説明

シュリンクラベルを装着した容器

【課題】シュリンクラベルの高収縮部分において収縮ムラの発生がない幾何条件をもつシュリンクラベルを装着した容器を提供する
【解決手段】シュリンクラベル3を装着した容器であって、容器は容器胴部のラベル装着範囲における最小周長Aと最大周長Bの比が30%≦(A/B)×100≦60%であり、シュリンクラベル3は最小周長部分におけるシュリンクラベル3の周方向の厚みの最大厚みtmaxと最小厚みtminとの偏肉比tmax/tminが2.0以下である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はシュリンクラベルを装着した容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生活用ボトル分野では、加飾性向上を目的に、シュリンクラベリングに対する要望、特にフルシュリンクラベリングの要望が高まっている。容器のシュリンクラベリングはビール瓶やPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル等のボトル型の容器の胴部に加飾を目的として、熱収縮性を有する筒状のシュリンクラベルを装着することによって実現している。シュリンクラベルを容器に装着する際には、内面に絵柄や文字などの加飾要素が表示されたシュリンクラベル容器の胴部に上方から被嵌され、シュリンクラベル収縮装置内で熱或いは蒸気を吹き付けられ、その熱で収縮して容器に装着され、容器胴部に対する加飾が実現する。しかし、従来のフルシュリンクボトルの場合は、ラベルの収縮率が40%を越える高収縮部に収縮ムラが発生し易いため、ラベリング品質が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−001573
【特許文献2】特開2007−137502
【特許文献3】特開2000−326934
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から収縮ムラの発生を防止して加飾性の品質向上を図る試みが行われている。
【0005】
特許文献1はシュリンクラベルの容器への装着方法及び装置に関するものであるが、胴部にくびれ部を有する容器にシュリンクラベルを装着する場合に、まず、シュリンクラベルの収縮率が小さい容器下部にシュリンクラベルを熱収縮させて容器に固定し、次に収縮率の大きいくびれ部の熱収縮を行う。これによってくびれ部を熱収縮する際のシュリンクラベルの位置ずれを防止して、加飾性の高品質を維持する。この技術はシュリンクラベルに対する加熱タイミングを調節するだけでシュリンクラベルの収縮ムラを防ぐことができる利点を有するが、ボトルの形状に起因するラベルの収縮ムラの発生を防止する効果については検証されていない。
【0006】
特許文献2はシュリンク装置の連続加熱方法及びその装置に関するものであって、シュリンクラベルに吹きかける熱風を回収して循環させて温度分布の発生を防止し、シュリンクラベルの均等加熱を実現して、シュリンクラベルの収縮ムラの発生を防止するものである。この技術は、加熱温度ムラに起因するラベルの収縮に対しては良好な解決を与えるが、ボトルの形状に起因するラベルの収縮ムラに対してどこまで発生を防止する効果が得られるかについては検証されていない。
特許文献3はシュリンクラベルの収縮方法及びその装置に関するものであって、ここではボトルの大径部と小径部とでシュリンクラベルの収縮率が異なるところから、シュリンクラベルが部分的に引張られて位置ずれを生じて、加飾品質が低下するので、これを防ぐために、シュリンクラベルの部位に応じて、温度分布を持たせるために加熱と冷却を同時併用することによって、冷却によってシュリンクラベルの一部分をボトルに固定して位置ずれを防止するようにしたものである。しかしこの技術の場合は収縮装置に高温、低温2つの熱媒体系を備えなければならないのでラベリング装置が複雑になるし、またラベルの位置ずれ以外の原因による収縮ムラ、加飾性の低下には解決とならない。
【0007】
ボトルのシュリンクラベルによる加飾性について、市場のニーズが多様化し、ボトルの形状も様々になり、また、ボトル上のシュリンクラベルの装着位置や装着領域が様々になると、ボトル上のシュリンクラベルの収縮率もきわめて大きくなるが、特にこの発明の発明者の研究では、収縮率が40%を超えるとシュリンクラベルの収縮ムラが発生し易くなり、ラベリング品質が低下する傾向が顕著であることが明らかとなっている。特にこの発明の発明者の研究では容器の胴部のラベル装着範囲における最小周長Aと最大周長Bの比が30%≦(A/B)×100≦60%の範囲では、収縮ムラが生じ易く、この範囲での収縮ムラの問題が解決すれば、シュリンクラベル装着ボトルにおける加飾性の品質はほとんど良好に維持されることが見出された。
