説明

シラン官能性接着組成物及びプライマー無しの基体への窓の接着方法

【課題】下塗り(プライマー)を施すことなく、基体へのガラスの接着を可能にする接着組成物の提供。
【解決手段】シラン官能性接着組成物及び塗装された基体用のプライマーを必要としないで、この接着剤を使用する塗装された基体への窓の接着方法に関し、一つの態様に於いて、本発明は、車両内の窓のような、塗装された基体へのガラスの接着方法であり、この方法は、ガラス又は下塗りしていない塗装された基体に、本明細書に記載したような接着剤を適用すること、ガラスを下塗りしていない塗装された基体と接触させること(ここで、接着剤は、窓と基体との間に配置されている)及び接着剤を硬化させることから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラン官能性接着組成物及び塗装された基体(painted substrate)用のプライマーを必要としない、この接着剤を使用する塗装された基体への窓の接着(又は接合)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンシーラント組成物が、ガラスのような非孔質基体を非孔質基体に接着するために使用されており、これは、特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1には、2個のシラン基を含有する第二級アミン化合物と更に反応させたウレタンプレポリマーを含有するポリウレタンシーラントが記載されている。特許文献2には、少なくとも3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを、当量よりも少ない、イソシアネート基と反応性である活性水素原子を含む末端基を有するアルコキシシランと反応させて、少なくとも2個の未反応イソシアネート基を有するイソシアナトシランを形成することによって製造された、シラン基を含有するウレタンプレポリマーを含有するポリウレタンシーラントが記載されている。第二工程に於いて、このイソシアナトシランは、追加のポリイソシアネートと混合され、この混合物がポリオールと反応して、末端イソシアナト基及び側鎖アルコキシシラン基を有するポリウレタンプレポリマーを形成する。特許文献3には、ガラスを金属に接着するための、架橋基を有しないポリオキシアルキレンポリマーとブレンドされた、それに接着された加水分解性基を有するシランで末端停止されたポリオキシアルキレンポリマーの使用が開示されている。
【0003】
しかしながら、このようなシーラントを、車両製造に於ける窓取り付けのような、ガラス基体を塗装された基体に接着するために使用するとき、接着された基体の重ね剪断強度(lap shear strength)は、安全又は構造的目的のために望ましいものよりも小さいであろう。その結果、1種又はそれ以上のシランの溶液からなる別の塗料プライマーが、典型的に、前面ガラス及び後方窓を接着するための殆どの車両組み立て作業に於けるシーラントの適用の前に、塗装された基体に適用される。組み立て作業に於けるプライマーの使用は、それが、余分の工程、追加のコスト、望まない場所に滴り落ちた場合に塗料表面を台無しにする危険性及び組み立てライン作業員の追加の化学薬品への露出を誘導する点で望ましくない。
【0004】
特許文献4には、電着塗装(electrocoat)表面を下塗りする必要なしに、電着塗装プライマー層に接着することができる接着剤が開示されている。この接着剤は、塗装工程の前に、ガラス窓が車両の中に接着される領域をマスキングし、塗装後にこのマスキングを除去し、次いでガラスを予めマスクした領域に接着することを必要とする方法に於いて使用される。この接着剤は、シランキャッピングしたポリウレタンポリマー及びアミノシラン電着塗装接着促進剤からなる。この記載された組成物には、更に、スズ触媒を含む標準的シラノール硬化触媒及びチタン酸エステル、好ましくはアミン置換チタン酸エステルの促進剤が含まれている。この工程での問題点は、シーラントが、プライマー無しには塗装された表面に接着せず、接着領域をマスキングする際に余分の工程を必要とすることである。
【0005】
自動車OEMは、塗料メーカーが、過酷な環境条件に対して耐久性がある、一層強い耐酸性塗装システムを提供することを要求している。これらの塗装システムは、塗料の増加した耐薬品性のために、接着することが困難である。自動車でこれらの塗装システムに接着する接着剤を開発することに伴う一つの問題点は、幾つかの異なった塗料化学的性質が存在することである。自動車メーカーは、また、急速に硬化して、ガラスが落ちたり又は所望の位置から滑ること無しに、自動車を動かすことができるような、ガラスを車両の中に接着するための接着剤を要求している。更に、接着剤が適用の前に安定性を示すこと、即ち、ガラスを車両の中に接着するために適用する前に硬化しないことが重要である。接着剤が、自動プラント内の付与システム内で硬化すると、接着剤付与システムをパージする間、組み立て時間を操業停止しなくてはならない。このような操業停止は、自動車会社にとって非常にコストがかかり、回避しなくてはならない。上記の必要条件に加えて、このような接着剤は、環境条件に露出した際に急速な硬化を示し、そして適用の前に良好な安定性を示すことが必要である。更に、この接着剤は、下塗りされていない塗装された表面にできるだけ早く接着又は接合して、窓が所定の位置から移動するリスクが減少するようにする必要がある。過去10年以上、自動車及び接着剤は、その一体性を維持し、種々の困難な条件下で車両の寿命のために窓を車両の中に保持する必要がある。それで、必要なものは、プライマーを使用する必要なく、ガラスを車両の中に接着するために、自動車塗料、特に接着することが困難な塗料に適用できる接着剤であり、また、強い接着、接着強度、急速硬化、速い接合、良好な安定性及び長期間耐久性を示す接着剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,374,237号明細書
【特許文献2】米国特許第4,687,533号明細書
【特許文献3】欧州特許第856,569号明細書
【特許文献4】米国特許第5,147,927号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、A)可撓性主鎖及びシラノール縮合が可能なシラン部分(moiety)を有する1種又はそれ以上のポリマー、B)ヒドロカルビルリン酸エステル及び/又はヒドロカルビルスルホン酸エステルを含む1種又はそれ以上の配位子を有する、1種又はそれ以上のチタン酸エステル又はジルコン酸エステル並びにC)前記ポリマーと混和性であり、プライマーの不存在下で被覆された基体への接着剤の接着を増強する無水強有機酸からなる、接着組成物である。
【0008】
一つの態様に於いて、本発明は、車両中の窓のような、塗装された基体へのガラスの接着方法である。この方法は、ガラス又は下塗りしていない被覆された基体に、本明細書に記載したような接着剤を適用すること、ガラスを下塗りしていない被覆された基体と接触させること(ここで、接着剤は、窓と基体との間に配置されている)及び接着剤を硬化させることからなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の接着剤及び方法は、ガラスが接着される基体の表面を下塗りする必要なしに、被覆された基体へのガラスの接着を可能にする。これは、自動車の中に窓を接着するために特に有用である。この接着剤は、更に、優れた接着及び凝集強度、適用する前の優れた安定性、迅速な硬化速度、迅速な接着及び長期間の耐久性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の接着組成物には、可撓性の主鎖を有しそしてシラノール縮合が可能なシラン部分を有するポリマーが含まれる。可撓性主鎖を有するポリマーは、シラノール縮合が可能なシランで官能化することができる可撓性主鎖を有する任意のポリマーであってよい。好ましいポリマー主鎖の中には、ポリエーテル、ポリウレタン及びポリオレフィンがある。更に好ましいポリマー主鎖の中には、ポリエーテル及びポリウレタンがあり、最も好ましいものはポリエーテルである。なお更に好ましくは、このポリマーは、シラノール縮合が可能なシラン部分を有するポリエーテルである。一つの態様に於いて、本発明で有用であるポリマーは、Yukimoto等の米国特許第4,906,707号明細書、Iwakiri等の米国特許第5,342,914号明細書、Yukimoto等の米国特許第5,063,270号明細書、Yukimoto等の米国特許第5,011,900号明細書、Suzuki等の米国特許第5,650,467号明細書に開示されているようなポリマーである。更に好ましくは、このようなポリマーは、分子当たり少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレンポリマーである。本発明に於いて使用することができるオキシアルキレンポリマーには、式(1):
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、Rは、炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3の二価のアルキレン基を表し、そしてnは、繰り返し部分の数を表す)
によって表される分子鎖を有するポリマーが含まれる。このオキシアルキレンポリマーは、直鎖若しくは分枝鎖構造又はこれらの混合構造を有していてよい。入手性の観点から、式(2):
【0013】
【化2】

