説明

シロアリの防除法

特定の防蟻組成物をある場所に実質的に水が存在しない状態で施用することを含む、シロアリ防除法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の防蟻組成物をある場所に実質的に水を含まない状態で施用することによる、シロアリの防除法に関する。
【背景技術】
【0002】
要求されるスラブの複雑さとスラブのタイプ(一般に浮遊スラブ、一体型スラブまたは支持スラブ)によっては、害虫駆除者は、スラブ下の土壌の全ての部分に水溶性防蟻組成物を供与することが特に難しいことを見出すこととなる。作業員が最善の努力をしても、処理済土壌が除去され、未処理領域の上にコンクリートが設置される可能性もある。または、単なる不注意による土壌の不整地が、シロアリの侵入のためのギャップを創り出す可能性もある。
【0003】
さらにまた、構造壁、基礎および木根太構造技術を含む柱梁構造は、シロアリの侵入を免れ得ない。コンクリートスラブ構造においては、害虫駆除者は、構造壁の周りに溝を掘り、ロッドを挿入し、大量の防蟻組成物液または泡を加圧注入することが要求される。水の量は、家の構造の大きさおよび複雑さによって変わるが、通常、防蟻剤を含有する水が、構造壁または柱近辺の所望の処理ゾーンから移動し、望ましくない領域へと溶け出すのは避けることができない。
【0004】
近年の構造技術の革新により、シロアリ防除における新たな困難が供されている。例えば、コンクリートポアにおける、またはコンクリート断熱材としての硬質発泡ボードの使用は、シロアリを引き寄せ、構造体中に広がるこのような発泡ボード内でシロアリが採餌するため、シロアリの侵入に十分な機会を提供する。スタッコの使用は、現在、土壌表面よりも下で用いられることが多い。スタッコと、基礎材料または外層シート材料との間のいかなるギャップも、シロアリが侵入するための主要なトンネルギャップを創り出す可能性がある。さらにまた、このような領域に防蟻剤を施用するための水の使用は、建築材料自体の微生物分解またはかび分解を含むその他の問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
特定の防蟻剤の施用が知られている。特に、米国特許第6,264,968号は、殺虫活性化合物を、活性成分の分解および放出を遅らせる担体材料である天然および合成の有機化合物と組み合わせて含有する殺虫剤組成物について記載している。米国特許第6,264,968号は、有機担体の使用を必要とするものであり、無機物質が担体として作用しうることについては示唆していない。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、(i)少なくとも1種の防蟻活性成分および(ii)無機担体を含む特定の防蟻組成物の、構造体を含む場所において水を実質的に含まない状態での施用を含む、シロアリに侵入されやすい構造体のシロアリ被害を防ぐための方法を提供する。
【0007】
「水を実質的に含まない」の語は、特定の組成物が、担体または希釈剤としての水と共には施用されないことを意味する。しかしながら、この組成物は、それ自体、この組成物の製造方法に起因する水をいくらか含んでいてもよい。
【0008】
該場所には、構造体の周辺または周辺の一部を含むことができる。あるいは、該場所は、構造体の専有面積によって実質的に画定される領域を含むことができる。該場所は、構造体の専有面積よりも小さくてもよく、および/または専有面積の範囲内であってもよい。あるいは、処理する該場所は、構造体周辺の一部、構造体の専有面積、および構造体周辺の外側を除く構造体に関連する領域を含むことができる。該場所は、侵入されやすいか、または侵入が起こっている構造体の内側または近傍のスポット処理した場所であってもよい。該場所は、構造体を建設予定である地盤を含むことができ(典型的には、建設前処理と称される。)、または、該場所は、既在の構造体を含むことができる(典型的には、建設後処理と称される。)。
【0009】
この特定の組成物は、望ましくない昆虫または節足動物を防除するのに用いられる特定の組成物として典型的であり、非農業環境において使用されるのに一般的に許容される。この組成物は一般に、特にシロアリに対して非忌避的である。
【0010】
