説明

シリンジ用容器アダプター

【課題】自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器に着脱可能に取りつけられると共に、入脱可能に多数個のシリンジを保持して、容器の自転運動と公転運動に追従してシリンジに撹拌又は脱泡撹拌を与える容器アダプターであって、容器の形状、大きさ、シリンジの形状、大きさ等に即応して、簡単容易かつ精度よく短時間に製作することができるようにした改良されたシリンジ用容器アダプターを提供する。
【解決手段】自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内にシリンジ20を入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、容器10内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体30Aからなり、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31Aと、前記成形体30Aを容器10から引き上げる器具50Aを挿入できるようにした挿入孔35Aとを備えているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶剤等の充填されたシリンジを、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に、保持できるようにした改良された容器アダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置は、特開平6−71110号公報、特開平7−289873号公報等に示されるように、種々の装置が出現してきたが、溶剤等の充填された多数個のシリンジを前記装置の容器内に保持する容器アダプターは、一例として特開2002−316031号公報の図1,図2及び図4に示されるように、多数個のシリンジ20を、容器30の内底に嵌入させた円板状基台3の中央に立設した柱体4の上下方向に設けられた円板状の第1保持体5及び6からなるアダプター本体1の第1保持体5の貫通孔9a、第1保持体6の貫通孔9b及び基台3の貫通孔7aに入脱可能に挿入して固定できるようしたもので行われていたが、構造が複雑な上に、切削工作のため、製作精度が大きく要求され、また、長時間の製作時間が必要で、高価につく欠点があった。その上、シリンジは、用途によって極めて多種類の形状、大きさがあり、これらと各種の容器との組合せに対応するためには、多種類の容器アダプターを機械加工して製作する必要があり、このため、今後のシリンジの需要増加に能率よく対応できない問題点があった。
【特許文献1】特開2002−316031号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器に着脱可能に取りつけられると共に、入脱可能に多数個のシリンジを保持して、容器の自転運動と公転運動に追従してシリンジに撹拌又は脱泡撹拌を与える容器アダプターを、容器の形状、大きさ、シリンジの形状、大きさ等に即応して、簡単容易かつ精度よく短時間に製作することができるようにした、改良された容器アダプターを提供するものである。
また、本発明は、多数のシリンジを嵌入したまま迅速に容器から引き上げることができるようにした改良された容器アダプターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明容器アダプターは、上記課題を達成するため、図1乃至図5に示すように、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内にシリンジ20を入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器10内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体30からなり、前記成形体30にシリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31を設けているものである。
また、本発明容器アダプターは、上記課題を達成するため、図6乃至図11及び図12乃至図15に示すように、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内にシリンジ20を入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器10内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体30A又は30Bからなり、前記成形体30A又は30Bにシリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31A又は31Bと、前記容器10から前記成形体30A又は30Bを引き上げる器具40A2、50A、50B1又は50B2を使用できるようにした挿入孔35A又は35Bとを備えているものである。
また、本発明容器アダプターは、上記課題を達成するため、図11に示すように、前記容器10から前記成形体30A又は30Bを引き上げるために使用する器具が、差込板51Aとこれに固着した差込棒52Aを備えた引上げ棒50Aからなるものである。
また、本発明容器アダプターは、上記課題を達成するため、図10に示すように、前記容器10から前記成形体30A又は30Bを引き上げるために使用する器具が、前記容器10の内底11に敷設できるようにした穴あき円板40A2と前記引上げ棒50Aとからなるものである。
さらに、本発明容器アダプターは、上記課題を達成するため、図12乃至図15に示すように、前記容器10から前記成形体30Bを引き上げるために使用する器具が、前記容器10の内底11に着脱可能に敷設できるようにした円板51B1又は51B2と、前記円板51B1又は51B2の中央に立設すると共に、前記挿入孔35Bに入脱可能に嵌入できるようにした円筒体52B1又は丸棒52B2とを備えたフランジ状ホルダ50B1又は50B2からなるものである。
本発明において、ゴム・合成樹脂成形体30、30A又は30Bは、いわゆるRTVシリコーンゴム(室温加硫型シリコーンゴム)やウレタン樹脂等の公知の2液常温硬化型のゴム・合成樹脂の主剤と硬化剤とを注入して硬化成形させるもので、硬質、半硬質乃至弾性質又は軟質の成形体を得ることができる。2液常温硬化型のゴム・合成樹脂の注型には、容器10のほか容器10と同形型材やシリンジ孔31、31A又は31B、挿入孔35A又は35Bを形成する同形型材も使用できる。2液常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化により成形体は僅かに収縮し孔径は僅かに拡大するので、容器10に嵌入した成形体30、30A又は30Bは容器10に対し着脱可能になり、また、成形体30、30A又は30Bの孔部31、31A又は31Bに嵌入したシリンジ20は、成形体30、30A又は30Bの孔部31、31A又は31Bに対し入脱可能になる。