【0014】
によって表される繰り返し部分を有するオキシアルキレンポリマーが好ましい。このポリマーには、他のモノマー部分が含まれていてよいが、このポリマーは、好ましくは、少なくとも50重量%、特に80重量%以上の比率で、式(1)のモノマー部分を含む。1,000以上の数平均分子量(Mn)を有するオキシアルキレンポリマーが好ましい。2,000〜50,000のMnを有するものが、なお一層好ましく、2,000〜30,000のMnを有するものが最も好ましい。
【0015】
用語「反応性ケイ素基」又は「シラノール縮合が可能な反応性シラン」は、加水分解性基又はヒドロキシル基がケイ素原子に接着しており、シラノール縮合反応により架橋可能であるケイ素含有基を意味する。これらに限定されないが、典型的な反応性ケイ素基は、式(3):
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、R1及びR2は、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は(R’)3SiO−(式中、同じか又は異なっていてよい3個のR’基のそれぞれは、炭素数1〜20の一価炭化水素基を表す)によって表されるトリオルガノシロキシ基を表し、R1又はR2基のそれぞれの2個又はそれ以上が存在するとき、R1及びR2基のそれぞれは同じか又は異なっていてよく、R1はR2と同じか又は異なっていてよく、Xは、それぞれの存在において独立に、ヒドロキシル基又は加水分解性基であり、aは、それぞれの存在において独立に、0、1、2又は3であり、bは、それぞれの存在において独立に、0、1又は2であり、mは0又は1〜19の整数を表し、a及びbは、関係:a+Σb≧1を満足するように選択される]
によって表される。
【0018】
Xによって表される加水分解性基は、特に限定されないが、一般的な加水分解性基から選択される。具体的な例は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシマート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基である。これらの中で好ましいものは、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシマート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基である。その穏和な加水分解性に起因する取り扱いの容易性のために、アルコキシ基が更に好ましく、メトキシ又はエトキシ基が最も好ましい。1〜3個のヒドロキシル基又は加水分解性基が、1個のケイ素原子に接着してよく、(a+Σb)は、好ましくは1〜5である。2個又はそれ以上のヒドロキシル基又は加水分解性基が、反応性ケイ素基当たり存在する場合、これらは同じか又は異なっていてよい。反応性ケイ素基は、1個又はそれ以上のケイ素原子を有していてよい。ケイ素原子が接着してシロキサン接着を形成する反応性ケイ素基は、20個のように多くのケイ素原子を有していてよい。入手性の観点から、下記に示す式(4)によって表される反応性ケイ素基が好ましい。
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R1、X及びaは、前記定義の通りである)。R1は、好ましくはアルキル基、例えばメチル若しくはエチル;シクロアルキル基、例えばシクロヘキシル;アリール基、例えばフェニル;アラルキル基、例えばベンジル又は式(R’)3SiO−(式中、R’はメチル又はフェニルである)のトリオルガノシロキシ基である。R1及びR’は、最も好ましくはメチル基である。
【0021】
オキシアルキレンポリマーには、分子当たり少なくとも1個、好ましくは1.1〜6個の反応性ケイ素基が含まれる。分子当たりの反応性ケイ素基の数が、1よりも小さい場合、このポリマーは不十分な硬化性を有し、満足できるゴム状弾性を達成することができない。反応性ケイ素基はオキシアルキレンポリマーの分子鎖の末端に又は内部に付けることができる。その分子末端に反応性ケイ素基を有するオキシアルキレンポリマーは高い引張強度及び高い伸びを有するゴム状硬化生成物を与える傾向がある。
【0022】
一つの態様に於いて、この接着組成物に使用される可撓性ポリマーは、本明細書に記載されているようなポリオールを、それに接着された加水分解性部分を有する少なくとも1個のシラン部分を有するイソシアナトシランと、ポリオールのヒドロキシル部分がイソシアナトシランのイソシアネート部分と反応して、ポリオール上に末端シラン部分を付けるような条件下で接触させる(好ましくは、この接触は、触媒の添加無しで実施される)ことによって製造された、シリル末端停止プレポリマーである。
【0023】
このシリル末端停止プレポリマーを製造するために使用することができるポリオールには、接着剤及びエラストマー応用で有用であるポリウレタンプレポリマーを製造する際に有用であるポリオールが含まれ、これは当業者に公知である。Bhat等、米国特許第5,672,652号明細書(第4欄第5〜60行参照)には、シラン末端停止プレポリマーを製造する際に有用である好ましいポリオールが開示されている。
【0024】
好ましくは、シラン末端停止プレポリマーの製造に於いて使用されるポリオールは、最初に、1種又はそれ以上の開始剤を1種又はそれ以上のアルキレンオキシドと、米国特許第6,255,434号明細書に開示されているような、活性水素原子を含有しない溶媒中で、炭酸塩の対イオンを有するカルシウム及びC6〜C10アルカノエートからなる触媒の存在下で、接触させることからなる方法によって製造された、高分子量ポリオールである。好ましくは、この方法は、1,000〜20,000の当量、1.2以下の多分散度及び0〜2,000部/100万(ppm)の残留カルシウムレベルを有するポリオールが製造されるように実施される。好ましくは、この方法は、使用される触媒の量が、反応の完結の際にポリオール中に残留する残留触媒が、0ppm以上、好ましくは1ppm以上、更に好ましくは200ppm以上、なお更に好ましくは300ppm以上、最も好ましくは400ppm以上で、好ましくは2,000ppm以下、更に好ましくは1,000ppm以下、なお更に好ましくは800ppm以下、最も好ましくは400ppm以下であるように十分であるように実施される。或る態様に於いて、更なる反応のために触媒が必要ない場合及び触媒が最終接着剤の特性に影響を与え得る場合、残留触媒の全部を除去することが望ましい。このポリエーテルポリオールは、好ましくは、2,000以上、更に好ましくは3,000以上、なお更に好ましくは6,000以上、最も好ましくは10,000以上の重量平均分子量を有する。得られるポリエーテルポリオールは、好ましくは20,000以下、更に好ましくは16,000以下、なお更に好ましくは14,000以下、最も好ましくは12,000以下の重量平均分子量を有する。得られた高分子量ポリオールは、好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.12以下の多分散度を有する。このポリオールは、また、低い不飽和レベル、好ましくは0.04ミリ当量の不飽和/ポリオールのグラム以下、更に好ましくは0.02ミリ当量の不飽和/ポリオールのグラム以下を示す。
【0025】
また、有用なポリマーとして、ポリオレフィン主鎖及び末端ヒドロキシル基を有するポリマーが含まれる。このようなポリオールの例は、クレイトン(Kraton)(商標)リキッドL−2203ポリマーのような、末端ヒドロキシルを有するクレイトン(商標)ポリエチレン/ブチレンポリマーである。ダブル金属シアン化物触媒を使用して製造されたポリアルキレンオキシドベースのポリエーテルポリオールも、本発明に於いて使用することができる。これらは、それらの低い不飽和レベルのために、特に興味がある。
【0026】
このポリオールは、イソシアナトシランと反応させて、反応性シリコーン官能性プレポリマーを製造することができる。このようなイソシアナトシランは、それに接着した加水分解性部分を有するシラン基を必要とする。本発明で有用なイソシアナトシランは、米国特許第4,618,656号明細書、第3欄、第24〜34行に記載されている。好ましくは、このようなイソシアナトシランは、式5:
【0027】
【化5】

