説明

シャッター眼鏡

【課題】内部の配線を簡素化できるシャッター眼鏡を提供する。
【解決手段】シャッター眼鏡1は、左眼用シャッター2Lと右眼用シャッター2Rとを駆動する駆動回路が実装された回路基板5と、回路基板5に電力を供給する電池12と、映像表示装置から送信される同期信号を受信する受信素子7と、を備える。回路基板5と電池12と受信素子7は左眼用シャッター2Lと右眼用シャッター2Rとの間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフレームシーケンシャル方式により表示される三次元映像を見るために使用されるシャッター眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームシーケンシャル方式により表示される三次元映像を見るために、映像と同期して右眼用シャッターと左眼用シャッターとを駆動する液晶シャッター眼鏡が利用されている。この種のシャッター眼鏡は、映像表示装置からの同期信号を受信する受光素子を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−71757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャッター眼鏡のフレームの多くは、不要な外光がユーザの目に届くのを防止するために、その右端と左端とに壁状のシールド部を有している。従来のシャッター眼鏡では、2つのシャッターを駆動する駆動回路が実装された回路基板は、一方のシールド部に収容され、回路基板に電力を供給する電池は他方のシールド部に収容されている。このようなレイアウトでは、回路基板とシャッターとの接続や、回路基板と受光素子との接続、回路基板と電池との接続のために、シャッターの上縁或いは下縁に沿って電線を設ける必要が生じ、シャッター眼鏡の構造が複雑になる。
【0005】
本発明の目的は、内部の配線を簡素化できるシャッター眼鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシャッター眼鏡は、左眼用シャッターと右眼用シャッターとを備え、映像表示装置に表示される映像に同期してそれらを開閉するシャッター眼鏡である。前記シャッター眼鏡は、前記左眼用シャッターと前記右眼用シャッターとを駆動する駆動回路が実装された回路基板と、前記回路基板に電力を供給する電池と、前記映像表示装置から送信される同期信号を受信する受信素子と、を備える。前記回路基板と前記電池と前記受信素子は前記左眼用シャッターと前記右眼用シャッターとの間に配置されている。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡の内部の配線を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係るシャッター眼鏡の斜視図である。
【図2】上記シャッター眼鏡の分解斜視図である。
【図3】上記シャッター眼鏡の背面図である。
【図4】図3に示すIV−IV線での断面図である。
【図5】図4のV−V線で示す面を切断面とするシャッター眼鏡の断面図である。
【図6】正面側から映像表示装置を見た様子を示す斜視図である。
【図7】背面側から映像表示装置を見た様子を示す斜視図である。
【図8】映像表示装置が備える本体部、台座、及び支柱の接続関係を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るシャッター眼鏡1の斜視図である。図2はシャッター眼鏡1の分解斜視図である。図3はシャッター眼鏡1が備えるブリッジDの背面図である。図4は図3に示すIV−IV線での断面図である。図5は図4のV−V線で示す面を切断面とするシャッター眼鏡1の断面図である。以下の説明では、図1においてX1,X2で示す方向がそれぞれ左方向,右方向であり、Z1,Z2で示す方向がそれぞれ上方,下方である。また、図1においてY1,Y2で示す方向がそれぞれ前方,後方である。
【0009】
