説明

シクロデキストリン担持微小管、その製造方法及びそれを用いたナノバイオ素子

【課題】可逆的な包接能と運動機能を併せ持つ、シクロデキストリンで化学修飾された微小管及びその製造方法を提供する。また、物質の選択的回収、運搬及び徐放を行うナノバイオ素子を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの一般式1で表わされるビオチン化シクロデキストリン、少なくとも1つのアビジン、及び少なくとも1つのビオチン化微小管を含むシクロデキストリン担持微小管。
一般式1
シクロデキストリン−Lin−ビオチン
(一般式1中、シクロデキストリンは、α、β又はγ−シクロデキストリンであり、Linは2価の連結基であり、シクロデキストリン及びLin間の結合、並びにLin及びビオチン間の結合はそれぞれ、共有結合であり、Linを介さずにシクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質の選択的回収、運搬及び徐放を行うナノバイオ素子に関するものである。詳しくは、可逆的な包接能と運動機能を併せ持つ、シクロデキストリンで化学修飾された微小管、その製造方法及びそれを用いたナノバイオ素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小管は神経軸索内で物質輸送を担っているタンパク質として知られ、α、βの2種類のチューブリンからなる繊維が集まって形成された中空の管である。その中空管をレールとして、そのレール上をモータータンパク質であるキネシンがATPをエネルギー源として運動する仕組みが知られている。
近年、このモータータンパク質をガラス基板上に固定化し、その基板上で微小管を運動させる技術が確立したことで、物質輸送を始めとする様々な応用が期待されている(非特許文献1)。
従来は、微小管に分子を結合するためには主として、共有結合や、それぞれタンパク質と基質であるアビジンとビオチン間の強い結合を基にしていた。これらは微小管と分子との強固な結合の形成のためには有効な手段であり、例えば、蛍光プローブを共有結合で微小管に担持することにより容易に蛍光観察を可能にすること、アビジンを微小管に担持させることによりビオチン化したDNA等を運搬する機能を発揮すること等が示されてきた。しかし分子の担持はいずれも非可逆的なものであり、分子の可逆的な「積み降ろし」は極めて困難であり、例えば、微小管の運動機能を使って、特定の分子を特定の場所まで運搬し、そしてこれをはずす等の機能は発揮できていなかった。
【非特許文献1】Howard J.; Hunt. A. J.; Beak, S. Methods Cell. Biology 39, 137-147 (1993).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記のような問題点を解消するため、可逆的な包接能と運動機能を併せ持つ、シクロデキストリンで化学修飾された微小管及びその製造方法を提供することである。また、本発明の目的は物質の選択的回収、運搬及び徐放を行うナノバイオ素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、微小管に担持させたい分子をシクロデキストリンを介することにより、該分子をシクロデキストリン包接非共有結合により微小管に担持させることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1) 少なくとも1つの一般式1で表わされるビオチン化シクロデキストリン、少なくとも1つのアビジン、及び少なくとも1つのビオチン化微小管を含むシクロデキストリン担持微小管。
一般式1
シクロデキストリン−Lin−ビオチン
(一般式1中、シクロデキストリンは、α、β又はγ−シクロデキストリンであり、Linは2価の連結基であり、シクロデキストリン及びLin間の結合、並びにLin及びビオチン間の結合はそれぞれ、共有結合であり、Linを介さずにシクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。)
(2) 前記ビオチン化シクロデキストリンが、下記一般式2で表わされる化合物である、(1)記載のシクロデキストリン担持微小管。
一般式2
【0005】
【化1】

【0006】
(一般式2中、Linは2価の連結基であり、シクロデキストリン及びLin間の結合、並びにLin及びビオチン間の結合はそれぞれ、共有結合であり、Linを介さずにシクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。)
(3) 前記ビオチン化シクロデキストリンが、下記式3で表わされる化合物である、(1)又は(2)記載のシクロデキストリン担持微小管。
【0007】
【化2】

