説明

シュードモナス菌類の基調機能を改良強化した発酵腐植化促進剤

【課題】 畜産廃棄物バイオマスを高機能性堆肥化する発酵腐植化促進剤の改良強化に関するものである。
【解決手段】 シュードモナス菌類を基調とする発酵腐植化促進剤“RBC−7”を製造販売しているが、その既行程に破砕もみがらと特殊腐植物質を加えて処理することによって、発酵腐植化された堆肥が、積極的健康志向の品質食品を生産する有機質資材となると共に、併せて積極的環境保全機能即ち重金属等のキレート分解に至らせる複合機能のある有機資材に仕上げる力のある発酵促進剤に改良強化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシュードモナス菌類を基調とした発酵腐植化促進剤を改良し、その活性力を強化し、それを使用した発酵処理物の爾後機能性を向上させるものである。
【背景技術】
【0002】
本発明剤の基調となるシュードモナス菌“RBC”は無毒生、非病原性の土壌菌類で、アメリカ合衆国農務省USDAの認可品である。
発明者は独自の技術で加工し『RBC−7』の製品安全性データーシートを公表して販売しており、使用者の理解と好評を得ている。
【非特許文献1】 RBC−7 製品安全性データーシート(株)ムーマー(2002,10,1)
【0003】
バクテリア“RBC”の固定床として焼成ゼオライトと褐炭を使用し、さらに植物性活性ミネラルと特定の酵素類を添加している。
【非特許文献2】 焼成ゼオライトー粘士鉱物を殺菌の為有意の温度で焼成したもの。
【非特許文献3】 褐炭−炭化途中資材
【0004】
成熟したモミガラは発芽抑制酵素アブシジン酸や抽出成分モミラクトーンフェノールを含み、低温破砕すると活性化し、有為の反応する力が強くなる。
【特許文献1】 成熟植物素材破砕装置−特許2597877号
【特許文献2】 成熟植物資源からの土壌活性化剤の製造法−特許3044326号
【0005】
甲殻類のキチン質は地球上で微生物が生合成した物質で、セルロースに次ぐ生成量(2位)と言われる。その生成、そしてキトサン低分子化のメカニズムは、有機栽培や、その基本となる土つくりの基本にかかわる自然界の妙理を示唆している
【非特許文献4】 微生物によるキトサンの生産−島根大学農学部研究報告−松田英幸
【0006】
長崎県に産出する特殊腐植物質は数百万年前に生成された純腐植態の泥として存在する。特性も分子量も大きく異なる異種物質が自然界で一体となって同居する希有としか表現し得ないもので、古代地球が現代に残してくれた貴重な資源である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者はアメリカ合衆国産のシュードモナス菌を特殊加工によって固定し、畜糞等の発酵腐植化促進剤として提供してきた。しかし最近になって生活者が食に対する安全、安心との思いを深め、より積極的に健康に役立つ品質の食料を求める趨勢になってきたことに伴い、それにふさわしい土つくりが求められて、それに対応できる有機質の土づくり資材としての堆肥等資材を見る目が厳しくなって来た。
【0008】
それに応えるべく本発明者等は高い資質の食料を生産し得る土づくりの為の有機質堆肥、そのために畜糞等をそれにふさわしい資質にまで代謝出来る発酵化促進剤の改良に取り組み、その改善策を定めたが発明者等の思考法は次の様である。
畜糞等には飼料の栄養分が移行した肥料的栄養価が生のまま存在する。それを有意に変化させ得る現有の発酵剤の更なる改良が今日の当面の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
RBC−7の自然腐植体系堆肥化促進剤(以下 促進剤)はシュードモナス菌類を基調として粘土鉱物ゼオライトを殺菌の為焼成したものと炭化途中でもある褐炭とを坦体としているが、菌類の坦体としては優れていても菌類を富化する領域は弱い。
発明者等はその菌類の活力を増強するに低温破砕したモミガラに一つの活路を求めたい。
【0010】
モミガラは足元にある有機硅酸、発芽抑制酵素アブジシン酸、抽出成分モミラクトーンフェノールを含有して種子を保護する機能として生合成の頂点に立ったものであるが、低温破砕すると法則的戻り分解反応で新たなシリケート四面体構造体のミネラルに変身すると言われる。そしてその四面体構造体は、歪みが大きければ大きい程反発力で活力が高くなると文献は教えている。
【0011】
もう一方は畜糞に含有された重金属や抗生物質的汚染物質をキレート分解する浄化機能と併せて、珪酸と相乗作用を期待される特殊腐食物質のマリネックスの機能に期待を持っている。
特殊腐植物質は長崎県に産出する純腐植態に止まる水分60%の泥として存在する。
掘り出し後2年間に及ぶ天日培養によって水分29%(構造水)の熟成土とし、そのままか、更に6ヶ月に及ぶ操作による抽出液(PH2.5%程度)として用いるが、フルボ酸を含み硬い鉱石粉をも溶かす程物質の溶解力は抜群で、複数物質の融合に果たす得意な性質への期待が高い。
