説明

サーマルプリンター及びその印刷制御方法

【課題】影付き文字等の装飾を施した文字の印刷をプリンター内部の印刷制御によって実現する。
【解決手段】サーマルプリンター1は、サーマルヘッド2を構成する発熱素子に通電する通電時間を制御する通電制御部4と、フォントデータを記憶するフォントデータ記憶部12と、指定されたフォントデータをフォントデータ記憶部12から読み出すフォントデータ読み出し部10と、フォントデータに基づき、第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンと、第1の通電時間とは異なる第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンと、を生成する印刷パターン生成部20と、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとをシフトして重畳的に合成して、合成印刷パターンを生成する印刷パターン合成部30と、を備え、合成印刷パターンの各ドットを、第1の通電時間または第2の通電時間のいずれかに基づいて通電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンター及びその印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サーマルプリンターは、サーマルヘッドを構成する発熱素子に所定の電流を流すことによって熱を生じさせ、感熱紙にドットパターンを形成する。感熱紙に形成されるドットの濃淡は発熱素子の温度に依存し基本的には温度に比例して濃度が濃くなる。このため、例えば特許文献1に開示されたサーマルプリンターの印字制御方式は、発熱素子への通電時間を制御して印刷される文字等の濃度を適正なものとすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−227017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サーマルプリンターにおいて文字(フォント)を印刷する場合、一般的には、ホストコンピューター等から送信されたコードデータに対応するフォントデータを、サーマルプリンター内のフォントメモリーから読み出して印刷する。このため、装飾文字を印刷する場合は、装飾文字のコードデータに対応するフォントデータを読み出して印刷する。
【0005】
ところが、上記フォントメモリーにデータのない装飾を施した文字は印刷できず、例えば文字に付加する装飾として影を付ける場合に、その影の方向や影の大きさを自由に変化させ、さらには影の濃さを変える即ち階調表現を付加するなどは困難であった。
【0006】
また、上記特許文献1のような従来のサーマルプリンターの印刷時の階調制御は、印刷される文字等の濃度を適正なものにすることを目的としたものであり、文字の周囲に階調印刷を実現するものではなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、影付き文字等の装飾を施した文字の印刷をプリンター内部の印刷制御によって実現することができるサーマルプリンター及びその印刷制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明に係るサーマルプリンターは、サーマルヘッドを構成する発熱素子に通電する通電時間を制御する通電制御部と、フォントデータを記憶する記憶部と、前記フォントデータを前記記憶部から読み出すフォントデータ読み出し部と、読み出された前記フォントデータに基づき、少なくとも、第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンと、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンと、を生成する印刷パターン生成部と、前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンとをシフトして重畳的に合成して、合成印刷パターンを生成する印刷パターン合成部と、を備え、前記合成印刷パターンを構成する各ドットを、少なくとも、前記第1の通電時間または前記第2の通電時間のいずれかに基づいて通電することを特徴とする。
上記構成により、プリンター内部の印刷制御によって、装飾を施した文字等を印刷することができるサーマルプリンターを得ることができる。
【0009】
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、感熱紙の異なる発色に対応した発色温度となるように、前記第1の通電時間と前記第2の通電時間とを設定することが好ましい。
これにより、文字装飾として、文字の周囲のいずれかに異なる色で装飾することができる。
【0010】