本発明に従って用いられる組成物は、バインダーまたは接着剤によって物理的または化学的に無機担体と結合している防蟻活性成分を含む。無機担体は、典型的には粘土、ケイ酸塩、シリカのような固体、または当業者によって典型的に用いられる肥料である。適切な固体担体には、例えば、カオリン、アルミナ、タルク、チョーク、石英、モンモリロナイトまたは珪藻土といった天然土壌ミネラル、および、高分散ケイ酸、酸化アルミニウム、ケイ酸塩、リン酸カルシウムまたはリン酸水素カルシウムなどの合成土壌材料が含まれる。本発明に適切な可能性があるその他の材料には、方解石、大理石、軽石、石灰もしくは石灰石、軽石、海泡石または白雲石といった粉砕分画天然ミネラルが含まれる。無機担体に加えて、おがくずのような有機粉砕材料、ならびに、(Biodac(登録商標)粒子といった)セルロース系複合体粒子、樹脂およびワックスを含む、1種またはそれ以上の有機担体を含めることもまた可能である。固体組成物は、ふりかけたり、分散させたりする粉末(ただし、活性成分の含有量は最大で100%)、および粒子、特に押出粒子または圧縮粒子または粉末(このような粉末における活性成分の含有量は約1および約80%の間である)の含浸により作られた粒子であることができる。
【0011】
本発明の組成物はまた、湿潤剤、界面活性剤、分散剤または当業者の選択によるその他の適切な助剤を含んでいてよい。一般に、粒子状物質は、約200から2,000ミクロン、好ましくは約400から1,400ミクロンの直径平均分布を有する。本発明の典型的な粒子の表面積は、約200から10,000mmであり、600から6,500mmであることが好ましい。活性成分が低い土壌移動性(活性成分の油溶解性および水溶解性により評価される。)を有する場合は、一般に、非常に小さい粒子サイズが用いられる。一般に、粉末または微粒子を用いてよく、活性成分と完全に混合した土壌を供するために、土壌中に完全に混ぜ入れらる。粉末は、1から400mmの平均直径と、例えば5,000から10,000mmまでのように非常に大きな表面積とを有し得る。このような場合、標準条件下で測定される蒸気分圧が非常に高い活性成分を選択することが有利である。
【0012】
本発明に従ってシロアリ被害を予防する好ましい方法において、水溶性の活性成分を、水に不溶または難溶である異なる活性成分と組み合わせることができる。前記成分の溶解性は、該場所における処理地盤に2つまたはそれ以上の層(処理場所の上階層は不溶性または難溶性の成分を保持し、下階層は実質的に水溶性の活性成分を含有する。)が自然に形成されるように選択する。
【0013】
本発明の組成物は、該場所において、典型的には、一般に地表面下0から約10インチまで(すなわち、0から約25cmまで)の深さまで地盤に混ぜ入れられる。
【0014】
この組成物は、シロアリの採餌が顕著な場所に配置されることが最も有利であり、地表面下0から5インチ(すなわち、0から13cm)、好ましくは1から4インチ(すなわち、2から10cm)の深さまで施用することが、非常に有利である。
【0015】
この組成物は、地盤に物質が配置されるような、様々な方法で施用できる。物質を、地盤面に配置してもよいし、土壌中に混ぜ入れる(例えば、レーキにより)か、または地盤中に耕し入れてもよい。地盤の一部を除去して空間を作り、除去した地盤部分を防蟻組成物を用いて処理し、および得られた処理済地盤部分をこの空間に戻す。あるいは、土壌の一部を除去して空間を作り、この空間を防蟻組成物で処理し、および土壌部分を処理済この空間に戻す。例えば、溝堀機を用いて、家の周囲に浅い溝を作り、組成物を溝に堆積させてから溝を塞いでもよい。
【0016】
本発明の防蟻組成物は、シロアリによって実質的に検知不能であることが好ましい。しかしながら、本発明の組成物は、シロアリにより検知可能な他の助剤または防蟻活性成分と、混合または組み合わされてもよい。
【0017】
「シロアリ」の用語は、セルロース製品を攻撃しうるあらゆるシロアリを意味し、ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)のシロアリを本発明の方法で防除することが好ましい。ミゾガシラシロアリ科の中でも、ヤマトシロアリ属種(Reticulitermes ssp.)、ヘテロテルメス属種(Heterotermes ssp.)およびイエシロアリ属種(Coptotermes ssp.)を防除することが好ましい。