説明

シート・フィルム成形ロール

【課題】薄肉金属外筒温度のロール全域に亘る平準化を改善し、高精度、高品質のシート・フイルム成形を行うこと。
【解決手段】薄肉金属外筒10と熱媒体が流れる熱交換流路51との間に、遊動熱媒体室(外側遊動熱媒体室52と内側遊動熱媒体室53)が存在し、薄肉金属外筒10と熱交換流路51との間に、遊動熱媒体室の遊動熱媒体が介在する構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート・フィルム成形ロールに関し、特に、タッチロール方式のフィルム成形機にタッチロール(押えロール)として用いられるシート・フィルム成形ロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチロール方式のフィルム成形機にタッチロールとして用いられるシート・フィルム成形ロールとして、可撓性を有する薄肉金属外筒と、冷却流体の流送空間をあけて前記薄肉金属外筒に同一軸心状に内嵌される高剛性の金属内筒とからなる二重筒により構成したものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−235747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に示されている従来のシート・フィルム成形ロールは、二重筒構造で、薄肉金属外筒の内側が直接に冷却流体の流送空間となっているから、つまり、薄肉金属外筒と熱交換する内部熱媒体層が一層であることから、薄肉金属外筒の温度が、内部熱媒体層における熱媒体の熱媒体入口側と熱媒体出口側(ロール軸線方向)との間の温度勾配、ばらつき、内部熱媒体層のロール径方向の熱媒体の温度勾配、ばらつきの影響を直接受け、薄肉金属外筒の温度が平準化され難い。このことは、シート・フィルム成形の精度、品質に支障をきたす。特に、成形時の温度依存性が大きい樹脂によるシート・フィルム成形では、影響が大きい。
【0004】
この発明が解決しようとする課題は、薄肉金属外筒温度のロール全域に亘る平準化が改善され、高精度、高品質のシート・フィルム成形を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明によるシート・フィルム成形ロールは、可撓性を有する薄肉金属外筒と、前記薄肉金属外筒の左右両側の筒端開口を各々液密に閉じ、前記薄肉金属外筒と同心の支持軸部を有する左右の側部部材と、前記薄肉金属外筒の内側において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された強度維持金属内筒と、前記薄肉金属外筒の内側で、前記強度維持金属内筒より外側の位置において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された熱交換内筒と、前記薄肉金属外筒の内側で、前記熱交換内筒より外側の位置において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された通液性を有する多孔金属筒体とを有し、前記熱交換内筒は前記強度維持金属内筒との間に円環状断面の熱交換流路を画定し、前記強度維持金属内筒の一方の端部側には前記熱交換流路に熱媒体を流入する熱媒体流入口が形成され、前記強度維持金属内筒の他方の端部側には前記熱交換流路より熱媒体を外部に流出する熱媒体流出口が形成され、前記熱交換内筒は前記薄肉金属外筒との間に円環状断面の遊動熱媒体室を画定し、前記熱交換内筒には前記熱交換流路と前記遊動熱媒体室とを連通接続する連通孔が形成されている。
【0006】
この発明によるシート・フィルム成形ロールは、好ましくは、更に、前記薄肉金属外筒の内側で、前記熱交換内筒より外側の位置において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された通液性を有する多孔金属筒体を有し、前記多孔金属筒体は、前記遊動熱媒体室を前記薄肉金属外筒の側と熱交換内筒の側とで、外側遊動熱媒体室と内側遊動熱媒体室とに区分している。
【0007】
