説明

シート体の収納装置

【解決手段】 シート体3は通常は収納ケース1内に収納されており、使用時に引出されるようになっている。上記収納ケースの両端部には永久磁石11を設けてあり、この永久磁石11によって収納ケースを被磁着面3に磁着させることができるようになっている。また、上記収納ケースの両端部には離脱手段12を設けてあり、この離脱手段は上記永久磁石を被磁着面から離隔させて該永久磁石の被磁着面に対する磁着力を低減させ、それによって収納ケースを被磁着面から容易に離脱させることができるようになっている。上記シート体は、マグネットシートを備えたシート体であってもよい。
【効果】 永久磁石によって収納ケースを黒板等の被磁着面に磁着させて使用することができるので、使用箇所に対する制限が少なく、また離脱手段により収納ケースを被磁着面から容易に離脱させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート体の収納装置に関し、より詳しくは、シート体を収納する収納ケースを備えたシート体の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート体の収納装置として、シート体の出入用スリットを備えた筒状の収納ケースと、通常はこの収納ケース内にスプリング力によって巻上げられて収納され、使用時に上記出入用スリットからスプリング力に抗して引出されて使用されるシート体とを備えたものが知られている(特許文献1)。
また従来、マグネットシートを備えたシート体を巻取りロールに巻き取って運搬できるようにし、使用時にはシート体を展開してこれを黒板などの被磁着面に磁着させるようにしたものも知られている(特許文献2)。
【特許文献1】実用新案登録第3009459号公報
【特許文献2】特開2002−3084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のシート体の収納装置においては、シート体を収納ケース内に収納した状態で運搬することができるので、シート体を破損する危険性が少ないという利点があるが、上記収納ケースは代表的には黒板の上部フレーム上に載置して使用されるようになっているので、使用箇所が制限されるという欠点がある。また収納ケースを鉛直方向に配置して使用することも一般に困難であった。
これに対しマグネットシートを備えたシート体は、黒板などの被磁着面に磁着させて使用することができるので、使用箇所に対する制限が少ないという利点があるが、運搬時や保管時にシート体が露出しているという欠点があった。
【0004】
本発明は上述した欠点に鑑み、シート体を収納ケース内に収納して運搬や保管することができ、かつ使用箇所に対する制限が少ないシート体の収納装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明は、シート体の出入用スリットを備えた筒状の収納ケースと、通常はこの収納ケース内に収納され、使用時に上記出入用スリットから引出されて使用されるシート体とを備えたシート体の収納装置において、
上記収納ケースに、該収納ケースを被磁着面に磁着させる永久磁石を設けるとともに、上記永久磁石を被磁着面から離隔させ、該永久磁石の被磁着面に対する磁着力を低減させて上記収納ケースを被磁着面から容易に離脱させる離脱手段を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
また請求項2の発明においては、上記永久磁石は収納ケースの長手方向に離隔して少なくとも2つ設けられており、上記離脱手段によって一方の永久磁石を被磁着面から離隔させた際には、他方の永久磁石の磁着力によって収納ケースを被磁着面に磁着させたまま、上記一方の永久磁石側の収納ケースを被磁着面に沿って揺動させることができるようになっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、収納ケースに永久磁石を設けているので、該永久磁石により収納ケースを黒板等の被磁着面に磁着させて使用することができ、したがって使用箇所に対する制限が少ないという利点がある。またシート体は収納ケース内に収納することができるので、その状態で運搬や保管をすることができ、したがってシート体の損傷を防止することができる。
また、上記収納ケースに離脱手段を設けてあり、この離脱手段により永久磁石の被磁着面に対する磁着力を低減させることができるので、収納ケースを被磁着面から容易に離脱させることができ、したがってその取扱いが容易になる。
【0008】
また請求項2の発明よれば、離脱手段によって一方の永久磁石を被磁着面から離隔させた際に、他方の永久磁石の磁着力によって収納ケースを被磁着面に磁着させたまま、上記一方の永久磁石側の収納ケースを被磁着面に沿って揺動させることができるので、収納ケースの傾きを所望の方向に微調整することが容易となる。