【0008】
一方比(A/B)×100が60%を超える範囲ではラベルの収縮率が小さいので、もともとあまり収縮ムラは発生せず、それが問題となることは少ない。
【0009】
また、比(A/B)×100が30%より小さい場合はボトルの形状は機能的に少数例となるので、この技術を適用する可能性は低くなる。
なお特許文献3には、首部の直径が小さいビール瓶等の容器へ、先端の口部まで覆われるようにシュリンクラベルを装着した例が示されている(図9(b))が、これは王冠、キャップなどによる密封状態を保護する目的のもので、口部から首部の大半の部分には商品表示などの文字・ロゴや装飾模様の印刷は施されておらず、周方向の収縮ムラは問題視されない。
【0010】
この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、シュリンクラベルの高収縮部分において収縮ムラの発生がない幾何条件をもつシュリンクラベルを装着した容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的に対応して、この発明のシュリンクラベルを装着したボトルは、シュリンクラベルを装着した容器であって、前記容器は容器胴部のラベル装着範囲における最小周長Aと最大周長Bの比が30%≦(A/B)×100≦60%であり、前記シュリンクラベルは最小周長部分における前記シュリンクラベルの周方向の厚みの最大厚みtmaxと最小厚みtminとの偏肉比tmax/tminが2.0以下であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載された発明では、収縮ムラが発生し易い周長比(A/B)×100%が30%≦(A/B)×100≦60%の範囲で(ラベルの収縮率が40%〜75%となる)容器の周長が絞り込まれた領域においても、シュリンクラベルの偏肉比が小さい(2.0以下)ので収縮ムラの発生が小さく、シュリンクラベルの内面の絵柄等の加飾要素からの反射光の状態がシュリンクラベルの全域においてほぼ同一となるので、加飾要素がゆがんで視認されることが少なく、加飾の高品質性が維持される。
こうして実用されるボトル形状のほとんどにおいて、収縮ムラの発生は防止される。
【0013】
請求項2に記載された発明では、容器に装着したシュリンクラベルは厚みの標準偏差が15以下で、均等な肉厚をなすので、シュリンクラベル内面の加飾要素がゆがんで視認されることが少なく、加飾の高品質性が維持される。
【0014】
請求項3に記載された発明では、シュリンクラベルの装着範囲が容器の胴部のほぼ全域に亘るので、容器の全域に亘って高品質の加飾を実現することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明では、高収縮率を呈している部分がシュリンクラベルの端縁近傍に限定されず、容器の胴部の所定の広さを有していても、シュリンクラベルの収縮ムラのない高品質の加飾を実現させることができる。
こうしてこの発明では装着ムラのない、意匠性の高い容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】シュリンクラベルを装着した容器の正面図
【図2】シュリンクラベルを装着した容器上の加飾要素を示す正面図
【図3】シュリンクラベルの偏肉比及び標準偏差とラベル収縮率を示すグラフ
【図4】シュリンクラベル装着装置(連続加熱装置)の一実施の形態にかかる概略平面図
【図5】連続加熱装置の一実施の形態にかかる概略縦断面図
【図6】連続加熱装置の一実施の形態にかかる概略横断面図
【図7】連続加熱装置のそれぞれ一実施の形態にかかるスリットノズルの平面配置図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の詳細を発明を実施するための最良の形態にもとづいて、図面を参照しつつ説明する。
図1にはシュリンクラベルを装着した容器(以下単にラベル容器と称する)の2例のラベル容器1が示されている。
これら2例のラベル容器1はいずれもボトル型容器(以下単に「容器」と称する)2にシュリンクラベル3を装着している。ただしシュリンクラベル3は肉厚が極薄であるのでラベル容器1ではシュリンクラベル3の肉厚は表示されていない。容器の材質はポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂、その他各種プラスチック材料による単層ボトルまたは多層ボトル、及びガラス製ボトル、スチール、アルミなどの金属製ボトルを用いることができる。シュリンクラベル3の材質はポリスチレン(PS)、PP、PET、PLAなどの樹脂による単層または多層の熱収縮性フィルムを用いることができ、厚みは30μm〜100μmを用いることができる。