本発明の方法により、レティカリテルメス フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レティカリテルメス ヴァージニカス(Reticulitermes virginicus)、レティカリテルメス ハジェニ(Reticulitermes hageni)、レティカリテルメス ハジェナス(Reticulitermes hagenus)、レティカリテルメス ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)、レティカリテルメス ティビアリス(Reticulitermes tibialis)、レティカリテルメス アレニコラ(Reticulitermes arenicola)、レティカリテルメス ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、レティカリテルメス サントネンシス(Reticulotermes santonensis)、レティカリテルメス ルシフガス(Reticulitermes lucifugus)、ヘテロテルメス アウレウス(Heterotermes aureus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、コプトテルメス ハヴィランジ(Coptotermes havilandi)およびコプトテルメス アシナシフォルムス(Coptotermes acinaciformus)を防除することが、最も好ましい。
【0018】
防蟻活性成分は、一般に、土壌において可動性である。「可動性」の語は、活性成分が土壌にしっかりとは結びついていないことを意味する。
【0019】
本発明に従って用いるのに適切な組成物には、イミダクロプリドおよび5−アミノ1−(2,6−ジクロロ4−トリフルオロメチルフェニル)4−トリフルオロメチルスルフィニル3−シアノピラゾールが含まれる。
【0020】
本発明に従った使用に適切な化合物は、既知の方法、例えば、国際特許公報WO第87/3781号、第93/6089号および第94/21606号、ならびに欧州特許出願第295117号、第403300号、 第385809号または第679650号、独逸特許公報第19511269号および米国特許第5,232,940号および第5,236928号、あるいは化学合成分野の技術者に知られたその他の方法(ケミカルアブストラクツ(Chemical Abstracts)およびここで参照されている文献)に従って調製し得る。このような化合物を含む組成物はまた、同様の先行技術、または類似の先行技術の教示するところに従って調製してよい。本発明の防蟻活性組成物は、単独で、またはその他のシロアリ防除活性成分との組合せにおいて、総合ペスト対策管理プログラム(「IPM」)において用いることができる。
【0021】
以下の実施例は、本発明の組成物の調製と使用についてより詳細に示す。前述の開示によって示されている本発明は、趣旨および範囲のいずれにおいても、これらの実施例によって限定されるものではない。以下の調製方法における様々な既知の条件およびプロセスを、これらの組成物の調製に用いうることは、当業者には容易に理解される。他に特に言及しない限り、全ての温度は摂氏温度であり、全てのパーセントは重量パーセントである。
【0022】
(実施例)
【実施例1】
【0023】
殺虫剤Merit(登録商標)(活性成分イミダクロプリド)をジプロピレングリコール中に希釈して75%水中懸濁液とし、得られた混合物をベントナイト粒子またはアタパルジャイト粒子に適用することにより、組成物A〜Cを調製した。表1は、組成物における成分のパーセントを示している。
【0024】
【表1】

【実施例2】
【0025】
0.25エーカー(約0.1ha)の区画について、3フィート(約1m)間隔で6インチ(すなわち5cm)の木製杭を地盤に設置することにより、シロアリ圧力を調査した。設置された294の杭は、約7ヶ月間放置した。地下に生息するシロアリが存在するか否かについて検査したところ、下のような結果が得られた:
設置杭総数:294
シロアリ被害を受けた杭数:287(97.62%)
生存シロアリが付着していた杭数:198(67.3%)
サイトで識別されたシロアリ種は、レティカリテルメス フラビペス、レティカリテルメス ヴァージニカスおよびレティカリテルメス ハジェニであり、いずれも合衆国南東部でよく見られる固有の土中シロアリである。自然条件下で、地盤上に設置された木製ブロックをシロアリの攻撃から守るという対象組成物の性能を評価するのに、十分な圧力があった。
【0026】
