シフト装置
【課題】特にミスシフトのリスクを減じる、改良された構成又は少なくとも1つの他の構成を提供することである。
【解決手段】自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト1と、少なくとも1つのブロック装置10とを備えており、該ブロック装置10はシフトシャフト1に対して移動可能に取り付けられているブロックリング5を有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、前記ブロック装置10は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限するようにした。
【解決手段】自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト1と、少なくとも1つのブロック装置10とを備えており、該ブロック装置10はシフトシャフト1に対して移動可能に取り付けられているブロックリング5を有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、前記ブロック装置10は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフトと、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、ブロック装置はシフトシャフトに対して移動可能に取り付けられているブロックリングを有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DE1750088において、相対回動不能にかつ移動可能にシフトシャフトに結合されている連行体と、変速機ケーシングに取り付けられているブロックセグメントとから成っていて、連行体のブロックノーズが係合するブロック装置を備えた多段式の変速装置のための冒頭で述べた形式のシフト装置が公知になっている。公知のブロック装置はシフトゲート選択を2つの方向に制限しており、特に、公知のHシステムに基づき設計されたシフト回路の任意の外側のシフトゲートから、中間のシフトゲートを介在することなく他の外側のシフトゲートへさらにシフトされ得る、ということを防ぐようになっている。
【0003】
DE3011131C2において、シフトシャフトのシフトゲート選択運動を制限することにより誤シフトを防ぐブロック装置を備えた、自動車における多段式の変速機のための他のシフト装置が公知になっている。ブロック装置は適切なブロック手段により、ブロック手段が、後進ギヤに噛み合うためにマニュアルシフトレバーの規定の特定の操作によりブロック手段のブロック位置から外されるまで、特に後進ギヤに配設されているシフトゲートの選択を少なくとも防いでいる。クラッチが完全に外されていない場合に後進ギヤが噛み合うことを防ぐために、他の条件として、例えばクラッチの完全なレリーズを規定することができる。
【0004】
DE2510154A1において、少なくとも3つのシフトゲートにおけるオーバシフトブロック装置を有する、さらに他のシフト装置が公知になっている。シフト装置は、ミスシフトを排除するブロックエレメントの機械的な強制ガイドを強制する。一般的に、公知のオーバシフトブロック装置はそれぞれ直に隣り合うシフトゲートへの到達だけを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE1750088
【特許文献2】DE3011131C2
【特許文献3】DE2510154A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、冒頭で述べた形式のシフト装置を改良して、特にミスシフトのリスクを減じる、改良された構成又は少なくとも1つの他の構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフトと、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、ブロック装置はシフトシャフトに対して移動可能に取り付けられているブロックリングを有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、ブロック装置は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限することを特徴とする、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置により達成される。
【0008】
有利な構成が従属請求項の対象である。
【0009】
好ましくは、ブロック装置は第1のシフトゲートと第1のシフトゲートに対して隣り合う第2のシフトゲートとの間において、第2のシフトゲートに達するために、まず第1のシフトゲートの2つのギヤの一方のギヤが噛み合う必要があるように構成されている。
【0010】
好ましくは、第1のシフトゲートは第5のギヤ及び第6のギヤを有し、第2のシフトゲートは少なくとも1つの第7のギヤを有している。
【0011】
好ましくは、第1のシフトゲートは第7のギヤ及び第8のギヤを有し、第2のシフトゲートは少なくとも1つの第9のギヤを有している。
【0012】
好ましくは、ブロックリングはシフトシャフトとケーシング固定型のストッパとの間において軸線方向の延長方向に位置決めされており、かつ、ブロックリングの軸線方向の構成長さを介してブロック位置においてシフトシャフトの軸線方向の運動を制限する。
【0013】
好ましくは、ブロックリングは周方向に種々異なって成形された接触輪郭若しくはストッパ輪郭又はカム輪郭を有しており、ブロック位置においてシフトシャフトの所定のシフト位置への回転時、軸線方向の連結が前記ケーシング固定型のストッパに対して解除されている。
【0014】
好ましくは、シフトシャフトのブロックポジションにおいて所定のシフトポジションに達した場合、ばねがブロックリングを軸線方向に移動させ、ニュートラル位置へ戻すシフトシャフトの回転後に、ブロックリングを介したケーシング固定型のストッパとのシフトシャフトの連結はもはや存在しない。
【0015】
好ましくは、ケーシング固定型のストッパはブロックピンとして構成されていて、ブロックピンはブロックピンケーシング内において案内されており、ブロックピンケーシング自体は変速機ケーシング内に固定されている。
【0016】
好ましくは、シフトシャフトは管状に構成されていて、かつ、変速機固定型のガイドロッドにおいて案内されている。
【0017】
好ましくは、ブロックリングは、シフトシャフトの長手方向端部側に配置されかつばね負荷されているブロックリングとして構成されており、ブロックリングは一方でガイドロッドにおいて案内されており、かつ、他方でシフトシャフト内に案内されており、またブロック装置の構成部材を形成する。
【0018】
好ましくは、ブロックリングは、シフトシャフトの端面とガイドロッド側若しくはケーシング側のストッパとの間において軸線方向に調整可能である。
【0019】
好ましくは、シフトシャフト及びブロックリングは、連行歯列を介して相対回動不能にかつ軸線方向に調整可能に互いに連結されている。
【0020】
好ましくは、ブロックピンはばね負荷されており、かつ、ブロックリングに配置されているブロックカムと協働する。
【0021】
好ましくは、ブロックピンは変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング内に案内されている。
【0022】
好ましくは、ブロックピンはブロックカムの回転運動により押圧可能であるが、ブロックカムの軸線方向の調整運動により押圧可能でない。
【0023】
