シートシャッター

【課題】強風に対しても破損しにくく、大型の出入口に適用することができるシートシャッターを提供する。
【解決手段】シート12は、可撓性を有するシート本体13と、可撓性を有し、シート本体に所定間隔をあけて固着されシート本体13よりも強い引張強度を有する補強ベルト14と、シート本体13の下辺に取付けられた錘レール15と、を備える。シート12の両側辺には、上下方向に所定間隔をあけて複数のランナ16が取り付けられ、シート12の両側には各ランナ16が上下方向に沿って摺動するガイドレール18が設けられる。シート12は、強風時にシート本体13が撓むと共に錘レール15が上下動することで、風を逃がすことが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場や倉庫等の業務用建物の屋内外の出入口に設置されるシートシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターは、主として業務用建物の屋内外の仕切りとして出入口に設置されており、スチールシャッターが一般的となっている。しかしながら、スチールシャッターはその価格が比較的高いという問題がある。
【0003】
そこで、資材搬出入口といった大型の出入口の建物の仕切りには、より低価格のシートシャッターが使用されることがある。シートシャッターであれば、スチールシャッターに比較して1/3程度の費用で済むという利点がある。
【0004】
従来のシートシャッターとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1のシートシャッターは、シートの上下方向に間隔をあけて設けた複数の心材収容部に、金属製の心材を差し込んでおり、心材の両端には、心材の外径よりも小さい外径の支持杆を取付けて、支持杆をシートに設けた支持杆収容部に差し込み、支持杆をシートの側端と共に、シートの両側に設けられたガイド溝に昇降移動可能に収容している。
【0005】
シートの支持杆収容部を心材収容部よりも細くすることで、シートの側辺部における撓みやめくりを防止して気密性を高めるようにしている。
【0006】
このような従来のシートシャッターにおいては、心材によってシートが幅方向に伸展して保持されるため、開閉作動時及び風によるシートの撓みが防止されるようになっている。また、強風により曲げ方向の強い負荷を受けたときに、心材よりも支持杆が優先して破断を生じることで、心材の破損を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−24333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のシートシャッターにおいては、強風の場合に支持杆が破断することでその負荷を逃すようにしているため、支持杆の破断が発生しやすく、通常時には気密性が保たれたとしても、強風時には全く気密性が保たれず、シートが用をなさないことになる。また、破損後の修理に手間と費用がかかる、という問題がある。
【0009】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、その目的は、強風に対しても破損しにくく、大型の出入口に適用することができるシートシャッターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、シートと、該シートの両側に沿ってガイドレールが設けられてシートの両側辺がガイドレールに沿って案内されて昇降可能となったシートシャッターにおいて、
前記シートは、可撓性を有するシート本体と、可撓性を有し、シート本体に所定間隔をあけて固着されシート本体よりも強い引張強度を有する補強ベルトと、シート本体の下辺に取付けられた錘と、を備え、
シートの両側辺には、上下方向に所定間隔をあけて複数のランナが取り付けられ、各ランナが前記ガイドレール内を摺動可能となっており、
前記シートは、強風時にシート本体が撓むと共に錘が上下動することで、風を逃がすことが可能となったことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシートシャッターにおいて、シートの上端辺は巻取ドラムに連結されて、シートは巻取ドラムに巻取可能となっており、前記複数のランナは、巻取ドラムの1回転のシートの巻取毎に円周方向の位置が互いにずれて巻き取られることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のシートシャッターにおいて、前記補強ベルトは、ナイロン製であることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシートシャッターにおいて、前記ガイドレールは横断面C字形状をなし、その一対の開口縁がそれぞれ丸棒形状をなしていることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のシートシャッターにおいて、前記丸棒形状をなした開口縁には合成樹脂製カバーが被着されることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシートシャッターにおいて、前記ランナには、ガイドレールとの摺接面に対して転動可能な球が埋設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、シートを心材によって常に伸張した状態で保持するという従来の発想とは逆転の発想により、シートを積極的に撓ませることで、強風時の負荷を逃すという思想に基づいている。
【0017】
