることとしてもよいが、例えば、アプリケーションのプログラムの保存先を指し示すショートカットによって、アイコンとアプリケーションとを間接的に関連付けることとしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態で示した各手段などの要素は、コンピュータの演算制御部に限らず、ワイヤードロジックなどに基づく電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。また、各構成図、データの図、フローチャートの図などは例示に過ぎず、各要素の有無、その順序や具体的内容などは適宜変更可能である。また、例えば、サーバ装置1について、複数のサーバコンピュータで実現してもよいだけでなく、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【符号の説明】
【0050】
1 サーバ装置
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
11 原画像記憶手段
13 分割加工手段
15,32 アイコン記憶手段
17 配信手段
31 ダウンロード手段
33 位置判定手段
35 アイコン表示手段
36 実行手段
43 予約配信手段
D 表示装置
D2 画面表示
E 入力装置
i(i1−i16) アイコン
N 通信ネットワーク
R 予約表示
T クライアント端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット接続やウェブ閲覧など情報処理を行う情報処理装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)に加えて、スマートフォンなどのモバイル機器も増加し、これら情報処理装置はクライアント端末(単に「端末」とも呼ぶこととする)などとも呼ばれる。これら端末において起動時や待受け時などの表示画面はデスクトップと呼ばれ、デスクトップでは、アプリケーション(本出願では応用プログラムに限らずプログラム全般を意味するものとする)を起動するためのアイコンが表示され、アイコン表示の背景画像は壁紙などと呼ばれる。
【0003】
上記のようなデスクトップの見た目をユーザ自身の好みに合わせるため、端末の背景画像を変えたいという要望は多く、例えば、特許文献1では、サーバから適宜ダウンロードした画像を壁紙としてデスクトップの背景として表示させる技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−242689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザがアプリケーションを実行する際、デスクトップにそのアプリケーションのアイコンを配置しておくことで、デスクトップから即座に該アプリケーションを実行することができる。しかし、アプリケーションをデスクトップに配置するとアイコンが背景画像の上に重なってしまうため、特許文献のようにデスクトップの背景を所望の画像に変更できたとしても、背景画像の一部がアイコンによって隠れてしまい、デスクトップの見た目をユーザの好みに合わせられなかった。
【0006】
上記の課題に対し、本発明の目的は、背景の変更を行わずにデスクトップの見た目を変更可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)は、クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置において、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として記憶しているアイコン記憶手段と、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記態様を方法という見方から捉えた態様(7)としては、クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置を用いる情報処理方法において、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として所定のアイコン記憶手段に予め記憶させ、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信ステップを含むことを特徴とする。
【0009】
上記各態様に関連する態様(6)としては、クライアント端末を制御する複数のアプリケーションを組み合わせたアプリケーションのセットであって、一の原画像の分割に基づく複数の画像をそれぞれアイコンとして前記アプリケーションに関連付けて複数組み合わせたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、以上のように、一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末に配信することにより、端末では一の画像に基づくアイコンのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景の変更を行わずに、背景画像の代用として並んだアイコンで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。
【0011】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記アイコン記憶手段は、画面表示における位置を表す位置情報を前記アイコンごとに対応付けて記憶しており、前記配信手段(ステップ)は、前記アイコンに対応する前記位置情報をアイコンと共に配信することを特徴とする。
【0012】
上記態様をシステムとして把握した態様(4)としては、上記いずれかの態様におけるサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、前記クライアント端末は、各アイコンの前記位置情報に基づいて、クライアント端末の画面表示においてそのアイコンを配列する位置を判定する位置判定手段とサーバ装置から配信されたアイコンを、前記位置判定手段により判定された位置に画面表示するアイコン表示手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