【0008】
(4) 前記(1)〜(3)のいずれか1項記載のシクロデキストリン担持微小管からなる、分子運搬用ナノバイオ素子。
(5) ビオチン化微小管を製造する工程、
ビオチン化シクロデキストリンを製造する工程、及び
前記ビオチン化微小管と前記ビオチン化シクロデキストリンとを、アビジンを介することにより結合する工程を含む(1)〜(3)のいずれか1項記載のシクロデキストリン担持微小管の製造方法
を提供するものである。
本発明において、ナノバイオ素子とは、生体組織そのもの、あるいはその構成要素の高分子化合物、あるいはこれらを改変して得られた素子であって、物質輸送、情報伝達、分子認識などを担う素子をいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシクロデキストリン担持微小管は、シクロデキストリンの可逆的な包接機能と微小管運動機能とを併有する。
本発明の製造方法によれば、前記包接機能と微小管運動機能とを併有する微小管を製造することができる。
本発明のナノバイオ素子は、物質の選択的回収、運搬(例えば、距離数nm〜数百μmの輸送)及び徐放を行うことができ、いわゆる「荷物の運搬・積み降ろし」を可能とする。
本発明のナノバイオ素子は、微小領域(例えば、5〜1000μm四方)に分子を組織化するなど、ナノバイオテクノロジーにおける重要な基盤技術となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のシクロデキストリン担持微小管(以下、シクロデキストリンで化学修飾された微小管ともいう。)について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、図の説明において同一の要素には同一の符号を付す。
図1は、本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管の説明図である。
図1中、1は微小管を示し、2、3はそれぞれα、βの2種類のチューブリンを示し、4、4’はビオチン、5、5’は蛍光標識基を示し、6はシクロデキストリン、7はアビジン、8は包接される化合物、9、9’、9”は連結基を表し、mは包接を示す矢印、nは放出を示す矢印を表す。
図1から明らかなように、この例では、微小管1は、α、β−チューブリン2、3のヘテロ二量体からなる繊維が凝集して形成されている。ビオチン4は、チューブリン2又は3に共有結合している。連結基9を介して結合していてもよく、α−チューブリン2、β−チューブリン3のいずれに結合していてもよい。また、ローダミン等の蛍光標識基5は、α−チューブリン2、β−チューブリン3のいずれに結合していてもよく、連結基9を介して結合していてもよい。
【0011】
シクロデキストリン6は、連結基9’を介してビオチン4’に共有結合しているが、連結基9’を介さずにビオチン4’に直接結合していてもよい。アビジン7は、微小管を有するビオチン4、シクロデキストリン6を有するビオチン4’の両方と同時に結合するタンパク質である。アビジン7にAlexa488(登録商標、モレキュラー・プローブス社製)等の蛍光標識基5’が結合していてよく、連結基9”を介して結合していてよい。
シクロデキストリン6は包接される化合物8を包接(mで示す。)することができ、その包接mは非共有結合であるから、外部からの刺激によりシクロデキストリン空洞内から化合物8を放出(nで示す。)することもできる。
前記外部刺激としては、包接されている分子よりもより強い力でシクロデキストリンに取り込まれる分子の添加(例えば、ベンゼンが包接されている場合にフェロセンを添加する。)、あるいは光照射によりシス−トランス異性化することによりシクロデキストリンへの包接力が変化しうるもの(例えば、アゾベンゼン)を担持させる方法などが挙げられる。
本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管は、モータータンパク質キネシンをガラス基板上に固定化し、その基板上で微小管を運動させる、「Howard J.; Hunt. A. J.; Beak, S. Methods Cell. Biology 39, 137-147 (1993)」に記載の技術等に適用することで、物質輸送を始めとする様々なナノバイオ素子としての応用が可能である。
【0012】
以下に、本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管の各構成要素についてより詳細に説明する。
本発明において、ビオチン化シクロデキストリンは、任意のビオチン試薬(例えば、市販されている試薬等)を用いて常法により製造することができる。
ビオチン化試薬は、第一級アミン基、アルデヒド基、チオール基等任意の官能基にビオチン含有基を導入するものが知られており、反応時の立体障害等を考慮し、任意の連結基を通常有している。
ビオチン化されるシクロデキストリンは、α、β又はγ−シクロデキストリンのいずれであってもよいが、β−シクロデキストリンが好ましい。前記シクロデキストリンは疎水性の空洞を持つ分子であり、この空洞内に特定の分子を、非共有結合により取り込むことができる。
ビオチン化されるシクロデキストリンとしては、水酸基の一部、好ましくは、第一級水酸基(構成糖の6’位の水酸基)を、上記ビオチン化試薬に対応した他の官能基、例えば、アミン基、アルデヒド基、チオール基等に変えたシクロデキストリンが好ましい。
特に、少なくとも1つの第一級水酸基をアミノ基に変えたシクロデキストリン(以下、単にアミノ化シクロデキストリンという。)が好ましい。
アミノ化シクロデキストリンを用いた場合、本発明に用いるビオチン化シクロデキストリンは前記一般式2で表わすことができる。
前記一般式2中、Linは2価の連結基である。Linを介さず、シクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。
連結基Linはアミノ化シクロデキストリンのアミノ基及びビオチンのカルボニル基と共有結合する限り特に制限はなく、ヘテロ原子O、N、S等任意の原子を含む2価の連結基が好ましい。以下に連結基Linの具体例を示す。
【0013】
【化3】