即ち、強風時には、可撓性を有するシート本体及び補強ベルトが共に撓み、錘が上下動して、風の逃げ道を作り風力を逃がすことができる。シートの側方はガイドレールとランナとによって拘束されるため、側方の気密性は保つことができる。このように無理な負荷がかかる部分がないために、破損しにくい構成とすることができ、従来の構成では適用不可能な幅又は高さ4m以上の大型の出入口にも適用できるようになる。
【0018】
補強ベルトがシート本体に固着されて一体に撓むために、互いが相対運動することはなく、両者間での損耗を防ぐことができる。
【0019】
巻取ドラムにシートを巻き取ったときに、複数のランナは、巻取ドラムの1回転のシートの巻取毎に円周方向の位置がずれて巻取ドラムに巻き取られるようにすることで、シートを円滑に巻取ドラムに巻き取ることができ、ランナの寸法の自由度を持たせることができる。
【0020】
補強ベルトは、ナイロン製とすることにより、高い可撓性と強い引張強度を持たせることができて、シートの補強を図ることができる。
【0021】
ガイドレールを横断面C字形状とすることで、開口を内部空間よりも小さくすることができ、シートとランナがガイドレールから抜けることを防ぐことができる。また、ガイドレールの開口の一対の開口縁を丸棒形状とすることで、シートがガイドレールに接触したときに擦り切れることを防ぐことができる。
【0022】
丸棒形状をなした開口縁に合成樹脂製カバーを被着することで、シートがガイドレールに接触したときに擦り切れることを一層確実に防ぐことができる。
【0023】
ランナに、ガイドレールとの摺接面に対して転動可能な球を埋設することで、シートの昇降時にランナとガイドレールとの間の摩擦を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るシートシャッターの全体正面図である。
【図2】図1のシートシャッターの部分正面図である。
【図3】図1のシートシャッターの側方から見た断面図である。
【図4】図1のシートシャッターの側方から見た部分断面図である。
【図5】ガイドレールの部分斜視図である。
【図6】ガイドレールとシートとの部分斜視図である。
【図7】ガイドレールとシートとの部分斜視図である。
【図8】ランナの斜視図である(シートを省略する)。
【図9】本発明の実施形態に係るシートシャッターの動作を表す側面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図1は、本発明のシートシャッターの全体図である。図において、シートシャッター10は、建物等の出入口の仕切りとして設置され、シート12を有する。
【0027】
シート12は、主としてシート本体13からなる。シート本体13は、帆布といったシートからなり、可撓性を有する。帆布は、例えばポリエステルで織った合成樹脂シートを塗装コーティングしたものから構成することができる。
【0028】
シート本体13には、補強ベルト14が固着されてシート本体13と一体化されている。補強ベルト14は、少なくともシート本体13の両側辺と下辺と上辺に設けられ、さらに好ましくは、シート本体13の中間部分にも、幅寸法と高さ寸法に応じて、その上下及び左右に所定間隔をあけて複数段と複数列が縫着によって固着される。補強ベルト14は、可撓性を有し、シート本体13と同程度の伸びがあり、また、シート本体13よりも強い引張強度(1トン程度)を有するものとするとよく、例えばナイロン繊維で織ったナイロンベルトとすることができる。
【0029】
シート本体13の下辺には錘レール15が取り付けられる。錘レール15は、その自重により、シート本体13が確実に下降した状態を保つことができる程度の質量を有する金属製レールが選択される。好ましくは、錘レール15は、シート本体13の下辺に設けられた補強ベルト14を介してまたは補強ベルト14と共にシート本体13に取付けられる。
【0030】
シート12の両側辺には、上下に所定間隔をあけて複数のランナ16が取り付けられる。ランナ16は、好ましくは、左右方向に延びる複数段の補強ベルト14と同じ位置に配置されるとよく、好ましくは、シート本体13の両側辺に設けられた補強ベルト14を介してまたは補強ベルト14と共にシート本体13に取付けられる。
【0031】
ランナ16は、図8に示したように、2つの略半楕円体型、半卵型または半球型をなした部品16a、16aからなる。適切な例としては、ナイロンといった合成樹脂の成形品とすることができるが、これに限らず、鉄等の金属製部品とすることも可能である。
【0032】
2つの部品16a、16aでシート本体13及び補強ベルト14を挟み、ボルト16bで両部品16a、16aを締結することで、略楕円体型、卵型または球体型(これらをまとめて略球体型と称する)の形状をなしたランナ16がシート12に取り付けられる。
【0033】
好ましくは、ランナ16の各部品16a、16aには、転動自在となったベアリングボール16cが埋設されるとよい。
【0034】
シート12の両側には、シートシャッター10が設置される建物等の出入口両側の縦枠に固定され、シート12の両側辺がランナ16と共に挿入されるガイドレール18が設けられる(図5〜図7)。ガイドレール18は、横断面C字形状をなしたC字形状部18aを備える。C字形状部18aは、その内部空間18bをランナ16が上下方向に摺動自在であり、且つ、C字形状部18aの開口18cからランナ16が抜け出すことができずシート12のみが通過できる大きさとなっている。開口18cの対向する縁は、シート12が擦り切れることを防ぐために、それぞれ丸みを帯びた丸棒形状部18dとなっており、且つ丸棒形状部18dには合成樹脂製カバー20が被着されるとよい。
【0035】
錘レール15の両端部にもランナ15aが延設されて、ガイドレール18内に挿入される(図4参照)。
【0036】
