ショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラム
【課題】ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができるショートカット管理装置を提供する。
【解決手段】コントローラ部101は、ライセンスが無効化されたことを検知すると、それに関連するショートカットをバックアップした上で、登録されたショートカットから対応する機能を除外する、あるいは登録されたショートカットを削除する。また、コントローラ部101は、ライセンスが有効化されたことを検知すると、バックアップしたショートカットを再登録(レストア)する。
【解決手段】コントローラ部101は、ライセンスが無効化されたことを検知すると、それに関連するショートカットをバックアップした上で、登録されたショートカットから対応する機能を除外する、あるいは登録されたショートカットを削除する。また、コントローラ部101は、ライセンスが有効化されたことを検知すると、バックアップしたショートカットを再登録(レストア)する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、このショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、組み込み機器においても、不特定のアプリケーションを動的に出し入れして動作させる環境が備えられるようになってきている。このような状況下で、不特定のアプリケーションの機能を特定の設定で呼び出すためのショートカットを管理するアプリケーションが開発されている。ここで、ショートカットを管理するアプリケーションをポータルアプリケーションと呼称する。
【0003】
このポータルアプリケーションは、管理するショートカットを操作画面上で一覧表示する機能を持つことが一般的である。ユーザが所望のショートカットを選択して実行を指示することで、ショートカットに関連付けられた特定の設定で別のアプリケーションが実行される仕組みになっている。ここで、ショートカットに関連付けられて実際に呼び出されるアプリケーションを登録アプリケーションと呼称する。
【0004】
ショートカットは継続的に管理されることが必要である。例えば、不要になったショートカットを削除したり、必要なショートカットを新規に作成する場合がある。これらの管理の手間を省くため、従来のポータルアプリケーションには、ショートカットの生成と削除を自動的に行う仕組みを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1では、登録アプリケーションが予め定めた作成条件を満たすと自動的にショートカットを作成し、削除条件を満たすと自動的にショートカットを削除する構成が紹介されている。作成条件の具体的な例として、登録アプリケーションの起動回数が説明されている。また、削除条件の具体的な例として、非起動の期間や、期間に対する起動回数の割合が説明されている。特許文献1で説明された構成を採用すると、ショートカットの生成や削除を行う必要がなくなるので、管理コストの低減に優れた効果が期待できる。
【0006】
一方、組み込み機器の登録アプリケーションには、アプリケーションの動作そのものや、機能の一部に対してライセンスを必要とするものがある。 アプリケーションのライセンスには、ある期間やアプリケーションの実行回数だけ許諾するタイプのライセンスが存在する。このようなライセンスでは、ある条件が満たされなくなるとライセンスが無効化され、ライセンスが対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−259010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のショートカット管理装置には、以下に掲げる問題があった。すなわち、特許文献1のショートカット管理装置では、第1の問題として、ライセンスが無効化されて対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなっても、ショートカットがしばらくの間残ってしまっていた。その間、ポータルアプリケーションの使い勝手は良くないことが問題であった。
【0009】
第2の問題として、登録アプリケーションの処理の設定値も含めてショートカット化するケースに対する考慮が無いので、ショートカットを自動的に生成することが難しかった。このため、ショートカットに登録した登録アプリケーションの処理の設定値を再設定しなければならず、ポータルアプリケーションの使い勝手は良くないことが問題であった。
【0010】
第3の問題として、同じく登録アプリケーションの処理の設定値も含めてショートカット化するケースに対する考慮が無いので、登録アプリケーションが利用する一部の機能が利用できない場合、ショートカットのメンテナンスが行われなかった。このため、手作業でショートカットを編集したり、削除する手間があることが問題であった。さらに、登録アプリケーションが利用する一部の機能を除外してショートカットを利用したいケースに対応できないことが問題であった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができるショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のショートカット管理装置は、電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置において、前記ショートカットが登録された記憶手段と、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知手段と、前記無効検知手段によって無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索手段と、前記探索手段によって探索されたショートカットを無効にする無効化手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係るショートカット管理装置は、ライセンスが無効化されて対応する電子機器の機能を利用することができなくなった場合、直ぐにショートカットを自動的に無効にする。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】コントローラ部101内の補助記憶装置113等の記録媒体に格納された各種ソフトウェアの構成を示す図である。
【図3】ショートカットリストを示す図である。
【図4】ショートカットの詳細な処理内容を示す図である。
【図5】永続ライセンスの具体的な例を示す図である。
【図6】時限ライセンスの具体的な例を示す図である。
【図7】高圧縮PDFの設定が除外された結果、得られるショートカットを示す図である。
【図8】ライセンスが無効化される場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ライセンスが有効化された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】全てのショートカットが実行可能な状態にある場合のポータルアプリケーションの操作画面を示す図である。
【図12】基本機能の一つである「Send」アプリケーションのライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。
【図13】画像形成装置10の部分機能の一つである「高圧縮PDF」機能のライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。
【図14】最小限必要な各種のソフトウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムの実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のショートカット管理装置は画像形成装置に適用される。
【0016】
図1は実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置10は、コントローラ部101、プリンタ部102、リーダ部103およびファクシミリ(FAX)部104から構成される。
【0017】
プリンタ部102は画像データを用いて用紙に画像を形成する。リーダ部103は原稿を読み込んで画像データを生成する。ファクシミリ(FAX)部104は読み込まれた画像データを電話回線を介して相手先に送信する。
【0018】
コントローラ部(情報処理装置)101は、装置全体を制御するものであり、LAN130を介してクライアントPC140と接続される。また、コントローラ部101には、CPU110、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112、補助記憶装置113、ディスプレイ114、入力装置115およびネットワーク通信装置116が内部バス120を介して接続されている。
【0019】
CPU110は、プログラムを実行し、様々な処理を行う。不揮発性メモリ111は、ROMから構成される。この不揮発性メモリ111には、画像形成装置10の起動処理において、初期段階に必要なプログラムやデータが格納されている。揮発性メモリ112は、RAMから構成され、プログラムやデータの一時的な格納場所として使用される。
【0020】
補助記憶装置113は、ハードディスクやRAMドライブ等の大容量記憶装置から構成され、大容量のデータを保管するとともに、プログラムの実行コードを保持する。また、補助記憶装置113は、揮発性メモリ112と比較して、長時間保持する必要があるデータを記憶するものであり、本実施形態においては、各種のソフトウェアやショートカットを保持する。
【0021】
ディスプレイ114は、画像形成装置10を利用するユーザに情報を伝えるための装置である。本実施形態では、ユーザとは、全て画像形成装置10の利用者を示すものとする。入力装置115は、ユーザの選択指示を受け付け、内部バス120を介してプログラムに伝達するための装置である。ネットワーク通信装置116は、別の情報処理装置とネットワークを介して通信するための装置である。なお、ディスプレイ114および入力装置115は画像形成装置10の操作部118を構成する。
【0022】
内部バス120は、前述したようにCPU110、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112、補助記憶装置113、ディスプレイ114、入力装置115およびネットワーク通信装置116をコントローラ部101内で通信可能な状態に接続する通信バスである。
【0023】
LAN130は、画像形成装置10と他の情報処理装置を通信可能な状態に接続するネットワークである。クライアントPC140は、LAN130を介して画像形成装置10と通信可能な別の情報処理装置である。
【0024】
なお、プリンタ部102、リーダ部103およびファクシミリ(FAX)部104の構成は周知であり、また、本発明と直接関係しないで、その詳細については省略する。
【0025】
図2はコントローラ部101内の補助記憶装置113等の記録媒体に格納された各種ソフトウェアの構成を示す図である。各種ソフトウェアからなる各部は、前述したように、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU110により実行される。本実施形態では、各種ソフトウェアは、ポータルアプリケーション220、登録アプリケーション222(222−1、…、222−N)およびライセンス管理システム221の3つに大別される。
【0026】
ショートカット記憶部201は、コントローラ部101で保持されるショートカットを記憶する。ショートカットは補助記憶装置113にファイルとして保存される。ファイルとして保存されたショートカットの例を示す。図3はショートカットリストを示す図である。ショートカットリスト301は、ポータルアプリケーション220がショートカットを管理するために作成するリストである。ショートカットのリストは、図中、Buttonタグで表現される。
【0027】
また、ショートカットの詳細な処理内容は別のファイルで管理されている。図4はショートカットの詳細な処理内容を示す図である。そのリンク情報として、ActIDタグが存在する。このタグに設定されたIDによって、ショートカットの詳細な処理内容を示す別のファイルが一意に識別される。つまり、ショートカットを一意に特定する情報としてActIDは用いられる。
【0028】
ショートカットを実行するアプリケーションは、AppIDタグで表現される。このタグに設定されたIDによって、ショートカットを実際に実行するアプリケーションが一意に識別される。
【0029】
その他、Aliasタグはアプリケーション名称を示す。また、Nameタグはショートカットの名称を示す。また、Commentタグはショートカットに付与されたコメントを示す。
【0030】
ショートカットリスト301で示したとおり、ポータルアプリケーションは、ショートカットをAppIDとActIDの2つのIDで管理する。すなわち、ポータルアプリケーションは、AppIDによってショートカットを実行するアプリケーションを一意に識別し、ActIDによって実行するショートカットを一意に識別するように、ショートカットの管理を行う。
【0031】
ショートカット302は、登録アプリケーションが利用するショートカット個別の詳細を示している。ここでは、ショートカット1という名前のショートカットをXML形式でファイルにした場合の例を示す。
【0032】
Workflowタグは、ActIDという属性を保持する。このActIDは、ショートカットリスト301で説明したActIDと対応しており、ショートカットを一意に識別するためのIDである。ショートカット302は、原稿を両面スキャンしてから高圧縮PDFかつ暗号化PDFのデータに変換し、「a@b.com」というアドレス宛に送信するショートカットである。
【0033】
ショートカット登録部202は、コントローラ部101でショートカットを作成し、ショートカット記憶部201に登録する。新たにショートカットを登録すると、ショートカット記憶部201に記憶されたショートカットリスト301とショートカット302がそれぞれ登録される。
【0034】
ショートカット実行指示部203は、ショートカットの情報に従って、登録アプリケーションの処理を開始させる。実際の処理は登録アプリケーションによって行われるので、ショートカット実行指示部203は登録アプリケーションの動作開始のきっかけを作り、処理に必要な設定情報を渡すことを行う。
【0035】
ショートカット表示部204は、ショートカット記憶部201に保持されているショートカットの一覧や詳細情報を表示する。これらの情報をディスプレイ114上に表示することで、ユーザは、ショートカットを確認し、ショートカット実行指示部203やショートカット登録部202によってショートカットに対する操作を行うことが可能である。
【0036】
ライセンス記憶部205は、コントローラ部101内で動作するアプリケーションやその部分的な機能に対応するライセンスおよびライセンスの状態を記憶する。
【0037】
ここで、ライセンスについて詳細に説明する。ライセンスは、1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を画像形成装置10のユーザが利用可能にするための情報である。また、画像形成装置10が備える機能を有効化するためにライセンスを用いることができる。ライセンスが適用されると、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能をユーザが利用可能になる。逆に、ライセンスが無効化されると、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能をユーザが利用不可能になる。ライセンスが有効化された状態を、ライセンスが有効であると表現する。逆に、ライセンスが無効化された状態を、ライセンスが無効であると表現する。また、これらの状態をライセンスの状態と呼称する。本実施形態ではライセンスを適用することによって実行可能になるアプリケーションは、登録アプリケーション222であるものとする。なお、登録アプリケーション222は複数存在しており(222−1、…、222−N)、ショートカット実行部も各登録アプリケーションに対応して複数存在する(219−1、…、219−N)。本実施形態における複数の登録アプリケーションとしては、画像形成装置10の機能に対応する「コピー」、「プリント」、「スキャン」、「Send(センド)」の各アプリケーションが存在する。これら複数のアプリケーションの少なくとも1つがライセンス管理されているものとする。また、1つのアプリケーションが備える特定の機能に対してライセンス管理するようにしても良い。なお、以下の説明において1つの登録アプリケーションやショートカット実行部について、符号222、219を用いて説明する。 ライセンスの情報は、テキストファイルの形式で補助記憶装置113に保存される。ただし、不正ライセンスの利用を防止するため、ライセンスは、通常、暗号化され、多重にバックアップされている。本実施形態では、暗号化されていない状態で、1つのファイルのみで管理する構成を例に挙げて説明する。