【0018】
図1(a)に示すラベル容器1aは容器2の胴部4の上方部分が小径部5をなし下方部分が大径部6をなしている。
一方図1(b)に示すラベル容器1bは胴部4の中間部に小径部5をなし、上方部分が大径部6をなしている。
容器2の上端部分には筒状の口部7とその下方にハンドリング鍔8が設けられていて、その鍔8の下面11から胴部4の底面12までの長さが容器高さHである。
なお、容器2の形態によってはハンドリング鍔を設けず、段差やリブで口部7と胴部4の境界とすることもある。
シュリンクラベル3は容器高さHの範囲内のいずれかの領域に装着されているのであるが、図1(a)、(b)で示したラベル容器1では小径部5と大径部6を含む胴部4の中心線方向の容器高さHとほぼ同じ胴部4の中心線方向のほぼ全域Lをラベル装着領域13とするもので、この場合のラベル容器1はフルシュリンクラベリングボトルであって、ラベル装着領域13には小径部5と大径部6の両方を含んでいる。
【0019】
シュリンクラベル3は、収縮前の初期周長が、容器2の胴部の装着部位における最大周長Bの1.01〜1.10倍である。容器2のラベル装着領域13に収縮により装着した場合の周長は、小径部5の範囲に最小周長Aが位置し、大径部6に最大周長Bが位置する。シュリンクラベル3の厚みは十分に薄いので、装着部位の容器2の胴部の周長と同じとして扱うことができる。
【0020】
ラベルの収縮率はシュリンクラベルを装着した容器のシュリンクラベルの上から計測した容器胴部の2測定点での周長の比A/Bとするとき(B−A)/Bで近似される。
このラベル容器1においてラベル装着領域13における最小周長Aと最大周長Bの比は、30%≦(A/B)×100≦60%である。つまりシュリンクラベル3の対応する周長比は30%以上60%以下に限定されている。このときシュリンクラベル3の収縮率は{(B−A)/B}で、70%≧{(B−A)/B}×100≧40%となるが、初期周長が最大周長Bよりわずかに大きいことを考慮して40%〜75%と見込まれる。
【0021】
小径部5におけるシュリンクラベル3の周方向の厚みの最大厚みと最小厚みとの比は2.0以下に限定される。
シュリンクラベル3のラベル装着領域13の高さLが容器高さHの70%以上であることが好ましい。
また容器2のラベル装着領域13における任意の高さ部位における周長Cと最大周長Bの比が30%≦(C/B)×100≦60%を満たす範囲Dが容器高さHの10%〜50%であることが好ましい。
【0022】
このようなラベル容器1を得るためには、シュリンクラベル3の装着方法も重要である。
筒状のシュリンクラベル3を容器2に被せ熱収縮させて装着する方法としては、トンネル状に構成した装置の左右壁面に沿って多数配置した噴射口から装置内を通過する容器に向かって熱風ないし蒸気を吹き付ける方法が知られている。高収縮率の領域においても周方向の収縮ムラをなくすためには、噴射方向を容器に正対させる、複数の噴射口と容器との距離をなるべく等しくする、などにより、全周がほぼ同時に加熱収縮されるように図るのが好ましい。また、できるだけ短時間で収縮させるのが好ましく、収縮が始まるよりも低い温度で予備加熱してから収縮温度まで急速に加熱するのが好ましい。
本発明のラベル容器1の製造に好適なシュリンクラベルの装着装置としては、例えば特許文献2に開示されたものが適用できる。
【0023】
すなわち図4から図8において、21は連続加熱装置であり、連続加熱装置21は、容器2に環状のシュリンクラベル3をかぶせた後、一様に熱風あるいは蒸気で加熱収縮させることで、装着できるようにするものである。
【0024】
この連続加熱装置21は、外周が塞がれたトンネル状の加熱部30を備えるとともに、加熱部30の底部分に容器2を連続的に搬送するための搬送装置33が設置してある。
【0025】
この連続加熱装置21の加熱部30は、例えば2つのゾーンに分割され、上流側にシュリンクラベル3を収縮開始温度の手前まで加熱する予備加熱部31が設けられ、この予備加熱部31の搬送方向Xの下流側に連続してシュリンクラベル3を収縮させて装着する本加熱部32を設けて構成してある。
【0026】