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記第2の通電時間は、前記第1の通電時間より短い通電時間であり、前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンの重なった印刷パターンの部位は前記第1の通電時間を優先して通電することが好ましい。
これにより、文字装飾として、印刷する文字の周囲のいずれかに影となる濃度が薄い階調で装飾した影付き文字を印刷できる。
【0011】
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記サーマルヘッドは、前記発熱素子をライン状に配列したラインサーマルヘッドであり、印刷パターン合成部は、前記第1の印刷パターンに対して前記第2の印刷パターンを紙送り方向を含む方向にシフトして合成することが好ましい。
これにより、サーマルヘッドが発熱素子をライン状に配列したラインサーマルヘッドである場合は、印刷する文字に対して紙送り方向に影等の装飾を施すことができる。
【0012】
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記サーマルヘッドは紙送り方向に直交する方向に走査可能に構成されており、印刷パターン合成部は、前記第1の印刷パターンに対して前記第2の印刷パターンを紙送り方向にほぼ直交する方向を含む方向にシフトして合成することが好ましい。
これにより、サーマルヘッドが紙送り方向に直交する方向に走査可能に構成されている場合は、印刷する文字に対して、紙送り方向にほぼ直交する方向を含む方向に影等の装飾を施すことができる。
【0013】
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記合成印刷パターンの印刷結果は、前記フォントデータを印刷したフォントの周囲を装飾したものであることが好ましい。
これにより、文字装飾として、印刷する文字の周囲のいずれかに影となる濃度が薄い階調で装飾した影付き文字を印刷できる。
【0014】
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るサーマルプリンターの印刷制御方法は、フォントを指定するデータを受信するステップと、前記データに対応するフォントデータを記憶部から読み出すステップと、読み出した前記フォントデータに基づき、サーマルヘッドを構成する発熱素子に通電する通電時間を第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンと、第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンと、を生成する印刷パターン生成ステップと、前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンとをシフトして重畳的に合成して、合成印刷パターンを生成する印刷パターン合成ステップと、前記合成印刷パターンの各ドットを、前記第1の通電時間または前記第2の通電時間のいずれかに基づいて通電する通電ステップと、を含むことを特徴とする。
上記方法により、装飾を施した文字等を印刷することができるサーマルプリンターの印刷制御方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態におけるサーマルプリンターの主要部の機能ブロック図である。
【図2】「加色」タイプの感熱紙の温度特性の一例である。
【図3】本実施形態におけるサーマルプリンターの印刷制御方法の手順を説明するフローチャートである。
【図4】第2の印刷パターンを右方向にシフトさせて合成する一例を示す模式図であり、(a)第1の印刷パターン、(b)第2の印刷パターン、(c)合成印刷パターン、(d)印刷結果である。
【図5】第2の印刷パターンを左方向にシフトさせて合成する一例を示す模式図であり、(a)第1の印刷パターン、(b)第2の印刷パターン、(c)合成印刷パターン、(d)印刷結果である。
【図6】第2の印刷パターンを下方向にシフトさせて合成する一例を示す模式図であり、(a)第1の印刷パターン、(b)第2の印刷パターン、(c)合成印刷パターン、(d)印刷結果である。
【図7】第2の印刷パターンを上方向にシフトさせて合成一例を示す模式図であり、(a)第1の印刷パターン、(b)第2の印刷パターン、(c)合成印刷パターン、(d)印刷結果である。
【図8】発熱素子への通電時間の違いを模式的に示す図であり、(a)第1の通電時間と(b)第2の通電時間である。
【図9】蓄熱がある場合の発熱素子の温度上昇を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るサーマルプリンターの実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るサーマルプリンター1は、サーマルヘッド2と、パターン制御部3と、通電制御部4と、を有する。なお、サーマルプリンター1は、ホストコンピューター100と通信接続可能に構成されている。