【0038】
また、ライセンスの種類として、永続ライセンスと時限ライセンス(あるいは有限ライセンス)の2種類が存在する。永続ライセンスは、一度ライセンスを有効化すると、対応するアプリケーションやその部分的な機能をいつまでも利用できる。図5は永続ライセンスの具体的な例を示す図である。
【0039】
永続ライセンス401は、“LICENSE ID”402、“LICENSED FUNCTION ID”403および“LICENSED DEVICE ID”404の3つの情報を持つ。“LICENSE ID”402は、このライセンスを一意に識別するための識別子である。“LICENSED FUNCTION ID”403は、このライセンスファイルが対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を識別するための識別子である。図5では、UUID(Universal Unique IDentifier)の識別子によって実現されている。なお、本実施形態では、LICENSED FUNCTION ID 403は、図3や図4のAppIDに相当する。また、“LICENSED DEVICE ID”404は、このライセンスファイルが対応する画像形成装置10を識別するための識別子である。図5では、UUIDの識別子によって実現されている。
【0040】
一方、時限ライセンスでは、ライセンスが有効である範囲が決められている。そのため、一度ライセンスを有効化しても、対応するアプリケーションやその部分的な機能をいつまでも利用できるわけではない。予めライセンスに定められた範囲を超えた場合、ライセンスは自動的に無効化される。自動的に無効化された時点で、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用することはできなくなる。時限ライセンスに設定可能な、ライセンスが有効である範囲として、次のようなものがある。1つ目は、利用可能な期間や日数を示す情報である。2つ目は、カウンタによって計測される実行回数である。実行回数は、ライセンスに対応するアプリケーションの起動回数やその部分的な機能の利用回数である。また、アプリケーションの実行回数の代わりに、アプリケーションの実行によって画像形成装置10のプリンタ部102、リーダ部103、或いはファクシミリ部104が動作した回数をカウントしても良いものとする。
【0041】
図6は時限ライセンスの具体的な例を示す図である。時限ライセンス501は、“LICENSE ID”502、“LICENSED FUNCTION ID”503、“LICENSED DEVICE ID”504および“LICENSE RANGE”505の情報を持つ。
【0042】
“LICENSE ID”502、“LICENSED FUNCTION ID”503および“LICENSED DEVICE ID”504は、図5と同じ情報を示すので、その説明を省略する。“LICENSE RANGE”505は、ライセンスが有効である範囲を示す。“DATE”506はライセンスが有効な期間を表現している。図6の例では、「2008/07/01」から「2008/12/31」までの期間に限定して、ライセンスが有効となる。
【0043】
“COUNT”507は、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数を示している。図6の例では、“LICENSED FUNCTION ID”503で識別されるアプリケーションもしくは部分的な機能を1000回利用するまでに限定して、ライセンスが有効となる。また、図6の例では、これら複数の条件が論理演算式で組み合わされている。前述した“DATE”506と“COUNT”507が「&」という論理演算式で組み合わされている。これは、“DATE”506と“COUNT”507の条件を両方とも満たす間だけ、ライセンスが有効であることを表現している。
【0044】
ライセンス登録部206は、画像形成装置10のコントローラ部101内で動作するアプリケーションやその部分的な機能に対応するライセンスを登録する。ライセンスの登録は、LAN130で接続されたクライアントPC140から行われる。
【0045】
ライセンス削除部207はライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスを削除する。削除されたライセンスは、ライセンス登録部206で再登録しない限り、画像形成装置10内で利用することはできない。
【0046】
ライセンス有効化部208は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスのうち、無効化された状態のライセンスを有効化する。前述したように、ライセンスが有効化されると、ユーザは対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用可能になる。
【0047】
時限ライセンス監視部209は、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスが存在しないか否かを監視する。具体的な監視の方法は、時限ライセンスに設定された範囲によって異なる。本実施形態では、図6の例に合わせて、ライセンスが有効な期間と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数を監視するものとして説明する。
【0048】
ライセンスが有効な期間に対する監視は、画像形成装置10のコントローラ部101が持つ現在の日時との比較で行われる。図6の例では、「2008/07/01」から「2008/12/31」という期限を記憶しておき、現在の日時がその期限に含まれているか否かを監視し続ける。
【0049】
また、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数に対する監視は、実行回数のカウンタ値との比較で行われる。図6の例では、1000回という回数を記憶しておき、その回数を超えていないかを監視し続ける。なお、この時限ライセンス監視部209の詳細な処理の流れは、図9を用いて後に詳しく説明する。
【0050】
ライセンス無効化部210は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスのうち、有効化された状態の特定のライセンスを無効化する。前述したように、ライセンスが無効化されると、ユーザは対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用不可能になる。
【0051】
無効ライセンス検知部211(無効検知手段)は、ライセンス無効化部210によってライセンスが無効化されたことを検知する。具体的に、無効ライセンス検知部211は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスの状態を全て検査して検知する。全てのライセンスの状態は、無効ライセンス検知部211によって保持され、それらの状態の差分を判定して無効化されたライセンスを検知する。
【0052】
関連ショートカット探索部212(探索手段)は、無効化されたライセンスに関連するショートカットを探索する。無効化されたライセンスとは、無効ライセンス検知部211によって検知されたライセンスである。ここで、「無効化されたライセンスに関連する」とは、ライセンスが無効化されることで、ショートカットの実行ができなくなるか、もしくは実行結果が変わることを言う。したがって、探索されたショートカットは、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行ができなくなるものと、実行結果が変わるものとの2種類に分類される。探索は、ショートカット記憶部201によって記憶されたショートカットの中から行われる。
【0053】
例えば、“Send”のライセンスが無効化された場合、ショートカット302(図4参照)は関連ショートカットとして検出される。さらに、ライセンスが無効化されることで、ショートカットの実行ができなくなるものとして分類される。また、高圧縮PDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302は関連ショートカットとして検出される。さらに、ライセンスが無効化されることで実行結果が変わるものとして分類される。これに対し、サーチャブルPDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302は関連ショートカットとして検出されない。
【0054】
バックアップ部213は、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットを、通常利用するショートカットとは区別可能な状態で記憶する。記憶する場所は、補助記憶装置113の別のパーティションである。
【0055】
機能除外部214は、利用できなくなった機能をショートカットから除外する。ここで、「利用できなくなった機能」とは、無効ライセンス検知部211で検知したライセンスに関連する機能である。また、「除外する」とは、ショートカットの内容を変更し、無効化されたライセンスに対応する機能だけを取り除くことである。
【0056】
また、機能除外部214は、関連ショートカット探索部212によって探索されたショートカットの中で、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行結果が変わるものとして分類されたショートカットに対して処理を行う。
【0057】
例えば、高圧縮PDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302から高圧縮PDFのライセンスに関連する高圧縮PDFの設定が除外される。図7は高圧縮PDFの設定が除外された結果、得られるショートカットを示す図である。このショートカット601では、図4のショートカット302から「<高圧縮PDF>on</高圧縮PDF>」が削除されている。
【0058】
ショートカット削除部215は、実行できないショートカットを削除する。ここで、「実行できないショートカット」とは、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットの中で、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行ができなくなるものとして分類されたショートカットである。また、「削除」とは、ショートカット記憶部201によって記憶されるショートカットの中から消すことや、ショートカットを実行できなくなるようにすることいった、ショートカットを無効にすること含む。つまり、ショートカット削除部215はショートカットを無効化する手段として機能する。削除されたショートカットには、今後アクセスすることができなくなる。
【0059】
有効ライセンス検知部216(有効検知手段)は、ライセンス有効化部208によってライセンスが有効化されたことを検知する。具体的に、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスの状態を全てチェックして検知する。全てのライセンスの状態は、有効ライセンス検知部216によって保持され、それらの状態の差分を判定して有効化されたライセンスを検知する。
【0060】
実行可能ショートカット探索部217(第2探索手段)は、バックアップ部213によってバックアップされたショートカットの中から、実行可能なショートカットを探索する。例えば、高圧縮PDFのライセンスが無効化された状態では、図4のショートカット302は探索されない。しかし、高圧縮PDFのライセンスが有効化され、全ての機能を利用できる状態では、ショートカット302は探索される。
【0061】
レストア部218は、実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットを、ショートカット記憶部201によって記憶される状態に戻す。実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットは、バックアップ部213によってショートカット記憶部201とは区別可能な状態で記憶されている。バックアップ部213によって記憶されたショートカットは、レストア部218によって、ショートカット記憶部201によって記憶される状態になる。従って、ショートカット表示部204による表示およびショートカット実行指示部203による実行が可能な状態となる。
【0062】
ショートカット実行部219は、ショートカット実行指示部203の実行指示を受けて、実際にショートカットを実行する。
【0063】
これまで説明したソフトウェアの各部は、それぞれポータルアプリケーション220、ライセンス管理システム221および登録アプリケーション222に備えられる。すなわち、ポータルアプリケーション220は、ショートカット記憶部201、ショートカット登録部202、ショートカット実行指示部203、ショートカット表示部204、関連ショートカット探索部212およびバックアップ部213を備える。さらに、ポータルアプリケーション220は、機能除外部214、ショートカット削除部215、実行可能ショートカット探索部217およびレストア部218を備える。また、ライセンス管理システム221は、ライセンス記憶部205、ライセンス登録部206、ライセンス削除部207およびライセンス有効化部208を備える。さらに、ライセンス管理システム221は、時限ライセンス監視部209、ライセンス無効化部210、無効ライセンス検知部211および有効ライセンス検知部216を備える。また、登録アプリケーション222(222−1、…、222−N)は、ショートカット実行部219(219−1、…、219−N)を備える。
【0064】
図8はライセンスが無効化される場合の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、この処理プログラムは、コントローラ部101内の不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、コントローラ部101内のCPU110によって実行される。ここで、前提条件として、ライセンスが有効なアプリケーションが1つ以上存在し、そのライセンスはライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0065】
コントローラ部101は、ライセンス無効化部210によってアプリケーションのライセンスを無効化する(ステップS1)。このライセンスの無効化に際し、ユーザはディスプレイ114の表示内容に従って入力装置115からユーザが選択したアプリケーションのライセンスの無効化指示を行う。入力装置115は、ユーザからライセンスの無効化指示を受け付けると、その受け付けた旨をライセンス無効化部210に送信する。コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、その旨を受け付けると、ライセンス記憶部205に記憶された当該アプリケーションに関するライセンスを無効化する。あるいは、時限ライセンスの有効期間が満了し、ライセンス無効化部210が時限ライセンスを無効化する。
【0066】
コントローラ部101は、無効ライセンス検知部211により、ライセンスの無効化を検知する(ステップS2)。こうして無効化されたライセンスが検知される。
【0067】
コントローラ部101は、関連ショートカット探索部212により、ライセンスが無効化されたアプリケーションに関連するショートカットを探索する(ステップS3)。具体的には、図5のライセンスリストを参照してライセンスが無効化されたアプリケーションのAppIDを特定する。そして、図3のショートカットリストを参照して特定されたAppIDが記述されたActIDを特定する。これにより、無効化されたライセンスに関連するショートカットが探索される。