前記シリンジ孔31は、図3に示すように、容器10の内底11に剥離可能に縁部23を介して立設したシリンジ20の筒部22まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
また、前記シリンジ孔31、31A又は31Bは、図4、図9、図10、図14又は図15に示すように、容器10の内底11に入脱可能に嵌入された円板40、40A1又は40A2又はフランジ状ホルダ50B1又は50B2の円板51B1又は51B2上に、剥離可能に縁部23を介して立設したシリンジ20の筒部22まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
前記挿入孔35Aは、図8に示すように、容器10の内底11に剥離可能に立設した棒型60A1まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
また、前記挿入孔35Aは、図9に示すように、前記円板40A1の中央に剥離可能に立設した棒型60A2まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
また、前記挿入孔35Aは、図10に示すように、中心孔410A2を設けた円板40A2の中心孔410A2を通じ、容器10の内底11に剥離可能に立設した棒型61A3まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
さらに、前記挿入孔35A又は35Bは、図14又は図15に示すように、前記円板51B1又は51B2の中央に固着して立設した棒体である円筒体52B1又は円柱体52B2まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂により形成されるものである。
なお、ゴム・合成樹脂成形体30、30A又は30Bの成形、シリンジ孔31、31A又は31Bの成形、挿入孔35A又は35Bの成形などには、容器内底11及び内壁12、円板40A1又は40A2、フランジ状ホルダ50B1又は50B2、棒型60A1又は60A2などにシリコーンゴム樹脂系、弗素樹脂系、ワックス系、カリ石鹸系などの公知の剥離剤を塗布又は吹付けることが好ましい。
フランジ状ホルダ50B1又は50B2の円筒体、円柱体などの棒体52B1又は52B2及び引上げ棒50Aは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内に着脱可能に嵌入するゴム・合成樹脂成形体30、30A又は30Bを前記容器10から引き上げるために使用するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の容器アダプターは、公知の常温硬化の2液混合型ゴム・合成樹脂を使用し、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器又はその型に注入するだけで、形状、大きさ等の異なる多種類の容器及びシリンジに対し、簡単、容易かつ短時間に精度のよい容器アダプターが安価に製作できる。
また、本発明の容器アダプターは、撹拌又は脱泡撹拌を必要とする物質の充填された多数個のシリンジを何回も入脱して使用でき、多量処理に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の容器アダプターは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に着脱可能に嵌入でき、多数個のシリンジを入脱可能に保持できるものである。
【実施例1】
【0007】
本発明の実施例1が図1乃至図5に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30からなっている。
ゴム・合成樹脂成形体30は、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に敷設できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体の円柱状のもので、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31を一定間隔で4個設けている。
ゴム・合成樹脂成形体30は、図3に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって得られる。
すなわち、容器10の内底11に縁部23を介して立設した空シリンジ20を4個配置して剥離可能に固着したのち、シリンジ20の筒部22の所定高さ34まで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して硬化させて成形体30をつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を、筒部22の回転により容器10の内底11から剥離して成形体30を、シリンジ20の筒部22を持って引き上げたのち、シリンジ20を抜いて、図2に示すように、再び成形体30の底面33を容器10の内底11上に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器10と共に、撹拌又は脱泡撹拌したのち、図4に示すように、1個又は2個のシリンジ20の縁部23を手づかみして、成形体30を容器10から引き上げることができる。また、各シリンジ20は、縁部23を手でつかんで成形体30のシリンジ孔31から引き上げることができる。
また、ゴム・合成樹脂成形体30は、図5に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって成形体が得られる。
すなわち、容器10の内底11に着脱可能に敷設できるようにした合成樹脂製又は金属製円板40上に縁部23を介して立設した空シリンジ20を4個配置して剥離可能に固着したのち、この円板40を容器の内底11に載置し、シリンジ20の筒部22の所定高さ34まで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30をつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板51に載置したままの成形体30をシリンジ20の筒部22を手づかみして引き上げ、シリンジ20の筒部22を回転させて、シリンジ20及び円板40を除去したのち、図2に示すように、成形体30を容器10の内底11に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、図4に示すように、成形体30は、1個又は2個のシリンジ20の縁部23を手づかみし、容器10から引き上げることができる。また、各シリンジ20は、成形体30のシリンジ孔31から各シリンジ20の縁部23を手でつかんで引き上げることができる。
【実施例2】
【0008】
