シートの定着を兼ねた結露水回収装置
【課題】 多数のアーチ状のパイプなどで骨組みが構成され、この骨組み上にシートを展張させてなる温室において、シートを定着すると共に、シートの内面に結露した結露水を回収して外部に排水するシートの定着を兼ねた結露水回収装置の改良に関する。
【解決手段】 シートの定着を兼ねた結露水回収装置は、開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム2と、この蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1と、上記蟻溝フレーム2内に二重に重ねた上下一対の係止線条K1、K2とからなり、上記結露水ガイドフレーム1を傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した溝12とで構成し、上側シートS1の内面に結露した結露水Wを上記傾斜片11の上面と上側シートS1の内面との間に形成された隙間Aに回収し、上記溝12を介して下側シートS2の外面に排水させる。
【解決手段】 シートの定着を兼ねた結露水回収装置は、開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム2と、この蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1と、上記蟻溝フレーム2内に二重に重ねた上下一対の係止線条K1、K2とからなり、上記結露水ガイドフレーム1を傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した溝12とで構成し、上側シートS1の内面に結露した結露水Wを上記傾斜片11の上面と上側シートS1の内面との間に形成された隙間Aに回収し、上記溝12を介して下側シートS2の外面に排水させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のアーチ状のパイプなどで骨組みが構成され、この骨組み上にシートを展張させてなる温室において、シートを定着すると共に、シートの内面に結露した結露水を回収して外部に排水するシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、上記温室は、植物を育成するために利用され、地上に起立して列をなす複数のアーチ状のパイプからなる骨組と、上記パイプに直交して設けられる複数のシート定着装置と、上記シート定着装置に定着されて上記温室の屋根面、側面、妻面を構成する透明の合成樹脂からなる複数のシートとで構成される。
【0003】
上記温室においては、上記シートの内側に温室内外の温度差により結露が生じる。
【0004】
特に、温室の屋根面を構成するシートの内面が結露すると、その結露水が温室内の土壌上に落下して、植物の根腐され、病気の原因、生育不良、温室不良を起こすため、結露水が土壌上に落下する前に回収して、温室外に排出することが要求されている。
【0005】
そこで、特許文献1に開示されているように、屋根面のシート(以下「上側シート」という)と当該シートの下側に位置するシート(以下「下側シート」という)とを定着する蟻溝フレームに、結露水回収具を取り付けて結露水を回収し、上記結露水回収具に取り付けた排水ドレンを通じて上記結露水を温室の外側若しくは上記温室の外側に設けた樋に排出する方法が開発されている。
【0006】
特許文献1にあって、上記結露水回収具は、蟻溝フレームの下側に装着されて蟻溝フレームから落下する結露水を回収する塵取状の本体と、この本体の底部から起立して上記蟻溝フレームを抱持する抱持部と、上記本体の底部を結露水が通過するための通路とを有してなり、この通路は、温室の外側に設けた樋へとつながる排水ドレンと通じている。
【0007】
上記構成を備えることにより、上記結露水回収具で結露水を回収し、結露水が温室内の土壌上に落下する前に温室外に排出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−134944(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の方法にあっては、結露水回収具で結露水を回収し、この回収した結露水を排水ドレンによって温室外の樋に排出していることから、結露水が温室内の土壌上に落下する前に結露水を回収して、温室外に排水することことが可能である点で有用であるが、以下の改善が求められている。
【0010】
即ち、上記従来の方法にあっては、排水ドレンは、その上端部を結露水回収具に取り付けられ、下端部を下側シートの下端から温室外に延ばし、樋の側壁に沿わせて配置される。
【0011】
これにより、温室内の結露水回収具によって回収された結露水を排水ドレンを介して温室外に設置された樋に排出させている。
【0012】
しかしながら、上記方法にあっては、排水ドレンにより下側シートの下端が捲り上げられるため、排水ドレンの周りに隙間を生じて温室内の温度変化を引き起こし、上記隙間から害虫が温室内に侵入したり、温室内に放った益虫が逃げ出したりする虞がある。
【0013】
更に、上記結露水回収具は、蟻溝フレームに一定間隔をもって複数設けることが一般的であるため、上記隙間が複数生じることとなる。
【0014】
特に、下側シートの下端を巻上パイプに巻きつけて設け、上記下側シートの巻きつけ量を変更することにより、換気を可能にした温室において結露水回収具が複数設けられる場合には、複数の排水ドレンに対して巻上パイプが直交して支えられるため、各排水ドレンの間に樋の側壁に沿って排水ドレンの外径に相当する幅の隙間が生じ、隙間量が大きくなる不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための手段は、シートの定着を兼ねた結露水回収装置が、開口巾狭の長尺な蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレームと、上記蟻溝フレーム内に二重に重ねた上下一対の係止線条とからなり、上記蟻溝フレームを水平底部と、この水平底部の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝を形成する上下一対の側部フレームとで構成し、上記結露水ガイドフレームを傾斜片と、この傾斜片の基端に連設した係止片と、上記傾斜片の基端部上面に隔設した複数の溝とで構成し、上記下側係止線条で上記係止片を上記上側側部フレームに押圧すると共に、下側に延びる下側シートの上部を上記蟻溝に定着し、次いで、上側に延びる上側シートの下部を上側係止線条を介して上記蟻溝に定着し、上記上側シートの内面に結露した結露水を上記傾斜片の上面と上記上側シートの内面との間に形成された隙間に回収し、上記溝を介して下側シートの外面に排水させることを特徴とする。
【0016】
この場合において、上記下側シートの上部が、上記上側側部フレームと上記係止片とで挟持されることが好ましい。
【0017】
そして、上記係止片が、上記蟻溝フレームの上側側部フレームに沿う長板状の長尺片と、この長尺片の下端に沿って上記蟻溝側に折り曲げられてなる折片とで断面V字状に形成されてなり、この折り曲げ部に上記下側係止線条が係合することが好ましい。
【0018】
また、上記傾斜片が、長板状に形成されて上記上側シートの内面と対向し基端側に上記係止片が連設されてなる傾斜片本体と、この傾斜片本体の先端に沿って下側に湾曲する湾曲部とからなることが好ましい。
【0019】