【0028】
(式中、a、R1及びXは、前記定義の通りであり、Zは、それぞれの存在において独立に、C1-40二価ヒドロカルビル部分である)
に対応する。Zは、好ましくは、C1-20二価ヒドロカルビル部分、好ましくはC1-10アルキレン、更に好ましくはC1-3アルキレン、最も好ましくはメチレンである。
【0029】
ポリオールと有機官能性シランとの反応は、米国特許第4,625,012号明細書に開示されているもののような一般的な方法を使用して、実施することができる。米国特許第6,255,434号明細書に開示されているようなカルシウム触媒を使用して製造された高分子量ポリオールを使用することによって、追加触媒の添加無しに、イソシアナトシランとポリオールとの反応によるシラン末端停止ポリエーテルの製造が可能になる。前記のポリオール生成反応系列からの残留カルシウム触媒は、この反応に触媒作用するために十分である。所望により、米国特許第4,625,012号明細書、第5欄、第14〜23行に開示されているもののような標準的ポリウレタン触媒を使用することができる。高分子量ポリオールを使用する場合、ポリオールのヒドロキシル官能基の全てと反応させるために十分な量のイソシアナトシランを使用することが望ましい。使用するポリオールが低分子量ポリオールである場合、ヒドロキシル部分に比較して、化学量論的量よりも少ないイソシアナトシランを使用して、得られた生成物が、製造されたプレポリマー中に幾らかの残留ヒドロキシル部分を有するようにすることが望ましい。この結果、硬化でより良い物理的特性を有する生成物になる。この態様に於いて、ヒドロキシル部分の、イソシアナトシランのイソシアネート部分に対する比は、好ましくは、0.75:1.0〜0.95:1.0である。
【0030】
他の態様に於いて、ポリマーは、加水分解性シラン基を有するポリウレタンベースのポリマーである。このような材料は、Changの米国特許第4,622,369号明細書及びPohlの米国特許第4,645,816号明細書に開示されている。
【0031】
他の態様に於いて、主鎖は、それに接着したケイ素部分を有する、ポリエーテル又はポリオレフィンのような可撓性ポリマーであってよい。不飽和を有する可撓性ポリマーは、ケイ素(ここで、ケイ素部分は、また、不飽和を有する1個又はそれ以上の炭素鎖を有する)に接着した水素又はヒドロキシル部分を有する化合物と反応することができる。このケイ素化合物は、ヒドロシリル化反応により、不飽和の点でポリマーに添加することができる。この反応は、Kawakuboの米国特許第4,788,254号明細書、第12欄、第38〜61行、米国特許第3,971,751号明細書、米国特許第5,223,597号明細書、米国特許第4,923,927号明細書、米国特許第5,409,995号明細書及び米国特許第5,567,833号明細書に記載されている。
【0032】
このプレポリマーは、接着剤が、ガラスを、金属、プラスチック、コンポジット又はガラス繊維のような他の基体に接着させることができるような十分な量で、接着組成物中に存在する。好ましくは基体は被覆されており、更に好ましくは、基体は、アクリルメラミンシラン変性被覆、メラミンカルバメート被覆、二液形(two part)ウレタン被覆又は酸性エポキシ硬化被覆のような耐酸性塗料で塗装されている。本発明の接着剤は、窓を、ウレタンアクリルメラミン塗料及びメラミンカルバメート塗料に接着するために特に良好である。好ましくは、プレポリマーは、接着剤の重量基準で、30重量部以上、更に好ましくは40重量部以上、なお更に好ましくは45重量部以上、最も好ましくは48重量部以上の量で存在する。好ましくは、プレポリマーは、接着剤の重量基準で、99.8重量部以下、最も好ましくは85重量部以下の量で存在する。
【0033】
この接着組成物は、更に、1種又はそれ以上の、シラノール縮合反応に触媒作用するスズ触媒からなっていてよい。シラノール縮合反応のために有用なスズ触媒は、当該技術分野で公知である。シラノール縮合のために有用な好ましいスズ化合物の中には、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレアート又はジオクチルスズジアセテートのような有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩;オクチル酸スズ又はナフテン酸スズのようなカルボン酸スズ;ジアルキルスズオキシドとフタル酸エステル又はアルカンジオンとの反応生成物;ジブチルスズジアセチルアセトネート(また、通常、ジブチルスズアセチルアセトネートと呼ばれる)のようなジアルキルスズジアセチルアセトネート;ジブチルスズオキシドのようなジアルキルスズオキシド;二酢酸スズ(II)、二オクタン酸スズ(II)、二エチルヘキサン酸スズ(II)又は二ラウリン酸スズ(II)のような有機カルボン酸のスズ(II)塩;ジメチルスズジクロリドのようなジアルキルスズ(IV)ジハライド及びオクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、酢酸第一スズ又はラウリン酸第一スズのようなカルボン酸の第一スズ塩がある。これらのシラノール縮合触媒は、個々に又は2種若しくはそれ以上の組合せ物で使用することができる。好ましい触媒は、ジアルキルスズジカルボキシレート、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルビス(アセチルアセトネート)、ジアルキルスズオキシドとフタル酸エステル又はアルカンジオンとの反応生成物、ジアルキルスズハライド及びジアルキルスズオキシドである。なお更に好ましい触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズオキシドとフタル酸エステル又はペンタンジオンとの反応生成物、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズオキシド及びジメチルスズクロリドである。配合物中に使用される触媒の量は、硬化後に接着剤の劣化を起こすことなく接着剤の硬化を容易にする量である。接着配合物中の触媒の量は、好ましくは0.01重量部以上、更に好ましくは0.1重量部以上、最も好ましくは0.2重量部以上であり、そして好ましくは5重量部以下、更に好ましくは1.0重量部以下、最も好ましくは0.4重量部以下である。
【0034】
この接着組成物には、更に、1種又はそれ以上の、ヒドロカルビルリン酸エステル及び/又はヒドロカルビルスルホン酸エステルからなる配位子を有する、1種又はそれ以上のチタン酸エステル(チタネート)又はジルコン酸エステル(ジルコネート)が含有されている。このチタン酸エステル及びジルコン酸エステルは、被覆された基体への接着の速度及び接着剤の硬化の速度を上昇させる。有用なチタン酸エステル及びジルコン酸エステルには、ヒドロカルビルリン酸エステル及び/又はヒドロカルビルスルホン酸エステルからからなる1〜3個の配位子並びに更に不飽和並びに酸素、窒素及び硫黄のようなヘテロ原子を含有してよい1〜3個のヒドロカルビル配位子が含まれる。好ましくは、チタン酸エステル及びジルコン酸エステルには、ヒドロカルビルリン酸エステル及び/又はヒドロカルビルスルホン酸エステルからからなる2〜3個の配位子、好ましくは3個のこのような配位子並びに1〜2個のヒドロカルビル配位子、好ましくは1個のヒドロカルビル配位子が含まれる。好ましいジルコン酸エステル及びチタン酸エステルは、式6:
【0035】
【化6】