【0068】
コントローラ部101は、バックアップ部213により、ステップS3の探索結果として、ショートカットが検出されたか否かを判定する(ステップS4)。ショートカットが1つも検出されなかった場合、コントローラ部101は本処理を終了する。
【0069】
一方、ショートカットが1つ以上検出されている場合、コントローラ部101は、バックアップ部213により、ステップS3で探索されたショートカットをバックアップする(ステップS5)。
【0070】
コントローラ部101は、機能除外部214により、ステップS3で検出されたショートカットから、ステップS1で無効化されたライセンスに関連するアプリケーションやアプリケーション内の部分的な機能を除外した場合、ショートカットが実行可能であるか否かを判定する(ステップS6)。ショートカットが実行可能である場合、コントローラ部101は、機能除外部214により、ショートカットから、ステップS1で無効化されたライセンスに関連するアプリケーションやその部分的な機能を除外する(ステップS7)。ショートカットが実行可能である場合とは、前述の「無効化されたことでショートカットの実行結果が変わる」に分類される場合のことを指す。一方、ショートカットが実行不可能である場合、コントローラ部101は、ショートカット削除部215により、ショートカットを削除する(ステップ8)。ショートカットが実行不可能である場合とは、前述の「ショートカットの実行が出来なくなる」に分類される場合のことを指す。
【0071】
ステップS7、S8の処理後、コントローラ部101は、機能除外部214により、ステップS3で探索された全てのショートカットに対し、ステップS6以降の処理が行われたか否かを判定する(ステップS9)。全てのショートカットに対して処理が行われている場合、コントローラ部101はライセンスが無効化された場合の本処理を終了する。一方、全てのショートカットに対して処理が行われていない場合、コントローラ部101は、ステップS6の処理に戻る。
【0072】
図9は時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する場合の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、この処理プログラムは、コントローラ部101内の不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、コントローラ部101内のCPU110によって実行される。なお、後述するように、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知した後の処理は、図8の処理と同様である。ここで、前提条件として、有効化された時限ライセンスが1つ以上存在し、ライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0073】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ライセンス記憶部205によって記憶されている時限ライセンスの情報を全て取得し、リストにする(ステップS11)。以後、このリストを時限ライセンスリストと呼称する。
【0074】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了したか否かを判定する(ステップS12)。ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了しているか、あるいはステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に進む。
【0075】
一方、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、時限ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了していない場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。すなわち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスリストの中の検査が完了していない時限ライセンスについて検査を行い、その期限が過ぎているか否かを判別する(ステップS13)。
【0076】
この検査の内容は、時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれるか否かである。時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれる場合、コントローラ部101はステップS12の処理に戻る。
【0077】
一方、上記ライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれない場合、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の条件を満たさないことを一時的に記憶する(ステップS14)。
【0078】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められた条件を満たしているか否かを判定する(ステップS15)。この判定では、時限ライセンスに定められた全ての条件が論理演算子も含めて判定される。図6の例で説明すると、コントローラ部101は、ライセンスが有効な期間の条件と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との条件を、2つとも満たしているか否かを判定する。
【0079】
判定の結果、時限ライセンスに定められた条件を満たしている場合、コントローラ部101はステップS12の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められた条件を満たさない場合、コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、時限ライセンスを無効化する(ステップS16)。このステップS16の処理は図8のフローチャートで説明したとおりである。
【0080】
一方、ステップS12でライセンスが有効な期間についての検査が全て完了しているか、あるいはステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査を全て完了したか否かを判定する(ステップS17)。
【0081】
実行回数についての検査を全て完了している場合、コントローラ部101は本処理を終了する。このような場合として、次の2つが挙げられる。1つは、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査が終了している場合である。もう1つは、ステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合である。
【0082】
一方、ステップS17で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査が全て完了していない場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。即ち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスリストの中の検査が完了していない時限ライセンスについて検査を行い、その結果、時限ライセンスの上限値がカウンタより小さいか否かを判別する(ステップS18)。この検査の内容は、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過していないか否かである。
【0083】
時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過していない場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過している場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。即ち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の条件を満たさないことを一時的に記憶する(ステップS19)。
【0084】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められた条件を満たしているか否かを判定する(ステップS20)。この判定では、時限ライセンスに定められた全ての条件が論理演算子も含めて判定される。図6の例で説明すると、コントローラ部101は、ライセンスが有効な期間の条件と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との条件を2つとも満たしているかを判定する。
【0085】
判定の結果、時限ライセンスに定められた条件を満たしている場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められた条件を満たさない場合、コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、時限ライセンスを無効化する(ステップS21)。このステップ処理では、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する処理が行われる。このステップS21の処理は図8のフローチャートで説明したとおりである。この後、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。
【0086】
図8、図9のフローチャートを実行することで、画像形成装置はライセンスが無効化されたアプリケーションの実行指示を受け付けないようにすることが出来る。また、ライセンスが無効になり、アプリケーションの一部の機能が利用できなくなったことによってショートカットが実行可能か否かを判定した上でショートカットを削除するようにした。これにより実行可能なショートカットを不必要に削除することを防止することが出来る。
【0087】
図10はライセンスが有効化された場合の処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU110により実行される。ここで、前提条件として、無効化された時限ライセンスが1つ以上存在し、ライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0088】
コントローラ部101は、有効ライセンス検知部216により、ライセンスの有効化を検知する(ステップS51)。コントローラ部101は、実行可能ショートカット探索部217により、バックアップ部213によってバックアップされたショートカットの中から、実行可能なショートカットを探索する(ステップS52)。
【0089】
コントローラ部101は、レストア部218により、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットが1件以上あるか否かを判定する(ステップS53)。この探索の結果、得られたショートカットが1件も無かった場合、コントローラ部101は、本処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットが1件以上ある場合、コントローラ部101は、レストア部218により、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットのレストア(再登録)を行う(ステップS54)。すなわち、バックアップされたショートカットを元の記憶位置に再び記憶する。このステップ処理で、コントローラ部101は、ライセンスが有効化された場合に関する処理を終了する。
【0091】
図10のフローチャートを実行することで、ライセンスが無効化したことによってバックアップ領域に移されたショートカットが、ライセンスが有効化したことによって再び利用可能になる。
【0092】
つぎに、図11から図13を用いて、操作部118のディスプレイ114に表示されるポータルアプリケーションの操作画面の表示例を示す。図11は全てのショートカットが実行可能な状態にある場合のポータルアプリケーションの操作画面を示す図である。ディスプレイ114には、ポータルアプリケーション220の操作画面全体を指す画面1101が表示される。画面1101には、各種のボタンが設定されている。
【0093】
ボタン1102は、画像形成装置10を利用するユーザが登録したショートカットだけを表示するためのボタンである。ボタン1103は、画像形成装置10を利用する全てのユーザが共通に利用できるショートカットを表示するためのボタンである。
【0094】
ボタン1104〜ボタン1118は、それぞれのボタンに関連付けられたショートカットの実行指示を行うためのボタンである。ボタン1119は、登録されたショートカットの削除指示を行うためのボタンである。ボタン1120は、登録されたショートカットの編集指示を行うためのボタンである。
【0095】
図12は基本機能の一つである「Send」アプリケーションのライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。図8のフローチャートのステップS8の処理を実行することによって、利用できなくなったボタン1106、1107、1109、1111、1112、1114〜1117のボタンは自動的に削除される。そして、未登録の状態にあるボタン1301〜1309がグレー表示で表示される。ボタン1301〜1309の表示領域には何も表示しないようにしてもよい。
【0096】
図13は画像形成装置10の部分機能の一つである「高圧縮PDF」機能のライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。この画面には、ボタン1501とボタン1502は、図11のボタン1106とボタン1115からそれぞれ高圧縮PDFの機能が除外されたショートカットに関連付けられている。また、そのことを示すために、ボタン1501、1502には、三角形のアイコンが付与されている。この、三角形のアイコンを付与されたボタンによって、ショートカットの機能の一部が使えなくなったことをユーザに通知することが可能になる。この三角形のアイコンが付与されたボタンが押下された場合には、そのボタンに対応付けられたショートカットで設定された画像処理を実行する前に、使えなくなった部分機能がどういう機能であるかを示す画面を表示するようにしても良い。その画面でユーザは使えなくなった部分機能が何であるのかを把握することができる。そして、その上で当該ショートカットを実行する/しないを指示できるようにしても良い。
【0097】
このように、第1の実施形態の画像形成装置によれば、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。すなわち、ライセンスが無効化されて対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなった場合、直ぐにショートカットを自動的に削除することができる。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。また、ライセンスが有効化された場合、以前利用していたショートカットを自動的に生成することが可能である。これにより、ショートカットに登録した登録アプリケーションの処理の設定値を再設定する必要がなく、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。また、登録アプリケーションが利用する一部の機能が利用できない場合、登録アプリケーションが利用する一部の機能を除外してショートカット自動的に生成することが可能である。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【0098】
また、ショートカットが利用する一部の機能が利用できなくてもショートカットが実行可能である場合、このショートカットを削除しない。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【0099】
また、ライセンスの登録および削除を簡単に行うことができる。また、ショートカットの登録を簡単に行うことができる。また、ライセンスの無効化を簡単に行うことができる。また、ライセンスが有効な範囲を超えた場合、即座にライセンスを無効化することができる。また、ライセンスの有効化を簡単に行うことができる。