また、開口巾狭の長尺な蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレームと、上記蟻溝フレーム内に二重に重ねた上下一対の係止線条とからなり、上記蟻溝フレームを水平底部と、この水平底部の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝を形成する上下一対の側部フレームとで構成し、上記結露水ガイドフレームを傾斜片と、この傾斜片の基端に連設して上記蟻溝内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝を有する係止部材と、この係止部材の端部に沿って上記蟻溝フレームの蟻溝20の外方に向けて延設される延設片と、上記傾斜片の基端部上面に隔設した複数の溝とで構成し、下側に延びる下側シートの上部を下側係止線条を介して上記蟻溝フレームの蟻溝に定着し、次いで、当該蟻溝内に上記係止部材を挿入し、当該係止部材の蟻溝内に上側に延びる上側シートの下部を上側係止線条を介して定着し、上記上側シートの内面に結露した結露水を上記傾斜片の上面と上記上側シートの内面との間に形成された隙間に回収し、上記溝を介して下側シートの外面に排水させるとしても良い。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、結露水ガイドフレームに隔設した溝を介して、上側シートの内面に結露した結露水を下側シートの外面に回収することが可能となり、排水ドレンを設ける必要がなく、排水ドレンの周りに隙間が発生する不具合を防止することが可能となる。
【0021】
また、結露水回収具や排水ドレンを取り付ける必要がないことから、結露水を回収して温室外に排水することが簡便かつ安価に可能となる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、下側シートの上部が、上側側部フレームと係止片とで挟持されることから、下側シートの外面に結露水を排出することがより確実に可能となる。
【0023】
請求項3に係る発明によれは、係止片が断面V字状に形成されることにより、係止片の折り曲げ部に下側係止線条が係合し、結露水ガイドフレームを確実に蟻溝フレームに取り付けることが可能となる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、傾斜片の先端に沿って湾曲部を有することにより、結露水ガイドフレームに強度を持たせることが可能となると共に、上側シートを展張する際に上側シートと傾斜片が接触したとしても、傾斜片の端部で上側シートを損傷することを防ぐことが可能となる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、請求項1に係る発明における上記効果に加えて、延設片を備えることにより、係止部材の端部で下側シートを損傷することを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置を温室に設けた状態を示す部分斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置の使用状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す部分分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態における結露水ガイドフレームの部分斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置の使用状態を示す横断面図である。
【図6】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図7】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図8】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す横断面線図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す横断面線図である。
【図11】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図12】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図13】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図14】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る一実施の形態を示すシートの定着を兼ねた結露水回収装置について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1、図2に示すように、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置は、シートを定着する蟻溝フレーム2を有しており、植物等を育成するために利用される温室の骨組を構成するアーチ状のパイプPに直交して架設され、ジョイント等の取付部材Gを介して上記パイプPに結合されている。
【0029】
そして、上記蟻溝フレーム2は、温室の屋根面を構成する上側シートS1の下部と、この上側シートS1の下方に設けられる下側シートS2の上部とを定着し、各シートS1、S2をアーチ状のパイプPに沿って展張させている。
【0030】
図1に示すように、上記下側シートS2の下端側は、巻上パイプ3に巻き付けられており、この巻上パイプ3を図1中矢印方向に回転して下側シートS2を巻き上げると、温室に開口を生じ、温室の換気を行うことが可能となる。
【0031】
上記巻上パイプ3は、この巻上パイプ3に直交する弾性素材からなるバンド4によって上方からパイプPに押し付けられ、これにより、下側シートS2のバタツキを防止している。
【0032】
上記温室の側面には、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置と並列に樋5が備えられており、この樋5を介して温室を密閉したとき、即ち、下側シートS2が巻き下げられて巻上パイプ3が樋5の温室側の側壁5aに当接した状態にあるときに、シートS1、S2の内面に生じる結露水Wを回収し所定の場所に排出する。
【0033】
尚、図1に示すように、樋5の側壁5aの上端側に沿って蟻溝5bを設け、当該蟻溝5bにガイド5cを装着した場合においては、このガイド5cに巻上パイプ3が当接した状態にあるときに、温室を密閉状態とし、シートS1、S2の内面に生じる結露水を回収することが可能となる。
【0034】
本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置は、図3、5に示すように、開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム2と、この蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1と、上記蟻溝フレーム2内に二重に重ねた上下一対の係止線条K1、K2とからなる。
【0035】
そして、上記蟻溝フレーム2は、水平底部21と、この水平底部21の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝20を形成する上下一対の側部フレーム22、23とで構成される。
【0036】
また、上記結露水ガイドフレーム1は、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0037】
そして、上記下側係止線条K2で上記係止片10を上記上側側部フレーム22に押圧すると共に、下側に延びる下側シートS2の上部を上記蟻溝20に定着する。
【0038】
次いで、上側に延びる上側シートS1の下部を上側係止線条K1を介して上記蟻溝20に定着し、上記上側シートS1の内面に結露した結露水Wを上記傾斜片11の上面と上記上側シートS1の内面との間に形成された隙間A(図1、図5)に回収し、上記溝12を介して下側シートS2の外面に排水させる。
【0039】
当該構成を備えることにより、上記下側シートS2の外面に回収された結露水Wは、下側シートS2の外面を流下して樋5内に回収され、上記下側シートS1の内面に結露した結露水Wは、下側シートS1を流下して樋5の上端に沿って設けられたガイド5cと下側シートS1との間に回収され、樋5内に流入する。