【0018】
サーマルプリンター1に用いられる感熱紙には、単一の色しか発色しない「モノクロ」タイプのものがあるが、加える温度の違いにより異なる色が発色する「2色」タイプのものもある。「2色」タイプの感熱紙は、高温が加えられた場合に黒色に発色し、低温が加えられた場合に赤色や青色に発色する、いわゆる「加色」と称されるタイプのものと、高温が加えられた場合に赤色や青色に発色し、低温が加えられた場合に黒色に発色する、いわゆる「消色」と称されるタイプのものとがある。図2は、「加色」タイプの感熱紙の温度特性の一例である。例えば図2に示すように、発熱素子の温度がT1(例えば70℃)以上になると赤(青)色が発色し、T2(例えば120℃)以上になると黒色に発色する。
【0019】
通電制御部4が発熱素子に通電する通電時間を制御することにより、その通電時間に応じてサーマルヘッド2の発熱素子の温度が上昇する。本実施形態では、上記「モノクロ」タイプの感熱紙の場合、発熱素子の温度の違いに応じて感熱紙に印刷されるドットの階調表現ができる。また、上記「2色」タイプの感熱紙の場合は、発熱素子の温度の違いに応じて、発色する色を変えることができる。
【0020】
パターン制御部3は、フォントデータ読み出し部10と、印刷パターン生成部20と、印刷パターン合成部30と、合成印刷パターン記憶部31とを備える。
【0021】
フォントデータ読み出し部10は、受信部11と、フォントデータ記憶部12とを備える。受信部11は、図示しない通信インタフェース、受信バッファ及びコマンド解析部などを備えており、受信したデータから、印刷する文字コードデータを得る。フォントデータ記憶部12は、各文字のフォントデータが格納されているROM等のメモリーで構成されている。そして、フォントデータ読み出し部10は、受信した文字コードデータに対応するフォントデータをフォントデータ記憶部12から読み出して、印刷パターン生成部20へ送信する。
【0022】
印刷パターン生成部20は、第1の印刷パターン記憶部21と第2の印刷パターン記憶部22とを備える。第1の印刷パターン記憶部21及び第2の印刷パターン記憶部22は、フォントデータ読み出し部10から送信されたフォントデータを印刷パターン(印刷する文字のドットパターン)として一時的に記憶するRAM等のバッファメモリーで構成される。印刷パターン生成部20は、第2の印刷パターンを上下左右のいずれかの方向に1ドット分シフトして第2の印刷パターン記憶部22に記憶する。
【0023】
第1の印刷パターン記憶部21から読み出された第1の印刷パターンと、第2の印刷パターン記憶部22から読み出された第2の印刷パターンは印刷パターン合成部30へ送信される。そして、印刷パターン合成部30は、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとを合成した合成印刷パターンを生成する。
【0024】
印刷パターン合成部30は、合成印刷パターンを構成するドットのうち、第1の印刷パターンを構成するドットと第2の印刷パターンを構成するドットが重畳した部位は、第1の通電時間または第2の通電時間のいずれかに設定する。例えば、上記重畳した部位は、第1の通電時間に設定する等、いずれかの通電時間に基づいた通電時間に設定する。
【0025】
合成印刷パターン記憶部31は、上記のように印刷パターン合成部30で合成された合成印刷パターンを一時的に記憶する。合成印刷パターン記憶部31に記憶された合成印刷パターンは、通電制御部4がサーマルヘッド2の発熱素子に通電する通電時間を制御して印刷される。
【0026】
次に、図を参照して本実施形態に係るサーマルプリンターの印刷制御方法の手順の一例を説明する。
【0027】
図3のフローチャートに示すように、サーマルプリンター1の受信部11は、ホストコンピューター100から送信された文字コードを含む印刷データを受信する(ステップS1)。
【0028】
次に、フォントデータ読み出し部10は、受信した文字コードに対応するフォントデータをフォントデータ記憶部12から読み出す(ステップS2)。
【0029】
印刷パターン生成部20は、読み出したフォントデータに基づき、印刷時の通電時間を第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンを生成し、この第1の印刷パターンを第1の印刷パターン記憶部21に一時的に記憶する(ステップS3)。
【0030】
また、印刷パターン生成部20は、読み出したフォントデータに基づき、印刷時の通電時間を第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンを生成し、この第2の印刷パターンを形成するドット形成部位を、例えば図4〜図7に示すように、上下左右のいずれかの方向に1ドット分シフトさせて、第2の印刷パターンを第2の印刷パターン記憶部22に一時的に記憶する(ステップS4)。