【0036】
(式中、Mは、それぞれの存在において独立に、Ti又はZrであり、
3は、それぞれの存在において独立に、C1〜C12アルキル基又はC7-20アルキルアリール基(但し、アルキル基又はアルキルアリール基は、任意的に、1個又はそれ以上の酸素原子又は不飽和を含有していてよい)であり、
4は、それぞれの存在において独立に、
【0037】
【化7】

【0038】
であり、
5は、それぞれの存在において独立に、C1〜C12アルキル基又はC7-12アルキルアリール基であり、
6は、それぞれの存在において独立に、C1〜C12アルキル又はC7-20アルキルアリール基であり、
pは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、そして
qは、それぞれの存在において独立に、2又は3である)
に対応する。
【0039】
好ましくは、MはTiである。更に好ましくは、R3は、それぞれの存在において独立に、プロピル又は式:
【0040】
【化8】

【0041】
に対応する基である。
更に好ましくは、R4は、それぞれの存在において独立に、
【0042】
【化9】

【0043】
である。
5は、それぞれの存在において独立に、C1〜C12アルキル、更に好ましくはC8-10アルキル、最も好ましくはオクチルである。
6は、それぞれの存在において独立に、C12-20アルキルアリール基であり、更に好ましくはR6
【0044】
【化10】

【0045】
である。
【0046】
好ましくは、pは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、最も好ましくは1である。好ましくは、qは、それぞれの存在において独立に、2又は3であり、最も好ましくは3である。好ましいチタン酸エステル及びジルコン酸エステルには、イソプロピル トリ(ジオクチル)ピロホスファトチタネート(ケンリッチ・ケミカルス社(Kenrich Chemicals)から名称KR38Sで入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルチタネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称LICA09で入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリオクチルホスファトチタネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称LICA12で入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称NZ09で入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称NZ12で入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロホスファトジルコネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称NZ38で入手可能)が含まれる。最も好ましいチタン酸エステルは、トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルチタネート(ケンリッチ・ケミカルス社から名称LICA09で入手可能)である。チタン酸エステルがジルコン酸エステルよりも好ましい。チタン酸エステル又はジルコン酸エステルは、被覆された基体への接着(接合)の速度及び接着剤の硬化の速度を上昇させるために十分な量で存在する。チタン酸エステル又はジルコン酸エステルは、接着剤の重量基準で0.05重量部以上、更に好ましくは0.1重量部以上、最も好ましくは0.2重量部以上の量で存在する。チタン酸エステル又はジルコン酸エステルは、接着剤の重量基準で0.5重量部以下、更に好ましくは0.4重量部以下、最も好ましくは0.3重量部以下の量で存在する。
【0047】
この接着組成物は、更に、ポリマーと混和性であり、下塗りしていない被覆された基体への接着剤の接着を増強する、無水の有機強酸を含む。ポリマーとの混和性は、この有機酸がポリマーと容易に混合することを意味する。本明細書で使用する、無水は、微量よりも少ない水を含有する材料を指し、特に、水の量は、ポリマーが顕著な硬化を受けるようになる量より少ない。硬化のレベルは、接着剤の粘度増加によって測定することができる。好ましくは、不活性で本質的に水を含有しない環境中で、54℃で3日間を超える貯蔵中の粘度増加は、50%よりも小さく、好ましくは30%よりも小さく、好ましくは20%よりも小さい。好ましい態様に於いて、有機強酸は、有機スルホン酸又は有機リン酸である。好ましくは、このスルホン酸は式7:
【0048】
【化11】