【0040】
従って、結露水ガイドフレーム1に隔設した溝12を介して、上側シートS1の内面に結露した結露水Wを下側シートS2の外面に回収することが可能となり、排水ドレンを設ける必要がなく、排水ドレンの周りに隙間が発生する不具合を防止することが可能となる。
【0041】
また、結露水回収具や排水ドレンを取り付ける必要がないことから、結露水Wを回収して温室外に排水することが簡便かつ安価に可能となる。
【0042】
図示しないが、特に、樋5の側壁5aに設けた蟻溝5bを利用して、下側シートS2の下側に更にネットを重ねて展張する場合にあっては、排水ドレンが邪魔にならず、確実に害虫等の侵入を防止し、益虫が温室から逃げ出すことを防止することが可能となる。
【0043】
以下に、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置の各構成部材の詳細な構成について説明する。
【0044】
上記上側シートS1と下側シートS2とを定着する蟻溝フレーム2は、上記したように、水平底部21と、この水平底部21の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝20を形成する上下一対の側部フレーム22、23とで構成されており、取付部材Gを介して温室の骨組を構成するアーチ状のパイプPに直交しながら結合されている。
【0045】
上記蟻溝20を備えることにより、上記蟻溝20内に係止線条K1、K2を介して上下のシートS1、S2をパイプPに沿って展張することが容易に可能となる。
【0046】
また、上記蟻溝20を有することにより、図1、図2に示すように、上記蟻溝20内に嵌挿される折れ線状の弾性ばね部4aと、このばね部4aに延設されて蟻溝20外に延びるフック4bとからなる結合部材を蟻溝フレーム2に取り付けて、上記フック4bに下側シートS2のバタツキを防止するバンド4の上端部を結び付けることにより、上記バンド4を蟻溝フレーム2の任意の位置に容易に取り付けることが可能となる。
【0047】
また、上記蟻溝フレーム2が上記構成を有することにより、蟻溝フレーム2の外郭を利用して、ジョイント等の取付部材Gを取り付けることが可能となり、汎用性に優れている。
【0048】
上記蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1は、上記したように、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0049】
そして、図5に示すように、上記傾斜片11は、長板状に形成されて上記上側シートS1の内面と対向し基端側に上記係止片10が連設されてなる傾斜片本体11aと、この傾斜片本体11aの先端に沿って下側に湾曲する湾曲部11bとからなる。
【0050】
そして、傾斜片本体11a上面と上側シートS1の内面との間に隙間Aを形成し、当該隙間Aに結露水Wを回収する。
【0051】
上記傾斜片11の先端に沿って湾曲部11bを有することにより、結露水ガイドフレーム1に強度を持たせることが可能となると共に、上側シートS1を展張する際に上側シートS1と傾斜片11が接触したとしても、傾斜片11の端部で上側シートS1を損傷することを防ぐことが可能となる。
【0052】
尚、上記湾曲部11bを設けることにより、上記効果を達成することが可能となるが、この限りではなく、他の方法によって上記効果を達成するとしても良いことは勿論である。
【0053】
例えば、傾斜片11に強度を増すため、傾斜片11の厚みを増したり、リブを設けたりするとしても良い。また、傾斜片11の先端部を面取りしたり、同先端部を折り曲げて形成したりすることによっても、上側シートS1の損傷を防ぐことが可能となる。
【0054】
また、上記傾斜片11の形状は長板状に限らず、例えば、図6、図7に示すように曲げ部11cを形成したり、図8に示すように湾曲状に形成したりするとしても良く、上側シートS1と傾斜片11との間に隙間Aを形成し得る限りにおいて適宜形状を選択することが可能である。
【0055】
また、図1から図5には、上記溝12を傾斜片11の基端部を窪ませて設けた構成としているがこの限りではなく、傾斜片11と上側シートS1との間の隙間Aに回収した結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能な限り、即ち、傾斜片11の基端部が上側シートS1と密着することを防ぎ得る限りにおいて、適宜形状及び数量を変更することが可能である。
【0056】
例えば、結露水ガイドフレーム1を図11から図14に示す形状に形成するとしても良い。
【0057】
図11は、傾斜片11の基端部に複数の突起12aを設けた構成を示し、上記突起12aと突起12aの間から結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0058】
図12は、結語水ガイドフレーム1を波板状素材で形成した構成を示し、当該方法によれば上記素材の高低差により傾斜片11の基端部と上側シートS1とが密着せず、結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0059】
また、図示しないが、結露水ガイドフレーム1を上記波板状素材に替えてエンボス加工を施した素材で形成するとしても同様の効果を得ることが可能となる。
【0060】
図13は、傾斜片本体11aの先端側から係止片10にかけて溝12bを設けた構成を示し、当該溝12bを介して結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0061】
また、図示しないが、上記溝12bに替えてリブを複数設けるとしても良く、この場合においても、リブの間を結露水Wが通過することが可能となり、結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0062】
図14は、溝12に替えて結露水ガイドフレーム1の肉厚を貫通する孔12cを設けた構成を示し、当該孔12cを介して結露水Wを蟻溝内に流入させるとしても良い。
【0063】
また、図示しないが、上記傾斜片11の基端部に突設される複数のリブを設け、このリブの間から結露水Wを蟻溝20内に流入させるとしても良く、その他の方法を採用することも可能である。
【0064】
上記傾斜片11の基端側に連設される係止片10は、図4に示すように、上記蟻溝フレーム2の上側側部フレーム22に沿う長板状の長尺片10aと、この長尺片10aの下端に沿って蟻溝20側に折り曲げられてなる折片10bとで断面V字状に形成されてなり、このV字状の折り曲げ部に上記下側係止線条K2が係合する。
【0065】
従って、断面V字状に形成された係止片10の折り曲げ部に下側係止線条K2が係合し、結露水ガイドフレーム1を確実に蟻溝フレーム2に取り付けることが可能となる。
【0066】
尚、当該方法によれば、結露水ガイドフレーム1が蟻溝フレーム2からずれることを防止して、結露水ガイドフレーム1を確実に取り付けることが容易に可能となるが、この限りではなく、部分的に折片10bを設けることにより、上記効果を達成するとしても良い。
【0067】
また、本実施の形態においては、上記係止片10と、蟻溝フレーム2の上側側部フレーム22とで下側シートS2の上部を挟持し、これにより、下側シートS2の内面に結露水Wが流入することを防ぎ、下側シートS2の外面に結露水Wを排出することがより確実に可能となる。
【0068】
次に、本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置について図9、図10を参照して説明する。
【0069】
上記実施の形態と重複する構成については同一符号を付するのみとして、詳細な説明を省略する。
【0070】
図9、図10は、上記結露水ガイドフレーム1の変形例であり、図示しないが、上側係止線条K1に上側シートS1が、下側係止線条K2に下側シートS2が定着されており、傾斜片11の基端部には溝12が設けられている。