図1に示すように、シャッター眼鏡1は右眼用シャッター2Rと左眼用シャッター2Lとを有している。シャッター2R,2Lとしては、例えば液晶シャッターが利用され得る。シャッター眼鏡1は、例えば後述する映像表示装置100(図6参照)に表示される映像に同期してシャッター2R,2Lを開閉する。すなわち、シャッター眼鏡1は映像表示装置100にされる映像に同期してシャッター2R,2Lの液晶を駆動し、光透過を許容したり、光透過を規制する。映像表示装置100が、例えばフレームシーケンシャル方式で三次元映像を表示する場合には、シャッター眼鏡1は、右眼用画像と左眼用画像の表示タイミングに合わせてシャッター2R,2Lを交互に開く。また、映像表示装置100が、複数のユーザのそれぞれのために、互いに異なる画像をフレームシーケンシャル方式で表示する場合には、シャッター眼鏡1を使用するユーザのための画像が表示されているタイミングに合わせて、シャッター2R,2Lの双方を開く。映像表示装置100については後において詳説する。
【0010】
図1に示すように、シャッター眼鏡1はシャッター2R,2Lを保持するフレーム3を有している。フレーム3はその右側部分及び左側部分に開口36を有し、シャッター2R,2Lは開口36の内側でそれぞれ保持されている。また、フレーム3はシャッター2R,2Lの上縁から後方に張り出す庇状の上シールド部33を有している。また、フレーム3は、その左右の端部に、シャッター2R,2Lの縁から後方に伸びる壁状のサイドシールド部35を有している。これら上シールド部33とサイドシールド部35は、シャッター眼鏡1の使用時に、不要な外光を遮蔽する。さらに、フレーム3はシャッター2R,2Lの下縁を支持する下バー部37を有している。
【0011】
この例のフレーム3は、図2に示すように、前後方向において組み合わされる前フレーム3Aと後フレーム3Bを有している。後フレーム3Bの縁には前フレーム3Aに引っ掛かる爪が形成されており、この爪によって前フレーム3Aと後フレーム3Bは互いに固定されている。これらが組み合わされた状態では、後フレーム3Bは前フレーム3Aの内側に配置される。すなわち、前フレーム3Aと後フレーム3Bは、上シールド部33の外面を形成する外壁部33Aと、上シールド部33の内面を形成する内壁部33Bをそれぞれ有している。内壁部33Bの上面には、上シールド部33の強度を確保するための複数のリブ33aが形成されている。また、前フレーム3Aと後フレーム3Bは、サイドシールド部35の外面を形成する外壁部35Aと、サイドシールド部35の内面を形成する内壁部35Bをそれぞれ有している。さらに、前フレーム3Aと後フレーム3Bとには開口36A,36Bがそれぞれ形成されており、シャッター2R,2Lの外周縁は開口36Aの縁と開口36Bの縁とによって挟まれ、保持される。
【0012】
シャッター眼鏡1は、図1に示すように、フレーム3のサイドシールド部35から後方に伸びるサイドアーム4を有している。サイドアーム4は、シャッター眼鏡1の使用時に、ユーザの耳で支持される。サイドアーム4の前端はサイドシールド部35によって支持されている。この例では、サイドアーム4の前端は、サイドシールド部35によって保持されるピン41(図2参照)を通して支持される。左右のサイドアーム4はこのピン41を中心にして内側に畳むことができる。
【0013】
シャッター眼鏡1は、図2及び図4に示すように、シャッター2R,2Lを駆動する駆動回路(マイクロプロセッサ)51が実装された回路基板5と、回路基板5に電力を供給する電池12と、映像表示装置100からの同期信号を受信する受信素子7とを備えている。受信素子7としては、例えば、映像表示装置100から同期信号として送信される赤外線を検出する受光素子を利用できる。
【0014】
図3及び図4に示すように、これら回路基板5、電池12、及び受信素子7は2つのシャッター2R,2Lの間に配置されている。すなわち、フレーム3は、シャッター2R,2Lに掛け渡される中空のブリッジDを有し(図1参照)、当該ブリッジDの内側に、回路基板5、電池12、及び受信素子7が配置されている。このようなレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の重心位置を当該シャッター眼鏡1の左右方向の中心C1に近づけることができるので、ユーザがシャッター眼鏡1を快適に装着できるようになる。また、シャッター眼鏡1における配線を簡素化できる。つまり、回路基板5とシャッター2R,2Lとを繋ぐ電線21(図2参照)を短くできる。この例の電線21は、左右のシャッター2R,2Lの内側部分、すなわち、左右方向の中心C1寄りの部分から回路基板5に向けて伸びている。また、このレイアウトによれば、電池12と回路基板5とを繋ぐ電線12a(図2参照)をも短くできる。さらに、受信素子7と回路基板5とを容易に電気的に接続できる。この例では、受信素子7は回路基板5から前方に突出するように、当該回路基板5に実装されている。
