説明

シェード装置

【課題】シェードの引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウを遮蔽すること。
【解決手段】巻取装置30と、ウインドウ1を部分的に遮蔽可能で、巻取装置30に引出収納可能に取付けられた主シェード20と、ウインドウ1のうち主シェード20により遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェード60と、副シェード60を、主シェード20の引出収納動作に連動させて、主シェード20の引出収納方向Pと異なる方向に進退動作させる連動機構70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車等の車両のウインドウに用いられるシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、台形の窓ガラスに用いられる自動車用窓ブラインドが開示されている。この自動車用窓ブラインドは、横方向に延伸可能なブラインドシートを有し、不使用時にブラインドシートがルーフ側(窓ガラスの短辺側)に収納され、ブラインドシートがウインドシル側(窓ガラスの長辺側)に引き出されると、ブラインドシートが横方向に弾性的に延ばされて窓ガラスの形状に適応するように構成されている。より具体的には、ブラインドシートの横縁に設けられた引張棒がガイドレールに案内され、すなわち、引張棒の両端片がガイドレールの案内溝内を移動されることにより、ブラインドシートが引出収納される。そして、ブラインドシートの縦縁に沿って縫着されたストリップが、ガイドレールの案内溝と平行に延びる別の溝内を移動されることにより、ブラインドシートが引出収納動作に伴って幅方向に伸縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−120558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の自動車用窓ブラインドは、上記のように、ウインドウ(窓ガラス)の形状に適応するように、シェード(ブラインドシート)が幅方向に伸縮されるため、引出状態において、シェードにしわ、弛み等が発生する恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、シェードの引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウを遮蔽することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ウインドウを遮蔽するためのシェード装置であって、巻取装置と、前記ウインドウを部分的に遮蔽可能で、前記巻取装置に引出収納可能に取付けられた主シェードと、前記ウインドウのうち前記主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェードと、前記副シェードを、前記主シェードの引出収納動作に連動させて、前記主シェードの引出収納方向と異なる方向に進退動作させる連動機構とを備える。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係るシェード装置であって、前記主シェードの引出側端部に取付けられた引出部材を備え、前記連動機構は、前記引出部材の前記引出収納方向の移動動作を前記副シェードの進退方向の移動動作として変換可能に構成されている。
【0008】
第3の態様は、第2の態様に係るシェード装置であって、前記連動機構は、前記引出部材の端部に連結され、前記引出部材の端部の移動方向に沿って延在するメイン側ラック部材と、前記副シェードに設けられ、前記副シェードの進退方向に沿って延在するサブ側ラック部材と、前記メイン側ラック部材の移動動作を前記サブ側ラック部材の移動動作として変換する少なくとも1つの歯車を有する変換機構とを有している。
【0009】
第4の態様は、第3の態様に係るシェード装置であって、前記サブ側ラック部材は、複数の歯部が弧状に並ぶように形成されている。
【0010】
第5の態様は、第3の態様に係るシェード装置であって、前記連動機構は、前記副シェードの進退方向に沿って延在し、前記サブ側ラック部材に対して間隔をあけて対向するように前記副シェードに設けられた他方のサブ側ラック部材を有し、前記変換機構は、前記メイン側ラック部材の移動動作を前記サブ側ラック部材の移動動作として変換する第1歯車部材と、前記第1歯車部材の回転動作を前記他方のサブ側ラック部材の移動動作として変換する第2歯車部材とを有している。
【0011】
第6の態様は、第5の態様に係るシェード装置であって、前記連動機構は、前記副シェードの主シェード側端縁部が進出位置で前記主シェードの側辺部に沿うように、前記第1歯車部材による前記サブ側ラック部材の移動量と前記第2歯車部材による前記他方のサブ側ラック部材の移動量とが異なる移動量となるように構成されている。
【0012】
第7の態様は、第6の態様に係るシェード装置であって、前記サブ側ラック部材の複数の歯部及び前記他方のサブ側ラック部材の複数の歯部は、前記サブ側ラック部材及び前記他方のサブ側ラック部材のうち大きく移動される一方側に向けて凸となる対応する弧状に並べられている。
【0013】
第8の態様は、第1〜7の態様に係るシェード装置であって、前記副シェードは、前記ウインドウのうち前記メインシェードにより遮蔽される部分の両側方の部分を遮蔽可能に一対設けられ、前記連動機構は、前記一対の副シェードをそれぞれ進退動作させるように一対設けられている。
【0014】
第9の態様は、第1〜8の態様に係るシェード装置であって、前記副シェードは、遮光性を有する部材で形成されている。
【発明の効果】
【0015】
第1の態様に係るシェード装置によると、ウインドウのうち主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェードを、主シェードの引出収納動作に連動させて、主シェードの引出収納方向と異なる方向に進退動作させるため、主シェードを伸縮変形させることを省略して、主シェードにより遮蔽しきれない部分を副シェードにより遮蔽することができる。これにより、主シェードの引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウを遮蔽することができる。
【0016】
第2の態様に係るシェード装置によると、連動機構が、主シェードの引出側端部に取付けられた引出部材の引出収納方向の移動動作を、副シェードの進退方向の移動動作として変換可能に構成されているため、より主シェードの引出収納動作に対応して副シェードを進退動作させることができる。
【0017】
第3の態様に係るシェード装置によると、引出部材の端部の移動方向に沿って延在するメイン側ラック部材の移動動作が、少なくとも1つの歯車を有する変換機構により、副シェードの進退方向のサブ側ラック部材の移動動作として変換される。すなわち、引出部材の移動動作がメイン側ラック部材と変換機構の歯車とサブ側ラック部材との噛み合いにより副シェードの移動動作として変換されるため、より確実に主シェードの引出収納動作に連動させて副シェードを進退動作させることができ、また、歯数の設定により自由度をもって副シェードの進退動作を設計することができる。
【0018】
第4の態様に係るシェード装置によると、サブ側ラック部材は、複数の歯部が弧状に並ぶように形成されているため、副シェードを弧状の経路で移動させることができ、副シェードの移動経路をより自由度を持って設計することができる。
【0019】