【0014】
本発明に用いるアビジンは少なくとも2つのビオチン結合部位を有する限り通常のものを用いうるが、ビオチンとの解離定数が、10−16M〜10−14Mのアビジンが好ましく、ストレプトアビジン等任意のアビジンであってよい。
本発明に用いるアビジンは、後述の微小管との結合を顕微鏡にて観察・確認するため、Alexa488等任意の蛍光標識試薬により標識されていてもよい。
【0015】
本発明に用いるビオチン化微小管は、前記アビジンと結合するために少なくとも1つのビオチンを有する微小管である。該ビオチン化微小管は、後述するビオチン化チューブリンを含むチューブリンを常法により重合(微小管形成)し、製造することができる。
原料となる微小管は、微小管そのものとして、もしくはチューブリンとして豚脳等から常法により分離・精製し得ることができる。
前記アビジンと結合するビオチン化微小管を形成するため、微小管を形成するチューブリンの少なくとも1つ、好ましくは、微小管中20〜50質量%はビオチン標識されている(以下、単にビオチン化チューブリンという。)。また、チューブリン1分子が2以上のビオチン標識されていてもよい。
ビオチン化チューブリンは、ビオチン化シクロデキストリンの項で前述した任意のビオチン化試薬を用いて常法により作製することができる。前述した、連結基Linと同様な好ましい範囲、具体例を有する連結基を介して、ビオチンとチューブリンとが結合していてよい。
本発明に用いる微小管を形成するチューブリンの一部(好ましくは、微小管中50〜80質量%)は微小管形成、微小管運動の顕微鏡観察のため、ローダミン等任意の蛍光標識試薬により標識されていてもよい(以下、単にローダミン化チューブリンという。)。
前記ビオチン化チューブリンを含むチューブリン(場合により、ローダミン化チューブリンも含む)は、常法により重合し微小管として本発明に用いることができる。
本発明に用いる微小管の全長は通常のものと異ならないが、10〜30μmが好ましい。
【0016】
本発明のシクロデキストリン担持微小管は、前記ビオチン化微小管と前記ビオチン化シクロデキストリンとを、前記アビジンに結合させることにより製造することができる。
ビオチン化微小管、ビオチン化シクロデキストリン、アビジンの三者の結合を形成する順序は任意であってよく、三者を混合させて1度に結合させてもよいが、ビオチン化微小管とアビジンとを結合させた後、ビオチン化シクロデキストリンを混合して結合することが好ましい。結合温度、時間、pHは特に制限はなく、溶媒、当量によって異なり、適宜設定できるが、例えば、ビオチン化微小管及び/又はビオチン化シクロデキストリンとアビジンとを結合させるには、25〜38℃、pH7〜8が好ましい。
結合する際の溶媒としては、アビジン及びビオチン化微小管が変性しない限り、水、任意の水溶液、バッファー系、有機溶媒系であってよいが、10mMトリス(Tris)バッファー系等を挙げることができる。
ビオチン化微小管、ビオチン化シクロデキストリン、アビジンのモル比は任意であってよいが、10〜20:5〜7:2〜4の範囲のモル比が好ましい。
本発明のシクロデキストリン担持微小管の製造後に包接される分子を加えると、本発明の微小管はこの分子を担持することができる。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.ビオチン化β−シクロデキストリン(1)の製造
前記式3で表わされるビオチン化シクロデキストリン(1)は、モノアミノ化β−シクロデキストリン25mg(CYCLOLAB社製)とビオチン化試薬10mg(商品名EZ-Link NHS-LC-LC-Biotin;PIERCE社製)をピリジン中室温で18時間反応させ、その後溶媒を留去しイオン交換カラム(TOYOPEARL CM−650)で精製することにより得た(収量19mg)。
【0018】
2.チューブリンおよび微小管の調製
ローダミン化チューブリンとビオチン化チューブリンは、まず豚脳からチューブリンを抽出、精製し、その後ローダミン化試薬やビオチン化試薬と反応させて得た。さらに、約1mg/mlのそれぞれのチューブリンを2.5μlずつ混合してバッファー中で38℃で40分インキュベートした。その後10mMのタキソール0.1μlを加えて重合を停止して微小管溶液を得た。その他の試薬は市販のものを精製せずにそのまま用いた。
【0019】
3.本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管の製造、並びに観測用フローセルの調製
フローセルは5×5mmのものを用い、30μg/mlのキネシン溶液を流して2分間インキュベートした。その後バッファーで洗浄してから200倍に希釈した上記の微小管溶液(濃度30μg/ml)を流して2分間インキュベートした。次に、バッファーで洗浄してから20μg/mlのストレプトアビジンAlexa488-Fluor コンジュゲート(商品名、モレキュラー・プローブス社製)を流し10分間インキュベートした。そして、洗浄後25μMのビオチン化シクロデキストリン(1)の水溶液を流し30分間インキュベートした。その後バッファーでよく洗い流して、最後に疎水性プローブである1-アニリノナフタレン-8-スルホナート(1,8-ANS)を流し2時間インキュベートしてバッファーで洗浄後、蛍光顕微鏡でAlexa488と1,8-ANSの蛍光を観測した。
【0020】
4.本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管の製造の確認