【0015】
この例の電池12は薄い直方体状の電池である(図2参照)。図4に示すように、回路基板5と電池12はいずれもその垂線がシャッター2R,2Lと同じ方向に向くように配置されている。すなわち、垂線は前方に向いている。回路基板5と電池12は前後方向において並んでいる。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の左右の重量の均衡を図り易くなる。すなわち、シャッター眼鏡1の重心位置を当該シャッター眼鏡1の左右方向の中心C1に近づけることが容易となる。好適には、回路基板5の左右方向の中心と電池12の左右方向の中心は、シャッター眼鏡1の左右方向の中心C1に一致していることが望ましい。
【0016】
図4に示すように、電池12は回路基板5の後方に位置している。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の使用時に、電池12をユーザ寄りに位置させることができる。その結果、ユーザの鼻や耳によるシャッター眼鏡1の支持の安定性を向上できる。
【0017】
また、駆動回路51は、図4に示すように、回路基板5の後側に位置している。すなわち、駆動回路51は、電池12側の面に実装されている。このレイアウトによれば、回路基板5をブリッジDの前側に位置させ易くなる。その結果、受信素子7による光の検出感度を増すことができる。なお、図2及び図4に示すように、駆動回路51と電池12との間にはシート状の緩衝部材15が配置されている。
【0018】
シャッター眼鏡1は、その使用時に、ユーザの鼻で支持される鼻パッド11をさらに有している(図2及び図3参照)。図4に示すように、電池12は鼻パッド11の上方に配置され、電池12の後面は鼻パッド11の前面11aよりも後方に位置している。この例の鼻パッド11は下方に開いた略U字形状を有している。電池12は鼻パッド11の最上部の上方に位置している。電池12のこのようなレイアウトによれば、電池12の荷重が鼻パッド11を通してユーザの鼻に対して鉛直方向に作用するので、シャッター眼鏡1の支持安定性をさらに向上できる。
【0019】
図4に示すように、後フレーム3Bは、その左右方向の中央部に、ブリッジDの内側に形成されるスペースの下面を規定する後下壁部32を有している。後下壁部32は後述する後カバー13に対して前方に凹んでおり、L字状の断面を有するように形成されている。鼻パッド11の上部は後下壁部32の内側(L字状の内側)に配置され、螺子17(図2参照)によって後下壁部32に取り付けられている。電池12は後下壁部32の上方に位置している。
【0020】
この例の鼻パッド11はエラストマーなどの弾性材料によって形成されている。また、鼻パッド11は、図4に示すように、弾性材料の内部に配置される芯材11bを有している。芯材11bは針金などのユーザによる塑性変形が可能な材料によって形成されている。ユーザは自身の鼻に合わせて鼻パッド11を変形させることができる。
【0021】
図2及び図4に示すように、シャッター眼鏡1は電池12の後側を覆う後カバー13を有している。後カバー13はブリッジDの背面を規定している。電池12はブリッジDの内側に形成されるスペースの最後方に位置し、後カバー13に接している。この例では、電池12は後カバー13によって回路基板5に向けて付勢されている。
【0022】
図2に示すように、回路基板5と後カバー13は互いに対応する形状を有している。回路基板5と後カバー13は共通の螺子9によってフレーム3に固定されている(図3参照)。この例の回路基板5と後カバー13は、それらの左右方向の幅が上方に向かって徐々に大きくなるように形成されている。回路基板5の上部の左右と後カバー13の上部の左右とに、螺子9が差し込まれる孔が形成されている。
【0023】
