説明

シェル体

【解決手段】 本発明は、頭髪処理剤、特に頭髪染色製品を混合するためのシェル体に関し、このシェル体が、底部2、開口部4を形成する周囲に延在する壁部3、および、製品識別体のため、特にこの頭髪処理剤の周囲包装の部材のための保持部6を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪処理剤、特に頭髪染色製品を混合するためのシェル体であって、このシェル体が、
底部、開口部を形成する周囲に延在する壁部、および、製品識別体のため、特にこの頭髪処理剤の周囲包装(Umverpackung)の部材のための保持部を有する様式の上記シェル体に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪を、例えば保護剤、薬剤、脱色剤、または頭髪染色剤もしくは調色剤のような、混合されるべき頭髪処理剤でもって処理することは、しばしば必要であり、及び/または所望される。この目的で、プロフェショナルの分野において、大抵、リサイクル可能な合成物質から成る使い捨てシェル体が使用される。
【0003】
従って、頭髪の染色の際に、プロフェショナルの分野において、しばしば、異なる色彩のニュアンス、および色相でもって作業される。その際、概観を、混ぜ合わされた異なる色彩混合を介して保持することが必要である。このことは、しかしながら、しばしば困難性をもたらす。何故ならば、製品が、しばしば類似の外観を有しているからである。
このような様式の装置に関して、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の根底をなす課題は、そのシェル体内において、頭髪処理剤、特に頭髪染色製品が混合され得、且つ、そのシェル体が、そのシェル体内における混合された製品の容易な識別を許容する、該シェル体を提供することである。それに加えて、このシェル体は、頭髪処理剤の正確な混合を、適量以上の配分無しに許容すべきである。同様にこのシェル体は、簡単に貯蔵、および製造され得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1において与えられた発明によって解決される。
【発明の効果】
【0006】
頭髪処理剤、特に頭髪染色製品のための本発明によるシェル体は、底部、開口部を形成する周囲に延在する壁部を有している。付加的に、このシェル体は、この頭髪処理剤、特に頭髪染色製品の周囲包装の部材のための(製品識別体のための)保持部を備えており、従って、理髪師が、製品の周囲包装の識別された部片を、このシェル体に固定可能である。この部片は、大抵、例えば色彩のニュアンスまたは色相を与える包装の部材である。
【0007】
比較的に簡単な固定のために、保持部は、この目的で、有利には、クランプ装置として形成されている。このクランプ装置は、種々の形態を採用可能である。従って、例えば、
小さな鰐口クランプまたはこれに類する物が、このシェル体に付着されていることも可能である。
【0008】
特に、しかしながら、保持部即ちクランプ装置が、シェル体の一体的な構成要素である場合、即ち1つの部材から成るようにこのシェル体と形成されている場合に有利である。
【0009】
1つの実施形態において、シェル体は、少なくとも、開口部の領域の周囲において、縁部を有している。この縁部は、この開口部の周囲に延在する縁部であり、その際、この縁部が、同様にこの開口部を、完全に、またはただ部分的だけに囲繞していることは可能である。有利には、この場合、クランプ装置は、この縁部によって形成されている。従って、シェル体と一緒のこのクランプ装置の簡単な製造が可能である。
【0010】
特に、縁部は、クランプ装置の形成のために、残りの縁部の面に対して、2つのスリットによって分離された可撓性の舌状片を有している。その場合に、製品識別体は、事務用クリップの様式で、この舌状片と縁部との間で挟み込まれる。
【0011】
舌状片が、残りの縁部の面に対して位置ずれされている場合、比較的に厚い材料(例えば、厚紙)から成る周囲包装の部材は、製品識別体として挿入、もしくは挟み込みされる。同様にこの舌状片は、その場合に折れない。有利には、この舌状片の位置ずれは、ほぼこの縁部の厚さ、即ちこの縁部の材料厚さ、または差し込まれる得る識別体に相応している。この縁部を製造するための材料が、使用される厚さにおいて弾性的であり、従って、折り取りの危険が少なくとも回避されている場合、それに加えて有利である。同様に、舌状片が、縁部へと上昇し、且つ従ってこの位置ずれを軽微に最低限に抑える場合、良い影響がもたらされる。
【0012】
更に別の実施形態により、縁部は、少なくとも2つの異なる幅の領域を有している。一方の領域は、小さな幅を有し、且つ、他方の領域が、より大きな幅を有している。このより大きな幅の領域は、その場合に、グリップとして使用され得る。有利には、同じ幅の領域が、開口部の相対して位置している側に設けられている。その際、クランプ装置は、より大きな幅を有する領域内において設けられていることは可能である。
【0013】
縁部が、良好にグリップ可能であるために、この縁部は、軽微に湾曲されて構成されていることは可能である。従って、この縁部は、例えば、凸状、または凹状に形を整えられており、即ち、この縁部が、このシェル体の開口部を出発点として、僅かに下方または上方へと湾曲されている。
【0014】
シェル体の底部が、内方へと陥入されている場合、製品をこのシェル体から完全に取出すことは、比較的に簡単である。
【0015】