【0049】
に対応し、そしてこのリン酸は式8:
【0050】
【化12】

【0051】
に対応する。上記の式に於いて、
7は、それぞれの存在において独立に、C1-12アルキル又はC7-30アルキルアリール基であり、
8は、それぞれの存在において独立に、C1-10アルキル、C6-12アリール又はC7-12アルキル置換アリールであり、
rは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、そして
sは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、
r及びsの合計は3である。
【0052】
好ましくは、R7は、それぞれの存在において独立に、アルキル置換ベンジル又はアルキル置換ナフチルである。好ましくは、rは2である。好ましくは、sは1である。好ましくは、R8は、それぞれの存在において独立に、フェニル、ブチル又はメチルである。好ましいスルホン酸は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸である。更に好ましいスルホン酸は、ドデシルベンゼンスルホン酸である。好ましいリン酸は、リン酸ジブチル及びリン酸ジフェニルである。
【0053】
有機酸は、接着組成物が、前適用されたプライマーの必要なしに、被覆された基体に接着できる十分な量で存在する。有機酸は、好ましくは、接着剤重量基準で、0.1重量部以上、最も好ましくは0.2重量部以上の量で存在する。好ましくは、有機酸は、1.0重量部以下、更に好ましくは0.8重量部以下、最も好ましくは0.6重量部以下の量で存在する。
【0054】
本発明の接着組成物は、更に、イソシアネート及び加水分解性シリコーン部分からなっていてよい。これらの化合物は、所望の被覆システムへの接着を達成するために十分な量で存在する。有用なイソシアナトシランは、式5によって記載される。好ましいイソシアナトシランには、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが含まれる。このイソシアナトシランは、好ましくは、接着剤重量基準で3重量部以上、更に好ましくは3.5重量部以上、最も好ましくは接着剤の重量基準で5重量部以上の量で存在する。イソシアナトシランは、接着剤の重量基準で10重量部以下、更に好ましくは8重量部以下、最も好ましくは6重量部以下の量で存在する。
【0055】
この組成物は、更に、シリコーン含有脱水化合物からなっていてよい。米国特許第4,977,228号明細書には、第10欄、第27行〜第11欄、第12行に、ケイ素含有脱水化合物が開示されている。本発明の硬化性ポリマー組成物の貯蔵安定性を改良するために、即ち、貯蔵の間の粘度の増加又はゲル化を防止するために、ケイ素原子に接着した3個又は4個の加水分解性基を有するケイ素含有脱水化合物が使用される。ケイ素含有化合物のケイ素原子に接着された加水分解性基は、ケイ素含有反応性基と関連させて前記したものと同じものであってよい。好ましくは、脱水化合物の加水分解性基は、ケイ素含有反応性基のものよりも一層反応性である。ケイ素含有化合物のケイ素原子に接着した加水分解性基の数が、3より少ないとき、貯蔵安定性は十分に改良されない。それは、ケイ素含有脱水化合物の加水分解性基が、組成物中の水と優先的に反応し、それによって組成物の貯蔵安定性が改良されるからである。
【0056】
好ましいケイ素含有脱水化合物は、式9:
【0057】
【化13】