後フレーム3Bの後下壁部32の下縁は、シャッター眼鏡1の正面視において、上述の鼻パッド11と同様に、下方に開くように湾曲している。図4に示すように、後下壁部32の下縁には前方に突出するフランジ部38が形成されている。また、前フレーム3Aは、その左右方向の中央部に、フランジ部38とともにブリッジDの下面を形成する前下壁部39を有している。フランジ部38と前下壁部39も、下方に開くように湾曲している。回路基板5は上述した後下壁部32よりも前方に位置し、その下縁の位置は電池12の下縁よりも低い位置に位置している。回路基板5の下縁はフランジ部38や前下壁部39に合わせて湾曲している。これにより、回路基板5を矩形にする場合に比べて、回路基板5のサイズを増すことが可能となる。前フレーム3Aには、鼻パッド11を固定する2つの螺子17がそれぞれ差し込まれるボス39aが形成されている(図4参照)。回路基板5の下縁はボス39aによって支持されている。これよって、回路基板5を安定的に支持できる。
【0024】
この例の電池12は二次電池である。図2に示すように、シャッター眼鏡1は電池12を充電するための電線が接続可能なコネクタ52を備えている。コネクタ52としては例えばUSB規格のコネクタが利用され得る。コネクタ52は左右のシャッター2R,2Lの間に位置している。この例ではコネクタ52は回路基板5に実装されている。そのため、コネクタ52と回路基板5とを繋ぐ電線が不要となっている。コネクタ52は上方に開いた姿勢で配置されている。フレーム3の上シールド部33(より具体的には前フレーム3Aの外壁部33A)には、コネクタ52を露出させるための開口33bが形成されている。開口33bはコネクタカバー8によって閉じられている(図1参照)。
【0025】
図1に示すように、シャッター眼鏡1は、左右のシャッター2R,2Lよりも左右方向の中心C1寄りの位置に、電源ボタン14を有している。電源ボタン14は上シールド部33に設けられている。このような位置に電源ボタン14を設けることで、ユーザはシャッター眼鏡1を装着した状態で、その電源をオン/オフできる。図2に示すように、回路基板5にはスイッチ53が実装されている。スイッチ53は電源ボタン14の下方に位置し、電源ボタン14の押下操作に応じてオン/オフする。シャッター眼鏡1を組み立てた状態では、電源ボタン14及びスイッチ53と、コネクタ52は左右方向において隣り合う。
【0026】
回路基板5には、シャッター眼鏡1の動作状態をユーザに通知するための光源(具体的にはLED)54がさらに実装されている。光源54はスイッチ53の隣に配置されている。上シールド部33(より具体的には前フレーム3Aの外壁部33A)には、図1に示すように、光透過性を有する材料で形成され、光源54を覆う光源カバー18が設けられている。
【0027】
図2及び図4に示すように、前フレーム3Aは、その左右方向の中央部に、ブリッジDの内側に形成されるスペースの前側を規定する前壁部31を有している。前壁部31には孔31aが形成されている。孔31aは受信素子7の前側に位置しており、映像表示装置100から送信された同期信号はこの孔31aを通して受信素子7に入射することができる。
【0028】
これまで説明したように、シャッター眼鏡1では全ての電気部品(上述した、回路基板5、それに実装された部品51,52,53,54、電池12、及び受信素子7)が左右のシャッター2R,2Lの間に配置されている。そのため、サイドシールド部35や上シールド部33や下バー部37には、電線が設けられていない。上述したように、上シールド部33は、上述したように、前フレーム3Aの外壁部33Aと、後フレーム3Bの内壁部33Bとによって構成されている。この例では上シールド部33に電線を設けていないため、上シールド部33を構成する内壁部33Bと外壁部33Aとの間に、上シールド部33の強度を確保するためのリブ33aを形成し易くなる。その結果、上シールド部33の強度を向上できる。図2に示すように、この例では、リブ33aは内壁部33Bの後縁から前縁に向けて形成されている。複数のリブ33aは左右方向に等間隔で並んでいる。また、サイドシールド部35は、上述したように、前フレーム3Aの外壁部35Aと、後フレーム3Bの内壁部35Bとによって構成されている。外壁部35Aと内壁部35Bの内側には部品が配置されておらず、中空となっている。これにより、シャッター眼鏡1の装着時に、ユーザの耳にかかる負荷を軽減できる。
【0029】