組成物Aを各々3種の割合で施用し、未処理の対照物と比較した。各17インチかける17インチ(2.0平方フィート、または約1,900cm)の小区画について、処理を行った。土壌中に1から2インチ(すなわち、2.5から5cm)の処理を組み込むために、回転歯付の小さな手動機械鍬を使用した。1つのマツ辺材のボード(約1インチ×6インチ×6インチ(すなわち、約2.5cm×15cm×15cm))を試験した。検査時、シロアリは存在しておらず、木材ブロックは殆どまたは全く損傷を受けていなかった。思いがけず、水溶性組成物によって処理が改善されたことが見出された。組成物Aの使用では、シロアリが、この組成物/方法での土壌処理によって保護された木材ブロックへの攻撃を確立および/または維持するのを防げるには、平方フィート当り活性成分0.18から0.725グラムの割合が有効であった。水溶性組成物の施用で同等のシロアリ防除率を達成するには、平方フィート当りイミダクロプリド1.5から3.0グラムが必要であった。
【実施例3】
【0027】
自然条件下における活性成分の垂直分布の確立にあたっての対象組成物の有効性を決定するため、フィールドにおける実施例1の組成物の土壌分布を研究した。砂壌土質と粘土質の2種類の土壌において、調査を重ねた。対象組成物の評価については、2種の施用方法を比較した;表面塗装粒子を土壌表面層と混合した浅い(2インチ、5cm)混入と、粒子を細溝のように土壌中に混ぜ入れて掘り起こした土壌で埋め戻した深い(4インチ、10cm)混ぜ入れである。組成物A、B、およびCを比較した。土壌中に混ぜ入れた後、区画の半分には平方フィート当り1.1L(すなわち、約12L/m)の水を一度注水したが、残りの区画には注水しなかった。
【0028】
このような処理の違いを、従来の施用方法に対して比較したが、従来法では、濃縮製品を水中に希釈し、この希釈製剤を平方フィート当り3.0L(すなわち、約32L/m)の割合で4インチ(すなわち、10cm)の深さに掘った溝中に施用し、掘り起こした土壌で埋め戻した。
【0029】
この研究における処理の全てで、平方フィート当り活性成分1.5グラム(すなわち、1.6g/cm)の割合で施用した。処理が行われてから1ヶ月後、土壌プロファイルを採取するため、12インチ(すなわち、30cm)の深さまで土壌コアを抜き取った。これらのコアを、2個の層に分割した。0から4インチ(すなわち、0から10cm)までを測りとった浅い表層;これは、全ての処理が施された土壌中のゾーンである。4から12インチ(すなわち、10から30cm)までを測りとった深い下部層;このゾーンには、直接には処理は全く施されていない。次いで、土壌コア試料を土壌抽出および分析に供して、土壌プロファイルにおける様々な深さでの土壌中の活性成分濃度を測定した。表3および表4は、それぞれ、砂壌質および粘土質のものについての試験結果を示している。
【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
報告されたデータは、土壌プロファイルの上部(0から4インチ(すなわち、0から10cm))および下部(4から12インチ(すなわち、10から30cm))の層における採取された、活性成分の総量パーセントである。両方のタイプの土壌で見られるように、従来の処理では、施された大量の水が、活性成分の大半(すなわち、70%から80%)を深部の土壌層に浸透させるように見受けられた。逆に、対象組成物の施用の結果、多くの場合で、施された活性成分の大半が、より上部の土壌層中に留まった。この上部の土壌層は、ほとんどのシロアリの採餌活動が集約されていた層である。
【実施例4】
【0033】
【表4】

【0034】
未処理区画において攻撃を受けたブロックの数は、採餌シロアリが木質源を発見し、木質源をコロニー化するために営巣相手を集めるので、時間と共に増加した。逆に、区画に設置されて最初に対象組成物を施された木質ブロックでは、いくつかが攻撃を受けたものの、シロアリの攻撃発生率は大幅に減少した。対象組成物が平方フィート当り4ミリグラム(すなわち、4.3g/cm)の活性成分と低い割合で施された場合でも、シロアリの攻撃発生率を減少させるのにこの組成物/方法による土壌処理が効果的であることを、これらのデータは示している。
【実施例5】
【0035】
実施例1から4に基づいて、実施例1の組成物Aについて、連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法に従い、以下の製品使用指示書を作成した。
(一般情報)
実施例1の組成物Aは、イエシロアリ属(Coptotermes)、ヘテロテルメス属(Heterotermes)、ヤマトシロアリ属(Reticulitermes)およびアメリカオオシロアリ属(Zootermopsis)の種の土中シロアリの殺害を目的とする、イミダクロプリドの即使用可能な製剤である。
