説明

サーボ・ストライプ・パルスのピーク検出を補間するための方法及び装置

【課題】実際のピークと実質的に同じピークを検出するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】一実施形態において、該装置は、フィルタと、シフト・レジスタと、制御器と、ディジタル補間器とを含んでいる。フィルタは、複数の信号サンプルを受信するよう構成され、該フィルタに結合されたシフト・レジスタは、複数のレジスタを有する。該シフト・レジスタは、複数の信号サンプルを受信して、レジスタを通して複数の信号サンプルをシフトさせるよう構成されている。制御器は、シフト・レジスタに結合され、信号サンプルにおけるゼロ交差イベントを検出するよう構成されている。ディジタル補間器は、制御器に結合され、バイナリ・サーチを行って、実際のピークと実質的に同じであるピークを識別するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2004年12月22日に出願された早期出願の米国仮出願シリアル番号第60/639,375号の優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、大容量記憶装置に関する。特に、本発明は、テープ駆動技術に関する。
【背景技術】
【0003】
高精細度テレビジョン(“HDTV”)及び高品質画像処理装置のような高解像度ディジタル処理装置の高まる人気と共に、高速かつ正確な大容量記憶装置がますます必要になってきている。磁気テープのような磁気記憶媒体は、コンピュータ及びHDTVのような高解像度ディジタル処理装置のためのデータ記憶として効率的な媒体であり続けてきた。テープ記録におけるデータ記憶及び検索性能を高めるために、磁気テープに渡る正しい場所に横断ヘッドを位置付けることが重要である。ディジタル・テープ・レコーダにおいては、ピークツーピーク時間間隔に基づいて横断ヘッドの位置を決定するために、代表的には、テープ上の予め記録され傾斜(スラント)された磁気ストライプから生じる電圧のピークが用いられる。
【0004】
テープに対するヘッド位置の精度を高めるために、従来の方法は、磁気ヘッドによって検出され得る多数のストライプ(stripes)を用いることである。図1は、2つのストライプ101及び102を含む従来の技術を示す。ストライプ101は、テープ100に対して正の角度で傾くよう構成され、ストライプ102は、テープ100に対して負の角度で傾けられる。ストライプ101及び102は、テープ100の下方に或る距離だけ離される。ヘッド位置103がストライプ101−102の頂部近辺にあるとき、ストライプ101−102によって生じさせられるサーボ信号またはパルス105が生じ、ここに、パルスまたはピーク間の距離(または時間)はtである。ヘッド位置104がストライプ対の底部近辺にあるとき、パルスまたはサーボ信号106が生じ、ここに、パルス間の距離(または時間)はtである。tはtよりも大きいことに留意すべきであり、ここに、距離または時間における差は、ヘッド位置の場所を示す。例えば、もし、ストライプ101−102の検出が約tであるならば、それは、ヘッドがヘッド位置103にあるということを示し、他方、もし、ストライプ101−102の検出が約tであるならば、それはヘッドがヘッド位置104にあるということを示す。
【0005】
テープ速度の情報を与えれば、ヘッドの瞬間的な横断場所が、ヘッドによって検出されるサーボ・ストライプ・パルス間の時間間隔を測定することにより決定され得る。ヘッドは、次に、一連のストライプ対を連続的に測定することにより所望の位置に調整され得る。測定を行うために、サーボ信号またはパルス105または106は、各ピークの発生時刻を報告する検出ロジックに出力される。この従来の方法と関連した問題は、ストライプから導出されたサーボ信号またはパルスが検出するために困難であるということである。この方法に関連するもう1つの問題は、従来の検出機構がサーボ信号上のノイズに起因するタイミング・エラーを受け易いということである。さらにもう1つの問題は、サンプリングされたデータ・システムが用いられる場合に、ピーク時間場所の正確さがサンプリング・レートによって制限されるということであり、その理由は、問題のピークが、未知の時間においてサンプル間に存在するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ノイズの免疫性及びサーボ信号の検出を改善するための必要性が当該技術分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、サーボ信号パルスから検出される本当のピークと実質的に同じであるピークを提供することができる補間ピーク検出装置を開示している。