このように、画面上での位置を表す位置情報とともに各アイコンを配信し、その位置情報を基に端末側でアイコンを配列することにより、端末のユーザが絵柄を基にパズルのように手作業で配列を試行錯誤する負担を省き、使い勝手を改善することができる。
【0014】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記サーバ装置は、前記画面表示において前記アイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信する予約配信手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様(5)は、上記いずれかの態様におけるサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、前記クライアント端末は、前記サーバ装置から配信される前記アプリケーションのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいてそのアイコンを表示することを特徴とする。
【0016】
このように、画面表示位置を予約するための予約データをサーバから配信しておき、画像の分割に基づく実際のアイコンをダウンロードするたびにその位置情報の表す位置の予約データに基づいてアイコンを表示してゆくことにより、アイコンを組み合わせた画像の完成が確実となる。特に、予約データを視覚的に表示すれば、収集すべきアイコン数やそのうちどれだけ揃ったかを一見して視覚的に把握容易となり、ユーザの動機付けや使い勝手の改善につながる。
【0017】
なお、上記の各態様に対応する他のカテゴリ(例えば、装置に対し方法、方に対しプログラムなど)や、以下に説明するさらに具体的な各態様も、本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、背景の変更を行わずにデスクトップの見た目を変更可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における各情報(データ)を例示する図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における原画像を例示する図。
【図5】本発明の実施形態において、原画像からアイコンの画像を切り出した残りの部分を示す概念図。
【図6】本発明の実施形態におけるアイコン配列位置に関する行と列を例示する図。
【図7】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態におけるアイコン配列の位置情報を位置座標で表す例を示す概念図。
【図9】本発明の実施形態における予約データを例示する図。
【図10】本発明の実施形態における行と列に基づくアイコン配列を例示する図。
【図11】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【図12】本発明の実施形態における一表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について、図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0021】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1(構成図)に示すように、クライアント端末(以下、単に「端末」とも呼ぶ)Tに対し通信ネットワークNを経てアプリケーションを配信するサーバ装置1と、端末Tと、を有する情報処理システムに関するものである。ここで、端末Tは、通信ネットワークNを介して、サーバ装置1が提供するウェブページにアクセスする情報処理装置(例えばPC(パーソナルコンピュータ)や携帯電話端末装置など)であり、図1には代表として一つを示すが、実際には多数用いる。
【0022】
そして、サーバ装置1は、一般的なコンピュータの構成として、少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、外部記憶装置(HDDなど)や主メモリなどの記憶装置7と、通信ネットワーク(インターネットや携帯電話網、これらの組合せなど)Nとの通信手段8(ゲートウェイサーバ、LANアダプタなど)と、を有する。各端末Tは、上記のような一般的なコンピュータの構成に加え、少なくとも、タッチパネルなどの入力装置Eと、液晶表示パネルや有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などの表示装置Dと、を有する。なお、サーバ装置1と端末Tとの通信(図中、破線矢印で示す)は、通信ネットワークNで行う。
【0023】
これらサーバ装置1及び端末Tでは、それぞれ、記憶装置7に予め記憶(インストール)した図示しない所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(11,13,32,33など)を実現する。これら各要素のうち、情報の記憶手段は、記憶装置7において各種のファイルやデータベース(「DB」とも表す)、配列などの変数やレジスタ値などの一時記憶、システム設定値など任意の形式で実現でき、例えば、揮発性の主メモリに展開される構成の場合は、その記憶手段を用いるプログラムが実行されていない間は外部記憶装置などに退避され、プログラムの実行再開と共に主メモリ上に復元される。
【0024】
これら記憶手段のうち、サーバ装置1のアイコン記憶手段15は、一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンiとし(図2(1)及び(2))、それぞれのアイコンiを、端末Tが実行可能なアプリケーションとの組として記憶している(図2(3))手段である。なお、アイコンは画像であって、文字を表象化した画像を含む。また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明する情報処理の機能・作用を実現・実行する処理手段である。
【0025】
〔2.作用〕
上記のように構成した本実施形態について動作手順の一例を図3に示す。まず、アイコン記憶手段15内のアイコンは、手作業で作成し予め記憶しておいてもよいが、本実施形態では、サーバ装置1又は他の装置において原画像から次のような情報処理によって作成するものとする。
【0026】
