説明

ショベルカー玩具

【課題】 持ち運び時、及び収納時の取り扱いが容易で、且つコンパクトに収納しうるショベルカー玩具を提供する。
【解決手段】 車両本体と、上記車両本体に上下方向に回動可能に固定され、先端にバケットを有するアームと、上記アームを駆動する駆動部とを備えたショベルカー玩具であって、上記駆動部を上記アームに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着脱自在なアームを有し、子供が着座して操作が可能なショベルカー玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
ショベルカーの実物形状を模したショベルカー玩具は従来から提案されている(特許文献1)。
例えば、図7に示すとおり、車両本体部71と上記車両本体部71の前部に、上下方向に回動可能に基端部73が軸支されたアーム72と、上記アーム72の先端部74に取り付けられた、バケット75とを有し、上記車両本体部71の内部には、上記アーム72を上下方向に駆動するための駆動部76が設けられ、また、上記アーム72の内部には、上記アーム72と上記バケット75を駆動する駆動部77,78が設けられたパワーショベル玩具70が開示されている。
上記パワーショベル玩具70において、上記駆動部76と上記アーム72とは、駆動軸79、ギア80を介して互いに密接に接続されているため、上記アーム72を上記車両本体部71から容易に取り外すことはできない。
従って、持ち運びや収納の際、非常に不便であり、且つ持ち運び途中でアーム72が壁面等にぶつかり破損し易いという不具合を有していた。
【0003】
また、上記文献に開示されたショベルカー玩具は小型模型であるが、上記文献に開示されたショベルカー玩具70以外にも、アーム72が駆動可能で、且つ子供が着座可能な大きさを有するショベルカー玩具は一般的に流通している。
しかしながら、上記ショベルカー玩具であっても、上記文献に開示されたショベルカー玩具70と同様に、アーム72と車両本体71が密接に接続された構成となっているため、車両本体からアームを容易に着脱することができない。
従って、上記文献に開示されたショベルカー玩具と同様の不具合に加え、収納時に大きなスペースを要するという別途の不具合をも有していた。
【0004】
【特許文献1】実開昭55−180483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記不具合を解決し、持ち運び時、及び収納時の取り扱いが容易で、且つコンパクトに収納しうるショベルカー玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係るショベルカー玩具においては、車両本体と、上記車両本体に上下方向に回動可能に固定され、先端にバケットを有するアームと、上記アームを駆動する駆動部とを備えたショベルカー玩具であって、上記駆動部は上記アームに設けられていることを特徴とする。
【0007】
従って、上記車両本体と上記アームが駆動軸やギア等の機械部品を介さずに接続されているため、上記アームと上記車両本体とを容易に着脱することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明に係るショベルカー玩具においては、上記車両本体の前端部には、上記アームの基端部が軸支されるアーム固定部が設けられ、上記アームは、取り外し可能に設けられたアーム固定用軸部を介して着脱可能に車両本体に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
従って、上記アーム固定用軸部を取り外すことで、上記アームと上記車両本体とを容易に着脱することができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明に係るショベルカー玩具においては、上記車両本体に設けられた上記駆動部へ電源を供給する電源部と、上記駆動部に接続され上記アームの基端部に配置されたアーム側コネクタと、上記電源部に接続され上記アーム固定部の近傍に配置された車両本体側コネクタとを備え、上記アームを上記車両本体に装着する場合には、上記アーム側コネクタと上記車両本体側コネクタとを接続させて、上記駆動部へ電源を供給することを特徴とする。
【0011】
従って、上記車両本体側コネクタと上記アーム側コネクタを外すだけで、上記電源部と、上記駆動部が容易に分離できる。
【0012】
また、請求項4記載の発明に係るショベルカー玩具においては、上記車両本体上部には、幼児が着座可能なシートが設けられると共に、上記シートの前端部側には操縦部が設けられ、幼児が着座して上記操縦部により電源供給を制御して上記アームの回動動作を行えることを特徴とする。
【0013】