第5の態様に係るシェード装置によると、他方のサブ側ラック部材がサブ側ラック部材に対して間隔をあけて対向するように副シェードに設けられ、第1歯車部材がメイン側ラック部材の移動動作をサブ側ラック部材の移動動作として変換すると共に、第2歯車部材が第1歯車部材の回転動作を他方のサブ側ラック部材の移動動作として変換するように構成されている。このように、サブ側ラック部材と他方のサブ側ラック部材との間に第1歯車部材及び第2歯車部材が挟まれて噛合った状態で、メイン側ラック部材の移動動作がサブ側ラック部材及び他方のサブ側ラック部材の移動動作として変換されるため、当該噛合いにより副シェードを保持して安定して進退移動させることができる。
【0020】
第6の態様に係るシェード装置によると、連動機構は、副シェードの主シェード側端縁部が進出位置で主シェードの側辺部に沿うように、第1歯車部材によるサブ側ラック部材の移動量と第2歯車部材による他方のサブ側ラック部材の移動量とが異なる移動量となるように構成されているため、副シェードを姿勢変更させることができ、副シェードと主シェードとの隙間を抑制してより確実にウインドウを遮蔽することができる。
【0021】
第7の態様に係るシェード装置によると、サブ側ラック部材の複数の歯部及び他方のサブ側ラック部材の複数の歯部が、サブ側ラック部材及び他方のサブ側ラック部材のうち大きく移動される一方側に向けて凸となる弧状に並べられているため、副シェードをよりスムーズに姿勢変更させることができる。
【0022】
第8の態様に係るシェード装置によると、副シェードが主シェードの両側方を遮蔽可能に一対設けられ、この一対の副シェードをそれぞれ進退動作させる一対の連動機構が設けられているため、幅方向両側に広がるウインドウ等の種々のウインドウ形状に対応して、見栄え良くウインドウを遮蔽することができる。
【0023】
第9の態様に係るシェード装置によると、副シェードが遮光性を有する部材で形成されているため、周りの内装部材と馴染ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】主シェードが収納状態にあるシェード装置の全体平面図である。
【図2】主シェードが引出状態にあるシェード装置の全体平面図である。
【図3】連動機構を示す斜視図である。
【図4】主シェードの収納状態における副シェードの様子を示す図である。
【図5】図4の状態における連動機構の拡大図である。
【図6】主シェードの引出動作中の副シェードの様子を示す図である。
【図7】図6の状態における連動機構の拡大図である。
【図8】主シェードの引出状態における副シェードの様子を示す図である。
【図9】図8の状態における連動機構の拡大図である。
【図10】変形例に係るシェード装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態に係るシェード装置10について説明する(図1、図2参照)。本シェード装置10は、主シェード20及び副シェード60によりウインドウ1を遮蔽するための装置である。すなわち、シェード装置10は、ウインドウ1のうち、主シェード20により遮蔽しきれない部分を、副シェード60により遮蔽するように構成されている。
【0026】
説明の便宜上、シェード装置10を適用するウインドウ1について説明しておく。
【0027】
ここでは、シェード装置10が、自動車のスライドドアに設けられているドアウインドウとしてのウインドウ1に適用される例で説明する。より具体的には、ウインドウ1は、車体の床側から天井側に向けて幅広になる、すなわち、天井側の長辺と床側の短辺とを有する略台形状に形成され、前方側縦枠1a、後方側縦枠1b、天井側横枠1c及び床側横枠1dに囲まれている。特に、図1、図2では、略平行な天井側横枠1c及び床側横枠1dに対して略直交する前方側縦枠1aと、車体の床側から天井側に向けて後方側に傾く後方側縦枠1bとによって囲まれているウインドウ1を示している。
【0028】
本シェード装置10は、このウインドウ1に対して、主シェード20を床側から天井側に向けて引出すようにドアの内装部材であるトリム内に収容される。
【0029】
本シェード装置10は、主シェード20と、巻取装置30と、引出部材40と、ガイドレール50a、50bと、副シェード60と、連動機構70とを備えている。
【0030】
主シェード20は、主としてウインドウ1を覆う部材である。この主シェード20は、メッシュ状の布材、樹脂シート等を裁断、縫製等して、ウインドウ1を部分的に(ここでは、前方側部分を)遮蔽可能な大きさ及び形状に形成されている。そして、主シェード20は、後述する副シェード60と共にウインドウ1を全体的に遮蔽可能である。ここでは、ウインドウ1の前方側部分とは、1つのウインドウ1のうちの主シェード20による遮蔽対象部分であり、ウインドウ1の床側の短辺と前方側の側辺とを有する略矩形の範囲を指すものとする。主シェード20は、このウインドウ1の前方側部分の形状に対応して、ウインドウ1の短辺と略同じ(ここでは僅かに大きい)幅寸法を有する矩形状に形成されている(図2参照)。なお、ウインドウ1のうち、副シェード60による遮蔽対象部分を、前方側部分に対して後方側部分という。
【0031】
もっとも、主シェード20は、上記のようにウインドウ1の形状に対応して形成されていればよく、矩形状の他にも台形等に形成されていてもよい。
【0032】
この主シェード20は、巻取装置30に対して引出収納可能に取り付けられている。巻取装置30は、ベース32と、回転支持部33と、巻取シャフト34等を有している(図1、図2参照)。
【0033】
ベース32は金属板を切断、屈曲等して形成された部材、或いは、金属を押出成形して形成された部材である。また、ベース32は、合成樹脂により形成されていてもよい。このベース32は、ねじ止め等により、ドアトリム、ドアインナーパネル等に固定可能に形成されている。
【0034】
巻取シャフト34は、長尺円筒状部材であり、ベース32に立設された一対の回転支持部33により、軸周りに回転可能に支持されている。この巻取シャフト34の外周面には、その軸方向に沿って主シェード20の一端部が取り付けられている。以下、主シェード20のうち、巻取シャフト34に取り付けられている一端部を収納側端部24といい、当該収納側端部24に対向する端部を引出側端部22という。また、引出側端部22と収納側端部24とを結ぶ端部を側辺部26a、26bという。
【0035】
この巻取シャフト34は、図示省略の付勢部材(コイルバネ等)により、回転支持部33に対して主シェード20を巻き取る向きに回転付勢されている。すなわち、主シェード20は、付勢部材による巻取力より大きい引出力が作用しない状態では、当該巻取力により巻取シャフト34に巻き取られ、当該巻取力より大きい引出力が加えられると巻取シャフト34から引出される。
【0036】
ここでは、巻取装置30は、ウインドウ1の床側に位置し、床側横枠1dを成すトリムの内側に配設されている。前記トリムには、床側横枠1dに沿って主シェード20引出用のスリットが形成されているものとする。そして、この巻取装置30は、ベース32が当該トリム又はドアのインナーパネル等に対して、ネジ止め等により固定されることにより、主シェード20をスリットを通じて引出収納可能な位置に支持される。
【0037】
主シェード20の引出側端部22には、引出部材40が取り付けられている(図1、図2参照)。そして、この引出部材40を巻取シャフト34の軸方向に略直交する方向に移動操作することによって、主シェード20を引出収納することができる。ここで、主シェード20は、車体の床側から天井側に向けてウインドウ1に沿って引き出される。この主シェード20が引出収納される方向が引出収納方向Pである。
【0038】
ここでは、引出部材40を手動で移動操作することにより、主シェード20を引出収納する例で説明し、引出部材40を自動で移動させる構成については後述する。
【0039】
そして、引出部材40を引出収納方向P引出側に移動操作することにより、ウインドウ1の前方側部分は床側から天井側に向けて徐々に遮蔽されていく。主シェード20が前方側部分を全体的に遮蔽した状態を引出状態という。
【0040】
