シンク用収容具
【課題】位置ずれが極めて生じ難い上、耐荷重量の増大と製造コストの低減と設置スペースのコンパクト化とを同時に実現することができるシンク内収容具を提供すること。
【解決手段】吸盤1と、この吸盤1に取り付けられる収容体2とを備え、吸盤1は、壁面Wに吸着する吸着面を裏側に有する吸着部3と、この吸着部3の表側に突設された先太の取付基部4とを有し、収容体2の背面には、取付基部4が嵌着される嵌着溝5と、嵌着溝5の下方に連設され、取付基部4が嵌着溝5に嵌着される際に取付基部4を摺動案内するガイド溝7と、嵌着溝5よりも上側において、収容体2の背面側に向けて延びる突出部10とが設けられている。
【解決手段】吸盤1と、この吸盤1に取り付けられる収容体2とを備え、吸盤1は、壁面Wに吸着する吸着面を裏側に有する吸着部3と、この吸着部3の表側に突設された先太の取付基部4とを有し、収容体2の背面には、取付基部4が嵌着される嵌着溝5と、嵌着溝5の下方に連設され、取付基部4が嵌着溝5に嵌着される際に取付基部4を摺動案内するガイド溝7と、嵌着溝5よりも上側において、収容体2の背面側に向けて延びる突出部10とが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スポンジたわし、柄付きブラシ等の物品の保持や、洗剤、ごみ等の収容に用いることができ、特に流し台のシンク内での使用に好適なシンク用収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシンク用収容具として、吸盤の非吸着面側に突設された吸盤基部の周囲に係合溝を形成し、この係合溝にラック(収容体)を係合させて、吸盤を介してラックを壁面に取り付けるように構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記シンク用収容具では、吸盤を一つのみ用いると、その吸盤に対してラックが不意に回転して位置ずれが生じてしまうという問題がある。
【0005】
この点、特許文献1には二つの吸盤を用いることが記載されており、壁面の異なる位置に吸着した二つの吸盤にラックを係合させれば、その状態のラックは吸盤に対して回転し難くなり、吸盤を二つ用いる分だけ耐荷重量も上がるというメリットが得られる反面、吸盤の数を増やすことは、コストアップを招来すると共に、シンク用収容具の設置スペースのコンパクト化を図り難くなるというデメリットもある。
【0006】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、位置ずれが極めて生じ難い上、耐荷重量の増大と製造コストの低減と設置スペースのコンパクト化とを同時に実現することができるシンク内収容具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るシンク用収容具は、
吸盤と、この吸盤に取り付けられる収容体とを備え、
前記吸盤は、壁面に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部と、この吸着部の表側に突設された先太の取付基部とを有し、
前記収容体の背面には、
前記取付基部が嵌着される嵌着溝と、
この嵌着溝の下方に連設され、前記取付基部が前記嵌着溝に嵌着される際に該取付基部を摺動案内するガイド溝と、
前記嵌着溝よりも上側において、該収容体の背面側に向けて延びる突出部とが設けられている(請求項1)。
【0008】
上記シンク収容具において、前記ガイド溝の幅が前記嵌着溝から離れるほど大きくなっていてもよい(請求項2)。
【0009】
上記シンク収容具において、前記収容体が、水切り穴が設けられた底部の周縁に側壁部が立設され上方が開放された本体ケースを有し、前記側壁部の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分が設けられていてもよい(請求項3)。
【0010】
この場合、前記本体ケースに着脱自在であるリング体を備え、このリング体は、前記本体ケースの上縁に係止するフランジ部と、このフランジ部の下側に連設され前記本体ケースの上部内側に挿入される筒状部とを有していてもよい(請求項4)。
【0011】
また、この場合、前記本体ケース内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器を備え、この水切り穴付き容器は、水切り穴が設けられた底部と、この底部の周縁に立設され、上方が開放された筒状の側壁部とを有し、前後幅が前記欠落部分の前後幅よりも大きいとしてもよい(請求項5)。
【0012】
一方、上記シンク収容具において、前記収容体が、側方からの押圧を受けて弾性変形する本体部と、前記弾性変形に伴って前記本体部内の収容対象を吐出する吐出部とを有するディスペンサーであってもよい(請求項6)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜6に係る発明では、位置ずれが極めて生じ難い上、耐荷重量の増大と製造コストの低減と設置スペースのコンパクト化とを同時に実現することができるシンク内収容具が得られる。
【0014】
すなわち、請求項1〜6に係る発明では、壁面に吸着した吸盤に収容体を取り付けた際に、突出部が壁面の上端に連なる水平部分に係止するようにすれば、この係止によって、収容体が吸盤に対して正面視時計まわり又は反時計まわりに回転し位置ずれが生じることを確実に防止することができる。さらに、収容体に対して掛かる下向きの荷重は、突出部と前記水平部分との接触部分を支点として収容体を回転させる力に変換され、変換された力は吸盤(作用点)を壁面に向けて押し付ける力となって、壁面に対する吸盤の吸着状態を良好に保つように作用するので、収容具の耐荷重量は極めて大きくなる。
【0015】
また、壁面に吸着した状態の吸盤に対して収容体を取り付ける場合には、吸盤が収容体によって壁面に押し付けられることになり、吸着部と壁面との間に若干の空気が存在していたとしてもその空気は外部に導出されることになるので、これによって吸盤の壁面に対する吸着状態は良好なものになる。
【0016】
さらに、請求項1〜6に係る収容具は、壁面に沿わせて設置することができる上、吸盤を一つのみ用いて収容体を取り付けることができるので、吸盤を複数用いなければならない場合と比べて製造コストが低減するとともに、設置スペースのコンパクト化をより容易に図ることができ、このことはシンク内の利用可能なスペースの拡大にも寄与する。
【0017】
請求項2に係る発明では、ガイド溝の幅が嵌着溝から離れるほど狭くなっており、嵌着溝に至るまでの取付基部に対するガイド溝の摺動案内を、ガイド溝の幅が広い部分から開始することにより、嵌着溝に対する取付基部の嵌着操作を極めて容易に行うことができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、収容対象の保持を、水切りをしつつ通気性の良い状態で行うことができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、リング体を本体ケースに装着すると、柄付きブラシ等のある程度の長さを有するツールの収容に向いた状態となり、リング体を本体ケースから取り外すと、たわし等の比較的短いツールの収容に向いた状態となり、従って、収容可能な対象が増やすことができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、水切り穴付き容器内にごみを収容することができ、この場合、本体ケースに保持された状態の水切り穴付き容器内にごみが溜まれば、本体ケース内から水切り穴付き容器を取り出して、上下逆さにして水切り穴付き容器内のごみをごみ袋等に捨てればよく、このように、水切り穴付き容器内に溜まったごみの処理を、壁面に対する吸盤の着脱や吸盤に対する収容体の着脱を一切伴うことなく簡便に行える。
【0021】
請求項6に係る発明では、本体部を前方から押圧して使用することにより、この前方からの押圧が吸盤を壁面に対して押し付ける力となるので、壁面に対する吸盤の吸着状態が良好に保たれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1〜第4の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す縦断面図及び横断端面図である。
【図5】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す部分透視側面図及び部分透視平面図である。