【0012】
フルボ酸は自然循環系の有機と無機の接点と言われる森林の腐植土層から溶出されて海に注ぐが、海洋生物が自然界の鉄分をフルボ酸鉄として吸収を可能となることによって、海洋生態系の富化に貢献することが知られ“森は海の恋人”との願望を挙げられる(畠山氏)程、生産と環境に深く関与するとの認識が深まってきた。当然陸上に置いても植物体の活性が歴然と認められるので土と根の接点で依存関係が好転するものと考えられる。
腐植物質はケルボシキル基やフェノール性水酸基を多量に持っているので、金属イオンとキレート結合し、これらの沈殿を可溶化する働きがある。鉄イオンの環境科学的働きについては、特にフルボ酸の鉄キレート生成の可能性と考えられるが、他の複数の金属元素との融合反応に有為の働きが期待されるので環境浄化機能の高まりを予見できる。
【0013】
成熟した作物の経路を逆に溯ると、生育する段階の生化学反応、栄養分を吸収する根圏、その周りの土壌環境、供給された有機栄養源の変化、等々いずれをとっても酵素微生物の関与無しには成り立たない。そして生育のスタートするいわゆる床土の環境は作物一生の方向を決めると言われ、特に微生物環境がその決め手となることから腐葉土による床土が望まれる所似がそこにある。作物の種子が芽を出し根を張る環境こそがである。
【0014】
主題の基材も厳重に管理された原菌は外界に対しては誠にひ弱い。一人立ちできるまでの外界の影響をもろに受けやすいので、この段階で育て与えられるものが方向性と活力に大きな差となることから、その与えうる要因となるものを外堀から回りくどく述べた。
実施例で述べる方法の目指す目標は、有機珪酸と同居する酵素群が加わることによって核が加わった如く菌叢が強固となり、フルボ酸機能が加わって活力をまして外界の被処理対象物に接しても即座に拡散活動する力が与えられる。
【発明の効果】
【0015】
過酷な重荷を背負う畜産廃棄物は、バイオマス次元で見ると群を抜いて劣悪である。
しかし有機質栄養源としてみるとすばらしい原料素材でもある。問題は冒頭に述べたように積極的に健康に役立つと言える食品の生産素材としての資質の堆肥として提供できるか。それを主張し得る品質のものが困難であったから堆肥づくりが古くて新しい課題として論議されてきたのである。
本発明がその課題に正面から挑戦し取り組む端緒となったことは畜産業界、耕種生産者、そして安全を求める生活者に与える喜びは大きい。
【発明を実施するための最良の型態】
前項の通り、本発明が目指した目標は、今まで多くの関係者が目指しながら理想の実態に近づけなかったものである。その到達し得た実証を生活者、農業生産者、そして畜産業界が共有できるよう科学的情報として提供することが必要である。
【実施例】
【0016】
本発明は、何年も前から安全性が確認されているシュードモナス菌種を基調にして加工しRBC−7として提供し流通して来たものを、機能強化することにあるので、今回追加する低温破砕モミガラとマリネックスを、品質を確保しながら又量も可能な限り確保して加えて加工し、それで処理した堆肥を比較検証すると共に、施用圃場の圃場検証、そして生産物の比較検証することを以前に倍して行い、生活者の理解を得る努力を実施する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本願に関連あるのは畜産廃棄物にかかるバイオマスと環境課題のもとで、それを再生して有機栽培における健康食品の産出可能な有機資材(堆肥)としての資質にまで至れるのかという、入り口と出口の範囲のあまりにも長いバイオマス再生産業でもある。
本発明製品はその入り口と出口の課題と期待をつなぐ接点に位置するものであり、発明者等がそれぞれの立場での取り組み結果を集大成した成果でもあって、国内だけで9000万トンとも言われる畜産廃棄物バイオマス活用の一つの地位を画するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌バクテリア菌でもあるシュードモナス菌類を焼成ゼオライトと褐炭とを坦体として混合し、植物性ミネラル及び特定酵素類などからなる培養液を加えて一定条件下で増殖させて製品化していた行程に加えて、低温破砕モミガラと特殊腐植物質熟成土並びに抽出希釈液を加え、シェードモナス菌類基調の菌叢にモミガラの有機珪酸とアブシジン酸から成る核機能とフルボ酸による環境浄化機能を加え、発酵腐植化効率を改良強化した構成に成ることを特徴とする シュードモナス菌類の基調機能を改良強化した発酵腐植化促進剤。

【公開番号】特開2006−256945(P2006−256945A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112695(P2005−112695)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(505130651)
【出願人】(505130662)
【Fターム(参考)】