説明

シリンジ装置、シリンジ装置部品、および部品およびシリンジ装置の形成方法

シリンジ装置は、シリンジバレルと、バイアルポートから延在する流体通路を有するピストンとを含む。別のシリンジ装置は、シリンジバレル、ピストンスリーブ、およびインサートを含む。チャネルは、インサートの側面に沿って延在する。バルブは、チャネルとシリンジバレル間の流体連通を制御する。別のシリンジ装置は、シリンジバレル、ピストンスリーブ、およびインサートを有する。バルブは、インサート内のコンパートメントとシリンジバレル間の流体連通を制御する。薬剤の調剤方法は、シリンジバレル内の成分とピストンインサートのコンパートメント内の別の成分とを提供することを含む。シールは、インサートの先端とピストンスリーブの端部上に被せ成形される。スリーブはインサートに対して回転され、コンパートメントとバレルチャンバ間の流体連通を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シリンジ装置、シリンジピストン構造、薬剤調剤システム、および薬剤を調剤する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬または薬剤の調剤および上記薬剤の個人への投与には、2つまたはそれ以上の成分を混合して薬剤を形成することと、その後で個人に混合薬を送達することとを含む場合が多い。成分の混合は、バイアルまたはその他の容器から液状の1つの成分を抽出し、上記成分を他の成分を保持する別の容器に移すことを通常含むことができる。具体的な例では、バイアルまたは容器の中身の一部のみが、投与前に混合物を調剤するために使用される。したがって、抽出と移送は、混合される1つまたはそれ以上の成分の正確な測定を含むことができる。
【0003】
薬を混合する、および/または個人に薬を投与する従来の方法および装置を利用する際、様々な問題が発生することがある。たとえば、複数の成分が混合される場合、1成分の抽出と移送と、該成分の別の成分への導入は、成分の一方または両方を未消毒または汚染環境にさらし、結果としてできる薬剤を汚染させる可能性がある。さらに、1つまたはそれ以上の成分の不十分な抽出または不適切な測定は、不適切な投与量の調剤および/または投与を招く可能性がある。具体的な例では、いったん薬剤が混合されれば、混合物は個人への投与前に、バイアルまたは容器からシリンジへ再度抽出されなければならない。上記追加の移送は、さらなる汚染、中身の不十分な抽出、および/または成分または結果としてできる薬剤の不正確な測定を招く可能性がある。
【0004】
実質上、成分の移送および/または混合、または薬の調剤および移送間に無菌状態を維持するための無菌環境の利用可能性が制限される。薬剤を再構成する誤った希釈剤の使用から、エラーが追加される場合がある。最終的に、複数の成分を使用する薬の調剤は、別個のバイアルおよび/または移送装置などの個別に実装されるアイテムにアクセスする、あるいは薬を形成するのに混合される1つまたはそれ以上の成分を測定する必要性などの要因により、面倒で時間を費やす可能性がある。
【0005】
薬の調剤および投与のための別の方法およびシステムを開発することが望まれるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1側面では、本発明はシリンジ装置を包含する。該装置は、シリンジバレルと、シリンジバレル内に挿入可能な第1の端部を有するピストンとを含む。ピストンの第2の端部は第1の端部に対向し、ピストンは第1の端部と第2の端部間で定められる全体長を有する。バイアルポートはピストン内に配置され、ピストンの全体長に沿って縦方向にバイアルを受け入れるように構成される。流体通路は、ピストンを通って、バイアルポートからピストンの第1の端部を通って延在する。
【0007】
1側面では、本発明は、1つまたはそれ以上の突出部を含むステム部を有するシリンジピストンを包含する。シール部はステム部の上に被せ成形され、1つまたはそれ以上の突出部を覆う。
【0008】
別の側面では、本発明は、シリンジバレル、およびシリンジバレル内に挿入可能な第1の端部と第1の端部に対向する第2の端部とを有するシリンジピストンを有するシリンジ装置を包含する。バイアルハウジングはピストンの第2の端部に結び付けられ、そこから延在する。穿孔構造はピストンの第2の端部に結び付けられ、バイアルハウジングに延在する。
【0009】
1側面では、本発明は、シリンジバレル、ピストンスリーブとスリーブインサートを含むシリンジ装置を包含する。スリーブインサートは、スリーブ内に挿入可能な第1の端部と対向する第2の端部とを有する。スリーブインサートは、第1の端部と第2の端部間の距離によって定められる長さを有する。流体チャネルは、スリーブインサートの外側面に沿って、第1の端部から、スリーブインサートの長さの少なくとも一部延在する。回転バルブは、流体チャネルとシリンジバレル間の流体連通を制御する。
【0010】
1側面では、本発明は、シリンジバレル、およびスリーブ内に挿入可能な第1の端部と対向する第2の端部とを有するスリーブインサートを含むピストンスリーブを備え、スリーブインサートの長さが第1の端部と第2の端部間の距離によって定められるシリンジ装置を包含する。コンパートメントはスリーブインサート内に配置され、バルブはコンパートメントとシリンジバレル間の流体連通を制御する。
【0011】