【図6】(A)〜(G)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す背面図、平面図、底面図、正面図、側面図、半縦断正面図及び斜視図、(H)は(A)のH−H線切断端面図、(I)は(B)のI−I線切断断面図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明の第2の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図8】第2の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図9】第2の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図10】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図11】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図12】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図13】(A)〜(C)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の底板の構成を概略的に示す平面図、正面図、底面図、(D)は(A)のD−D線切断断面図、(E)は(A)のE−E線切断断面図である。
【図14】(A)〜(D)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具のリング体の構成を概略的に示す平面図、底面図、斜視図及び側面図、(E)は(A)のE−E線切断断面図、(F)は(A)のF−F線切断断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るシンク用収容具の水切り穴付き容器の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図16】第3の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図17】第3の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図18】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図19】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図20】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図21】(A)〜(F)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の水切り穴付き容器の構成を概略的に示す斜視図、平面図、半縦断側面図、側面図、正面図、底面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図23】第4の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図24】第4の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図25】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図26】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図27】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図28】(A)〜(I)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のボトルの構成を概略的に示す正面側からの斜視図、平面図、横断端面図、背面側からの斜視図、縦断端面図、正面図、背面図、側面図、底面図である。
【図29】(A)〜(F)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の溝形成部材の構成を概略的に示す平面図、斜視図、背面図、縦断面図、正面図、底面図である。
【図30】(A)〜(G)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のねじ部材の構成を概略的に示す平面図、斜視図、側面図、背面図、縦断端面図、正面図、底面図である。
【図31】(A)〜(G)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のキャップの構成を概略的に示す斜視図、平面図、背面図、縦断面図、正面図、側面図、底面図である。
【図32】(A)〜(F)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のノズル部材の構成を概略的に示す側面図、背面図、平面図、斜視図、底面図、正面図、(G)は(B)のB−B線切断断面図、(H)は(F)のA−A線切断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1〜第4の実施の形態に係るシンク用収容具(以下、「収容具」と略記する)D1〜D4が、台所の流し台のシンクに設置された使用状態を示し、まず、第1実施形態に係る収容具D1について以下に説明する。
【0025】
収容具D1は、図1及び図2に示すように、スポンジたわしSの収容に適した構造をしており、図3〜図5に示すように、吸盤1と、この吸盤1に取り付けられスポンジたわしS等を収容可能な収容体2とを備えている。尚、吸盤1及び収容体2は、いずれも左右対称な構造をしている。
【0026】
吸盤1は、軟質の合成樹脂材料からなり、図3に示すように、シンクの壁面W(図1、図2参照)に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部3と、この吸着部3の表側(非吸着面側)に突設された先太の取付基部4とを有している。尚、図3において、3aはつまみであり、このつまみ3aを引っ張ることにより壁面Wに吸着した状態の吸盤1を壁面Wから簡単に剥がすことができる。
【0027】
そして、図4(A)及び(B)並びに図5(A)及び(B)に示すように、取付基部4は収容体2の背面の嵌着溝5に嵌着されるように構成されている。すなわち、取付基部4は、吸着部3に近い側(付け根側)から順に、小径部分4aと、大径部分4bとを有している。これに対して、収容体2の背面には、図4(A)及び(B)、図6(A)、(C)、(H)、(I)に示すように、その略中央から下端にかけて窪み部分6が設けられ、この窪み部分6の上部が、吸盤1の取付基部4が嵌着される嵌着溝5となっている。また、窪み部分6の中央部から下部までの部分は、嵌着溝5の下方に連設され、取付基部4が嵌着溝5に嵌着される際に取付基部4を摺動案内するガイド溝7を構成している。
【0028】
すなわち、窪み部分6は、収容体2の背面の他の部分よりも窪み、縦断面視略逆U字状のアーチ壁8に囲まれ、このアーチ壁8において収容体2の背面側寄りの部分には、図4(A)及び(B)、図6(C)、(H)、(I)に示すように、内側に向けて突出する内向き突出部分9が形成されている。ここで、ガイド溝7の左右の幅は嵌着部5から離れるほど(下側ほど)大きくなっている。また、図6(I)に示すように、本例では、内向き突出部分9は窪み部分6の下部には設けられていない。
【0029】
そして、吸盤1に対して収容体2を取り付けるには、吸盤1の取付基部4をガイド溝7(窪み部分6)の下部に当接させた状態としつつ収容体2の上方に向かうように摺動させればよく、この摺動の際にガイド溝7に案内される取付基部4はやがて嵌着溝5に嵌着されることになり、これにより、吸盤1に対する収容体2の取付けが完了する。
【0030】
ここで、壁面Wに吸着した状態の吸盤1に対して収容体2を取り付ける場合には、吸盤1が収容体2によって壁面Wに押し付けられることになり、吸着部3と壁面Wとの間に若干の空気が存在していたとしてもその空気は外部に導出されることになるので、これによって吸盤1の壁面Wに対する吸着状態は良好なものになる。
【0031】
ところで、図6(I)に示すように、内向き突出部分9の前後方向の厚みは上側ほど大きくなるように構成されており、これに伴って、内向き突出部分9と窪み部分6の背面との間隔dは上側ほど狭くなっている。従って、嵌着溝5に至るまでの取付基部4に対するガイド溝7の摺動案内は、間隔dが広い範囲で行われるため支障無く行われ、嵌着溝5に対する取付基部4の嵌着は間隔dが狭くなっている部分で行われるため、内向き突出部分9と窪み部分6の背面とによって大径部分4bがしっかり挟持され、取付基部4が嵌着溝5から抜けることが無く、上記嵌着は良好に保持されることになる。そして、この効果は、間隔dが上側ほど狭くなっていることに加えて、ガイド溝7の左右幅が上側ほど狭くなっていることによって、一層高められることになる。
【0032】
一方、収容体2の左右方向及び前後方向の幅は、図6(A)、(D)、(E)に示すように下側ほど小さくなっており、収容体2の背面の上端には、背面側に向けて延びる突出部10が設けられている。この突出部10は、図1及び図2に示すように、壁面Wに吸着した吸盤1に収容体2を取り付けた際に、シンクの上縁に係止するように構成され、この係止によって、収容体2が吸盤1に対して正面視時計まわり又は反時計まわりに回転し位置ずれが生じることを確実に防止することができる。さらに、収容体2に対して掛かる下向きの荷重は、突出部10とシンクの上縁との接触部分を支点として収容体2を回転させる力に変換され、変換された力は吸盤1(作用点)を壁面Wに向けて押し付ける力となって、壁面Wに対する吸盤1の吸着状態を良好に保つように作用するので、収容具D1の耐荷重量は極めて大きくなる。
【0033】
