説明

サーバ装置

【課題】入力処理結果の影響を受ける表示データ中の画像領域の情報だけを転送する。
【解決手段】シンクライアント・システムにおけるサーバ装置は、端末装置から入力イベントを受信する受信部(132)と、受信した入力イベントを入力イベントに関連する処理(160)に適用する入力イベント処理部(142)と、入力イベントが適用された処理の結果を表す表示データ(126)において、適用された入力イベントの処理の影響を受ける領域を所要の領域として動的に決定する領域決定部(144)と、所要の領域に対応する表示データ中の部分的画像データおよび所要の領域の位置データを部分的画像情報として生成する領域画像生成部(148)と、生成された部分的画像情報を端末装置へ送信する送信部(136)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント・システムにおける表示データの転送に関し、特に、クライアントからの入力を処理することによってサーバにおいて更新されまたは変更された部分画像のサーバからクライアントへの転送に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の漏えいを防止する等のセキュリティのために、ネットワークを介して相互接続されたサーバおよび複数のクライアントを含むシンクライアント・システムが普及してきている。
【0003】
シンクライアント・システムの実現方式の一つの既知のコマンド転送方式では、クライアントは、例えばキーボードによるキー入力のような入力操作に関する情報をネットワーク経由でサーバへ送信する。次いで、クライアントは、サーバからその応答として入力操作の処理結果を反映しまたは表すデスクトップ画面またはフレーム画像を描画するためのコマンド列を受信する。次いで、クライアントは、そのコマンド列に従ってデスクトップ画面を描画する。シンクライアント・システムの別の実現方式としての別の既知の画面転送方式では、クライアントは、サーバから、入力操作の処理結果を反映したデスクトップ画面のデータを含む応答を受信する。次いで、クライアントは、クライアントの表示画面にその受信したデスクトップ画面を表示する。
【0004】
コマンド転送方式では、サーバは、クライアントからの入力操作情報を受信して処理し、その結果のデスクトップ画面を描画するためのコマンド列をクライアントへ送信する。その送信されたコマンド列は、入力操作情報に対する応答としてクライアントによって受信される。次いで、その受信したコマンド列に従ってクライアントのソフトウェアまたはハードウェアによってそのデスクトップ画面が描画される。
【0005】
特許文献1によると、公知のシンクライアント・システムは、クライアント・ノードは、ユーザ入力を受け付けてユーザ入力に対するサーバの応答を予測して、クライアント側で画面に描画するので、ユーザ操作に対する反応時間を短縮できる。
【0006】
画面転送方式では、サーバは、クライアントからの入力操作情報を受信し、その情報を処理して、入力操作情報の内容をメモリ内のデスクトップ画面に反映させる。その後、サーバは、デスクトップ画面をMPEG2またはH264等の画像の圧縮・符号化方式によって圧縮符号化して、クライアントへ送信する。クライアントは、サーバへ送信した入力操作情報に対する応答としての圧縮・符号化されたデスクトップ画面情報を受信して、そのデスクトップ画面情報を復号・復元(伸長)して表示画面に表示する。
【0007】
特許文献2によると、サーバ・ベースのコンピューティング・システムにおいて、或るマウス操作の前の最初のマウスカーソル位置を中心として一定距離範囲のデスクトップ画面の部分領域と、そのマウス操作の後の次のマウスカーソル位置を中心とした一定特定距離範囲のデスクトップ画像の部分領域とが、順次、それぞれの部分領域の位置情報とともに、その後のデスクトップ画面の送信とは別に先にクライアントに送信される。クライアントは、その部分領域の画像を順次受信して、その受信した部分画像をデスクトップ画面における対応する座標位置の部分領域に上書きして、画面を順次再生する。
【0008】
シンクライアント・システムではクライアントの入力操作情報はネットワーク経由でサーバへ送信され、その応答もサーバからネットワーク経由で受信するので、クライアントの入力操作内容がクライアントの表示画面に反映されるまでに時間を要することがある。
【0009】
画面転送方式では、クライアントは、動画像の転送データそのものを受信してその表示画面上でデスクトップ画面として再生するので、有利である。
【0010】
しかし、画面転送方式では、クライアントにおいてキー入力のような入力操作を行ってから、サーバからのデスクトップ画面をクライアントの表示画面に応答表示するまでに、人間に知覚可能な程度の時間遅延が生じる。その遅延の原因は、サーバにおける応答としてのデスクトップ画面データの圧縮・符号化処理の処理負荷が大きく、時間がかかり、クライアントにおける処理負荷が大きく応答としてのデスクトップ画面データの復号・復元に時間がかかることによる。
【0011】
そのクライアントは、サーバからデスクトップ画面のデータを受信して表示するだけで、特許文献1のようなクライアントによる予測デスクトップ画面を生成して描画する機能を持たないので、特許文献1の方法ではユーザ操作に対する反応時間を短縮できない。文献1のシンクライアント・システムでは動画の処理を解決できない。
【0012】
文献2によるサーバ・ベースのコンピューティング・システムでは、上述の領域は、デスクトップ画面全体に比べて狭く情報量が小さいので、より狭い領域は、送信時間がかからず、ユーザ操作に対する反応時間が短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特表2003−505781号公報
【特許文献2】特開2004−295304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述のような処理を文字入力システムに適用すると、サーバにおいて、文字入力によるフォントで表示した入力前と入力後の文字の周辺領域の画像を切り取り、それぞれの切り取った画像をクライアントに送信することになる。ここで、入力文字の周辺領域は、カーソル位置を中心とした一定距離内の固定的な領域となる。クライアントは、それぞれの送信部分画像を受信した後、現在の画面表示に対して入力前の位置に存在する入力文字部分に周辺画像を上書きし、入力前のキャレットを消去し、続いて、入力後の位置に周辺画像を上書きして入力後の周辺画像を画面に描画する。それによって、クライアントの画面表示に文字入力の内容が反映されまたは組み込まれる。文字処理の場合、マウスカーソルは、大きさが変化しないのでマウスカーソル位置を中心とした一定距離内の領域で問題は無いが、異なる入力文字フォントは文字の大きさが異なり問題が発生することがある。
【0015】
文字入力の処理において、かな漢字変換または英字のカーニングのために入力毎に表示画面における入力文字フォントの画像領域または範囲が変化し、従ってサーバにおいてキー入力操作を反映したデスクトップ画面中の入力文字のマウスカーソル位置を中心とした一定距離内の領域だけをクライアントに送信しても、クライアントの表示画面ではその領域内の入力文字の一部分しか反映されないことがある。一方、予め抽出対象の領域を大きくすると、一部分しか反映されない問題は回避できるが、抽出領域の情報量が大きいので送信時間が長くなる。
【0016】
発明者たちは、文字入力毎の画像領域の範囲の変化に応じて、サーバからクライアントへ送信するデスクトップ画面中の所要の画像領域を決定することができる、と認識した。
【0017】
本発明の目的は、表示画面を転送する前に、入力の処理の影響を受ける表示画面の部分画像領域を決定してクライアントへ送信することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の特徴によれば、ネットワークを介して接続される端末装置から受信した入力情報に従って情報処理を実行するシンクライアント・システムにおいて用いられるサーバ装置は、前記端末装置から入力イベントを受信する受信部と、前記受信した入力イベントを前記入力イベントに関連する処理に適用する入力イベント処理部と、前記入力イベントが適用された処理の結果を表す表示データにおいて、前記適用された入力イベントの処理の影響を受ける領域を所要の領域として動的に決定する領域決定部と、前記所要の領域に対応する前記表示データ中の部分的画像データおよび前記所要の領域の位置データを部分的画像情報として生成する領域画像生成部と、前記生成された部分的画像情報を前記端末装置へ送信する送信部と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表示画面を転送する前に、入力の処理の影響を受ける表示画面の部分画像領域を決定して、クライアントへ先に送信することができる。それによって、クライアントのユーザが知覚する入力処理の際の時間遅延を減少させることできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1および図1A〜1Eは、シンクライアント・システムにおいてクライアント端末とサーバの間での文字入力およびカーソル位置周辺の固定的な画像領域に関する入力高速応答のための送受信手順の例を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、シンクライアント・システムにおけるネットワークを介して接続されたサーバおよびクライアント端末の概略的な装置構成を示している。
【図3】図3は、本発明の最初の実施形態による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図4】図4Aおよび4Bは、本発明の実施形態による、かな漢字変換処理におけるかな入力後の変換キーの入力の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と変換後の入力領域の例を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態による、図4Aおよび4Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図6】図6は、図5のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図7】図7は、図6のステップ350の詳しいフローチャートの例を示している。
【図8】図8Aおよび8Bは、本発明の別の実施形態による、かな漢字変換処理における変換キーの入力の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と仮変換(未確定)後のデスクトップ画面中の入力領域およびその変換候補表示領域の表示画像の例を示している。