この発明によるシート・フィルム成形ロールは、好ましくは、前記熱交換内筒は前記内側遊動熱媒体室の側の外周面に熱交換フィンを有する。
【0008】
この発明によるシート・フィルム成形ロールは、好ましくは、前記熱交換内筒は前記内側遊動熱媒体室の側の外周面にスパイラル溝を有する。
【0009】
この発明によるシート・フィルム成形ロールは、好ましくは、前記薄肉金属外筒の肉厚が、0.002≦薄肉金属外筒の外径≧0.02の範囲である。より好ましくは、前記薄肉金属外筒の肉厚は、薄肉金属外筒の外径の0.01の値であればよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によるシート・フィルム成形ロールによれば、薄肉金属外筒と熱媒体が流れる熱交換流路との間に、遊動熱媒体室(外側遊動熱媒体室と内側遊動熱媒体室)が存在し、薄肉金属外筒と熱交換流路との間に、遊動熱媒体室の遊動熱媒体が介在することにより、薄肉金属外筒の温度が、熱交換流路における熱媒体の熱媒体流入口側と熱媒体流出口側(ロール軸線方向)のとの間の温度勾配、ばらつき、熱交換流路のロール径方向の熱媒体の温度勾配、ばらつきの影響を受けることが緩和され、薄肉金属外筒の全域の温度の平準化が改善される。これにより、シート・フィルム成形の精度、品質の向上を図ることができ、成形時の温度依存性が大きい樹脂によるシート・フィルム成形にも適切に対応できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明によるシート・フィルム成形ロールの一つの実施形態を、図を参照して説明する。
【0012】
シート・フィルム成形ロールは、可撓性を有する薄肉金属外筒10と、金属製の剛体構造の強度維持金属内筒20と、熱交換内筒30と、通液性を有する多孔金属筒体40とを互いに同心に有する四重筒構造になっている。
【0013】
薄肉金属外筒10は、ステンレス鋼等により円筒状に構成され、適度に弾性変形可能である条件を満たして上で、ロール表面の仕上げ加工を機械的な加工により行える所要の剛性を有する。このことを満足する薄肉金属外筒10の肉厚(有効ロール部10Cの肉厚)は、薄肉金属外筒10の外径が250〜500mm程度であると、1.0〜5.0mmである。
【0014】
薄肉金属外筒10の肉厚1.0mmがロール外筒としてロール表面を正しく機械加工できる限界値であり、それ未満であると、ロール表面を正しく機械加工することができない。薄肉金属外筒10の肉厚5.0mmは、ロール外筒がシート・フィルム成形において適度に弾性変形する限界値であり、それを超えた値であると、適度に弾性変形することができない。
【0015】
このようなことから、薄肉金属外筒10の肉厚は、0.002≦薄肉金属外筒10の外径≧0.02の範囲であればよい。より好ましくは、薄肉金属外筒10の肉厚は、薄肉金属外筒10の外径の0.01の値であればよい
【0016】
薄肉金属外筒10の左右両側には、各々、剛体構造の左右の側部部材11、12が液密に固定装着されている。側部部材11、12は、薄肉金属外筒10の左右両側の筒端開口(外筒10の軸線方向両端の開口)を各々液密に閉じ、薄肉金属外筒10と同心の支持軸部13、14を有する。側部部材11、12は、フランジ部11A、12Aを薄肉金属外筒10の筒端部に挿入され、この挿入部において溶接等によって薄肉金属外筒10と一体化されている。フランジ部11A、12Aを挿入される部分(取付代部)10A、10Bの薄肉金属外筒10の肉厚は、接続強度保持のために、上述した部分(有効ロール部10C)の肉厚より厚くなっている。
【0017】
強度維持金属内筒20は、4重筒構造のもっとも内側に存在する金属製円筒体であり、ロールの主剛性と強度維持のために十分な肉厚を有して剛体構造をなし、薄肉金属外筒10の内側において左右の側部部材11、12のフランジ部11A、12A間に薄肉金属外筒10と同心に掛け渡し固定されている。
【0018】
熱交換内筒30は、防錆処理された鋼材等により構成された円筒体であり、薄肉金属外筒10の内側で、強度維持金属内筒20より外側の位置において左右の側部部材11、12フランジ部11A、12A間に薄肉金属外筒10と同心に掛け渡し固定されている。