別の側面では、本発明は薬剤調剤システムを包含する。該システムは、内部チャンバにシリンジバレルを有するシリンジと、第1の端部、第2の端部、およびピストンの縦方向を通過する流体通路を有するピストンとを含み、第1の端部を含むピストンの少なくとも一部はチャンバ内に挿入される。バルブは流体通路に結び付けられ、バルブ本体とバルブ本体上のキャップ被せ成形とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、個人に投与するために薬剤を調剤する方法をさらに包含する。シリンジバレルとシリンジバレルに対して元の位置に配置されるピストンとを有するシリンジが設けられる。ピストンは、ピストンスリーブとスリーブインサートを有する。第1の成分はシリンジバレル内に提供され、第2の成分はバイアル内に提供される。バルブは、バイアルとシリンジのバレル間の流体通路に結び付けられる。バルブは最初、経路を通る流体通過を遮断する閉鎖位置にある。該方法は、バルブを再配置することと、ピストンを摺動させて第1の成分と第2の成分を合流させることを含む。第1および第2の成分が混合されて薬剤を形成し、薬剤がシリンジバレル内に引き込まれる。
【0013】
さらなる側面では、本発明は、第1の成分を含むバレルチャンバを有するシリンジバレルを設けることと、第2の成分を含むコンパートメントを有するピストンを設けることとを含む組成物の調剤方法を備える。ピストンは、ピストンスリーブとスリーブインサートを含む。スリーブインサートは、先端およびピストンスリーブの端部に被せ成形されるシールとともに、先端および本体を有する。シールはそこを通過する少なくとも1つの開口部を有する。該方法は、スリーブインサートに対してピストンスリーブを回転させて、コンパートメントとバレルチャンバ間の流体連通を確立することを含む。ピストンは第1の成分と第2の成分を合流させるように摺動させられ、第1および第2の成分が混合されて組成物を形成する。該組成物はシリンジチャンバ内に引き込まれる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
概して、本発明は、成分を結合し混合して混合物を生成する方法および装置を提供し、上記結合および混合を汚染、または成分または混合薬を未消毒環境にさらすことなしに行うことができる装置構造を包含する。特に、本発明の方法は、薬剤のようなすぐに投与可能な作用物質を生成するために成分を結合および混合することを含み、具体的な側面では、上記物質を個人に投与することを含む。したがって、本発明の装置構造は、結合および混合された成分がすぐに投与可能となるように別々の成分を結合することを可能にする。本発明に係る一般的な概念と装置例を添付の図1〜12に示す。
【0015】
本明細書に記載され例示される装置の構成要素および方法は、2005年9月8日に提出された米国特許第出願第11/238、880号(以降、先行出願とする)に記載の装置および方法と組み合わせて、あるいは代替の構造で使用することができる。したがって、上記先行出願の明細書および図面は、引用により本明細書に組み込む。本発明の概念の多くは、先行出願に記載される、および今後開発される、従来のシリンジ装置およびその構成要素を含む他の装置構造に適合させ利用することができると理解すべきである。
【0016】
本発明に係る装置が薬剤の調剤に使用される場合、装置は好ましくは閉システム混合アセンブリである。本発明に係る混合アセンブリ10の例を図1に示す。混合アセンブリ10は、シリンジ本体(またはバレル)100と、その長の部分を長手方向に通る流体通路を有するピストン200(後述)とを備えることができる。いくつかの例では、可逆的に装着されるキャップ(図示せず)が存在して、シリンジ本体の前端で流体シールを提供することができる。
【0017】
ピストン200は、ピストンの全体長を定める第1の端部202および対向する第2の端部204を有する。バルブ300は、ピストン長の一部を通過する流体チャネルと対応付けられる。バイアルポート206はピストンステムの長のセグメントに沿って配置され、バイアルポート内で縦方向にバイアル500を受け入れるように構成される。好ましくは、ピストンを通る流体通路は、バイアルポートから第1の端部202を介して延在する。
【0018】
ピストン200は、シリンジ本体の内壁とピストンシールの側壁間の摺動可能な流体密シールを形成することのできるシール208をさらに含む。バルブ300は、シリンジチャンバとバイアル500間の流体連通を選択的に制御するように構成することができる。
【0019】
図2を参照すると、第1の端部202からシール208およびピストンの縦方向を通りバイアルポート206まで延在する流体通路220が示されている。穿孔装置400は、流体チャネル220と結び付け、ポート206まで延在することができる。例の穿孔装置は、先行出願に記載されるようなものとすることができる。穿孔装置400は、そこを通過する流体チャネルを有し、バイアル隔壁を穿孔するように構成され、バイアルの内部と流体通路220間の流体連通を確立する隔壁を超えて保持することができる。
【0020】
バイアルポート206は、1つまたはそれ以上のピストンフィン210の全部または一部の除去によって形成することができる。好ましくは、バイアルのポート206内での保持と安定を可能にする十分なフィン構造が維持される。
【0021】
バルブ300はたとえば、図示されるような2方向バルブ、あるいは、先行出願に記載されるような別のバルブ型であってもよい。
【0022】
図1および2に示されるシリンジアセンブリに関しては、該装置は好ましくは最初、バイアルが封止され、穿孔構造400に対して非接触位置で配置される構造内に設けられる。使用準備として、バイアルは、穿孔装置400と接触し、ポート内を摺動して、装置400が隔壁を穿孔するように再配置することができる。次に、バルブ300は、バイアルとシリンジチャンバ間の流体連通を確立する「オン」位置に再配置することができる。シリンジに対するピストンの摺動は、シリンジの内容物とバイアルの内容物を結合するのに利用することができる。2つの成分は、ピストンの摺動の反復または装置の攪拌によって混合することができる。次に、混合された成分は、調剤された薬剤の投与準備として、シリンジと閉鎖されたバルブ内に引き込むことができる。