好ましくは、ブロックリングをシフトシャフトに対して相対的に軸線方向にロックするロッキングリングが設けられており、ロッキングリングは一方でブロックリング側の溝において案内されており、他方でシフトシャフト側の連行歯列の端面において支持される。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、マニュアルシフト変速機(Handschaltgetriebe)において、隣り合う2つのシフトゲート間のシフトゲート選択を専ら一方向に制限する、少なくとも1つのブロック装置を設けるという共通の思想に基づく。本発明に係るブロック装置は、軸線方向に移動可能であると同時にシフトシャフトに相対回動不能に結合されている少なくとも1つのブロックリングを有しており、例えば、予め隣り合うシフトゲートに設けられている1つのギヤ、つまり第5のギヤ又は第6のギヤが噛み合った場合にのみ第7のギヤへのシフトを可能にする。第3のギヤ又は第4のギヤから、第5のギヤ及び第6のギヤを備えたシフトゲートを超えて直接第7のギヤへの直接的なシフトが、本発明に係るブロック装置によって可能とはならないので、このようなミスシフトを確実に排除することができる。しかし、例えば第7のギヤから直接第5のギヤ又は第6のギヤを備えたシフトゲートを超えて直接第3のギヤ又は第4のギヤへの戻しシフトが直接可能でもある。さらに、本発明に係るシフト装置は、第7のギヤから、例えば隣り合うシフトゲートに位置する第5のギヤ又は第6のギヤへの戻し調節時に、例えば第3のギヤ又は第4のギヤへの意図しないシフトが起こることがある、高い戻し調節力の克服を行う必要はない、という利点を提供する。原則として、第7のギヤは純粋に例示的であると理解することができ、本発明により構成されたブロック装置は2つの任意のシフトゲート間に配置することができる。2つの任意のシフトゲート間におけるブロック作用は、一方のシフト方向において望まれてはいるが、他方のシフト方向においては望まれていない。
【0025】
本発明に係るシフト装置の有利な構成において、シフトシャフトはシフト管として構成されている。シフト管は変速機固定型のガイドロッドにおいて案内されており、シフト管の長手方向端部側にばね負荷されているブロックリングが設けられている。ブロックリングがガイドロッドにおいて案内されている一方でシフト管内に案内されており、これと同時にブロック装置の構成部材を形成する。シフト管としてのシフトシャフトの構成は大きな利点を有しており、1つにはシフトシャフトの円滑なガイドであり、またもう1つにはシフトシャフトの正確なガイドである。ガイドロッドに対する一方で、シフト管に対して案内されるブロックリングは特に正確に案内されるブロック装置の構成部材を形成する。特にこのように案内されるブロックリングは、特に正確に規定された、ガイドロッド及びシフト管に対するブロックリングの相対運動を可能にする。
【0026】
本発明の更に重要な特徴及び利点は従属請求項、図面及び図面に基づく図面に関する説明から明らかになる。
【0027】
上述及び以下に説明しようとする特徴はそれぞれ記載の組合せにおいてのみ使用可能であるのではなく、別の組合せ又は個別の構成において使用可能であり、本発明の範囲を離れることはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るシフト装置の断面図である。
【図2】図1に示したブロックリングの領域を示した図である。
【図3】ニュートラル位置における図1に示したシフト装置の図である。
【図4】図3においてギヤが入った状態を示す図である。
【図5】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図6】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図7】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図8】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図9】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図10】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図11】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図12】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図13】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【0029】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。同じ符号を、同じ又は類似の構成部材、又は機能に関して同じ構成部材に用いる。
【0030】
図1に示すように、自動車における多段式の変速機のための本発明に係るシフト装置は、マニュアルシフトレバーによってシフトゲートの選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト1を有している。シフトシャフト1はシフト管として構成されており、変速機固定型のガイドロッド2において案内されている。変速機自体は複数のシフトロッド3を有している。これらのシフトロッド3はシフトシャフト1から半径方向に突出しているシフトフィンガ4を介してシフト可能である。隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を専ら一方向に制限する本発明に係るブロック装置は、ブロックリング5とも称呼されるブロックリング5を有する。ブロックリング5はシフトシャフト1の長手方向端部側に配置されていて、半径方向に突出しているブロックカム6(図3,4参照)を有している。さらにブロックリング5はシフトシャフト1の軸線方向にばね7により予負荷をかけられている。ブロックリング5は、シフトシャフト1の端面とガイドロッド側のストッパ17との間を軸線方向に調整可能である。連行歯列8,9を介してブロックリング5は相対回動不能であると同時に、軸線方向に調整可能にシフトシャフト1に連結されている。連行歯列8はシフトシャフト1に配置されており、連行歯列9はブロックリング5に配置されている。
【0031】
さらに本発明におけるブロック装置には少なくとも1つの遮断器10が設けられており、遮断器10はシフトシャフト1及びガイドロッド2に対して半径方向に調整可能なブロックピン11を有する。ブロックピン11はブロックピンガイド12を介して変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング13において案内されており、圧縮ばね14によってシフトシャフト1に向かって予負荷がかけられている。ブロック状態において、ブロックカム6は端面側のストッパ輪郭16によってブロックピン11に接触する。
【0032】
ブロック位置において選択力は、シフトシャフト1と、軸線方向の接触のために押圧されるブロックリング5とを介して、ひいてはブロックカム6と変速機ケーシングにおけるブロックピン11とを介して支持される。
【0033】
ブロックリング5の位置固定のためにロッキングリング18が設けられている。ロッキングリング18はブロックリング5をシフトシャフト1に対して相対的にロックし、かつ、ロッキングリング18は同時に、ブロックリング側の溝19(図2参照)において案内されている一方で、シフトシャフト側の連行歯列8の端面において支持される。一般的に、ブロックリング5とシフトシャフト1との間の相対的な調整運動は間隔Xだけ可能である。
【0034】