一実施形態において、該装置は、フィルタと、シフト・レジスタと、制御器と、ディジタル補間器とを含んでいる。フィルタは、信号サンプルを受信するよう構成され、該フィルタに結合されたシフト・レジスタは、複数のレジスタもしくはnバイトのレジスタ・アレイを有する。該シフト・レジスタは、複数の信号サンプルを受信するよう構成され、次に、複数のレジスタを通して複数の信号サンプルを通す。制御器(もしくは制御回路)は、シフト・レジスタに結合され、シフト・レジスタの中央段を監視するよう構成されている。一実施形態において、ゼロ交差を示す符号変化は、符号変化が中央段において検出されたときに検出される。補間フィルタとも称され得るディジタル補間器は、制御器に結合され、バイナリ・サーチを行って、本当のピークと実質的に同じであるピークを識別するよう構成されている。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は、詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明瞭となるであろう。
【0009】
本発明は、本発明の種々の実施形態の添付図面から並びに以下に与えられる詳細な説明から一層完全に理解されるであろう。なお、本発明は、特定の実施形態に制限されるべきものではなく、それらは説明及び理解のためだけにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
サーボ・ストライプ(stripe)・パルスを検出し、パルス間の時間を測定するための方法及び装置を説明する。
【0011】
当業者は、本発明の以下の詳細な説明が説明のためだけにあり、いずれにしても制限することを意図するものではないということを認識するであろう。本発明の他の実施形態は、この明細書の利益を有する、かかる当業者には自ずと容易に示唆されるであろう。これらの特定の詳細は、本発明にとって実施のために必要とされるものではないかも知れないということが当業者には明瞭であろう。他の例においては、良く知られた回路及び装置は、本発明を不明瞭にするのを避けるためにブロック図形態で示されている。実施形態の以下の説明において、実質的に同じ部品は、同じ参照数字によって示されている。
【0012】
本発明は、サーボ信号パルスから検出された本当のピークと実質的に同じであるピークを提供することができる補間ピーク検出装置を開示している。一実施形態において、装置は、フィルタ、シフト・レジスタ、制御器及びディジタル補間器を含んでいる。フィルタは、複数の信号サンプルを受信するよう構成されており、フィルタに結合されたシフト・レジスタは、多数レジスタまたはnバイト・レジスタ・アレイを有する。シフト・レジスタは、多数の信号サンプルを受信するよう構成されており、次に、複数のレジスタを通して多数の信号サンプルを通す。制御器は、シフト・レジスタに結合されており、シフト・レジスタの中央段を監視するよう構成されている。一実施形態において、ゼロ交差(zero-crossing)を示す符号変化は、符号変化が中央段において検出されたときに検出される。ディジタル補間器は、制御器に結合されて、本当のピークと実質的に同じであるピークを識別するためにバイナリ・サーチ(二分探索法)を行うよう構成されている。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態による補間ピーク検出(“IPD”)装置を示す。IPD装置は、ディジタイザ201、フィルタ202、シフタ・レジスタ203、補間フィルタ220及び制御回路204を含んでいる。一実施形態におけるディジタイザ201は、信号がフィルタ202に搬送される前にアナログのサーボ・ストライプ信号またはパルスをディジタル形態に変換するために用いられるアナログ・ディジタル変換器である。用語サーボ・ストライプ信号及びサーボ・ストライプ・パルスは、ここでは相互交換可能に用いられるということに留意すべきである。フィルタ202は、正弦を余弦に変換し余弦を正弦に変換し、この方法で、入力信号における各ピークを出力信号におけるゼロ交差に変える特性を有する有限長インパルス応答(FIR)フィルタであるヒルベルト・フィルタ(Hilbert filter)または直角位相フィルタ(quadrature filter)であって良い。
【0014】