【0023】
図3Aを参照すると、別のピストン内バイアルポート構造が示されている。上述のピストンと共通して図示される装置の特徴には、同じ符号が付される。上述の装置に追加される、あるいは上述の装置と異なる特徴は、補足文字または独自の数字識別子によって示すことができる。
【0024】
図示されるピストン200は、第1の端部202からピストン内バイアルポート206aまで延在する内部通路を有する。ステム内バイアルポートは、バイアル(図示せず)を収容できるバイアルハウジング510を受け入れるように構成される。上記バイアルハウジングは、ピストンの第2の端部204の開口部に挿入可能である。図3Bを参照すると、複数の収容スロット211は、バイアルポート内にハウジング510を誘導し位置決めするように構成することができる。ピストン200は、バイアルポートおよび流体通路と結び付けられる穿孔構造(図示せず)を備えることができる。ピストン200は好ましくは、最初は、穿孔装置がバイアルリッドまたは隔壁と接触または貫通しないように、ハウジング510とハウジング内に収容されたバイアルとが非接触位置で配置されるように設けることができる。使用準備中、バイアルハウジングと内部バイアルは第1の端部202の方に摺動されて、穿孔装置によってバイアル隔壁またはキャップを貫通され、バイアルの内部とピストンの流体通路間の流体連通を確立することができる。通路を通る流体の通過は、バルブ300によって選択的に制御することができる。個人への投与のための薬剤の調剤は、結び付けられるシリンジ(図示せず)を設け、図1に記載の装置に関して上述した方法に類似の方法を用いて実行することができる。
【0025】
本発明の別の構造を、図4A〜4Bを参照して説明する。まず図4Aを参照すると、内部チャンバ102を有するシリンジ100内に挿入可能なピストン200が示されている。シリンジピストン200は、ピストン長を横断するように長手方向に通過する内部通路を有する。該通路を通る流体の通過は、上記通路と結び付けられるバルブ300によって選択的に制御される。
【0026】
図示されるように、第1の端部202(図4Bを参照)はシリンジバレルに挿入され、バイアルハウジング600はピストンの第2の端部204に対応付けられる。バイアルハウジング600は、たとえば、2つの部分602および604を備えることができる。第1の部分602は、特定の例では、ピストン200の延長部であってもよい。ハウジング部602は、ピストン200に対して、一体的に設ける、永久的に装着する、あるいは可逆的に装着することができる。バイアルハウジングの第2の部分604は、容器内に挿入されたバイアルがハウジング内に完全に密閉されるように、第1の部分602と接合可能に構成することができる。薬剤バイアルの上記密閉は、バイアルの破損を防ぎ、好都合なことに、バイアルの除去または不適切な交換、および/または不適切な希釈剤または他の作用物質を含むバイアルとの不注意な置換を回避することができる。
【0027】
ハウジングの第2の部分604をハウジングの第1の部分に接合することは、たとえば、部分604の一部を第1の部分に挿入すること、部分602の一部を部分604内に挿入すること、2つの部分のうち一方を2つの部分のうちの他方に挿通すること、および/またはその他の適切な嵌合または接合技術の使用を含むことができる。特定の実施形態では、部分604は好ましくは第1の位置に安定させられるように構成され、力の印加後(使用される特定の嵌合構造の設計に基づき、摺動、ねじり、またはその他の力)、第2の部分内で第2の位置までさらに延在させることができる。上記構造は、密閉されたバイアルを、穿孔装置(図4Bを参照)に対する第1の「非接触」位置から、穿孔装置がバイアル隔壁またはその他のバイアル覆いを穿孔することによってバイアルの含有物へのアクセスを提供することができる第2の「アクセス」位置まで移動させることができる。
【0028】
特定の実装では、バイアルハウジング部は、シリンジポンプとともに使用するためシリンジ装置を適合させるように構成されるアダプタ付属物606を有することができる。上記付属物は好ましくは、部分604から突出するステム608を含むことができ、ステムは第1の直径を有する。ステム部608は、ディスク構造がステム構造よりも直径が大きいディスク構造610まで延在し、シリンジポンプのピストンドライバのスロットに挿入されるように構成される。上記構造によって、本発明に係る装置は従来のシリンジポンプで利用することができる。挿入可能なディスクが存在することで、シリンジポンプのピストンドライバのスロットに挿入される際、ポンプがオフのときにプランジャの不注意な前進を防ぐことができる。もしくは、本発明の装置はもう一つの方法として手動で操作することができる。
【0029】
図4Bを参照すると、図4Aに示される装置の分解図である。これらの図面は、ピストン200の第2の端部204にあって、バイアルハウジングの第1の部分602まで延在することができる穿孔装置400の連携を示す。図4Bは、ピストン200の全長に対するバルブ300の別の配置をさらに示す。ピストン長に沿ったバルブ300の配置は特定の位置に限定されず、図示される位置は説明目的のためだけと理解すべきである。
【0030】
図4Bにさらに示されるように、シール208は、シリンジピストン200の第1の端部202に搭載することができる。シール208は好ましくは、チャンバ壁とシール間の流体シールを形成する、シール長の少なくとも一部の外径を有する。ピストン200が内部流体通路を備える場合、シール208は好ましくは、ピストンの内部通路とシリンジチャンバ間の流体連通を可能にする1つまたはそれ以上の開口部を有する。