また、収容体2は、スポンジたわしSの保持を、水切りをしつつ通気性(風通し)良く行えるように構成されている。すなわち、図6(A)〜(I)に示すように、収容体2は、水切り穴11が設けられた底部12の周縁に側壁部13が立設され上方が開放されたケースからなり、側壁部13の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分14が設けられている。
【0034】
ここで、収容体2の材料は、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等の合成樹脂に防汚剤を混合添加して撥水性、防汚性、滑り性、耐磨耗性等の付与、向上を図れるようにしたものである。
【0035】
上記のように構成された収容具D1は、上述した効果に加えて以下の効果を奏する。
【0036】
すなわち、収容具D1では、収容体2に水切り穴11を設けてあるとともに、上記材料によって収容体2の表面の水流れが良くなっているため、収容体2に収容したスポンジたわしSの水切りを好適に行える。また、収容体2は、水切り穴11に加えて欠落部分14を有し、風通しの良い構造をも備えているのに加え、上記材料の性質によって汚れが表面に付着して広がり難くなっているため、収容体2に収容したスポンジたわしSを非常に清潔な状態に保つことができる。
【0037】
さらに、収容具D1は、壁面Wに沿わせて設置される上、吸盤1を一つのみ用いて収容体2を取り付けることができるので、吸盤1を複数用いなければならない場合と比べて製造コストが低減するとともに、設置スペースのコンパクト化をより容易に図ることができ、このことはシンク内の利用可能なスペースの拡大にも寄与する。
【0038】
加えて、収容具D1は合成樹脂等からなる軽量化を図るのに好適な構造を備えていると共に、収容具D1の吸盤1は公知の製造方法によって簡単に得られる上、収容体2も射出成形等の簡単な製造方法で得られるので、特許文献1に示されているような金属フレームどうしを溶接で固着して得られる収容具と比べて、軽量性や量産性(生産性)の点でも優れ、特に軽量性の点での優位性は耐荷重量の増大にも繋がる。
【0039】
次に、第2実施形態に係る収容具D2について説明する。
【0040】
収容具D2は、図1並びに図7(A)及び(B)に示すように、柄付きブラシBやたわしT等のツールの収容に適した構造をしており、図8及び図9に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられ柄付きブラシBやたわしT等を収容可能な収容体20とを備えている。尚、収容体20は左右対称な構造をしている。
【0041】
ここで、収容体20は、収容具D1の収容体2と同一構成の本体ケース21に対して、本体ケース21の底部に装着される底板22と、本体ケース21の上部に着脱自在であるリング体23とを設けたものである。そして、本体ケース21についての説明は、上述した収容体20についての説明と同一であるため、以下では省略する。同様に、吸盤1についての説明も省略する。
【0042】
底板22は、本体ケース21内に収容した柄付きブラシBやたわしT等のツールが水切り穴11から抜け落ちないようにするためのものであり、本体ケース21の底部12に対してその上側から水切り穴11を覆うように載置される。そして、このように載置された状態の底板22は、図11(A)に示すように、底部12を取り囲む側壁13の下部に周縁が当接し、安定した状態で保持される。また、底板22は、図13(A)〜(E)に示す構造を有し、複数(本例では計7本)設けられた長孔22aが水切り穴として機能する(図11(A)及び(B)参照)。
【0043】
一方、リング体23は、本体ケース21内に収容した柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールが左右の欠落部分14から外側に傾いて倒れないようにするためのものであり、図7(A)、図14(A)〜(F)に示すように、本体ケース21の上縁に係止するフランジ部24と、このフランジ部24の下側に連設され本体ケース21の上部内側に挿入される筒状部25とを有する。そして、このリング体23を本体ケース21に装着した状態では、図7(A)、図8、図10(A)及び(B)、図12(A)及び(B)に示す状態となり、本体ケース21内に収容された柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールは、傾いた際に必ずリング体23に当接するので、左右の欠落部分14から外側に傾いて倒れることはない。
【0044】
尚、底板22及びリング体23は、本体ケース21、すなわち収容体2と同じ材料からなる。
【0045】
そして、上記のように構成された収容具D2は、リング体23を本体ケース21に装着すると、図7(A)に示すように柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールの収容に向いた状態となり、リング体23を本体ケース21から取り外すと、図7(B)に示すようにたわしT等の比較的短いツールの収容に向いた状態となる。
【0046】
次に、第3実施形態に係る収容具D3について説明する。
【0047】
収容具D3は、図1に示すようにシンクに設置された状態においてごみの収容に適した構造を有しており、図16及び図17に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられごみを収容可能な収容体30とを備えている。尚、収容体30は前後に対称な構造をしている。
【0048】
ここで、収容体30は、前出の本体ケース21内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器31を設けたものである。そして、吸盤1及び本体ケース21についての説明は、既述の通りであり繰り返しになるので以下では省略する。
【0049】
水切り穴付き容器31は、水切りをしつつ内部にごみを収容することができるように構成されている。すなわち、図21(A)〜(F)に示すように、水切り穴付き容器31は、複数(本例では五つ)の長孔状の水切り穴32aが設けられた底部32の周縁に上方が開放された筒状の側壁部33が立設された形状を呈する。
【0050】
そして、水切り穴付き容器31は、本体ケース21の底部12に対してその上側から水切り穴11を覆うように載置され、このように載置された状態の水切り穴付き容器31は、大きくがたつくことなく安定した状態で保持される。これは、図17、図21(A)〜(F)に示すように、水切り穴付き容器31の側壁部33の前後両面の上部にそれぞれ複数(本例では二つ)の小さい突起部33aが設けられ、側壁部33の前後両面の中央部から下部にかけてそれぞれ複数(本例では二つ)のリブ33bが設けられており、突起部33a及びリブ33bが本体ケース21の側壁13の内面に当接するように構成されているためである。
【0051】
ここで、例えば、水切り穴付き容器31の側壁部33の外面全体が本体ケース21の側壁13の内面に当接するようにしても、水切り穴付き容器31のがたつきを無くすことができるが、この場合、本体ケース21と水切り穴付き容器31との嵌合が強くなり過ぎて、本体ケース21に対する水切り穴付き容器31の挿抜操作(特に本体ケース21からの引き抜き操作)に大きな力が必要となって不具合を生じる恐れがある。しかし、本例では、側壁部33の外面において突起部33a及びリブ33bのみが本体ケース21の側壁13の内面に当接するようにしてあるので、上記のような不具合は極めて生じ難い。
【0052】
また、水切り穴付き容器31の左右方向及び前後方向の幅は、図21(D)、(E)に示すように下側ほど小さくなっており、さらに、水切り穴付き容器31の前後幅は、図16、図19(A)及び(B)、図20(A)及び(B)に示すように、本体ケース21の欠落部分14の前後幅よりも大きく、従って、本体ケース21内の水切り穴付き容器31が欠落部分14から横側に抜け落ちてしまうことはない。
【0053】
ここで、図16〜図18、図19(A)、図20(B)、図21(A)、(B)、(E)に示すように、側壁部33の上端の左右両縁の何れか一方に、側方に向けて延びる把手部分34が設けられている。そのため、本体ケース21内に収容された水切り穴付き容器31は、図16、図18(A)及び(B)、図19(A)及び(B)に示すように、本体ケース21の側方に突出した掴みやすい状態となっている把手部分34を掴んで持ち上げることにより、本体ケース21内から容易に取り出すことができる。
【0054】
そして、本体ケース21に保持された状態の水切り穴付き容器31内にごみが溜まれば、本体ケース21内から水切り穴付き容器31を取り出して、図15に示すように、上下逆さにして水切り穴付き容器31内のごみをごみ袋G等に捨てればよく、このように、水切り穴付き容器31内に溜まったごみの処理を、壁面Wに対する吸盤1の着脱や吸盤1に対する収容体30の着脱を一切伴うことなく簡便に行える。
【0055】
尚、水切り穴付き容器31は、本体ケース21と同じ材料からなる。
【0056】
次に、第4実施形態に係る収容具D4について説明する。
【0057】