さらに図1を見ると、図1に例示的に示す実施の形態においてシフトシャフト1が回転可能にかつ軸線方向に移動可能に変速機固定型のガイドロッド2において支承されている。シフトシャフト1に結合されているシフトフィンガ4はシフトロッド3のシフト開口(図3参照)内に突入している。シフトシャフト1の回転により対応するギヤG1〜G10が構成される(図4参照)。シフトシャフト1のニュートラル位置におけるシフトシャフト1の軸線方向の運動により、シフトフィンガ4を隣のシフトロッド3のシフト開口内に案内することができ、ひいては他のシフトゲートを選択することができる。シフトパターンはH形に構成されている。
【0035】
図1〜9に記載したように第7のギヤG7の選択方向を向いている、シフトシャフト1の軸線方向の端部において、シフトシャフト1は軸線方向に移動可能なブロックリング5と相対回動不能に結合されていて、例えば記載した2つの連行歯列8,9を介して結合されている。したがってブロックリング5はシフトシャフト1に対して量Xの軸線方向の限定的な移動距離を有しており、ばね7を介してブロックリング5の終端位置に保持される。終端位置における軸線方向の位置固定は、図1、2によれば例示的に円形のロッキングリング18によって構成されている。ロッキングリング18はブロックリング5の溝19において接触している一方で、シフトシャフト1の連行歯列8の内側の端部において支持される。シフトシャフト1におけるブロックリング5の組付け時、ロッキングリング18は溝19内に弾性的に押圧され、連行歯列8の端部に達した後に比較的大きな直径へと弛緩される。
【0036】
さらに図1〜13から見て取ることができるように、ブロックリング5は周輪郭において既述のブロックカム6を有している。ブロックカム6はシフトシャフト1のニュートラル位置においてブロックピン11に対して半径方向においてオーバラップしている。横方向力の支持のためにブロックピン11は、ブロックピンケーシング13とブロックピンガイド12との間に十分なガイド長さを有している。
【0037】
図3においてシフトシャフト1はニュートラル位置にある、つまり例えばギヤG5,G6のシフトゲートにあり、ブロックカム6によってブロックピン11をオーバラップしている。図4は端面側から見た、シフトされたギヤの終端位置、例えばシフトされた第6のギヤG6におけるブロックピン11のブロック輪郭に対する、ブロックカム6の輪郭の相対的な位置を示している。この位置においてブロックリング5のブロックカム6は側方に離れるので、遮断器10のブロックピン11にもはやオーバラップせず、むしろ遮断器10に対して接触せずに軸線方向に移動することができる。
【0038】
図5〜9には、G3/G4,G5/G6及び第7のギヤG7の3つのシフトゲートに関連したシフトポジションにおけるシフトシャフト1及びブロックリング5の、遮断器10に対する相対的な位置が個々に示されている。シフトフィンガ4はゲートポジションに応じて個々のギヤGの各シフトロッド3に係合する。図5を見ると、シフトシャフト1がニュートラル位置において、第3のギヤG3及び第4のギヤG4に対するシフトゲートにあることが判る。この位置において、ブロックリング5のカム6は突出している輪郭に基づき、カム6の端面側のストッパ輪郭によって遮断器10のブロックピン11と軸線方向において接触している。
【0039】
図6によれば、シフトシャフト1はニュートラル位置から右側に第5のギヤG5及び第6のギヤG6のシフトゲートに案内される。ブロックリング5はブロックピン11における接触に基づき、ばね7のばね力に抗してシフトシャフト1に対して軸線方向に運動する。隣り合う2つのシフトゲート間のゲート間隔に相当する間隔量Xを超過して、ブロックリング5とシフトシャフト1とが軸線方向において接触すると、シフトシャフト1のさらなる軸線方向の移動はもはや可能ではない。したがって、マニュアルシフトレバー(図示せず)において、ギヤG5,G6を備えた第1のシフトゲートにおいて選択方向にストッパを感知可能である。ストッパは第1のシフトゲートに対して右側に位置する第7のギヤG7を備えたシフトゲートの直接的な選択を防ぐ。このことは図6に記載されている。
【0040】
図7においては、シフトシャフト1の回動により、第5のギヤG5又は第6のギヤG6が噛み合っている。連行歯列8,9を介してシフトシャフト1と一緒に同時にブロックリング5も回動し、その結果、ブロックカム6の輪郭とブロックピン11の輪郭とはもはやオーバラップも接触もしない。こうして生じた自由通路に基づき、ブロックリング5はばね7のばね力により右側に、つまりブロックリング5の終端位置に案内される。したがってシフトシャフト1とブロックリング5との間の間隔量Xが再び達成されていて、ブロックリング5とブロックピン11との外側輪郭の面は相対する。
【0041】
第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えたシフトゲートにおけるギヤのレリーズ時、図8によれば、シフトシャフト1の回動により引き起こされるブロックリング5の回転により、ブロックピン11はブロックピン11のブロックカム6の突出している外側輪郭を介して、ばね14のばね力に対して遮断器10のブロックピンケーシング13内に押し戻される。シフト力に過度に影響を与えないために、ブロックカム6とブロックピン11との間の摩擦は可能な限り小さく保持される。このことは特に円形のブロックピン輪郭15によりもたらすことができる。
【0042】
第5のギヤG5又は第6のギヤG6へのシフト後にシフトシャフト1は再びブロックリング5に対して間隔量Xを有し、シフトシャフト1の軸線方向の調整のための経路が解放されているので、シフトシャフト1を第7のギヤG7のゲートポジションへのブロック作用なしに案内することができる。ブロックリング5の比較的広幅な実施の形態を結果として伴うことになる、前記ゲートにおけるブロックリング5のさらなる軸線方向の移動を回避するために、ガイドロッド2には軸線方向のストッパ17(図1参照)が設けられている。マニュアルシフトレバーが第5のギヤG5又は第6のギヤG6へのシフト後に動かされると、第7のギヤG7を有する隣のシフトゲートに対するブロック作用はもはや存在していない。ブロックピン11はブロックリング5の周面とのみ接触しており、かつ、第3のギヤG3及び第4のギヤG4を備えたゲートへのシフトフィンガ4の戻し案内後にばね14のばね力により初めて戻るので、ブロックリング5に再びブロックリング5の端面側の輪郭における軸線方向の当接を提供する。したがってシフトフィンガ4ひいてはシフトシャフト1の、変速機のニュートラル位置への戻し案内後に、第7のギヤG7を備えたシフトゲートへの直接的な選択通路は再びブロックされている。
【0043】
一般的に、本発明に係るブロック原理は原則的に他の又は別の相並んでいるシフトゲート間において応用することもできる。択一的な使用においてブロック機能が最後のシフトゲートに対して設けられていない場合、ブロックリング領域は軸線方向に拡幅される必要がある。ブロックリング領域の周面はブロックピン11と接触している。
【0044】
図10〜13には、例えば、隣り合う2つのシフトゲートにそれぞれ遮断器10,10′が次のシフトゲートに対して、つまり隣のシフトゲートに対して有効である一形態の種々異なる可能なシフトゲートポジションが示されている。ブロックリング5の周面には2つのブロックカム6,6′が配置されている。2つのブロックカム6,6′の機能形式は、図5〜9に基づき既に記載した実施の形態に対応して、ブロック作用を2つの遮断器10,10′と付属のブロックピン11,11′とによってもたらされる。2つの遮断器10,10′は1つのシフトゲート幅だけ軸線方向にずらされて位置決めされている。直ぐ隣に位置するシフトゲートに対する各遮断器10,10′の開放は、各遮断器10,10′の直前において2つのギヤG5,G6若しくはG7,G8へのシフトにより行われる。
【0045】