【0031】
図4A〜4Bに示される混合/投与システム10は、最初は、穿孔構造400がバイアル500のキャップまたは隔壁を穿孔しない「非接触」位置に設けられる。特定の構造では、互いに対する容器部品602および604の位置決めは、2つのハウジング部品の少なくとも接合部でのプラスチック収縮包装を用いて安定化させることができる。収縮包装は無菌保持具を提供し、穿孔装置のバイアル隔壁への不注意または意図的でない係合を防ぐことができる。力の印加により(特定の汚染構造と破損可能な付属具に応じて、ねじり、摺動、またはその他の力)破損する可能性のある破損可能な付属具が設けられる場合、位置決めには、もう一つの方法として仮付け溶接または成形装着による安定化を利用することができる。上述のシリンジ装置構造の2部式容器部は、プラスチック材料、好ましくは硬質プラスチック材料などの材料を用いて形成することができる。スポット溶接または仮付けは、たとえば、RF溶接、マイクロ波溶接、熱溶接、またはその他の適切なプラスチック溶接を利用して達成することができる。
【0032】
本発明の別の側面を図5A〜5Cを参照して説明する。概して、本発明のこの側面は、本発明に係る装置の様々な部分の硬質プラスチック本体片上への弾性シール部の被せ成形を含む。被せ成形は、下の支持部に直接被せる部分を成形することを含む。被せ成形は、本発明のこの特定の側面に具体的に記載されるものに加えて、別のピストンおよびバルブ本体でも利用できることを理解しておくべきである。別のピストンおよびバルブ本体は、たとえば、本明細書に記載の別のピストンおよびバルブ、先行出願に記載のピストンおよびバルブ、従来のピストンおよびバルブ、および今後開発されるピストンおよびバルブ構造を含むことができる。
【0033】
まず図5Aを参照すると、開口部250に嵌合されるように構成されたバルブ300と、ピストンの長手方向に延びるチャネル220とを有するピストン200が示されている。シールを通って延在する開口部219を有するピストンシール208aが示されている。図5Aは分解図でピストン200を示しているが、被せ成形プロセス中、シール208aはピストンに永久的に装着されることを理解しておくべきである。
【0034】
ピストン200は好ましくは、ピストンの第1の端部202に、またはその近傍に配置される少なくとも1つの突出部223を有する。突出部は、被せ成形シールを好都合なことに支持し、ピストンの第1の端部上にシールを保持するのを助けることができる。ピストンがそこを長手方向に通過する流体通路またはチャネルを有するように構成される場合、被せ成形プロセスは好ましくは、シールを通って延在する1つまたはそれ以上の開口部を有し、ピストンを通る通路と対応付けられるシリンジ本体の内部領域間の流体連通を提供する被せ成形シールを設けることができる。
【0035】
使用される被せ成形プロセスは、被せ成形シールが、シリンジ本体の前端でのシリンジ本体の内部のテーパ/形状に適合するような形状の前端を有するように、各種シリンジ本体に対して適応させることができる。シールは好ましくは、チャンバ側壁に沿った流体シールを提供しつつ、シリンジチャンバ内のシールの挿入および移動を可能にするシール直径を提供するように成形することができる。特定の側面では、シール成形の直径/サイズは、ピストンサイズ/直径を変更せずに、変動するシリンジバレルサイズに適合するシールを生成するように修正することができる。
【0036】
同様の側面では、バルブ300はバルブ本体302と被せ成形バルブキャップ310を有することができる。バルブ本体302は好ましくは、被せ成形キャップ310を支持し保持するように構成される1つまたはそれ以上の突出部304、306を有する。
【0037】
バルブ300は、たとえば、図5Aに示されるようなプッシュプル型バルブであってもよい。図示される構造では、プッシュプルバルブ本体は、バルブの挿入端により大きな突出部306を有する。この大きな突出部の存在は、バルブを開位置に引っ張る際にポート内にバルブを位置決めする、および/または保持するのを助ける形状構造を提供することができる。本発明は、たとえば、本体および被せ成形シールを貫通する開口部を有する回転可能バルブなどの別のバルブ型の使用を考慮すると理解すべきである。
【0038】
バルブキャップ310およびシール208aは、たとえば、弾性材料を有することができる。利用される弾性材料は互いに同じでも違っていてもよい。同様に、ピストン200およびバルブ本体302は硬質プラスチック材料で形成することができ、互いに同じでも違っていてもよい。利用可能な弾性材料の例は、ポリウレタン、ポリプロピレン−EPDM、その他のポリプロピレン、ポリシロキサンおよび/またはシリコン材料、ブチル材料、イソプレン、ネオプレン、ポリエチレンおよび各種コポリマー、上記材料の合成、混合またはその他の組み合わせを含むが、それらに限定されない。ピストンおよび/またはバルブ本体形成のために利用可能なプラスチックの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(脂肪族および芳香族変異体を含む)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリウレタン、コポリマー、混合、合成、およびその組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0039】