本発明の実施例2が図6乃至図11に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30Aからなり、引上げ棒50Aを備えている。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に敷設できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体の円柱体状のものであって、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に嵌入できるようにしたシリンジ孔31Aを一定間隔で8個設け、また、中央部に引上げ棒50Aを挿入できる挿入孔35Aを設けている。
引上げ棒50Aは、図11に示すように、挿入孔35Aを介して成形体30Aの底面33Aに差し込めるようにした差込み板51Aとこれに固着した差込棒52Aからなる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、図8に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって得られる。
すなわち、容器10の内底11に空シリンジ20を8個と挿入孔35Aに相当する円柱型60A1を1個、剥離可能に立設して固着したのち、シリンジ20の筒部22の所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、空シリンジ20と円柱型60A1をそれぞれ回転させて容器10の内底11から剥離し、円柱型60A1を引き上げて除去したのち、引上げ棒50Aを挿入孔35Aに挿入して差込板51Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで棒体52Aを介して成形体30Aを引き上げて、これから各空シリンジ20を除去したのち、図7に示すように、成形体30Aの底面33Aを容器10の内底11に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aを前回同様に成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10からに引き上げることができ、また、各シリンジ20は手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、図9に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって成形体が得られる。
すなわち、容器10の内底11に着脱可能に敷設できるようにした円板40A1上に、空シリンジ20を8個と挿入孔35Aに相当する円柱型60A2を剥離可能に立設して固着したのち、この円板40A1を容器10の内底11に載置し、シリンジ20の筒部22の所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、円柱型60A2を回転させて円板40A1から剥離し、円柱型60A2を引き上げて除去したのち、引上げ棒50Aを挿入孔35Aに挿入して差込板51Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを引き上げて、これから各シリンジ20と円板40A1を除去したのち、図7に示すように、成形体30Aを容器10の内底11に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aを前回同様に成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10から引き上げることができ、また、各シリンジ20は手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、図10に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって成形体が得られる。
すなわち、円板40A1と同様な円板40A2に挿入孔35Aと同径の中心孔410A2を設けて、容器10の内底11に着脱可能に嵌入できるようにした円板40A2上に、空シリンジ20を8個剥離可能に立設して固着したのち、円板40A2を容器10の内底11に載置し、中心孔410A2を通じ容器10の内底11に挿入孔35Aに相当する円柱型61A3を剥離可能に立設して固着し、シリンジ20の筒部22の所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板51A上に載置したままの成形体30Aから円柱型61Aを回転して剥離して引き抜き、挿入孔35Aに引上げ棒50Aを挿入して差込板51Aを円板40A2の底面42A2に差し込んで差込棒52Aを介して円板40A2と成形体30Aを引き上げて、これからシリンジ20と円板40A2を除去したのち、図7に示すように、成形体30Aを容器10の内底11に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10から引き上げることができ、また、各シリンジ20は手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
【実施例3】
【0009】
本発明の実施例3が図12乃至図15に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30Bからなり、フランジ状ホルダ50B1又は50B2を備えている。
フランジ状ホルダ50B1は、成形体30Bを容器10の内底11から引き上げるため、円板51B1と円板51B1の中央孔510B1のまわりに設けたパイプ52B1とからなる。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に敷設したフランジ状ホルダ50B1の円板51B1上に載置された円柱状成形体であって、シリンジ20のシリンジ20の筒部22を入脱可能に嵌入できるようにしたシリンジ孔31Bを一定間隔で8個設け、また、中央部にフランジ状ホルダ50B1のパイプ52B1を入脱可能に嵌入する挿入孔35Bを設けている。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、図14に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって成形体が得られる。
すなわち、ホルダ50B1の円板51B1上に縁部23を載置できるように立設した空シリンジ20を8個剥離可能に配置して固着したのち、容器10の内底11に円板51B1を載置し、シリンジ20の筒部22の所定高さ34Bまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Bをつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板51B1に載置したままの成形体30Bをパイプ52B1を介して引き上げて、各シリンジ20を円板51B1から抜いて除去したのち、再び成形体30Bの底面33Bを円板51B1上にパイプ52B1を介して載置してから、図13に示すように、円板51B1を容器10の内底11に載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能に嵌入し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、容器10から引き上げる。容器10から成形体30を引き上げるには、パイプ52先をつかんで引上げればよく、また、各シリンジ20は手でつかんで成形体30Bのシリンジ孔31Bから引き上げることができる。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、図15に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化によって成形体が得られる。