【0036】
この製品は、周辺帯域および/または土壌混入施工用の粒状担体上に製剤されている。土壌に施用されると、降雨および/または土壌水分が活性成分の粒子からの放出を引き起こし、シロアリの採餌および坑道を抑制して施用時またはその直後に存在している可能性がある採餌シロアリを殺害するような濃度で、土壌の表層数インチにおいて残留物を定着させる。
【0037】
従来の土壌施用防蟻剤を用いた構造体の最終処理および/または基礎処理の日に先立つ一時的な防除方法として、この製品を用いて部分処理を行うこともできる。
(使用サイト)
この製品は、商業用および居住用構造体、ならびに、シロアリの攻撃対象となるその他の木質建造物の直近を取り囲んでいる、露出土壌、景観領域および芝草に、指示通りに施用することができる。
(施用)
周辺施用:この製品は、商業用および居住用領域における構造体基礎を取り巻いて隣接する、3から10フィートの幅の周辺帯域への施用に用いることができる。商業用および居住用構造体の近辺を採餌する土中シロアリを殺害するためには、この製品を1000平方フィート当り1.8ポンド(29オンス)(すなわち、8.8g/m)の割合で施用すること。(流出点へではなく)処理領域に注水すると、活性成分は、芝生の枯草層を通り、被覆地面を通って、その下のシロアリが採餌する土壌中へと移動する。
【0038】
手持ち式散布機またはシェーカー缶、および車輪装着散布機を含む、標準的な粒子塗布装置を用いて、処理すべき領域上にこの製品を均一に施用すること。使用に先立ち、製造者の指示に従って塗布装置を調整すること。装置が適切に駆動しており、粒子が均一で正確に分散されていることを確認するため、頻回にチェックすること。
【0039】
土壌への混ぜ入れ:施用時またはその直後に存在している可能性がある土壌中のシロアリを殺害するための局所処理に、この製品を使用すること。
【0040】
商業用および居住用構造体の基礎周囲の局部的な土壌領域に、または脅威に曝されているその他の木質建造物に隣接する土壌に、この製品を混ぜ入れること。細い溝を掘った後(幅約6インチ、深さ6インチ(すなわち、約15cm×15cm))、溝フィート当り1/6ポンド(3.0オンス)(約280g/m)のこの製品を均一に混ぜ入れること。溝を埋め戻す時に、この製品を土壌と十分に混合すること。あるいは、配管設備、バストラップ、共用サービスまたは井戸/貯水池周辺のような、ポールまたはポスト、フェンスやデッキ材料、景観丸太、および類似の非構造体の木材−土壌接点周辺のような臨界領域に、均一な化学処理ゾーンを提供するには、表面平方フィート当り1/3ポンド(5.0オンス)(約1.5kg/m)の割合でこの製品を混ぜ入れること。
【0041】
横ばい空間:横ばい空間において土壌と木質構造丸太との間にシェルター孔を建造するような土中シロアリを殺害するために、この製品の土壌への混ぜ入れを施してもよい。均一な処理領域を提供するには、10平方フィート当り0.4ポンド(7.0オンス)(約214g/m)の割合で混ぜ入れること。必要な場合、施用前にセルロース性堆積物を処理領域から除去すること。処理の障害になるようなら、防湿材を取り替えること。
【実施例6】
【0042】
ベントナイト粒子上のイミダクロプリド組成物0.37%を、実施例1に記載の方法で製造した。次いで、土中シロアリ種ヤマトシロアリに特に有用な、実施例5のものと類似の製品使用指示書を作製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1種の防蟻活性成分および(ii)無機担体を含む特定の防蟻組成物を、構造体を含む場所において水を実質的に含まない状態で施用することを含む、シロアリに侵入されやすい構造体のシロアリ被害を防ぐための方法。
【請求項2】
特定の防蟻組成物が、1種またはそれ以上の有機担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記場所が、(i)構造体の周辺または周辺の一部、(ii)構造体の専有面積により実質的に画定される領域、(iii)構造体の専有面積内の全体または部分である、構造体の専有面積よりも小さい領域、または(iv)これらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
防蟻活性成分が、水不溶性または水に難溶性の異なる活性成分と組み合わされた水溶性活性成分を含み、該成分の溶解性は、前記場所における処理地盤に2つまたはそれ以上の層(処理場所の上階層は不溶性または難溶性の成分を保持し、下階層は実質的に水溶性の活性成分を含有する。)が自然に形成されるように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