一実施形態におけるシフタ・レジスタ203は、各段が8ビットまでを記憶することができる16段を含み得るレジスタ・アレイを含む。シフタ・レジスタ203は、真ん中の2つの段である中央段を含む。例えば、16段のシフト・レジスタにとって、中央の段は、8番目と9番目の段であるであろう。シフタ・レジスタ203の作用は、中央の段における符号の変化を監視することである。もし、例えば符号の変化が検出された場合には、それは、シフタ・レジスタ203が、ピークまたはゼロ交差イベントを復元してゼロ交差の点を見つけるために充分に適切に整列されたサンプルを含んでいる、ということを示す。ゼロ交差イベントとは、正の値が負の値に変化する信号、または負の値が正の値に変化する信号として定義される。変化の瞬間がゼロ交差である。シフタ・レジスタ203は、32、64、128、265、512、等の任意の長さを有し得るということに留意すべきである。
【0015】
補間フィルタ220は、さらに、複数の乗算器210、加算器211及びルックアップ・テーブル209を含んでいる。一実施形態において、補間フィルタ220は、実際のゼロ交差の点にできる限り近い点を見つけるためにバイナリ作用を行うように用いられる。ルックアップ・テーブル209は、異なった点に対して種々の組の係数を含む。制御回路204は、バイナリ・サーチ法(二分探索法)を作動させるというような、ピークの発見を制御するための種々の指令を提供するよう構成されている。例えば、制御回路204は、シフタ・レジスタ203に内容物(the contains)をセーブすべきときを決定し、そのタイミングの瞬間において、バイナリ・サーチ法(二分探索法)を用いて信号サンプルを補間することを決定する。
【0016】
動作において、ディジタイザ201は、サーボ・ストライプ・パルスから検出されたアナログ信号をディジタル化するために固定周波数で動作し、次に、ディジタル化されたアナログ信号を、フィルタリング回路または直角位相フィルタとしても知られているフィルタ202に送る。フィルタ202は、ディジタル化されたアナログ信号における信号ピークまたはパルスを識別し、該信号ピークをゼロ交差に変換する。一実施形態においては、信号サンプルであるフィルタ202の出力は、次に、Nレジスタの第1のアレイに通される。制御回路204は、第1のレジスタ・アレイの段の中央対(または中央段)の符号変化を監視する。一実施形態において、第1のレジスタ・アレイの各要素(または記憶セル)は、Nレジスタの第2のアレイにおける要素の入力に接続されて、符号変化の検出が生じたときに、一連の信号をセーブする。補間フィルタ220は、任意の2位置(mは整数)における段の中央対によって囲まれる間隔にある信号値を計算することができる第2のレジスタ・アレイの出力に接続される。
【0017】
補間フィルタ220の出力は、結果の符合を検出するための手段に結合される。制御回路(または制御エンジン)204は、補間フィルタ220をプログラムするために(または補間フィルタ220に命令するために)一連のm個の補間インスタント(時点)を選択し、ここに、制御回路204は、1/2の正確さで実際のゼロ交差の場所に最も近いインスタント(時点)に収束するような方法で符号検出器の出力を調査することによって各インスタント(時点)を決定する。カウンタは、各サンプリング・インスタント(時点)における増分を満足させるために用いられる。出力レジスタは、m番目のインスタント(時点)のバイナリ表示(2進表現)を維持するために用いられる。減算器は、2つの連続するピーク間の間隔を決定し、割り算器は、テープの速度に従って減算器からの出力をスケーリングする。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態によるIPD装置のレイアウトを示す。IPD装置は、ディジタイザ301、フィルタ302、シフタ・レジスタ303、保持レジスタ307、ルックアップ・テーブル309、乗算器310、加算器311及び制御回路または制御エンジン304を含む。一実施形態におけるディジタイザ301は、フィルタ202に信号が搬送される前にアナログのサーボ・ストライプ信号をディジタル・データに変換するために用いられるアナログ・ディジタル変換器である。一実施形態におけるフィルタ202は、ピーク・イベントをゼロ交差イベントに変換する有限長インパルス応答(FIR)フィルタである。シフタ・レジスタ303は、各段が8ビットまでを記憶することができる16段を含み得る、レジスタ・アレイを含む。保持レジスタ307は、シフタ・レジスタ303と同じ記憶容量を有し、それにより、符号の変化が検出されたとき、シフタ・レジスタ303における内容が保持レジスタ307に記憶される。もう1つの実施形態において、シフタ・レジスタ303は、32、64、128及び265段の1つであって良い。制御エンジン304は、バイナリ・サーチ法(二分探索法)を用いてピークの発見を制御するために種々の指令を提供するよう構成されている。
【0019】