すなわち、丸棒52B2を中央に固着した円板51B2上に縁部23を介して立設した空シリンジ20を8個剥離可能に配置して固着したのち、容器10の内底11に円板51B2を載置し、シリンジ20の筒部22の所定高さ34Bまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Bをつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板51Bに載置したままの成形体30Bを丸棒52B2を介して引き上げてシリンジ20を抜いたのち、成形体30Bを円板51B2上にパイプ52Bを介して載置し、溶剤等を充填したシリンジ20を先端部21から筒部22にかけて入脱可能にシリンジ孔31Bに嵌入し、シリンジ20を容器と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、容器10から引き上げる。容器10から成形体30を引き上げるには、丸棒52B2先をつかんで引上げればよく、また、シリンジ20は手でつかんで成形体30Bのシリンジ孔31Bから引き上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
容器アダプターは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に、着脱可能に保持されて、接着剤用、半導体ペースト用、医薬用、化粧用等のシリンジの撹拌又は脱泡撹拌に使用され、今後産業界で多用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明実施例の斜視図である。
【図2】図1の使用状態を示す説明図である。
【図3】図1のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図4】図2のゴム・合成樹脂成形体の容器からの引き上げ例を示す説明図である。
【図5】図1のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図7】図6の使用状態を示す説明図である。
【図8】図6のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図9】図6のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【図10】図6のゴム・合成樹脂成形体のさらに別のつくり方の説明図である。
【図11】引上げ棒の斜視図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例を示す平面図である。
【図13】図12のX−X線断面の説明図である。
【図14】図12のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図15】図12のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【符号の説明】
【0012】
10 容器
11 容器の内底面
12 容器の内壁
20 シリンジ
21 シリンジ先端部
22 シリンジ筒部
30、30A、30B ゴム・合成樹脂成形体
31、31A、31B シリンジ孔
32、32A、32B ゴム・合成樹脂成形体側面
33、33A、33B ゴム・合成樹脂成形体底面
34、34A、34B ゴム・合成樹脂成形体上面
35A、35B 挿入孔
40A1、40A2 円板
50A 引上げ棒
51A 引上げ棒の差込板
50B1、50B2 フランジ状ホルダ
51B1、51B2 ホルダの円板
52B1、52B2 ホルダの棒体(パイプ、丸棒等)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶剤等の充填されたシリンジを、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に、入脱可能に保持できるようにした改良されたシリンジ用の容器アダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置は、特開平6−71110号公報、特開平7−289873号公報等に示されるよう装置が出現してきたが、溶剤等の充填された多数個のシリンジを前記装置の容器内に入脱可能に保持する容器アダプターは特開2002−316031号公報の図1,図2及び図4に示されるように、多数個のシリンジ20を、容器30の内底に嵌入させた円板状基台3の中央に立設した柱体4の上下方向に設けられた円板状の第1保持体5及び6からなるアダプター本体1の第1保持体5の貫通孔9a、第1保持体6の貫通孔9b及び基台3の貫通孔7aに入脱可能に挿入して固定できるようしたもので行われていたが、構造が複雑な上に、切削工作が必要なため、製作精度が大きく要求され、また、長時間の製作時間が必要で、高価につく欠点があった。その上、シリンジは、用途によって極めて多種類の形状、大きさがあり、これらと各種の容器との組合せやシリンジ本数と容器の組合せに対応するためには、多種類のシリンジ用の容器アダプターを機械加工して製作する必要があり、このため、今後のシリンジの需要増加に能率よく対応できない問題点があった。
【特許文献1】特開2002−316031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器に着脱可能に取りつけられると共に、入脱可能に多数個のシリンジを保持して、容器の自転運動と公転運動に追従してシリンジに撹拌又は脱泡撹拌を与える容器アダプターを、容器の形状、大きさ、シリンジの形状、大きさ、本数等に即応して、簡単容易かつ精度よく短時間に製作することができるようにした、改良されたシリンジ用の容器アダプターを提供するものである。
また、本発明は、多数のシリンジを入脱可能に保持したまま迅速に容器に着脱可能にすることができるようにした改良されたシリンジ用の容器アダプターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明シリンジ用容器アダプターは、上記課題を達成するため、図1乃至図5に示すように、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内にシリンジ20を入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器10内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体30からなり、前記成形体30にシリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31を設けているものである。