図5Bに移ると、突出部223によって支持されるピストン200上の被せ成形シール208aが示されている。ピストンを長手方向に通過し、シール208aを通過するチャネル220も示される。図5Cを参照すると、突出部304および306によって支持されるバルブ本体302上の被せ成形キャップ310が示されている。
【0040】
被せ成形を利用して本発明に係るピストンおよび/またはバルブを形成する場合、ステム/本体部は第1のプロセスで製造することができ、被せ成形シール/キャップ部は第2のプロセスで形成することができる。被せ成形は、本体またはステム部上に直接シール/キャップを形成する。被せ成形は、下に横たわる部分または下に横たわる部分最初に形成した直後に行われ、被せ成形プロセスの前に対応する成形品から除去し、移送する、および/または保管することができる。
【0041】
被せ成形プロセスは好都合なことに、キャップまたはストッパに対するピストンまたは本体の手動組立を回避することができる。被せ成形弾性シールを設ける追加の利点は、シールと下のピストン間の流体漏れの最小化または防止、およびシリンジに対するピストンの回転またはシリンジ内でのピストンの引張り間に、シールが下に横たわるピストンから引き離されてしまわないような確実な装着である。さらに、シールは、ピストンの第1の端部を通る薄壁を有するように構成することができる。従来のピストンシールに対して、被せ成形シールの薄壁は、ピストンの反発を減らすことによって、シリンジの先端からの流体の逆流を最小化することができる。さらに、シールは、シリンジ先端を通る流体通路に少なくとも部分的に挿入するように構成される中央突出部(図示せず)を前面に設けて、シリンジに保持される流体をさらに最小化するように成形することができる。この特徴は、コストのかかる薬剤の投与にとって特に有益である。
【0042】
図6を参照すると、被せ成形は、複部ピストン構造と組み合わせて使用することができる。この側面では、ピストンシール208は、別のピストンステム205、205’に挿通可能なまたは別の方法で装着可能なピストン先端203に被せ成形することができる。ステム205および205’および先端203は、内部流体通路を有することができる、あるいは、固体のコア片であってもよい。先端203は、先端の装着部をステム205または205’の開口部209に挿入することによってピストンステム205または205’に接合することができる。特定の構造では、接合は、挿通、スナップ係止、プレス嵌め、適切な接着剤の貼付、またはその他の適切な接合技術を利用することができる。
【0043】
被せ成形シール208は、使用されるシリンジ本体(図示せず)の直径に応じて変動可能な直径「d」を有するように成形することができる。特定のシリンジバレルで使用するために、被せ成形シールとともに先端を、適切な直径(たとえばdまたはd)のピストンに接合させることができる。したがって、単独の先端構造が、幅広い範囲のシール、シリンジバレル、およびピストンのサイズに対して利用可能である。
【0044】
本発明の別の実施形態を図7〜9を参照して説明する。まず図7を参照すると、ピストン200は、ピストンスリーブ240とスリーブ240内に挿入されるように構成されるスリーブインサート230とを含むことができる。スリーブ部240は、第1の端部202に搭載されるシール208を有することができる。シールは、シールの側面を貫通し、スリーブ部240を貫通する同様の開口部と位置合わせされる開口部219aを有することができる。スリーブ240は、スリーブを操作可能にするベースリング242またはその他のベース構造をさらに備えることができる。
【0045】
スリーブインサート230は、ピストンインサートの第1の端部243から、インサートの外表面に沿ってインサートの対向端247でカラー234を通過するチャネル232を備えることができる。穿孔構造400は、ピストンインサートの第2の端部247と対応付けて設けることができる。図8を参照すると、図7に示されるピストンと対応付けて利用可能な穿孔装置構造の例が詳細に示されている。
【0046】
穿孔構造400は、本発明に係る実例となる穿孔構造を示す。穿孔構造400は、第1の端部に配置される先端402を備えるヘッドセグメント401を有するように記載することができる。穿孔構造400は、ヘッド部401から第1の端部に対向する構造の第2の端部に配置されるベース面404まで延在するステム/本体部403をさらに有する。チャネル406または別の流体通路は、ベース面、好ましくは本体部403全体を通って延在する。
【0047】
穿孔構造400は好ましくは、ピストン200に対応付けられる穿孔構造の配置後、インサート200のチャネル232と位置調整される開口部402aを備えることができる。
【0048】
実例となる形状および形式の穿孔構造が図8に示される。本発明の好適な側面では、チャネル406は、チャネルが先端402を貫通しないようにヘッドセグメント401の内長全体よりも短く延在する。むしろ、例えば、ヘッド部の外表面の一方または両方を通る1つまたはそれ以上のアクセス孔408が設けられる。チャネルが先端を貫通しない穿孔構造は好都合なことに、穿孔動作中のチャネルの閉塞、隔壁材料の孔開けを最小限にとどめる、あるいは回避することができる。穿孔構造に関連するさらなる特徴は先行出願に記載される。
【0049】