従って、上記操縦部によって、幼児が自在にアーム操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1〜4記載の発明にあっては、車両本体と、上記車両本体に上下方向に回動可能に固定され、先端にバケットを有するアームと、上記アームを駆動する駆動部とを備えたショベルカー玩具であって、上記駆動部は上記アームに設けられているため、上記アームと上記車両本体とが容易に着脱可能であり、小さなスペースでもコンパクトに収納しうるとともに、持ち運びも容易となる。
【0015】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加え、上記アーム固定用軸部を取り外すだけで、アームと車両本体とが簡単に着脱可能となり、持ち運び、及び収納作業がより容易となる。
更に、請求項3記載の発明にあっては、駆動部と電源部を容易に切り離すことができるため、持ち運び及び収納作業が更に容易となる。
【0016】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1の効果に加え、本物に近い臨場感をもって幼児が遊戯することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1に示すとおり、本実施例に係るショベルカー玩具10は、車両本体11と、上記車両本体11に上下方向に回動可能に固定され、先端にバケット12を有するアーム13と、上記アーム13の内部に設けられ上記アーム13を駆動する駆動部14a、14b、と、上記車両本体の前端部15に設けられ上記アーム13の基端部16が軸支されるアーム固定部17と、上記アーム固定部17において上記アーム13の基端部16を軸支するアーム固定用軸部18とを有する。
また、図2に示すとおり、上記車両本体11に設けられ上記駆動部14a,14bへ電源を供給する電源部19と、上記駆動部14a,14bに接続され上記アーム13の基端部16に配置されたアーム側コネクタ20と、上記電源部19に接続され上記アーム固定部17の近傍に配置された車両本体側コネクタ21と、上記車両本体11の上部に設けられ幼児が着座可能なシート22と、上記シート22の前端部側に設けられ上記アーム13の回動操作が可能な操縦部23とから構成されている。
【実施例】
【0018】
上記構成による実施例について図面を用いて説明する。
図2に示すとおり、本実施例に係るパワーショベル玩具のアーム13は、基端部に向かって前後方向に角度が小さくなるテーバー状の略直方体形状に形成されたアーム基端部16が連設されて形成されている。
上記アーム基端部16の内部及び、上記アーム本体部28の長さ方向略中央部の内部には、上記アーム13を駆動する駆動部14a、14bが夫々設けられている。
また、上記アーム基端部16の左右側面には、左右方向に貫通する軸受け孔26が設けられ、上記アーム基端部16の下端部29には、差し込み突起24が設けられている。
また、上記アーム先端部16には、所定の長さ寸法を有するアーム側コネクタ20が接続され、上記アーム側コネクタ20の先端部30を差込むための、車両本体側コネクタ21が、アーム固定部17の近傍に設けられている。
図3に示すとおり、車両本体11の前端部15に設けられたアーム固定部17は、アーム13の基端部16を受ける底面31と、上記底面31の左右に、上記アーム基端部を収納しうる間隔に配設された側面板32、33とを有した、上方に向けて開放された縦断面略凹字形状に形成されている。
上記底面31の略中心部には、上記アーム13の差し込み突起24を差し込むための孔部25が設けられていると共に、上記側面板32,33の略中心部には、左右方向に貫通する軸受け孔27,27が設けられている。
また、図4、及び図6に示すとおり、アーム固定用軸部18は、略円柱形状に形成され、図6に示すとおり、一方端側には、上記軸受け孔26,27に差し込んだ際に上記側面板32に係合し、差し込み状態を保持するための係止片34と、係止解除突起35とが設けられている。
【0019】
上記構成において、アーム13を、アーム固定部17に着脱する方法について説明する。
図3に示すとおり、アーム13をアーム固定部17に取り付ける場合、アーム13の基端部16に設けられた差し込み突起24を、アーム固定部17の底面31の略中心部に設けられた孔部25に差込むことで、上記アーム13の基端部16が上記アーム固定部17に収納される。
さらに、図4に示すとおり、上記基端部16に設けられた軸受け孔26と、上記アーム固定部17の側面板31,32に設けられた軸受け孔27,27の位置を合致させ、上記軸受け孔26,27にアーム固定用軸部18を図中矢印A方向から差し込むと、図6に示すとおり、上記アーム固定用軸部18の係止片34が、アーム固定部17の側面板32に係止され、アーム13は、上記アーム固定部17に上下方向に回動可能に固定される。
また、図5に示すとおり、車両本体側コネクタ21とアーム側コネクタ20を接続することで、電源部19とアーム13に設けられた駆動部14a、14bが接続される。