【0019】
多孔金属筒体40は、ステンレス鋼製パンチングメタル等により構成された通液性を有する円筒体であり、薄肉金属外筒の内側で、熱交換内筒30より外側の位置において左右の側部部材11、12のフランジ部11A、12A間に薄肉金属外筒10と同心に掛け渡し固定されている。
【0020】
熱交換内筒30は強度維持金属内筒20との間に円環状断面の熱交換流路51を画定している。熱交換流路51は薄肉金属外筒10の有効ロール部10Cの全域に亘って存在する。
【0021】
強度維持金属内筒20の側部部材12側の端部側には強度維持金属内筒20の内側の熱媒体供給室27より熱交換流路51に熱媒体を流入する熱媒体流入口21が開口形成されている。強度維持金属内筒20の側部部材11側の端部側には熱交換流路51より熱媒体を強度維持金属内筒20の内側の熱媒体排出室28に流出する熱媒体流出口22が開口形成されている。
【0022】
強度維持金属内筒20内には左右の端部近傍部に各々仕切板23、24が固定装着されている。仕切板23は側部部材11との間に熱媒体排出室28を画定している。仕切板24は側部部材12との間に熱媒体供給室27を画定している。仕切板23、24には内部筒体25が薄肉金属外筒10と同心に掛け渡し固定されている。内部筒体25は内側が熱媒体供給路26になっており、熱媒体供給路26は先端にて熱媒体供給室27に連通している。
【0023】
側部部材11の中心部には中心孔15が貫通形成されている。中心孔15内には内部管16が同心配置されており、内部管16の内側が熱媒体流入路17に、外側が熱媒体流出路18になっている。内部管16は先端にて内部筒体25に連結されており、熱媒体流入路17は熱媒体供給路26に連通接続されている。
【0024】
これにより、熱媒体流入路17に供給された冷却水等による熱媒体は、熱媒体供給路26、熱媒体供給室27を通って熱媒体流入口21より熱交換流路51内に流入し、熱交換流路51を側部部材12の側から側部部材11の側へ専ら軸流状流れ(ロール軸線方向の流れ)をもって流れる。これにより、熱媒体流入路17は熱媒体によって満たされる。熱交換流路51の側部部材11の側へ流れた熱媒体は、熱媒体流出口22より熱媒体排出室28へ流出し、熱媒体流出路18を通ってロール外へ排出される。
【0025】
熱交換流路51を流れる熱媒体は、ロールと樹脂との間で熱交換を行う流体として、別途設置される温調ユニットにより、厳密で高精度な温度制御のもとに所定流量をもって循環する。熱交換流路51を流れる熱媒体は、熱交換内筒30との間に熱交換を行うから、熱交換熱媒体と云うことができる。
【0026】
多孔金属筒体40は、外側の薄肉金属外筒10との間に円環状断面の外側遊動熱媒体室52を、内側の熱交換内筒30との間に円環状断面の内側遊動熱媒体室53を各々画定ししている。外側遊動熱媒体室52、内側遊動熱媒体室53は、ともに薄肉金属外筒10の有効ロール部10Cの全域に亘って存在する。
【0027】
熱交換内筒30の側部部材11側と側部部材12側の各々の端部側には熱交換流路51と内側遊動熱媒体室53とを連通接続する連通孔31、32が明けられている。これにより、熱交換流路51と内側遊動熱媒体室53、外側遊動熱媒体室52との間で、熱媒体が出入することができる。なお、連通孔31、連通孔32の口径は、熱媒体流入口21、熱媒体流出口22の口径より小さい。
【0028】
熱交換内筒30の外周面、つまり熱交換内筒30の内側遊動熱媒体室53の側の面には、熱交換内筒30のほぼ全域に亘ってスパイラル溝33が形成されている。そして、隣接するスパイラル溝33間が熱交換フィン34になっている。
【0029】
熱媒体流入口21より熱交換流路51内に流入した熱媒体の一部は連通孔31、32より内側遊動熱媒体室53へ流れる。内側遊動熱媒体室53に流入した熱媒体は、更に、多孔金属筒体40の内部多孔を通過して外側遊動熱媒体室52へ流れる。これにより、内側遊動熱媒体室53と外側遊動熱媒体室52は、ともに熱媒体によって満たされる。内側遊動熱媒体室53、外側遊動熱媒体室52を満たす熱媒体は、内側遊動熱媒体室53、外側遊動熱媒体室52内で遊動する遊動熱媒体と云うことができる。