収容具D4は、図1及び図22に示すようにディスペンサーとして構成されており、図23及び図24に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられ液状の洗剤等を収容可能な収容体40とを備えている。尚、吸盤1についての説明は、既述の通りであり繰り返しになるので以下では省略する。
【0058】
収容体40は、図24に示すように本体部としてのボトル41を備え、このボトル41には溝形成部材42が装着され、これによって、ボトル41の背面に嵌着溝5及びガイド溝7が形成される。
【0059】
すなわち、ボトル41は、図28(A)〜(I)に示す構造を有し、全体が可撓性を有するように構成されていると共に、ボトル41の背面には、その上端から下部にかけて窪み部分43が設けられ、ボトル41の上面には口部44が設けられている。
【0060】
これに対して、溝形成部材42は、図29(A)〜(F)に示す構造を有し、ボトル41の口部44に係止するネックリング45と、このネックリング45から垂下する略逆U字状の垂下部46とを備えている。
【0061】
そして、ネックリング45を口部44に係止して溝形成部材42をボトル41に装着すると、図25(B)に示すように、垂下部46が窪み部分43内に収まり、垂下部46と窪み部分43とによって嵌着溝5及びガイド溝7が形成される。つまり、垂下部46の内側の略逆U字状の縁が前記内向き突出部分9となる。
【0062】
従って、吸盤1に対して収容体40を取り付けるには、吸盤1の取付基部4をガイド溝7(窪み部分43)の下部に当接させた状態としつつ収容体40の上方に向かうように摺動させればよく、この摺動の際にガイド溝7に案内される取付基部4はやがて嵌着溝5に嵌着されることになり、これにより、吸盤1に対する収容体2の取付けが完了する。
【0063】
ここで、ボトル41は全体が可撓性を有するように構成されているので、吸盤1の取付基部40をボトル41の窪み部分43に押し付けるとこの窪み部分43が若干撓み、これにより、窪み部分43と溝形成部材42の垂下部46との間の隙間が若干大きくなって、取付基部4をガイド溝7の案内により嵌着溝5まで移動させる摺動が行い易くなる。また、取付基部4が嵌着溝5に至った後、収容具D4から手を放すと、撓んでいた窪み部分43が元の形状に戻り、これにより、窪み部分43と溝形成部材42の垂下部46との間の隙間が小さくなる。従って、内向き突出部分9(垂下部46の内縁)と窪み部分43の背面とによって大径部分4bがしっかり挟持されて、取付基部4が嵌着溝5から抜けることは無く、嵌着溝5に対する取付基部4の嵌着は良好に保持されることになる。
【0064】
一方、収容体40は、口部44からボトル41内に挿入される管47を備え、この管47の上部はねじ部材48に接続されている(図24参照)。
【0065】
ねじ部材48は、図30(A)〜(G)に示す構造を有し、ボトル41の口部44の外側面に設けられた雄ねじ(図示していない)に螺着する雌ねじ(図示していない)が円筒状の側壁部49の内周面に設けられている。また、ねじ部材48は、管47が下方から内側に挿入接続される接続部50を側壁部49の内側に有し、ボトル41内に収容された液状洗剤等の収容対象が管47を経て接続部50内に至ると、その収容対象を側壁部49の前方に延びる導出部51から前方に導出するように構成されている。
【0066】
そして、ねじ部材48は、図24、図31(A)〜(G)に示すキャップ52に装着される。すなわち、図31(D)、(G)に示すように、キャップ52の天壁53の下面には、ねじ部材48のフランジ49a(図30参照)に係止する係止爪54aを有する略円弧状の垂下壁54が設けられている。また、天壁53から垂下する側壁55の前部には、ねじ部材48の導出部51を挿通させる挿通孔55aが形成されている。従って、ねじ部材48をキャップ52に装着するには、導出部51を挿通孔55aに挿通させた状態で、フランジ49aを係止爪54aに係止させればよい。
【0067】
また、キャップ52の天壁53には、背面側に向けて延びる突出部10が設けられている。
【0068】
そして、キャップ52の挿通孔55aを挿通し、キャップ55の外部に突出した状態の導出部51には、図24、図32(A)〜(H)に示すノズル部材56が装着される。すなわち、図30(A)〜(C)、(E)〜(G)に示すように、導出部51の外面には係合突起51aが設けられており、これに対して、図32(G)及び(H)に示すように、ノズル部材56の内壁には係合突起51aを係合可能な係合溝57が形成されている。また、ノズル部材56の後部には、キャップ52の挿通孔55aに挿入される挿入部58が設けられ、ノズル部材56の前部下面には吐出口56aが形成されている。
【0069】
上記の構成を有する収容体40を組み立てるには、ボトル41に溝形成部材42を装着する一方、キャップ52にねじ部材48を装着し、ねじ部材48に管47を接続した状態で、管47を口部44からボトル41内に挿入し、キャップ52を回して口部44の雄ねじにねじ部材48の雌ねじを螺着させ、また、キャップ52の挿通孔55aから外部に突出した状態の導出部51に吐出部としてのノズル部材56を装着すればよい。
【0070】
このように組み立てられた収容体40は、図22、図23、図25〜図27に示す状態となり、図22に示すように、ボトル41を側方(前方)から押圧するとこのボトル41は弾性変形し、この弾性変形に伴ってボトル41内の収容対象がノズル部材56の吐出口56aから下向きに吐出されることになる。
【0071】
そして、ボトル41を前方から押圧して使用することにより、この前方からの押圧が吸盤1を壁面Wに対して押し付ける力ともなるので、壁面Wに対する吸盤1の吸着状態が良好に保たれることになる。
【0072】
尚、本例では、収容体40を構成する各部材のうち、ボトル41はEVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)等の柔軟性を有する樹脂に、これ以外の部材はPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)等の比重の軽い樹脂に、それぞれ防汚剤を混合添加した材料からなる。
【0073】
なお、上記各実施形態において、各部材の材料や形状等の構成要素は適宜変更することができる。
【0074】
例えば、収容具D1〜D4は、上述のようにシンクSに取り付けての使用に好適なものであるが、略上下方向に延びる壁面Wとこの壁面Wの上端に水平部分が連なっているような場所であれば取り付けて使用することができ、シンクSでのみの使用に限られるものではない。
【0075】
また、上記各実施の形態では、突出部10は収容体10,20,30,40の背面の上端に設けられているが、これに限られず、突出部10は、嵌着溝5よりも上側において収容体10,20,30,40の背面側に突出するように設けられていればよい。
【0076】
また、上記各実施の形態における取付基部4及び嵌着溝5を、あり及びあり溝によって構成してもよい。
【0077】
また、第2実施形態の底板22は本体ケース21と一体成形されていてもよく、同様に、第4実施形態の収容体40を構成する部材を適宜に一体成形してもよい。例えば、ねじ部材48に管47やキャップ52が一体成形されていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 吸盤
2 収容体
3 吸着部
4 取付基部
5 嵌着溝
7 ガイド溝
10 突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スポンジたわし、柄付きブラシ等の物品の保持や、洗剤、ごみ等の収容に用いることができ、特に流し台のシンク内での使用に好適なシンク用収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシンク用収容具として、吸盤の非吸着面側に突設された吸盤基部の周囲に係合溝を形成し、この係合溝にラック(収容体)を係合させて、吸盤を介してラックを壁面に取り付けるように構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記シンク用収容具では、吸盤を一つのみ用いると、その吸盤に対してラックが不意に回転して位置ずれが生じてしまうという問題がある。
【0005】
この点、特許文献1には二つの吸盤を用いることが記載されており、壁面の異なる位置に吸着した二つの吸盤にラックを係合させれば、その状態のラックは吸盤に対して回転し難くなり、吸盤を二つ用いる分だけ耐荷重量も上がるというメリットが得られる反面、吸盤の数を増やすことは、コストアップを招来すると共に、シンク用収容具の設置スペースのコンパクト化を図り難くなるというデメリットもある。
【0006】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、位置ずれが極めて生じ難い上、耐荷重量の増大と製造コストの低減と設置スペースのコンパクト化とを同時に実現することができるシンク内収容具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るシンク用収容具は、
吸盤と、この吸盤に取り付けられる収容体とを備え、