【図9】図9は、本発明のその別の実施形態による、図8Aおよび8Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図10A】図10Aおよび10Bは、図9のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図10B】(図10Aで説明)
【図11】図11は、本発明のさらに別の実施形態による、アプリケーションによる英語入力におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図12A】図12Aおよび12Bは、図11のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図12B】(図12Aで説明)
【図13】図13は、図9の実施形態の変形形態であり、本発明のさらに別の実施形態による、図8Aおよび8Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の別の装置構成を示している。
【図14A】図14Aおよび14Bは、図13のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図14B】(図14Aで説明)
【図15】図15は、図5の実施形態を変形したものであり、本発明のさらに別の実施形態による、図4Aおよび4Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の別の装置構成を示している。
【図16A】図16Aおよび16Bは、図15のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図16B】(図16Aで説明)
【図17】図17Aおよび17Bは、本発明のさらに別の実施形態による、かな漢字変換処理における複数のキー入力の反映前と反映後におけるデスクトップ画面の入力領域の表示画像の例を示している。
【図18】図18は、本発明のそのさらに別の実施形態による、図17Aおよび17Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図19A】図19Aおよび19Bは、図18のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図19B】(図19Aで説明)
【図20】図20Aおよび20Bは、本発明のさらに別の実施形態による、サーバにおける、かな漢字変換処理における変換キーの入力の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と仮変換後におけるデスクトップ画面の入力領域および変換候補表示領域の例を示している。
【図21】図21は、図9の実施形態の変形であり、本発明のさらに別の実施形態による、図20Aおよび20Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図22A】図22Aおよび22Bは、図21のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図22B】(図22Aで説明)
【図23】図23Aおよび23Bは、本発明のさらに別の実施形態による、かな漢字変換処理における入力領域に“ふ”が表示された後、アプリケーションによる“ji”または“じ”のキー入力に対する応答の反映前と反映後のデスクトップ画面の入力領域の表示画像の例を示している。
【図24】図24は、本発明のそのさらに別の実施形態による、図23Aおよび23Bに例示されたアプリケーションによるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバの入力高速応答処理部および関連部分の装置構成を示している。
【図25】図25は、テーブル記憶部のテーブル内容の例を示している。
【図26】図26は、図25の各入力状態における入力に対する状態遷移図の例を示している。
【図27A】図27Aおよび27Bは、図24のサーバの構成による、クライアント端末からのキー入力情報に対する、サーバによって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【図27B】(図27Aで説明)
【図28】図28は、図27Aのステップ340の詳しいフローチャートを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
【0022】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0023】
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0024】
図1および図1A〜1Eは、シンクライアント・システムにおいてクライアント端末とサーバの間での文字入力およびカーソル位置周辺の固定的な画像領域に関する入力高速応答のための送受信手順の例を示している。
【0025】
図1において、左側のクライアント端末においてユーザが入力装置を操作して例えばアルファベット文字“A”を入力すると、クライアント端末は、その文字入力データをサーバに送信する。右側のサーバにおいて、アプリケーションは、その文字入力データに応答してその文字入力データを処理して、その画面メモリまたはフレーム・メモリにおける入力領域に、文字フォント“A”およびその直後にキャレット“|”をレンダリング(描画)する。
【0026】
図1Aは、サーバの画面メモリの入力領域にレンダリングされた一例の表示画像“A|”を含むデスクトップ画面の例を示している。このデスクトップ画面は、画像データの表示画面の一例に過ぎない。しかし、表示画面の画像データは、ユーザによる入力に応答して処理された結果得られた画像をユーザの参照する表示装置(ディスプレイ)上に表示される表示画面の表示面に表示するためのデータであればよく、デスクトップ画面のものに限られるものではない。
【0027】
次いで、サーバは、入力操作を反映した表示画像“A|”を含むデスクトップ画面全体の画像データを圧縮して符号化し、その圧縮され符号化された画像データを、或る周期、例えば周期1/30s(画面またはフレームのリフレッシュ・フレーム・レート30/s)でクライアント端末に送信する。次いで、クライアント端末は、そのデスクトップ画面全体の圧縮され符号化された画像データを受信して復号し復元(逆圧縮、伸長、解凍)し、復号し復元された画像データを画面またはフレーム・メモリに書き込み、画面メモリの画像データを表示装置に表示する。
【0028】
図1Bは、クライアント端末の表示装置上の表示画像“A|”を含むデスクトップ画面の例を示している。その例示のデスクトップ画面は、破線で示した次のアルファベット文字“B”の隣接した入力領域を含んでいる。
【0029】
図1Bの画面において、ユーザがクライアント端末においてキーボードを用いて次のアルファベット文字“B”(破線)を入力したとする。クライアント端末はその文字入力データをサーバに送信する。サーバにおいて、アプリケーションは、その文字入力データに応答してその文字入力データを処理して、その画面メモリにおける入力領域に文字フォント画像“A|”からキャレット“|”を削除して、それを画像データ“A”に変更し、その後で文字フォント“B”およびその直後にキャレット“|”をレンダリングする。
【0030】
図1Cは、サーバの画面メモリにレンダリングされた入力領域画像“AB|”を含むデスクトップ画面全体の例を示している。
【0031】
次いで、サーバは、操作入力データに対する応答として、高速応答のために、前のカーソル位置の周辺の表示画像“A”(キャレットを含まない)の固定された一部領域だけの画像データと、現在のカーソル位置の周辺の表示画像“B|”(キャレットを含む)の固定された一部領域だけの画像データとをクライアント端末に送信する。次いで、クライアント端末は、それぞれの一部領域の受信画像データを前回のデスクトップ画面中の対応領域に上書きして、更新されたデスクトップ画面を表示装置に表示する。
【0032】
図1Dは、部分的に上書きされた表示画像“AB|”の部分的に上書きされた表示画像を含む、表示装置(ディスプレイ)上のデスクトップ画面全体の例を示している。
【0033】
図1Dにおいて、送信された部分画像データおよびそれによって上書きされた部分的領域は、表示されたそれぞれの入力文字フォントの領域より小さいので、表示画面における入力領域の画像表示が不完全になる。
【0034】
その後、サーバは、時間のかかる圧縮符号化処理を行い、操作入力データに対する応答として入力領域画像“AB|”を含むデスクトップ画面全体をクライアント端末に送信する。クライアント端末は、そのデスクトップ画面全体を受信して表示装置に表示する。その結果、遅延して、応答としてのデスクトップ画面の完全な表示画面が表示装置に表示される。その遅延は、人間に知覚可能な程度の遅延であり、上述の不完全な画像は不自然な画像として知覚される。
【0035】
図1Eは、画面メモリの入力領域にレンダリングされた入力領域画像“AB|”を含む表示装置上のデスクトップ画面全体の例を示している。
【0036】
キーボードによるキー入力に対する高速応答表示のためには、サーバにおいて、各キー入力に対する表示される入力領域の範囲の変化に応じて、クライアント端末へ送信すべき画像領域を決定する必要がある。
【0037】
図2は、本発明の実施形態による、シンクライアント・システムにおけるネットワーク5を介して接続されたサーバ100およびクライアント端末200の概略的な構成を示している。
【0038】
サーバ100は、ハードウェアとして、プロセッサ102、メモリ104、ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)112、受信部132、および送信部136を具えている。サーバ100は、ソフトウェアとして、ネットワーク・インタフェース・カード112用のドライバ122、OS(オペレーティング・システム)124、入力高速応答処理部140、文字入力処理機能を含むアプリケーション160、文字変換機能部としてのかな漢字変換部162、およびデスクトップ画面処理部170を含んでいる。
【0039】
OS124は、デスクトップ画面記憶領域126(メモリ104内の領域)を有する。入力高速応答処理部140は、キー入力受付部142、取得領域座標決定部144、および画像情報取得部148を含んでいる。かな漢字変換部162は文字変換ソフトウェアであってもよい。デスクトップ画面処理部170は画像圧縮部172を有する。
【0040】
