説明

シート型センサー及び生体情報計測装置

【課題】不具合を防止し、生体情報を正確に計測する。
【解決手段】シート型センサー1は、シート状誘電体とシート状導体とを備えるセンサー本体2と、保護カバー3とを備え、保護カバー3は、端部に保護カバー3内部におけるセンサー本体2の変位を規制する接合部4a〜4dを有する。センサー本体2を構成するシート状誘電体21,シート状導体22,23には、保護カバー3の接合部4a〜4dに対応する位置に孔部(スリット)が設けられており、貫通したスリットにおいて、保護カバー3の表面側絶縁シートと裏面側絶縁シートとを融着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート型センサー及び生体情報計測装置に関し、特に、誘電体と導体とによりキャパシタを構成するシート型センサー及びこのシート型センサーを用いた生体情報計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進行していく現代では、個々人の健康に対する感心が高まりつつあり、日常において、健康状態の判断指標となる生体情報を計測するニーズが高まっている。また、社会の高齢化は、自宅での高齢者介護、要介護者との生活が日常化することを意味しており、特に、要介護者の健康状態の把握、健康管理等を含めた介護の重要性が増している。
【0003】
近年、日中の活動時から就寝時まで、様々な状況で生体情報を計測する技術が開発されている。通常、生体情報を計測するには、例えば、計測装置を身体の所定の部位に当てて一定時間安静にしたり、それが困難である場合には、被測定者をある程度拘束して、そのあいだに生体情報を計測しなければならない。被測定者を拘束して生体情報を計測する方法では、特に、就寝中にあっては、被測定者本人が自覚しない間に、測定機器を外してしまうこともあり、必要な生体情報を正しく測定できないことがあった。
【0004】
また、生体情報を測定するに際して、拘束することの圧迫感、違和感が、被測定者の生体情報に少なからず影響を及ぼすことも指摘されている。そのため、生体情報を計測する上では、被測定者の身体を拘束するなどの不自然な状態におくことなく、確実に計測する技術が求められている。例えば、就寝中の生体情報を測定する方法としては、カメラで取得した画像を解析する方法、光・超音波等を用いて熱や距離から就寝状態を計測する方法、或いは寝具等にセンサーを設置して荷重や振動から生体情報を計測する方法等があげられる。
【0005】
しかし、画像を記録し、これを解析して生体情報を抽出する方法は、扱うデータ量が多く、処理が複雑であり且つコストも掛かる。また、熱や距離から生体情報を測定する場合には、天井、壁等に検出のためのセンサーを設置する必要があり、画像データから解析する手法と共に、被測定者にとっては、常時監視されていることの違和感や、プライバシーを侵害されている感覚等を強く抱くことになる。
【0006】
このような理由から、就寝中の生体情報を計測する方法として、センサーをシート型にした静電容量型圧力センサーを用いて、これを寝具に取り付けて、被測定者の生体情報を計測する技術が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された静電容量型圧力センサーは、自身の変形による静電容量の変化から、このセンサー上に就床している被測定者の挙動から心拍、呼吸等を測定することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−315831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の静電容量型圧力センサーは、寝具表面に配備された状態で、寝具上で就床状態にある被測定者の様子を、自身の形状の変化による静電容量の変化により検知するものであるので、静電容量型圧力センサー自身の変形が被測定者の身体の挙動に併せて適宜応答しなければ、正確な計測結果を得ることができない。
【0009】
特許文献1をはじめとする従来のシート型センサーは、シート状誘電体と誘電布とを、絶縁と防水のための保護カバーで覆って寝具に敷いて使用する場合が多い。しかし、保護カバーとシート状誘電体と誘電布との柔軟性の違いなどから、被測定者が寝返り等の体動を繰り返すことで、シート型センサーが保護カバー内部において撚れたり、ズレたりすることがあった。
【0010】
図11,図12に従来のシート型センサーにおいて、シート状誘電体と誘電布の撚れ、ずれにより誤検出が起こる様子を模式的に示す。
【0011】
一例として示す従来のシート型センサー100は、弾性変形可能なシート状誘電体101が誘電布102に挟み込んで構成されたコンデンサの静電容量の変化により、シート型センサー自体の変形を検知することができる。シート状誘電体101と誘電布102でなるセンサー本体は、保護カバー103によって覆われている。
【0012】