また、引出部材40を移動操作しない(引出力を作用させない)状態では、主シェード20は巻取装置30の巻取力により収納又は収納された状態に維持される。そして、主シェード20が完全に巻き取られた状態、すなわち、ウインドウ1を遮蔽していない状態を収納状態という。なお、主シェード20の収納状態で引出部材40に係止して巻き取り規制する構成が、巻取装置30、ドアトリム又はドアインナーパネル等に設けられているとよい。すなわち、巻取装置30の巻取力により、収納状態からさらに主シェード20が巻き取られることを防ぐための構成である。例えば、当該構成は、引出部材40がスリット内に配設された位置で引出部材40の収納側端部に係止するように設けられているとよい。
【0041】
この引出部材40は、両端部が後述する一対のガイドレール50a、50bによりガイドされて移動されるように設けられている。
【0042】
ここで、ガイドレール50a、50bについて説明しておく。ガイドレール50a、50bは、長手方向に沿ってガイド溝52が形成されている長尺棒状の部材である。このガイドレール50a、50bは、金属板を切断、屈曲等して、或いは、溶融させた金属を押出成形して形成されるとよい。また、ガイドレール50a、50bは、合成樹脂を押出成形して形成されてもよい。
【0043】
一方のガイドレール50aは、前方側縦枠1aに沿ってウインドウ1の前方側のトリム内に配設される。すなわち、一方のガイドレール50aは、引出収納方向Pに沿って配設され、引出状態の主シェード20の一方(車体の前方側)の側辺部26aに略平行な姿勢となる。ここでは、一方のガイドレール50aは、巻取装置30のベース32の一側端部(車体の前方側に位置する側端部)にサイドブラケット92を介して連結されている支持部材93に対して固定されている。この支持部材93は、長尺な板状に形成され、前方側縦枠1aに沿ってウインドウ1前方側のトリム内或いはトリムの一部として配設されている。なお、支持部材93は、トリムの一部として配設される場合には、表面がその周囲の内装部材と同じ又は同種の素材で形成されているとよい。
【0044】
また、他方のガイドレール50bは、後方側縦枠1bに沿ってウインドウ1の後方側のトリム内に配設される。ここでは、他方のガイドレール50bは、巻取装置30のベース32の他側端部(車体の後方側に位置する側端部)にサイドブラケット95を介して連結されている支持部材96に対して固定されている。この支持部材96は、一端側(天井側)が幅広で他端側(床側)に向けて徐々に或いは段階的に幅狭になる長尺な板状に形成され、その両端部に後述する補助ガイド部97が設けられている部材である。そして、支持部材96は、後方側縦枠1bに沿ってウインドウ1の後方側のトリム内に配設されている。なお、この支持部材96の一主面上には、後述する連動機構70の変換機構80が設けられる。
【0045】
もっとも、一対のガイドレール50a、50bは、それぞれ、直接ウインドウ1の前後方のトリムもしくはドアインナーパネル等に固定されてもよい。
【0046】
上記のように、一対のガイドレール50a、50bは、前方側縦枠1a又は後方側縦枠1bに沿って、床側から天井側に向けて徐々に広がるように設けられている。一方、主シェード20は引出収納方向Pに沿って移動操作されるため、主シェード20の引出側端部22に取り付けられている引出部材40は、一対のガイドレール50a、50bの間隔に対応して移動可能なように、その長手方向の寸法を変化可能に構成されている。この引出部材40は、ステイ42と、その両端部に設けられた一対のランナー46a、46bとを有している。
【0047】
ステイ42は、長尺棒状に形成され、その長手方向に伸縮可能に構成されている。このステイ42は、本体部43と進退部44とを有している。本体部43は、長尺筒状或いは一端側に筒状部分を有する長尺部材であり、主シェード20の引出側端部22に固定されている。より具体的には、本体部43は、長手寸法が、主シェード20の引出側端部22と略同寸法に設定され、当該引出側端部22の全体に亘って延在している。この本体部43の一端部には、一方のランナー46aが連結されている。
【0048】
また、進退部44は、一端側部分が本体部43の他端部からその長手方向に進退可能に挿入されている棒状部材である。この進退部44の他端部には、他方のランナー46bが連結されている。
【0049】
ランナー46a、46bは、それぞれ、ガイドレール50a、50bに案内される部分である。すなわち、ステイ42の両端部に連結されているランナー46a、46bが、それぞれガイドレール50a、50bに案内されることにより、主シェード20の引出収納動作に伴ってステイ42がガイドレール50a、50bの間隔に対応して伸縮される。
【0050】
ランナー46a、46bは、それぞれ、ガイドレール50a、50bに対して長手方向に沿って移動可能に嵌合されている。より具体的には、ランナー46a、46bは、ガイドレール50a、50bの各ガイド溝52内に収容可能に形成され、その断面外部形状が、ガイド溝52の断面内部形状より小さく(ここでは、僅かに小さく)設定されている。すなわち、ランナー46a、46bは、各ガイド溝52内を移動することにより、ガイドレール50aの延在方向に沿って案内される。
【0051】
ここで、ステイ42は、ランナー46a、46bが連結されている本体部43の一端部又は進退部44の他端部が、それぞれ、ガイドレール50a、50bの各ガイド溝52の開口を通じて延出された状態で引出収納方向Pに移動操作される。これにより、ガイドレール50a、50b間の距離が大きくなる方向に本体部43が移動されると、他方のランナー46bが本体部43から徐々に離間して進退部44が本体部43内から進出し、ステイ42は伸長される(図2参照)。また、ガイドレール50a、50b間の距離が小さくなる方向に本体部43が移動されると、他方のランナー46bが本体部43に徐々に近接して進退部44が本体部43内に退避し、ステイ42は短縮される(図1参照)。
【0052】
引出部材40は、例えば、本体部43と一方のランナー46aとが一体部材として射出成型されると共に、進退部44と他方のランナー46bとが一体部材として射出成型されて組み合わされることにより構成されているとよい。他にも、引出部材40は、本体部43、進退部44及び一対のランナー46a、46bがそれぞれ別々の部材として射出成型され、組み合わされてもよい。
【0053】
また、引出部材40は、主シェード20の引出状態で、引出収納方向P収納側に移動を規制されるように構成されているとよい。例えば、そのような構成としては、本体部43を引掛け可能な構成、一対のランナー46a、46bをガイドレール50a、50bの先端部で保持する構成等を採用することができる。
【0054】
もっとも、引出部材40は、上記構成に限られるものではない。本体部と進退部とは、ステイ全体として長手方向に伸縮可能であればよく、長手方向に直交する方向において相対移動不能に凹凸嵌合する部材同士であってもよい。また、一対のランナーは、ステイの両端部に対して相対回転可能に連結されていてもよい。さらに、本体部43の両側に進退部が進退可能に設けられ、一対の進退部に一対のランナーがそれぞれ連結されていてもよい。
【0055】
上述したように、巻取装置30がウインドウ1の短辺側でトリム内に配設される場合、ドア内のスペース上、当該短辺に対してより幅広な巻取装置30を配設することが困難なこともある。本シェード装置10は、ウインドウ1の短辺に対応した(幅寸法が略同じ)主シェード20を採用しているため、当該主シェード20の側方でウインドウ1を遮蔽できない部分が生じる。そこで、本シェード装置10は、遮蔽対象となる1つのウインドウ1について、主シェード20の側方を副シェード60により遮蔽するように構成されている。
【0056】