したがって、収納ケースの傾きを所望の方向に向けることにより、シート体も容易に所望の方向に向けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、本発明に係るシート体の収納装置は、シート体の出入用スリット1a(図2参照)を備えた筒状の収納ケース1と、この収納ケース1内に回転自在に軸支した巻取りロール2と、末端部がこの巻取りロール2に連結され、通常は図示しないスプリング力によって巻上げられて上記収納ケース内1に収納されるシート体3とを備えている。
上記シート体3の引出し側先端部には補強バー4を設けてあり、この補強バー4の中央部に該補強バー4及びシート体3を上記スプリング力に抗して収納ケース1から引出すための取っ手5を設けてある。上記シート体3が収納ケース1内に収納された状態では、上記補強バー4も収納ケース内に収納されるようになっており、この状態では上記取っ手5が収納ケース1から外部に突出するようになっている。
また収納ケース1には、これを運搬するための取っ手6を設けてある。
なお、上記スプリング力によりシート体3を巻上げて収納ケース1内に収納させるための構成は従来既に周知なので、その具体的な構成の説明は省略する。
【0010】
上記シート体3としては、例えば筆記ボード/反射型スクリーン両用シートが使用され、このシート体3には、プラスチックフィルム等の基材の表面及び裏面に特殊コート層及びマグネットシートがそれぞれ設けられて、該シート体3の全面が黒板やホワイトボード等の被磁着面7に磁着できるようになっている。
また、補強バー4の両端部に図示しない永久磁石を埋設してあり、これら永久磁石の磁着力によって補強バー4を被磁着面7に磁着させることができるようにしてある。
【0011】
上記収納ケース1は合成樹脂で製造され、上記巻取りロール2を回転自在に収納した本体部1Aと、この本体部1Aの両端部に設けられてそれぞれ永久磁石11と離脱手段12とを収納した収納部1Bとを備えている。
図2ないし図5に示すように、上記本体部1A及び各収納部1Bは、基本的構成として、被磁着面7側となる平坦な底壁部1bと、この底壁部1bの両側に連続する側壁部1cと、両側壁部1cを連続する上壁部1dとを備え、上壁部1dの中央部は外側に向かって突出するように湾曲している。
そして、一方の側壁部1cに上述した出入用スリット1aを形成してあり、巻取りロール2に巻き回された上記シート体3はその出入用スリット1aから外部に引出されている。
【0012】
上記底壁部1bには、シート体3をガイドするガイド面1eを一体に形成してあり、このガイド面1eは、収納ケース1を被磁着面7に磁着させた際に、収納ケース1の内側から外側に向かって次第に被磁着面7に近接するように傾斜した傾斜面となっている。
したがって、上記巻取りロール2から引出されたシート体3は上記ガイド面1eにより被磁着面7に向けて案内されるようになり、シート体3がガイド面1eを超えて被磁着面7に磁着される位置は、そのガイド面1eの先端部に沿った直線的な位置となる。その結果、シート体3がガイド面1eの先端部で不規則に浮き上がることによる筆記ボードとしての文字の歪やスクリーンとしての画像の歪を防止することができるようになる。
【0013】
次に、上記収納ケース1の両端部の収納部1B内に設けた上記永久磁石11は、収納ケース1を被磁着面7に磁着させるためのもので、使用中に該収納ケース1が不用意に被磁着面7から脱落しないように相対的に強力な磁着力を有している。
他方、上記永久磁石11が強力な磁着力を有していると、収納ケース1を被磁着面7から取外す際に強い力が必要となり、また収納ケース1を被磁着面7に所望の傾きで磁着させる際にその傾きを好みの方向に微調整することが困難となる。このため上記離脱手段12を設けて、容易に収納ケース1を被磁着面7から取外したりその傾きを容易に修正することができるようにしてある。
【0014】
図3、図4に示すように、上記離脱手段12は、収納部1B内に軸13を介して揺動自在に軸支した操作レバー14と、この操作レバー14によって揺動される4枚のカム部材15とを備えている。これら4枚のカム部材15は鉄などの磁性材料により薄板状に形成してあり、互いに平行となるように配置してある。そして上記永久磁石11は方形板状に形成して各カム部材15間に3枚配置し、それら4枚のカム部材15と3枚の永久磁石11を相互に一体に連結してある。
上記4枚のカム部材15の一部は、収納部1Bの底壁部1bに形成した4つのスリット16(図5参照)からそれぞれ僅かに突出しており、その突出した各カム部材15の底辺となる接触面15aを被磁着面7に接触させることにより、上記永久磁石11の磁着力によって収納ケース1を被磁着面7に磁着させることができるようにしてある。
なお、各カム部材15の接触面15aにそれぞれ合成樹脂などからなるシート状部材を設け、このシート状部材によって黒板やホワイトボード等の被磁着面7が損傷されるのを防止するようにしても良い。
【0015】