クライアント端末200は、ハードウェアとして、プロセッサ202、メモリ204、ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)212、受信部232、送信部236、入力装置としてのキーボード282およびマウスまたはポインティング・デバイス284、および表示装置またはディスプレイ288を具えている。クライアント端末200は、ソフトウェアとして、画像合成部240、画像復元(伸張)部272、デスクトップ画面記憶領域226、および画面表示部260を含んでいる。クライアント端末200は、さらに、ソフトウェアとして、ローカルな機能処理部を含んでいてもよい。
【0041】
図2において、クライアント端末200において、クライアント・ユーザが、キーボード282およびマウス284を用いて入力キーを操作すると、そのキー入力情報は送信部236およびネットワーク・インタフェース・カード212を介して、さらにネットワーク5を介して、サーバ100に送信される。
【0042】
サーバ100において、そのキー入力情報は、ネットワーク・インタフェース・カード112、ドライバ122、OS124、および受信部132を介して、入力高速応答処理部140に供給される。入力高速応答処理部140のキー入力受付部142は、そのキー入力情報をアプリケーション160に渡す。アプリケーション160は、その入力情報を処理して、必要に応じてかな漢字変換部162を用いて入力されたかな文字を表示し漢字に変換する。
【0043】
取得領域座標決定部144は、キー入力受付部142からのキー入力情報に応答して、アプリケーション160から入力応答情報を受け取り、またはアプリケーション160用のかな漢字変換部(文字変換ソフトウェア)162のAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)から入力応答情報を受け取り、それによってデスクトップ画面における取得すべき所要の入力画像領域の座標を決定する。取得領域座標決定部144は、受け取ったキー入力情報のコード種別(タイプ)が1バイト・コードである場合は、入力領域の座標をオペレーティング・システム124から取得し、キー入力情報のコード種別が1バイト・コード以外のものである場合は、入力領域の座標をアプリケーション160用のかな漢字変換部から取得してもよい。
【0044】
画像情報取得部148は、その決定された座標に従って、OS124のデスクトップ画面記憶領域126から対応する部分的な画像データを取得し、その画像データおよび座標データを画像情報として、圧縮することなく符号化して、送信部136、OS124、ドライバ122、ネットワーク・インタフェース・カード112を介し、さらにネットワーク5を介してクライアント端末200に送信する。画像データ及び座標データは画像情報として圧縮してもよい。
【0045】
クライアント端末200において、その部分的な画像情報は、ネットワーク・インタフェース・カード212、および受信部232を介して、画像合成部240に供給される。画像合成部240は、受信したその部分的な画像情報を復号して、その復号された部分的な画像情報をデスクトップ画面記憶領域226のデスクトップ画面に部分的に上書きする。画面表示部260は、デスクトップ画面記憶領域226のその合成されたデスクトップ画面を表示装置288に供給して表示させる。
【0046】
サーバ100において、デスクトップ画面処理部170は、通常の形態で、周期的に、デスクトップ画面記憶部126のデスクトップ画面全体の画像情報を取り出して、画像圧縮部172を用いて圧縮し、その圧縮された画像情報を、送信部136、OS124、ドライバ122、ネットワーク・インタフェース・カード112を介し、さらにネットワーク5を介してクライアント端末200に送信する。
【0047】
クライアント端末200において、そのデスクトップ画面全体の圧縮画像情報は、ネットワーク・インタフェース・カード212、および受信部232を介して、画像復元部272に供給される。画像復元部272は、通常の形態で、受信した画像を復元(伸張、逆圧縮)して、非圧縮の画像情報を再生して、再生された画像情報をデスクトップ画面記憶領域226に書き込む。画面表示部260は、デスクトップ画面記憶領域226のデスクトップ画面全体を表示装置288に供給して表示させる。
【0048】
図3は、本発明の最初の実施形態による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0049】
クライアント端末200の送信部236は、ステップ302において、ユーザによって操作されたキー入力の情報を受け取り、ステップ304においてネットワーク・インタフェース・カード212を介してそのキー入力情報をサーバ100に送信する。
【0050】
ステップ310において、サーバ100の受信部132は、ネットワーク・インタフェース・カード112、ドライバ122およびOS124を介してキー入力情報を受信する。
【0051】
ステップ312において、入力高速応答処理部140のキー入力受付部142は、キー入力情報を取得し、キー入力情報をアプリケーション160に渡す。ステップ314において、入力高速応答処理部140の取得領域座標決定部144は、入力を適用する前にアプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)から現在の入力画像領域の座標を取得する。ステップ318において、アプリケーション160はキー入力情報を適用して対応の処理を実行する。ステップ310〜314および318はサーバ100における通常の処理である。
【0052】
ステップ320において、画像情報取得部148は、高速応答処理のための、画像取得のタイミングかどうかまたはタイマが所定時間を経過したかどうかを判定する。ステップ320は画像取得のタイミングになるまで繰り返される。画像取得のタイミングは、例えばキー入力情報をアプリケーション160に適用してから例えば1/30s〜1/60sの範囲の時間期間の経過後のタイミングである。一方、通常または低速応答の形態のデスクトップ画面映像処理170によるデスクトップ画面全体を圧縮した情報の送信は、例えば1/30s〜1/60sの周期で発生する。
【0053】
ステップ320において画像取得のタイミングであると判定された場合は、取得領域座標決定部144は、ステップ330において、アプリケーション160による応答をデスクトップ画面(デスクトップ画面記憶領域126)に反映させた後の入力画像領域を含む所要の画像領域の座標位置のデータを、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)から取得する。換言すれば、処理結果の入力画像領域は、アプリケーション160からの応答をデスクトップ画面に反映させたものである。
【0054】
ステップ349において、取得領域座標決定部144は、アプリケーション160による応答をデスクトップ画面に反映させる前のデスクトップ画面中の入力画像領域および反映させた後のデスクトップ画面中の入力画像およびその他の表示が変化した表示画像部分の画像領域を含む複数の画像領域のうちの所要の領域の座標位置を決定する。ステップ360において、画像情報取得部148は、その座標に対応する画面メモリ(104内の領域)中のデスクトップ画面記憶領域126からその所要の画像領域の画像のデータを取得する。
【0055】
ステップ380において、画像情報取得部148は、その取得した座標データおよび画像データを画像情報として生成して送信部136に渡す。ステップ390において、送信部136は、その生成された画像情報をクライアント端末200に送信する。
【0056】
クライアント端末200において受信部232は、ステップ402において画像情報を受信する。ステップ404において、画像合成部240は、その画像情報の部分的画像データを座標データに基づいて画面メモリ(204内の領域)のデスクトップ画面記憶領域226におけるデスクトップ画面の対応する入力画像領域に上書きする。ステップ406において、画面表示部260は、デスクトップ画面記憶領域226における合成されたデスクトップ画面を表示装置288に表示する。
【0057】
例えば、カーニング機能を用いてアルファベット入力を処理する場合、例えばアルファベット“f”、“u”、“j”および“i”の各文字フォントの表示画像領域または面積は一定でなく、アルファベット毎に変化し得る。例えば、アルファベット・フォント“u”の文字幅は広く、アルファベット・フォント“i”の文字幅は狭い。例えば、アルファベット・フォント“f”の文字位置は高く、アルファベット・フォント“j”の文字位置は低い。従って、サーバ100は、アプリケーション160によるキー入力操作情報の処理結果を反映したデスクトップ画面中の入力領域におけるカーソル位置の固定された周辺画像領域の画像だけを取得してクライアント端末200に送信しても、クライアント端末200の表示画面にはアプリケーション160による処理結果が充分に反映されない。
【0058】
キー入力操作情報に対するアプリケーション160の応答の結果を充分に反映した部分画像を用いて高速応答を実現するためには、デスクトップ画面における文字入力毎の表示画像領域の範囲の変化に応じて、サーバ100からクライアント端末200へ送信するデスクトップ画面中の所要画像領域を決定する必要がある。
【0059】
図4Aおよび4Bは、本発明の実施形態による、かな漢字変換処理におけるかな入力後の変換キーの入力(例えば、スペース・キーの入力)の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と変換後のデスクトップ画面の入力領域の表示画像の例を示している。
【0060】
図4Aにおいて、かな漢字変換前の4つのかな文字“ふじさん”の表示画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x11,y11),(x12,y12)}(長方形枠の左上の頂点と右下の頂点の座標)で表されるものとする。図4Bにおいて、かな漢字変換後の漢字“富士山”の表示画像領域の範囲は1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22)}で表されるものとする。
【0061】
従って、かな漢字変換後の3文字の漢字の表示画像“富士山”をクライアント端末200のデスクトップ画面に充分に反映させるには、サーバ100においてそれら2つ(かな、漢字)の範囲を含む広い範囲{(x21,y21),(x12,y12)}の表示画像“富士山 ”(即ち“富士山”およびスペース(空白))を所要の画像領域としてデスクトップ画面から抽出して、サーバ100からクライアント端末200へ送信して直前のデスクトップ画面の入力領域表示画像“ふじさん”に上書きする必要がある。サーバ100において狭い範囲{(x21,y21),(x22,y22)}の入力領域表示画像“富士山”だけを抽出して、クライアント端末200において直前のデスクトップ画面に上書きすると、クライアント端末200において、3つのかな文字“ふじさ”の部分的な領域表示画像だけが上書きされ、入力領域表示画像は3文字の漢字“富士山”と1文字のひらがな“ん”を含む“富士山ん”となり、サーバ100による処理結果が充分反映されたものにならない。