副シェード60は、ウインドウ1のうち、主シェード20により遮蔽される部分の側方部分(ウインドウ1の後方側部分)を遮蔽可能に形成されている(図2参照)。すなわち、副シェード60は、主シェード20と共にウインドウ1を全体的に遮蔽可能に形成された部材である。
【0057】
より具体的には、副シェード60は、ウインドウ1の後方側部分を遮蔽可能な大きさ及び形状で、且つ、引出状態の主シェード20に沿って配設可能な扁平形状に形成されている。ここでは、副シェード60は、略三角形の後方側部分に対応して、一端側(天井側)が幅広で他端側(床側)に向けて徐々に(或いは段階的に)幅狭になる形状に形成されている。そして、この副シェード60のうち車室内側に向けられる表側部分は、滑らかな平面状或いは曲面状(ただし、引出状態の主シェード20又は内装部材に沿うような曲面状)に形成されている。
【0058】
また、副シェード60は、主シェード20の他方の側辺部26bの形状に対応した形状(ここでは直線状)の主シェード側端縁部62を有している。そして、副シェード60は、引出状態の主シェード20の他方の側辺部26bに対して主シェード側端縁部62が沿う形態で、ウインドウ1の後方側部分を遮蔽するようになっている。ここで、主シェード20の他方の側辺部26bに対して主シェード側端縁部62が沿う形態とは、副シェード60の主シェード側端縁部62が、他方の側辺部26bに対してウインドウ1に直交する方向に重なる形態、或いは、他方の側辺部26bに対して突き合わされる形態(ここでは前者)である。
【0059】
また、副シェード60は、遮光性を有している。すなわち、副シェード60の裏側部分には、後述する一対のサブ側ラック部材76、77が設けられるため、車室内側から当該一対のサブ側ラック部材76、77が見えることを避けるため、遮光性を有する部材で形成されている。さらに、副シェード60は、その表面が、ウインドウ1の周囲の内装部材と馴染むように、当該内装部材と同じ或いは同種の素材で形成されていてもよい。
【0060】
ここでは、副シェード60は、合成樹脂等で成形された板状部材に遮光性を有するシート部材が被せられて構成されている。もっとも、副シェード60は、枠状部材にシート部材が被せられて構成されていてもよいし、前記板状部材そのものであってもよい。なお、この副シェード60のうち一対のサブ側ラック部材76、77が設けられる部分には、板状部材が用いられているとよい。このように、副シェード60が、独立してウインドウ1の後方側部分を遮蔽可能な形状に形成されているため、シート状部材と比較して進退動作に巻取装置が不要であり構造を簡単にできる。
【0061】
副シェード60は、ウインドウ1の後方側部分を遮蔽する進出位置(図2、図8参照)と、そこから退避した退避位置(図1、図4参照)との間で移動可能に設けられている。ここで、副シェード60の進出位置は、ウインドウ1の後方側部分に対して車室内側に間隔をあけて重なる位置であり、退避位置は、ウインドウ1の後方側のトリム内に収容された位置である。なお、副シェード60は、進出位置で主シェード20との間の隙間を小さくするように、主シェード側端縁部62が他方の側辺部26bに沿う姿勢で配設されるとよい。また、副シェード60は、ウインドウ1の後方側のトリム内の収容スペースをなるべく小さくできるように、退避位置において、主シェード側端縁部62が後方側縦枠1bに沿う姿勢で配設されるとよい。
【0062】
この副シェード60は、その一端部及び他端部を、後方側縦枠1b内に配設された補助ガイド部97により位置規制されて進退動作可能に設けられている。より具体的には、補助ガイド部97は、副シェード60を主としてウインドウ1の車室内外方向に位置規制可能に形成されている。なお、副シェード60のウインドウ1に沿った面上の進退動作は、後述する連動機構70により行われ、補助ガイド部97は、その補助的な位置規制を行う部分である。
【0063】
より具体的には、補助ガイド部97は、支持部材96の両端部に設けられた一対の溝部で構成されている。この補助ガイド部97の溝幅は、副シェード60の各端部の幅寸法より大きく(ここでは僅かに大きく)設定されている。そして、副シェード60は、この補助ガイド部97の一対の溝部内に各端部が配設された状態で、ウインドウ1の内外方向に位置規制される。
【0064】
上記副シェード60は、連動機構70により進退動作される。すなわち、連動機構70は、副シェード60を、主シェード20の引出収納動作に連動させて主シェード20の引出収納方向Pと異なる方向に進退動作させるように構成されている。より具体的には、連動機構70は、副シェード60を、主シェード20の引出状態で進出位置に位置し、主シェード20の収納状態で退避位置に位置するように進退動作させる。
【0065】
連動機構70は、引出部材40の引出収納方向Pの移動動作を、副シェード60の進退方向の移動動作として変換可能に構成されている。ここでは、副シェード60は、主として、引出収納方向Pに略直交する方向すなわち車体の略前後方向に進退移動される。
【0066】
また、ここでは、連動機構70は、副シェード60を、進出位置で主シェード側端縁部62が主シェード20の他方の側辺部26bに沿うように姿勢変更させつつ進退移動させるように構成されている。すなわち、上述したように、副シェード60は、退避位置で主シェード側端縁部62が後方側縦枠1bに沿う姿勢となると共に、進出位置で主シェード側端縁部62が主シェード20の他方の側辺部26bに沿う姿勢となるように進退動作されるとよい。このため、副シェード60は、引出収納方向Pに略直交する方向に移動されると共に、ウインドウ1に沿ったまま、退避位置と進出位置とで異なる姿勢に姿勢変更される(すなわち傾けられる)。
【0067】
以下、この連動機構70の具体的構成について説明する。連動機構70は、メイン側ラック部材72と、一対のサブ側ラック部材76、77と、変換機構80とを有している(図3参照)。
【0068】
メイン側ラック部材72は、引出部材40の端部としての他方のランナー46bに連結されている。より具体的には、メイン側ラック部材72は、他方のランナー46bの移動方向に沿って、すなわち、他方のガイドレール50bに沿って引出収納方向P収納側に延在するように形成されている。そして、メイン側ラック部材72は、他方のランナー46bと共に他方のガイドレール50bのガイド溝52内を移動可能である。ここでは、メイン側ラック部材72は、長尺な板状に形成され、その長手方向先端側部分には複数の歯部72cが設けられている。この複数の歯部72cは、車体の後方側に突出するように形成され、メイン側ラック部材72の長手方向に並ぶように設けられている。
【0069】
上記のように、メイン側ラック部材72は、引出部材40より収納側(床側)に延出するように設けられているため、他方のガイドレール50bは、主シェード20の収納状態における位置のメイン側ラック部材72を収容可能なラック収容部56を有している。ここでは、他方のガイドレール50bは、一方のガイドレール50aより収納側に延出するように形成され、その延出部分がラック収容部56である。なお、ここではラック収容部56が直線的に延出されているが、メイン側ラック部材72が樹脂等の可撓性を有する部材によって構成されている場合、ガイドレール50bの延在方向に対して傾斜又は湾曲して延出するように形成されていてもよい。もっとも、ラック収容部56は、省略されてもよい。
【0070】
一対のサブ側ラック部材76、77は、それぞれ、長尺な板状部材の一主面に、長手方向に複数の歯部76c、77cが並ぶように形成された部材である。この一対のサブ側ラック部材76、77は、副シェード60の進退方向に沿って延在する形態で、副シェード60の車室外側部分に設けられている。より具体的には、一対のサブ側ラック部材76、77は、互いに沿って並ぶ複数の歯部76c、77cを対向させる姿勢で並列に間隔をあけて副シェード60に設けられている。ここでは、一対のサブ側ラック部材76、77は、副シェード60の長手方向に間隔をあけて対向配設されている。なお、副シェード60の一端部側に他方のサブ側ラック部材77が設けられ、他端部側に一方のサブ側ラック部材76が設けられている。