再生サーボ信号、またはサーボ・ストライプ・パルスは、一連の信号サンプルを生成する固定サンプリング・レートにおいて動作するディジタイザ301に与えられる。信号サンプルは、各ピークをゼロ交差で置き換えるよう正弦を余弦にかつ余弦を正弦に変換する特性を有するフィルタ302に与えられる。フィルタ302は、高い周波数を強調しないという点において通常の微積分(カルキュラス)をベースにした微分器とは異なる直角位相フィルタである。一実施形態において、直角位相フィルタの数学的記述及び特性は、ヒルベルト変換から導出され得る。
【0020】
ピークからゼロ交差に変換した後、直角位相フィルタ302からの信号サンプルは、シフタ・レジスタ303に与えられ、該シフタ・レジスタ303を通してそれらの信号サンプルは、連続的に通される。制御エンジン304は、レジスタの中央の2つの段を入力305a及び305bを介して連続的に監視する。制御エンジン304が、入力305a及び入力305b間の符号における変化を検出すると、中央の2つの段に含まれるサンプル間にピークが発生したということ、すなわち、第1のサンプルが取られたときから第2のサンプルが取られたときまでにわたる時間間隔内においてピークが発生したということを決定する。この点において、制御エンジン304は、シフタ・レジスタ303の内容が保持レジスタ307にそっくりそのまま転送されるようにする獲得指令306を発する。
【0021】
さて、ルックアップ・テーブル309、乗算器310、及び加算器311から成るプログラム可能なフィルタを用いて、反復的なピーク探索アルゴリズムが始められる。フィルタは、乗算器/加算器 310/311 に与えられるようルックアップ・テーブルから適切な係数を選択する指令信号308に従って実際のデータ・サンプル間の点において信号の補間を行う。このように、例えば、指令信号308の特定のセッティングは、2つの実際のサンプル305a及び305b間の中間点において信号がサンプリングされた場合に信号が有していたであろう値をフィルタが計算するようにするであろうし、もう1つのセッティングは、305aから305bまでの経路上の四分の一の点において信号が有していたであろう値をフィルタが計算するようにするであろうし、そして以下同様である。一実施形態における制御エンジン304は、中間点において始まるようにフィルタに指令し、結果の符合は、信号305aの符合と比較される。これらが異なっているならば、次に、それらの間にピークが存在し、もし、同じならば、次に、中間点と信号305bとの間にピークが存在する。制御エンジン304は、フィルタ出力312の符号を検査し、そしてピークを含む間隔を2つの等しい部分に分割することのような指令を発する。このプロセスは、ピークの場所が用途のために充分な正確さをもって決定されてしまうまで、制御エンジン304が符号の連続性を記憶しつつ、繰返し続けられる。制御エンジン304は、次に、符号の連続性によって符合化されている、点305aからのピークのオフセットを報告する。
【0022】
現存するサンプル間の任意の分別の場所における点は、FIRフィルタである補間フィルタによって復元され得るということに留意されるべきである。復元することが望まれる各点ごとにフィルタ係数の異なった組が必要とされ、その理由は、調査のために大量のサンプルを同時に復元することが実行不可能であるからである。IPD装置は、所望の解像度が得られるまで連続的に一層精密な解像度で実際のピークを孤立させる同じセットのデータ・サンプル上の幾つかの引き続く復元をガイドするに際し、バイナリ・サーチ法を用いる。このプロセスは、区別された(differentiated)信号上で行われ得るが、直角位相フィルタまたは“ヒルベルト変換”を用い得、また固定の所定係数を有するFIRフィルタも用い得、その理由は、このようなフィルタが高周波を強調しないからである。
【0023】
もう1つの実施形態において、入ってくるサンプルは、元の信号のピークをゼロ交差イベントに変換する直角位相フィルタ302を通される。結果の修正されたサンプルは、長いレジスタ・アレイ内にシフトされ、そこでそれらは検査され得る。サンプルの符号の変化がレジスタ・アレイの中央の2つの段の間で遭遇されたとき、それらの段は、ゼロ交差イベントを取り囲むことが知られている。瞬間のアレイ内容は、次に、補間フィルタにロードされ、そこで、それらは、ゼロ交差(従って、元のピーク)の相互作用的な位置決めが行われている間、安定のままである。このプロセスは、異なった係数を補間フィルタに引き続き適用して、バイナリ・サーチによって中間点の符号を決定する。最初に、中央の中間点(または中心に近い点)が復元される。その符号が先のデータ・サンプルのものから異なっていた場合には、該サンプルと補間された点との間にゼロ交差が存在することが知られており、もし、そうでないならば、補間された点と後続のデータ・サンプルとの間にゼロ交差が存在する。