【0100】
また、ポータルアプリケーションの画面に、ショートカットに対応するボタンを配置するので、ショートカットを実行する際の操作性を高めることができる。
【0101】
なお、上記実施の形態の中で説明したソフトウェアからなる各部は、それぞれ別の構成によって実現することも可能である。具体的に、上記実施の形態におけるライセンスは、前述した情報以外の情報を持っていてもよい。例えば、ライセンスは、対象とするユーザの識別子の情報を持っていてもよい。その場合、ライセンスが対象とするユーザ以外のユーザは、ライセンスを利用することができない。また、ライセンスは、ライセンスの状態を表す情報を持っていてもよい。逆に、前述した情報(図5参照)の中で、“LICENSED DEVICE ID”404は無くてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態における時限ライセンスは、ライセンスが有効な範囲として、ライセンスが有効な期間と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との2つを用いた。しかし、ライセンスが有効な範囲として、他の指定があってもよい。例えば、原稿を読み込む面数や印刷する面数、ジョブ数など、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能固有の情報であってもよい。あるいは、データサイズを示す値であってもよい。例えば、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能が処理するデータのサイズやパケットのサイズを示す情報であってもよい。あるいは、同時に利用するユーザ数であってもよい。例えば、フローティングライセンスのように同時に利用するユーザ数を制限する構成であってもよい。ただし、同時に利用するユーザ数はリアルタイムに変更されるので、その度に、バックアップ部213とレストア部218によってショートカットを管理(メンテナンス)する構成でなくてもよい。なお、ここで説明した構成に変更する場合、それに呼応して時限ライセンス監視部209の処理も変更する必要がある。この時限ライセンス監視部209の動作については、後述する。
【0103】
また、上記実施の形態における時限ライセンスは、ライセンスが有効な範囲として、複数の条件を論理演算式で組み合わせ可能としていた。図6の例では、”&”のみを説明したが、一般的に利用される他の論理演算子を利用してもよい。例えば、”|”を利用し、条件同士の論理和(or)で判断する構成であってもよい。あるいは、”^”を利用し、条件の否定で判断する構成であってもよい。
【0104】
また、上記実施の形態におけるショートカット記憶部201は、ショートカットを補助記憶装置113にファイルとして保存する。しかし、保存する場所や形態は別の構成であってもよい。例えば、ショートカットをデータベースに保存してもよい。あるいは、ネットワーク通信装置116を介してLAN130上の別の情報処理装置が持つ記憶媒体に保存する構成であってもよい。あるいは、XMLファイルではなく、CSVファイル、バイナリファイルとして保存してもよい。
【0105】
また、ショートカットで保持される情報は、ショートカット302の通りでなくてもよい。例えば、動作設定がなく、アプリケーションが起動するだけでもよい。また、動作させるアプリケーションは複数でなくてもよい。また、同じアプリケーションを繰り返し動作させてもよい。また、ショートカットの属性として、説明の文字列などを含んでいてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、ショートカットリスト301とショートカット302を両方ともショートカット記憶部201で記憶する構成を説明したが、この構成に限らなくてもよい。例えば、ショートカットリスト301をショートカット記憶部201で記憶し、ショートカット302は、登録アプリケーション222に備わる別の記憶部によって記憶する構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、ショートカット登録部202は、画像形成装置10のコントローラ部(情報処理装置)101上でショートカットを作成し、ショートカット記憶部201に登録する。しかし、ショートカットを別の場所で作成してもよい。例えば、別の情報処理装置上でショートカットを作成し、それを外部から画像形成装置10の情報処理装置101に入力する構成であってもよい。
【0108】
また、上記実施の形態のライセンス登録部206は、必須の構成ではない。例えば、全てのライセンス情報を予め無効な状態でライセンス記憶部205に記憶させておく構成でもよい。この場合、ライセンス削除部207も同様に必須の構成ではない。
【0109】
また、上記実施の形態のライセンス有効化部208は、必須の構成ではない。例えば、ライセンス登録部206で登録された時点で、ライセンスが強制的に有効化される構成であってもよい。この場合、ライセンスが状態を持つ必要が無く、ライセンス記憶部205にライセンスが記憶されている状態である場合、ライセンスに対応するアプリケーションやその機能の一部を利用することが可能となる。同様に、ライセンス無効化部210は必須の構成ではない。
【0110】
また、上記実施の形態の時限ライセンス監視部209は、時限ライセンスに設定されるライセンスが有効な範囲の情報に応じて、処理内容を変更する必要がある。ここでは、時限ライセンスの構成に対応する時限ライセンス監視部209の動作について説明する。
【0111】
まず、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能固有の情報に対する監視について説明する。登録アプリケーションは、特定のカウンタ値を自ら管理し、必要に応じてカウントアップあるいはカウントダウンを行う。時限ライセンスには、そのカウンタ値の識別情報と上限値が記載される。時限ライセンス監視部209は、カウンタ値の識別情報からカウンタを参照し、そのカウント値を上限値と比較することで監視を行う。
【0112】
つぎに、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能が処理するデータのサイズやパケットのサイズに対する監視について説明する。登録アプリケーションは、データのサイズやパケットのサイズを計測する手段を新たに設け、その計測値を特定のカウンタに設定する。時限ライセンスには、そのカウンタ値の識別情報と上限値が記載される。時限ライセンス監視部209は、カウンタ値の識別情報からカウンタを参照し、そのカウンタ値を上限値と比較することで監視を行う。
【0113】
つぎに、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能を同時に利用するユーザ数に対する監視について説明する。前述したように、同時に利用するユーザ数はリアルタイムに変更されるので、その度に、バックアップ部213とレストア部218によってショートカットを管理(メンテナンス)する構成でなくてもよい。その場合、同時に利用するユーザ数による制限の場合のみ、時限ライセンス監視部209によって検知しない制御が行われる。
【0114】
また、上記実施の形態のバックアップ部213は、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットを、通常利用するショートカットとは区別可能な状態で記憶する。ここで、「区分可能な状態」とは、補助記憶装置113の別のパーティションであると説明したが、他の区分の仕方であってもよい。例えば、同じパーティション内の別ディレクトリであってもよい。あるいは、同じパーティション内でバックアップされたショートカットであることを示すフラグを持つ構成であってもよい。あるいは、別の記憶装置を備える構成であってもよい。あるいは、LAN130上の別の情報処理装置が備える記憶媒体であってもよい。
【0115】
また、上記実施の形態の機能除外部214は、利用できなくなった機能をショートカットから除外するが、更にユーザビリティを高める構成であってもよい。例えば、機能除外部214によって除外された機能が分かる説明を、ショートカットの説明としてディスプレイ114上に表示する構成であってもよい。あるいは、機能除外部214によって機能が除外されたことを示すために、ショートカットの名前に特定のマークをつける構成であってもよい。
【0116】
また、上記実施の形態の機能除外部214は、必須の構成ではない。機能除外部214を持たない構成においては、関連ショートカット探索部212によって探索されたショートカットは、全てショートカット削除部215で削除される。
【0117】
また、上記実施の形態のレストア部218は、実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットを、ショートカット記憶部201によって記憶される状態に戻す。その際、特別な判断を行い、本当に必要なショートカットだけが再登録(レストア)される構成であってもよい。例えば、再登録(レストア)すると、同じ処理内容のショートカットが複数存在してしまう場合、事前に検知してレストア対象から除外する構成であってもよい。これにより、同じ処理内容の複数のショートカットが生成されてしまうことを回避することができる。
【0118】
また、機能除外部214によって利用できなくなった機能をショートカットから除外されたショートカットが残っていた場合、レストア時に自動的に削除する構成であってもよい。この場合、ショートカットを一意に識別するための識別子をショートカットに持たせる必要がある。これにより、同じ処理内容の複数のショートカットが生成されてしまうことを回避することができる。
【0119】
更に、機能除外部214によって利用できなくなった機能をショートカットから除外されたショートカットが残っていても、利用頻度が所定の頻度より高く利用されている場合、自動的に削除しない構成であってもよい。この場合、ショートカットの利用頻度を判別するためのプロファイル部が必要となる。これにより、利用頻度の高いショートカットを削除することなく、操作性を高めることができる。
【0120】
このように、上記実施形態の各部のソフトウェアについては、全てが必須というわけではない。図14は最小限必要な各種のソフトウェア構成を示す図である。図2と比較すると、ライセンス登録部206、ライセンス削除部207、ショートカット登録部202等が省かれた構成となっている。
【0121】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0122】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置に適用された場合を示したが、これに限らず、本発明は種々の電子機器に適用可能である。
【0123】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、画像形成装置としては、印刷装置の他、印刷機能を有するファクシミリ装置、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等を有する複合機(MFP)であってもよいことは勿論である。
【0124】
また、本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0125】
10 画像形成装置
101 コントローラ部
201 ショートカット記憶部
202 ショートカット登録部
211 無効ライセンス検知部
213 パックアップ部
214 機能除外部
215 ショートカット削除部
216 有効ライセンス検知部
218 レストア部
220 ポータルアプリケーション
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、このショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、組み込み機器においても、不特定のアプリケーションを動的に出し入れして動作させる環境が備えられるようになってきている。このような状況下で、不特定のアプリケーションの機能を特定の設定で呼び出すためのショートカットを管理するアプリケーションが開発されている。ここで、ショートカットを管理するアプリケーションをポータルアプリケーションと呼称する。
【0003】
このポータルアプリケーションは、管理するショートカットを操作画面上で一覧表示する機能を持つことが一般的である。ユーザが所望のショートカットを選択して実行を指示することで、ショートカットに関連付けられた特定の設定で別のアプリケーションが実行される仕組みになっている。ここで、ショートカットに関連付けられて実際に呼び出されるアプリケーションを登録アプリケーションと呼称する。
【0004】
ショートカットは継続的に管理されることが必要である。例えば、不要になったショートカットを削除したり、必要なショートカットを新規に作成する場合がある。これらの管理の手間を省くため、従来のポータルアプリケーションには、ショートカットの生成と削除を自動的に行う仕組みを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1では、登録アプリケーションが予め定めた作成条件を満たすと自動的にショートカットを作成し、削除条件を満たすと自動的にショートカットを削除する構成が紹介されている。作成条件の具体的な例として、登録アプリケーションの起動回数が説明されている。また、削除条件の具体的な例として、非起動の期間や、期間に対する起動回数の割合が説明されている。特許文献1で説明された構成を採用すると、ショートカットの生成や削除を行う必要がなくなるので、管理コストの低減に優れた効果が期待できる。
【0006】
一方、組み込み機器の登録アプリケーションには、アプリケーションの動作そのものや、機能の一部に対してライセンスを必要とするものがある。 アプリケーションのライセンスには、ある期間やアプリケーションの実行回数だけ許諾するタイプのライセンスが存在する。このようなライセンスでは、ある条件が満たされなくなるとライセンスが無効化され、ライセンスが対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−259010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のショートカット管理装置には、以下に掲げる問題があった。すなわち、特許文献1のショートカット管理装置では、第1の問題として、ライセンスが無効化されて対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなっても、ショートカットがしばらくの間残ってしまっていた。その間、ポータルアプリケーションの使い勝手は良くないことが問題であった。
【0009】
第2の問題として、登録アプリケーションの処理の設定値も含めてショートカット化するケースに対する考慮が無いので、ショートカットを自動的に生成することが難しかった。このため、ショートカットに登録した登録アプリケーションの処理の設定値を再設定しなければならず、ポータルアプリケーションの使い勝手は良くないことが問題であった。
【0010】
第3の問題として、同じく登録アプリケーションの処理の設定値も含めてショートカット化するケースに対する考慮が無いので、登録アプリケーションが利用する一部の機能が利用できない場合、ショートカットのメンテナンスが行われなかった。このため、手作業でショートカットを編集したり、削除する手間があることが問題であった。さらに、登録アプリケーションが利用する一部の機能を除外してショートカットを利用したいケースに対応できないことが問題であった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができるショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のショートカット管理装置は、電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置において、前記ショートカットが登録された記憶手段と、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知手段と、前記無効検知手段によって無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索手段と、前記探索手段によって探索されたショートカットを無効にする無効化手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係るショートカット管理装置は、ライセンスが無効化されて対応する電子機器の機能を利用することができなくなった場合、直ぐにショートカットを自動的に無効にする。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】コントローラ部101内の補助記憶装置113等の記録媒体に格納された各種ソフトウェアの構成を示す図である。