【0071】
変換機構80は、メイン側ラック部材72の移動動作をサブ側ラック部材76、77の移動動作として変換可能に形成されている。すなわち、変換機構80は、メイン側ラック部材72の移動力をサブ側ラック部材76、77の移動力として力を伝達する機構である。この変換機構80は、第1歯車部材82と、第2歯車部材86とを有し、支持部材96に対して車室内側に設けられている。第1歯車部材82は、メイン側ラック部材72の移動動作を一方のサブ側ラック部材76の移動動作として変換する部材である。また、第2歯車部材86は、第1歯車部材82の回転動作を他方のサブ側ラック部材77の移動動作として変換する部材である。すなわち、力の伝達の観点から説明すると、第1歯車部材82が、メイン側ラック部材72の移動力を一方のサブ側ラック部材76の移動力として伝達すると共に、第2歯車部材86が、第1歯車部材82の回転力を他方のサブ側ラック部材77の移動力として伝達するようになっている。
【0072】
この連動機構70は、副シェード60の一端部と他端部との移動量に差を設けることにより、副シェード60を姿勢変更させるように構成されている。ここでは、引出収納方向Pに沿った主シェード20の他方の側辺部26bに対して、後方側縦枠1bは車体の上方に向かって後方側に傾いている(すなわち、車体の上方側ほど他方の側辺部26bと後方側縦枠1bとの間隔が大きい)。このため、副シェード60は、一端部が他端部より大きく(速く)移動されて、一端部が主シェード20側に傾けられる。
【0073】
より具体的には、連動機構70は、変換機構80により、一方のサブ側ラック部材76より他方のサブ側ラック部材77を大きく移動させるように構成されている。
【0074】
第1歯車部材82は、メイン側ラック部材72に噛合い可能な平歯車である歯車82aと、一方のサブ側ラック部材76に噛合う平歯車である歯車82bとを有している。ここでは、第1歯車部材82は、歯車82aと歯車82bとが回転軸を一致させて相対回転不能に連結された形状に形成されている。そして、第1歯車部材82は、回転軸となる軸部材がウインドウ1に対して略直交する姿勢で支持部材96に支持されることにより、回転可能に設けられる。また、第1歯車部材82は、歯車82bが歯車82aより車室内側に位置する姿勢で設けられる。そして、この歯車82bに噛合う一方のサブ側ラック部材76は、副シェード60の進退動作において、ガイドレール50bに対して車室内側で交差可能である(図7、図9参照)。
【0075】
前記のように、歯車82aは、メイン側ラック部材72に噛合い可能に設けられている。ここでは、ガイドレール50b内を摺動するメイン側ラック部材72に対して歯車82aが噛合い可能なように、ガイドレール50bの長手方向一部分で、少なくともメイン側ラック部材72の歯部72cを変換機構80側(ここでは車体の後方)に露出可能な開口部54が形成されている(図3参照)。すなわち、第1歯車部材82は、歯車82aが開口部54を通じてメイン側ラック部材72に噛合い可能なように、支持部材96に対して支持されている。
【0076】
第2歯車部材86は、第1歯車部材82の歯車82aと噛合う平歯車である歯車86aと、他方のサブ側ラック部材77に噛合う平歯車である歯車86bとを有している。ここでは、第2歯車部材86は、歯車86aと歯車86bとが回転軸を一致させて相対回転不能に連結された形状に形成されている。そして、第2歯車部材86は、第1歯車部材82と同様に軸部材が支持部材96に支持されている。また、第2歯車部材86は、歯車86bが歯車86aより車室内側に位置する姿勢で設けられる。そして、この歯車86bに噛合う他方のサブ側ラック部材77は、副シェード60の進退動作において、ガイドレール50bに対して車室内側で交差可能である。なお、第2歯車部材86の支持位置は、歯車86aが、歯車82aに噛合い且つメイン側ラック部材72に噛合わない位置である(図9参照)。
【0077】
この連動機構70は、副シェード60の主シェード側端縁部62が進出位置で主シェード20の他方の側辺部26bに沿うように、第1歯車部材82による一方のサブ側ラック部材76の移動量より第2歯車部材86による他方のサブ側ラック部材77の移動量を大きくするように構成されている。
【0078】
本実施形態に係る各歯車82a、82b、86a、86bの関係について説明する。
【0079】
歯車82a及び歯車86aは、同歯数且つ同ピッチ(メイン側ラック部材72とも同ピッチ)の歯車である。すなわち、歯車82aと歯車86aとの間では、メイン側ラック部材72の移動動作が増減速なしに歯車86aの回転動作として変換される。
【0080】
第1歯車部材82の歯車82aと歯車82bとは、異なるピッチ円径(ここでは、異なる歯数且つ異なるピッチ)に設定されている。より具体的には、メイン側ラック部材72の移動動作を減速して一方のサブ側ラック部材76の移動動作として変換するように、メイン側ラック部材72に噛合う歯車82aより、一方のサブ側ラック部材76に噛合う歯車82bの方が小さいピッチ円径(ここでは、多い歯数且つ小さいピッチ)に設定されている。
【0081】
第2歯車部材86についても同様に、歯車82aに噛合う歯車86aより、他方のサブ側ラック部材77に噛合う歯車86bの方が小さいピッチ円径(ここでは、多い歯数且つ小さいピッチ)に設定されている。なお、メイン側ラック部材72の移動動作と、各サブ側ラック部材76、77の移動動作との各歯車部材82、86による変速比は、副シェード60を進退動作させるために、主シェード20の引出操作に必要な力を考慮して決定されるとよい。ここでは、主シェード20の引出操作に必要な力をなるべく小さくするように、メイン側ラック部材72の移動動作を減速してサブ側ラック部材67、77の移動動作として変換している。
【0082】
また、歯車82b及び歯車86bは、同じピッチで異なる歯数(すなわち異なるピッチ円径)に設定されている。より具体的には、一方のサブ側ラック部材76より他方のサブ側ラック部材77を大きく移動させるために、一方のサブ側ラック部材76に噛合う歯車82bより、他方のサブ側ラック部材77に噛合う歯車86bの方が多い歯数(すなわち大きいピッチ円径)に設定されている。つまり、歯車82a及び歯車86aは同形状の歯車であるため、一方のサブ側ラック部材76と他方のサブ側ラック部材77との移動量の差は、歯車82b及び歯車86bのピッチ円径比により決定されている。
【0083】
また、一対のサブ側ラック部材76、77は、それぞれ、複数の歯部76c、77cが対応する平面視弧状に並ぶように形成されている(図5、図7、図9参照)。ここで、対応する弧状とは曲率中心が同じである弧状をいい、すなわち、複数の歯部76c及び複数の歯部77cは同じ曲率中心の異なる曲率半径を有する曲率円弧に沿って並べられている。ここでは、一対のサブ側ラック部材76、77は、歯部76c、77cが、一方のサブ側ラック部材76より大きく移動される他方のサブ側ラック部材77側(副シェード60の一端側)に向けて凸となる弧状に並ぶように形成され、全体としても弧状の板状に形成されている。
【0084】
すなわち、連動機構70は、一方のサブ側ラック部材76より他方のサブ側ラック部材77が大きく移動されるため、副シェード60が姿勢変更されても、一対のサブ側ラック部材76、77と各歯車部材82、86との噛合いが確実に維持されるように構成されている。好ましくは、一対のサブ側ラック部材76、77が、複数の歯部76c、77cが並ぶ弧状のラインの曲率中心軸周りに、当該弧状のラインに沿って移動されるとよい。換言すると、変換機構70は、歯車82b、86bが、一対のサブ側ラック部材76、77の曲率半径比に対応した(より近い比であるとよく、理想的には等比の)ピッチ円径に設定されているとよい。
【0085】