【0071】
図9に他の実施の形態に係る結露水ガイドフレーム1Aは、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設して蟻溝フレーム2の蟻溝20内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝10cを有する係止部材10Aと、この係止部材10Aの端部に沿って上記蟻溝20の外方に向けて延設される延設片10gと、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0072】
上記係止部材10Aは、図中左右方向に伸縮可能な水平底部10dと、この水平底部10dの両辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝10cを形成する上下一対の側部フレーム10e、10fとで構成される。
【0073】
上記延設片10gは、下側シートS2を展張したときにその端部が下側シートS2と接触しない角度をもって配置され、端部には湾曲部10iが設けられている。
【0074】
そして、下側シートS2の上部を下側係止線条K2を介して蟻溝フレーム2の蟻溝20内に定着し、次いで、当該蟻溝20内に上記係止部材10Aを挿入し、当該係止部材10Aの蟻溝10c内に上側シートS1の下部を上側係止線条を介して定着する。
【0075】
従って、上側シートS1の内面に結露した結露水Wは、溝12を介して蟻溝20及び係止部材10Aの蟻溝10c内に回収され下側シートS2の外面に排水される。
【0076】
上記延設片10gを設けることにより、係止部材10Aの端部で下側シートS2の損傷を防止することが可能となるがこの限りではなく、湾曲部10i等の傷つき防止措置を採用している場合においては、下側シートS2を展張したときに延設片10gの端部と下側シートS2とが接触していても良い。
【0077】
また、延設片10gの端部に湾曲部10iを設けることにより、係止部材10Aで下側シートS2を損傷することをより確実に防止することが可能となるが、その他の傷つき防止措置を採用するとしても良く、また必ずしも湾曲部10iを設ける必要はない。
【0078】
また、係止部材10Aの水平底部10dが図中左右方向に伸縮可能であることから、側部フレーム10e、10fが上側係止線条K1で附勢されて水平底部10dが図中左右方向に伸び、側部フレーム10e、10fが蟻溝フレーム2の側部フレーム22、23に押し当てられ、係止部材10Aが蟻溝20から抜け出ることを防止することが可能となる。
【0079】
図10に示す結露水ガイドフレーム1Aは、図9に示す結露水ガイドフレーム1Aと略同一の構成であるが、水平底部10dが伸縮しない水平底部10hである点においてのみ異なる。
【0080】
従って、本実施の形態においては、蟻溝20内に下側シートS2の上部を挿入して下側係止線条K2を介して定着し、結露水ガイドフレーム1Bの係止部材10Aを蟻溝20内に嵌め込むことにより、蟻溝フレーム2に結露水ガイドフレーム1Aを取り付ける。
【0081】
次いで、上記係止部材10Bの蟻溝10c内に上側シートS1の下部を挿入して上側係止線条K1を介して定着する。
【0082】
従って、上側シートS1の内面に結露した結露水Wは、溝12を介して係止部材10Aの蟻溝10c内に回収され、下側シートS2の外面に排出される。
【0083】
本実施の形態においては、延設片10g及び湾曲部10iを備えることによる上記効果を達成することが可能であると共に、係止部材10Aの構成が簡単で結露水ガイドフレーム1Aを安価に製造することが可能となる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【符号の説明】
【0085】
G 取付部材
K1 上側係止部材
K2 下側係止部材
S1 上側シート
S2 下側シート
P パイプ
W 結露水
1 結露水ガイドフレーム
2 蟻溝フレーム
3 巻上パイプ
4 バンド
5 樋
10 係止片
10A 係止部材
11 傾斜片
12 溝
20 蟻溝
21 底部
22 上側側部フレーム
23 下側側部フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のアーチ状のパイプなどで骨組みが構成され、この骨組み上にシートを展張させてなる温室において、シートを定着すると共に、シートの内面に結露した結露水を回収して外部に排水するシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、上記温室は、植物を育成するために利用され、地上に起立して列をなす複数のアーチ状のパイプからなる骨組と、上記パイプに直交して設けられる複数のシート定着装置と、上記シート定着装置に定着されて上記温室の屋根面、側面、妻面を構成する透明の合成樹脂からなる複数のシートとで構成される。
【0003】
上記温室においては、上記シートの内側に温室内外の温度差により結露が生じる。
【0004】
特に、温室の屋根面を構成するシートの内面が結露すると、その結露水が温室内の土壌上に落下して、植物の根腐され、病気の原因、生育不良、温室不良を起こすため、結露水が土壌上に落下する前に回収して、温室外に排出することが要求されている。
【0005】
そこで、特許文献1に開示されているように、屋根面のシート(以下「上側シート」という)と当該シートの下側に位置するシート(以下「下側シート」という)とを定着する蟻溝フレームに、結露水回収具を取り付けて結露水を回収し、上記結露水回収具に取り付けた排水ドレンを通じて上記結露水を温室の外側若しくは上記温室の外側に設けた樋に排出する方法が開発されている。
【0006】
特許文献1にあって、上記結露水回収具は、蟻溝フレームの下側に装着されて蟻溝フレームから落下する結露水を回収する塵取状の本体と、この本体の底部から起立して上記蟻溝フレームを抱持する抱持部と、上記本体の底部を結露水が通過するための通路とを有してなり、この通路は、温室の外側に設けた樋へとつながる排水ドレンと通じている。
【0007】
上記構成を備えることにより、上記結露水回収具で結露水を回収し、結露水が温室内の土壌上に落下する前に温室外に排出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−134944(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の方法にあっては、結露水回収具で結露水を回収し、この回収した結露水を排水ドレンによって温室外の樋に排出していることから、結露水が温室内の土壌上に落下する前に結露水を回収して、温室外に排水することことが可能である点で有用であるが、以下の改善が求められている。
【0010】
即ち、上記従来の方法にあっては、排水ドレンは、その上端部を結露水回収具に取り付けられ、下端部を下側シートの下端から温室外に延ばし、樋の側壁に沿わせて配置される。
【0011】
これにより、温室内の結露水回収具によって回収された結露水を排水ドレンを介して温室外に設置された樋に排出させている。
【0012】
しかしながら、上記方法にあっては、排水ドレンにより下側シートの下端が捲り上げられるため、排水ドレンの周りに隙間を生じて温室内の温度変化を引き起こし、上記隙間から害虫が温室内に侵入したり、温室内に放った益虫が逃げ出したりする虞がある。
【0013】
更に、上記結露水回収具は、蟻溝フレームに一定間隔をもって複数設けることが一般的であるため、上記隙間が複数生じることとなる。
【0014】