〔2−1.アイコンの作成〕
ここで、図2は、一の原画像から切り出した複数の画像をアイコンとして、アプリケーションと組み合わせて記憶する一例を示す概念図である。すなわち、この例では、原画像記憶手段11に記憶された一の原画像G(例えば図4)をもとに、サーバ装置1の分割加工手段13が、原画像Gの分割に基づく複数の画像を切り出し(図2(1))、切り出した複数の画像をアイコンiとし(ステップS11、図2(2))、それぞれのアイコンiを、端末Tが実行可能なアプリケーションと対応付けた組としてアイコン記憶手段15に記憶させる(ステップS12、図2(3))。ここで、アイコンとアプリケーションとの組として記憶する具体的態様は自由であり、例えば、アイコンはアプリケーションファイルに含まれる一要素として記憶してもよい。
【0027】
この原画像記憶手段11に記憶される原画像は、サーバ装置1が予め記憶しているものであるが、端末Tからアップロードされる画像であってもよい。この場合は、ユーザが所望する画像(例えば、カメラで撮影した画像)が原画像として分割されて、アプリケーションが対応付けられるため、その分割した画像をアイコンとしたアプリケーションのダウンロードが可能になる。
【0028】
また、一の原画像の「分割に基づく」とは、原画像から矩形などで切り出すことにより生ずる余剰分の枠など、使われない部分があってよい趣旨である。例えば、本実施形態の例では、図4、図2(1)の原画像Gから略正方形のアイコン部分の画像を切り出した残りの部分(図5)は用いない。もちろん、他の例として、このように切り出した残りを生じさせないか又は些少とし、原画像をほぼ縦横に桝目状に切断するだけでアイコンの画像として用いてもよい。なお、文字が並んだ画像から切り出す領域として個々の文字がある領域を文字認識によって判定し、各領域を切り出してアイコンとしてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、矩形などの切り出しは、端末Tについて予め定められたアイコンの表示サイズや間隔(図2及び図12の符号K)などのピクセル数に基づいて行う(図2(1))。そして、本実施形態では矩形の四隅をラウンド形状に欠いた形状であるが、アイコンの形状は矩形には限定されないので、円形その他の形状の画像を切り出した形状のアイコンとしてもよい。
【0030】
以上のように切り出した各画像のアイコンをアプリケーションと組み合わせて記憶させる結果(図2(3))、アイコン記憶手段15には、端末Tを制御する複数のアプリケーションであって、一の原画像の分割に基づく複数の画像を、それぞれアイコンとして前記アプリケーションと関連付けて複数組み合わせたことを特徴とするアプリケーションのセット、が記憶された状態となる。これらアプリケーションの組み合わせは、端末Tにおいて各アイコンを所定の位置関係で配列したときに(例えば図12)、一の原画像若しくはそれに準じた画像の全体構成を視認させるものである。
【0031】
また、アイコン記憶手段15は、アイコンごとに画面表示における位置を表す位置情報を対応付けて記憶している。例えば、図2(3)の例における位置情報は、原画像の識別情報「X」と、画面表示上の配列位置を表す行番号及び列番号(「1−1」「1−2」など)を含んでいる。これら行番号及び列番号は、端末Tの所定の画面領域に、図6に例示するように所定数(例えば16個)のアイコンを配置する位置が存在する場合に、そのいずれかの位置を表している。
【0032】
〔2−2.アイコンなどの配信〕
先ず、アイコンの配信に先立って、サーバ装置1は、複数のアプリケーションのアイコンを組み合わせることにより一つの原画像を完成させることができるという旨のメッセージを端末Tに表示させることで、ユーザに複数のアプリケーションの収集を促す。
【0033】
そして、端末Tからの要求があると(図3のステップS21、ステップS13:「YES」)、まず、サーバ装置1の予約配信手段43が、そのアプリケーションのセットについてアイコンを初めて要求してきた端末に対しては(ステップS14:「YES」)、アイコンの配信に先立ってもしくはセットの中で端末に一番最初に送るアイコンと共に、画面表示においてアイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信し(ステップS15)、これを端末Tではウェブブラウザなどのダウンロード手段31が受信する(ステップS22)。
【0034】
ここで、位置を予約するための予約データは、画面において特段の表示をすることなく、その位置への他のアイコンの配置を単に内部的に阻止するデータでもよいし、特定の外観のアイコンや破線の枠など何らかの表示を伴うデータでもよい。例えば、図7はハンディタイプの端末Tの正面を例示する図であり、表示装置Dの画面表示D2において、破線の枠を伴うグレーのアイコン状の予約表示Rが16個表示されている。この場合、予約データは、原画像のIDすなわち識別情報とアイコンの配列数を含むデータであり、例えば、識別情報「X」で識別されるアプリケーションのセットは16個で、それぞれのアイコンが縦4個×横4個に配列されるべきことを示している。
【0035】
そして、端末Tからの要求に応じ(ステップS13:「YES」)、サーバ装置1の配信手段17が、アイコン記憶手段15に記憶されているアイコン及びアプリケーションの組を、アイコンに対応する前記位置情報と共に配信し(ステップS16)、これらアイコン、アプリケーション及び位置情報を端末Tのダウンロード手段31が受信し(ステップS23)アイコン記憶手段32に記憶させる。
【0036】
なお、予約データや位置情報におけるアイコンの配列位置は、行や列の番号に限らず、画面上の位置座標でもよい。例えば、図8に例示するように、アイコンを配置可能な画面領域上の左上隅を原点(0,0)とし、破線で示す各アイコンを配置する左上隅の位置座標は(0,0)、(50,0)、(100,0)、(0,50)のように表すことができる。このような位置座標をアイコンに関する予約データや位置情報に含めれば、等間隔以外の任意のアイコン配列が実現できる。このような位置座標で各アイコンの配列位置を表した予約データの一例を図9に示す。
【0037】
〔2−3.端末での位置判定とアイコンの表示〕
上記のようにアイコン、アプリケーション及び位置情報を受信した端末Tでは、位置判定手段33が、サーバ装置1から配信された各アイコンについて、同時に配信されたその位置情報に基づいて、端末の画面表示D2においてそのアイコンを配列する位置を判定する(ステップS24)。