前記吸盤は、壁面に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部と、この吸着部の表側に突設された先太の取付基部とを有し、
前記収容体の背面には、
前記取付基部が嵌着される嵌着溝と、
この嵌着溝の下方に連設され、前記取付基部が前記嵌着溝に嵌着される際に該取付基部を摺動案内するガイド溝と、
前記嵌着溝よりも上側において、該収容体の背面側に向けて延びる突出部とが設けられている(請求項1)。
【0008】
上記シンク収容具において、前記ガイド溝の幅が前記嵌着溝から離れるほど大きくなっていてもよい(請求項2)。
【0009】
上記シンク収容具において、前記収容体が、水切り穴が設けられた底部の周縁に側壁部が立設され上方が開放された本体ケースを有し、前記側壁部の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分が設けられていてもよい(請求項3)。
【0010】
この場合、前記本体ケースに着脱自在であるリング体を備え、このリング体は、前記本体ケースの上縁に係止するフランジ部と、このフランジ部の下側に連設され前記本体ケースの上部内側に挿入される筒状部とを有していてもよい(請求項4)。
【0011】
また、この場合、前記本体ケース内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器を備え、この水切り穴付き容器は、水切り穴が設けられた底部と、この底部の周縁に立設され、上方が開放された筒状の側壁部とを有し、前後幅が前記欠落部分の前後幅よりも大きいとしてもよい(請求項5)。
【0012】
一方、上記シンク収容具において、前記収容体が、側方からの押圧を受けて弾性変形する本体部と、前記弾性変形に伴って前記本体部内の収容対象を吐出する吐出部とを有するディスペンサーであってもよい(請求項6)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜6に係る発明では、位置ずれが極めて生じ難い上、耐荷重量の増大と製造コストの低減と設置スペースのコンパクト化とを同時に実現することができるシンク内収容具が得られる。
【0014】
すなわち、請求項1〜6に係る発明では、壁面に吸着した吸盤に収容体を取り付けた際に、突出部が壁面の上端に連なる水平部分に係止するようにすれば、この係止によって、収容体が吸盤に対して正面視時計まわり又は反時計まわりに回転し位置ずれが生じることを確実に防止することができる。さらに、収容体に対して掛かる下向きの荷重は、突出部と前記水平部分との接触部分を支点として収容体を回転させる力に変換され、変換された力は吸盤(作用点)を壁面に向けて押し付ける力となって、壁面に対する吸盤の吸着状態を良好に保つように作用するので、収容具の耐荷重量は極めて大きくなる。
【0015】
また、壁面に吸着した状態の吸盤に対して収容体を取り付ける場合には、吸盤が収容体によって壁面に押し付けられることになり、吸着部と壁面との間に若干の空気が存在していたとしてもその空気は外部に導出されることになるので、これによって吸盤の壁面に対する吸着状態は良好なものになる。
【0016】
さらに、請求項1〜6に係る収容具は、壁面に沿わせて設置することができる上、吸盤を一つのみ用いて収容体を取り付けることができるので、吸盤を複数用いなければならない場合と比べて製造コストが低減するとともに、設置スペースのコンパクト化をより容易に図ることができ、このことはシンク内の利用可能なスペースの拡大にも寄与する。
【0017】
請求項2に係る発明では、ガイド溝の幅が嵌着溝から離れるほど狭くなっており、嵌着溝に至るまでの取付基部に対するガイド溝の摺動案内を、ガイド溝の幅が広い部分から開始することにより、嵌着溝に対する取付基部の嵌着操作を極めて容易に行うことができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、収容対象の保持を、水切りをしつつ通気性の良い状態で行うことができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、リング体を本体ケースに装着すると、柄付きブラシ等のある程度の長さを有するツールの収容に向いた状態となり、リング体を本体ケースから取り外すと、たわし等の比較的短いツールの収容に向いた状態となり、従って、収容可能な対象が増やすことができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、水切り穴付き容器内にごみを収容することができ、この場合、本体ケースに保持された状態の水切り穴付き容器内にごみが溜まれば、本体ケース内から水切り穴付き容器を取り出して、上下逆さにして水切り穴付き容器内のごみをごみ袋等に捨てればよく、このように、水切り穴付き容器内に溜まったごみの処理を、壁面に対する吸盤の着脱や吸盤に対する収容体の着脱を一切伴うことなく簡便に行える。
【0021】
請求項6に係る発明では、本体部を前方から押圧して使用することにより、この前方からの押圧が吸盤を壁面に対して押し付ける力となるので、壁面に対する吸盤の吸着状態が良好に保たれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1〜第4の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す縦断面図及び横断端面図である。
【図5】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す部分透視側面図及び部分透視平面図である。
【図6】(A)〜(G)は第1の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す背面図、平面図、底面図、正面図、側面図、半縦断正面図及び斜視図、(H)は(A)のH−H線切断端面図、(I)は(B)のI−I線切断断面図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明の第2の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図8】第2の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図9】第2の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図10】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図11】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図12】(A)及び(B)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図13】(A)〜(C)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具の底板の構成を概略的に示す平面図、正面図、底面図、(D)は(A)のD−D線切断断面図、(E)は(A)のE−E線切断断面図である。
【図14】(A)〜(D)は第2の実施の形態に係るシンク用収容具のリング体の構成を概略的に示す平面図、底面図、斜視図及び側面図、(E)は(A)のE−E線切断断面図、(F)は(A)のF−F線切断断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るシンク用収容具の水切り穴付き容器の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図16】第3の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図17】第3の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図18】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図19】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図20】(A)及び(B)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図21】(A)〜(F)は第3の実施の形態に係るシンク用収容具の水切り穴付き容器の構成を概略的に示す斜視図、平面図、半縦断側面図、側面図、正面図、底面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係るシンク用収容具の使用状態を概略的に示す斜視図である。
【図23】第4の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す斜視図である。
【図24】第4の実施の形態に係るシンク用収容具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図25】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。
【図26】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す平面図及び底面図である。