図4に示すように、シャッター眼鏡1は、回路基板5や電池12の前側に配置される前カバー16を備えている。前カバー16は、前フレーム3Aの中央部に設けられた前壁部31の前面に取り付けられている。前カバー16は前壁部31に対応した形状を有し、受信素子7の前側に形成された孔31aを閉じている。前カバー16は光透過性を有する材料で形成され、映像表示装置100の光は前カバー16と孔31aを通して受信素子7に入射する。
【0030】
図5に示すように、前カバー16は、左右のシャッター2R,2Lと面一となるように配置されている。すなわち、前カバー16の右側部分と右眼用シャッター2Rは概ね同一平面に位置し、前カバー16の左側部分と左眼用シャッター2Lは概ね同一平面に位置している。このような構造によれば、前カバー16がシャッター2R,2Lよりも前方に位置する構造に比べて、ブリッジDを形成する前壁部31に外力が作用しにくい。その結果、ブリッジDに収容される電気部品に負荷がかかることを抑えることができる。
【0031】
図2及び図5に示すように、後フレーム3BはブリッジDの側面を形成する内側壁部34を有している。内側壁部34は左右のシャッター2R,2Lの内側の縁2aに沿って形成されている。内側壁部34の前縁34aはシャッター2R,2Lの縁2aの後方に位置し、当該縁2aに当っている。この構造によれば、縁2aの後方への移動が規制され、前カバー16とシャッター2R,2Lの縁2aとの位置関係が適切に維持され得る。すなわち、シャッター2R,2Lが前カバー16に対して面一に配置された状態が維持される。
【0032】
上述したように、後フレーム3Bは後下壁部32の下縁から前方に突出するフランジ部38を有している。前フレーム3Aは前壁部31の下縁に形成される前下壁部39を有している。ブリッジDの内側のスペースは、後フレーム3Bの内側壁部34と後下壁部32とフランジ部38と、前フレーム3Aの前壁部31と前下壁部39と、後カバー13とによって、閉じたスペースとして形成されている。これら壁部、カバー及びフランジ部によって、ブリッジDに収容される部品が保護される。
【0033】
ここで映像表示装置100について説明する。図6及び図7は映像表示装置100の外観を示す斜視図であって、図6は正面側から、図7は背面側から、それぞれ映像表示装置100を見た様子を示している。これらの図に示すように、映像表示装置100は、本体部110、台座120、及び支柱130を含んで構成されている。
【0034】
本体部110は、映像表示装置100の本体であって、その正面側に映像を表示する表示画面111を備えている。また、本体部110の正面には、表示画面111の中央下側に状態表示インジケーター112が、表示画面111の左下に電源インジケーター113が、表示画面111の左右に音声を再生するスピーカー114が、それぞれ配置されている。状態表示インジケーター112及び電源インジケーター113は、映像表示装置100の動作状態を表示するために用いられる。
【0035】
本体部110の背面には、外部の機器(例えば家庭用ゲーム機等)との間で信号を入出力するための複数の入出力端子115が設けられている。具体的に、映像表示装置100は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に対応した映像信号やコンポーネント映像信号などの映像信号を入力するための入力端子を備えている。また、音声信号等を外部に出力するための出力端子を備えてもよい。
【0036】
本体部110の背面には、電源ボタンを含む複数の操作ボタン116が配置されている。これらの操作ボタン116は、例えば映像表示装置100の各種の設定変更や表示の調整を行うために使用される。
【0037】
本体部110、台座120,及び支柱130は互いに取り外し可能に構成されている。図8は、これらの接続関係を示す分解斜視図である。支柱130は、台座120の底面側からねじ止めされることによって台座120に固定される。また、本体部110の背面には、穴118が形成された中空の接続部117が配置されている。一方、支柱130の上部には突起部132が設けられた挿入部131が配置されている。この突起部132は、内側に押し込み可能になっており、かつ挿入部131から突出する方向に付勢されている。支柱130の挿入部131を接続部117に挿入すると、突起部132が穴118に係合して本体部110が支柱130に固定される。