【0038】
具体例として、あるセットの一部として配信されたアイコンが「1−3」「2−4」といった位置情報を伴うが、そのセットについて予約情報が存在しない場合を考える。この場合、図10に例示するように、配信されたアイコンの位置情報に登場した最大の行数及び列数で画面に等間隔表示するように、各アイコンをその位置情報の行と列(上記の例では「1−3」「2−4」)に該当する位置に表示すればよい。この場合、セットの中で1番目にダウンロードしたアイコンは任意の位置に表示し、既にダウンロード済すなわち既存のアイコンがあって2番目以降のアイコンをダウンロードした際は、各アイコンの位置情報の行と列の数を基に、既存のアイコンに対する相対的な位置を求めるようにしてもよい。
【0039】
そして、アイコン表示手段35が、サーバ装置1から配信されダウンロードしたアプリケーションのアイコンを、位置判定手段33により判定された位置に、かつ、そのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいて、画面表示する(ステップS25)。例えば、図11の画面表示D2では、いくつかの予約表示Rがアイコンi1〜i7に置き換えられている。
【0040】
上記のようなアプリケーションとアイコンのダウンロードを繰り返し、図12に例示するように、セットを構成する全てのアイコン(例えばi1〜i16)が揃うと、もとの原画像を完成させ表示することができる。この状態でアイコンに対して、タッピング操作などでアプリケーション実行を指示することで、対応するアプリケーションを実行手段36が実行する。なお、予約表示Rについても、単なる予約データとせずアプリケーションと対応するアイコンとし、実行の指示操作に応じて「アプリケーションを集めて画像を完成させましょう!ヒントは・・・」といったメッセージを表示するなどの動作を行わせてもよい。
【0041】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、一枚の原画像から桝目状に切り出すなどして分割した各画像を、アプリケーションのアイコンとして端末に配信することにより、端末では一の画像に基づくアイコンのアプリケーションをダウンロードして収集し、デスクトップに配列することで一枚の画像を完成させ表示することができる。この結果、背景画像を変えられない端末においても、背景画像の代用として並んだアイコンで画像全体を表現でき、デスクトップの見た目を変更可能となる。
【0042】
また、アプリケーションの提供事業者は、ユーザにダウンロード・使用してもらうために、該アプリケーションについての広告を行う必要があるが、原画像を完成させるためにアイコンを収集(コレクション)するというきっかけをユーザに与えることにより、該アイコンに対応する各アプリケーションのダウンロードを促進させることもできる。
【0043】
また、本実施形態では、画面上での位置を表す位置情報とともに各アイコンを配信し(図3のステップS16)、その位置情報を基に端末側でアイコンを配列するという行為により(図3のステップS24,S25)、端末のユーザが絵柄を基にパズルのように手作業で配列を試行錯誤する負担を省き、使い勝手を改善することができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、画面表示位置を予約するための予約データを事前にサーバから配信しておき(図3のステップS15)、画像の分割に基づく実際のアイコンをダウンロードするたびにその位置情報の表す位置の予約データに基づいて表示してゆくことにより(図3のステップS25)、必要な数のアイコンを組み合わせた画像の完成が確実となる。
【0045】
特に、図7や図11に例示したように予約データを視覚的に表示すれば、収集すべきアイコン数やそのうちどれだけ揃ったかを一見して視覚的に把握容易となり、ユーザの動機付けや使い勝手の改善につながる。また、予約データは、視覚的に表示しない場合も、セットを構成する全てのアイコンを配列するスペースを確保する効果がある。
【0046】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記各実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本発明は図7、図11、図12に例示したいようなスマートフォンに限らず、パーソナルコンピュータやPDAなど他の種類のクライアント端末すなわち情報処理装置に適用してもよい。また、原画像からアイコンを作成する処理やそのための各手段(例えば、11,13)は、サーバ装置1とは別体の装置において実現してもよいし、必須ではないので省略してもよい。
【0047】
また、アイコンと共に位置情報を配信しそれをもとに位置を判定する処理や手段(例えば33)も、必須ではなく省略可能であり、配信された各アイコンをユーザがパズルの要領で手作業で並び替えて配列させる態様とすれば、娯楽的要素が加味できる。また、予約データに関する処理や手段も、必須ではなく省略可能である。
【0048】
また、アイコンとアプリケーションとを直接的に関連付けることとしてもよいが、例えば、アプリケーションのプログラムの保存先を指し示すショートカットによって、アイコンとアプリケーションとを間接的に関連付けることとしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態で示した各手段などの要素は、コンピュータの演算制御部に限らず、ワイヤードロジックなどに基づく電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。また、各構成図、データの図、フローチャートの図などは例示に過ぎず、各要素の有無、その順序や具体的内容などは適宜変更可能である。また、例えば、サーバ装置1について、複数のサーバコンピュータで実現してもよいだけでなく、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【符号の説明】
【0050】
1 サーバ装置
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
11 原画像記憶手段
13 分割加工手段