ここで、歯車82a、86aより歯車82b、86bのピッチを小さくしているのは、上述したように一対のサブ側ラック部材76、77の曲率半径比と歯車82b、86bのピッチ円径比とをなるべく等比に近づけるためでもある。すなわち、ピッチが小さい歯車ほど、ピッチ円径の設定をより細かく行うことができる。
【0086】
なお、複数の歯部76c及び複数の歯部77cが並ぶ弧状のラインの曲率半径は、副シェード60が所望の姿勢変更動作をするように、その動作態様、歯車82bと歯車86bとの間の変速比、一対のサブ側ラック部材76、77のピッチ及び歯数、副シェード60に対する配設姿勢等を考慮して決定されるとよい。
【0087】
そして、副シェード60は、一対のサブ側ラック部材76、77がそれぞれ歯車82b又は歯車86bに噛合った状態で、各進退位置及びこれに対応した姿勢に保持される。
【0088】
ここで、メイン側ラック部材72と変換機構80との関係について説明しておく。メイン側ラック部材72は、主シェード20の引出収納動作の移動力を変換機構80に対して伝達することができればよく、歯車82aに対して、主シェード20の収納状態から引出状態の間の一部又は全体で噛合うように形成されている。
【0089】
ここでは、副シェード60は、主シェード20の収納状態から引出状態までの引出操作の後半で進出動作するように設計されている。すなわち、メイン側ラック部材72は、引出部材40がウインドウ1の半分より天井側に移動された位置から(図6ではウインドウ1の天井側約10分の1の位置から)歯車82aに噛合い始めるように設計されている。すなわち、主シェード20の収納状態及び引出動作の途中までは、メイン側ラック部材72が歯車82aに噛合っていない状態で、副シェード60は退避位置に維持されている(図4、図5参照)。また、メイン側ラック部材72は、主シェード20の引出動作の途中で歯車82aに噛合ってから主シェード20が完全に引出されるまで及び引出状態においても、歯車82aに噛合った状態となるように設定されている(図6〜図9参照)。すなわち、主シェード20の引出状態では、メイン側ラック部材72と歯車82aとの噛合いにより、副シェード60が進出位置に維持される。
【0090】
なお、メイン側ラック部材72が歯車82aに噛合っていない状態における副シェード60の進退動作を規制するために、副シェード60を退避位置に維持する進出規制部材98が設けられている。この進出規制部材98は、副シェード60を退避位置側に付勢可能に形成されている。例えば、進出規制部材98としては、図1、図2に示すように、副シェード60を退避位置側に付勢する引張りバネ(コイルバネ)を採用することができる。この進出規制部材98は、副シェード60の後方側端部とウインドウ1の後方側のトリムの内側部分との間に伸長状態で設けられているとよい。
【0091】
他にも、進出規制部材としては、一方のサブ側ラック部材76又は他方のサブ側ラック部材77を退避位置側に向けて付勢する引張りバネ、第1歯車部材82又は第2歯車部材86を回転付勢するゼンマイバネ等を採用することができる。
【0092】
次に、実施形態に係るシェード装置10の動作について説明する。
【0093】
最初に、ウインドウ1を遮蔽する動作から説明する。なお、初期状態として、主シェード20が収納状態にあるものとする(図1、図4、図5参照)。
【0094】
まず、引出部材40を引出収納方向P引出側に操作して、主シェード20を引出す。これにより、他方のランナー46bに連結されているメイン側ラック部材72も、ガイドレール50b内を通って引出側に摺動される。なお、引出部材40の引出し始めの段階では、メイン側ラック部材72は歯車82aに噛合っておらず、副シェード60は、進出規制部材98により退避位置側に付勢されて退避位置に位置したままの状態に維持される。
【0095】
さらに引出部材40を引出側に操作し、メイン側ラック部材72の歯部72cが歯車82aに噛合う位置まで引出部材40が移動されると、メイン側ラック部材72の引出側への移動力が変換機構80に伝えられる(図6、図7参照)。すなわち、メイン側ラック部材72と歯車82aとの噛合いにより、第1歯車部材82が回転される。すると、歯車82bに噛合う一方のサブ側ラック部材76が副シェード60の進出側に送られる。また、歯車82aと歯車86aとの噛合いにより、第2歯車部材86が回転される。すると、歯車86bに噛合う他方のサブ側ラック部材77が、一方のサブ側ラック部材76より大きく副シェード60の進出側に送られる。これにより、副シェード60は、姿勢変更しつつ弧状の経路で進出移動する。なお、図7では、副シェード60の進出動作時の連動機構70の各部の動作を各矢印で示している。
【0096】
そして、主シェード20が引出状態となるまで引出部材40が移動されると、副シェード60は進出位置まで移動して、主シェード20の他方の側辺部26bに対して主シェード側端縁部62を沿わせた姿勢となる(図8、図9参照)。この状態で、メイン側ラック部材72の歯部72cと歯車82aとは噛合ったままであり、引出部材40が移動されない状態では副シェード60は進出位置に維持される。
【0097】
これにより、ウインドウ1は、主シェード20と副シェード60とにより全体的に遮蔽された状態となる(図2参照)。
【0098】
次に、ウインドウ1の遮蔽状態を解除する動作について説明する。まず、引出部材40を引出収納方向P収納側に操作して、主シェード20を収納していく。この収納時には、巻取装置30の巻取力により主シェード20が巻き取られる。
【0099】
これと共に、引出部材40に連結されたメイン側ラック部材72が移動されることにより、メイン側ラック部材72に噛合う歯車82aが回転される。すると、第1歯車部材82が回転されて、歯車82bに噛合う一方のサブ側ラック部材76が副シェード60の退避側に送られる。また、歯車82aと歯車86aとの噛合いにより、第2歯車部材86が回転され、歯車86bに噛合う他方のサブ側ラック部材77が、一方のサブ側ラック部材76より大きく副シェード60の退避側に送られる。これにより、副シェード60は、姿勢変更しつつ退避移動する。なお、図9では、副シェード60の退避移動時の連動機構70の各部の動作を各矢印で示している。
【0100】
さらに引出部材40を収納側に操作し、歯部72cが歯車82aから外れる(噛合いが解ける)位置までメイン側ラック部材72が移動されると、副シェード60は退避位置まで移動して、後方側縦枠1bに対して主シェード側端縁部62を沿わせた姿勢となる。すなわち、ウインドウ1の後方側部分は遮られていない状態となる。この状態で、副シェード60は、進出規制部材98の付勢力により退避位置に維持される。
【0101】
そして、主シェード20が収納状態となるまで引出部材40が移動されると、ウインドウ1の前方側部分も遮られていない状態となり、ウインドウ1全体が露出される(図1参照)。主シェード20の収納状態では、メイン側ラック部材72は、他方のガイドレール50bのラック収容部56内に収容されている。
【0102】
これまで、連動機構70について、主シェード20が半分以上引出されてから副シェード60が進出移動する例について説明してきたが、他方のランナー46bに対するメイン側ラック部材72の歯部72cの位置及び並列方向の寸法と、変換機構80の位置とを調節することにより、副シェード60の進出動作のタイミング等を変更することができる。例えば、主シェード20の引出し直後から引出し完了するまでの間で副シェード60を進出移動させる場合、メイン側ラック部材が移動直後に噛合う位置に変換機構が設けられると共に、メイン側ラック部材の歯部が主シェードが完全に引出されるまで変換機構の歯車に噛合い続けるような長手寸法に形成されているとよい。
【0103】