それが存在し得るいずれかの間隔の中央の点もしくは中央に近い点が、次に、補間される。この方法で、サンプル間隔の、どっちの半分に、どの四分の一に、どの八分の一に、どの十六分の一に、等にゼロ交差が存在するかが引き続き決定される。このプロセスは、充分な解像度が達成されてしまったときに終結され、システムはリセットされ、新しいセットのデータが引き続くピークを見つけるためにシフト・インされる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態によるバイナリ・サーチ技術を用いた本当のピークに近いピークを見つけるプロセスを示すフローチャートである。ブロック402において、プロセスは、情報もしくは信号サンプルを受信し、ゼロ交差が発見されたか否かを調査する。一実施形態において、プロセスは、シフタ・レジスタまたはレジスタ・アレイの中央段においてのみ符号変化をチェックする。もし、ゼロ交差が発見されなかったならば、プロセスは、ブロック402に留まって、入って来る新しい信号サンプルをチェックする。しかしながら、もし、プロセスがゼロ交差を検出した場合には、ブロック404に進む。
【0025】
ブロック404において、プロセスは、保持レジスタに中央段を含むシーケンスの少なくとも部分を取得する。一実施形態において、プロセスは、シフタ・レジスタ内に全内容を取得し、それにおいて、中央段の前の信号サンプルの部分並びに中央段の後の信号サンプルの部分がレジスタ・アレイ内にセーブされる。信号サンプルが取得されると、プロセスは次のブロックに行く。
【0026】
ブロック406において、プロセスは、バイナリ・サーチを履行するためにパラメータをセットすることに行く。プロセスは、1にi(カウンタ)をセットし、kは、(1/2)に等しい。プロセスは、引き続き、次のブロックに行く。
【0027】
ブロック408において、プロセスは、中央段に記憶された2つの数の間の点を識別するために、記憶された信号サンプルを補間することに進む。
【0028】
ブロック410において、プロセスは、結果が正であるか否かをチェックすることに進む。もし、結果が正であるならば、プロセスは、ブロック412に進む。他方、結果が負ならば、プロセスはブロック414に進む。
【0029】
ブロック414において、プロセスは、iに1を加えることに進む。また、kは、(1/2)を加えることによって調整される。プロセスは、次に、次のブロックに行く。
【0030】
ブロック412において、プロセスは、iに1を加え、kから(1/2)をマイナスすることに進む。プロセスは、次に、次のブロックに行く。
【0031】
ブロック416において、プロセスは、iがnに等しいか否かを見るためにチェックし、ここに、nは、一実施形態において、ユーザによって予め決定される。もし、iがnに等しいならば、プロセスは終了する。しかしながら、もし、iがnに等しくないならば、次に、プロセスは、プロセスを継続するためにブロック408にループ・バックする。
【0032】
本発明の特定の実施形態が示されて説明されてきたけれども、本発明及びその一層広範な態様から逸脱することなく、ここでの教示に基づいて変更及び修正が為され得るということが当業者には自明であろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の本当の精神並びに範囲内にあるこのような変更及び修正のすべてをその範囲内に包含するものと意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】テープ上のサーボ・パターンを表わす一対の反対に傾斜された磁気ストライプを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による補間ピーク検出装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による補間ピーク検出装置のレイアウトを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるバイナリ・サーチ技術を用いて本当のピークに近いピークを見付けるプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
201 ディジタイザ
202 フィルタ
203 シフタ・レジスタ
204 制御回路
209 ルックアップ・テーブル
210 乗算器
211 加算器
220 補間フィルタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピークを識別するための装置であって、