【0030】
このように、薄肉金属外筒10と熱交換熱媒体が流れる熱交換流路51との間に、遊動熱媒体室(外側遊動熱媒体室52と内側遊動熱媒体室53)が存在し、薄肉金属外筒10と熱交換流路51との間に、遊動熱媒体室の遊動熱媒体が介在することにより、遊動熱媒体が温度緩衝帯となり、薄肉金属外筒10の温度が、熱交換流路10における熱交換熱媒体の熱媒体流入口21側と熱媒体流出口22側(ロール軸線方向)との間の温度勾配、ばらつき、熱交換流路のロール径方向の熱媒体の温度勾配、ばらつきの影響を受けることが緩和され、薄肉金属外筒10の全域の温度の平準化が改善される。
【0031】
更に、内側遊動熱媒体室53の遊動熱媒体は、スパイラル溝33に案内されて内側遊動熱媒体室53内を側部部材12の側から側部部材11の側へ熱交換内筒30の外周を取り巻くスパイラル流に整流されて比較的緩慢(熱交換流路51の流れより低速な流れ)に流れる。これにより、遊動熱媒体を媒体とするロール軸線方向の熱移動が促進され、内側遊動熱媒体室53のロール軸線方向の温度分布の均一が図られる、これに伴い薄肉金属外筒10の全域の温度の平準化がより効果的に改善される。
【0032】
また、シート・フィルム成形時に、薄肉金属外筒10が弾性変形することに伴う外側遊動熱媒体室52の体積変化によって外側遊動熱媒体室52の遊動熱媒体が多孔金属筒体40の内部多孔を通過して外側遊動熱媒体室52に対して出入りする。この遊動熱媒体のロール径方向の流れによりロール径方向の熱移動が促進され、外側遊動熱媒体室52の径方向の温度分布の均一が図られる。これに伴い薄肉金属外筒10の全域の温度の平準化がより効果的に改善される。
【0033】
外側遊動熱媒体室52、内側遊動熱媒体室53の遊動熱媒体の熱膨張、熱収縮が生じると、連通孔31、32によって外側遊動熱媒体室52、内側遊動熱媒体室53と熱交換流路51との間に熱媒体の出入が生じ、遊動熱媒体の熱膨張、熱収縮による外側遊動熱媒体室52、内側遊動熱媒体室53の内圧変化が回避される。
【0034】
そして、内側遊動熱媒体室53における遊動熱媒体と熱交換流路51を流れる熱交換熱媒体との間で、熱交換内筒30を介して熱交換が行われ、内側遊動熱媒体室53側の熱媒体の冷却が行われる。この熱交換は、熱交換内筒30の熱交換フィン34によって促進される。
【0035】
これらのことにより、薄肉金属外筒10の温度管理が適切に行われ、シート・フィルム成形の精度、品質の向上を図ることができ、高精度な鏡面を転写されて均一で平滑な光学的特性を付与したシート・フイルムや賦形付与のシート・フィルムの成形を行うことができる。また、成形時の温度依存性が大きい樹脂によるシート・フィルム成形にも適切に対応できるようになる。
【0036】
以下に、本実施形態のシート・フィルム成形ロールの特徴を要約する。
(1)薄肉金属外筒(ロール本体)は、膜構造の機械的脆弱性をなくし、必要な剛性を有するから、ロール表面の処理・仕上には多様な処置が採用でき、且つ機械的な加工を施すことが可能となる。また、ロール本体の表面硬度、本体剛性や強度の選択範囲が広い。
【0037】
(2)薄肉金属外筒は必要な剛性を有するから、膜構造では成し得ない、成形品の表面に、相手ロールに表面加工された賦形を付与することができる。
【0038】
(3)ロール全体が完全な同心一体構造であるため、回転時のアンバランスを生じることがなく、高速運転に対応できる。
【0039】
(4)外側遊動熱媒体室の遊動熱媒体は、ロール径方向の熱移動を容易にする多孔金属筒体により、熱交換流のロール径方向の流れを整流し、ロール径方向の移動を促進する。また、内側遊動熱媒体室の遊動熱媒体は、外周側にスパイラル溝を持ったフィン付の熱交換内筒により、円周方向、軸線方向の熱移動を容易にする。これら一連の熱移動の機構は、成形時のロール本体の弾性変形による変位が、遊動熱媒体の体積変化をもたらし、この体積変化が上記の熱移動流を発生・促進する。
【0040】