【図3】ショートカットリストを示す図である。
【図4】ショートカットの詳細な処理内容を示す図である。
【図5】永続ライセンスの具体的な例を示す図である。
【図6】時限ライセンスの具体的な例を示す図である。
【図7】高圧縮PDFの設定が除外された結果、得られるショートカットを示す図である。
【図8】ライセンスが無効化される場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ライセンスが有効化された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】全てのショートカットが実行可能な状態にある場合のポータルアプリケーションの操作画面を示す図である。
【図12】基本機能の一つである「Send」アプリケーションのライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。
【図13】画像形成装置10の部分機能の一つである「高圧縮PDF」機能のライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。
【図14】最小限必要な各種のソフトウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のショートカット管理装置、ショートカット管理方法およびプログラムの実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のショートカット管理装置は画像形成装置に適用される。
【0016】
図1は実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置10は、コントローラ部101、プリンタ部102、リーダ部103およびファクシミリ(FAX)部104から構成される。
【0017】
プリンタ部102は画像データを用いて用紙に画像を形成する。リーダ部103は原稿を読み込んで画像データを生成する。ファクシミリ(FAX)部104は読み込まれた画像データを電話回線を介して相手先に送信する。
【0018】
コントローラ部(情報処理装置)101は、装置全体を制御するものであり、LAN130を介してクライアントPC140と接続される。また、コントローラ部101には、CPU110、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112、補助記憶装置113、ディスプレイ114、入力装置115およびネットワーク通信装置116が内部バス120を介して接続されている。
【0019】
CPU110は、プログラムを実行し、様々な処理を行う。不揮発性メモリ111は、ROMから構成される。この不揮発性メモリ111には、画像形成装置10の起動処理において、初期段階に必要なプログラムやデータが格納されている。揮発性メモリ112は、RAMから構成され、プログラムやデータの一時的な格納場所として使用される。
【0020】
補助記憶装置113は、ハードディスクやRAMドライブ等の大容量記憶装置から構成され、大容量のデータを保管するとともに、プログラムの実行コードを保持する。また、補助記憶装置113は、揮発性メモリ112と比較して、長時間保持する必要があるデータを記憶するものであり、本実施形態においては、各種のソフトウェアやショートカットを保持する。
【0021】
ディスプレイ114は、画像形成装置10を利用するユーザに情報を伝えるための装置である。本実施形態では、ユーザとは、全て画像形成装置10の利用者を示すものとする。入力装置115は、ユーザの選択指示を受け付け、内部バス120を介してプログラムに伝達するための装置である。ネットワーク通信装置116は、別の情報処理装置とネットワークを介して通信するための装置である。なお、ディスプレイ114および入力装置115は画像形成装置10の操作部118を構成する。
【0022】
内部バス120は、前述したようにCPU110、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112、補助記憶装置113、ディスプレイ114、入力装置115およびネットワーク通信装置116をコントローラ部101内で通信可能な状態に接続する通信バスである。
【0023】
LAN130は、画像形成装置10と他の情報処理装置を通信可能な状態に接続するネットワークである。クライアントPC140は、LAN130を介して画像形成装置10と通信可能な別の情報処理装置である。
【0024】
なお、プリンタ部102、リーダ部103およびファクシミリ(FAX)部104の構成は周知であり、また、本発明と直接関係しないで、その詳細については省略する。
【0025】
図2はコントローラ部101内の補助記憶装置113等の記録媒体に格納された各種ソフトウェアの構成を示す図である。各種ソフトウェアからなる各部は、前述したように、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU110により実行される。本実施形態では、各種ソフトウェアは、ポータルアプリケーション220、登録アプリケーション222(222−1、…、222−N)およびライセンス管理システム221の3つに大別される。
【0026】
ショートカット記憶部201は、コントローラ部101で保持されるショートカットを記憶する。ショートカットは補助記憶装置113にファイルとして保存される。ファイルとして保存されたショートカットの例を示す。図3はショートカットリストを示す図である。ショートカットリスト301は、ポータルアプリケーション220がショートカットを管理するために作成するリストである。ショートカットのリストは、図中、Buttonタグで表現される。
【0027】
また、ショートカットの詳細な処理内容は別のファイルで管理されている。図4はショートカットの詳細な処理内容を示す図である。そのリンク情報として、ActIDタグが存在する。このタグに設定されたIDによって、ショートカットの詳細な処理内容を示す別のファイルが一意に識別される。つまり、ショートカットを一意に特定する情報としてActIDは用いられる。
【0028】
ショートカットを実行するアプリケーションは、AppIDタグで表現される。このタグに設定されたIDによって、ショートカットを実際に実行するアプリケーションが一意に識別される。
【0029】
その他、Aliasタグはアプリケーション名称を示す。また、Nameタグはショートカットの名称を示す。また、Commentタグはショートカットに付与されたコメントを示す。
【0030】
ショートカットリスト301で示したとおり、ポータルアプリケーションは、ショートカットをAppIDとActIDの2つのIDで管理する。すなわち、ポータルアプリケーションは、AppIDによってショートカットを実行するアプリケーションを一意に識別し、ActIDによって実行するショートカットを一意に識別するように、ショートカットの管理を行う。
【0031】
ショートカット302は、登録アプリケーションが利用するショートカット個別の詳細を示している。ここでは、ショートカット1という名前のショートカットをXML形式でファイルにした場合の例を示す。
【0032】
Workflowタグは、ActIDという属性を保持する。このActIDは、ショートカットリスト301で説明したActIDと対応しており、ショートカットを一意に識別するためのIDである。ショートカット302は、原稿を両面スキャンしてから高圧縮PDFかつ暗号化PDFのデータに変換し、「a@b.com」というアドレス宛に送信するショートカットである。
【0033】
ショートカット登録部202は、コントローラ部101でショートカットを作成し、ショートカット記憶部201に登録する。新たにショートカットを登録すると、ショートカット記憶部201に記憶されたショートカットリスト301とショートカット302がそれぞれ登録される。
【0034】
ショートカット実行指示部203は、ショートカットの情報に従って、登録アプリケーションの処理を開始させる。実際の処理は登録アプリケーションによって行われるので、ショートカット実行指示部203は登録アプリケーションの動作開始のきっかけを作り、処理に必要な設定情報を渡すことを行う。
【0035】
ショートカット表示部204は、ショートカット記憶部201に保持されているショートカットの一覧や詳細情報を表示する。これらの情報をディスプレイ114上に表示することで、ユーザは、ショートカットを確認し、ショートカット実行指示部203やショートカット登録部202によってショートカットに対する操作を行うことが可能である。
【0036】
ライセンス記憶部205は、コントローラ部101内で動作するアプリケーションやその部分的な機能に対応するライセンスおよびライセンスの状態を記憶する。
【0037】
ここで、ライセンスについて詳細に説明する。ライセンスは、1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を画像形成装置10のユーザが利用可能にするための情報である。また、画像形成装置10が備える機能を有効化するためにライセンスを用いることができる。ライセンスが適用されると、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能をユーザが利用可能になる。逆に、ライセンスが無効化されると、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能をユーザが利用不可能になる。ライセンスが有効化された状態を、ライセンスが有効であると表現する。逆に、ライセンスが無効化された状態を、ライセンスが無効であると表現する。また、これらの状態をライセンスの状態と呼称する。本実施形態ではライセンスを適用することによって実行可能になるアプリケーションは、登録アプリケーション222であるものとする。なお、登録アプリケーション222は複数存在しており(222−1、…、222−N)、ショートカット実行部も各登録アプリケーションに対応して複数存在する(219−1、…、219−N)。本実施形態における複数の登録アプリケーションとしては、画像形成装置10の機能に対応する「コピー」、「プリント」、「スキャン」、「Send(センド)」の各アプリケーションが存在する。これら複数のアプリケーションの少なくとも1つがライセンス管理されているものとする。また、1つのアプリケーションが備える特定の機能に対してライセンス管理するようにしても良い。なお、以下の説明において1つの登録アプリケーションやショートカット実行部について、符号222、219を用いて説明する。 ライセンスの情報は、テキストファイルの形式で補助記憶装置113に保存される。ただし、不正ライセンスの利用を防止するため、ライセンスは、通常、暗号化され、多重にバックアップされている。本実施形態では、暗号化されていない状態で、1つのファイルのみで管理する構成を例に挙げて説明する。
【0038】
また、ライセンスの種類として、永続ライセンスと時限ライセンス(あるいは有限ライセンス)の2種類が存在する。永続ライセンスは、一度ライセンスを有効化すると、対応するアプリケーションやその部分的な機能をいつまでも利用できる。図5は永続ライセンスの具体的な例を示す図である。
【0039】
永続ライセンス401は、“LICENSE ID”402、“LICENSED FUNCTION ID”403および“LICENSED DEVICE ID”404の3つの情報を持つ。“LICENSE ID”402は、このライセンスを一意に識別するための識別子である。“LICENSED FUNCTION ID”403は、このライセンスファイルが対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を識別するための識別子である。図5では、UUID(Universal Unique IDentifier)の識別子によって実現されている。なお、本実施形態では、LICENSED FUNCTION ID 403は、図3や図4のAppIDに相当する。また、“LICENSED DEVICE ID”404は、このライセンスファイルが対応する画像形成装置10を識別するための識別子である。図5では、UUIDの識別子によって実現されている。
【0040】
一方、時限ライセンスでは、ライセンスが有効である範囲が決められている。そのため、一度ライセンスを有効化しても、対応するアプリケーションやその部分的な機能をいつまでも利用できるわけではない。予めライセンスに定められた範囲を超えた場合、ライセンスは自動的に無効化される。自動的に無効化された時点で、対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用することはできなくなる。時限ライセンスに設定可能な、ライセンスが有効である範囲として、次のようなものがある。1つ目は、利用可能な期間や日数を示す情報である。2つ目は、カウンタによって計測される実行回数である。実行回数は、ライセンスに対応するアプリケーションの起動回数やその部分的な機能の利用回数である。また、アプリケーションの実行回数の代わりに、アプリケーションの実行によって画像形成装置10のプリンタ部102、リーダ部103、或いはファクシミリ部104が動作した回数をカウントしても良いものとする。
【0041】
図6は時限ライセンスの具体的な例を示す図である。時限ライセンス501は、“LICENSE ID”502、“LICENSED FUNCTION ID”503、“LICENSED DEVICE ID”504および“LICENSE RANGE”505の情報を持つ。
【0042】
“LICENSE ID”502、“LICENSED FUNCTION ID”503および“LICENSED DEVICE ID”504は、図5と同じ情報を示すので、その説明を省略する。“LICENSE RANGE”505は、ライセンスが有効である範囲を示す。“DATE”506はライセンスが有効な期間を表現している。図6の例では、「2008/07/01」から「2008/12/31」までの期間に限定して、ライセンスが有効となる。
【0043】
“COUNT”507は、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数を示している。図6の例では、“LICENSED FUNCTION ID”503で識別されるアプリケーションもしくは部分的な機能を1000回利用するまでに限定して、ライセンスが有効となる。また、図6の例では、これら複数の条件が論理演算式で組み合わされている。前述した“DATE”506と“COUNT”507が「&」という論理演算式で組み合わされている。これは、“DATE”506と“COUNT”507の条件を両方とも満たす間だけ、ライセンスが有効であることを表現している。
【0044】
ライセンス登録部206は、画像形成装置10のコントローラ部101内で動作するアプリケーションやその部分的な機能に対応するライセンスを登録する。ライセンスの登録は、LAN130で接続されたクライアントPC140から行われる。
【0045】
ライセンス削除部207はライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスを削除する。削除されたライセンスは、ライセンス登録部206で再登録しない限り、画像形成装置10内で利用することはできない。
【0046】
ライセンス有効化部208は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスのうち、無効化された状態のライセンスを有効化する。前述したように、ライセンスが有効化されると、ユーザは対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用可能になる。
【0047】