滑り防止のために、底部は、下側面に、ゴム要素、またはこれに類する物を備え付けられている。
【0016】
有利には、シェル体の壁部の内側面は、分量スケールを、このシェル体の中身のために備え付けられており、従って、混合されるべき製品が、付加的な補助無しに、このシェル体自体内において、測定、もしくは適量の配分がされ、且つ、完成した状態に混合される。段階付けが、2重に、この内側面に設けられていることは有意義である。この分量スケールは、有利な方法で、このシェル体の製造の際に、この壁部の内側面内へと形成される。従って、例えば、これらスケールは、製造の際に、型をとって造られ、または型押し込みされる。
【0017】
有利には、上記されたシェル体は、このシェル体が積み重ね可能であるように、即ち、多数のシェル体が、互いに差し込まれた状態において、個別に配設されたシェル体よりも僅かの空間を要求する積み重ね体を形成するように、寸法を設定され、且つ形を整えられている。
【0018】
本発明の更なる特徴、詳細および利点は、図に基づく実施例の以下の説明から与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図内において図示された、頭髪染色剤を混合するためのシェル体は、全体として、符号1でもって参照符号を付けられており、且つ、底部2、および、この底部から上方へと広がる、周囲に延在する壁部3から形成されている。この全シェル体1、およびこのシェル体の構成要素は、1つの部材から成るように、僅かな強度、もしくは厚さの適当な合成物質材料から、例えば、合成物質薄板からの深絞り、または合成物質粒状物質からの射出成形によって製造されている。
【0020】
底部2は、ほぼ円形の断面を有している。壁部3は、従って断面で見て、ほぼ逆立ちしている円錐台の形状を有している(図5参照)。
【0021】
底部2は、その際、内方へと陥入されており、且つ、断面において、ほぼ凸状の形状を有しており、従って、シェル体内における頭髪染色剤が、この底部に対して傾斜された状態で、この底部2と壁部3との間の移行部の領域内において集められる(anzusammeln)。このことは、簡単な、且つ可能な限り完全な取出しを許容する。この底部2は、下側面内において、周囲に延在する溝部13を有しており、この溝部内へと、ゴム製挿入体12が挿入されており、従って、このシェル体1は、混合の際に、滑って位置がずれることはない。
【0022】
壁部3は、上側面において、同様にほぼ円形の断面を有する開口部4を形成している。この開口部4から、外方へと、周囲を取り囲んでいる縁部5が延在しており、この縁部は、外方へと、逓増する状態で軽度に上方へと湾曲されている。
【0023】
縁部5は、異なる厚さの領域を有している。同じ厚さの領域は、その際、開口部4の相対して位置している側面に存在している。比較的に大きな幅を有する2つの領域9は、図2内において見て、それぞれに、左側および右側に位置しており、および、比較的に小さな幅を有する2つの領域10が、この図2において見て、上側および下側に位置している。上方への軽度の湾曲に基づいて、これら比較的に大きな幅を有する領域9は、良好に、手でもって掴むことが可能であり、且つ、グリップ部として役割を果たす。この目的で、これら領域9は端側面14を備え付けられており、これら端側面が、それぞれに1つの、軽度にこの開口部4に向かって湾曲された縁部を有している。
【0024】
縁部5内において、頭髪染色剤の周囲包装のための部材のクランプ装置の様式の保持部6が形成されている。この目的で、有利には、周囲包装のための部材が使用され、この部材の上に、色彩のニュアンス、または色相の記載事項が表示されている。この部材、大抵、厚紙から成る小さな矩形体は、このクランプ装置内へとクリップの様式で挟み込まれ、従って、これら記載事項は、上方から良好に目視可能である。
【0025】
図示された実施例において、これら領域9の内の1つの領域の保持部6は、比較的に大きな幅を有して設けられている。この保持部は、尖っていない端側面14と領域10との間で、比較的に小さな幅を有しており、従って、シェル体1を、それにも拘らず良好に掴むことが可能である。
【0026】
保持部6は、可撓性の舌状片7によって形成されており、この舌状片が、2つのスリット8によって、残りの縁部5から分離されており、且つ、この残りの縁部の面11に対して、下方へと底部2に向かって位置ずれされている。この残りの縁部5に対する舌状片7の位置ずれは、ほぼ、この縁部5の厚さ、即ち、この縁部5の領域内において使用されている材料の厚さに相応している。この舌状片7は、従って、ただ「屈曲された」領域15だけを介して、可撓的に残りの縁部5と結合されており、しかしながら、この残りの縁部と1つの部材から成るように形成されている。従って、この舌状片は、軽微な押圧のもとで、厚紙から成る矩形体の挟み込みの際に、下方へと、底部2の方向において撓み可能であり、且つ、この厚紙部片が、弾性的に、自体と縁部5との間に、屈折すること無く挟み込まれ得る。
【0027】
壁部3の内側面に、更に、分量スケール16が型押し込みされており、この分量スケールは、頭髪染色剤の測定、適量の配分、および希釈を、更に別の補助手段無しに許容する(図1および5参照)。この分量スケールは、シェル体1の製造の際に、型押し込みされる。
【0028】
図5内において、シェル体1が、このシェル体1が、例えば保管および包装のために、良好な空間利用のもとで、同じ大きさおよび形態の更に別のシェル体の上に、積み重ね可能であるように寸法を設定されており、且つ形を整えられていることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】斜め上からの、本発明のシェル体の透視図である。