特に、下側シートの下端を巻上パイプに巻きつけて設け、上記下側シートの巻きつけ量を変更することにより、換気を可能にした温室において結露水回収具が複数設けられる場合には、複数の排水ドレンに対して巻上パイプが直交して支えられるため、各排水ドレンの間に樋の側壁に沿って排水ドレンの外径に相当する幅の隙間が生じ、隙間量が大きくなる不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための手段は、シートの定着を兼ねた結露水回収装置が、開口巾狭の長尺な蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレームと、上記蟻溝フレーム内に二重に重ねた上下一対の係止線条とからなり、上記蟻溝フレームを水平底部と、この水平底部の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝を形成する上下一対の側部フレームとで構成し、上記結露水ガイドフレームを傾斜片と、この傾斜片の基端に連設した係止片と、上記傾斜片の基端部上面に隔設した複数の溝とで構成し、上記下側係止線条で上記係止片を上記上側側部フレームに押圧すると共に、下側に延びる下側シートの上部を上記蟻溝に定着し、次いで、上側に延びる上側シートの下部を上側係止線条を介して上記蟻溝に定着し、上記上側シートの内面に結露した結露水を上記傾斜片の上面と上記上側シートの内面との間に形成された隙間に回収し、上記溝を介して下側シートの外面に排水させることを特徴とする。
【0016】
この場合において、上記下側シートの上部が、上記上側側部フレームと上記係止片とで挟持されることが好ましい。
【0017】
そして、上記係止片が、上記蟻溝フレームの上側側部フレームに沿う長板状の長尺片と、この長尺片の下端に沿って上記蟻溝側に折り曲げられてなる折片とで断面V字状に形成されてなり、この折り曲げ部に上記下側係止線条が係合することが好ましい。
【0018】
また、上記傾斜片が、長板状に形成されて上記上側シートの内面と対向し基端側に上記係止片が連設されてなる傾斜片本体と、この傾斜片本体の先端に沿って下側に湾曲する湾曲部とからなることが好ましい。
【0019】
また、開口巾狭の長尺な蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレームと、上記蟻溝フレーム内に二重に重ねた上下一対の係止線条とからなり、上記蟻溝フレームを水平底部と、この水平底部の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝を形成する上下一対の側部フレームとで構成し、上記結露水ガイドフレームを傾斜片と、この傾斜片の基端に連設して上記蟻溝内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝を有する係止部材と、この係止部材の端部に沿って上記蟻溝フレームの蟻溝20の外方に向けて延設される延設片と、上記傾斜片の基端部上面に隔設した複数の溝とで構成し、下側に延びる下側シートの上部を下側係止線条を介して上記蟻溝フレームの蟻溝に定着し、次いで、当該蟻溝内に上記係止部材を挿入し、当該係止部材の蟻溝内に上側に延びる上側シートの下部を上側係止線条を介して定着し、上記上側シートの内面に結露した結露水を上記傾斜片の上面と上記上側シートの内面との間に形成された隙間に回収し、上記溝を介して下側シートの外面に排水させるとしても良い。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、結露水ガイドフレームに隔設した溝を介して、上側シートの内面に結露した結露水を下側シートの外面に回収することが可能となり、排水ドレンを設ける必要がなく、排水ドレンの周りに隙間が発生する不具合を防止することが可能となる。
【0021】
また、結露水回収具や排水ドレンを取り付ける必要がないことから、結露水を回収して温室外に排水することが簡便かつ安価に可能となる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、下側シートの上部が、上側側部フレームと係止片とで挟持されることから、下側シートの外面に結露水を排出することがより確実に可能となる。
【0023】
請求項3に係る発明によれは、係止片が断面V字状に形成されることにより、係止片の折り曲げ部に下側係止線条が係合し、結露水ガイドフレームを確実に蟻溝フレームに取り付けることが可能となる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、傾斜片の先端に沿って湾曲部を有することにより、結露水ガイドフレームに強度を持たせることが可能となると共に、上側シートを展張する際に上側シートと傾斜片が接触したとしても、傾斜片の端部で上側シートを損傷することを防ぐことが可能となる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、請求項1に係る発明における上記効果に加えて、延設片を備えることにより、係止部材の端部で下側シートを損傷することを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置を温室に設けた状態を示す部分斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置の使用状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す部分分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態における結露水ガイドフレームの部分斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態におけるシートの定着を兼ねた結露水回収装置の使用状態を示す横断面図である。
【図6】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図7】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図8】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における傾斜片の実施例を示す横断面線図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す横断面線図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置を示す横断面線図である。
【図11】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図12】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図13】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【図14】本発明のシートの定着を兼ねた結露水回収装置における結露水ガイドフレームの実施例を示す斜視線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る一実施の形態を示すシートの定着を兼ねた結露水回収装置について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1、図2に示すように、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置は、シートを定着する蟻溝フレーム2を有しており、植物等を育成するために利用される温室の骨組を構成するアーチ状のパイプPに直交して架設され、ジョイント等の取付部材Gを介して上記パイプPに結合されている。
【0029】
そして、上記蟻溝フレーム2は、温室の屋根面を構成する上側シートS1の下部と、この上側シートS1の下方に設けられる下側シートS2の上部とを定着し、各シートS1、S2をアーチ状のパイプPに沿って展張させている。
【0030】
図1に示すように、上記下側シートS2の下端側は、巻上パイプ3に巻き付けられており、この巻上パイプ3を図1中矢印方向に回転して下側シートS2を巻き上げると、温室に開口を生じ、温室の換気を行うことが可能となる。
【0031】
上記巻上パイプ3は、この巻上パイプ3に直交する弾性素材からなるバンド4によって上方からパイプPに押し付けられ、これにより、下側シートS2のバタツキを防止している。