予備加熱部31は、トンネル状の予備加熱部本体31aの搬送方向Xの両側に熱風あるいは蒸気(なお、以下、熱風の場合を例に説明する。)が入る熱風チャンバ31bが設けられており、これら対向する熱風チャンバ31bには、図5に示すように、多数の孔で構成されたノズル板31cが取り付けられて一様に熱風が吹き出すようになっている。
【0027】
そして、この予備加熱部31での温度や吹き出し範囲などの加熱条件は、加熱収縮させるシュリンクラベルの材質や面積、容器2への装着位置によって設定されるが、例えば熱風の温度を70〜100℃、好ましくは80〜90℃、風速を0.1〜5.0m/s、好ましくは1.0m/s程度として吹き付けことで、予備加熱部31を通過する間に、シュリンクラベル3を熱収縮が起こる手前まで加熱するようになっている。
【0028】
したがって、この予備加熱部31において、容器2にかぶせるようにしたシュリンクラベル3は、搬送装置33で搬送される間に両側のノズル板31cから吹きつけられる熱風で比較的緩やかに加熱されてシュリンクラベル3全体が均一に加熱される。
【0029】
また、予備加熱部31での加熱の際、部分的に熱風(あるいは蒸気)の吹き付け量を増加させてシュリンクラベル3を加熱して容器に一部を仮止めするようにしても良い。
【0030】
これにより、搬送中あるいは次工程の本加熱部32に入って吹き付けられる熱風や蒸気によるシュリンクラベル3のずれを防止することができる。
【0031】
このような予備加熱部31に連続して設置される本加熱部32では、予備加熱されたシュリンクラベル3を短時間に均一に加熱収縮させることが、容器2が異形ボトルなどであってもしわやムラの発生を抑制するのに有効であることから、大量の熱風を直接吹き付けること等で短時間に加熱できるようにしている。
【0032】
この本加熱部32は、予備加熱部本体31aと同一外形のトンネル状の本加熱部本体32aを備え、この本加熱部本体32aの内側に横断面形状がコ字状の熱風が入る熱風チャンバ32bが、下方が開口するように設けてある。
【0033】
そして、この熱風チャンバ32bには、図4に示すように、搬送装置33で搬送される容器2の加熱開始位置に接近したある加熱位置を仮想してこれを加熱中心位置Ohとして設定する。この仮想位置である加熱中心位置Ohに搬送される容器2に向けて熱風を吹き付けるスリットノズル32cが熱風チャンバ32bの搬送方向Xの両側に、加熱中心位置Ohに対して略点対称に向かい合う位置に少なくとも二対配置して取り付けてあり、ここでは図7(a)に示すように、搬送方向Xにそれぞれ45度で交差して加熱中心位置Ohを通る2対の対角位置に加熱中心位置Ohから等距離に4個のスリットノズル32cを配置して点対称の4箇所に設けてある。
【0034】
この本加熱部32での温度や吹き出し範囲などの加熱条件は、加熱収縮させるシュリンクラベルの材質や面積、異形ボトルなどの容器2への装着位置によって設定されるが、予備加熱部31に比べて温度が高く、大量の熱風を吹き付けることができるよう、例えば熱風の温度を100〜180℃、好ましくは120〜160℃、風速を20〜50m/s、好ましくは30m/s程度として吹き付けることで、加熱中心位置Ohで短時間に加熱してシュリンクラベル3を均一に収縮させることができるようになっている。
なお、スリットノズル32cの配置は、図7(b)、(c)に32’で示すように、点対称の位置、方向から多少ずれていても同様の効果を得られる。
【0035】
このように構成した連続加熱装置21によれば、非対称三次元ボトルなどの異形ボトルであってもシュリンクラベルを均一に収縮させてしわやムラを発生させることなく装着することができる。
【0036】
以上のようにして、シュリンクラベル3の収縮率を40%〜75%にしてもラベル装着領域13の全範囲にわたって収縮ムラのない装着が実現し、加飾要素10(図2参照)にゆがみのない高品質の加飾性をもつラベル容器1を得ることができる。
最小周長部位におけるラベルの周方向の厚みの標準偏差が15以下であることによって収縮ムラのない装着が実現し光学的にもまた感触的にも加飾要素のゆがみのない一層高品質の加飾性をもつラベル容器1を得ることができる。
ラベルのラベル装着領域13の高さLが容器高さHの70%以上とすることによって、フルシュリンクラベリングボトルにおいても収縮ムラがなく高品質の加飾性をもつラベル容器1を得ることができる。
周長C部位のシュリンクラベル3の収縮率が40%〜75%である範囲Dが容器高さHの10%〜50%とすることによって、シュリンクラベル3のラベル装着領域13の設定について任意に設定できる範囲の選択の自由が大きくなり、ボトル設計の自由度が大きいラベル容器1を得ることができる。
【実験例】
【0037】