また、本発明シリンジ用容器アダプターは、上記課題を達成するため、図6乃至図11及び図12乃至図15に示すように、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10内にシリンジ20を入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器10内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体30A又は30Bからなり、前記成形体30A又は30Bにシリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31A又は31Bと、前記容器10から前記成形体30A又は30Bを引き上げる器具50A、50B1又は50B2を使用できるようにした挿入孔35A又は35Bとを設けているものである。
また、本発明シリンジ用容器アダプターは、上記課題を達成するため、図11に示すように、前記容器10から前記成形体30A又は30Bを引き上げるために使用する器具が、前記成形体30A又は30Bの底面33A、33B又は前記成形体30Aの底面33Aを載置した穴あき円板40A2の底面42A2に前記挿入孔35A又は35Bから差し込めることができるようにした差込板51Aとこれに固着し前記挿入孔35A又は35Bを介して挿入できるようにした差込棒52Aを備えた引上げ棒50Aからなるものである。
さらに、本発明シリンジ用容器アダプターは、上記課題を達成するため、図12乃至図15に示すように、前記容器10から前記成形体30Bを引き上げるために使用する器具が、前記容器10の内底11に着脱可能に載置できるようにした円板51B1又は51B2と、前記円板51B1又は51B立設して固着すると共に、前記挿入孔35Bに入脱可能に嵌入できるようにした棒体52B1又は52B2とを備えたフランジ状ホルダ50B1又は50B2からなるものである。
本発明において、ゴム・合成樹脂成形体30、30A又は30Bは、いわゆるRTVシリコーンゴム(室温加硫型シリコーンゴム)やウレタン樹脂等の公知の2液常温硬化型のゴム・合成樹脂の主剤と硬化剤とを主成分としたものを注入して硬化成形させるもので、硬質、半硬質乃至弾性質又は軟質の成形体を得ることができる。
2液常温硬化型のゴム・合成樹脂の注入硬化により成形体は僅かに収縮し孔径は僅かに拡大するので、容器10に嵌入した成形体30、30A又は30Bは容器10に対し着脱可能になり、また、成形体30、30A又は30Bのシリンジ孔31、31A又は31Bに嵌入したシリンジ20は、成形体30、30A又は30Bのシリンジ孔31、31A又は31Bに対し入脱可能になる。
前記シリンジ孔31は、図3に示すように、容器10の内底11に剥離可能に縁部23を介して立設したシリンジ(同形型材を含む、以下同じ)20の筒部22まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
また、前記シリンジ孔31、31A又は31Bは、図5、図9、図10、図14又は図15に示すように、容器10の内底11に入脱可能に嵌入して載置された円板40、40A1又は40A2又はフランジ状ホルダ50B1又は50B2の円板51B1又は51B2上に、剥離可能に縁部23を介して立設したシリンジ20の筒部22まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
前記挿入孔35Aは、図8に示すように、容器10の内底11に剥離可能に立設した棒型60A1まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
また、前記挿入孔35Aは、図9に示すように、前記円板40A1の中央に剥離可能に立設した棒型60A2まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
また、前記挿入孔35Aは、図10に示すように、中心孔410A2を設けた円板40A2の中心孔410A2を通じ、容器10の内底11に剥離可能に立設した棒型A3まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
さらに、前記挿入孔35Bは、図14又は図15に示すように、前記円板51B1又は51B2の中央に固着して立設した棒体であるパイプ52B1又は丸棒52B2まわりに注入した前記ゴム・合成樹脂の硬化成形により形成されるものである。
なお、ゴム・合成樹脂成形体30、30A又は30Bの成形、シリンジ孔31、31A又は31Bの成形、挿入孔35A又は35Bの成形などには、容器内底11及び内壁12、空シリンジ20、円板40、40A1又は40A2、フランジ状ホルダ50B1又は50B2、棒型60A1又は60A2などにシリコーン樹脂系、弗素樹脂系、ワックス系、カリ石鹸系などの公知の剥離剤を塗布又は吹付けることが好ましい。
【発明の効果】
【0005】
本発明のシリンジ用容器アダプターは、公知の常温硬化の2液混合型ゴム・合成樹脂を使用し、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器又はその型に注入して硬化成形するだけで、形状、大きさ等の異なる多種類の容器及びシリンジに即応、簡単、容易かつ短時間に精度のよい容器アダプターが安価に製作できる。
また、本発明のシリンジ用容器アダプターは、撹拌又は脱泡撹拌を必要とする物質の充填された多数個のシリンジを何回も入脱して使用でき、多量処理に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のシリンジ用容器アダプターは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に着脱可能に嵌入でき、多数個のシリンジを入脱可能に保持できるものである。
【実施例1】
【0007】
本発明の実施例1が図1乃至図5に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30からなっている。
ゴム・合成樹脂成形体30は、図1及び図2に示すように、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に載置できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体の円柱状のもので、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔31を一定間隔で4個設けている。
ゴム・合成樹脂成形体30は、図3に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化成形させることによって得られる。