時限ライセンス監視部209は、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスが存在しないか否かを監視する。具体的な監視の方法は、時限ライセンスに設定された範囲によって異なる。本実施形態では、図6の例に合わせて、ライセンスが有効な期間と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数を監視するものとして説明する。
【0048】
ライセンスが有効な期間に対する監視は、画像形成装置10のコントローラ部101が持つ現在の日時との比較で行われる。図6の例では、「2008/07/01」から「2008/12/31」という期限を記憶しておき、現在の日時がその期限に含まれているか否かを監視し続ける。
【0049】
また、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数に対する監視は、実行回数のカウンタ値との比較で行われる。図6の例では、1000回という回数を記憶しておき、その回数を超えていないかを監視し続ける。なお、この時限ライセンス監視部209の詳細な処理の流れは、図9を用いて後に詳しく説明する。
【0050】
ライセンス無効化部210は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスのうち、有効化された状態の特定のライセンスを無効化する。前述したように、ライセンスが無効化されると、ユーザは対応する1つ以上のアプリケーションやその部分的な機能を利用不可能になる。
【0051】
無効ライセンス検知部211(無効検知手段)は、ライセンス無効化部210によってライセンスが無効化されたことを検知する。具体的に、無効ライセンス検知部211は、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスの状態を全て検査して検知する。全てのライセンスの状態は、無効ライセンス検知部211によって保持され、それらの状態の差分を判定して無効化されたライセンスを検知する。
【0052】
関連ショートカット探索部212(探索手段)は、無効化されたライセンスに関連するショートカットを探索する。無効化されたライセンスとは、無効ライセンス検知部211によって検知されたライセンスである。ここで、「無効化されたライセンスに関連する」とは、ライセンスが無効化されることで、ショートカットの実行ができなくなるか、もしくは実行結果が変わることを言う。したがって、探索されたショートカットは、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行ができなくなるものと、実行結果が変わるものとの2種類に分類される。探索は、ショートカット記憶部201によって記憶されたショートカットの中から行われる。
【0053】
例えば、“Send”のライセンスが無効化された場合、ショートカット302(図4参照)は関連ショートカットとして検出される。さらに、ライセンスが無効化されることで、ショートカットの実行ができなくなるものとして分類される。また、高圧縮PDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302は関連ショートカットとして検出される。さらに、ライセンスが無効化されることで実行結果が変わるものとして分類される。これに対し、サーチャブルPDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302は関連ショートカットとして検出されない。
【0054】
バックアップ部213は、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットを、通常利用するショートカットとは区別可能な状態で記憶する。記憶する場所は、補助記憶装置113の別のパーティションである。
【0055】
機能除外部214は、利用できなくなった機能をショートカットから除外する。ここで、「利用できなくなった機能」とは、無効ライセンス検知部211で検知したライセンスに関連する機能である。また、「除外する」とは、ショートカットの内容を変更し、無効化されたライセンスに対応する機能だけを取り除くことである。
【0056】
また、機能除外部214は、関連ショートカット探索部212によって探索されたショートカットの中で、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行結果が変わるものとして分類されたショートカットに対して処理を行う。
【0057】
例えば、高圧縮PDFのライセンスが無効化された場合、ショートカット302から高圧縮PDFのライセンスに関連する高圧縮PDFの設定が除外される。図7は高圧縮PDFの設定が除外された結果、得られるショートカットを示す図である。このショートカット601では、図4のショートカット302から「<高圧縮PDF>on</高圧縮PDF>」が削除されている。
【0058】
ショートカット削除部215は、実行できないショートカットを削除する。ここで、「実行できないショートカット」とは、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットの中で、ライセンスが無効化されることでショートカットの実行ができなくなるものとして分類されたショートカットである。また、「削除」とは、ショートカット記憶部201によって記憶されるショートカットの中から消すことや、ショートカットを実行できなくなるようにすることいった、ショートカットを無効にすること含む。つまり、ショートカット削除部215はショートカットを無効化する手段として機能する。削除されたショートカットには、今後アクセスすることができなくなる。
【0059】
有効ライセンス検知部216(有効検知手段)は、ライセンス有効化部208によってライセンスが有効化されたことを検知する。具体的に、ライセンス記憶部205によって記憶されたライセンスの状態を全てチェックして検知する。全てのライセンスの状態は、有効ライセンス検知部216によって保持され、それらの状態の差分を判定して有効化されたライセンスを検知する。
【0060】
実行可能ショートカット探索部217(第2探索手段)は、バックアップ部213によってバックアップされたショートカットの中から、実行可能なショートカットを探索する。例えば、高圧縮PDFのライセンスが無効化された状態では、図4のショートカット302は探索されない。しかし、高圧縮PDFのライセンスが有効化され、全ての機能を利用できる状態では、ショートカット302は探索される。
【0061】
レストア部218は、実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットを、ショートカット記憶部201によって記憶される状態に戻す。実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットは、バックアップ部213によってショートカット記憶部201とは区別可能な状態で記憶されている。バックアップ部213によって記憶されたショートカットは、レストア部218によって、ショートカット記憶部201によって記憶される状態になる。従って、ショートカット表示部204による表示およびショートカット実行指示部203による実行が可能な状態となる。
【0062】
ショートカット実行部219は、ショートカット実行指示部203の実行指示を受けて、実際にショートカットを実行する。
【0063】
これまで説明したソフトウェアの各部は、それぞれポータルアプリケーション220、ライセンス管理システム221および登録アプリケーション222に備えられる。すなわち、ポータルアプリケーション220は、ショートカット記憶部201、ショートカット登録部202、ショートカット実行指示部203、ショートカット表示部204、関連ショートカット探索部212およびバックアップ部213を備える。さらに、ポータルアプリケーション220は、機能除外部214、ショートカット削除部215、実行可能ショートカット探索部217およびレストア部218を備える。また、ライセンス管理システム221は、ライセンス記憶部205、ライセンス登録部206、ライセンス削除部207およびライセンス有効化部208を備える。さらに、ライセンス管理システム221は、時限ライセンス監視部209、ライセンス無効化部210、無効ライセンス検知部211および有効ライセンス検知部216を備える。また、登録アプリケーション222(222−1、…、222−N)は、ショートカット実行部219(219−1、…、219−N)を備える。
【0064】
図8はライセンスが無効化される場合の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、この処理プログラムは、コントローラ部101内の不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、コントローラ部101内のCPU110によって実行される。ここで、前提条件として、ライセンスが有効なアプリケーションが1つ以上存在し、そのライセンスはライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0065】
コントローラ部101は、ライセンス無効化部210によってアプリケーションのライセンスを無効化する(ステップS1)。このライセンスの無効化に際し、ユーザはディスプレイ114の表示内容に従って入力装置115からユーザが選択したアプリケーションのライセンスの無効化指示を行う。入力装置115は、ユーザからライセンスの無効化指示を受け付けると、その受け付けた旨をライセンス無効化部210に送信する。コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、その旨を受け付けると、ライセンス記憶部205に記憶された当該アプリケーションに関するライセンスを無効化する。あるいは、時限ライセンスの有効期間が満了し、ライセンス無効化部210が時限ライセンスを無効化する。
【0066】
コントローラ部101は、無効ライセンス検知部211により、ライセンスの無効化を検知する(ステップS2)。こうして無効化されたライセンスが検知される。
【0067】
コントローラ部101は、関連ショートカット探索部212により、ライセンスが無効化されたアプリケーションに関連するショートカットを探索する(ステップS3)。具体的には、図5のライセンスリストを参照してライセンスが無効化されたアプリケーションのAppIDを特定する。そして、図3のショートカットリストを参照して特定されたAppIDが記述されたActIDを特定する。これにより、無効化されたライセンスに関連するショートカットが探索される。
【0068】
コントローラ部101は、バックアップ部213により、ステップS3の探索結果として、ショートカットが検出されたか否かを判定する(ステップS4)。ショートカットが1つも検出されなかった場合、コントローラ部101は本処理を終了する。
【0069】
一方、ショートカットが1つ以上検出されている場合、コントローラ部101は、バックアップ部213により、ステップS3で探索されたショートカットをバックアップする(ステップS5)。
【0070】
コントローラ部101は、機能除外部214により、ステップS3で検出されたショートカットから、ステップS1で無効化されたライセンスに関連するアプリケーションやアプリケーション内の部分的な機能を除外した場合、ショートカットが実行可能であるか否かを判定する(ステップS6)。ショートカットが実行可能である場合、コントローラ部101は、機能除外部214により、ショートカットから、ステップS1で無効化されたライセンスに関連するアプリケーションやその部分的な機能を除外する(ステップS7)。ショートカットが実行可能である場合とは、前述の「無効化されたことでショートカットの実行結果が変わる」に分類される場合のことを指す。一方、ショートカットが実行不可能である場合、コントローラ部101は、ショートカット削除部215により、ショートカットを削除する(ステップ8)。ショートカットが実行不可能である場合とは、前述の「ショートカットの実行が出来なくなる」に分類される場合のことを指す。
【0071】
ステップS7、S8の処理後、コントローラ部101は、機能除外部214により、ステップS3で探索された全てのショートカットに対し、ステップS6以降の処理が行われたか否かを判定する(ステップS9)。全てのショートカットに対して処理が行われている場合、コントローラ部101はライセンスが無効化された場合の本処理を終了する。一方、全てのショートカットに対して処理が行われていない場合、コントローラ部101は、ステップS6の処理に戻る。
【0072】
図9は時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する場合の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、この処理プログラムは、コントローラ部101内の不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、コントローラ部101内のCPU110によって実行される。なお、後述するように、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知した後の処理は、図8の処理と同様である。ここで、前提条件として、有効化された時限ライセンスが1つ以上存在し、ライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0073】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ライセンス記憶部205によって記憶されている時限ライセンスの情報を全て取得し、リストにする(ステップS11)。以後、このリストを時限ライセンスリストと呼称する。
【0074】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了したか否かを判定する(ステップS12)。ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了しているか、あるいはステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に進む。
【0075】
一方、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、時限ライセンスが有効な期間についての検査が全て完了していない場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。すなわち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスリストの中の検査が完了していない時限ライセンスについて検査を行い、その期限が過ぎているか否かを判別する(ステップS13)。
【0076】
この検査の内容は、時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれるか否かである。時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれる場合、コントローラ部101はステップS12の処理に戻る。
【0077】
一方、上記ライセンスが有効な期間の範囲に現在の日時が含まれない場合、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められたライセンスが有効な期間の条件を満たさないことを一時的に記憶する(ステップS14)。
【0078】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められた条件を満たしているか否かを判定する(ステップS15)。この判定では、時限ライセンスに定められた全ての条件が論理演算子も含めて判定される。図6の例で説明すると、コントローラ部101は、ライセンスが有効な期間の条件と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との条件を、2つとも満たしているか否かを判定する。
【0079】
判定の結果、時限ライセンスに定められた条件を満たしている場合、コントローラ部101はステップS12の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められた条件を満たさない場合、コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、時限ライセンスを無効化する(ステップS16)。このステップS16の処理は図8のフローチャートで説明したとおりである。