複数の信号サンプルを受信するよう構成されたフィルタと、
該フィルタに結合され、複数のレジスタを有するシフト・レジスタであって、前記複数の信号サンプルを受信するよう構成されると共に前記複数のレジスタを通して前記複数の信号サンプルをシフトさせるよう構成された前記シフト・レジスタと、
前記シフト・レジスタに結合され、前記複数の信号サンプルに応答してゼロ交差イベントを検出するよう構成された制御器と、
前記制御器に結合され、バイナリ・サーチを行って、実際のピークと実質的に同じピークを識別するよう構成されたバイナリ補間器と、
を備えた装置。
【請求項2】
前記フィルタに結合されたディジタイザをさらに備え、該ディジタイザは、アナログ形態のデータをディジタル形態に変換することができるものである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ディジタイザは、磁気タイプ上の複数のストライプに渡って検出されたアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器である請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フィルタは、フィルタリング作用を行うために所定の係数を用いる直角位相フィルタである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記シフト・レジスタは、中央対のレジスタを有する16、32、64、128、256、及び512のシフト・レジスタの1つであり、ここに、前記中央対のレジスタは、前記シフト・レジスタの実質的に真ん中に位置する請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記制御器は、さらに、前記中央対のレジスタに結合される請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記シフト・レジスタに結合され、前記複数の信号サンプルに応答してゼロ交差を検出するよう構成された前記制御器は、さらに、前記中央対のレジスタ間の符号変化に応答して前記複数の前記信号サンプルの同じ少なくとも部分にセーブ指令を提供することを含む請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記バイナリ補間器は、さらに、
複数の所定の係数を含む一組のルックアップ・テーブルと、
該ルックアップ・テーブルに結合されて、信号サンプル・データと、前記ルックアップ・テーブルからの選択された係数との間の乗算機能を行う一組の乗算器と、
を含む請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記バイナリ補間器は、さらに、前記乗算器からの少なくとも2つの引き続く結果を加算するために前記一組の乗算器に結合される一組の加算器を含む請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ピークを識別するための方法であって、
サーボ・ストライプ・パルスの検出に応答して複数の信号サンプルを受信し、
前記複数の信号サンプルにおけるピークを検出し、
前記ピークをゼロ交差イベントに変換し、
2つの引き続く信号サンプル間の符号変化を識別し、
前記符号変化に応答して前記複数の信号サンプルの少なくとも部分をセーブし、そして
実際のピークと実質的に同じであるピークを復元するために前記複数の信号サンプルの前記セーブされた少なくとも部分にバイナリ・サーチを行う、
ようにした方法。
【請求項11】
さらに、前記ストライプ・パルスから発生されたアナログの信号サンプルをディジタルの信号サンプルにディジタル化するようにした請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ピークをゼロ交差イベントに変換することは、さらに、シフト・レジスタを通して前記ゼロ交差イベントと一緒に前記信号サンプルをシフトさせることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
2つの引き続く信号サンプル間の符号変化を識別することは、さらに、中央対のレジスタを識別することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
バイナリ・サーチを行うことは、さらに、繰返しの数に応答してルックアップ・テーブルからの一組の係数を識別することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