したがって、図10によればシフトフィンガ4は第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えたシフトゲートに位置し、遮断器10のブロックピン11においてストッパ面16と接触している。図11に記載されているように、第5のギヤG5又は第6のギヤG6に噛み合うことにより、ブロックリング5は図1に記載されているばね7に基づき右側に調整される。これによりシフトシャフト1に対して再び間隔量Xがもたらされる。次いで図12に記載されているように、2つのギヤG7,G8を備えたシフトゲートに軸線方向に調整することができる。第7のギヤG7又は第8のギヤG8の噛合いによりシフトシャフト1の回動がもたらされる。次に遮断器10′によりブロックされた状態(図12参照)において、ブロックリング5の軸線方向運動はもはや可能でない。このような軸線方向運動は、図7の記載に相当して、シフトシャフト1の回動によるブロックカム6′と遮断器10′のブロックピン11′との間のオーバラップの解消により、ばね7のばね力に基づき可能である。図13の記載に基づき、シフトシャフト1は2つのギヤG9,G10を備えたシフトゲートに向かって軸線方向に調整することもできる。
【0046】
しかし、例えば2つのギヤG9,G10を備えたシフトゲートから、このシフトゲートに対して隣に位置する第7のギヤG7及び第8のギヤG8を備えた第2のシフトゲートへの戻しシフトは直接可能であり、また第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えた第1のシフトゲートへのさらなる戻しシフトも可能である。したがって本発明係る遮断器10,10′は単に一方へのシフト方向にのみ作用するが、他方へのシフト方向へは作用はしない。本発明に係るシフト装置によって、特に誤ったシフトの危険を減じることができ、このために使用される、少なくとも1つのブロック装置はまた構造的に簡単かつ廉価に構成されている。
【符号の説明】
【0047】
1 シフトシャフト、 2 ガイドロッド、 3 シフトロッド、 4 シフトフィンガ、 5 ブロックリング、 6,6′ ブロックカム、 7 ばね、 8,9 連行歯列、 10,10′ ブロック装置、 11,11′ ブロックピン、 12 ブロックピンガイド、 13 ブロックピンケーシング、 14 圧縮ばね、 15 ブロックピン輪郭、 16 ストッパ輪郭、 17 ストッパ、 18 ロッキングリング、 19 溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフトと、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、ブロック装置はシフトシャフトに対して移動可能に取り付けられているブロックリングを有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DE1750088において、相対回動不能にかつ移動可能にシフトシャフトに結合されている連行体と、変速機ケーシングに取り付けられているブロックセグメントとから成っていて、連行体のブロックノーズが係合するブロック装置を備えた多段式の変速装置のための冒頭で述べた形式のシフト装置が公知になっている。公知のブロック装置はシフトゲート選択を2つの方向に制限しており、特に、公知のHシステムに基づき設計されたシフト回路の任意の外側のシフトゲートから、中間のシフトゲートを介在することなく他の外側のシフトゲートへさらにシフトされ得る、ということを防ぐようになっている。
【0003】
DE3011131C2において、シフトシャフトのシフトゲート選択運動を制限することにより誤シフトを防ぐブロック装置を備えた、自動車における多段式の変速機のための他のシフト装置が公知になっている。ブロック装置は適切なブロック手段により、ブロック手段が、後進ギヤに噛み合うためにマニュアルシフトレバーの規定の特定の操作によりブロック手段のブロック位置から外されるまで、特に後進ギヤに配設されているシフトゲートの選択を少なくとも防いでいる。クラッチが完全に外されていない場合に後進ギヤが噛み合うことを防ぐために、他の条件として、例えばクラッチの完全なレリーズを規定することができる。
【0004】
DE2510154A1において、少なくとも3つのシフトゲートにおけるオーバシフトブロック装置を有する、さらに他のシフト装置が公知になっている。シフト装置は、ミスシフトを排除するブロックエレメントの機械的な強制ガイドを強制する。一般的に、公知のオーバシフトブロック装置はそれぞれ直に隣り合うシフトゲートへの到達だけを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE1750088
【特許文献2】DE3011131C2
【特許文献3】DE2510154A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、冒頭で述べた形式のシフト装置を改良して、特にミスシフトのリスクを減じる、改良された構成又は少なくとも1つの他の構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフトと、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、ブロック装置はシフトシャフトに対して移動可能に取り付けられているブロックリングを有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、ブロック装置は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限することを特徴とする、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置により達成される。
【0008】
有利な構成が従属請求項の対象である。
【0009】
好ましくは、ブロック装置は第1のシフトゲートと第1のシフトゲートに対して隣り合う第2のシフトゲートとの間において、第2のシフトゲートに達するために、まず第1のシフトゲートの2つのギヤの一方のギヤが噛み合う必要があるように構成されている。
【0010】
好ましくは、第1のシフトゲートは第5のギヤ及び第6のギヤを有し、第2のシフトゲートは少なくとも1つの第7のギヤを有している。
【0011】
好ましくは、第1のシフトゲートは第7のギヤ及び第8のギヤを有し、第2のシフトゲートは少なくとも1つの第9のギヤを有している。
【0012】
好ましくは、ブロックリングはシフトシャフトとケーシング固定型のストッパとの間において軸線方向の延長方向に位置決めされており、かつ、ブロックリングの軸線方向の構成長さを介してブロック位置においてシフトシャフトの軸線方向の運動を制限する。
【0013】
好ましくは、ブロックリングは周方向に種々異なって成形された接触輪郭若しくはストッパ輪郭又はカム輪郭を有しており、ブロック位置においてシフトシャフトの所定のシフト位置への回転時、軸線方向の連結が前記ケーシング固定型のストッパに対して解除されている。
【0014】
好ましくは、シフトシャフトのブロックポジションにおいて所定のシフトポジションに達した場合、ばねがブロックリングを軸線方向に移動させ、ニュートラル位置へ戻すシフトシャフトの回転後に、ブロックリングを介したケーシング固定型のストッパとのシフトシャフトの連結はもはや存在しない。
【0015】
好ましくは、ケーシング固定型のストッパはブロックピンとして構成されていて、ブロックピンはブロックピンケーシング内において案内されており、ブロックピンケーシング自体は変速機ケーシング内に固定されている。
【0016】
好ましくは、シフトシャフトは管状に構成されていて、かつ、変速機固定型のガイドロッドにおいて案内されている。
【0017】
好ましくは、ブロックリングは、シフトシャフトの長手方向端部側に配置されかつばね負荷されているブロックリングとして構成されており、ブロックリングは一方でガイドロッドにおいて案内されており、かつ、他方でシフトシャフト内に案内されており、またブロック装置の構成部材を形成する。