【0062】
図5は、本発明の実施形態による、図4Aおよび4Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の装置構成を示している。
【0063】
図5を参照すると、サーバ100の入力高速応答処理部140において、取得領域座標決定部144は、日本語入力領域座標取得部152および取得領域座標計算部156を含んでいる。
【0064】
入力受付部142は、受信部132によって受信され入力情報解釈部134によって解釈された有意なキー入力を受け取って、その解釈されたキー入力情報を日本語入力領域座座標取得部152に供給する。日本語入力領域座標取得部152は、キー入力受付部142からのキー入力の受け取りに応答して、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIからキー入力情報の処理前および処理後の入力画像領域の座標を取得して、取得領域座標計算部156に供給する。取得領域座標計算部156は、それらの入力領域の座標から取得すべき広い所要の画像領域の座標(1対の座標位置)を計算し、所要画像領域の座標を画像情報取得部148に供給する。
【0065】
図6は、図5のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0066】
クライアント端末200によるステップ302〜304は、図3のものと同様であり、再び説明することはしない。
【0067】
サーバ100によるステップ310〜318は、図3のものと同様であり、再び説明することはしない。ステップ314において、取得領域座標決定部144の日本語入力領域座標取得部152は、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIからキー入力を処理する前の現在の入力画像領域の座標を取得する。
【0068】
ステップ321において、取得領域座標決定部144の日本語入力領域座標取得部152は、キー入力情報をアプリケーション160に適用してからタイマにおいて所定時間(例えば、1/30s)が経過したかどうかを判定する。それによって、日本語入力領域座標取得部152は、アプリケーション160によってキー入力情報が処理されて、デスクトップ画面記憶領域126のデスクトップ画面が更新されるのを待つ。ステップ321は、所定の時間が経過するまで繰り返される。ステップ321において所定の時間が経過したと判定された場合は、手順はステップ330に進む。
【0069】
ステップ330において、取得領域座標決定部144の日本語入力領域座標取得部152は、キー入力情報に対するアプリケーション160による応答をデスクトップ画面に反映させた後の入力領域の座標を、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから取得する。
【0070】
ステップ350において、取得領域座標決定部144の取得領域座標計算部156は、アプリケーション160による応答をデスクトップ画面に反映させる前および反映させた後の各入力領域を含む広い所要の画像領域の座標位置を計算する。
【0071】
ステップ360〜390は図3のものと同様である。
【0072】
ステップ402〜406は図3のものと同様である。
【0073】
図7は、図6のステップ350の詳しいフローチャートの例を示している。このフローチャートによって、入力画像領域における変換前のかな文字(例えば“ふじさん”)の第1の表示画像領域(座標){(x11,y11),(x12,y12)}と、変換後の漢字(例えば“富士山”)の第2の表示画像領域(座標){(x21,y21),(x22,y22)}とに基づいて、これら2つの表示画像領域を含む広い画像領域が、所要の画像領域として決定される。ここで、原点Oがデスクトップ画面の左上の隅部にあるものとする。従って、xは正の値であり、yの値も正である。
【0074】
ステップ502において、取得領域座標決定部144は、第1の画像領域の第1のx座標“x11”が第2の画像領域の第1のx座標“x21”より小さいかどうかを判定する。第1の画像領域の第1のx座標“x11”が小さいと判定された場合は、ステップ504において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第1のx座標を“x11”と決定する。第1の画像領域の第1のx座標“x11”が小さくないと判定された場合は、ステップ506において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第1のx座標を“x21”と決定する。それによって、広い画像領域の左上の頂点の値の小さい第1のx座標が選択される。
【0075】
ステップ512において、取得領域座標決定部144は、第1の画像領域の第1のy座標“y11”が第2の画像領域の第1のy座標“y21”より小さいかどうかを判定する。第1の画像領域の第1のy座標“y11”が小さいと判定された場合は、ステップ514において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第1のy座標を“y11”と決定する。第1の画像領域の第1のy座標“y11”が小さくないと判定された場合は、ステップ516において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第1のy座標を“y21”と決定する。それによって、広い画像領域の左上の頂点の値の大きい第1のy座標が選択される。
【0076】
ステップ522において、取得領域座標決定部144は、第2の画像領域の第2のx座標“x22”が第1の画像領域の第2のx座標“x12”より小さいかどうかを判定する。第2の画像領域の第2のx座標“x22”が小さいと判定された場合は、ステップ524において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第2のx座標を“x12”と決定する。第2の画像領域の第2のx座標“x22”が小さくないと判定された場合は、ステップ526において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第2のx座標を“x22”と決定する。それによって、広い画像領域の右下の頂点の値の大きい第2のx座標が選択される。
【0077】
ステップ532において、取得領域座標決定部144は、第2の画像領域の第2のy座標“y22”が第1の画像領域の第2のy座標“y12”より小さいかどうかを判定する。第2の画像領域の第2のy座標“y22”が小さいと判定された場合は、ステップ534において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第2のy座標を“y12”と決定する。第2の画像領域の第2のy座標“y22”が小さくないと判定された場合は、ステップ536において、取得領域座標決定部144は広い所要の画像領域の第2のy座標を“y22”と決定する。それによって、広い画像領域の右下の頂点の値の小さい第2のy座標が選択される。
【0078】
広い画像領域に含ませるべき3つ以上の表示画像領域が存在する場合には、2つの表示画像領域に対してこのフローチャートによって決定された所要の画像領域を1つの表示画像領域として置き換え、その仮の所要の画像領域と残りの表示画像領域の中の1つの表示画像領域とに対して、再度このフローチャートを適用すればよい。この処理を繰り返すことによって、3つ以上の表示画像領域を含む広い領域の座標を求めることができる。
【0079】
図8Aおよび8Bは、本発明の別の実施形態による、かな漢字変換処理における変換キーの入力(例えば、スペース・キーの入力)の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と仮変換(未確定)後のデスクトップ画面中の入力領域およびその変換候補表示領域の表示画像の例を示している。図8Aおよび8Bでは、図4Bの入力画像領域に加えて、変換候補文字のウィンドウ表示用の表示画像領域を所要の画像領域に含むように決定されたその所要の画像領域の1対の座標位置を示している。
【0080】
図8Aにおいて、変換中の4つのかな文字“ふじさん”および仮変換後(確定前)の3つの漢字“富士山”の入力画像領域の範囲(図4A)より、図7から両方の画像領域を含む所要の画像領域を計算すると、その所要の画像領域が、1対の座標位置{(x11,y11),(x12,y12)}で表されるものとする。これは、図4Bの{(x21,y21),(x12,y12)}に対応する。また、変換候補のリストの表示画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22)}で表されるものとする。図8Bにおいて、キー入力情報を反映した後の広い所要の画像領域は1対の座標位置{(x21,y11),(x12,y22)}で表される。
【0081】
図9は、本発明のその別の実施形態による、図8Aおよび8Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の構成を示している。
【0082】
図9を参照すると、サーバ100の入力高速応答処理部140において、取得領域座標決定部144は、日本語入力領域座標取得部152および取得領域座標計算部156に加えて、変換候補表示領域座標取得部154を含んでいる。
【0083】
日本語入力領域座標取得部152は、キー入力受付部142からのキー入力情報の受け取りに応答して、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIからキー入力情報の処理前および処理後の入力画像領域の座標を取得して、取得領域座標計算部156に供給する。変換候補表示領域座標取得部154は、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから変換候補表示画像領域の座標を取得して、取得領域座標計算部156に供給する。取得領域座標計算部156は、それら入力画像領域座標および変換候補表示領域座標から取得すべき広い所要の画像領域の座標(1対の座標位置)を計算し、所要画像領域の座標を画像情報取得部148に供給する。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5のものと同様である。
【0084】
図10Aおよび10Bは、図9のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0085】