詳述すると、容器10の内底11に縁部23を介して空シリンジ20を4個、一定間隔で立設して剥離可能に固着したのち、シリンジ20の筒部22が立設できる所定高さ34まで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して硬化させて成形体30をつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を、筒部22の回転により容器10の内底11から剥離して成形体30を、シリンジ20の筒部22を手で持って容器10から引き上げたのち、シリンジ20を除去する。次に図2に示すように、溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至4個を成形体30のシリンジ孔31に先端部21から筒部22に向けて入脱可能に嵌入したのち、成形体30の底面33を容器10の内底11上に載置し、シリンジ20を容器10と共に、撹拌又は脱泡撹拌したのち、図4に示すように、1個又は2個のシリンジ20の縁部23又は筒部22を手づかみして、成形体30を容器10から引き上げることができる。また、各シリンジ20は、縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30のシリンジ孔31から引き上げることができる。
また、ゴム・合成樹脂成形体30は、図5に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化成形させることによって成形体が得られる。
詳述すると、容器10の内底11に着脱可能に載置できるようにした合成樹脂製又は金属製円板40上に縁部23を介して空シリンジ20を4個一定間隔に配置して剥離可能に固着したのち、この円板40を容器10の内底11に載置し、シリンジ20の筒部22が立設できる所定高さ34まで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30をつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板40上に載置したままの成形体30をシリンジ20の筒部22を手づかみして引き上げ、成形体30から空シリンジ20及び円板40を除去したのち、図2に示すように、溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至4個を成形体30のシリンジ孔31に先端部21から筒部22に向けて入脱可能に嵌入し、成形体30を容器10の内底11に載置し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、図4に示すように、成形体30、1個又は2個のシリンジ20の縁部23又は筒部22を手づかみし、成形体30を容器10から引き上げることができる。また、各シリンジ20は、成形体30のシリンジ孔31から各シリンジ20の縁部23又は筒部22を手でつかんで引き上げることができる。
【実施例2】
【0008】
本発明の実施例2が図6乃至図11に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30Aからなり、引上げ棒50Aを備えている。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に載置できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体の円柱体状のものであって、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に嵌入できるようにしたシリンジ孔31Aを一定間隔で8個設け、また、中央部に図11に示すような引上げ棒50Aを挿入できる挿入孔35Aを設けている。
引上げ棒50Aは、図11に示すように、挿入孔35Aを介して成形体30Aの底面33Aに差し込めるようにした差込み板51Aとこれに固着した差込棒52Aからなる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、図8に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化させることによって得られる。
詳述すると、容器10の内底11に空シリンジ20を縁部23を介して8個を一定間隔で立設して剥離可能に固着すると共に、挿入孔35Aに相当する円柱型60A1を1個、中央部に立設して剥離可能に固着したのち、シリンジ20の筒部22が立設できる所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、硬化成形された成形体30Aから空シリンジ20と円柱型60A1をそれぞれ回転させて容器10の内底11から剥離し、円柱型60A1を成形体30Aから引き上げて除去したのち、引上げ棒50Aを挿入孔35Aに挿入して差込板51Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを引き上げて、各空シリンジ20を除去する。なお、実施例1の図3に示したように、成形体30Aは、空シリンジ20の筒部22を手で持って容器10から引き上げたのち、各空シリンジ20を除去することもできる。次いで、図7に示すように、成形体30Aのシリンジ孔31Aに、それぞれ溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至8個を先端部21から筒部22に向けて入脱可能に嵌入し、成形体30Aの底面33Aを容器10の内底11に載置し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aの差込板51Aを前回同様に成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10からに引き上げることができ、また、各シリンジ20は縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、また、図9に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化させることによって成形体が得られる。
詳述すると、容器10の内底11に着脱可能に載置できるようにした円板40A1上に、空シリンジ20を縁部23を介して8個を一定間隔で立設して剥離可能に固着すると共に、挿入孔35Aに相当する円柱型60A2を中央部に立設して剥離可能に固着したのち、この円板40A1を容器10の内底11に載置し、シリンジ20の筒部22が立設できる所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、硬化成形した成形体30Aから円柱型60A2を回転させて円板40A1から剥離し、円柱型60A2を成形体30Aから引き上げて除去したのち、引上げ棒50Aを挿入孔35Aに挿入して差込板51Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを引き上げて、これから各シリンジ20と円板40A1を除去する。なお、実施例1の図3に示したように、成形体30Aは、空シリンジ20の筒部22を手で持って容器10から引き上げたのち、各空シリンジ20と円板40A1を除去することもできる。この場合、円柱型材60A2は、予め成形体30Aから引き上げて除去する必要はなく、成形体30Aを引き上げたのち、空シリンジ20と円柱型材60A2と円板40A1を除去すればよい。次に、図7に示すように、成形体30Aのシリンジ孔31Aに、それぞれ溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至8個を先端部21から筒部22にけて入脱可能に嵌入し、成形体30Aの底面33Aを容器10の内底11に載置し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aの差込板51Aを前回同様に成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10から引き上げることができ、また、各シリンジ20は縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