上記操作レバー14は、その先端部に設けた突起14aと収納部1Bの上壁部1dとの間に弾装したばね17によって図3の時計方向に回転するように付勢されており、通常は操作レバー14の先端部背面が収納部1Bの内部に設けたストッパ部18に当接する図示非作動位置に保持されている。
この状態では、操作レバー14を操作する操作面14bは収納部1Bの外部に露出しており、図3に示すように、この操作面14bを収納部1Bの内方に向けて押圧することにより、上記ばね17に抗して操作レバー14を反時計方向に揺動させることができるようになっている。
【0016】
上記操作面14bは、図3に示す非作動状態では、収納部1Bの外面形状に倣ってそれと面一となるように形成してあり、それによって収納部1Bの美観を損なわないように配慮してある。また、上記操作面14bを収納部1Bの内方に向けて押圧する際に、収納部1Bの他方の側壁部1cを指の支持面として利用し、例えばその支持面に人差し指から小指を当接させた状態で、親指で操作面14bを収納部1Bの内方に向けて、つまり収納ケースの上記他方の1c側壁部に向けて押圧しながら、把持することができるように配慮してある。
このような配置にすれば、手で収納部1Bを握りながら操作レバー14を操作することができるので、該収納部1Bを手で握った状態で被磁着面7から離隔させたり、或いは被磁着面7に沿って移動させることが容易となる。
【0017】
上記各カム部材15は、全体として概略L字型に形成してあり、その一端部にU字状係合部15bを形成して、このU字状係合部15bをピン19を介して上記操作レバー14に連動させている。また上記各カム部材15の他端部には係合突起15cを形成してあり、各係合突起15cを収納部1Bに形成した段部1fに係合させている。
これにより、図4に示すように上記操作レバー14を軸13を中心として反時計方向に揺動させることにより、ピン19及びU字状係合部15bを介してカム部材15を、上記係合突起15cを中心として時計方向(図4の矢印方向)に揺動させることができるようになっている。そしてその揺動により、カム部材15の接触面15aのU字状係合部15b側は、すなわち図4における左側部分は被磁着面7から離隔されるようになり、同時に永久磁石11も被磁着面7から離隔されるので、その磁着力が低減されることになる。
このとき、カム部材15のU字状係合部15bに係合するピン19を、操作レバー14の回転中心となる軸13に隣接させた位置に設けてあり、それによって梃子の原理による軽い力で操作レバー14を操作しても容易にカム部材15を揺動させることができるようにしてある。
【0018】
次に、上記収納ケース1には、該収納ケース1を被磁着面7に磁着させる際に、収納ケース1を誤って落下させてしまうのを防止する落下防止手段を設けている。
図5に示すように、上記落下防止手段25は、L字型の金属製のフック26を備えており、このフック26の先端部分26aを、例えば黒板とこの黒板を取り付けた壁面との間隙等の所要位置に挿入固定することができるようにしてある。
上記フック26の末端部分26bには、可撓性を有するワイヤー27の一端部を連結してあり、このワイヤー27の他端部は収納部1Bに形成したガイド穴28と、これに連続するように形成した本体部1Aのガイド穴29(図2参照)とに亘って挿通させてある。
上記ワイヤー27の他端部には球状の脱落防止部材30を取付けてあり、この脱落防止部材73は、本体部1Aのガイド穴29にこれから離脱することがないように係合するとともに、このガイド穴29の長手方向に沿って移動可能となっている。
【0019】
上記収納部1Bと本体部1Aとの境界部分には、上記脱落防止部材30が収納部1Bから脱落するのを防止する抜け止め具31を取付けてある。
この抜け止め具31は薄板によって概略U字状に形成してあり、その中央部の溝31a内に上記ワイヤー27を挿通させている。この溝31aはワイヤー27は通過させるが上記脱落防止部材30の通過は阻止するような幅を有しており、それによって上記フック26を収納部1Bから引張り出した際に、脱落防止部材30が収納部1Bから脱落することがないようにしている。
【0020】
上記フック26の末端部分26bは、使用しないときには収納部1Bに形成したスリット32(図3、図4参照)内に挿入できるようにしてあり、またフック26の先端部分26aも上記スリット32に連続させて収納部1Bに形成した溝33内に挿入できるようにしてある。
上記フック26をスリット32及び溝33内に挿入した状態では、摩擦力によってフック26がそれらから脱落しないようにしてあり、この状態ではフック26の先端部分26aの表面は、収納部1Bの外側の表面と面一となるようにしてある。
他方、フック26を収納部1Bから引出すために、上記溝33の長さを先端部分26aの長さよりも長くするとともに、その先端部分の深さを深くしてある。これにより指をフック26の先端部分26aに引掛けて、該フック26を溝33から引出すことができるようにしてある。
【0021】