図10Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図6のものと同様である。
【0086】
サーバ100について、ステップ310〜330は図6のものと同様である。
【0087】
ステップ330の後のステップ334において、取得領域座標決定部144の変換候補表示領域座標取得部154は、アプリケーション160によって与えられた1つ以上の変換候補があるかどうかを判定する。変換候補がないと判定された場合は、手順はステップ350に進む。変換候補があると判定された場合は、ステップ335において、変換候補表示領域座標取得部154は、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから変換候補表示領域の座標を取得する。
【0088】
図10Bを参照すると、ステップ350において、取得領域座標決定部144の取得領域座標計算部156は、アプリケーション160による応答をデスクトップ画面に反映させる前および反映させた後の各入力画像領域と、変換候補表示領域とを含む広い所要の領域の座標を計算する。この場合、図7の処理を2回実行すればよい。ステップ360〜390は、図6のものと同様である。
【0089】
ステップ402〜406は図6のものと同様である。
【0090】
図11は、本発明のさらに別の実施形態による、アプリケーション160による英語(英数)入力におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の装置構成を示している。
【0091】
図11を参照すると、サーバ100の入力高速応答処理部140において、取得領域座標決定部144は、英語入力領域座標取得部153および取得領域座標計算部156を含んでいる。この場合、かな漢字変換部162は使用されない。
【0092】
英語入力領域座標取得部153は、カーニング処理の有無に応じてキャレット位置から所定数の文字分の表示画像領域の座標位置を取得する。カーニングは、特定の文字の組み合わせについて、見栄えが良くなるように文字間隔を変更するものである。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5のものと同様である。
【0093】
図12Aおよび12Bは、図11のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0094】
図12Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図6のものと同様である。
【0095】
サーバ100について、ステップ310〜321は図6のものと同様である。
【0096】
ステップ321の肯定(YES)分岐の後のステップ331において、入力高速応答処理部140の英語入力領域座標取得部153は、アプリケーション160による応答をデスクトップ画面に反映させた後の入力画像領域中のキャレット“|”の座標位置をアプリケーション160から取得する。
【0097】
ステップ336において、英語入力領域座標取得部153は、入力中の文字に対応するフォント情報をアプリケーション160から取得する。
【0098】
図12Bを参照すると、ステップ338において、英語入力領域座標取得部153は、その取得したフォント情報について、カーニングが使用可能かどうかを判定する。カーニングが使用可能でないと判定された場合は、英語入力領域座標取得部153は、ステップ341において、キャレット位置から後ろ(左方向)に1文字分の画像領域の座標位置だけを所要の画像領域として取得する。カーニングが使用可能であると判定された場合は、英語入力領域座標取得部153は、ステップ343において、キャレット位置から後ろ(左方向)に2文字分の画像領域の座標位置を所要の画像領域として取得する。それによって、カーニングによって間隔が狭められた2文字分のフォントの表示画像領域の座標位置が取得される。
【0099】
ステップ341および343の後のステップ360において、画像情報取得部148は、その座標位置に対応する画面メモリ中のデスクトップ画面記憶領域126から所要の入力領域の画像を取得する。
【0100】
ステップ380〜390は図9のものと同様である。
【0101】
クライアント端末200について、ステップ402〜406は図3のものと同様である。
【0102】
図13は、図9の実施形態のバリエーションであり、本発明のさらに別の実施形態による、図8Aおよび8Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の別の構成を示している。この実施形態は、図5、11および後で挙げるその他の実施形態にも適用可能である。この構成は、例えば、1つのキー入力によって広い表示画像領域が変化するその他の場合にも適用可能である。例えば、英語入力においてカーニング等によって複数行の表示画像が変化する場合に適用可能である。
【0103】
図13において、サーバ100の入力高速応答処理部140は、キー入力受付部142、取得領域座標決定部144および画像情報取得部148に加えて、判定閾値記憶部147(メモリ104内の領域)および領域適用可否判定部146を含んでいる。
【0104】
サーバ100の管理者は、サーバ100の入力装置(図示せず)を用いて、サーバ100の表示装置(図示せず)に表示された判定閾値入力インタフェース画面またはウィンドウ上で、高速応答のための所要画像領域の適合性(適用)の判定の基準となる所要画像領域の閾値の面積の値(例えば、平方ポイント単位、平方ピクセル単位、平方mm単位または平方ミリ・インチ単位の値)を入力して判定閾値記憶部147(メモリ104内の領域)に予め格納する。その面積は、その面積の情報量が、デスクトップ画面全体の情報を圧縮したときの情報量より充分少なくなるように決定することが好ましい。
【0105】
領域適用可否判定部146は、取得領域座標決定部144によって決定された所要の画像領域の座標からその所要の画像領域の面積を計算し、それを判定閾値記憶部147の閾値と比較する。所要の画像領域の面積が閾値を超えた場合には、領域適用可否判定部146は、キー入力に対する高速応答を行うことなく、処理を終了する。所要の画像領域の面積が閾値を超えなかった場合には、領域適用可否判定部146は、所要の画像領域の座標位置を画像情報取得部148に渡す。それによって、高速応答によって送信すべき部分画像の情報量が過大な場合には、送信を行わず、従って高速応答を行わない。それによって、部分画像の送信の負荷がデスクトップ画面全体の送信の負荷より大きくなることを防止できる。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図9のものと同様である。
【0106】
図14Aおよび14Bは、図13のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0107】
図14Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図10Aのものと同様である。
【0108】
図14Aを参照すると、サーバ100によって実行されるステップ310〜312は図10Aのものと同様である。ステップ313において、取得領域座標決定部144の日本語入力領域座標決定部152はメモリ104の領域から前回送信された取得領域座標データを取得する。図14Aおよび14Bを参照すると、サーバ100によって実行されるステップ318〜350は図10Aおよび10Bのものと同様である。
【0109】
ステップ334(NO)および350の後のステップ352において、領域適用可否判定部146は、所要画像領域の座標位置から所要の画像領域の面積を計算し、それを判定閾値記憶部147の閾値と比較して、取得する画像領域を、高速応答のためにクライアント端末200のデスクトップ画面表示に適用すべきかどうかを判定する。
【0110】
所要の画像領域の面積が閾値を超えた場合には、領域適用可否判定部146は、適用不可能と判定して、ステップ354において処理を中止する。所要の画像領域の面積が閾値を超えなかった場合には、領域適用可否判定部146は、適用可能と判定する。その後、手順はステップ360に進む。
【0111】
ステップ360〜380は、図10Bのものと同様である。ステップ381において、領域適用可否判定部146は、送信される現在の取得領域座標データを、可能性ある後での使用のためにメモリ104の領域に保存する。それによって、所要の画像領域がクライアント端末200に送信されない場合でも、その後の図14Aのステップ313において前回送信済みの所要画像領域の座標データを取得できる。ステップ390は、図10Bのものと同様である。デスクトップ画面処理部170が周期的にデスクトップ画面全体の画像情報をクライアント端末200に送信したときに、入力高速応答処理部140によって、メモリ104の領域中の取得領域座標データが消去されても、またはデスクトップ画面全体の座標データがメモリ104の領域に格納されてもよい。
【0112】
クライアント端末200について、ステップ402〜406は図3のものと同様である。
【0113】
図15は、図5の実施形態をバリエーションであり、本発明のさらに別の実施形態による、図4Aおよび4Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の別の構成を示している。この実施形態は、図9、11および後で挙げるその他の実施形態にも適用可能である。
【0114】
図15において、サーバ100の入力高速応答処理部140は、キー入力受付部142、取得領域座標決定部144および画像情報取得部148に加えて、送信可否判定部149および送信済画像情報履歴記憶部150(メモリ104内の領域)を含んでいる。
【0115】
送信可否判定部149は、現在送信しようとしている画像情報を、送信済画像情報履歴記憶部150中の前回の画像情報と比較し、両者が一致した場合には送信せず、両者が一致しなかった場合に送信する。送信した場合には、送信可否判定部149は、送信情報を送信済画像情報履歴記憶部150に格納する。代替構成として、それぞれの画像情報のハッシュ値を比較して両者が一致するかどうかを判定してもよい。それによって、無駄な送信処理を行わずに送信負荷の増大を防止し、クライアント端末200における処理負荷の増大を防止することができる。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5のものと同様である。
【0116】
図16Aおよび16Bは、図15のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0117】
図16Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図6のものと同様である。