【0018】
好ましくは、ブロックリングは、シフトシャフトの端面とガイドロッド側若しくはケーシング側のストッパとの間において軸線方向に調整可能である。
【0019】
好ましくは、シフトシャフト及びブロックリングは、連行歯列を介して相対回動不能にかつ軸線方向に調整可能に互いに連結されている。
【0020】
好ましくは、ブロックピンはばね負荷されており、かつ、ブロックリングに配置されているブロックカムと協働する。
【0021】
好ましくは、ブロックピンは変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング内に案内されている。
【0022】
好ましくは、ブロックピンはブロックカムの回転運動により押圧可能であるが、ブロックカムの軸線方向の調整運動により押圧可能でない。
【0023】
好ましくは、ブロックリングをシフトシャフトに対して相対的に軸線方向にロックするロッキングリングが設けられており、ロッキングリングは一方でブロックリング側の溝において案内されており、他方でシフトシャフト側の連行歯列の端面において支持される。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、マニュアルシフト変速機(Handschaltgetriebe)において、隣り合う2つのシフトゲート間のシフトゲート選択を専ら一方向に制限する、少なくとも1つのブロック装置を設けるという共通の思想に基づく。本発明に係るブロック装置は、軸線方向に移動可能であると同時にシフトシャフトに相対回動不能に結合されている少なくとも1つのブロックリングを有しており、例えば、予め隣り合うシフトゲートに設けられている1つのギヤ、つまり第5のギヤ又は第6のギヤが噛み合った場合にのみ第7のギヤへのシフトを可能にする。第3のギヤ又は第4のギヤから、第5のギヤ及び第6のギヤを備えたシフトゲートを超えて直接第7のギヤへの直接的なシフトが、本発明に係るブロック装置によって可能とはならないので、このようなミスシフトを確実に排除することができる。しかし、例えば第7のギヤから直接第5のギヤ又は第6のギヤを備えたシフトゲートを超えて直接第3のギヤ又は第4のギヤへの戻しシフトが直接可能でもある。さらに、本発明に係るシフト装置は、第7のギヤから、例えば隣り合うシフトゲートに位置する第5のギヤ又は第6のギヤへの戻し調節時に、例えば第3のギヤ又は第4のギヤへの意図しないシフトが起こることがある、高い戻し調節力の克服を行う必要はない、という利点を提供する。原則として、第7のギヤは純粋に例示的であると理解することができ、本発明により構成されたブロック装置は2つの任意のシフトゲート間に配置することができる。2つの任意のシフトゲート間におけるブロック作用は、一方のシフト方向において望まれてはいるが、他方のシフト方向においては望まれていない。
【0025】
本発明に係るシフト装置の有利な構成において、シフトシャフトはシフト管として構成されている。シフト管は変速機固定型のガイドロッドにおいて案内されており、シフト管の長手方向端部側にばね負荷されているブロックリングが設けられている。ブロックリングがガイドロッドにおいて案内されている一方でシフト管内に案内されており、これと同時にブロック装置の構成部材を形成する。シフト管としてのシフトシャフトの構成は大きな利点を有しており、1つにはシフトシャフトの円滑なガイドであり、またもう1つにはシフトシャフトの正確なガイドである。ガイドロッドに対する一方で、シフト管に対して案内されるブロックリングは特に正確に案内されるブロック装置の構成部材を形成する。特にこのように案内されるブロックリングは、特に正確に規定された、ガイドロッド及びシフト管に対するブロックリングの相対運動を可能にする。
【0026】
本発明の更に重要な特徴及び利点は従属請求項、図面及び図面に基づく図面に関する説明から明らかになる。
【0027】
上述及び以下に説明しようとする特徴はそれぞれ記載の組合せにおいてのみ使用可能であるのではなく、別の組合せ又は個別の構成において使用可能であり、本発明の範囲を離れることはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るシフト装置の断面図である。
【図2】図1に示したブロックリングの領域を示した図である。
【図3】ニュートラル位置における図1に示したシフト装置の図である。
【図4】図3においてギヤが入った状態を示す図である。
【図5】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図6】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図7】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図8】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図9】7段変速機における本発明に係るシフト装置の種々異なるシフト位置を示した図である。
【図10】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図11】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図12】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【図13】10段変速機の種々異なるシフト位置における、2つのブロック装置を備えた本発明に係るシフト装置を示した図である。
【0029】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。同じ符号を、同じ又は類似の構成部材、又は機能に関して同じ構成部材に用いる。
【0030】
図1に示すように、自動車における多段式の変速機のための本発明に係るシフト装置は、マニュアルシフトレバーによってシフトゲートの選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト1を有している。シフトシャフト1はシフト管として構成されており、変速機固定型のガイドロッド2において案内されている。変速機自体は複数のシフトロッド3を有している。これらのシフトロッド3はシフトシャフト1から半径方向に突出しているシフトフィンガ4を介してシフト可能である。隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を専ら一方向に制限する本発明に係るブロック装置は、ブロックリング5とも称呼されるブロックリング5を有する。ブロックリング5はシフトシャフト1の長手方向端部側に配置されていて、半径方向に突出しているブロックカム6(図3,4参照)を有している。さらにブロックリング5はシフトシャフト1の軸線方向にばね7により予負荷をかけられている。ブロックリング5は、シフトシャフト1の端面とガイドロッド側のストッパ17との間を軸線方向に調整可能である。連行歯列8,9を介してブロックリング5は相対回動不能であると同時に、軸線方向に調整可能にシフトシャフト1に連結されている。連行歯列8はシフトシャフト1に配置されており、連行歯列9はブロックリング5に配置されている。
【0031】
さらに本発明におけるブロック装置には少なくとも1つの遮断器10が設けられており、遮断器10はシフトシャフト1及びガイドロッド2に対して半径方向に調整可能なブロックピン11を有する。ブロックピン11はブロックピンガイド12を介して変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング13において案内されており、圧縮ばね14によってシフトシャフト1に向かって予負荷がかけられている。ブロック状態において、ブロックカム6は端面側のストッパ輪郭16によってブロックピン11に接触する。