次に図9を参照すると、組立構造で図7に示されるピストン装置が示されている。スリーブインサート230はスリーブ部240内に挿入される。インサート230は、装置の2つの部分を回転可能バルブとして機能させるために、スリーブ部240に対して回転させることができる。通常、組み立てられた構造の第1の端部202は、シリンジバレル(図示せず)に挿入される。該装置は、バイアル隔壁が損なわれないように付随のバイアルを最初に設けることができる。薬剤の投与準備の際、穿孔構造400は、バイアル隔壁を穿孔するのに利用することができる。インサート230をスリーブ240に対して回転させることで、インサートの流体チャネルを、ピストンシールを通る開口部219aおよびピストンスリーブを通る対応する開口部と整列させるために利用することができる。このような整列は、シリンジチャンバとバイアル間の流体連通を確立することができる。その後の薬剤成分の結合および混合は上述のようにして実行可能である。混合の完了後、インサート230をスリーブに対して回転させることでバルブを閉じることができる。その後、すぐに投与可能な組成物を投与する、あるいは投与前に保管することができる。
【0050】
複部ピストンを有する別の混合および投与システム10が、図10〜12に示される。まず図10を参照すると、システム10は、内部チャンバ102を有するシリンジバレル10を含むことができる。システム10は、ピストンスリーブ240およびスリーブインサート230を含むピストン200をさらに有することができる。インサート230はステム部233を有するように記載することができ、その少なくとも一部は容器255としての役割を果たすように中空である。インサートキャップ部231は、ピストンステム233に装着することによって、容器255を覆い、囲むように構成することができる。付属物237はピストンインサートから延在させることができる。付属物237はステム部235とディスク部239を有することができ、ディスク部239は、シリンジポンプのピストンドライバ上のスロットにはめ込まれるように構成される。
【0051】
スリーブ部240はピストンシール208を含むことができる。シール208は好ましくは、被せ成形され、シリンジチャンバ102の内部テーパ領域103に合致するテーパ壁213を有する形状を包含することができる。
【0052】
図11Aを参照すると、キャップ部231は、挿入された圧縮バネ257とその上の保持具258を用いてバルブ動作を提供するように構成することができる。キャップ231と保持具258は、上述のような硬質プラスチック材料で形成することができる。バネ258は、上述の弾性材料のような弾性材料で形成することができる。
【0053】
次に図11Bを参照すると、図示される実施形態では、被せ成形シール208は、ピストンスリーブ240上およびキャップ231上にも被せ成形することができる。内部バルブバネと保持具が、被せ成形プロセス前に設けられる。いったん被せ成形プロセスが完了すれば、ステムをスリーブ部240内に挿入することによって、ステム部233を位置決めすることができる。インサート233の内部容器は通常、スリーブへの挿入時に、たとえば、凍結乾燥粉末などの薬剤の成分を含む。キャップ231およびステム部233は好ましくは、いったん接合されたら、キャップおよびステム部がピストンの引き出し時に引き離されないように、スナップ嵌め、プレス嵌め、またはその他の適切な接合構造を含むように構成することができる。
【0054】
図12は、図10に示される装置と類似し、追加の任意の特徴を有する組立装置を示す。図示されるように、スリーブ240とインサート230とを備えるピストン200が、シリンジバレル100に挿入される。スリーブ240は延長タブ262を備え、インサート230も延長タブ260を備えることができる。スリーブおよびインサート上に存在する延長タブは、ピストンと結び付けられるバルブの操作を支援することができる。タブを全部A方向に押し込むことでバルブを開くことができる。次に、スリーブ(方向B)に対してインサートを回転させて、スリーブの位置とインサート位置を相互に「係止」することによってバルブを開位置に係止するようにタブを位置決めすることができる。バルブを閉じるため、インサートを反対方向に回転させて、タブ260をタブ262から離れるように移動させることができる。
【0055】
図12に示される装置を利用した、すぐに投与可能な薬剤の調剤は、インサート230内の内部容器が上述のバイアルと置き換えられることを除いて、上述の方法と同じ方法で実行することができる。図12に示される混合/投与システム10は、ピストンと対向するシリンジ100に対応付けられる付属物をさらに含むことができ、上記付属物はシリンジポンプのピストンドライバのスロットに挿入されるように構成することができる。
【0056】
本明細書に記載の実施形態の装置の包装は、従来の包装技術を利用することができる、あるいは、包装される特定の装置に合わせて適合される先行出願に記載の包装技術を利用することができる。
【0057】
本明細書に記載される特徴と実施形態は、適切であれば互いに組み合わせることができ、先行出願に開示される特徴および実施形態とともに使用することができる。本発明の特徴と実施形態は、従来のシリンジ構成要素、バイアル、および装置、ならびに今後開発されるそれらと組み合わせた使用に適する、あるいはそうした使用に対応可能である。

【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の好適な実施形態を、以下の添付の図面を参照して以下説明する。
【0059】
【図1】本発明の1側面に係る一部の混合アセンブリの一部側面断面図である。
【図2】本発明の1側面に係るシリンジ装置の一部側面断面図である。
【図3A】第1の位置に配置される摺動可能なハウジングを有するシリンジ装置の一部側面図である。
【図3B】第2の位置に配置される摺動可能なハウジングを有する図3Aのシリンジ装置の一部側面図である。
【図4A】本発明の1側面に係る混合アセンブリの側面図である。
【図4B】図4Aに示されるアセンブリの分解図である。
【図5A】本発明の1側面に係るシリンジピストンの分解側面図である。
【図5B】図5Aに示される組み立てられたシリンジ装置の拡大断片図である。