【0080】
一方、ステップS12でライセンスが有効な期間についての検査が全て完了しているか、あるいはステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査を全て完了したか否かを判定する(ステップS17)。
【0081】
実行回数についての検査を全て完了している場合、コントローラ部101は本処理を終了する。このような場合として、次の2つが挙げられる。1つは、ステップS11で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査が終了している場合である。もう1つは、ステップS11で取得した時限ライセンスリストが空である場合である。
【0082】
一方、ステップS17で取得した時限ライセンスリストに対し、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数についての検査が全て完了していない場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。即ち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスリストの中の検査が完了していない時限ライセンスについて検査を行い、その結果、時限ライセンスの上限値がカウンタより小さいか否かを判別する(ステップS18)。この検査の内容は、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過していないか否かである。
【0083】
時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過していない場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の上限値を、実行回数のカウンタ値が超過している場合、コントローラ部101は、つぎのような処理を行う。即ち、コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められたライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数の条件を満たさないことを一時的に記憶する(ステップS19)。
【0084】
コントローラ部101は、時限ライセンス監視部209により、時限ライセンスに定められた条件を満たしているか否かを判定する(ステップS20)。この判定では、時限ライセンスに定められた全ての条件が論理演算子も含めて判定される。図6の例で説明すると、コントローラ部101は、ライセンスが有効な期間の条件と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との条件を2つとも満たしているかを判定する。
【0085】
判定の結果、時限ライセンスに定められた条件を満たしている場合、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。一方、時限ライセンスに定められた条件を満たさない場合、コントローラ部101は、ライセンス無効化部210により、時限ライセンスを無効化する(ステップS21)。このステップ処理では、時限ライセンスに予め定められた範囲を超えたライセンスを検知し、無効化する処理が行われる。このステップS21の処理は図8のフローチャートで説明したとおりである。この後、コントローラ部101は、ステップS17の処理に戻る。
【0086】
図8、図9のフローチャートを実行することで、画像形成装置はライセンスが無効化されたアプリケーションの実行指示を受け付けないようにすることが出来る。また、ライセンスが無効になり、アプリケーションの一部の機能が利用できなくなったことによってショートカットが実行可能か否かを判定した上でショートカットを削除するようにした。これにより実行可能なショートカットを不必要に削除することを防止することが出来る。
【0087】
図10はライセンスが有効化された場合の処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、不揮発性メモリ111、揮発性メモリ112および補助記憶装置113のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU110により実行される。ここで、前提条件として、無効化された時限ライセンスが1つ以上存在し、ライセンス記憶部205によって記憶されている。
【0088】
コントローラ部101は、有効ライセンス検知部216により、ライセンスの有効化を検知する(ステップS51)。コントローラ部101は、実行可能ショートカット探索部217により、バックアップ部213によってバックアップされたショートカットの中から、実行可能なショートカットを探索する(ステップS52)。
【0089】
コントローラ部101は、レストア部218により、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットが1件以上あるか否かを判定する(ステップS53)。この探索の結果、得られたショートカットが1件も無かった場合、コントローラ部101は、本処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットが1件以上ある場合、コントローラ部101は、レストア部218により、ステップS52の探索の結果、得られたショートカットのレストア(再登録)を行う(ステップS54)。すなわち、バックアップされたショートカットを元の記憶位置に再び記憶する。このステップ処理で、コントローラ部101は、ライセンスが有効化された場合に関する処理を終了する。
【0091】
図10のフローチャートを実行することで、ライセンスが無効化したことによってバックアップ領域に移されたショートカットが、ライセンスが有効化したことによって再び利用可能になる。
【0092】
つぎに、図11から図13を用いて、操作部118のディスプレイ114に表示されるポータルアプリケーションの操作画面の表示例を示す。図11は全てのショートカットが実行可能な状態にある場合のポータルアプリケーションの操作画面を示す図である。ディスプレイ114には、ポータルアプリケーション220の操作画面全体を指す画面1101が表示される。画面1101には、各種のボタンが設定されている。
【0093】
ボタン1102は、画像形成装置10を利用するユーザが登録したショートカットだけを表示するためのボタンである。ボタン1103は、画像形成装置10を利用する全てのユーザが共通に利用できるショートカットを表示するためのボタンである。
【0094】
ボタン1104〜ボタン1118は、それぞれのボタンに関連付けられたショートカットの実行指示を行うためのボタンである。ボタン1119は、登録されたショートカットの削除指示を行うためのボタンである。ボタン1120は、登録されたショートカットの編集指示を行うためのボタンである。
【0095】
図12は基本機能の一つである「Send」アプリケーションのライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。図8のフローチャートのステップS8の処理を実行することによって、利用できなくなったボタン1106、1107、1109、1111、1112、1114〜1117のボタンは自動的に削除される。そして、未登録の状態にあるボタン1301〜1309がグレー表示で表示される。ボタン1301〜1309の表示領域には何も表示しないようにしてもよい。
【0096】
図13は画像形成装置10の部分機能の一つである「高圧縮PDF」機能のライセンスが無効化された状況にある場合のポータルアプリケーションの操作画面の例を示す図である。この画面には、ボタン1501とボタン1502は、図11のボタン1106とボタン1115からそれぞれ高圧縮PDFの機能が除外されたショートカットに関連付けられている。また、そのことを示すために、ボタン1501、1502には、三角形のアイコンが付与されている。この、三角形のアイコンを付与されたボタンによって、ショートカットの機能の一部が使えなくなったことをユーザに通知することが可能になる。この三角形のアイコンが付与されたボタンが押下された場合には、そのボタンに対応付けられたショートカットで設定された画像処理を実行する前に、使えなくなった部分機能がどういう機能であるかを示す画面を表示するようにしても良い。その画面でユーザは使えなくなった部分機能が何であるのかを把握することができる。そして、その上で当該ショートカットを実行する/しないを指示できるようにしても良い。
【0097】
このように、第1の実施形態の画像形成装置によれば、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。すなわち、ライセンスが無効化されて対応するアプリケーションやその一部の機能を利用することができなくなった場合、直ぐにショートカットを自動的に削除することができる。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。また、ライセンスが有効化された場合、以前利用していたショートカットを自動的に生成することが可能である。これにより、ショートカットに登録した登録アプリケーションの処理の設定値を再設定する必要がなく、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。また、登録アプリケーションが利用する一部の機能が利用できない場合、登録アプリケーションが利用する一部の機能を除外してショートカット自動的に生成することが可能である。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【0098】
また、ショートカットが利用する一部の機能が利用できなくてもショートカットが実行可能である場合、このショートカットを削除しない。これにより、ポータルアプリケーションの使い勝手を良くすることができる。
【0099】
また、ライセンスの登録および削除を簡単に行うことができる。また、ショートカットの登録を簡単に行うことができる。また、ライセンスの無効化を簡単に行うことができる。また、ライセンスが有効な範囲を超えた場合、即座にライセンスを無効化することができる。また、ライセンスの有効化を簡単に行うことができる。
【0100】
また、ポータルアプリケーションの画面に、ショートカットに対応するボタンを配置するので、ショートカットを実行する際の操作性を高めることができる。
【0101】
なお、上記実施の形態の中で説明したソフトウェアからなる各部は、それぞれ別の構成によって実現することも可能である。具体的に、上記実施の形態におけるライセンスは、前述した情報以外の情報を持っていてもよい。例えば、ライセンスは、対象とするユーザの識別子の情報を持っていてもよい。その場合、ライセンスが対象とするユーザ以外のユーザは、ライセンスを利用することができない。また、ライセンスは、ライセンスの状態を表す情報を持っていてもよい。逆に、前述した情報(図5参照)の中で、“LICENSED DEVICE ID”404は無くてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態における時限ライセンスは、ライセンスが有効な範囲として、ライセンスが有効な期間と、ライセンスが対応するアプリケーションやその部分的な機能の実行回数との2つを用いた。しかし、ライセンスが有効な範囲として、他の指定があってもよい。例えば、原稿を読み込む面数や印刷する面数、ジョブ数など、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能固有の情報であってもよい。あるいは、データサイズを示す値であってもよい。例えば、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能が処理するデータのサイズやパケットのサイズを示す情報であってもよい。あるいは、同時に利用するユーザ数であってもよい。例えば、フローティングライセンスのように同時に利用するユーザ数を制限する構成であってもよい。ただし、同時に利用するユーザ数はリアルタイムに変更されるので、その度に、バックアップ部213とレストア部218によってショートカットを管理(メンテナンス)する構成でなくてもよい。なお、ここで説明した構成に変更する場合、それに呼応して時限ライセンス監視部209の処理も変更する必要がある。この時限ライセンス監視部209の動作については、後述する。
【0103】
また、上記実施の形態における時限ライセンスは、ライセンスが有効な範囲として、複数の条件を論理演算式で組み合わせ可能としていた。図6の例では、”&”のみを説明したが、一般的に利用される他の論理演算子を利用してもよい。例えば、”|”を利用し、条件同士の論理和(or)で判断する構成であってもよい。あるいは、”^”を利用し、条件の否定で判断する構成であってもよい。
【0104】
また、上記実施の形態におけるショートカット記憶部201は、ショートカットを補助記憶装置113にファイルとして保存する。しかし、保存する場所や形態は別の構成であってもよい。例えば、ショートカットをデータベースに保存してもよい。あるいは、ネットワーク通信装置116を介してLAN130上の別の情報処理装置が持つ記憶媒体に保存する構成であってもよい。あるいは、XMLファイルではなく、CSVファイル、バイナリファイルとして保存してもよい。
【0105】
また、ショートカットで保持される情報は、ショートカット302の通りでなくてもよい。例えば、動作設定がなく、アプリケーションが起動するだけでもよい。また、動作させるアプリケーションは複数でなくてもよい。また、同じアプリケーションを繰り返し動作させてもよい。また、ショートカットの属性として、説明の文字列などを含んでいてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、ショートカットリスト301とショートカット302を両方ともショートカット記憶部201で記憶する構成を説明したが、この構成に限らなくてもよい。例えば、ショートカットリスト301をショートカット記憶部201で記憶し、ショートカット302は、登録アプリケーション222に備わる別の記憶部によって記憶する構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、ショートカット登録部202は、画像形成装置10のコントローラ部(情報処理装置)101上でショートカットを作成し、ショートカット記憶部201に登録する。しかし、ショートカットを別の場所で作成してもよい。例えば、別の情報処理装置上でショートカットを作成し、それを外部から画像形成装置10の情報処理装置101に入力する構成であってもよい。
【0108】
また、上記実施の形態のライセンス登録部206は、必須の構成ではない。例えば、全てのライセンス情報を予め無効な状態でライセンス記憶部205に記憶させておく構成でもよい。この場合、ライセンス削除部207も同様に必須の構成ではない。
【0109】
また、上記実施の形態のライセンス有効化部208は、必須の構成ではない。例えば、ライセンス登録部206で登録された時点で、ライセンスが強制的に有効化される構成であってもよい。この場合、ライセンスが状態を持つ必要が無く、ライセンス記憶部205にライセンスが記憶されている状態である場合、ライセンスに対応するアプリケーションやその機能の一部を利用することが可能となる。同様に、ライセンス無効化部210は必須の構成ではない。
【0110】
また、上記実施の形態の時限ライセンス監視部209は、時限ライセンスに設定されるライセンスが有効な範囲の情報に応じて、処理内容を変更する必要がある。ここでは、時限ライセンスの構成に対応する時限ライセンス監視部209の動作について説明する。
【0111】
まず、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能固有の情報に対する監視について説明する。登録アプリケーションは、特定のカウンタ値を自ら管理し、必要に応じてカウントアップあるいはカウントダウンを行う。時限ライセンスには、そのカウンタ値の識別情報と上限値が記載される。時限ライセンス監視部209は、カウンタ値の識別情報からカウンタを参照し、そのカウント値を上限値と比較することで監視を行う。