【0058】
(式中、R9は、置換された又は置換されていない一価の炭化水素基であり、そしてXは、加水分解性基であり(但し、2個又はそれ以上のXが存在するとき、これらは同じか又は異なっていてよい)、そしてnは3又は4である)
に対応する。R9は、好ましくは、炭素数1〜18の置換された又は置換されていない一価の炭化水素基である。R9の具体例は、置換された又は置換されていないアルキル基(例えば、メチル、エチル、ビニル、メタクリルオキシプロピル等)、置換された又は置換されていないアリール基(例えば、フェニル、メチルフェニル等)である。加水分解性基Xとして、アルコキシ基が好ましい。ケイ素含有脱水化合物の特別の例は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ケイ酸エチル、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、メチルジイソプロペニルオキシシラン、メチルトリイソプロペンオキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリル−オキシプロピルトリメトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、γ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト−プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(ジメチルケトオキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトオキシメート)メチルシラン等である。これらの中で、アルキルトリメトキシシラン及びアルキルトリメトキシビニルシラン及びトリメトキシメチルシランが、これらが容易に入手可能で、より良い脱水効果を有するので好ましい。
【0059】
ケイ素含有脱水化合物の量は、全接着組成物量100重量部当り、通常0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。ケイ素含有脱水化合物の量が上記の下限よりも少ないとき、硬化性ポリマー組成物の貯蔵安定性は十分に改良されず、一方、前記量が上記の上限よりも多いとき、組成物の硬化速度が低下する。
【0060】
この接着組成物には、当業者に公知であるような、接着配合物で一般的に使用される他の添加物が含有されていてよい。本発明の接着剤は、接着組成物中に使用するために当該技術分野で公知である充填材と共に配合することができる。このような材料の添加によって、粘度、フローレート及び垂れのような物理的特性を変性することができる。しかしながら、プレポリマーの水分感受性基の早過ぎる加水分解を防止するために、混合する前に充填材を十分に乾燥させることが好ましい。
【0061】
本発明の接着剤の任意の成分には、強化充填材が含まれる。このような充填材は当業者に公知であり、これには、カーボンブラック、二酸化チタン、炭酸カルシウム、表面処理シリカ、酸化チタン、ヒュームドシリカ及びタルクが含まれる。好ましい強化充填材はカーボンブラックからなる。一つの態様に於いて、2種以上の強化充填材を使用することができ、その1種はカーボンブラックであり、接着剤に所望の黒色を与えるために十分な量のカーボンブラックが使用される。好ましくは、使用される唯一の強化充填材はカーボンブラックである。強化充填材は、接着剤の強度を増加させ、接着剤にチキソトロピー特性を与えるために十分な量で使用される。好ましくは、強化充填材は、接着組成物の1重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、最も好ましくは20重量部以上の量で存在する。強化充填材は、好ましくは接着組成物の40重量部以下、更に好ましくは35重量部以下、最も好ましくは33重量部以下の量で存在する。
【0062】
接着組成物中の任意の材料の中にクレーがある。本発明で有用な好ましいクレーには、カオリン、表面処理したカオリン、カ焼したカオリン、ケイ酸アルミニウム及び表面処理した無水ケイ酸アルミニウムが含まれる。クレーは、ポンプ輸送可能な接着剤の配合を容易にする全ての形態で使用することができる。好ましくは、クレーは、粉砕した粉末、噴霧乾燥したビーズ又は微細に粉砕した粒子の形態であってよい。クレーは、接着組成物の0重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、なお更に好ましくは6重量部以上の量で使用することができる。クレーは、好ましくは接着組成物の20重量部以下、更に好ましくは10重量部以下の量で使用される。
【0063】
本発明の接着組成物は、更に、レオロジー特性を所望の稠度に修正するための可塑剤からなっていてよい。このような材料は、好ましくは水を含有せず、反応性基に対して不活性であり、そして接着剤に使用されるポリマーと相溶性である。適当な可塑剤は、当該技術分野で公知であり、好ましい可塑剤には、フタル酸ジアルキルのようなフタル酸アルキル、「HB−40」として市販されている部分的に水素化したテルペン、リン酸トリオクチル、エポキシ可塑剤、トルエンスルファミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ひまし油、トルエン、キシレン、n−メチルピロリジノン及びアルキルナフタレンが含まれる。好ましい可塑剤はフタル酸エステルである。更に好ましい可塑剤は、フタル酸ジアルキルである。好ましくは、アルキル基は直鎖である。更に好ましいものは、アルキル基が、混合直鎖C7、C9及びC11であるフタル酸エステル、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジイソドデシルである。最も好ましいものは、アルキル基が、混合直鎖C7、C9及びC11アルキルであるフタル酸エステル、フタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジイソデシルである。接着組成物中の可塑剤の量は、所望のレオロジー特性を与え、触媒及び他の成分をシステム内に分散させて、所望の粘度を与えるために十分である量である。本明細書中に開示された量には、プレポリマーの製造の間及び接着剤の配合の間に添加されるこれらの量が含まれる。可塑剤は、好ましくは、接着組成物の重量基準で、0重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、なお更に好ましくは10重量部以上、最も好ましくは20重量部以上の量で、接着組成物中に使用される。可塑剤は、好ましくは接着組成物の全量基準で、45重量部以下、更に好ましくは40重量部以下、なお更に好ましくは30重量部以下、最も好ましくは25重量部以下の量で使用される。
【0064】
任意に、この接着組成物は、更に、チキソトロープからなっていてよい。このようなチキソトロープは当業者に公知であり、これには、アルミナ、石灰石、タルク、酸化亜鉛、酸化硫黄、炭酸カルシウム、パーライト、天然スレート粉、塩(NaCl)及びシクロデキストリンが含まれる。チキソトロープは、所望のレオロジー特性を与えるために十分な量で、接着組成物に添加することができる。好ましくは、チキソトロープは、接着組成物の重量基準で、0重量部以上、好ましくは1重量部以上の量で存在する。好ましくは、任意のチキソトロープは、接着組成物の重量基準で、10重量部以下、更に好ましくは2重量部以下の量で存在する。
【0065】
本明細書で使用する、接着組成物の成分に関する全ての重量部は、接着組成物の100合計重量部を基準にしており、全ての重量%は、接着組成物の重量を基準にしている。本発明のシーラント組成物は、当該技術分野で公知の手段を使用して、成分を一緒にブレンドすることによって配合することができる。一般的に、成分は適当なミキサーの中でブレンドされる。このようなブレンドは、好ましくは、早過ぎる反応を防止するために、不活性雰囲気中で、大気水分の不存在下で実施される。プレポリマーを製造するために全ての可塑剤を反応混合物に添加して、このような混合物を容易に混合し、取り扱うことができるようにすることが有利であろう。また、可塑剤は、全ての成分をブレンドする間に添加することができる。シーラント組成物が配合されると、これを適当な容器内に入れて、これが大気水分から保護されるようにする。大気水分との接触は、プレポリマーの早過ぎる架橋になり得る。
【0066】