また、連動機構70は、主シェード20を引き出し始めた直後に副シェード60を進出位置まで移動させると共に、収納完了直前に副シェード60を退避位置まで移動させるように構成されてもよい。すなわち、主シェード20の収納状態及び引出し始めの位置でメイン側ラック部材と変換機構の歯車とが噛合うように構成されているとよい。なお、この構成を採用する場合、メイン側ラック部材と変換機構の歯車とが噛合っていない状態で、副シェード60の進出位置側に付勢する退避規制部材が設けられるとよい。これにより、副シェード60は、主シェード20の収納状態から引出し始めの位置まで、メイン側ラック部材と変換機構の歯車との噛合いにより、引出部材40の位置によって進退位置が決定され、メイン側ラック部材と当該歯車との噛合いが解けてから主シェード20の引出状態まで、退避規制部材の付勢力により進出位置に維持される。なお、進退移動の速度は、変換機構の歯車の減速比によって調節されるとよい。
【0104】
また、連動機構は、ウインドウ1と主シェード20との形状によっては、副シェード60を、他端側を一端側より大きく移動させて姿勢変更させるように構成されていてもよい。この構成についてより具体的な一例を説明すると、連動機構は、第2歯車部材86が、副シェード60の主シェード側端縁部62が主シェード20の他方の側辺部26bに沿うように、第1歯車部材82が一方のサブ側ラック部材76を移動させるより小さく他方のサブ側ラック部材77を移動させるように構成されているとよい。そして、この連動機構に対応して、一対のサブ側ラック部材は、副シェード60の他端側に向けて凸となる弧状に並ぶ複数の歯部を有しているとよい。
【0105】
また、連動機構70の一対のサブ側ラック部材は、直線状に並ぶ複数の歯部を有するものであってもよい。すなわち、副シェード60の進退距離が小さい場合、一方のサブ側ラック部材より他方のサブ側ラック部材を大きく移動しても、一対のサブ側ラック部材と各歯車部材との噛合い状態は維持される。また、副シェード60を平行移動させるだけでウインドウ1の後方側部分を遮蔽することができる場合には、弧状に並ぶ複数の歯部に形成されている必要はない。
【0106】
これまで、副シェード60の一対のサブ側ラック部材76、77が設けられている例で説明したが、1つのサブ側ラック部材のみ設けられていてもよい。すなわち、副シェード60が補助ガイド部97により一定経路で移動可能に案内される場合、連動機構70により副シェード60を保持するための構成を省略できる。この場合には、第2歯車部材86も省略するとよい。
【0107】
また、副シェード60を弧状の経路で進退移動させる構成として、下記の構成を採用することができる。例えば、他の連動機構として、副シェード60をウインドウ1に略直交する軸周りに回転可能に支持すると共に、その軸を曲率中心軸とする曲率半径の弧状に並ぶ複数の歯部を有する1つ又は2つのサブ側ラック部材を副シェードに設け、メイン側ラック部材72の移動動作を変換機構により当該サブ側ラック部材の移動動作として変換する構成を採用することもできる。
【0108】
他にも、連動機構70は、巻取シャフト34の回転に連動して副シェード60を進退移動させるように構成されていてもよい。すなわち、巻取シャフト34の回転動作を副シェード60の移動動作として変換する構成である。例えば、このような連動機構としては、副シェードの他端部にラック部が設けられると共に、巻取シャフト34に対して軸を一致させて相対回転不能に連結された平歯車が設けられ、当該平歯車の回転動作をラック部の移動動作として変換する変換機構が設けられているとよい。この変換機構としては、巻取シャフト34に連結された平歯車に噛合う傘歯車と、当該傘歯車に噛合うと共にラック部に噛合い可能な平歯車とを設けた構成を採用することができる。
【0109】
また、シェード装置10は、上述したウインドウ1に適用される場合に限られず、その他の台形、平行四辺形、楕円形等の形状のウインドウに対しても適用可能である。なお、本シェード装置10を適用するのにより適したウインドウは、シェード装置が配設される側の辺に対して、その他の部分が側方に張り出すような形状のウインドウである。すなわち、本シェード装置10によれば、矩形或いは引出側端部が短辺となる台形等の主シェード20ではその側方部分を覆うことが困難なウインドウについて、当該側方部分を副シェード60で覆うことにより、ウインドウを全体的に覆うことができる。
【0110】
図10には、床側の短辺に対して両側に張り出した天井側の長辺を有する略台形状のウインドウ101に対して、一対の副シェード60、160を有するシェード装置110を適用する例を示している。なお、上述したシェード装置10と同様の構成の部分は、同符号を付して説明を省略する。シェード装置110は、ウインドウ101の前方側のトリム内に副シェード160が配設され、連動機構170により、主シェード20の引出収納動作に連動して当該副シェード160を進退動作させるように構成されている。ここで、ウインドウ1の前方側に配設される一方のガイドレール150aは、天井側に向かって車体の前方に傾斜する前方側縦枠101aに沿って配設されている。そして、引出部材140のステイ142は、本体部143の両側に進退部44、144が進退可能に設けられて構成され、一対のガイドレール150a、50bの間隔に応じて両側で伸縮する。なお、副シェード160、連動機構170及び副シェード160を支持する構成は、上述したシェード装置10の副シェード60、連動機構70及び副シェード60を支持する構成と同様の構成である。
【0111】
また、もちろん、シェード装置10は、サイドドアウインドウ以外にも、自動車のリアウインドウ等の種々ウインドウに対して適用可能である。
【0112】
そして、主シェード20ではその両側方の部分を覆うことが困難であるようなウインドウを適用対象とする場合、主シェード20により遮蔽される部分の両側方の部分を遮蔽可能に一対の副シェードを設けてもよい。この場合、連動機構70も、一対の副シェードをそれぞれ進退動作可能に一対設けられるとよい。この構成によれば、より多種の形状のウインドウ1に適用することができる。
【0113】
また、主シェード20の両側辺部26a、26bに対して、一対のガイドレールがそれぞれ傾斜して配設される場合、ステイ42は、本体部の両側に進退部が設けられ、本体部の両側で伸縮可能に形成されているとよい。
【0114】
これまで、シェード装置10について、引出部材40を手動で操作して主シェード20を引出収納する例について説明してきたが、主シェード20が自動で引出収納されるものであってもよい。
【0115】
すなわち、一対のランナー46a、46bを、一対のレール50a、50bに沿って移動駆動可能な図示省略の駆動機構を設けてもよい。例えば、駆動機構としては、ワイヤの一部に一対のランナー46a、46bをそれぞれ取り付け、当該ワイヤをモータにより巻き取り、送り駆動等して一対のレール50a、50bに沿って摺動させる構成を採用することができる。他にも、駆動機構として、一対のランナー46a、46bに対して、それぞれ可撓性を有する長尺のラック部材を取付け、これをモータにより駆動される歯車により一対のガイドレール50a、50b内に進退させる構成を採用することができる。
【0116】
上記実施形態に係るシェード装置10によると、ウインドウ1のうち主シェード20により遮蔽される前方側部分の側方に位置する後方側部分を遮蔽可能な副シェード60を、主シェード20の引出収納動作に連動させて、主シェード20の引出収納方向Pと異なる方向に進退動作させるように構成されている。このため、ウインドウ1の短辺側から長辺側に向けて主シェード20が引出される場合でも主シェード20により遮蔽しきれない部分を副シェード60により遮蔽することができる。すなわち、主シェード20を矩形或いは引出側端部22を短辺とする台形等の形状としても、主シェード20の伸縮なしにウインドウ1を全体的に遮蔽することができる。これにより、主シェード20の引出状態におけるしわ、弛みを抑制してウインドウ1を遮蔽することができると共に、主シェード20の引出収納動作をより円滑且つ簡易に行うことができる。