これにより、熱交換が一層からなるロールと比較して、遊動熱媒体が介在することで、熱交換流路の熱交換熱媒体の入口側と出口側との間の温度勾配やロール径方向の温度むらの影響が緩和され、成形時の温度依存性の大きい樹脂の成形にも対応できる。熱交換内筒は、連通孔を有し、遊動熱媒体室と熱交換流路とを連通していて、遊動熱媒体室の内圧が、熱媒体の膨張、収縮によって変化しないようにしている。
【0041】
(5)ロール本体の必要剛性とシートフィルムの成形には、密接な関係があり、薄肉金属外筒の外径の0.1のロール肉厚は、上記に示す成形のための全幅均一で平準化された熱交換性を備え、賦形成形にも対応できる剛性を備える設定値である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明によるシート・フィルム成形ロールの一つの実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 薄肉金属外筒
11、12 側部部材
13、14 支持軸部
15 中心孔
16 内部管
17 熱媒体流入路
18 熱媒体流出路
20 強度維持金属内筒
21 熱媒体流入口
22 熱媒体流出口
23、24 仕切板
25 内部筒体
26 熱媒体供給路
27 熱媒体供給室
28 熱媒体排出室
30 熱交換内筒
31、32 連通孔
33 スパイラル溝
34 熱交換フィン
40 多孔金属筒体
51 熱交換流路
52 外側遊動熱媒体室
53 内側遊動熱媒体室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する薄肉金属外筒と、
前記薄肉金属外筒の左右両側の筒端開口を各々液密に閉じ、前記薄肉金属外筒と同心の支持軸部を有する左右の側部部材と、
前記薄肉金属外筒の内側において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された強度維持金属内筒と、
前記薄肉金属外筒の内側で、前記強度維持金属内筒より外側の位置において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された熱交換内筒とを有し、
前記熱交換内筒は前記強度維持金属内筒との間に円環状断面の熱交換流路を画定し、
前記強度維持金属内筒の一方の端部側には前記熱交換流路に熱媒体を流入する熱媒体流入口が形成され、前記強度維持金属内筒の他方の端部側には前記熱交換流路より熱媒体を外部に流出する熱媒体流出口が形成され、
前記熱交換内筒は前記薄肉金属外筒との間に円環状断面の遊動熱媒体室を画定し、
前記熱交換内筒には前記熱交換流路と前記遊動熱媒体室とを連通接続する連通孔が形成されているシート・フィルム成形ロール。
【請求項2】
前記薄肉金属外筒の内側で、前記熱交換内筒より外側の位置において前記左右の側部部材間に前記薄肉金属外筒と同心に掛け渡し固定された通液性を有する多孔金属筒体を有し、前記多孔金属筒体は、前記遊動熱媒体室を前記薄肉金属外筒の側と熱交換内筒の側とで、外側遊動熱媒体室と内側遊動熱媒体室とに区分している請求項1に記載のシート・フィルム成形ロール。
【請求項3】
前記熱交換内筒は前記内側遊動熱媒体室の側の外周面に熱交換フィンを有する請求項1または2に記載のシート・フィルム成形ロール。
【請求項4】
前記熱交換内筒は前記内側遊動熱媒体室の側の外周面にスパイラル溝を有する請求項1〜3の何れか一項に記載のシート・フィルム成形ロール。
【請求項5】
前記薄肉金属外筒の肉厚が、0.002≦薄肉金属外筒の外径≧0.02の範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載のシート・フィルム成形ロール。

【図1】
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【公開番号】特開2008−55785(P2008−55785A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236248(P2006−236248)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】