【0032】
上記温室の側面には、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置と並列に樋5が備えられており、この樋5を介して温室を密閉したとき、即ち、下側シートS2が巻き下げられて巻上パイプ3が樋5の温室側の側壁5aに当接した状態にあるときに、シートS1、S2の内面に生じる結露水Wを回収し所定の場所に排出する。
【0033】
尚、図1に示すように、樋5の側壁5aの上端側に沿って蟻溝5bを設け、当該蟻溝5bにガイド5cを装着した場合においては、このガイド5cに巻上パイプ3が当接した状態にあるときに、温室を密閉状態とし、シートS1、S2の内面に生じる結露水を回収することが可能となる。
【0034】
本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置は、図3、5に示すように、開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム2と、この蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1と、上記蟻溝フレーム2内に二重に重ねた上下一対の係止線条K1、K2とからなる。
【0035】
そして、上記蟻溝フレーム2は、水平底部21と、この水平底部21の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝20を形成する上下一対の側部フレーム22、23とで構成される。
【0036】
また、上記結露水ガイドフレーム1は、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0037】
そして、上記下側係止線条K2で上記係止片10を上記上側側部フレーム22に押圧すると共に、下側に延びる下側シートS2の上部を上記蟻溝20に定着する。
【0038】
次いで、上側に延びる上側シートS1の下部を上側係止線条K1を介して上記蟻溝20に定着し、上記上側シートS1の内面に結露した結露水Wを上記傾斜片11の上面と上記上側シートS1の内面との間に形成された隙間A(図1、図5)に回収し、上記溝12を介して下側シートS2の外面に排水させる。
【0039】
当該構成を備えることにより、上記下側シートS2の外面に回収された結露水Wは、下側シートS2の外面を流下して樋5内に回収され、上記下側シートS1の内面に結露した結露水Wは、下側シートS1を流下して樋5の上端に沿って設けられたガイド5cと下側シートS1との間に回収され、樋5内に流入する。
【0040】
従って、結露水ガイドフレーム1に隔設した溝12を介して、上側シートS1の内面に結露した結露水Wを下側シートS2の外面に回収することが可能となり、排水ドレンを設ける必要がなく、排水ドレンの周りに隙間が発生する不具合を防止することが可能となる。
【0041】
また、結露水回収具や排水ドレンを取り付ける必要がないことから、結露水Wを回収して温室外に排水することが簡便かつ安価に可能となる。
【0042】
図示しないが、特に、樋5の側壁5aに設けた蟻溝5bを利用して、下側シートS2の下側に更にネットを重ねて展張する場合にあっては、排水ドレンが邪魔にならず、確実に害虫等の侵入を防止し、益虫が温室から逃げ出すことを防止することが可能となる。
【0043】
以下に、本発明に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置の各構成部材の詳細な構成について説明する。
【0044】
上記上側シートS1と下側シートS2とを定着する蟻溝フレーム2は、上記したように、水平底部21と、この水平底部21の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝20を形成する上下一対の側部フレーム22、23とで構成されており、取付部材Gを介して温室の骨組を構成するアーチ状のパイプPに直交しながら結合されている。
【0045】
上記蟻溝20を備えることにより、上記蟻溝20内に係止線条K1、K2を介して上下のシートS1、S2をパイプPに沿って展張することが容易に可能となる。
【0046】
また、上記蟻溝20を有することにより、図1、図2に示すように、上記蟻溝20内に嵌挿される折れ線状の弾性ばね部4aと、このばね部4aに延設されて蟻溝20外に延びるフック4bとからなる結合部材を蟻溝フレーム2に取り付けて、上記フック4bに下側シートS2のバタツキを防止するバンド4の上端部を結び付けることにより、上記バンド4を蟻溝フレーム2の任意の位置に容易に取り付けることが可能となる。
【0047】
また、上記蟻溝フレーム2が上記構成を有することにより、蟻溝フレーム2の外郭を利用して、ジョイント等の取付部材Gを取り付けることが可能となり、汎用性に優れている。
【0048】
上記蟻溝フレーム2の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム1は、上記したように、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設した係止片10と、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0049】
そして、図5に示すように、上記傾斜片11は、長板状に形成されて上記上側シートS1の内面と対向し基端側に上記係止片10が連設されてなる傾斜片本体11aと、この傾斜片本体11aの先端に沿って下側に湾曲する湾曲部11bとからなる。
【0050】
そして、傾斜片本体11a上面と上側シートS1の内面との間に隙間Aを形成し、当該隙間Aに結露水Wを回収する。
【0051】
上記傾斜片11の先端に沿って湾曲部11bを有することにより、結露水ガイドフレーム1に強度を持たせることが可能となると共に、上側シートS1を展張する際に上側シートS1と傾斜片11が接触したとしても、傾斜片11の端部で上側シートS1を損傷することを防ぐことが可能となる。
【0052】
尚、上記湾曲部11bを設けることにより、上記効果を達成することが可能となるが、この限りではなく、他の方法によって上記効果を達成するとしても良いことは勿論である。
【0053】
例えば、傾斜片11に強度を増すため、傾斜片11の厚みを増したり、リブを設けたりするとしても良い。また、傾斜片11の先端部を面取りしたり、同先端部を折り曲げて形成したりすることによっても、上側シートS1の損傷を防ぐことが可能となる。
【0054】
また、上記傾斜片11の形状は長板状に限らず、例えば、図6、図7に示すように曲げ部11cを形成したり、図8に示すように湾曲状に形成したりするとしても良く、上側シートS1と傾斜片11との間に隙間Aを形成し得る限りにおいて適宜形状を選択することが可能である。
【0055】
また、図1から図5には、上記溝12を傾斜片11の基端部を窪ませて設けた構成としているがこの限りではなく、傾斜片11と上側シートS1との間の隙間Aに回収した結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能な限り、即ち、傾斜片11の基端部が上側シートS1と密着することを防ぎ得る限りにおいて、適宜形状及び数量を変更することが可能である。
【0056】
例えば、結露水ガイドフレーム1を図11から図14に示す形状に形成するとしても良い。
【0057】
図11は、傾斜片11の基端部に複数の突起12aを設けた構成を示し、上記突起12aと突起12aの間から結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0058】
図12は、結語水ガイドフレーム1を波板状素材で形成した構成を示し、当該方法によれば上記素材の高低差により傾斜片11の基端部と上側シートS1とが密着せず、結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0059】