図3及び図4に示したように、シート12の上端は、シートシャッターが設置される建物等の出入口上方に取付けられるドラムカバー22内に挿入されて、ドラムカバー22内に設けられたシュート28を通り、巻取ドラム24に連結される。巻取ドラム24は、ドラムカバー22内でドラムシャフト26によって軸支され、手動であれば端部に設けられたプーリとそれに巻き掛けられたチェーンを介して回転駆動され、電動であれば電動モータ30(図2参照)によって回転駆動される。
【0037】
以上のように構成されるシートシャッターにおいては、シート本体13が可撓性を持ち、ナイロンベルトからなる補強ベルト14がシート本体13と同程度の伸びを持ち可撓性を持つために、シート本体13と補強ベルト14とが共に自由に撓むことができるようになっている。そのため、シート12閉鎖時に強い風が当たったときに、図9に示すように、シート12が帆船のように弓状に撓み、それに応じて錘レール15及びランナ16がガイドレール18に沿って上下動する。こうして、風の通り道を作り風力を逃すことができる。
【0038】
ポリエステルよりなる帆布でシート本体13を構成し、ナイロンベルトで補強ベルト14を構成すれば、約30%の伸びを得ることができる。また、ナイロンベルトの引張強度は1トンあるために、補強ベルト14によってシート本体13が補強されて、強い風にも耐えることができる。
【0039】
また、シート12が撓むときにも、シート12の両側はランナ16によってガイドレール18に拘束されるために、そのシート12の側方の気密性が保持され、シート12の側方からの雨風の侵入を防ぐことができる。
【0040】
シート12を上昇させる場合には、巻取ドラム24を手動または電動により回転駆動して、シート12を巻き取る。このときに、ランナ16は、ガイドレール18を摺動しながら上昇する。ランナ16にベアリングボール16cが埋設されている場合には、ベアリングボール16cがガイドレール18の内周面を転動することができるため、ランナ16の移動を円滑に行うことができる。
【0041】
巻取ドラム24にシート12が巻き取られるのと同時に、ランナ16も巻取ドラム24に巻き取られる。図4に示したように、ランナ16のピッチ及び補強ベルト14の上下方向の間隔は、巻取ドラム24が約1周、即ち360°±α°回転する毎に1つずつランナ16が巻取ドラム24に巻き取られることができるように設定される。このように、α°分ずれることで、ランナ16が既に巻き取られているランナ16と重ならないようにして、全ランナ16が巻き取られたときに、全ランナ16が巻取ドラム24の円周方向に略等間隔で分散して配置されるようになっている。これによって、ランナ16の大きさがある程度大きくてもシート12の巻取を円滑に行うことができる。
【0042】
以上のように、本発明では、強風にも耐え得ることができるため、幅、高さとも4mを超える大型の出入口にも適用することができる。且つシート12の両側がランナ16によって拘束されるために、両側からの雨水の侵入を防ぎ、気密性を持たせることができる。そのため、低価格で破損に強いシートシャッターとすることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 シートシャッター
12 シート
13 シート本体
14 補強ベルト
15 錘レール(錘)
16 ランナ
16c ベアリングボール(球)
18 ガイドレール
18a C字形状部
18d 丸棒形状部(開口縁)
20 合成樹脂製カバー
24 巻取ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと、該シートの両側に沿ってガイドレールが設けられてシートの両側辺がガイドレールに沿って案内されて昇降可能となったシートシャッターであって、
前記シートは、可撓性を有するシート本体と、可撓性を有し、シート本体に所定間隔をあけて固着されシート本体よりも強い引張強度を有する補強ベルトと、シート本体の下辺に取付けられた錘と、を備え、
シートの両側辺には、上下方向に所定間隔をあけて複数のランナが取り付けられ、各ランナが前記ガイドレール内を摺動可能となっており、
前記シートは、強風時にシート本体が撓むと共に錘が上下動することで、風を逃がすことが可能となったことを特徴とするシートシャッター。
【請求項2】
シートの上端辺は巻取ドラムに連結されて、シートは巻取ドラムに巻取可能となっており、前記複数のランナは、巻取ドラムの1回転のシートの巻取毎に円周方向の位置が互いにずれて巻き取られることを特徴とする請求項1記載のシートシャッター。
【請求項3】
前記補強ベルトは、ナイロン製であることを特徴とする請求項1または2記載のシートシャッター。
【請求項4】
前記ガイドレールは横断面C字形状をなし、その一対の開口縁がそれぞれ丸棒形状をなしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシートシャッター。
【請求項5】
前記丸棒形状をなした開口縁には合成樹脂製カバーが被着されることを特徴とする請求項4記載のシートシャッター。
【請求項6】
前記ランナには、ガイドレールとの摺接面に対して転動可能な球が埋設されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシートシャッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−97562(P2012−97562A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−35481(P2012−35481)
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3160698号
【原出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(591055001)株式会社佐藤鋼業 (3)