【0118】
図16Aを参照すると、サーバ100について、ステップ310〜312は図10Aのものと同様である。ステップ313において、さらに、送信可否判定部149は、さらに、送信済画像情報履歴記憶部150から前回保存した送信画像情報の座標データおよび画像データを取得する。図16Aおよび16Bを参照すると、ステップ318〜380は図10Aおよび10Bのものと同様である。
【0119】
ステップ380の後のステップ382において、送信可否判定部149は、現在送信しようとしている画像情報中の座標データ(その数値)を送信済画像情報履歴記憶部150中の前回のものと比較して、現在送信しようとしている画像情報中の座標データ(その数値)が、前回のものと異なるかどうかを判定する。異なると判定された場合は、手順はステップ388に進む。
【0120】
ステップ382においてその座標データが異ならない即ち同じと判定された場合は、送信可否判定部149は、ステップ384において、現在送信しようとしている画像情報中の画像データ(その各ピクセル値)を送信済画像情報履歴記憶部150中の前回のものと比較して、現在送信しようとしている画像情報中の画像データ(そのピクセル値)が、前回のものと異なるかどうかを判定する。異なると判定された場合は、手順はステップ388に進む。
【0121】
ステップ384においてその画像データが異ならない即ち同じと判定された場合は、送信可否判定部149は、送信処理を中止する。
【0122】
ステップ388において、送信可否判定部149は、送信する画像情報を送信済画像情報履歴記憶部150に、可能性ある後での使用のために格納する。送信可否判定部149は、画像情報のハッシュ値を送信済画像情報履歴記憶部150に格納してもよい。それによって、所要の画像領域がクライアント端末200に送信されない場合でも、その後の図16Aのステップ313において前回送信済みの所要画像領域の座標データを取得できる。デスクトップ画面処理部170が周期的にデスクトップ画面全体の画像情報をクライアント端末200に送信したときに、入力高速応答処理部140によって、送信済画像情報履歴記憶部150中の画像情報が消去されても、またはデスクトップ画面全体の座標データが送信済画像情報履歴記憶部150に格納されてもよい。
【0123】
ステップ390は図10Bのものと同様である。
【0124】
クライアント端末200について、ステップ402〜406は図10Bのものと同様である。
【0125】
図17Aおよび17Bは、本発明のさらに別の実施形態による、かな漢字変換処理における複数のキー入力(例えば、かな文字入力“さ”および“ん”)の反映前と反映後におけるデスクトップ画面の入力領域の表示画像の例を示している。
【0126】
図17Aにおいて、2つのかな文字“ふじ”の表示画像領域の範囲は1対の座標位置{(x11,y11),(x12,y12)}で表される。かな文字のアルファベット入力の場合、その後、入力画像領域の表示画像は、英数文字キー入力“s”の結果として“ふじs”と変化し→英数文字キー入力“a”の結果として“ふじさ”と変化し→英数文字キー入力“n”の結果として“ふじさn”と変化し→英数文字キー入力“n”の結果として“ふじさん”と変化する。図17Bにおいて、かな文字“ふじさん”の表示画像領域の範囲は1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22)}で表される。
【0127】
サーバ100は、複数のキー入力情報に対する高速応答として、かな文字“ふじ”の表示画像領域の範囲{(x11,y11),(x12,y12)}の画像情報の送信の後、かな文字“ふじさん”の表示画像領域の範囲{(x21,y21),(x22,y22)}の画像情報を送信する。サーバ100は、ひらがな“ふじ”と“ふじさん”の表示画像間の表示画像“ふじs”、“a”、“ふじさ”、“ふじさn”の中間の画像情報を送信しない。このように、サーバ100において、中間画像情報の送信を省略することによって、サーバ100とクライアント端末200における処理負荷および送受信負荷が軽減される。
【0128】
図18は、本発明のそのさらに別の実施形態による、図17Aおよび17Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の装置構成を示している。
【0129】
図18を参照すると、サーバ100の入力高速応答処理部140は、図5のものと同様の構成を有する。この場合、入力高速応答処理部140の日本語入力領域座標取得部152は、受信したキー入力情報の数が閾値の所定入力数を超えるかまたは所定時間が経過するまでは、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから入力画像領域の座標を取得しない。受信した入力の数が、閾値の所定入力数を超えるかまたはタイマが所定時間の経過を示した後、日本語入力領域座標取得部152は、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから入力画像領域の座標位置を取得する。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5のものと同様である。
【0130】
図19Aおよび19Bは、図18のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0131】
図19Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図6のものと同様である。
【0132】
サーバ100について、ステップ310〜314は図6のものと同様である。
【0133】
ステップ314の後のステップ315において、日本語入力領域座標取得部152は、受信したキー入力情報の数Nが閾値の所定入力数(例えば、3)を超えたかどうかを判定する。受信したキー入力情報の数が閾値の所定入力数を超えたと判定された場合は、手順はステップ318に進む。受信したキー入力情報の数が閾値の所定入力数を超えていないと判定された場合は、ステップ316において、日本語入力領域座標取得部152は、所定時間(例えば、50ms)が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過したと判定された場合は、手順はステップ318に進む。
【0134】
ステップ316において所定時間が経過していないと判定された場合は、ステップ317において、日本語入力領域座標取得部152は、次のキー入力情報を受信したかどうかを判定する。次の入力を受信したと判定された場合には、手順はステップ310に戻る。次の入力を受信していないと判定された場合は、手順はステップ316に戻る。
【0135】
ステップ318〜330は図6のものと同様である。
【0136】
図19Bを参照すると、ステップ350〜390は図6のものと同様である。
【0137】
クライアント端末200について、ステップ402〜406は図6のものと同様である。
【0138】
図20Aおよび20Bは、本発明のさらに別の実施形態による、サーバ100における、かな漢字変換処理における変換キーの入力の反映前と反映後、即ちかな漢字変換前と仮変換後におけるデスクトップ画面の入力領域および変換候補表示領域の例を示している。図20Bでは、図20Aの変換候補ウィンドウの全領域を範囲とするのではなく、変換候補ウィンドウの1つの変換候補の表示画像領域だけを所要の画像領域に含める場合の所要の画像領域の座標位置の決定の方法を示している。
【0139】
図20Aにおいて、図8Aの場合と同様に、変換中のかな文字“ふじさん”および仮の変換後(確定前)の漢字“富士山”の入力画像領域の範囲から、図7の処理方法を用いて所要の画像領域を計算すると、1対の座標位置{(x11,y11),(x12,y12)}で表され、変換候補のリストの表示画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22)}で表される。変換候補文字のリストの表示画像領域中の最も上に位置する候補文字の画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22’)}で表される。
【0140】
図20Bにおいて、変換候補文字のリストの表示画像領域中の所要の1つのみの表示領域を含む、キー入力情報を反映した後の広い所要の画像領域は、1対の座標位置{(x21,y11),(x12,y22’)}で表される。このように、変換候補文字のリストの表示領域中の現在選択中の1つの候補の領域だけを考慮することによって、変換候補の数に関係なく、サーバ100およびクライアント端末200における送受信負荷を減少させることができる。
【0141】
図21は、図9の実施形態のバリエーションであり、本発明のさらに別の実施形態による、図20Aおよび20Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の装置構成を示している。
【0142】
図21において、サーバ100の入力高速応答処理部140において、取得領域座標決定部144は、日本語入力領域座標取得部152および取得領域座標計算部156に加えて、変換候補描画部155を含んでいる。
【0143】
日本語入力領域座標取得部152は、キー入力受付部142からのキー入力の受け取りに応答して、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから日本語文字入力領域の座標を取得して、取得領域座標計算部156に供給する。変換候補描画部155は、アプリケーション160用のかな漢字変換部162のAPIから変換候補表示領域中の現在選択されている1つの変換候補の文字列を取得して画像として描画し、その描画領域の座標位置を取得して、取得領域座標計算部156に供給する。取得領域座標計算部156は、日本語文字入力領域座標位置および変換候補を描画した領域座標位置から、取得すべき広い所要の画像領域の座標(1対の座標位置)を計算し、所要画像領域の座標位置を画像情報取得部148に供給する。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5または9のものと同様である。
【0144】
図22Aおよび22Bは、図21のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0145】
図22Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図10のものと同様である。
【0146】
サーバ100について、ステップ310〜334は図10Aのものと同様である。
【0147】