防蟻組成物が前記場所の地盤中に混ぜ入れられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
防蟻組成物が、地盤面よりも約0から約25cm下の深さの地盤域に施用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記場所において、地盤の一部が空間を作るために除去され、除去された地盤部分が防蟻組成物を用いて処理され、得られた処理済地盤部分が前記空間に戻される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
土壌の一部が空間を作るために除去され、前記空間が防蟻組成物を用いて処理され、および除去された土壌の一部が処理済空間に戻される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
防蟻組成物がシロアリには実質的に検知不能である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
特定の防蟻組成物が、シロアリが検知可能な他の助剤または防蟻活性成分と混合または組み合わされている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
防蟻活性成分が、イミダクロプリドまたは5−アミノ1−(2,6−ジクロロ4−トリフルオロメチルフェニル)4−トリフルオロメチルスルフィニル3−シアノピラゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
シロアリがミゾガラシロアリ科(Rhinotermitidae)である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
シロアリが、ヤマトシロアリ属種(Reticulitermes spp.)、ヘテロテルメス属種(Heterotermes spp.)またはイエシロアリ属種(Coptotermes spp.)である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
シロアリが、レティカリテルメス フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レティカリテルメス ヴァージニカス(Reticulitermes virginicus)、レティカリテルメス ハジェニ(Reticulitermes hageni)、レティカリテルメス ハジェナス(Reticulitermes hagenus)、レティカリテルメス ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)、レティカリテルメス ティビアリス(Reticulitermes tibialis)、レティカリテルメス アレニコラ(Reticulitermes arenicola)、レティカリテルメス ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、レティカリテルメス サントネンシス(Reticulotermes santonensis)、レティカリテルメス ルシフガス(Reticulitermes lucifugus)、ヘテロテルメス アウレウス(Heterotermes aureus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、コプトテルメス ハヴィランジ(Coptotermes havilandi)またはコプトテルメス アシナシフォルムス(Coptotermes acinaciformus)である、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2008−510818(P2008−510818A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530036(P2007−530036)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/029859
【国際公開番号】WO2006/036387
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【Fターム(参考)】