【0032】
ブロック位置において選択力は、シフトシャフト1と、軸線方向の接触のために押圧されるブロックリング5とを介して、ひいてはブロックカム6と変速機ケーシングにおけるブロックピン11とを介して支持される。
【0033】
ブロックリング5の位置固定のためにロッキングリング18が設けられている。ロッキングリング18はブロックリング5をシフトシャフト1に対して相対的にロックし、かつ、ロッキングリング18は同時に、ブロックリング側の溝19(図2参照)において案内されている一方で、シフトシャフト側の連行歯列8の端面において支持される。一般的に、ブロックリング5とシフトシャフト1との間の相対的な調整運動は間隔Xだけ可能である。
【0034】
さらに図1を見ると、図1に例示的に示す実施の形態においてシフトシャフト1が回転可能にかつ軸線方向に移動可能に変速機固定型のガイドロッド2において支承されている。シフトシャフト1に結合されているシフトフィンガ4はシフトロッド3のシフト開口(図3参照)内に突入している。シフトシャフト1の回転により対応するギヤG1〜G10が構成される(図4参照)。シフトシャフト1のニュートラル位置におけるシフトシャフト1の軸線方向の運動により、シフトフィンガ4を隣のシフトロッド3のシフト開口内に案内することができ、ひいては他のシフトゲートを選択することができる。シフトパターンはH形に構成されている。
【0035】
図1〜9に記載したように第7のギヤG7の選択方向を向いている、シフトシャフト1の軸線方向の端部において、シフトシャフト1は軸線方向に移動可能なブロックリング5と相対回動不能に結合されていて、例えば記載した2つの連行歯列8,9を介して結合されている。したがってブロックリング5はシフトシャフト1に対して量Xの軸線方向の限定的な移動距離を有しており、ばね7を介してブロックリング5の終端位置に保持される。終端位置における軸線方向の位置固定は、図1、2によれば例示的に円形のロッキングリング18によって構成されている。ロッキングリング18はブロックリング5の溝19において接触している一方で、シフトシャフト1の連行歯列8の内側の端部において支持される。シフトシャフト1におけるブロックリング5の組付け時、ロッキングリング18は溝19内に弾性的に押圧され、連行歯列8の端部に達した後に比較的大きな直径へと弛緩される。
【0036】
さらに図1〜13から見て取ることができるように、ブロックリング5は周輪郭において既述のブロックカム6を有している。ブロックカム6はシフトシャフト1のニュートラル位置においてブロックピン11に対して半径方向においてオーバラップしている。横方向力の支持のためにブロックピン11は、ブロックピンケーシング13とブロックピンガイド12との間に十分なガイド長さを有している。
【0037】
図3においてシフトシャフト1はニュートラル位置にある、つまり例えばギヤG5,G6のシフトゲートにあり、ブロックカム6によってブロックピン11をオーバラップしている。図4は端面側から見た、シフトされたギヤの終端位置、例えばシフトされた第6のギヤG6におけるブロックピン11のブロック輪郭に対する、ブロックカム6の輪郭の相対的な位置を示している。この位置においてブロックリング5のブロックカム6は側方に離れるので、遮断器10のブロックピン11にもはやオーバラップせず、むしろ遮断器10に対して接触せずに軸線方向に移動することができる。
【0038】
図5〜9には、G3/G4,G5/G6及び第7のギヤG7の3つのシフトゲートに関連したシフトポジションにおけるシフトシャフト1及びブロックリング5の、遮断器10に対する相対的な位置が個々に示されている。シフトフィンガ4はゲートポジションに応じて個々のギヤGの各シフトロッド3に係合する。図5を見ると、シフトシャフト1がニュートラル位置において、第3のギヤG3及び第4のギヤG4に対するシフトゲートにあることが判る。この位置において、ブロックリング5のカム6は突出している輪郭に基づき、カム6の端面側のストッパ輪郭によって遮断器10のブロックピン11と軸線方向において接触している。
【0039】
図6によれば、シフトシャフト1はニュートラル位置から右側に第5のギヤG5及び第6のギヤG6のシフトゲートに案内される。ブロックリング5はブロックピン11における接触に基づき、ばね7のばね力に抗してシフトシャフト1に対して軸線方向に運動する。隣り合う2つのシフトゲート間のゲート間隔に相当する間隔量Xを超過して、ブロックリング5とシフトシャフト1とが軸線方向において接触すると、シフトシャフト1のさらなる軸線方向の移動はもはや可能ではない。したがって、マニュアルシフトレバー(図示せず)において、ギヤG5,G6を備えた第1のシフトゲートにおいて選択方向にストッパを感知可能である。ストッパは第1のシフトゲートに対して右側に位置する第7のギヤG7を備えたシフトゲートの直接的な選択を防ぐ。このことは図6に記載されている。
【0040】
図7においては、シフトシャフト1の回動により、第5のギヤG5又は第6のギヤG6が噛み合っている。連行歯列8,9を介してシフトシャフト1と一緒に同時にブロックリング5も回動し、その結果、ブロックカム6の輪郭とブロックピン11の輪郭とはもはやオーバラップも接触もしない。こうして生じた自由通路に基づき、ブロックリング5はばね7のばね力により右側に、つまりブロックリング5の終端位置に案内される。したがってシフトシャフト1とブロックリング5との間の間隔量Xが再び達成されていて、ブロックリング5とブロックピン11との外側輪郭の面は相対する。
【0041】
第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えたシフトゲートにおけるギヤのレリーズ時、図8によれば、シフトシャフト1の回動により引き起こされるブロックリング5の回転により、ブロックピン11はブロックピン11のブロックカム6の突出している外側輪郭を介して、ばね14のばね力に対して遮断器10のブロックピンケーシング13内に押し戻される。シフト力に過度に影響を与えないために、ブロックカム6とブロックピン11との間の摩擦は可能な限り小さく保持される。このことは特に円形のブロックピン輪郭15によりもたらすことができる。
【0042】
第5のギヤG5又は第6のギヤG6へのシフト後にシフトシャフト1は再びブロックリング5に対して間隔量Xを有し、シフトシャフト1の軸線方向の調整のための経路が解放されているので、シフトシャフト1を第7のギヤG7のゲートポジションへのブロック作用なしに案内することができる。ブロックリング5の比較的広幅な実施の形態を結果として伴うことになる、前記ゲートにおけるブロックリング5のさらなる軸線方向の移動を回避するために、ガイドロッド2には軸線方向のストッパ17(図1参照)が設けられている。マニュアルシフトレバーが第5のギヤG5又は第6のギヤG6へのシフト後に動かされると、第7のギヤG7を有する隣のシフトゲートに対するブロック作用はもはや存在していない。ブロックピン11はブロックリング5の周面とのみ接触しており、かつ、第3のギヤG3及び第4のギヤG4を備えたゲートへのシフトフィンガ4の戻し案内後にばね14のばね力により初めて戻るので、ブロックリング5に再びブロックリング5の端面側の輪郭における軸線方向の当接を提供する。したがってシフトフィンガ4ひいてはシフトシャフト1の、変速機のニュートラル位置への戻し案内後に、第7のギヤG7を備えたシフトゲートへの直接的な選択通路は再びブロックされている。
【0043】
一般的に、本発明に係るブロック原理は原則的に他の又は別の相並んでいるシフトゲート間において応用することもできる。択一的な使用においてブロック機能が最後のシフトゲートに対して設けられていない場合、ブロックリング領域は軸線方向に拡幅される必要がある。ブロックリング領域の周面はブロックピン11と接触している。