【図27】(A)及び(B)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の収容体の構成を概略的に示す右側面図及び左側面図である。
【図28】(A)〜(I)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のボトルの構成を概略的に示す正面側からの斜視図、平面図、横断端面図、背面側からの斜視図、縦断端面図、正面図、背面図、側面図、底面図である。
【図29】(A)〜(F)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具の溝形成部材の構成を概略的に示す平面図、斜視図、背面図、縦断面図、正面図、底面図である。
【図30】(A)〜(G)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のねじ部材の構成を概略的に示す平面図、斜視図、側面図、背面図、縦断端面図、正面図、底面図である。
【図31】(A)〜(G)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のキャップの構成を概略的に示す斜視図、平面図、背面図、縦断面図、正面図、側面図、底面図である。
【図32】(A)〜(F)は第4の実施の形態に係るシンク用収容具のノズル部材の構成を概略的に示す側面図、背面図、平面図、斜視図、底面図、正面図、(G)は(B)のB−B線切断断面図、(H)は(F)のA−A線切断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1〜第4の実施の形態に係るシンク用収容具(以下、「収容具」と略記する)D1〜D4が、台所の流し台のシンクに設置された使用状態を示し、まず、第1実施形態に係る収容具D1について以下に説明する。
【0025】
収容具D1は、図1及び図2に示すように、スポンジたわしSの収容に適した構造をしており、図3〜図5に示すように、吸盤1と、この吸盤1に取り付けられスポンジたわしS等を収容可能な収容体2とを備えている。尚、吸盤1及び収容体2は、いずれも左右対称な構造をしている。
【0026】
吸盤1は、軟質の合成樹脂材料からなり、図3に示すように、シンクの壁面W(図1、図2参照)に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部3と、この吸着部3の表側(非吸着面側)に突設された先太の取付基部4とを有している。尚、図3において、3aはつまみであり、このつまみ3aを引っ張ることにより壁面Wに吸着した状態の吸盤1を壁面Wから簡単に剥がすことができる。
【0027】
そして、図4(A)及び(B)並びに図5(A)及び(B)に示すように、取付基部4は収容体2の背面の嵌着溝5に嵌着されるように構成されている。すなわち、取付基部4は、吸着部3に近い側(付け根側)から順に、小径部分4aと、大径部分4bとを有している。これに対して、収容体2の背面には、図4(A)及び(B)、図6(A)、(C)、(H)、(I)に示すように、その略中央から下端にかけて窪み部分6が設けられ、この窪み部分6の上部が、吸盤1の取付基部4が嵌着される嵌着溝5となっている。また、窪み部分6の中央部から下部までの部分は、嵌着溝5の下方に連設され、取付基部4が嵌着溝5に嵌着される際に取付基部4を摺動案内するガイド溝7を構成している。
【0028】
すなわち、窪み部分6は、収容体2の背面の他の部分よりも窪み、縦断面視略逆U字状のアーチ壁8に囲まれ、このアーチ壁8において収容体2の背面側寄りの部分には、図4(A)及び(B)、図6(C)、(H)、(I)に示すように、内側に向けて突出する内向き突出部分9が形成されている。ここで、ガイド溝7の左右の幅は嵌着部5から離れるほど(下側ほど)大きくなっている。また、図6(I)に示すように、本例では、内向き突出部分9は窪み部分6の下部には設けられていない。
【0029】
そして、吸盤1に対して収容体2を取り付けるには、吸盤1の取付基部4をガイド溝7(窪み部分6)の下部に当接させた状態としつつ収容体2の上方に向かうように摺動させればよく、この摺動の際にガイド溝7に案内される取付基部4はやがて嵌着溝5に嵌着されることになり、これにより、吸盤1に対する収容体2の取付けが完了する。
【0030】
ここで、壁面Wに吸着した状態の吸盤1に対して収容体2を取り付ける場合には、吸盤1が収容体2によって壁面Wに押し付けられることになり、吸着部3と壁面Wとの間に若干の空気が存在していたとしてもその空気は外部に導出されることになるので、これによって吸盤1の壁面Wに対する吸着状態は良好なものになる。
【0031】
ところで、図6(I)に示すように、内向き突出部分9の前後方向の厚みは上側ほど大きくなるように構成されており、これに伴って、内向き突出部分9と窪み部分6の背面との間隔dは上側ほど狭くなっている。従って、嵌着溝5に至るまでの取付基部4に対するガイド溝7の摺動案内は、間隔dが広い範囲で行われるため支障無く行われ、嵌着溝5に対する取付基部4の嵌着は間隔dが狭くなっている部分で行われるため、内向き突出部分9と窪み部分6の背面とによって大径部分4bがしっかり挟持され、取付基部4が嵌着溝5から抜けることが無く、上記嵌着は良好に保持されることになる。そして、この効果は、間隔dが上側ほど狭くなっていることに加えて、ガイド溝7の左右幅が上側ほど狭くなっていることによって、一層高められることになる。
【0032】
一方、収容体2の左右方向及び前後方向の幅は、図6(A)、(D)、(E)に示すように下側ほど小さくなっており、収容体2の背面の上端には、背面側に向けて延びる突出部10が設けられている。この突出部10は、図1及び図2に示すように、壁面Wに吸着した吸盤1に収容体2を取り付けた際に、シンクの上縁に係止するように構成され、この係止によって、収容体2が吸盤1に対して正面視時計まわり又は反時計まわりに回転し位置ずれが生じることを確実に防止することができる。さらに、収容体2に対して掛かる下向きの荷重は、突出部10とシンクの上縁との接触部分を支点として収容体2を回転させる力に変換され、変換された力は吸盤1(作用点)を壁面Wに向けて押し付ける力となって、壁面Wに対する吸盤1の吸着状態を良好に保つように作用するので、収容具D1の耐荷重量は極めて大きくなる。
【0033】
また、収容体2は、スポンジたわしSの保持を、水切りをしつつ通気性(風通し)良く行えるように構成されている。すなわち、図6(A)〜(I)に示すように、収容体2は、水切り穴11が設けられた底部12の周縁に側壁部13が立設され上方が開放されたケースからなり、側壁部13の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分14が設けられている。
【0034】
ここで、収容体2の材料は、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等の合成樹脂に防汚剤を混合添加して撥水性、防汚性、滑り性、耐磨耗性等の付与、向上を図れるようにしたものである。
【0035】
上記のように構成された収容具D1は、上述した効果に加えて以下の効果を奏する。
【0036】
すなわち、収容具D1では、収容体2に水切り穴11を設けてあるとともに、上記材料によって収容体2の表面の水流れが良くなっているため、収容体2に収容したスポンジたわしSの水切りを好適に行える。また、収容体2は、水切り穴11に加えて欠落部分14を有し、風通しの良い構造をも備えているのに加え、上記材料の性質によって汚れが表面に付着して広がり難くなっているため、収容体2に収容したスポンジたわしSを非常に清潔な状態に保つことができる。
【0037】
さらに、収容具D1は、壁面Wに沿わせて設置される上、吸盤1を一つのみ用いて収容体2を取り付けることができるので、吸盤1を複数用いなければならない場合と比べて製造コストが低減するとともに、設置スペースのコンパクト化をより容易に図ることができ、このことはシンク内の利用可能なスペースの拡大にも寄与する。
【0038】
加えて、収容具D1は合成樹脂等からなる軽量化を図るのに好適な構造を備えていると共に、収容具D1の吸盤1は公知の製造方法によって簡単に得られる上、収容体2も射出成形等の簡単な製造方法で得られるので、特許文献1に示されているような金属フレームどうしを溶接で固着して得られる収容具と比べて、軽量性や量産性(生産性)の点でも優れ、特に軽量性の点での優位性は耐荷重量の増大にも繋がる。
【0039】
次に、第2実施形態に係る収容具D2について説明する。
【0040】
収容具D2は、図1並びに図7(A)及び(B)に示すように、柄付きブラシBやたわしT等のツールの収容に適した構造をしており、図8及び図9に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられ柄付きブラシBやたわしT等を収容可能な収容体20とを備えている。尚、収容体20は左右対称な構造をしている。
【0041】
ここで、収容体20は、収容具D1の収容体2と同一構成の本体ケース21に対して、本体ケース21の底部に装着される底板22と、本体ケース21の上部に着脱自在であるリング体23とを設けたものである。そして、本体ケース21についての説明は、上述した収容体20についての説明と同一であるため、以下では省略する。同様に、吸盤1についての説明も省略する。