【0112】
つぎに、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能が処理するデータのサイズやパケットのサイズに対する監視について説明する。登録アプリケーションは、データのサイズやパケットのサイズを計測する手段を新たに設け、その計測値を特定のカウンタに設定する。時限ライセンスには、そのカウンタ値の識別情報と上限値が記載される。時限ライセンス監視部209は、カウンタ値の識別情報からカウンタを参照し、そのカウンタ値を上限値と比較することで監視を行う。
【0113】
つぎに、ライセンスに対応するアプリケーションやその部分的な機能を同時に利用するユーザ数に対する監視について説明する。前述したように、同時に利用するユーザ数はリアルタイムに変更されるので、その度に、バックアップ部213とレストア部218によってショートカットを管理(メンテナンス)する構成でなくてもよい。その場合、同時に利用するユーザ数による制限の場合のみ、時限ライセンス監視部209によって検知しない制御が行われる。
【0114】
また、上記実施の形態のバックアップ部213は、関連ショートカット探索部212で探索されたショートカットを、通常利用するショートカットとは区別可能な状態で記憶する。ここで、「区分可能な状態」とは、補助記憶装置113の別のパーティションであると説明したが、他の区分の仕方であってもよい。例えば、同じパーティション内の別ディレクトリであってもよい。あるいは、同じパーティション内でバックアップされたショートカットであることを示すフラグを持つ構成であってもよい。あるいは、別の記憶装置を備える構成であってもよい。あるいは、LAN130上の別の情報処理装置が備える記憶媒体であってもよい。
【0115】
また、上記実施の形態の機能除外部214は、利用できなくなった機能をショートカットから除外するが、更にユーザビリティを高める構成であってもよい。例えば、機能除外部214によって除外された機能が分かる説明を、ショートカットの説明としてディスプレイ114上に表示する構成であってもよい。あるいは、機能除外部214によって機能が除外されたことを示すために、ショートカットの名前に特定のマークをつける構成であってもよい。
【0116】
また、上記実施の形態の機能除外部214は、必須の構成ではない。機能除外部214を持たない構成においては、関連ショートカット探索部212によって探索されたショートカットは、全てショートカット削除部215で削除される。
【0117】
また、上記実施の形態のレストア部218は、実行可能ショートカット探索部217によって探索されたショートカットを、ショートカット記憶部201によって記憶される状態に戻す。その際、特別な判断を行い、本当に必要なショートカットだけが再登録(レストア)される構成であってもよい。例えば、再登録(レストア)すると、同じ処理内容のショートカットが複数存在してしまう場合、事前に検知してレストア対象から除外する構成であってもよい。これにより、同じ処理内容の複数のショートカットが生成されてしまうことを回避することができる。
【0118】
また、機能除外部214によって利用できなくなった機能をショートカットから除外されたショートカットが残っていた場合、レストア時に自動的に削除する構成であってもよい。この場合、ショートカットを一意に識別するための識別子をショートカットに持たせる必要がある。これにより、同じ処理内容の複数のショートカットが生成されてしまうことを回避することができる。
【0119】
更に、機能除外部214によって利用できなくなった機能をショートカットから除外されたショートカットが残っていても、利用頻度が所定の頻度より高く利用されている場合、自動的に削除しない構成であってもよい。この場合、ショートカットの利用頻度を判別するためのプロファイル部が必要となる。これにより、利用頻度の高いショートカットを削除することなく、操作性を高めることができる。
【0120】
このように、上記実施形態の各部のソフトウェアについては、全てが必須というわけではない。図14は最小限必要な各種のソフトウェア構成を示す図である。図2と比較すると、ライセンス登録部206、ライセンス削除部207、ショートカット登録部202等が省かれた構成となっている。
【0121】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0122】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置に適用された場合を示したが、これに限らず、本発明は種々の電子機器に適用可能である。
【0123】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、画像形成装置としては、印刷装置の他、印刷機能を有するファクシミリ装置、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等を有する複合機(MFP)であってもよいことは勿論である。
【0124】
また、本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0125】
10 画像形成装置
101 コントローラ部
201 ショートカット記憶部
202 ショートカット登録部
211 無効ライセンス検知部
213 パックアップ部
214 機能除外部
215 ショートカット削除部
216 有効ライセンス検知部
218 レストア部
220 ポータルアプリケーション
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置において、
前記ショートカットが登録された記憶手段と、
前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知手段と、
前記無効検知手段によって無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索されたショートカットを無効にする無効化手段とを備えたことを特徴とするショートカット管理装置。
【請求項2】
更に、前記探索手段によって探索されたショートカットを、前記記憶手段に登録された実行可能なショートカットと区別した状態で記憶するバックアップ手段と、
前記ライセンスが有効になったことを検知する有効検知手段と、
前記有効検知手段によって有効になったことが検知されたライセンスに関連して実行可能になるショートカットを、前記バックアップ手段によって記憶されたショートカットの中から探索する第2探索手段と、
前記第2探索手段によって探索されたショートカットを前記記憶手段に再登録する再登録手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のショートカット管理装置。
【請求項3】
前記探索手段によって探索されたショートカットによって利用される機能から、無効になったライセンスに関連する機能を除外する機能除外手段を備え、
前記無効化手段は、前記機能除外手段によって機能が除外されたことによって、前記探索手段によって探索されたショートカットが実行できなくなる場合、当該ショートカットを無効にすることを特徴とする請求項1または2記載のショートカット管理装置。
【請求項4】
前記機能除外手段によって機能が除外されても前記探索手段によって探索されたショートカットが実行可能である場合、前記無効化手段は当該ショートカットを無効にしないことを特徴とする請求項3記載のショートカット管理装置。
【請求項5】
更に、前記ライセンスを無効にするライセンス無効化手段と、
前記ライセンスが有効な範囲を超えているか否かを監視する監視手段とを備え、
前記ライセンス無効化手段は、前記ライセンスが有効な範囲を超えた場合、当該ライセンスを無効にすることを特徴とする請求項1記載のショートカット管理装置。
【請求項6】
前記記憶手段に登録されたショートカットに対応するボタンを画面に表示する表示手段と、
前記画面に表示されたボタンに対応するショートカットの実行を指示する実行指示手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のショートカット管理装置。
【請求項7】
前記再登録手段は、前記再登録される対象のショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外することを特徴とする請求項2記載のショートカット管理装置。
【請求項8】
前記探索手段によって探索されたショートカットによって利用される機能から、無効になったライセンスに関連する機能を除外する機能除外手段を備え、
前記再登録手段は、前記再登録される対象であって、前記機能除外手段によって機能が除外されたショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外することを特徴とする請求項2記載のショートカット管理装置。
【請求項9】
前記再登録手段は、前記再登録される対象であって、前記機能除外手段によって機能が除外されたショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合であっても、利用頻度が所定の頻度より高い場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外しないことを特徴とする請求項8記載のショートカット管理装置。
【請求項10】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理する電子機器のショートカット管理方法において、
前記電子機器が、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知ステップと、
前記電子機器が、前記無効検知ステップで無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索ステップと、
前記電子機器が、前記探索ステップで探索されたショートカットを無効にする無効化ステップとを有することを特徴とするショートカット管理方法。
【請求項11】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理する電子機器のショートカット管理方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記ショートカット管理方法は、
前記電子機器が、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知ステップと、
前記電子機器が、前記無効検知ステップで無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索ステップと、
前記電子機器が、前記探索ステップで探索されたショートカットを無効にする無効化ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理するショートカット管理装置において、
前記ショートカットが登録された記憶手段と、
前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知手段と、
前記無効検知手段によって無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索されたショートカットを無効にする無効化手段とを備えたことを特徴とするショートカット管理装置。
【請求項2】
更に、前記探索手段によって探索されたショートカットを、前記記憶手段に登録された実行可能なショートカットと区別した状態で記憶するバックアップ手段と、
前記ライセンスが有効になったことを検知する有効検知手段と、
前記有効検知手段によって有効になったことが検知されたライセンスに関連して実行可能になるショートカットを、前記バックアップ手段によって記憶されたショートカットの中から探索する第2探索手段と、
前記第2探索手段によって探索されたショートカットを前記記憶手段に再登録する再登録手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のショートカット管理装置。
【請求項3】
前記探索手段によって探索されたショートカットによって利用される機能から、無効になったライセンスに関連する機能を除外する機能除外手段を備え、
前記無効化手段は、前記機能除外手段によって機能が除外されたことによって、前記探索手段によって探索されたショートカットが実行できなくなる場合、当該ショートカットを無効にすることを特徴とする請求項1または2記載のショートカット管理装置。
【請求項4】
前記機能除外手段によって機能が除外されても前記探索手段によって探索されたショートカットが実行可能である場合、前記無効化手段は当該ショートカットを無効にしないことを特徴とする請求項3記載のショートカット管理装置。
【請求項5】
更に、前記ライセンスを無効にするライセンス無効化手段と、
前記ライセンスが有効な範囲を超えているか否かを監視する監視手段とを備え、
前記ライセンス無効化手段は、前記ライセンスが有効な範囲を超えた場合、当該ライセンスを無効にすることを特徴とする請求項1記載のショートカット管理装置。
【請求項6】
前記記憶手段に登録されたショートカットに対応するボタンを画面に表示する表示手段と、
前記画面に表示されたボタンに対応するショートカットの実行を指示する実行指示手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のショートカット管理装置。
【請求項7】
前記再登録手段は、前記再登録される対象のショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外することを特徴とする請求項2記載のショートカット管理装置。
【請求項8】
前記探索手段によって探索されたショートカットによって利用される機能から、無効になったライセンスに関連する機能を除外する機能除外手段を備え、
前記再登録手段は、前記再登録される対象であって、前記機能除外手段によって機能が除外されたショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外することを特徴とする請求項2記載のショートカット管理装置。
【請求項9】
前記再登録手段は、前記再登録される対象であって、前記機能除外手段によって機能が除外されたショートカットが前記記憶手段に既に登録されていることが検知された場合であっても、利用頻度が所定の頻度より高い場合、当該ショートカットを前記再登録される対象から除外しないことを特徴とする請求項8記載のショートカット管理装置。
【請求項10】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理する電子機器のショートカット管理方法において、
前記電子機器が、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知ステップと、
前記電子機器が、前記無効検知ステップで無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索ステップと、
前記電子機器が、前記探索ステップで探索されたショートカットを無効にする無効化ステップとを有することを特徴とするショートカット管理方法。
【請求項11】
電子機器の機能を利用するショートカットが実行可能であり、前記ショートカットによって利用される機能の少なくとも一部をライセンスで管理する電子機器のショートカット管理方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記ショートカット管理方法は、
前記電子機器が、前記ライセンスが無効になったことを検知する無効検知ステップと、
前記電子機器が、前記無効検知ステップで無効になったことが検知されたライセンスに関連して実行できなくなるショートカットを探索する探索ステップと、
前記電子機器が、前記探索ステップで探索されたショートカットを無効にする無効化ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−191687(P2010−191687A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35401(P2009−35401)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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