ゴム・合成樹脂成形体30Aは、さらに、図10に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化させることによって成形体が得られる。
詳述すると、円板40A1と同様な円板40A2であって、挿入孔35Aと同径の中心孔410A2を設けて、容器10の内底11に着脱可能に嵌入できるようにした円板40A2上に、空シリンジ20を縁部23を介して8個一定間隔に立設して剥離可能に固着したのち、円板40A2を容器10の内底11に載置し、中心孔410A2を通じ容器10の内底11に挿入孔35Aに相当する円柱型材60A3を立設して剥離可能に固着し、シリンジ20の筒部22が立設できる所定高さ34Aまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Aをつくるものである。
次に、硬化成形した成形体30Aからシリンジ20の縁部23を円板40A2上に載置したままの成形体30Aから円柱型材60A3を回転して容器10の内底11から剥離して引き抜き、挿入孔35Aに引上げ棒50Aを挿入して差込板51Aを円板40A2の底面42A2に差し込んで差込棒52Aを介して円板40A2と成形体30Aを引き上げて、これからシリンジ20と円板40A2を除去する。なお、実施例1の図3に示したように、成形体30Aは、空シリンジ20の筒部22を手で持って容器10の内底11から引き上げたのち、各空シリンジ20及び円板40A2を除去することもできる。次いで、図7に示すように、成形体30Aのシリンジ孔31Aに、それぞれ溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至8個を先端部21から筒部22に向けて入脱可能に嵌入し、成形体30Aの底面33Aを容器10の内底11に載置し、それぞれのシリンジ20を容器と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Aの挿入孔35Aに挿入した引上げ棒50Aの差込板51Aを成形体30Aの底面33Aに差し込んで差込棒52Aを介して成形体30Aを容器10から引き上げることができ、また、各シリンジ20は縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30Aのシリンジ孔31Aから引き上げることができる。
【実施例3】
【0009】
本発明の実施例3が図12乃至図15に示されている。本発明例のシリンジ用容器アダプターは、ゴム・合成樹脂成形体30Bからなり、フランジ状ホルダ50B1又は50B2を備えている。
フランジ状ホルダ50B1は、成形体30Bの成形、又は、成形体30Bを容器10の内底11から引き上げるため、円板51B1と円板51B1の中央孔510B1のまわりに設けた棒体のパイプ52B1とからなる。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器10の底面11に着脱可能に載置できるようにした管フランジ状ホルダ50B1の円板51B1上に載置できるようにした円柱状成形体であって、シリンジ20の筒部22を立設して入脱可能に嵌入できるようにしたシリンジ孔31Bを一定間隔で8個設け、また、中央部にフランジ状ホルダ50B1のパイプ52B1を入脱可能に嵌入する挿入孔35Bを設けている。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、図14に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化させることによって成形体が得られる。
詳述すると、ホルダ50B1の円板51B1上に縁部23を介して立設した空シリンジ20を8個を一定間隔に配置して剥離可能に固着したのち、容器10の内底11にホルダ50B1の円板51B1を載置し、シリンジ20の筒部22を立設できる所定高さ34Bまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Bをつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23を円板51B1に剥離可能に固着したままの成形体30Bをホルダ50B1と共にパイプ52B1を介して容器10の内底11から引き上げて、各シリンジ20除去したのち、再び成形体30Bの底面33Bを円板51B1上にパイプ52B1を介して載置し、成形体30Bのシリンジ孔31Bに、それぞれ溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至8個を先端部21から筒部22にけて入脱可能に嵌入し、成形体30Bをパイプ52B1に嵌入して円板51B1に載置したホルダ50B1を容器10の内底11に載置し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Bをパイプ52B1先をつかんでホルダ50B1と共に容器10から引き上げる。各シリンジ20は縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30Bのシリンジ孔31Bから引き上げる。
ゴム・合成樹脂成形体30Bは、また、図15に示すように、2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を容器10内に注入して硬化させることによって成形体が得られる。
詳述すると、棒体の丸棒52B2を中央に固着した円板51B2からなるホルダ50B2の円板51B2上に縁部23を介して立設した空シリンジ20を8個一定間隔に配置して剥離可能に固着したのち、容器10の内底11にホルダ50B2の円板51B2を載置し、シリンジ20の筒部22を立設できる所定高さ34Bまで2液混合常温硬化型のゴム・合成樹脂を注入して成形体30Bをつくるものである。