【0042】
底板22は、本体ケース21内に収容した柄付きブラシBやたわしT等のツールが水切り穴11から抜け落ちないようにするためのものであり、本体ケース21の底部12に対してその上側から水切り穴11を覆うように載置される。そして、このように載置された状態の底板22は、図11(A)に示すように、底部12を取り囲む側壁13の下部に周縁が当接し、安定した状態で保持される。また、底板22は、図13(A)〜(E)に示す構造を有し、複数(本例では計7本)設けられた長孔22aが水切り穴として機能する(図11(A)及び(B)参照)。
【0043】
一方、リング体23は、本体ケース21内に収容した柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールが左右の欠落部分14から外側に傾いて倒れないようにするためのものであり、図7(A)、図14(A)〜(F)に示すように、本体ケース21の上縁に係止するフランジ部24と、このフランジ部24の下側に連設され本体ケース21の上部内側に挿入される筒状部25とを有する。そして、このリング体23を本体ケース21に装着した状態では、図7(A)、図8、図10(A)及び(B)、図12(A)及び(B)に示す状態となり、本体ケース21内に収容された柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールは、傾いた際に必ずリング体23に当接するので、左右の欠落部分14から外側に傾いて倒れることはない。
【0044】
尚、底板22及びリング体23は、本体ケース21、すなわち収容体2と同じ材料からなる。
【0045】
そして、上記のように構成された収容具D2は、リング体23を本体ケース21に装着すると、図7(A)に示すように柄付きブラシB等のある程度の長さを有するツールの収容に向いた状態となり、リング体23を本体ケース21から取り外すと、図7(B)に示すようにたわしT等の比較的短いツールの収容に向いた状態となる。
【0046】
次に、第3実施形態に係る収容具D3について説明する。
【0047】
収容具D3は、図1に示すようにシンクに設置された状態においてごみの収容に適した構造を有しており、図16及び図17に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられごみを収容可能な収容体30とを備えている。尚、収容体30は前後に対称な構造をしている。
【0048】
ここで、収容体30は、前出の本体ケース21内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器31を設けたものである。そして、吸盤1及び本体ケース21についての説明は、既述の通りであり繰り返しになるので以下では省略する。
【0049】
水切り穴付き容器31は、水切りをしつつ内部にごみを収容することができるように構成されている。すなわち、図21(A)〜(F)に示すように、水切り穴付き容器31は、複数(本例では五つ)の長孔状の水切り穴32aが設けられた底部32の周縁に上方が開放された筒状の側壁部33が立設された形状を呈する。
【0050】
そして、水切り穴付き容器31は、本体ケース21の底部12に対してその上側から水切り穴11を覆うように載置され、このように載置された状態の水切り穴付き容器31は、大きくがたつくことなく安定した状態で保持される。これは、図17、図21(A)〜(F)に示すように、水切り穴付き容器31の側壁部33の前後両面の上部にそれぞれ複数(本例では二つ)の小さい突起部33aが設けられ、側壁部33の前後両面の中央部から下部にかけてそれぞれ複数(本例では二つ)のリブ33bが設けられており、突起部33a及びリブ33bが本体ケース21の側壁13の内面に当接するように構成されているためである。
【0051】
ここで、例えば、水切り穴付き容器31の側壁部33の外面全体が本体ケース21の側壁13の内面に当接するようにしても、水切り穴付き容器31のがたつきを無くすことができるが、この場合、本体ケース21と水切り穴付き容器31との嵌合が強くなり過ぎて、本体ケース21に対する水切り穴付き容器31の挿抜操作(特に本体ケース21からの引き抜き操作)に大きな力が必要となって不具合を生じる恐れがある。しかし、本例では、側壁部33の外面において突起部33a及びリブ33bのみが本体ケース21の側壁13の内面に当接するようにしてあるので、上記のような不具合は極めて生じ難い。
【0052】
また、水切り穴付き容器31の左右方向及び前後方向の幅は、図21(D)、(E)に示すように下側ほど小さくなっており、さらに、水切り穴付き容器31の前後幅は、図16、図19(A)及び(B)、図20(A)及び(B)に示すように、本体ケース21の欠落部分14の前後幅よりも大きく、従って、本体ケース21内の水切り穴付き容器31が欠落部分14から横側に抜け落ちてしまうことはない。
【0053】
ここで、図16〜図18、図19(A)、図20(B)、図21(A)、(B)、(E)に示すように、側壁部33の上端の左右両縁の何れか一方に、側方に向けて延びる把手部分34が設けられている。そのため、本体ケース21内に収容された水切り穴付き容器31は、図16、図18(A)及び(B)、図19(A)及び(B)に示すように、本体ケース21の側方に突出した掴みやすい状態となっている把手部分34を掴んで持ち上げることにより、本体ケース21内から容易に取り出すことができる。
【0054】
そして、本体ケース21に保持された状態の水切り穴付き容器31内にごみが溜まれば、本体ケース21内から水切り穴付き容器31を取り出して、図15に示すように、上下逆さにして水切り穴付き容器31内のごみをごみ袋G等に捨てればよく、このように、水切り穴付き容器31内に溜まったごみの処理を、壁面Wに対する吸盤1の着脱や吸盤1に対する収容体30の着脱を一切伴うことなく簡便に行える。
【0055】
尚、水切り穴付き容器31は、本体ケース21と同じ材料からなる。
【0056】
次に、第4実施形態に係る収容具D4について説明する。
【0057】
収容具D4は、図1及び図22に示すようにディスペンサーとして構成されており、図23及び図24に示すように、前出の吸盤1と、この吸盤1に取り付けられ液状の洗剤等を収容可能な収容体40とを備えている。尚、吸盤1についての説明は、既述の通りであり繰り返しになるので以下では省略する。
【0058】
収容体40は、図24に示すように本体部としてのボトル41を備え、このボトル41には溝形成部材42が装着され、これによって、ボトル41の背面に嵌着溝5及びガイド溝7が形成される。
【0059】
すなわち、ボトル41は、図28(A)〜(I)に示す構造を有し、全体が可撓性を有するように構成されていると共に、ボトル41の背面には、その上端から下部にかけて窪み部分43が設けられ、ボトル41の上面には口部44が設けられている。
【0060】
これに対して、溝形成部材42は、図29(A)〜(F)に示す構造を有し、ボトル41の口部44に係止するネックリング45と、このネックリング45から垂下する略逆U字状の垂下部46とを備えている。
【0061】
そして、ネックリング45を口部44に係止して溝形成部材42をボトル41に装着すると、図25(B)に示すように、垂下部46が窪み部分43内に収まり、垂下部46と窪み部分43とによって嵌着溝5及びガイド溝7が形成される。つまり、垂下部46の内側の略逆U字状の縁が前記内向き突出部分9となる。
【0062】
従って、吸盤1に対して収容体40を取り付けるには、吸盤1の取付基部4をガイド溝7(窪み部分43)の下部に当接させた状態としつつ収容体40の上方に向かうように摺動させればよく、この摺動の際にガイド溝7に案内される取付基部4はやがて嵌着溝5に嵌着されることになり、これにより、吸盤1に対する収容体2の取付けが完了する。
【0063】
ここで、ボトル41は全体が可撓性を有するように構成されているので、吸盤1の取付基部40をボトル41の窪み部分43に押し付けるとこの窪み部分43が若干撓み、これにより、窪み部分43と溝形成部材42の垂下部46との間の隙間が若干大きくなって、取付基部4をガイド溝7の案内により嵌着溝5まで移動させる摺動が行い易くなる。また、取付基部4が嵌着溝5に至った後、収容具D4から手を放すと、撓んでいた窪み部分43が元の形状に戻り、これにより、窪み部分43と溝形成部材42の垂下部46との間の隙間が小さくなる。従って、内向き突出部分9(垂下部46の内縁)と窪み部分43の背面とによって大径部分4bがしっかり挟持されて、取付基部4が嵌着溝5から抜けることは無く、嵌着溝5に対する取付基部4の嵌着は良好に保持されることになる。
【0064】
一方、収容体40は、口部44からボトル41内に挿入される管47を備え、この管47の上部はねじ部材48に接続されている(図24参照)。
【0065】
ねじ部材48は、図30(A)〜(G)に示す構造を有し、ボトル41の口部44の外側面に設けられた雄ねじ(図示していない)に螺着する雌ねじ(図示していない)が円筒状の側壁部49の内周面に設けられている。また、ねじ部材48は、管47が下方から内側に挿入接続される接続部50を側壁部49の内側に有し、ボトル41内に収容された液状洗剤等の収容対象が管47を経て接続部50内に至ると、その収容対象を側壁部49の前方に延びる導出部51から前方に導出するように構成されている。