【0031】
右方向にシフトする場合は、図4の(b)に示すように、第2の印刷パターンを形成するドット形成部位を右に1ドット分シフトする。
また、左方向にシフトする場合は、図5の(b)に示すように、第2の印刷パターンを形成するドット形成部位を左に1ドット分シフトする。
また、下方向(紙送り方向)にシフトする場合は、図6の(b)に示すように、第2の印刷パターンを形成するドット形成部位を下方向(紙送り方向)に1ドット分シフトする。
また、上方向にシフトする場合は、図7の(b)に示すように、第2の印刷パターンを形成するドット形成部位を上方向に1ドット分シフトする。
【0032】
次に、印刷パターン合成部30は、第1の印刷パターン記憶部21に記憶されている第1の印刷パターンと、第2の印刷パターン記憶部22に記憶されている第2の印刷パターンとをそれぞれ読み出して合成し合成印刷パターン(図4〜図7の(c))を生成する。生成した合成印刷パターンは、合成印刷パターン記憶部31へ記憶する(ステップS5)。
合成印刷パターンにおいて、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとが重なったドット形成部位は、通電時間を第1の通電時間に設定する。例えば、図4の合成印刷パターンでは、第1の印刷パターンと第2の印刷パターンとが重なった4箇所のドット形成部位(図4のGの部分)における通電時間を第1の通電時間に設定する。
【0033】
そして、合成印刷パターンに基づいてドットを形成する場合には、サーマルヘッド2の発熱素子に対し、所定の時間通電する。即ち図8に示すONの期間((a)第1の通電時間ts1または(b)第2の通電時間ts2)に通電され、発熱素子の温度が上昇する。印刷する感熱紙が「モノクロ」タイプの場合は、通電時間の長さに応じて、感熱紙に形成されるドットの濃度が変化する。図8の(b)に示す第2の通電時間ts2を、図8の(a)に示す第1の通電時間ts1よりも短い通電時間とすることにより、第2の通電時間により形成されるドットは、第1の通電時間により形成されるドットよりも濃度が薄くなる。
【0034】
また、印刷する感熱紙が「2色」タイプの感熱紙である場合は、第1の通電時間を第1色(例えば黒)の発色に対応した発色温度となるのに十分な通電時間とし、第2の通電時間を第2色(例えば赤)の発色に対応した発色温度となるのに十分な通電時間とすれば、第1色(例えば黒)の文字の周囲のいずれかを第2色(例えば赤)で装飾することができる。
【0035】
また、図9に示すように、同じ発熱素子に対し連続して通電する場合には、2回目の通電時は、発熱素子に蓄熱があるので、温度が下がりきる前に再び加熱が開始される。よって、発熱素子に蓄熱が無い場合に比べて、2回目の通電時間(第2の通電時間ts2)をより短くすることができる。
【0036】
合成印刷パターン記憶部31に記憶された合成印刷パターンは、通電制御部4がサーマルヘッド2の発熱素子に通電する通電時間を制御して印刷される(ステップS6)。感熱紙上に、例えば、図4〜図7における(d)印刷結果のように印刷される。
【0037】
このように、サーマルヘッド2がラインサーマルヘッドであり、図6に示すように、下方向(紙送り方向)にシフトして印刷する場合、図9で示したような、蓄熱を利用した印刷をすることができる。よって、紙送り方向にシフトして合成する場合に第2の通電時間は、蓄熱を利用しない場合に比べて通電時間を短縮できる。
【0038】
このように第2の通電時間を第1の通電時間より短い通電時間として、重なった印刷パターンのドットは第1の通電時間とすることにより、「モノクロ」タイプの感熱紙の場合、印刷する文字の周囲のいずれかに影となる濃度が薄い階調で装飾した影付き文字を印刷できる。あるいは、「2色」タイプの感熱紙の場合、印刷する文字の周囲のいずれかを異なる色で装飾した影付き文字を印刷できる。
【0039】
なお、上述のシフト方向は、右下、左下、右上、左上などでもよい。さらに、同時に2方向など、同時に複数方向にシフトさせて合成した印刷パターンでもよい。
なお、文字の線幅は複数ドットによる太い線幅であってもよく、この場合、例えば線幅のドット分以上のシフトを行うようにすることで、線幅が太い文字であっても同様にして影付き文字等の装飾された文字を印刷できる。
【0040】
また、上述の実施の形態においては、サーマルヘッド2は、発熱素子をライン状に配列したラインサーマルヘッドとしたが、サーマルヘッド2は紙送り方向に直交する方向に走査可能に構成されているものであってもよい。このようなサーマルヘッドである場合、発熱体を紙送り方向に直交する方向に走査することによって、所定数のドットが印刷される。そして、図示しない紙送りモータによって紙送りがなされて、発熱体は再び紙送り方向に直交する方向に走査して同様に所定数のドットが印刷される。これを繰り返すことにより、合成印刷パターン記憶部31に記憶された合成印刷パターンが全て印刷される。これにより、影付き文字等の装飾された文字が印刷できる。