本体部110が支柱130に固定されている状態において、突起部132を内側に押し込みながら本体部110を上方に引き上げると、本体部110を支柱130から取り外すことができる。このように、工具を使用せずにユーザが容易に手で本体部110を支柱130に対して取り付け・取り外しできるようになっている。そのためユーザは、場合によって、本体部110を支柱130から取り外し、任意の場所に置いて映像を視聴することもできる。なお、図7に示すように、入出力端子115は本体部110の側面に配置されているので、本体部110の背面が下向きになるように本体部110を床面に置いた場合にも、ケーブル類の入出力端子115への接続が可能になっている。そのため、ユーザは表示画面111が水平になる向きで本体部110を床面に置いた状態でも映像を視聴することができる。
【0038】
さらに、映像表示装置100は、フレームシーケンシャル方式の立体表示に対応している。すなわち、映像表示装置100は、シャッター眼鏡1とともに、フレームシーケンシャル方式の映像表示システムを構成する。具体的に、映像表示装置100は、右眼用画像及び左眼用画像を時分割で交互に切り替えて表示画面111に表示する。また、本体部110にはトランスミッター119が配置されており、このトランスミッター119が対応するシャッター眼鏡1に対して画像切り替えのタイミングを知らせる同期信号を送出している。シャッター眼鏡1は、この同期信号を受信して、表示画面111に右眼用画像が表示されている間は左眼用シャッター2Lを閉じ、左眼用画像が表示されている間は右眼用シャッター2Rを閉じる。これにより、シャッター眼鏡1をかけたユーザは左眼で左眼用画像を、右眼で右眼用画像を、それぞれ見ることができる。
【0039】
また、映像表示装置100は、このようなフレームシーケンシャルの表示方式を利用して、複数のユーザのそれぞれに互いに異なる画像を視聴させることもできる。具体的に、映像表示装置100は、右眼用画像及び左眼用画像の代わりに、ユーザA用の画像、及びユーザB用の画像を、交互に切り替えて表示画面111に表示する。また、トランスミッター119は、ユーザAが使用するシャッター眼鏡1、及びユーザBが使用するシャッター眼鏡1のそれぞれに対して、画像の切り替えタイミングを知らせる信号を送出する。この信号を受けて、ユーザAが使用するシャッター眼鏡1は、ユーザB用の画像が表示されている間両眼のシャッター2R,2Lを閉じ、ユーザA用の画像が表示されている間は両眼のシャッター2R,2Lを開ける。逆に、ユーザBが使用するシャッター眼鏡1は、ユーザA用の画像が表示されている間両眼のシャッター2R,2Lを閉じ、ユーザB用の画像が表示されている間は両眼のシャッター2R,2Lを開ける。こうすれば、二人のユーザが互いに全く別の映像を視聴することができる。
【0040】
以上説明したように、シャッター眼鏡1では、回路基板5と電池12と受信素子7は左眼用シャッター2Lと右眼用シャッター2Rとの間に配置されている。このようなレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の内部の配線を簡素化できる。
【0041】
また、シャッター眼鏡1では、電池12と回路基板5は前後方向において並んでいる。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の左右の重量の均衡を図り易くなる。
【0042】
また、シャッター眼鏡1では、電池12は回路基板5の後方に配置されている。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡1の使用時に、ほかの部品に比して重量の大きい電池12をユーザ寄りに位置させることができる。その結果、ユーザの鼻や耳によるシャッター眼鏡1の支持の安定性を向上できる。
【0043】
シャッター眼鏡1では、電池12は鼻パッド11の上方に位置している。このようなレイアウトによれば、電池12の荷重が鼻パッド11を通してユーザの鼻に対して鉛直方向に作用するので、シャッター眼鏡1の支持安定性をさらに向上できる。
【0044】