ステップ334において変換候補があると判定された場合は、取得領域座標決定部144の変換候補描画部155は、ステップ337において、アプリケーション160から変換候補データを取得する。ステップ339において、変換候補描画部155は、アプリケーション160から変換候補表示領域の座標(x21,y21)および現在選択中の変換候補の文字列を取得し、デスクトップ画面記憶領域126において、1つの変換候補分{(x21,y21),(x21+Δx,y22+Δy’)}の領域{(x21,y21),(x22,y22’)}に、入力領域中に表示されている現在選択中のその1つの変換候補を描画(レンダリング)する。変換候補描画部155は、その1つの変換候補分の領域の座標{(x21,y21),(x22,y22’)}を取得領域座標計算部156に渡す。
【0148】
図22Bを参照すると、ステップ350〜390は、図10Bのものと同様である。
【0149】
ステップ402〜406は図10Bのものと同様である。
【0150】
図23Aおよび23Bは、本発明のさらに別の実施形態による、かな漢字変換処理におけるアルファベット“fu”またはかな“ふ”を入力して入力領域に“ふ”が表示された後、アプリケーション160による英数文字キー入力“j”に対する応答の反映前と反映後のデスクトップ画面の入力領域の表示画像の例を示している。
【0151】
図23Aにおいて、アルファベット“fu”をキー入力して“ふ”が表示され、このときの入力画像領域における変化分の表示画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x11,y11),(x12,y12)}で表されるものとする。サーバ100は、受信したキー入力情報に基づいてこの変化を予測してその変化分の画像領域の画像情報だけをクライアント端末200に送信する。
【0152】
図23Bにおいて、アルファベット“j”をキー入力してひらがなとアルファベットとキャレットを結合した“ふj|”が表示され、このときの入力画像領域における変化分の表示画像領域の範囲は、1対の座標位置{(x21,y21),(x22,y22)}で表されるものとする。サーバ100は、受信したキー入力情報に基づいてこの変化分を予測してその変化分の画像領域{(x21,y21),(x22,y22)}の画像情報だけをクライアント端末200に送信する。それによって、サーバ100における処理負荷が小さくなる。
【0153】
図24は、本発明のそのさらに別の実施形態による、図23Aおよび23Bに例示されたアプリケーション160によるかな漢字変換におけるキー入力情報に対して高速応答処理を行うためのサーバ100の入力高速応答処理部140および関連部分の装置構成を示している。
【0154】
図24において、サーバ100は、入力高速応答処理部140に接続されたテーブル記憶部164(メモリ104内の領域)を具えている。サーバ100の入力高速応答処理部140において、取得領域座標決定部144は、取得領域座標計算部156に加えて、テーブル参照機能を有する入力領域座標決定部151、入力状態記憶部157(メモリ104内の領域)を含んでいる。
【0155】
入力状態記憶部157は、アプリケーション160における現在の入力状態を記憶する。テーブル記憶部164に格納されたテーブルは、現在の入力状態と新しい入力内容に対応する次の入力状態における所要画像領域の座標位置の関係を表している。入力領域座標決定部151は、キー入力受付部142からの現在のキー入力に応答して、テーブル記憶部164を参照して、入力状態記憶部157における現在の入力状態および新しい入力の内容に対応する次の入力状態およびその所要の入力画像領域の座標位置を決定する。入力高速応答処理部140のその他の構成および動作は、図5のものと同様である。
【0156】
図25は、テーブル記憶部164のテーブル内容の例を示している。
【0157】
図25において、可能性のある4つの入力操作状態として、初期入力状態またはかな漢字変換における候補文字中の文字の確定後の状態“確定後”、かな漢字変換前のかな文字の子音を示すアルファベット入力を示す入力中の中間状態“入力中(子音)”、かな漢字変換前のかな文字の母音示すアルファベット入力を示す入力中の中間状態“入力中(母音)”、およびかな漢字変換中であり選択された漢字またはひらがなの未確定の状態“変換中”がある。
【0158】
現在の状態“入力中(子音)”において、キー入力“Enter”が発生すると、アプリケーションは次に状態“確定後”に移行し、この場合は入力画像領域全体が所要の画像領域となる。入力画像領域全体は、図4Aおよび4Bおよび図6のステップ330におけるものと同様である。
【0159】
現在の状態“入力中(子音)”において、“変換”キーまたはスペース・キーによるかな漢字変換用のキー入力が発生すると、アプリケーションは次に状態“変換中”に移行し、この場合は変換候補ウィンドウの表示領域が所要の画像領域となる。変換候補ウィンドウの表示画像領域は、図8Aおよび8Bの変換候補ウィンドウの表示画像領域および図10のステップ336におけるものと同様である。
【0160】
現在の状態“入力中(子音)”において、キー入力“BackSpace”または“Delete”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(母音)”に移行し、この場合は削除された1文字分の表示領域が所要の領域となる。この場合、削除後のキャレット座標および文字フォント・サイズに基づいて表示画像領域を取得する。
【0161】
現在の状態“入力中(子音)”において、キー入力“文字キー(子音)”(例えば、b、c、d、等)が発生すると、次に状態“入力中(子音)”を維持し、この場合は入力した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。この場合、文字入力後のキャレット座標および文字フォント・サイズから表示画像領域を取得する。
【0162】
現在の状態“入力中(子音)”において、キー入力“文字キー(母音)”(例えば、a、e、i、等)が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(母音)”に移行し、この場合は直前の1文字分と最後に入力した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0163】
現在の状態“入力中(母音)”において、キー入力“Enter”が発生すると、アプリケーションは次に状態“確定後”に移行し、この場合は入力画像領域全体が所要の画像領域となる。
【0164】
現在の状態“入力中(母音)”において、キー入力“変換”または“スペース”が発生すると、アプリケーションは次に状態“変換中”に移行し、この場合は変換候補ウィンドウの表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0165】
現在の状態“入力中(母音)”において、キー入力“BackSpace”または“Delete”が発生すると、次に状態“入力中(母音)”を維持し、この場合は削除した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0166】
現在の状態“入力中(母音)”において、キー入力“文字キー(子音)”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(子音)”に移行し、この場合は入力した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0167】
現在の状態“入力中(母音)”において、キー入力“文字キー(母音)”が発生すると、次に状態“入力中(母音)”を維持し、この場合は入力した1文字分の表示画像領域が所要の領域となる。
【0168】
現在の状態“変換中”において、キー入力“Enter”が発生すると、アプリケーションは次に状態“確定後”に移行し、この場合は入力画像領域全体が所要の画像領域となる。
【0169】
現在の状態“変換中”において、キー入力“変換”またはスペースが発生すると、次に状態“変換中”を維持し、この場合は変換候補ウィンドウの表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0170】
現在の状態“変換中”において、キー入力“BackSpace”が発生すると、アプリケーションは、次に状態“入力中(母音)”に移行し、この場合は削除した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0171】
現在の状態“変換中”において、キー入力“文字キー(子音)”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(子音)”に移行し、この場合は入力領域全体および入力した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0172】
現在の状態“変換中”において、キー入力“文字キー(母音)”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(母音)”に移行し、この場合は入力領域全体および入力した1文字分の表示領域が所要の画像領域となる。この場合、入力前のキャレット座標および入力後のキャレット座標および文字フォント・サイズから表示画像領域を取得する。
【0173】
現在の状態“確定後”において、キー入力“Enter”が発生すると、次に状態“確定後”を維持し、この場合は入力前および入力後のキャレット周辺の表示画像領域が所要の画像領域であり、改行前のキャレットを含む1文字分および改行後のキャレットを含む1文字分が所要の画像領域となる。
【0174】
現在の状態“確定後”において、キー入力“スペース”が発生すると、次に状態“確定後”を維持し、この場合は入力した1文字分の表示領域が所要の画像領域となる。
【0175】
現在の状態“確定後”において、キー入力“BackSpace”または“Delete”が発生すると、状態“確定後”を維持し、この場合は削除した1文字分の表示画像領域が所要の画像領域となる。
【0176】
現在の状態“確定後”において、キー入力“文字キー(子音)”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(子音)”に移行し、この場合は入力画像領域全体が所要の画像領域となる。
【0177】
現在の状態“確定後”において、キー入力“文字キー(母音)”が発生すると、アプリケーションは次に状態“入力中(母音)”に移行し、この場合は入力画像領域全体が所要の画像領域となる。
【0178】
図26は、図25の各入力状態における入力に対する状態遷移図の例を示している。
【0179】
図27Aおよび27Bは、図24のサーバ100の構成による、クライアント端末200からのキー入力情報に対する、サーバ100によって実行される高速応答処理のフローチャートを示している。