本発明の接着組成物は、多孔質基体と非孔質基体とを一緒に接着するために使用される。このシーラント組成物を、ガラス表面又は他の基体、好ましくはガラス表面に適用し、その後、第二の基体と接触させる。その後、接着剤を硬化条件に露出する。好ましい態様に於いて、他の基体は、任意に塗装されていてよい、プラスチック、金属、ガラス繊維又はコンポジット基体である。この方法は、耐酸塗料で塗装された基体のために特に有効である。好ましい態様に於いて、接着剤が適用される表面は、適用の前に清浄にされる、例えば、米国特許第4,525,511号明細書、同第3,707,521号明細書及び同第3,779,794号明細書参照。ガラスは、接着組成物を適用すべき表面をクリーニングすることによって調製される。これを行うために、溶媒拭きを使用することができる。一般的に、表面を清浄にするために、適切な溶媒を含有する布又は他の用具を使用する。その後、接着剤を適用すべき窓の部分に、プライマーを適用する。このようなプライマーのためのガラスプライマー及び適用方法は、当該技術分野で公知である。典型的に、プライマーは、刷毛で又はロボットにより適用される。プライマーの必要性を除くように接着剤が配合される場合、プライマーは必要ない。本発明の好ましい態様に於いて、基体はビルディング又は自動車である。接着剤は、好ましくは、基体の中に接着すべきガラスの部分の上にビードとして置かれる。このビードは、当業者に公知の全ての方法によって置くことができる。一つの態様に於いて、ビードは、コーキングガン又は同様の型の手動適用デバイスを使用して置くことができる。他の態様に於いて、ビードは、ロボット押出装置のような押出装置によって置くことができる。接着剤は、その中に窓が接着される構造物と接触する窓の部分の上に配置される。一つの好ましい態様に於いて、接着剤は、窓の一つの面の周辺部に置かれる。典型的に、接着剤は、窓の周辺部に配置されたビードの形である。好ましくは、ビードは、断面に沿って輪郭が作られた形状である。ガラスが、自動車で使用するために設計された窓ガラスである態様に於いて、ビードは、自動車窓のフランジと接触すべきガラスの部分に適用される。次いで、窓を、構造物の中に、窓及び窓がその中に接着されるべき構造物の両方と接触する接着剤と共に置くことができる。この接触は、当業者に公知である手段によって実施される。特に、ガラスは、構造物の中に、手により又はロボットの使用により置くことができる。一般的に、本発明の接着剤は、環境温度で、大気水分の存在下で適用される。大気水分への露出は、接着剤の硬化になるために十分である。硬化は、当業者に公知の任意の手段により、例えば、対流加熱又はマイクロ波加熱により、硬化シーラントに熱を適用することによって更に加速することができる。好ましくは、本発明のシーラントは、6分間以上、更に好ましくは10分間以上の可使時間を与えるように配合される。好ましくは、可使時間は、15分間以下、更に好ましくは12分以下である。更に、本発明の接着剤は、360psi(2.48mPa)以上、更に好ましくは500psi(3.45mPa)以上の、23℃及び50%相対湿度(RH)で3日又は硬化後の、下記の方法に従った重ね剪断を示す。好ましくは、本発明の接着剤は、30分間以内のタックフリー時間を示す。
【0067】
本明細書に記載した分子量は、ウォーターズ(Waters)モデル590ゲル浸透クロマトグラフを使用して決定された、下記の手順に従って決定される。この装置は、溶離体積を測定するために多波長検出器及び示差屈折計に連結されている。サイズ排除のために、スチロゲルのカラムが使用され、これは250〜50,000の分子量を決定することができる。次いで、プレポリマーの分子量を、溶離溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、このカラムを通る溶離体積を測定することによって決定する。次いで、ポリスチレンポリエチレングリコールカラムから得られた、分子量対溶離体積の較正曲線から、分子量を計算する。引用された分子量は、他の方法で特定しない限り、重量平均分子量である。
【0068】
具体的態様
下記の実施例は、本発明を一層完全に示すために記載され、特許請求の範囲の範囲を限定することを意図していない。他に記載しない限り、全ての部及び%は、重量基準である。
【0069】
下記のものは、製造したシーラントのために使用した試験である。
【0070】
迅速ナイフ接着試験(Quick Knife Adhesion Test)
6.3mm(幅)×6.3mm(高さ)×76.2mm(長さ)サイズのシーラントビードを、耐酸塗料パネルの101.6mm×101.6mm片の上に置き、この組立体を、23℃及び50%相対湿度の条件下で、特定の時間硬化させた。次いで、硬化したビードを、ビードの端部を180度角度で逆に引張ながら、45度角度で塗装表面まで通してかみそり刃で切断した。塗装表面で3mm毎に、ノッチを切った。接着の程度は、接着破壊(AF)及び/又は凝集破壊(CF)として評価した。接着破壊の場合に、硬化したビードを塗装表面から分離することができ、一方、凝集破壊に於いては、切断及び引張の結果として、シーラントビード内で分離が起こった。試験した塗料基体は、供給されたままで使用できるか又はイソプロパノール(IPA)若しくはナフサ(NP)で拭くことによって処理できる。
【0071】
ウェザオメーター試験
ウェザオメーター(WOM)を、SAE J1885条件に従って運転した。サンプルを、下記のサイクル、即ち、5%RHで3.8時間及び95%で1時間89℃に連続的に露出した。WOMに露出したサンプルを、後で記載する重ね剪断試験に従って試験した。
【0072】
重ね剪断試験
約6.3mm幅×8mm高さのシーラントを、ガラスの幅に沿って、下塗りした末端から約6mm〜12mmで適用した。ガラスを、ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)のダウ・オートモーティブ・ビジネスユニット(the Dow Automotive business unit)から入手可能な43518プライマーを含有する布で拭き、きれいな布でこの43518プライマーを拭き取り、その後ダウ・ケミカル社のダウ・オートモーティブ・ビジネスユニットから入手可能なガラス43520Aプライマーに適用することによって処理した。塗料基体を、直ちにこのシーラントの上に置き、サンプルを、23℃及び50%相対湿度の条件で、7日間硬化させた。次いで、サンプルを、インストロン試験機で1インチ/分(2.5cm/分)の速度で引っ張った。
【0073】
実施例1〜3
水分硬化性シーラント組成物を、無水条件下で、下記のシリル化プレポリマーを下記の成分と配合することによって製造した。カーボンブラック以外の成分を、2ガロンの遊星形ミキサーに装入し、真空下で20分間混合し、次いで乾燥したカーボンブラックを添加し、真空下で20分間混合した。最後に、この接着剤をプラスチックチューブの中に充填した。
【0074】
接着剤サンプルを、デュポン(DuPont)シランウレタンメラミン被覆で被覆されたクーポンからなる基体に接着させた。ベースコート及びクリアコートを、e−被覆したスチールクーポン上にスプレーし、オーブン内で275°F(135℃)で17分間ベークした。このクーポンは、0.5〜1.5ミル(0.13〜0.4mm)のベース塗膜及び0.8〜2.0ミル(0.20〜0.51mm)のクリア塗膜を有していた。接着剤サンプルを23℃で50パーセント相対湿度で、下記の表に示す時間硬化させ、次いで、迅速ナイフ接着を実施した。その結果を表Iに列挙する。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
実施例4〜8
数種の配合物を、使用したチタン酸エステル又はジルコン酸エステルを変えて、上記のようにして製造した。これらの接着剤を、下記のようにして製造したパネルの上に被覆し、記載した時間硬化させ、そしてそれぞれのサンプルについて、迅速ナイフ接着試験を実施した。パネルは下記のようにして製造した。4インチ×12インチ(10.2cm×30.5cm)のe−被覆したパネルに、PPGカルバメート(Carbamate)(商標)ベースコート及びクリアコートをスプレーし、オーブン内で285°F(141℃)で30分間ベークした。このパネルは、0.5〜1.5ミル(0.13〜0.40mm)のベースコート及び0.8〜2.0ミル(0.20〜0.51mm)のクリアコートを有していた。接着剤サンプルを、迅速ナイフ接着試験方法に従ってパネル上にセットし、23℃及び50パーセントRHで、表に示す時間硬化させた。接着試験をこの方法に記載されているようにして実施した。その結果を表IIに列挙する。
【0078】
【表3】