また、シャッター眼鏡1では、前カバー16は回路基板5と電池12と受信素子7の前側に配置され、右眼用シャッター2Rと左眼用シャッター2Lと面一に配置されている。この構造によれば、前カバー16がシャッター2R,2Lよりも前方に位置する構造に比べて、ブリッジDを形成する前壁部31に外力が作用しにくい。その結果、ブリッジDに収容される回路基板5等に負荷が掛ることを抑えることができる。
【0045】
また、シャッター眼鏡1では、電池12を充電するための電線が接続されるコネクタ52も、左眼用シャッター2Lと右眼用シャッター2Rとの間に配置されている。このレイアウトによれば、シャッター眼鏡1内部での配線をさらに簡素化できる。
【0046】
なお、本発明は以上説明したシャッター眼鏡1に限られず、種々の変更が可能である。
【0047】
例えば、以上の説明では電池12と回路基板5は前後方向において並んでいた。しかしながら、電池12と回路基板5のレイアウトはこれに限られず、これらは左右方向に並んで配置されてもよい。
【0048】
また、以上の説明では、前カバー16は左右のシャッター2R,2Lと面一に配置されていたが、前カバー16はシャッター2R,2Lよりも前方に位置してもよい。
【0049】
また、電池12としては一次電池が使用されてもよい。この場合、コネクタ52は必ずしも設けられていなくてもよい。また、この場合、後カバー13を取り外すことで、電池12は交換されてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 シャッター眼鏡、2L,2R シャッター、3 フレーム、3A 前フレーム、3B 後フレーム、4 サイドアーム、5 回路基板、7 受信素子、8 コネクタカバー、9 螺子、11 鼻パッド、12 電池、13 後カバー、14 電源ボタン、15 緩衝部材、16 前カバー、31 前壁部、32 後下壁部、33 上シールド部、34 内側壁部、35 サイドシールド部、37 下バー部、38 フランジ部、39 前下壁部、51 駆動回路、100 映像表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼用シャッターと右眼用シャッターとを備え、映像表示装置に表示される映像に同期してそれらを開閉するシャッター眼鏡であって、
前記左眼用シャッターと前記右眼用シャッターとを駆動する駆動回路が実装された回路基板と、
前記回路基板に電力を供給する電池と、
前記映像表示装置から送信される同期信号を受信する受信素子と、を備え、
前記回路基板と前記電池と前記受信素子は前記左眼用シャッターと前記右眼用シャッターとの間に配置されている、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター眼鏡において、
前記電池と前記回路基板は前後方向において並んでいる、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項3】
請求項2に記載のシャッター眼鏡において、
前記電池は前記回路基板の後方に配置されている、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のシャッター眼鏡において、
当該シャッター眼鏡の使用時に、ユーザの鼻で支持される鼻パッドをさらに備え、
前記電池は前記鼻パッドの上方に位置している、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のシャッター眼鏡において、
前記回路基板と前記電池と前記受信素子の前側に配置される前カバーをさらに備え、
前記前カバーは前記右眼用シャッターと前記左眼用シャッターと面一に配置されている、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のシャッター眼鏡において、
前記左眼用シャッターと右眼用シャッターとの間に配置され、前記電池を充電するための電線が接続されるコネクタをさらに備える、
ことを特徴とするシャッター眼鏡。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−253633(P2012−253633A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125861(P2011−125861)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】