また、図示しないが、結露水ガイドフレーム1を上記波板状素材に替えてエンボス加工を施した素材で形成するとしても同様の効果を得ることが可能となる。
【0060】
図13は、傾斜片本体11aの先端側から係止片10にかけて溝12bを設けた構成を示し、当該溝12bを介して結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0061】
また、図示しないが、上記溝12bに替えてリブを複数設けるとしても良く、この場合においても、リブの間を結露水Wが通過することが可能となり、結露水Wを蟻溝20内に流入させることが可能となる。
【0062】
図14は、溝12に替えて結露水ガイドフレーム1の肉厚を貫通する孔12cを設けた構成を示し、当該孔12cを介して結露水Wを蟻溝内に流入させるとしても良い。
【0063】
また、図示しないが、上記傾斜片11の基端部に突設される複数のリブを設け、このリブの間から結露水Wを蟻溝20内に流入させるとしても良く、その他の方法を採用することも可能である。
【0064】
上記傾斜片11の基端側に連設される係止片10は、図4に示すように、上記蟻溝フレーム2の上側側部フレーム22に沿う長板状の長尺片10aと、この長尺片10aの下端に沿って蟻溝20側に折り曲げられてなる折片10bとで断面V字状に形成されてなり、このV字状の折り曲げ部に上記下側係止線条K2が係合する。
【0065】
従って、断面V字状に形成された係止片10の折り曲げ部に下側係止線条K2が係合し、結露水ガイドフレーム1を確実に蟻溝フレーム2に取り付けることが可能となる。
【0066】
尚、当該方法によれば、結露水ガイドフレーム1が蟻溝フレーム2からずれることを防止して、結露水ガイドフレーム1を確実に取り付けることが容易に可能となるが、この限りではなく、部分的に折片10bを設けることにより、上記効果を達成するとしても良い。
【0067】
また、本実施の形態においては、上記係止片10と、蟻溝フレーム2の上側側部フレーム22とで下側シートS2の上部を挟持し、これにより、下側シートS2の内面に結露水Wが流入することを防ぎ、下側シートS2の外面に結露水Wを排出することがより確実に可能となる。
【0068】
次に、本発明の他の実施の形態に係るシートの定着を兼ねた結露水回収装置について図9、図10を参照して説明する。
【0069】
上記実施の形態と重複する構成については同一符号を付するのみとして、詳細な説明を省略する。
【0070】
図9、図10は、上記結露水ガイドフレーム1の変形例であり、図示しないが、上側係止線条K1に上側シートS1が、下側係止線条K2に下側シートS2が定着されており、傾斜片11の基端部には溝12が設けられている。
【0071】
図9に他の実施の形態に係る結露水ガイドフレーム1Aは、傾斜片11と、この傾斜片11の基端に連設して蟻溝フレーム2の蟻溝20内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝10cを有する係止部材10Aと、この係止部材10Aの端部に沿って上記蟻溝20の外方に向けて延設される延設片10gと、上記傾斜片11の基端部上面に隔設した複数の溝12とで構成される。
【0072】
上記係止部材10Aは、図中左右方向に伸縮可能な水平底部10dと、この水平底部10dの両辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝10cを形成する上下一対の側部フレーム10e、10fとで構成される。
【0073】
上記延設片10gは、下側シートS2を展張したときにその端部が下側シートS2と接触しない角度をもって配置され、端部には湾曲部10iが設けられている。
【0074】
そして、下側シートS2の上部を下側係止線条K2を介して蟻溝フレーム2の蟻溝20内に定着し、次いで、当該蟻溝20内に上記係止部材10Aを挿入し、当該係止部材10Aの蟻溝10c内に上側シートS1の下部を上側係止線条を介して定着する。
【0075】
従って、上側シートS1の内面に結露した結露水Wは、溝12を介して蟻溝20及び係止部材10Aの蟻溝10c内に回収され下側シートS2の外面に排水される。
【0076】
上記延設片10gを設けることにより、係止部材10Aの端部で下側シートS2の損傷を防止することが可能となるがこの限りではなく、湾曲部10i等の傷つき防止措置を採用している場合においては、下側シートS2を展張したときに延設片10gの端部と下側シートS2とが接触していても良い。
【0077】
また、延設片10gの端部に湾曲部10iを設けることにより、係止部材10Aで下側シートS2を損傷することをより確実に防止することが可能となるが、その他の傷つき防止措置を採用するとしても良く、また必ずしも湾曲部10iを設ける必要はない。
【0078】
また、係止部材10Aの水平底部10dが図中左右方向に伸縮可能であることから、側部フレーム10e、10fが上側係止線条K1で附勢されて水平底部10dが図中左右方向に伸び、側部フレーム10e、10fが蟻溝フレーム2の側部フレーム22、23に押し当てられ、係止部材10Aが蟻溝20から抜け出ることを防止することが可能となる。
【0079】
図10に示す結露水ガイドフレーム1Aは、図9に示す結露水ガイドフレーム1Aと略同一の構成であるが、水平底部10dが伸縮しない水平底部10hである点においてのみ異なる。
【0080】
従って、本実施の形態においては、蟻溝20内に下側シートS2の上部を挿入して下側係止線条K2を介して定着し、結露水ガイドフレーム1Bの係止部材10Aを蟻溝20内に嵌め込むことにより、蟻溝フレーム2に結露水ガイドフレーム1Aを取り付ける。
【0081】
次いで、上記係止部材10Bの蟻溝10c内に上側シートS1の下部を挿入して上側係止線条K1を介して定着する。
【0082】
従って、上側シートS1の内面に結露した結露水Wは、溝12を介して係止部材10Aの蟻溝10c内に回収され、下側シートS2の外面に排出される。
【0083】
本実施の形態においては、延設片10g及び湾曲部10iを備えることによる上記効果を達成することが可能であると共に、係止部材10Aの構成が簡単で結露水ガイドフレーム1Aを安価に製造することが可能となる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【符号の説明】
【0085】
G 取付部材
K1 上側係止部材
K2 下側係止部材
S1 上側シート
S2 下側シート
P パイプ
W 結露水
1 結露水ガイドフレーム
2 蟻溝フレーム
3 巻上パイプ
4 バンド
5 樋
10 係止片
10A 係止部材
11 傾斜片
12 溝
20 蟻溝
21 底部
22 上側側部フレーム
23 下側側部フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム(2)と、この蟻溝フレーム(2)の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム(1)と、上記蟻溝フレーム(2)内に二重に重ねた上下一対の係止線条(K1)、(K2)とからなり、上記蟻溝フレーム(2)を水平底部(21)と、この水平底部(21)の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝(20)を形成する上下一対の側部フレーム(22)、(23)とで構成し、上記結露水ガイドフレーム(1)を傾斜片(11)と、この傾斜片(11)の基端に連設した係止片(10)と、上記傾斜片(11)の基端部上面に隔設した複数の溝(12)とで構成し、上記下側係止線条(K2)で上記係止片(10)を上記上側側部フレーム(22)に押圧すると共に、下側に延びる下側シート(S2)の上部を上記蟻溝(20)に定着し、次いで、上側に延びる上側シート(S1)の下部を上側係止線条(K1)を介して上記蟻溝(20)に定着し、上記上側シート(S1)の内面に結露した結露水(W)を上記傾斜片(11)の上面と上記上側シート(S1)の内面との間に形成された隙間(A)に回収し、上記溝(12)を介して下側シート(S2)の外面に排水させることを特徴とするシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項2】