【0044】
図10〜13には、例えば、隣り合う2つのシフトゲートにそれぞれ遮断器10,10′が次のシフトゲートに対して、つまり隣のシフトゲートに対して有効である一形態の種々異なる可能なシフトゲートポジションが示されている。ブロックリング5の周面には2つのブロックカム6,6′が配置されている。2つのブロックカム6,6′の機能形式は、図5〜9に基づき既に記載した実施の形態に対応して、ブロック作用を2つの遮断器10,10′と付属のブロックピン11,11′とによってもたらされる。2つの遮断器10,10′は1つのシフトゲート幅だけ軸線方向にずらされて位置決めされている。直ぐ隣に位置するシフトゲートに対する各遮断器10,10′の開放は、各遮断器10,10′の直前において2つのギヤG5,G6若しくはG7,G8へのシフトにより行われる。
【0045】
したがって、図10によればシフトフィンガ4は第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えたシフトゲートに位置し、遮断器10のブロックピン11においてストッパ面16と接触している。図11に記載されているように、第5のギヤG5又は第6のギヤG6に噛み合うことにより、ブロックリング5は図1に記載されているばね7に基づき右側に調整される。これによりシフトシャフト1に対して再び間隔量Xがもたらされる。次いで図12に記載されているように、2つのギヤG7,G8を備えたシフトゲートに軸線方向に調整することができる。第7のギヤG7又は第8のギヤG8の噛合いによりシフトシャフト1の回動がもたらされる。次に遮断器10′によりブロックされた状態(図12参照)において、ブロックリング5の軸線方向運動はもはや可能でない。このような軸線方向運動は、図7の記載に相当して、シフトシャフト1の回動によるブロックカム6′と遮断器10′のブロックピン11′との間のオーバラップの解消により、ばね7のばね力に基づき可能である。図13の記載に基づき、シフトシャフト1は2つのギヤG9,G10を備えたシフトゲートに向かって軸線方向に調整することもできる。
【0046】
しかし、例えば2つのギヤG9,G10を備えたシフトゲートから、このシフトゲートに対して隣に位置する第7のギヤG7及び第8のギヤG8を備えた第2のシフトゲートへの戻しシフトは直接可能であり、また第5のギヤG5及び第6のギヤG6を備えた第1のシフトゲートへのさらなる戻しシフトも可能である。したがって本発明係る遮断器10,10′は単に一方へのシフト方向にのみ作用するが、他方へのシフト方向へは作用はしない。本発明に係るシフト装置によって、特に誤ったシフトの危険を減じることができ、このために使用される、少なくとも1つのブロック装置はまた構造的に簡単かつ廉価に構成されている。
【符号の説明】
【0047】
1 シフトシャフト、 2 ガイドロッド、 3 シフトロッド、 4 シフトフィンガ、 5 ブロックリング、 6,6′ ブロックカム、 7 ばね、 8,9 連行歯列、 10,10′ ブロック装置、 11,11′ ブロックピン、 12 ブロックピンガイド、 13 ブロックピンケーシング、 14 圧縮ばね、 15 ブロックピン輪郭、 16 ストッパ輪郭、 17 ストッパ、 18 ロッキングリング、 19 溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト(1)と、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、該ブロック装置はシフトシャフト(1)に対して移動可能に取り付けられているブロックリング(5)を有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、
前記ブロック装置は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限することを特徴とする、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置。
【請求項2】
前記ブロック装置は第1のシフトゲートと該第1のシフトゲートに対して隣り合う第2のシフトゲートとの間において、該第2のシフトゲートに達するために、まず前記第1のシフトゲートの2つのギヤ(G)の一方のギヤが噛み合う必要があるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記第1のシフトゲートは第5のギヤ(G5)及び第6のギヤ(G6)を有し、前記第2のシフトゲートは少なくとも1つの第7のギヤ(G7)を有していることを特徴とする、請求項2記載のシフト装置。
【請求項4】
前記第1のシフトゲートは第7のギヤ(G7)及び第8のギヤ(G8)を有し、前記第2のシフトゲートは少なくとも1つの第9のギヤ(G9)を有していることを特徴とする、請求項2記載のシフト装置。
【請求項5】
ブロックリング(5)はシフトシャフト(1)とケーシング固定型のストッパとの間において軸線方向の延長方向に位置決めされており、かつ、ブロックリング(5)の軸線方向の構成長さを介してブロック位置においてシフトシャフト(1)の軸線方向の運動を制限することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項6】
ブロックリング(5)は周方向に種々異なって成形された接触輪郭若しくはストッパ輪郭又はカム輪郭(6)を有しており、前記ブロック位置においてシフトシャフト(1)の所定のシフト位置への回転時、軸線方向の連結が前記ケーシング固定型のストッパに対して解除されていることを特徴とする、請求項5記載のシフト装置。
【請求項7】
シフトシャフト(1)のブロックポジションにおいて所定のシフトポジションに達した場合、ばねがブロックリング(5)を軸線方向に移動させ、ニュートラル位置へ戻すシフトシャフト(1)の回転後に、ブロックリング(5)を介した前記ケーシング固定型のストッパとのシフトシャフト(1)の連結はもはや存在しないことを特徴とする、請求項5又は6記載のシフト装置。
【請求項8】
前記ケーシング固定型のストッパはブロックピン(11,11′)として構成されていて、該ブロックピン(11,11′)はブロックピンケーシング(13)内において案内されており、該ブロックピンケーシング(13)自体は変速機ケーシング内に固定されていることを特徴とする、請求項5から7までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項9】
シフトシャフト(1)は管状に構成されていて、かつ、変速機固定型のガイドロッド(2)において案内されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項10】
ブロックリング(5)は、シフトシャフト(1)の長手方向端部側に配置されかつばね負荷されているブロックリング(5)として構成されており、該ブロックリング(5)は一方でガイドロッド(2)において案内されており、かつ、他方でシフトシャフト(1)内に案内されており、また前記ブロック装置の構成部材を形成することを特徴とする、請求項9記載のシフト装置。
【請求項11】
ブロックリング(5)は、シフトシャフト(1)の端面とガイドロッド側若しくはケーシング側のストッパ(17)との間において軸線方向に調整可能であることを特徴とする、請求項10記載のシフト装置。
【請求項12】
シフトシャフト(1)及びブロックリング(5)は、連行歯列(8,9)を介して相対回動不能にかつ軸線方向に調整可能に互いに連結されていることを特徴とする、請求項10又は11記載のシフト装置。
【請求項13】
ブロックピン(11,11′)はばね負荷されており、かつ、ブロックリング(5)に配置されているブロックカム(6,6′)と協働することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項14】