以上の構成を有する収納ケース1を例えば黒板の被磁着面7に磁着させる際には、先ずフック26を収納部1Bから引出し、その先端部分26aを黒板とこの黒板を取り付けた壁面との間隙に挿入する。
次に、収納ケース1の長手方向の向きを例えば鉛直方向に向けたら、収納ケース1の両端部に設けたカム部材15の接触面15aを被磁着面7に密着させる。これにより、上記永久磁石11の磁着力によって、カム部材15を介して収納ケース1を被磁着面7に磁着させることができる。
【0022】
この際、収納ケース1の向きが鉛直方向から傾いているような場合には、例えば下方側の収納部1Bを手で握りながら離脱手段12の操作レバー14を収納部1Bの内側に向けて押圧すれば、上述したようにカム部材15の接触面15aの一側部分が被磁着面7から離隔されるようになるので、永久磁石11の被磁着面7に対する磁着力が低減されるようになる。これにより収納ケース1の下方を被磁着面7に沿って左右に容易に移動させることができるようになる。
【0023】
このとき、上方の永久磁石11は相対的に大きな磁着力で収納ケース1の上方を被磁着面7に磁着させたままなので、収納ケース1の上方を中心として、収納ケース1の下方を被磁着面7に沿って左右に揺動させることができ、したがって収納ケース1の傾きを鉛直方向に容易に微調整することができる。
この後、下方の操作レバー14の操作を解除して下方の永久磁石11を元の被磁着面7に近接した位置に戻せば、収納ケース1は両方の永久磁石11によって被磁着面7に強固に磁着されるようになる。
【0024】
また万一、上記調整作業中に収納ケース1が落下したような場合には、フック26の先端部分26aが黒板とこの黒板を取り付けた壁面との間隙に挿入されているので、収納ケース1の落下によりフック26が収納ケース1から相対的に引出されることになる。
これによりワイヤー27を介して脱落防止部材30も収納ケース1から引出されるようになるが、この脱落防止部材30は抜け止め具31の溝31aを通過することができないので、そこで抜け出しが防止されて収納ケース1の落下が阻止されるようになる。
【0025】
上述したようにして収納ケース1を被磁着面7に磁着させたら、取っ手5を引いて巻取りロール2に巻回されているシート体3をスプリング力に抗して収納ケース1から引出すとともに、該シート体3を被磁着面7に磁着させればよい。
そして補強バー4に埋設した図示しない永久磁石を被磁着面7に磁着させることにより、シート体3を確実に被磁着面7に磁着させることができる。
【0026】
次に、上記シート体3を収納ケース1内に収納させる際には、先ず上記フック26の先端部分26aを黒板と壁面との間隙から取り外し、該フック26を上記スリット32及び溝33内に挿入することにより、フック26を収納部1B内に収納する。
次に、上記補強バー4の永久磁石を被磁着面7から離隔させる。このときシート体3も磁着力を有しているので、上記補強バー4を上記被磁着面7から離隔させるだけではシート体3をスプリング力で収納ケース1内に収納させることができない。
そこで上記補強バー4を上記被磁着面7から大きく離隔させることにより、その補強バー4側から収納ケース1側にかけて順次シート体3を被磁着面7から離隔させ、最終的にシート体3の全体を被磁着面7から離隔させることにより、該シート体3を上記スプリング力で収納ケース1内に収納させることができる。
【0027】
このようにしてシート体3を収納ケース1内に収納したら、上述したのと同様に例えば下方側の収納部1Bを手で握りながら操作レバー14を操作することにより、下方の永久磁石11の被磁着面7に対する磁着力を低減させることができる。
そして収納ケース1全体を被磁着面7から取り外す際には、上記収納ケース1の下方を被磁着面7から大きく離隔させれば、上方の永久磁石11も梃子の原理に基づく軽い力で被磁着面7から離隔させることができるので、容易に収納ケース1を被磁着面7から取り外すことができる。
【0028】
なお、上記実施例では、カム部材15に永久磁石11を取付、該カム部材15を操作レバー14を介して揺動させることにより永久磁石11を直接被磁着面7から離隔させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、永久磁石を収納ケースに固定して設けるとともに、上記カム部材を収納ケースに揺動可能に設け、このカム部材を指で直接揺動させて収納ケースを被磁着面から離隔させることにより、永久磁石を間接的に被磁着面から離隔させるようしてもよい。
また上記実施例では、シート体がマグネットを有しているが、これに限定されるものではない。特に上方に水平に収納ケースを磁着させ、下方にシート体を引出すような使用が前提となる場合には、マグネットを有しない通常のシート体を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例を示す正面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図3と異なる作動状態を示す拡大断面図。