次に、シリンジ20の縁部23をホルダ50B2の円板51B2に剥離可能に固着したままの成形体30Bを丸棒52B2を介して容器10の内底11から引き上げて、空シリンジ20を除いたのち、成形体30Bを円板51B2上に丸棒52Bを介して載置し、成形体30Bのシリンジ孔31Bに、それぞれ溶剤等を充填したシリンジ20の1個乃至8個を先端部21から筒部22にけて入脱可能に嵌入し、ホルダ50B2の円板51B2を成形体30Bと共に容器10の内底11に載置し、シリンジ20を容器10と共に撹拌又は脱泡撹拌したのち、成形体30Bを丸棒52B2先をつかんでホルダ50B2と共に容器10から引き上げる。各シリンジ20は縁部23又は筒部22を手でつかんで成形体30Bのシリンジ孔31Bから引き上げる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
シリンジ用容器アダプターは、自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内に、着脱可能に保持されて、接着剤用、半導体ペースト用、医薬用、化粧用等のシリンジの撹拌又は脱泡撹拌に使用され、今後産業界で多用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明実施例の斜視図である。
【図2】図1の使用状態を示す説明図である。
【図3】図1のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図4】図2のゴム・合成樹脂成形体容器か引き上げる一例を示した説明図である。
【図5】図1のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図7】図6の使用状態を示す説明図である。
【図8】図6のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図9】図6のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【図10】図6のゴム・合成樹脂成形体のさらに別のつくり方の説明図である。
【図11】引上げ棒の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例を示す平面図である。
【図13】図12のX−X線断面の説明図である。
【図14】図12のゴム・合成樹脂成形体のつくり方の説明図である。
【図15】図12のゴム・合成樹脂成形体の別のつくり方の説明図である。
【符号の説明】
【0012】
10 容器
11 容器の内底面
12 容器の内壁
20 シリンジ
21 シリンジ先端部
22 シリンジ筒部
23 シリンジ縁部
30、30A、30B ゴム・合成樹脂成形体
31、31A、31B シリンジ孔
32、32A、32B ゴム・合成樹脂成形体側面
33、33A、33B ゴム・合成樹脂成形体底面
34、34A、34B ゴム・合成樹脂成形体上面
35A、35B 挿入孔
40、40A1、40A2 円板
50A 引上げ棒
51A 引上げ棒の差込板
52A 引上げ棒の差込棒
50B1、50B2 フランジ状ホルダ
51B1、51B2 ホルダの円板
52B1、52B2 ホルダの棒体(パイプ、丸棒等)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内にシリンジを入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体からなり、前記成形体にシリンジ筒部を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔を設けていることを特徴とする容器アダプター。
【請求項2】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内にシリンジを入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体からなり、前記成形体にシリンジ筒部を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔と、前記容器から前記成形体を引き上げる器具を使用できるようにした挿入孔とを設けていることを特徴とする容器アダプター。
【請求項3】
前記容器から前記成形体を引き上げるために使用する器具が、差込板とこれに固着した差込棒を備えた引上げ棒からなることを特徴とする請求項2記載の容器アダプター。
【請求項4】
前記容器から前記成形体を引き上げるために使用する器具が、前記容器の内底に敷設できるようにした穴あき円板と前記引上げ棒とからなることを特徴とする請求項2記載の容器アダプター。
【請求項5】
前記容器から前記成形体を引き上げるために使用する器具が、前記容器の内底に敷設できるようにした円板と、前記円板の中央に立設して、前記挿入孔に入脱可能に嵌入できるようにした棒体とを備えたフランジ状ホルダからなることを特徴とする請求項2記載の容器アダプター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内にシリンジを入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体からなり、前記成形体にシリンジ筒部を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔を設けていることを特徴とするシリンジ用容器アダプター。
【請求項2】
自転及び公転方式の撹拌又は脱泡撹拌装置の容器内にシリンジを入脱可能に保持できるようにした容器アダプターであって、前記容器内に着脱可能に嵌入できるようにした2液混合常温硬化形のゴム・合成樹脂成形体からなり、前記成形体にシリンジ筒部を立設して入脱可能に固定できるようにしたシリンジ孔と、前記容器から前記成形体を引き上げる器具を使用できるようにした挿入孔とを設けていることを特徴とするシリンジ用容器アダプター。
【請求項3】
前記容器から前記成形体を引き上げるために使用する器具が、前記成形体の底面又は前記成形体の底面を載置した穴あき円板の底面に前記挿入孔から差し込めることができるようにした差込板とこれに固着し前記挿入孔を介して挿入できるようにした差込棒を備えた引上げ棒からなることを特徴とする請求項2記載のシリンジ用容器アダプター。
【請求項4】
前記容器から前記成形体を引き上げるために使用する器具が、前記容器の内底に載置できるようにした円板と、前記円板に立設して固着し、前記挿入孔に入脱可能に嵌入できるようにした棒体とを備えた管フランジ状ホルダからなることを特徴とする請求項2記載のシリンジ用容器アダプター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−95403(P2006−95403A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283321(P2004−283321)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【特許番号】特許第3684512号(P3684512)
【特許公報発行日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(391042232)ワタナベ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】