【図5C】図5Aに示されるシリンジピストンの組み立てられた部分の側面図である。
【図6】別のステム部に接続可能な先端部を有する、本発明の1側面に係るシリンジピストンの側面図である。
【図7】本発明の1側面に係る別のシリンジピストン構造の分解側面図である。
【図8】本発明の1側面に係る穿孔装置の側面図である。
【図9】組立構造の図7のピストン装置の側面図である。
【図10】本発明の別の側面に係る別の混合アセンブリの分解側面図である。
【図11A】図10に示されるシステムの一部分解側面図である。
【図11B】図10に示される組み立てられたシステムの一部拡大断面図である。
【図12】別の特徴を有する図10に示される組み立てられた装置の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジバレルと、
シリンジバレル内に挿入可能な第1の端部、第1の端部に対向する第2の端部、および第1の端部と第2の端部間に定められる全体長を有するピストンと、
ピストンの全体長に沿って縦方向にバイアルを受け入れるように構成された、ピストン内に配置されるバイアルポートと、
バイアルポートから第1の端部を通ってピストンを延在する流体通路と、
を備えることを特徴とするシリンジ装置。
【請求項2】
流体通路と流体連通して配置される穿孔構造をさらに備えることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項3】
流体通路に結び付けられるバルブをさらに備えることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項4】
バイアルポートが、ピストンの側面に沿って開口部を通りバイアルを受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項5】
バイアルポートが、ピストンの第2の端部内の開口部を通りバイアルを受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項6】
ピストンはヒンジを備え、バイアルポートは、ヒンジが開位置にある間は挿入によってバイアルを収容し、ヒンジが閉位置にある間はバイアルを保持するように構成されることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項7】
ピストンの第1の端部に配置され、ピストンのステム部に被せ成形されているピストンシールをさらに備えることを特徴とする、請求項1のシリンジ装置。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の突出部を有するステム部と、
ステム部に被せ成形され、1つまたはそれ以上の突出部を覆うシール部と、
を備えることを特徴とするシリンジピストン。
【請求項9】
ピストンステムの長の少なくとも一部、および被せ成形シール部を通る開口部を通過する流体通路をさらに備えることを特徴とする、請求項8のシリンジピストン。
【請求項10】
シールは少なくとも1つの環状オレフィンホモポリマー物質および環状オレフィンコポリマー物質を含むことを特徴とする、請求項8のシリンジピストン。
【請求項11】
ステムは第1の部分と第2の部分を備え、シールは第1の部分と第2の部分の接合前に第1の部分に被せ成形されることを特徴とする、請求項8のシリンジピストン。
【請求項12】
第1および第2のステム部は互いに異なる直径を有することを特徴とする、請求項11のシリンジピストン。
【請求項13】
シリンジバレルと、
シリンジバレル内に挿入可能な第1の端部と第1の端部に対向する第2の端部とを有するシリンジピストンと、
ピストンの第2の端部に結び付けられ、そこから延在するバイアルハウジングと、
ピストンの第2の端部に結び付けられ、バイアルハウジングに延在する穿孔構造と、
を備えることを特徴とするシリンジ装置。
【請求項14】
バイアルハウジングは、ピストンの第2の端部に装着される第1の部分と、第1の部分に接合可能な第2の部分とを備えることを特徴とする、請求項13のシリンジ装置。
【請求項15】
第1の部分はピストンの第2の端部に永久的に装着されることを特徴とする、請求項14のシリンジ装置。
【請求項16】
第1の部分はピストンの第2の端部に可逆的に装着されることを特徴とする、請求項14のシリンジ装置。
【請求項17】
ハウジングの第2の部分は、シリンジポンプのスロットに挿入されるように構成される付属物を備えることを特徴とする、請求項14のシリンジ装置。
【請求項18】
シリンジバレルと、
ピストンスリーブと、
スリーブに挿入可能な第1の端部、対向する第2の端部、および第1の端部と第2の端部間の距離によって定められる長さを有するスリーブインサートと、
第1の端部からスリーブインサートの外側に沿って、スリーブインサートの長さの少なくとも一部延在する流体チャネルと、
流体チャネルとシリンジバレル間の流体連通を制御する回転バルブと
を備えることを特徴とするシリンジ装置。
【請求項19】
回転バルブは、ピストンスリーブに対するスリーブインサートの回転によってシリンジバレルと流体チャネル間の流体連通を確立するように構成されることを特徴とする、請求項18のシリンジ装置。
【請求項20】
スリーブインサートの第2の端部に結び付けられるバイアルハウジングをさらに備えることを特徴とする、請求項18のシリンジ装置。
【請求項21】
ピストンスリーブに被せ成形されるピストンシールをさらに備えることを特徴とする、請求項18のシリンジ装置。
【請求項22】
シリンジバレルと、
ピストンスリーブと、
スリーブ内に挿入可能な第1の端部と、対向する第2の端部と、第1の端部と第2の端部間の距離によって定められる長さとを有するスリーブインサートと、