【0066】
そして、ねじ部材48は、図24、図31(A)〜(G)に示すキャップ52に装着される。すなわち、図31(D)、(G)に示すように、キャップ52の天壁53の下面には、ねじ部材48のフランジ49a(図30参照)に係止する係止爪54aを有する略円弧状の垂下壁54が設けられている。また、天壁53から垂下する側壁55の前部には、ねじ部材48の導出部51を挿通させる挿通孔55aが形成されている。従って、ねじ部材48をキャップ52に装着するには、導出部51を挿通孔55aに挿通させた状態で、フランジ49aを係止爪54aに係止させればよい。
【0067】
また、キャップ52の天壁53には、背面側に向けて延びる突出部10が設けられている。
【0068】
そして、キャップ52の挿通孔55aを挿通し、キャップ55の外部に突出した状態の導出部51には、図24、図32(A)〜(H)に示すノズル部材56が装着される。すなわち、図30(A)〜(C)、(E)〜(G)に示すように、導出部51の外面には係合突起51aが設けられており、これに対して、図32(G)及び(H)に示すように、ノズル部材56の内壁には係合突起51aを係合可能な係合溝57が形成されている。また、ノズル部材56の後部には、キャップ52の挿通孔55aに挿入される挿入部58が設けられ、ノズル部材56の前部下面には吐出口56aが形成されている。
【0069】
上記の構成を有する収容体40を組み立てるには、ボトル41に溝形成部材42を装着する一方、キャップ52にねじ部材48を装着し、ねじ部材48に管47を接続した状態で、管47を口部44からボトル41内に挿入し、キャップ52を回して口部44の雄ねじにねじ部材48の雌ねじを螺着させ、また、キャップ52の挿通孔55aから外部に突出した状態の導出部51に吐出部としてのノズル部材56を装着すればよい。
【0070】
このように組み立てられた収容体40は、図22、図23、図25〜図27に示す状態となり、図22に示すように、ボトル41を側方(前方)から押圧するとこのボトル41は弾性変形し、この弾性変形に伴ってボトル41内の収容対象がノズル部材56の吐出口56aから下向きに吐出されることになる。
【0071】
そして、ボトル41を前方から押圧して使用することにより、この前方からの押圧が吸盤1を壁面Wに対して押し付ける力ともなるので、壁面Wに対する吸盤1の吸着状態が良好に保たれることになる。
【0072】
尚、本例では、収容体40を構成する各部材のうち、ボトル41はEVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)等の柔軟性を有する樹脂に、これ以外の部材はPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)等の比重の軽い樹脂に、それぞれ防汚剤を混合添加した材料からなる。
【0073】
なお、上記各実施形態において、各部材の材料や形状等の構成要素は適宜変更することができる。
【0074】
例えば、収容具D1〜D4は、上述のようにシンクSに取り付けての使用に好適なものであるが、略上下方向に延びる壁面Wとこの壁面Wの上端に水平部分が連なっているような場所であれば取り付けて使用することができ、シンクSでのみの使用に限られるものではない。
【0075】
また、上記各実施の形態では、突出部10は収容体10,20,30,40の背面の上端に設けられているが、これに限られず、突出部10は、嵌着溝5よりも上側において収容体10,20,30,40の背面側に突出するように設けられていればよい。
【0076】
また、上記各実施の形態における取付基部4及び嵌着溝5を、あり及びあり溝によって構成してもよい。
【0077】
また、第2実施形態の底板22は本体ケース21と一体成形されていてもよく、同様に、第4実施形態の収容体40を構成する部材を適宜に一体成形してもよい。例えば、ねじ部材48に管47やキャップ52が一体成形されていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 吸盤
2 収容体
3 吸着部
4 取付基部
5 嵌着溝
7 ガイド溝
10 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸盤と、この吸盤に取り付けられる収容体とを備え、
前記吸盤は、壁面に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部と、この吸着部の表側に突設された先太の取付基部とを有し、
前記収容体の背面には、
前記取付基部が嵌着される嵌着溝と、
この嵌着溝の下方に連設され、前記取付基部が前記嵌着溝に嵌着される際に該取付基部を摺動案内するガイド溝と、
前記嵌着溝よりも上側において、該収容体の背面側に向けて延びる突出部とが設けられているシンク用収容具。
【請求項2】
前記ガイド溝の幅が前記嵌着溝から離れるほど大きくなっている請求項1に記載のシンク用収容具。
【請求項3】
前記収容体が、水切り穴が設けられた底部の周縁に側壁部が立設され上方が開放された本体ケースを有し、前記側壁部の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分が設けられている請求項1又は2に記載のシンク用収容具。
【請求項4】
前記本体ケースに着脱自在であるリング体を備え、このリング体は、前記本体ケースの上縁に係止するフランジ部と、このフランジ部の下側に連設され前記本体ケースの上部内側に挿入される筒状部とを有する請求項3に記載のシンク用収容具。
【請求項5】
前記本体ケース内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器を備え、この水切り穴付き容器は、水切り穴が設けられた底部と、この底部の周縁に立設され、上方が開放された筒状の側壁部とを有し、前後幅が前記欠落部分の前後幅よりも大きい請求項3に記載のシンク用収容具。
【請求項6】
前記収容体が、側方からの押圧を受けて弾性変形する本体部と、前記弾性変形に伴って前記本体部内の収容対象を吐出する吐出部とを有するディスペンサーである請求項1又は2に記載のシンク用収容具。
【請求項1】
吸盤と、この吸盤に取り付けられる収容体とを備え、
前記吸盤は、壁面に吸着する吸着面を裏側に有する吸着部と、この吸着部の表側に突設された先太の取付基部とを有し、
前記収容体の背面には、
前記取付基部が嵌着される嵌着溝と、
この嵌着溝の下方に連設され、前記取付基部が前記嵌着溝に嵌着される際に該取付基部を摺動案内するガイド溝と、
前記嵌着溝よりも上側において、該収容体の背面側に向けて延びる突出部とが設けられているシンク用収容具。
【請求項2】
前記ガイド溝の幅が前記嵌着溝から離れるほど大きくなっている請求項1に記載のシンク用収容具。
【請求項3】
前記収容体が、水切り穴が設けられた底部の周縁に側壁部が立設され上方が開放された本体ケースを有し、前記側壁部の左右両側に、上端から下方に向けて延びる欠落部分が設けられている請求項1又は2に記載のシンク用収容具。
【請求項4】
前記本体ケースに着脱自在であるリング体を備え、このリング体は、前記本体ケースの上縁に係止するフランジ部と、このフランジ部の下側に連設され前記本体ケースの上部内側に挿入される筒状部とを有する請求項3に記載のシンク用収容具。
【請求項5】
前記本体ケース内に対して上方から挿抜自在に収容される水切り穴付き容器を備え、この水切り穴付き容器は、水切り穴が設けられた底部と、この底部の周縁に立設され、上方が開放された筒状の側壁部とを有し、前後幅が前記欠落部分の前後幅よりも大きい請求項3に記載のシンク用収容具。
【請求項6】
前記収容体が、側方からの押圧を受けて弾性変形する本体部と、前記弾性変形に伴って前記本体部内の収容対象を吐出する吐出部とを有するディスペンサーである請求項1又は2に記載のシンク用収容具。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図7】
【図32】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図7】
【図32】
【公開番号】特開2011−41700(P2011−41700A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192210(P2009−192210)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月3日〜5日メサゴ・メッセフランクフルト株式会社開催の博覧会「インテリアライフスタイル」に出品
【出願人】(000144072)株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月3日〜5日メサゴ・メッセフランクフルト株式会社開催の博覧会「インテリアライフスタイル」に出品
【出願人】(000144072)株式会社三栄水栓製作所 (111)
【Fターム(参考)】
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