【0180】
図27Aを参照すると、クライアント端末200について、ステップ302〜304は図6のものと同様である。
【0181】
サーバ100について、ステップ310〜321は図6のものと同様である。
【0182】
ステップ321の肯定(YES)分岐の後のステップ340において、入力領域座標決定部151は、キー入力受付部142から受け取ったキー入力のデータを図25のテーブルに従って分類する。ステップ342において、入力領域座標決定部151は、入力状態記憶部157を参照して現在の状態を取得する。
【0183】
ステップ344において、入力領域座標決定部151は、テーブル記憶部164のテーブルを参照して、現在の入力状態における新しいキー入力内容に対する次の状態を取得して決定し、それに対応する画像所要の領域の座標位置を取得して取得領域座標計算部156に渡す。
【0184】
図27Bを参照すると、ステップ346において、入力領域座標決定部151は、決定した次の入力状態を入力状態記憶部157に保存する。
【0185】
ステップ360〜390は図6のものと同様である。
【0186】
ステップ402〜406は図6のものと同様である。
【0187】
図28は、図27Aのステップ340の詳しいフローチャートを示している。
【0188】
ステップ602において、入力領域座標決定部151は、キー入力が英文字・記号かどうかを判定する。それが英文字・記号でないと判定された場合は、入力領域座標決定部151は、ステップ612において、キー入力をそのままの内容のものまたはアルファベット文字入力として処理する。
【0189】
ステップ602において英文字・記号であると判定された場合は、入力領域座標決定部151は、ステップ604において、キー入力が子音文字かどうかを判定する。それが子音文字であると判定された場合は、入力領域座標決定部151は、ステップ614において、そのキー入力を“文字キー(子音)”として分類する。それが子音文字でないと判定された場合は、入力領域座標決定部151は、ステップ616において、そのキー入力を“文字キー(母音)”として分類する。
【0190】
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、そのバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
【0191】
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) ネットワークを介して接続される端末装置から受信した入力情報に従って情報処理を実行するシンクライアント・システムにおいて用いられるサーバ装置であって、
前記端末装置から入力イベントを受信する受信部と、
前記受信した入力イベントを前記入力イベントに関連する処理に適用する入力イベント処理部と、
前記入力イベントが適用された処理の結果を表す表示データにおいて、前記適用された入力イベントの処理の影響を受ける領域を所要の領域として動的に決定する領域決定部と、
前記所要の領域に対応する前記表示データ中の部分的画像データおよび前記所要の領域の位置データを部分的画像情報として生成する領域画像生成部と、
前記生成された部分的画像情報を前記端末装置へ送信する送信部と、
を備えるサーバ装置。
(付記2) 前記サーバ装置は、さらに、所定の周期で、前記表示データを圧縮して表示データを生成する表示データ生成部を備え、
前記送信部は、さらに前記表示データを前記端末装置に送信し、
前記端末装置において前記表示データは非圧縮の表示データに復元され、前記部分的画像データは先に送信された前記表示データと合成されるものである、付記1に記載のサーバ装置。
(付記3) 前記領域決定部は、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用される前の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の入力領域とに基づいて、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、付記1または2に記載のサーバ装置。
(付記4) 前記領域決定部は、
前記受信した入力イベントのコード種別が1バイト・コードである場合は、前記入力領域をオペレーティング・システムから取得し、
前記受信した入力イベントのコード種別が1バイト・コード以外である場合は、前記入力領域を文字変換ソフトウェアから取得するものであることを特徴とする、
付記1、2または3に記載のサーバ装置。
(付記5) さらに、前記部分的画像情報を送信する前に、前記部分的画像情報の送信量または前回送信した部分的画像情報との相違に基づいて、前記部分的画像情報を送信するかどうかを判定する送信判定部を備える、付記1乃至4のいずれかに記載のサーバ装置。
(付記6) 前記送信判定部は、前記領域決定部によって決定された所要の領域の面積に基づいて前記部分的画像情報を送信するかどうかを判定するものである、付記1乃至4のいずれかに記載のサーバ装置。
(付記7) 前記送信判定部は、前記部分的画像情報の内容に基づいて前記部分的画像情報を送信するかどうかを判定するものである、付記1乃至4のいずれかに記載のサーバ装置。
(付記8) 前記領域決定部は、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用される前の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の変換候補ウィンドウの表示領域とに基づいて、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、付記1または2に記載のサーバ装置。
(付記9) さらに、前記入力イベントに関連する処理に用いられる文字変換機能から文字変換候補のデータを取得し、前記文字変換候補のデータの中から少なくとも1つの文字変換候補を選択して変換候補ウィンドウの表示領域にレンダリングする文字変換候補描画部を備える、付記1または2に記載のサーバ装置。
(付記10) さらに、前回の入力イベントに対応する現在の入力状態を保持する入力状態保持部と、
現在の入力状態における新しい入力イベントに対する次の入力状態および所要の領域を表すテーブルを格納したテーブル記憶部と、
を備え、
前記領域決定部は、前記入力状態保持部における前記現在の入力状態と、新しい入力イベントとに基づいて前記テーブル記憶部を参照して、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、付記1または2に記載のサーバ装置。
【符号の説明】
【0192】
100 サーバ
126 デスクトップ画面記憶領域
132 受信部
136 送信部
140 入力高速応答処理部
142 キー入力受付部
144 取得領域座標決定部
148 画像情報取得部
160 アプリケーション
162 かな漢字変換部
170 デスクトップ画面処理部
200 クライアント端末
282 キーボード
232 受信部
236 送信部
240 画像合成部
272 画像復元部
226 デスクトップ画面記憶領域
260 画面表示部
288 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される端末装置から受信した入力情報に従って情報処理を実行するシンクライアント・システムにおいて用いられるサーバ装置であって、
前記端末装置から入力イベントを受信する受信部と、
前記受信した入力イベントを前記入力イベントに関連する処理に適用する入力イベント処理部と、
前記入力イベントが適用された処理の結果を表す表示データにおいて、前記適用された入力イベントの処理の影響を受ける領域を所要の領域として動的に決定する領域決定部と、
前記所要の領域に対応する前記表示データ中の部分的画像データおよび前記所要の領域の位置データを部分的画像情報として生成する領域画像生成部と、
前記生成された部分的画像情報を前記端末装置へ送信する送信部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記領域決定部は、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用される前の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の入力領域とに基づいて、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記領域決定部は、
前記受信した入力イベントのコード種別が1バイト・コードである場合は、前記入力領域をオペレーティング・システムから取得し、
前記受信した入力イベントのコード種別が1バイト・コード以外である場合は、前記入力領域を文字変換ソフトウェアから取得するものであることを特徴とする、
請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
さらに、前記部分的画像情報を送信する前に、前記部分的画像情報の送信量または前回送信した部分的画像情報との相違に基づいて、前記部分的画像情報を送信するかどうかを判定する送信判定部を備える、請求項1乃至3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記領域決定部は、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用される前の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の入力領域と、前記表示データにおいて前記入力イベントが適用された後の変換候補ウィンドウの表示領域とに基づいて、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
さらに、前回の入力イベントに対応する現在の入力状態を保持する入力状態保持部と、
現在の入力状態における新しい入力イベントに対する次の入力状態および所要の領域を表すテーブルを格納したテーブル記憶部と、
を備え、
前記領域決定部は、前記入力状態保持部における前記現在の入力状態と、新しい入力イベントとに基づいて前記テーブル記憶部を参照して、前記所要の領域を決定するものであることを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−55600(P2010−55600A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153812(P2009−153812)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】