【0117】
また、連動機構70が、主シェード20の引出側端部22に取付けられた引出部材40の引出収納方向Pの移動動作を、副シェード60の移動動作として変換可能に構成されているため、より主シェード20の引出収納動作に対応して副シェード60を進退動作させることができ、ウインドウ1の遮蔽動作中も見栄えを良くすることができる。
【0118】
また、他方のランナー46bの移動方向に沿って延在するメイン側ラック部材72の移動動作が、歯車82a、82bを有する第1歯車部材82と歯車86a、86bを有する第2歯車部材86とを有する変換機構80により、副シェード60の進退方向に沿って延在する一対のサブ側ラック部材76、77の移動動作として変換される。すなわち、引出部材40の移動動作がメイン側ラック部材72と歯車82aとの噛合い、歯車82bと一方のサブ側ラック部材76との噛合い、歯車82aと歯車86aとの噛合い、及び、歯車86bと他方のサブ側ラック部材77との噛み合いにより副シェード60の移動動作として変換されるため、より確実に主シェード20の引出収納動作に連動させて副シェード60を進退動作させることができる。また、各歯車82a、82b、86a、86bの歯数、ピッチ円径及びピッチの設定により自由度をもって副シェード60の進退動作を設計することができる。
【0119】
また、他方のサブ側ラック部材77が一方のサブ側ラック部材76の複数の歯部76cの並列方向に沿って並ぶ複数の歯部77cを対向させる姿勢で、一方のサブ側ラック部材76に対して並列に間隔をあけて設けられ、第1歯車部材82がメイン側ラック部材72の移動動作を一方のサブ側ラック部材76の移動動作として変換すると共に、第2歯車部材86が第1歯車部材82の回転動作を他方のサブ側ラック部材77の移動動作として変換するように構成されている。このように、一対のサブ側ラック部材76、77の間に第1歯車部材82及び第2歯車部材86が挟まれて噛合った状態で、メイン側ラック部材72の移動動作が一対のサブ側ラック部材76、77の移動動作として変換されるため、当該噛合いにより副シェード60を保持して安定して進退移動させることができる。
【0120】
また、連動機構70は、副シェード60の主シェード側端縁部62が進出位置で主シェード20の他方の側辺部26bに沿うように、第1歯車部材82による一方のサブ側ラック部材76の移動量より第2歯車部材86による他方のサブ側ラック部材77の移動量を大きくするように構成されているため、主シェード20と副シェード60との間の隙間を抑制してウインドウ1を遮蔽することができ、見栄えを向上させることができる。また、副シェード60は、退避位置では後方側縦枠1bに主シェード側端縁部62が沿う姿勢でウインドウ1の後方側のトリム内に収納されるため見栄えがよい。
【0121】
また、一対のサブ側ラック部材76、77の歯部76c、77cが、一方のサブ側ラック部材76より大きく移動される他方のサブ側ラック部材77側に向けて凸となる弧状に複数並べられているため、副シェード60をスムーズに姿勢変更させつつ進退移動させることができる。また、副シェード60を弧状の経路で進退させることができ、副シェード60の進退動作をより自由度を持って設計することができる。
【0122】
また、副シェード60が遮光性を有する部材で形成されているため、副シェード60に設けられる一対のサブ側ラック部材76、77が隠れると共に、周りの内装部材と馴染んでより見栄えをよくすることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 ウインドウ
10 シェード装置
20 主シェード
22 引出側端部
26b 他方の側辺部
30 巻取装置
40 引出部材
46b 他方のランナー
60 副シェード
62 主シェード側端縁部
70 連動機構
72 メイン側ラック部材
76 一方のサブ側ラック部材
77 他方のサブ側ラック部材
80 変換機構
82 第1歯車部材
86 第2歯車部材
P 引出収納方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドウを遮蔽するためのシェード装置であって、
巻取装置と、
前記ウインドウを部分的に遮蔽可能で、前記巻取装置に引出収納可能に取付けられた主シェードと、
前記ウインドウのうち前記主シェードにより遮蔽される部分の側方部分を遮蔽可能な副シェードと、
前記副シェードを、前記主シェードの引出収納動作に連動させて、前記主シェードの引出収納方向と異なる方向に進退動作させる連動機構と、
を備える、シェード装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシェード装置であって、
前記主シェードの引出側端部に取付けられた引出部材を備え、
前記連動機構は、前記引出部材の前記引出収納方向の移動動作を前記副シェードの進退方向への移動動作として変換可能に構成されている、シェード装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシェード装置であって、
前記連動機構は、
前記引出部材の端部に連結され、前記引出部材の端部の移動方向に沿って延在するメイン側ラック部材と、
前記副シェードに設けられ、前記副シェードの進退方向に沿って延在するサブ側ラック部材と、
前記メイン側ラック部材の移動動作を前記サブ側ラック部材の移動動作として変換する少なくとも1つの歯車を有する変換機構と、
を有している、シェード装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシェード装置であって、
前記サブ側ラック部材は、複数の歯部が弧状に並ぶように形成されている、シェード装置。
【請求項5】
請求項3に記載のシェード装置であって、
前記連動機構は、前記副シェードの進退方向に沿って延在し、前記サブ側ラック部材に対して間隔をあけて対向するように前記副シェードに設けられた他方のサブ側ラック部材を有し、
前記変換機構は、
前記メイン側ラック部材の移動動作を前記サブ側ラック部材の移動動作として変換する第1歯車部材と、
前記第1歯車部材の回転動作を前記他方のサブ側ラック部材の移動動作として変換する第2歯車部材と、
を有している、シェード装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシェード装置であって、
前記連動機構は、前記副シェードの主シェード側端縁部が進出位置で前記主シェードの側辺部に沿うように、前記第1歯車部材による前記サブ側ラック部材の移動量と前記第2歯車部材による前記他方のサブ側ラック部材の移動量とが異なる移動量となるように構成されている、シェード装置。
【請求項7】
請求項6に記載のシェード装置であって、
前記サブ側ラック部材の複数の歯部及び前記他方のサブ側ラック部材の複数の歯部は、前記サブ側ラック部材及び前記他方のサブ側ラック部材のうち大きく移動される一方側に向けて凸となる対応する弧状に並べられている、シェード装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のシェード装置であって、
前記副シェードは、前記ウインドウのうち前記メインシェードにより遮蔽される部分の両側方の部分を遮蔽可能に一対設けられ、
前記連動機構は、前記一対の副シェードをそれぞれ進退動作させるように一対設けられている、シェード装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のシェード装置であって、
前記副シェードは、遮光性を有する部材で形成されている、シェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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