上記下側シート(S2)の上部が、上記上側側部フレーム(22)と上記係止片(10)とで挟持されることを特徴とする請求項1に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項3】
上記係止片(10)が、上記蟻溝フレーム(2)の上側側部フレーム(22)に沿う長板状の長尺片(10a)と、この長尺片(10a)の下端に沿って上記蟻溝(20)側に折り曲げられてなる折片(10b)とで断面V字状に形成されてなり、この折り曲げ部に上記下側係止線条(K2)が係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項4】
上記傾斜片(11)が、長板状に形成されて上記上側シート(S1)の内面と対向し基端側に上記係止片(10)が連設されてなる傾斜片本体(11a)と、この傾斜片本体(11a)の先端に沿って下側に湾曲する湾曲部(11b)とからなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項5】
開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム(2)と、この蟻溝フレーム(2)の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム(1A)と、上記蟻溝フレーム(2)内に二重に重ねた上下一対の係止線条(K1)、(K2)とからなり、上記蟻溝フレーム(2)を水平底部(21)と、この水平底部(21)の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝(20)を形成する上下一対の側部フレーム(22)、(23)とで構成し、上記結露水ガイドフレーム(1A)を傾斜片(11)と、この傾斜片(11)の基端に連設して上記蟻溝(20)内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝(10c)を有する係止部材(10A)と、この係止部材(10A)の端部に沿って上記蟻溝(20)の外方に向けて延設される延設片(10g)と、上記傾斜片(11)の基端部上面に隔設した複数の溝(12)とで構成し、下側に延びる下側シート(S2)の上部を下側係止線条(K2)を介して上記蟻溝(20)に定着し、次いで、当該蟻溝(20)内に上記係止部材(10A)を挿入し、当該係止部材(10A)の蟻溝(10c)内に上側に延びる上側シート(S1)の下部を上側係止線条(K1)を介して定着し、上記上側シート(S1)の内面に結露した結露水(W)を上記傾斜片(11)の上面と上記上側シート(S1)の内面との間に形成された隙間(A)に回収し、上記溝(12)を介して下側シート(S2)の外面に排水させることを特徴とするシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項1】
開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム(2)と、この蟻溝フレーム(2)の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム(1)と、上記蟻溝フレーム(2)内に二重に重ねた上下一対の係止線条(K1)、(K2)とからなり、上記蟻溝フレーム(2)を水平底部(21)と、この水平底部(21)の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝(20)を形成する上下一対の側部フレーム(22)、(23)とで構成し、上記結露水ガイドフレーム(1)を傾斜片(11)と、この傾斜片(11)の基端に連設した係止片(10)と、上記傾斜片(11)の基端部上面に隔設した複数の溝(12)とで構成し、上記下側係止線条(K2)で上記係止片(10)を上記上側側部フレーム(22)に押圧すると共に、下側に延びる下側シート(S2)の上部を上記蟻溝(20)に定着し、次いで、上側に延びる上側シート(S1)の下部を上側係止線条(K1)を介して上記蟻溝(20)に定着し、上記上側シート(S1)の内面に結露した結露水(W)を上記傾斜片(11)の上面と上記上側シート(S1)の内面との間に形成された隙間(A)に回収し、上記溝(12)を介して下側シート(S2)の外面に排水させることを特徴とするシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項2】
上記下側シート(S2)の上部が、上記上側側部フレーム(22)と上記係止片(10)とで挟持されることを特徴とする請求項1に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項3】
上記係止片(10)が、上記蟻溝フレーム(2)の上側側部フレーム(22)に沿う長板状の長尺片(10a)と、この長尺片(10a)の下端に沿って上記蟻溝(20)側に折り曲げられてなる折片(10b)とで断面V字状に形成されてなり、この折り曲げ部に上記下側係止線条(K2)が係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項4】
上記傾斜片(11)が、長板状に形成されて上記上側シート(S1)の内面と対向し基端側に上記係止片(10)が連設されてなる傾斜片本体(11a)と、この傾斜片本体(11a)の先端に沿って下側に湾曲する湾曲部(11b)とからなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【請求項5】
開口巾狭の長尺な蟻溝フレーム(2)と、この蟻溝フレーム(2)の上部に着脱自在に引掛ける結露水ガイドフレーム(1A)と、上記蟻溝フレーム(2)内に二重に重ねた上下一対の係止線条(K1)、(K2)とからなり、上記蟻溝フレーム(2)を水平底部(21)と、この水平底部(21)の両側辺から内側に傾斜しながら起立して内側に蟻溝(20)を形成する上下一対の側部フレーム(22)、(23)とで構成し、上記結露水ガイドフレーム(1A)を傾斜片(11)と、この傾斜片(11)の基端に連設して上記蟻溝(20)内に重ねて挿入されると共に内部に蟻溝(10c)を有する係止部材(10A)と、この係止部材(10A)の端部に沿って上記蟻溝(20)の外方に向けて延設される延設片(10g)と、上記傾斜片(11)の基端部上面に隔設した複数の溝(12)とで構成し、下側に延びる下側シート(S2)の上部を下側係止線条(K2)を介して上記蟻溝(20)に定着し、次いで、当該蟻溝(20)内に上記係止部材(10A)を挿入し、当該係止部材(10A)の蟻溝(10c)内に上側に延びる上側シート(S1)の下部を上側係止線条(K1)を介して定着し、上記上側シート(S1)の内面に結露した結露水(W)を上記傾斜片(11)の上面と上記上側シート(S1)の内面との間に形成された隙間(A)に回収し、上記溝(12)を介して下側シート(S2)の外面に排水させることを特徴とするシートの定着を兼ねた結露水回収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−50316(P2011−50316A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202403(P2009−202403)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000221568)東都興業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000221568)東都興業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
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