ブロックピン(11,11′)は変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング(13)内に案内されていることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項15】
ブロックピン(11,11′)はブロックカム(6,6′)の回転運動により押圧可能であるが、ブロックカム(6,6′)の軸線方向の調整運動により押圧可能でないことを特徴とする、請求項14記載のシフト装置。
【請求項16】
ブロックリング(5)をシフトシャフト(1)に対して相対的に軸線方向にロックするロッキングリング(18)が設けられており、該ロッキングリング(18)は一方でブロックリング側の溝(19)において案内されており、他方でシフトシャフト側の連行歯列(8)の端面において支持されることを特徴とする、請求項12から15までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項1】
自動車における多段式の変速機のためのシフト装置であって、マニュアルシフトレバーによってシフトゲート選択のために軸線方向に、かつ、ギヤシフトのために回転方向に運動可能なシフトシャフト(1)と、少なくとも1つのブロック装置とを備えており、該ブロック装置はシフトシャフト(1)に対して移動可能に取り付けられているブロックリング(5)を有しかつシフトゲート選択を制限する、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置において、
前記ブロック装置は隣り合う2つのシフトゲート間のゲート選択を一方向においてのみ制限することを特徴とする、自動車における多段式の変速機のためのシフト装置。
【請求項2】
前記ブロック装置は第1のシフトゲートと該第1のシフトゲートに対して隣り合う第2のシフトゲートとの間において、該第2のシフトゲートに達するために、まず前記第1のシフトゲートの2つのギヤ(G)の一方のギヤが噛み合う必要があるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記第1のシフトゲートは第5のギヤ(G5)及び第6のギヤ(G6)を有し、前記第2のシフトゲートは少なくとも1つの第7のギヤ(G7)を有していることを特徴とする、請求項2記載のシフト装置。
【請求項4】
前記第1のシフトゲートは第7のギヤ(G7)及び第8のギヤ(G8)を有し、前記第2のシフトゲートは少なくとも1つの第9のギヤ(G9)を有していることを特徴とする、請求項2記載のシフト装置。
【請求項5】
ブロックリング(5)はシフトシャフト(1)とケーシング固定型のストッパとの間において軸線方向の延長方向に位置決めされており、かつ、ブロックリング(5)の軸線方向の構成長さを介してブロック位置においてシフトシャフト(1)の軸線方向の運動を制限することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項6】
ブロックリング(5)は周方向に種々異なって成形された接触輪郭若しくはストッパ輪郭又はカム輪郭(6)を有しており、前記ブロック位置においてシフトシャフト(1)の所定のシフト位置への回転時、軸線方向の連結が前記ケーシング固定型のストッパに対して解除されていることを特徴とする、請求項5記載のシフト装置。
【請求項7】
シフトシャフト(1)のブロックポジションにおいて所定のシフトポジションに達した場合、ばねがブロックリング(5)を軸線方向に移動させ、ニュートラル位置へ戻すシフトシャフト(1)の回転後に、ブロックリング(5)を介した前記ケーシング固定型のストッパとのシフトシャフト(1)の連結はもはや存在しないことを特徴とする、請求項5又は6記載のシフト装置。
【請求項8】
前記ケーシング固定型のストッパはブロックピン(11,11′)として構成されていて、該ブロックピン(11,11′)はブロックピンケーシング(13)内において案内されており、該ブロックピンケーシング(13)自体は変速機ケーシング内に固定されていることを特徴とする、請求項5から7までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項9】
シフトシャフト(1)は管状に構成されていて、かつ、変速機固定型のガイドロッド(2)において案内されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項10】
ブロックリング(5)は、シフトシャフト(1)の長手方向端部側に配置されかつばね負荷されているブロックリング(5)として構成されており、該ブロックリング(5)は一方でガイドロッド(2)において案内されており、かつ、他方でシフトシャフト(1)内に案内されており、また前記ブロック装置の構成部材を形成することを特徴とする、請求項9記載のシフト装置。
【請求項11】
ブロックリング(5)は、シフトシャフト(1)の端面とガイドロッド側若しくはケーシング側のストッパ(17)との間において軸線方向に調整可能であることを特徴とする、請求項10記載のシフト装置。
【請求項12】
シフトシャフト(1)及びブロックリング(5)は、連行歯列(8,9)を介して相対回動不能にかつ軸線方向に調整可能に互いに連結されていることを特徴とする、請求項10又は11記載のシフト装置。
【請求項13】
ブロックピン(11,11′)はばね負荷されており、かつ、ブロックリング(5)に配置されているブロックカム(6,6′)と協働することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項14】
ブロックピン(11,11′)は変速機ケーシング固定型のブロックピンケーシング(13)内に案内されていることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項記載のシフト装置。
【請求項15】
ブロックピン(11,11′)はブロックカム(6,6′)の回転運動により押圧可能であるが、ブロックカム(6,6′)の軸線方向の調整運動により押圧可能でないことを特徴とする、請求項14記載のシフト装置。
【請求項16】
ブロックリング(5)をシフトシャフト(1)に対して相対的に軸線方向にロックするロッキングリング(18)が設けられており、該ロッキングリング(18)は一方でブロックリング側の溝(19)において案内されており、他方でシフトシャフト側の連行歯列(8)の端面において支持されることを特徴とする、請求項12から15までのいずれか一項記載のシフト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−286118(P2010−286118A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135369(P2010−135369)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(508174975)ドクトル イング ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (134)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(508174975)ドクトル イング ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (134)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
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