スリーブインサート内に配置されるコンパートメント、コンパートメントとシリンジバレル間の流体連通を制御するバルブと
を備えることを特徴とするシリンジ装置。
【請求項23】
バルブは、ピストンスリーブに対するスリーブインサートの回転によってシリンジバレルとコンパートメント間の流体連通を確立するように構成されることを特徴とする、請求項22のシリンジ装置。
【請求項24】
スリーブは被せ成形シールを備えることを特徴とする、請求項22のシリンジ装置。
【請求項25】
スリーブインサートは先端部と本体部を備え、先端部とピストンスリーブに被せ成形されるシールをさらに備えることを特徴とする、請求項22のシリンジ装置。
【請求項26】
本体部はスリーブインサートの先端部を不可逆的に装着することを特徴とする、請求項25のシリンジ装置。
【請求項27】
内部チャンバを有するシリンジバレルと、
第1の端部、第2の端部、およびピストンを長手方向に通過する流体通路を有するピストンであって、ピストンの少なくとも一部がチャンバ内に挿入可能な第1の端部を有するピストンと、
を備えるシリンジと、
流体通路に結び付けられ、バルブ本体とバルブ本体に被せ成形されるキャップとを有するバルブと、
を備えることを特徴とする薬剤調剤システム。
【請求項28】
バルブ本体は少なくとも1つの突出部を備え、少なくとも1つの突出部は被せ成形キャップによって覆われることを特徴とする、請求項27のシステム。
【請求項29】
キャップは弾性材料を含み、バルブ本体は硬質プラスチックを含むことを特徴とする、請求項27のシステム。
【請求項30】
ピストンの第2の端部に結び付けられ、流体チャネルおよび先端を備える穿孔構造と、
穿孔構造に近接して配置されるバイアルと、
内部チャンバ内に配置される薬剤の第1の成分と、
バイアル内に配置される薬剤の第2の成分と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項27のシステム。
【請求項31】
バルブは第1の成分を第2の成分から選択的に隔離することを特徴とする、請求項30のシステム。
【請求項32】
シリンジバレルと、シリンジバレルに対して初期位置に配置され、ピストンスリーブおよびスリーブインサートを有するピストンとを有するシリンジを設けることと、
シリンジバレル内に第1の成分を提供することと、
バイアル内に第2の成分を提供することと、
バイアルとシリンジバレル間の流体通路に結び付けられ、最初は閉位置に設けられて通路を通る流体の通過を遮断するバルブを設けることと、
バルブを再配置することと、
ピストンを摺動させて第1の成分を第2の成分に合流させることと、
第1の成分と第2の成分を混合して薬剤を形成することと、
薬剤をシリンジバレル内に引き込むことと、
を備えることを特徴とする、個人への投与のために薬剤を調剤する方法。
【請求項33】
バルブは、スリーブインサートに対するピストンスリーブの回転によって始動される回転バルブであることを特徴とする、請求項32の方法。
【請求項34】
流体通路がスリーブインサートの側壁面に沿って配置されるチャネルを備えることを特徴とする、請求項32の方法。
【請求項35】
ピストンスリーブに被せ成形され、ピストンスリーブに対するスリーブインサートの回転によってチャネルに位置合わせすることのできる開口部を有するシールをさらに備えることを特徴とする、請求項34の方法。
【請求項36】
ピストンインサートに結び付けられる穿孔構造を設けることと、バルブの再配置前に、穿孔構造を利用してバイアルを備える隔壁を穿孔することと、をさらに備えることを特徴とする、請求項32の方法。
【請求項37】
第1の成分を含むバレルチャンバを有するシリンジバレルを設けることと、
第2の成分を含むコンパートメントを有するピストンを設けることと、ピストンは、
ピストンスリーブと、
先端および本体を有するスリーブインサートと、
先端およびピストンスリーブの端部に被せ成形されるシールと、
を含み、
シールはそこを通る少なくとも1つの開口部を有し、
インサートに対してピストンスリーブを回転させてコンパートメントとバレルチャンバ間の流体連通を確立することと、
ピストンを摺動させて第1の成分と第2の成分を合流させることと、
第1の成分と第2の成分を混合して組成物を形成することと、
組成物をシリンジチャンバ内に引き込むことと、
を備えることを特徴とする組成物の調剤方法。
【請求項38】
第1の成分が液体を含むことを特徴とする、請求項37の方法。
【請求項39】
第2の成分が凍結乾燥物質を含むことを特徴とする、請求項37の方法。
【請求項40】
スリーブインサートが、シリンジポンプのスロットに挿入されるように構成される付属物をさらに備えることを特徴とする、請求項37の方法。
【請求項41】
先端がスリーブインサートの本体に永久的に装着されることを特徴とする、請求項37の方法。
【請求項42】
シールが弾性材料を含むことを特徴とする、請求項37の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−519047(P2009−519047A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540352(P2008−540352)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/060745
【国際公開番号】WO2007/056773
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507119249)ハイプロテック、 インク. (6)
【Fターム(参考)】