【0020】
また、アーム13を車両本体11から取り外す場合は、図6に示すとおり、アーム固定用軸部18の係止解除突起35を矢印Cの方向に押し下げると、係止片34とアーム固定部17の側面部32との係合が解除される。
上記の状態で、矢印Aの方向にアーム固定用軸部18を引き抜くことで、上記アーム13を上記車両本体11から取り外すことが可能となる。
【0021】
従って、持ち運び時や収納時等に、必要に応じてアームと車両本体を容易に着脱できるため、持ち運びがし易く、且つ収納時に大きなスペースを必要としない。
また、持ち運び時に壁面等にぶつける等して、アームが損傷することを防止することができる。
【0022】
また、図1に示すとおり、アーム13を車両本体11に接続させて遊戯する場合には、上記車両本体11の上部に設けられたシート22に着座し、シート22の前端部に設けられた操縦部23の操作によって、アーム13を上下自在に回動させることができる。
従って、本物と同様の臨場感を味わいながら遊戯することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、子供が着座して操作が可能なショベルカー玩具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、実施例の形態おけるパワーショベル玩具の斜視図ある
【図2】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、車両本体とアームを分離した状態の側面図である。
【図3】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、アームをアーム固定部収納する場合の車両前端部の拡大斜視図である。
【図4】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、アーム固定部に収納されたアームをアーム固定用軸部で軸支固定する場合の車両前端部の拡大斜視図である。
【図5】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、アーム固定部に収納されたアームをアーム固定用軸部で軸支固定した状態の車両前端部の拡大斜視図である。
【図6】本発明に係るパワーショベル玩具の一実施の形態を示し、図5における、B−B線部における正面断面図である。
【図7】従来のパワーショベル玩具の側面図である。
【符号の説明】
【0025】
10 ショベルカー玩具
11 車両本体
12 バケット
13 アーム
14a 駆動部
14b 駆動部
15 車両本体の前端部
16 アーム基端部
17 アーム固定部
18 アーム固定用軸部
19 電源部
20 アーム側コネクタ
21 車両本体側コネクタ
22 シート
23 操縦部
24 差し込み突起
25 孔部
26 軸受け孔
27 軸受け孔
28 アーム本体部
29 アーム基端部の下端部
30 アーム側コネクタの先端部
31 アーム固定部17の底面部
32 アーム固定部17の側面部
33 アーム固定部17の側面部
34 アーム固定用軸部18の係止部
35 アーム固定用軸部18の係止解除突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体と、上記車両本体に上下方向に回動可能に固定され、先端にバケットを有するアームと、上記アームを駆動する駆動部とを備えたショベルカー玩具であって、上記駆動部は上記アームに設けられていることを特徴とするショベルカー玩具。
【請求項2】
上記車両本体の前端部には、上記アームの基端部が軸支されるアーム固定部が設けられ、上記アームは、取り外し可能に設けられたアーム固定用軸部を介して着脱可能に車両本体に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のショベルカー玩具。
【請求項3】
上記車両本体に設けられた上記駆動部へ電源を供給する電源部と、上記駆動部に接続され上記アームの基端部に配置されたアーム側コネクタと、上記電源部に接続され上記アーム固定部の近傍に配置された車両本体側コネクタとを備え、上記アームを上記車両本体に装着する場合には、上記アーム側コネクタと上記車両本体側コネクタとを接続させて、上記駆動部へ電源を供給することを特徴とする請求項2記載のショベルカー玩具。
【請求項4】
上記車両本体上部には、幼児が着座可能なシートが設けられると共に、上記シートの前端部側には操縦部が設けられ、幼児が着座して上記操縦部により電源供給を制御して上記アームの回動動作を行えることを特徴とする請求項3記載のショベルカー玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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