【0079】
表IIには、スルホン酸エステル又はリン酸エステル配位子を有するチタン又はジルコニウム触媒を使用すると、PPGカルバメート(商標)塗料上に接着が得られることが示された。
【0080】
実施例9〜18
種々の有機酸を使用して上記のようにして、数種の配合物を製造し、試験した。配合物及び結果を表IIIに列挙する。
【0081】
【表4】

【0082】
【表5】

【0083】
表IIIには、リン酸及び有機スルホン酸を使用する配合物が、PPGカルバメート(商標)塗料上にプライマー無し接着を達成し、一方、異なった酸強度を有する酢酸を使用する配合物が、接着を示さなかったことが示された。酢酸、クロロ酢酸のようなより低い酸強度の酸は、また、標準条件(23℃/50%RH)下で、3〜7日の期間に亘って適時の方法で、配合物を硬化させることができなかった。
【0084】
実施例19〜20及び比較例A
表IVに開示した成分を使用して、3種の接着剤を前記のようにして製造した。
【0085】
これらの接着剤並びにダウ・ケミカル社から商標及び名称ベータシール(BETASEAL)(商標)15955接着剤SKU439で入手可能なポリウレタンプレポリマーベースの接着剤(比較A)を、下記のようにして製造した、デュポン・ゲン(DuPont Gen)III(商標)アクリルメラミン被覆で被覆したパネルに対する接着について試験した。
【0086】
4インチ×16インチ(10cm×40cm)のe−被覆したパネルに、デュポン・ゲンIII(商標)ベースコート(0.5〜1.5ミル)(0.13〜0.4mm)及びクリアコート(0.8〜2.0ミル)(0.20mm〜0.51mm)をスプレーした。このパネルを、オーブン内で、目標ベーク及びオーバーベーク条件を模倣するための、特定の時間及び温度でベークした。
【0087】
結果を表Vに列挙する。表Vに於いて、目標ベークは、被覆したパネルの285°F(141℃)への17分間の露出を意味し、オーバーベークは、290°F(143℃)への4時間の露出を意味する。
【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
表Vは、酸触媒作用配合物が、目標ベークしたデュポン・ゲンIII(商標)アクリルメラミン塗料に接着し、また、オーバーベークしたゲンIII塗料に対して高い接着度を示したことを示した。ポリウレタンベースの製品は、この塗料系に対して接着を示さなかった。本発明の配合物は、オーバーベークした塗料に対する良好な接着を達成するために、調節することができる。
【0091】
実施例13及び20の接着剤を、WOM条件に1000時間及び2000時間露出し、次いで前記のようにして重なり剪断強度について試験した。実施例20の接着剤について、1000時間WOM露出後の3個の複製サンプルの平均重なり剪断強度は、381psi(2627kPA)であり、2000時間WOMについて、接着剤サンプルの100パーセント凝集破壊を伴って495psi(3413kPA)であった。実施例13の接着剤について、1000時間結果は598psi(4123kPA)であり、2000時間結果は、接着剤サンプルの100%凝集破壊を伴って475.70psi(3280kPA)であった。
【0092】
貯蔵安定性
水分の不存在下で貯蔵中の、13、19及び20の接着剤の安定性を、接着剤サンプルの初期フローレートを決定し、水分の不存在下で3日間54℃で熟成した後、再びそのフローレートを決定し、そして熟成したフローレートの初期フローレートに対する比を計算する。それぞれの場合に、フローレートは、20グラムのサンプルを、80psi(552kPa)の圧力下で、直径0.157インチ(0.4cm)のオリフィスを通して押し出すために必要な、秒での時間として定義した。このフローレート比は、理想的には、サンプルの良好な安定性を示す1である。逆に、1.3より顕著に大きいフローレート比は、不安定なサンプル及び水の不存在下での貯蔵安定性の欠如を示した。1.0〜1.3のフローレートは、許容できると考えられた。この結果を表VIに列挙した。
【0093】
【表8】

以下に、本発明の関連態様を列挙する。
態様1.ポリウレタン又はポリエーテルの主鎖及びシラノール縮合が可能なシラン部分を有する1種又はそれ以上のポリマー、
ヒドロカルビルリン酸エステル又はヒドロカルビルスルホン酸エステルを含む1種又はそれ以上の配位子を有する、1種又はそれ以上のチタン酸エステル又はジルコン酸エステル並びに
前記ポリマーと混和性であり、被覆された下塗りしていない基体への接着剤の接着を増強する無水の有機強酸を含んでなる接着組成物。
態様2.1種又はそれ以上の有機スズ触媒を更に含む態様1に記載の接着組成物。
態様3.前記ポリマーがポリエーテルである態様1又は2に記載の接着組成物。
態様4.前記ポリエーテルがオキシアルキレンポリマーである態様3に記載の接着組成物。
態様5.前記無水の有機強酸が有機スルホン酸又は有機リン酸である態様1〜4のいずれか1項に記載の接着組成物。
態様6.前記チタン酸エステル又はジルコン酸エステルが、式:
【化14】

(式中、Mは、それぞれの存在において独立に、Ti又はZrであり、R3は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキル又はC7−C12アルキルアリールであり、R4は、それぞれの存在において独立に、
【化15】

であり、R5は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキルであり、R6は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキル又はC7−C20アルキルアリール基であり、pは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、そしてqは、それぞれの存在において独立に、2又は3である)
に対応する態様1〜5のいずれか1項に記載の接着組成物。
態様7.前記チタン酸エステル又はジルコン酸エステルがイソプロピル トリ(ジオクチル)ピロホスファトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリオクチルホスファトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロホスファトジルコネートから選ばれる態様6に記載の接着組成物。
態様8.A)ガラス又は下塗りしていない塗装された基体のいずれかに、態様1〜7のいずれか1項に記載の接着剤を適用すること、
B)ガラスと下塗りしていない塗装された基体とを、接着剤が、塗装された基体とガラスとの間に配置されるようにして接触させること及び
C)接着剤を硬化させて、ガラスを塗装された基体に接着させること
を含んでなる、プライマーを使用することなく、塗装された基体上へガラスを接着する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン又はポリエーテルの主鎖及びシラノール縮合が可能なシラン部分を有する1種又はそれ以上のポリマー、
ヒドロカルビルリン酸エステル又はヒドロカルビルスルホン酸エステルを含む1種又はそれ以上の配位子を有する、1種又はそれ以上のチタン酸エステル又はジルコン酸エステル並びに
前記ポリマーと混和性であり、被覆された下塗りしていない基体への接着剤の接着を増強する無水の有機強酸を含んでなる接着組成物。
【請求項2】
1種又はそれ以上の有機スズ触媒を更に含む請求項1に記載の接着組成物。
【請求項3】
前記ポリマーがポリエーテルである請求項1又は2に記載の接着組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテルがオキシアルキレンポリマーである請求項3に記載の接着組成物。
【請求項5】
前記無水の有機強酸が有機スルホン酸又は有機リン酸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着組成物。
【請求項6】
前記チタン酸エステル又はジルコン酸エステルが、式:
【化1】

(式中、Mは、それぞれの存在において独立に、Ti又はZrであり、R3は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキル又はC7−C12アルキルアリールであり、R4は、それぞれの存在において独立に、
【化2】

であり、R5は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキルであり、R6は、それぞれの存在において独立に、C1−C12アルキル又はC7−C20アルキルアリール基であり、pは、それぞれの存在において独立に、1又は2であり、そしてqは、それぞれの存在において独立に、2又は3である)
に対応する請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着組成物。
【請求項7】
前記チタン酸エステル又はジルコン酸エステルがイソプロピル トリ(ジオクチル)ピロホスファトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリオクチルホスファトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロホスファトジルコネートから選ばれる請求項6に記載の接着組成物。
【請求項8】
A)ガラス又は下塗りしていない塗装された基体のいずれかに、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤を適用すること、
B)ガラスと下塗りしていない塗装された基体とを、接着剤が、塗装された基体とガラスとの間に配置されるようにして接触させること及び
C)接着剤を硬化させて、ガラスを塗装された基体に接着させること
を含んでなる、プライマーを使用することなく、塗装された基体上へガラスを接着する方法。

【公開番号】特開2011−137177(P2011−137177A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71981(P2011−71981)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【分割の表示】特願2003−574755(P2003−574755)の分割
【原出願日】平成15年3月3日(2003.3.3)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】