【図5】落下防止手段25を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
【0030】
1 収納ケース 1a 出入用スリット
1c 側壁部 1e ガイド面
3 シート体 7 被磁着面
11 永久磁石 12 離脱手段
14 操作レバー 15 カム部材
25 落下防止手段 26 フック
27 ワイヤー 28、29 ガイド穴
30 脱落防止部材 31 抜け止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体の出入用スリットを備えた筒状の収納ケースと、通常はこの収納ケース内に収納され、使用時に上記出入用スリットから引出されて使用されるシート体とを備えたシート体の収納装置において、
上記収納ケースに、該収納ケースを被磁着面に磁着させる永久磁石を設けるとともに、上記永久磁石を被磁着面から離隔させ、該永久磁石の被磁着面に対する磁着力を低減させて上記収納ケースを被磁着面から容易に離脱させる離脱手段を設けたことを特徴とするシート体の収納装置。
【請求項2】
上記永久磁石は収納ケースの長手方向に離隔して少なくとも2つ設けられており、上記離脱手段によって一方の永久磁石を被磁着面から離隔させた際には、他方の永久磁石の磁着力によって収納ケースを被磁着面に磁着させたまま、上記一方の永久磁石側の収納ケースを被磁着面に沿って揺動させることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のシート体の収納装置。
【請求項3】
上記シート体は、マグネットシートを備えたシート体であって、通常は上記収納ケース内にスプリング力によって巻上げられて収納され、使用時に上記出入用スリットからスプリング力に抗して引出されて使用されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート体の収納装置。
【請求項4】
上記離脱手段は、上記収納ケースに揺動可能に設けられて上記被磁着面に接触されるカム部材を備えており、このカム部材はその揺動により上記永久磁石を被磁着面から離隔させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシート体の収納装置。
【請求項5】
上記カム部材を磁性材料によって薄板状に形成するとともに、上記永久磁石をこのカム部材に取り付け、上記カム部材の揺動時には、該カム部材の上記被磁着面に接触される接触面の一側が被磁着面から離隔されることによって、上記永久磁石が被磁着面から離隔されることを特徴とする請求項4に記載のシート体の収納装置。
【請求項6】
上記離脱手段は、上記カム部材に連動してこれを揺動作動させる操作レバーを備えており、この操作レバーは、上記収納ケースの側壁部との間で把持されて収納ケースの上記側壁部に向けて押圧された際に、上記カム部材を介して永久磁石を被磁着面から離隔させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシート体の収納装置。
【請求項7】
上記収納ケースの出入用スリットにシート体をガイドするガイド面を設けてあり、このガイド面は、収納ケースを被磁着面に磁着させた際に、収納ケースの内側から外側に向かって次第に被磁着面に近接するように傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のシート体の収納装置。
【請求項8】
上記収納ケースに該収納ケースの落下を防止する落下防止手段が設けられ、この落下防止手段は、所要位置に固定可能なフックと、一端が上記フックに連結され、他端に脱落防止部材を備えるワイヤーと、上記収納ケース内に設けられて脱落防止部材の移動を案内するガイド穴と、上記収納ケースに設けられて上記脱落防止部材が該収納ケースから抜け出るのを防止する抜け止め具とを備え、
落下防止手段の使用時には、上記フックを、上記脱落防止部材が抜け止め具に当接する位置まで収納ケースから引出すことができるようになっており、また収納時には、上記脱落防止部材及びワイヤーを収納ケースに収納させるとともに、上記フックを収納ケースに固定することができるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のシート体の収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−168916(P2006−168916A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363956(P2004−363956)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000200666)泉株式会社 (24)
【Fターム(参考)】