バイナリ・サーチを行うことは、さらに、前記シフト・レジスタに記憶された少なくとも1つのサンプルと、選択された係数とを乗算することを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
バイナリ・サーチを行うことは、さらに、乗算器からの2つの出力間の加算機能を行うことを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ピークを識別する装置であって、
サーボ・ストライプ・パルスの検出に応答して複数の信号サンプルを受信するための手段と、
該複数の信号サンプルにおけるピークを検出するための手段と、
前記ピークをゼロ交差イベントに変換するための手段と、
2つの引き続く信号サンプル間の符号変化を識別するための手段と、
前記符号変化に応答して、前記複数の信号サンプルの少なくとも部分をセーブするための手段と、
実際のピークと実質的に同じであるピークを復元するために前記複数の信号サンプルの前記セーブされた少なくとも部分にバイナリ・サーチを行うための手段と、
を備えた装置。
【請求項18】
前記ストライプ・パルスから発生されたアナログの信号サンプルをディジタルの信号サンプルにディジタル化するための手段をさらに備えた請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ピークをゼロ交差イベントに変換するための前記手段は、さらに、シフト・レジスタを通して前記ゼロ交差イベントと一緒に前記信号サンプルをシフトさせるための手段を含む請求項17に記載の装置。
【請求項20】
2つの引き続く信号サンプル間の符号変化を識別するための前記手段は、さらに、中央対のレジスタを識別するための手段を含む請求項17に記載の装置。
【請求項21】
バイナリ・サーチを行うための前記手段は、さらに、各繰返しの数に応答してルックアップ・テーブルからの一組の係数を識別するための手段を含む請求項17に記載の装置。
【請求項22】
バイナリ・サーチを行うための前記手段は、さらに、前記シフト・レジスタに記憶された少なくとも1つのサンプルと、選択された係数とを乗算するための手段を含む請求項21に記載の装置。
【請求項23】
バイナリ・サーチを行うための前記手段は、さらに、乗算器からの2つの出力間の加算機能を行うための手段を含む請求項22に記載の装置。
【請求項24】
ピークを識別する方法であって、
第1のレジスタ・アレイを通して複数の信号サンプルをシフトさせ、
符号変化のために前記第1のレジスタ・アレイの中央段を監視し、
前記中央段における前記符号変化に応答してゼロ交差を検出し、
前記中央段の前の前記信号サンプルの少なくとも第1の部分と、前記中央段の後の前記信号サンプルの少なくとも第2の部分とを、第2のレジスタ・アレイに取得し、そして
バイナリ・サーチ技術を用いて本当のピークと実質的に同じであるピークを識別するために前記信号サンプルの前記第1及び第2の部分を補間する、
ようにした方法。
【請求項25】
さらに、前記ストライプ・パルスから発生されたアナログの信号サンプルを前記信号サンプルにディジタル化するようにした請求項24に記載の方法。
【請求項26】
さらに、前記信号サンプルにおけるピークをゼロ交差イベントに変換するようにした請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記信号サンプルの前記第1及び第2の部分を補間することは、さらに、バイナリ・サーチを行うことを含む請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記バイナリ・サーチは、さらに、繰返しの数に応答してルックアップ・テーブルから一組の係数を識別することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
バイナリ・サーチを行うことは、さらに、前記シフト・レジスタに記憶された少なくとも1つのサンプルと、選択された係数とを乗算することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
バイナリ・サーチを行うことは、さらに、乗算器からの2つの出力間の加算機能を行うことを含む請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−179170(P2006−179170A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−370456(P2005−370456)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(305006428)サータンス エルエルシー (9)
【Fターム(参考)】