【図2】上からの、図1のシェル体の平面図である。
【図3】下からの、図1のシェル体の平面図である。
【図4】図3内における線IV−IVに沿っての、断面の側面図である。
【図5】図2内における線V−Vに沿っての、断面図における、図1の2つのシェル体の積み重ねの図である。
【符号の説明】
【0030】
1 シェル体
2 底部
3 壁部
4 開口部
5 縁部
6 保持部
7 舌状片
8 スリット
9 領域
10 領域
11 縁部の面
12 ゴム製挿入体
13 溝部
14 端側面
15 屈曲された領域
16 分量スケール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭髪処理剤、特に頭髪染色製品を混合するためのシェル体であって、このシェル体が、
底部(2)、開口部(4)を形成する周囲に延在する壁部(3)、および、製品識別体のため、特にこの頭髪処理剤の周囲包装の部材のための保持部(6)を有することを特徴とするシェル体。
【請求項2】
保持部(5)は、クランプ装置(5、7、8)として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシェル体。
【請求項3】
保持部(6)は、シェル体(1)の一体的な構成要素であることを特徴とする請求項1または2に記載のシェル体。
【請求項4】
少なくとも開口部(4)の領域の周囲において、縁部(5)を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項5】
縁部は、開口部(4)の周囲に延在する縁部(5)であることを特徴とする請求項4に記載のシェル体。
【請求項6】
縁部(5)は、開口部(4)を、完全に囲繞していることを特徴とする請求項5に記載のシェル体。
【請求項7】
クランプ装置(5、7、8)は、縁部(5)によって形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項8】
縁部(5)は、クランプ装置(5、7、8)の形成のために、残りの縁部の面(11)に対して、2つのスリット(8)によって分離された可撓性の舌状片(7)を有していることを特徴とする請求項7に記載のシェル体。
【請求項9】
舌状片(7)は、残りの縁部(5)の面(11)に対して位置ずれされていることを特徴とする請求項8に記載のシェル体。
【請求項10】
舌状片(7)の位置ずれは、ほぼ縁部(5)の厚さに相応していることを特徴とする請求項9に記載のシェル体。
【請求項11】
縁部(5)を製造するための材料は、使用される厚さにおいて弾性的であることを特徴とする請求項4から10のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項12】
縁部(5)は、少なくとも2つの異なる幅の領域(9、10)を有していることを特徴とする請求項4から11のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項13】
クランプ装置(5、7、8)は、より大きな幅を有する領域(9)内において設けられていることを特徴とする請求項12に記載のシェル体。
【請求項14】
同じ幅の領域(9;10)は、開口部(4)の相対して位置している側に設けられていることを特徴とする請求項12または13に記載のシェル体。
【請求項15】
縁部(5)は、軽微に湾曲されて構成されていることを特徴とする請求項4から14のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項16】
シェル体(1)の底部(2)は、内方へと陥入されていることを特徴とする請求項4から15のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項17】
底部(2)は、下側面において、ゴム要素(12)を備え付けられていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項18】
壁部(3)の内側面は、少なくとも1つの分量スケール(16)を、中身のための備え付けられていることを特徴とする請求項1から17のいずれか一つに記載のシェル体。
【請求項19】
分量スケール(16)は、この分量スケールが、シェル体(1)の製造の際に、壁部の内側面内へと形成されるように構成されていることを特徴とする請求項18に記載のシェル体。
【請求項20】
シェル体は、このシェル体が積み重ね可能であるように寸法を設定され、且つ形を整えられていることを特徴とする請求項1から19のいずれか一つに記載のシェル体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−522774(P2008−522774A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545855(P2007−545855)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012316
【国際公開番号】WO2006/066670
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(397040937)ヘンケル・コマンデイトゲゼルシャフト・アウフ・アクティーン (9)
【Fターム(参考)】