15,32 アイコン記憶手段
17 配信手段
31 ダウンロード手段
33 位置判定手段
35 アイコン表示手段
36 実行手段
43 予約配信手段
D 表示装置
D2 画面表示
E 入力装置
i(i1−i16) アイコン
N 通信ネットワーク
R 予約表示
T クライアント端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置において、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として記憶しているアイコン記憶手段と、
前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記アイコン記憶手段は、画面表示における位置を表す位置情報を前記アイコンごとに対応付けて記憶しており、
前記配信手段は、前記アイコンに対応する前記位置情報をアイコンと共に配信する
ことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記画面表示において前記アイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信する予約配信手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記クライアント端末は、
各アイコンの前記位置情報に基づいて、クライアント端末の画面表示においてそのアイコンを配列する位置を判定する位置判定手段と
サーバ装置から配信されたアイコンを、前記位置判定手段により判定された位置に画面表示するアイコン表示手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項3記載のサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記クライアント端末は、前記サーバ装置から配信される前記アプリケーションのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいてそのアイコンを表示する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
クライアント端末を制御する複数のアプリケーションであって、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をそれぞれアイコンとして前記アプリケーションに関連付けて複数組み合わせた
ことを特徴とするアプリケーションのセット。
【請求項7】
クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置を用いる情報処理方法において、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として所定のアイコン記憶手段に予め記憶させ、
前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信ステップを含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項1】
クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置において、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として記憶しているアイコン記憶手段と、
前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記アイコン記憶手段は、画面表示における位置を表す位置情報を前記アイコンごとに対応付けて記憶しており、
前記配信手段は、前記アイコンに対応する前記位置情報をアイコンと共に配信する
ことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記画面表示において前記アイコンを配列させる位置を予約するための予約データを配信する予約配信手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記クライアント端末は、
各アイコンの前記位置情報に基づいて、クライアント端末の画面表示においてそのアイコンを配列する位置を判定する位置判定手段と
サーバ装置から配信されたアイコンを、前記位置判定手段により判定された位置に画面表示するアイコン表示手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項3記載のサーバ装置と、クライアント端末と、を有する情報処理システムにおいて、
前記クライアント端末は、前記サーバ装置から配信される前記アプリケーションのアイコンに対応する前記位置情報の表す位置の前記予約データに基づいてそのアイコンを表示する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
クライアント端末を制御する複数のアプリケーションであって、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をそれぞれアイコンとして前記アプリケーションに関連付けて複数組み合わせた
ことを特徴とするアプリケーションのセット。
【請求項7】
クライアント端末に対し通信ネットワークを経てアプリケーションを配信するサーバ装置を用いる情報処理方法において、
一の原画像の分割に基づく複数の画像をアイコンとし、それぞれのアイコンを、前記クライアント端末が実行可能なアプリケーションと関連付けた組として所定のアイコン記憶手段に予め記憶させ、
前記クライアント端末からの要求に応じて、前記アイコン記憶手段に記憶されている前記アイコンと前記アプリケーションの組を配信する配信ステップを含むことを特徴とする情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−158953(P2011−158953A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17892(P2010−17892)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
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