上記の方法で作成した観測用フローセルで、図1に示すような本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管が製造されていることを蛍光顕微鏡観察により確認した。さらに、シクロデキストリンの包接能が保持されていることにより、疎水性プローブである1,8-ANSが包接されて480nm付近の青色の蛍光が観察されることも確認した。
まず赤の蛍光用フィルターでローダミンに由来する蛍光を顕微鏡観察したところ(倍率160倍)、赤い線状の蛍光が観察された。ローダミンはチューブリンに結合しているため、チューブリンが重合して微小管が形成されていることが確認された。次に、緑の蛍光用フィルターでAlexa488に由来する蛍光を顕微鏡観察した。その結果、ローダミンと同様にAlexa488も線状の蛍光として観察された。Alexa488はストレプトアビジンに結合しているため、そのストレプトアビジンが微小管のビオチンサイトに結合したことが分かった。そして最後に、青の蛍光用フィルターで1,8-ANSに由来する蛍光を顕微鏡観察したところ、弱いながらも同様に線状の蛍光を観察することができた。この線状の蛍光が現れている位置を、前記Alexa488の蛍光の位置と比較してみると、Alexa488と1,8-ANSが同じ位置にあることが分かった。
【0021】
ここで、1,8-ANSの微小管への非特異的染色が考えられるため、比較例として上記の3.の製造の項においてビオチン化β−シクロデキストリン(1)のみを入れていないフローセルを用意し、同様に青の蛍光用フィルターで観察した。すると、線状の蛍光は全く観察されなかった。このことから1,8-ANSは微小管に非特異的に吸着しているのではなく、微小管上に結合したβ−シクロデキストリンに包接されていることが分かった。
以上の結果から、本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管が製造され、1,8-ANSを加えることにより、β−シクロデキストリンの包接能が微小管担持後も依然として発揮されることが明らかとなった。
【0022】
さらに、0.1mMのATPをフローセルに流したところ、通常の微小管で見られるようなランダムな運動が確認された。
この結果から、1,8-ANSを包接した本発明の微小管は微小管運動機能も有することが明らかとなった。
すなわち、本発明の微小管はキネシン基板上での微小管運動を維持したまま、シクロデキストリンによる包接能を併有することが明らかとなった。
この結果は、化学修飾によって超分子機能が微小管に担持された初めての例であり、包接能と微小管運動の融合による物質輸送や、その他の超分子機能との融合の可能性を示すものであり、微小管運動の新たな応用の可能性を示している。すなわち、ナノバイオ素子として微小領域での物質輸送、分子組織化等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明のシクロデキストリンで化学修飾された微小管の説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 微小管
4、4’ ビオチン
6 シクロデキストリン
7 アビジン
8 包接される化合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの一般式1で表わされるビオチン化シクロデキストリン、少なくとも1つのアビジン、及び少なくとも1つのビオチン化微小管を含むシクロデキストリン担持微小管。
一般式1
シクロデキストリン−Lin−ビオチン
(一般式1中、シクロデキストリンは、α、β又はγ−シクロデキストリンであり、Linは2価の連結基であり、シクロデキストリン及びLin間の結合、並びにLin及びビオチン間の結合はそれぞれ、共有結合であり、Linを介さずにシクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。)
【請求項2】
前記ビオチン化シクロデキストリンが、下記一般式2で表わされる化合物である、請求項1記載のシクロデキストリン担持微小管。
一般式2
【化1】

(一般式2中、Linは2価の連結基であり、シクロデキストリン及びLin間の結合、並びにLin及びビオチン間の結合はそれぞれ、共有結合であり、Linを介さずにシクロデキストリンとビオチンとが直接共有結合していてもよい。)
【請求項3】
前記ビオチン化シクロデキストリンが、下記式3で表わされる化合物である、請求項1又は2記載のシクロデキストリン担持微小管。
【化2】

【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のシクロデキストリン担持微小管からなる、分子運搬用ナノバイオ素子。
【請求項5】
ビオチン化微小管を製造する工程、
ビオチン化シクロデキストリンを製造する工程、及び
前記ビオチン化微小管と前記ビオチン化シクロデキストリンとを、アビジンを介することにより結合する工程を含む請求項1〜3のいずれか1項記載のシクロデキストリン担持微小管の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−219405(P2006−219405A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33464(P2005−33464)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年9月13日 日本化学会生体機能関連化学部会発行の「第19回 生体機能関連化学シンポジウム 講演要旨集」に発表
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】