図1(a)に示す形状の高密度ポリエチレン製ブロー成形ボトル(満注内容量400ml、 容器高さ(H)140mm、 最大周長(B)部位の胴径80mm、 最小周長(A)部位の胴径30mm、 ラベル装着範囲(L)135mm(Hの96%)、 高収縮率範囲(D)40mm(Hの29%))に、厚さ50μmのポリスチレン系熱収縮フィルム製シュリンクラベルを装着したラベル容器について、ラベルの収縮率と偏肉比、肉厚の標準偏差を測定した。
図3において、「ムラ無しサンプル」として表示しているものは特許文献2の装置により予備加熱温度73℃、本加熱温度140℃でラベルを装着したもの、「ムラ有りサンプル」として表示しているものは従来の収縮装置により3段階の収縮ゾーンの加熱温度を上流側より77℃、105℃、120℃としてラベルを装着したもので、「ムラ無しサンプル」が本発明のラベル容器1である。
(結果)
ラベルの収縮率と編肉比の関係を図3(a)に示す。
シュリンクラベル3の収縮率が高い領域(40%以上)の範囲ではムラ有りサンプルでは偏肉比が2.0を越えており、これは収縮ムラが発生することを教えている。この場合、加飾要素10は図2(a)に示すようにゆがんだものになっている。
これに対し、本発明ボトル(ムラ無しサンプル)では偏肉比は2.0以下であり、この条件では収縮ムラが発生しないことを意味している。この場合加飾要素10は図2(b)に示すようにゆがみがない。
ラベルの収縮率とラベル肉厚の標準偏差との関係を図3(b)に示す。
シュリンクラベル3の収縮率が高い領域(40%以上)の範囲ではムラ有りサンプルでは標準偏差が15以上であり、これは収縮ムラが大きいことを教えている。この場合、加飾要素10は図2(a)に示すようにゆがんだものになっている。
これに対し本発明ボトルでは標準偏差が15以下であり、この条件では収縮ムラが小さいことを教えている。この場合、加飾要素は図2に示すようにゆがみがない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明によればシュリンクラベルの高収縮部分において収縮ムラの発生がない幾何条件をもつシュリンクラベルを装着した容器を得ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ラベル容器
1a ラベル容器
1b ラベル容器
2 容器
3 シュリンクラベル
4 胴部
5 小径部
6 大径部
7 口部
8 ハンドリング鍔
10 加飾要素
11 下面
12 底面
13 ラベル装着領域
21 連続加熱装置
30 加熱部
31 予備加熱部
31a 予備加熱部本体
31b 熱風チャンバ
31c ノズル板
32 本加熱部
32a 本加熱部本体
32b 熱風チャンバ
32c スリットノズル
32c´スリットノズル
33 搬送装置
Oh 加熱中心位置
X 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュリンクラベルを装着した容器であって、
前記容器は容器胴部のラベル装着範囲における最小周長Aと最大周長Bの比が30%≦(A/B)×100≦60%であり、
前記シュリンクラベルは最小周長部分における前記シュリンクラベルの周方向の厚みの最大厚みtmaxと最小厚みtminとの偏肉比tmax/tminが2.0以下であることを特徴とするシュリンクラベルを装着した容器
【請求項2】
前記最小周長部における前記シュリンクラベルの前記周方向の厚みの標準偏差が15以下であることを特徴とする請求項1に記載のシュリンクラべルを装着した容器
【請求項3】
前記ラベルの装着範囲高さLが、容器口部を除く容器高さHの70%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のシュリンクラべルを装着した容器
【請求項4】
前記容器は容器胴部のラベル装着範囲における任意の高さ位置の周長Cと最大周長Bの比が30%≦(C/B)×100≦60%を満たす範囲Dが、容器口部を除く容器高さHの10〜50%であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のシュリンクラべルを装着した容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−240686(P2012−240686A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109771(P2011−109771)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】