【0041】
上記のように、サーマルヘッドが紙送り方向に直交する方向に走査可能に構成されている場合は、第1の印刷パターンに対して第2の印刷パターンを紙送り方向に直交する方向、即ち発熱体を走査する方向(例えば、右方向)にシフトして合成する場合に、前述の図9で示したような、蓄熱を利用した印刷をすることができる。よって、上記発熱体を走査する方向にシフトして合成する場合に第2の通電時間は、蓄熱を利用しない場合に比べて通電時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0042】
1:サーマルプリンター、2:サーマルヘッド、3:パターン制御部、4:通電制御部、10:フォントデータ読み出し部、11:受信部、12:フォントデータ記憶部、20:印刷パターン生成部、21:第1の印刷パターン記憶部、22:第2の印刷パターン記憶部、30:印刷パターン合成部、31:合成印刷パターン記憶部、100:ホストコンピューター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルヘッドを構成する発熱素子に通電する通電時間を制御する通電制御部と、
フォントデータを記憶する記憶部と、
前記フォントデータを前記記憶部から読み出すフォントデータ読み出し部と、
読み出された前記フォントデータに基づき、少なくとも、第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンと、前記第1の通電時間とは異なる第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンと、を生成する印刷パターン生成部と、
前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンとをシフトして重畳的に合成して、合成印刷パターンを生成する印刷パターン合成部と、
を備え、
前記合成印刷パターンを構成する各ドットを、少なくとも、前記第1の通電時間または前記第2の通電時間のいずれかに基づいて通電することを特徴とするサーマルプリンター。
【請求項2】
感熱紙の異なる発色に対応した発色温度となるように、前記第1の通電時間と前記第2の通電時間とを設定することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンター。
【請求項3】
前記第2の通電時間は、前記第1の通電時間より短い通電時間であり、前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンの重なった印刷パターンの部位は前記第1の通電時間を優先して通電することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンター。
【請求項4】
前記サーマルヘッドは、前記発熱素子をライン状に配列したラインサーマルヘッドであり、
印刷パターン合成部は、前記第1の印刷パターンに対して前記第2の印刷パターンを紙送り方向を含む方向にシフトして合成することを特徴とする請求項2又は3に記載のサーマルプリンター。
【請求項5】
前記サーマルヘッドは紙送り方向に直交する方向に走査可能に構成されており、
印刷パターン合成部は、前記第1の印刷パターンに対して前記第2の印刷パターンを紙送り方向にほぼ直交する方向を含む方向にシフトして合成することを特徴とする請求項2又は3に記載のサーマルプリンター。
【請求項6】
前記合成印刷パターンの印刷結果は、前記フォントデータを印刷したフォントの周囲を装飾したものであることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載のサーマルプリンター。
【請求項7】
フォントを指定するデータを受信するステップと、
前記データに対応するフォントデータを記憶部から読み出すステップと、
読み出した前記フォントデータに基づき、サーマルヘッドを構成する発熱素子に通電する通電時間を第1の通電時間に設定した第1の印刷パターンと、第2の通電時間に設定した第2の印刷パターンと、を生成する印刷パターン生成ステップと、
前記第1の印刷パターンと前記第2の印刷パターンとをシフトして重畳的に合成して、合成印刷パターンを生成する印刷パターン合成ステップと、
前記合成印刷パターンの各ドットを、前記第1の通電時間または前記第2の通電時間のいずれかに基づいて通電する通電ステップと、
を含むことを特徴とするサーマルプリンターの印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−148097(P2011−148097A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8811(P2010−8811)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】