例えば、図11に示すように、保護カバー103内部に対するセンサー本体のずれXが生じているときにシート型センサー100の端部に被測定者が就床する場合、図11(a),(b)に示すように、被測定者が同じ位置で就床していたとしても、ずれX1,X2によりセンサー本体に被測定者Mの身体全体がセンサー本体の上にない場合(図11(a))とある場合(図11(b))とでは、静電容量が異なる値として検出されてしまい、計測精度が低下することがあった。
【0013】
また、図12に示すように、保護カバー103の内部でセンサー本体に撚れ箇所Yが生じていると、静電容量がその部分で増加するので、離床していても静電容量が初期値に戻らず、生体情報の計測精度が低下することがあった。
【0014】
静電容量型圧力センサーは、自身の形状の変化を静電容量の変化により検知するので、センサー本体が保護カバー103内部において殆ど自由度がないようにしてしまうと、センサー自身の変形が被測定者の身体の挙動に併せて適切に応答することができなければ、やはり正確な計測ができない。
【0015】
そこで、本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、センサー本体の不具合を防止し、センサー本体に与えられた変形を正確に検出することが可能なシート型センサー及び生体情報を正確に計測することが可能な生体情報計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を達成するために、本発明の請求項1に係るシート型センサーは、誘電体と導体によりキャパシタ構成されたセンサー本体と、センサー本体を包含するカバーとを備え、センサー本体には孔部が設けられ、カバーは、孔部に対応する位置に接合部を備え、該接合部において互いに接合されている。
【0017】
本発明に係るシート型センサーによれば、キャパシタ容量の変化により変形を検出することができ、孔部に対応する位置に設けられた接合部によって、カバー内部におけるセンサー本体の不要な動きを規制し、接合部以外では、カバー内部におけるセンサー本体の自由度をもたせることができる。これにより、カバーとセンサー本体とのずれ、撚れ等を防き、センサー本体の検出誤差を防止することができる。また、センサー本体の自由度を損なわないので、検出精度を低下させることなく、センサー本体に与えられた変形を正確に検出することができる。
【0018】
上述した目的を達成するために、本発明の請求項2に係るシート型センサーでは、センサー本体は、変形可能なシート状誘電体と、シート状誘電体の両面に配備されたシート状導体とを備え、シート状誘電体とシート状導体の互いに対応する位置にそれぞれ孔部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るシート型センサーによれば、孔部に対応する位置に設けられた接合部によって、カバー内部におけるセンサー本体の不要な動きを規制し、接合部以外では、カバー内部におけるセンサー本体の自由度をもたせることができる。これにより、カバーとセンサー本体とのずれ、撚れ等を防き、センサー本体の検出誤差を防止することができる。また、センサー本体の自由度を損なわないので、検出精度を低下させることなく、センサー本体に与えられた変形を正確に検出することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に係るシート型センサーは、接合部が孔部に対応する位置で互いに融着されていることを特徴とする。このシート型センサーによれば、接合部が互いに融着させているので、留め具等を用いる場合に比べて、被測定者の寝心地等を損ねることがない。
【0021】
また、本発明の請求項4に係るシート型センサーは、孔部がセンサー本体の端部に設けられていることを特徴とする。このシート型センサーによれば、カバーとセンサー本体とのずれ、撚れ等を防き、センサー本体の検出誤差を防止することができる。また、センサー本体の自由度を損なわないので、検出精度を低下させることなく、センサー本体に与えられた変形を正確に検出することができる。
【0022】
更に、本発明の請求項5に係るシート型センサーは、孔部がセンサー本体の中央部に設けられていることを特徴とする。このシート型センサーは、孔部がセンサー本体の中央部に設けられているので、センサー本体が撓んだときに、シート状導体とシート状誘電体とが本体の厚み方向に広がることにより生じる検出誤差を防止することができる。
【0023】
また、上述した目的を達成するために、本発明の請求項6に係る生体情報計測装置は、誘電体と導体によりキャパシタ構成されたセンサー本体と、センサー本体を包含するカバーとを備え、センサー本体には孔部が設けられ、カバーは、孔部に対応する位置に接合部を備え、該接合部において互いに接合されたシート型センサーと、シート型センサーにより検出された検出結果に基づいて、被測定者の身体動作から得られる生体情報を計測する計測装置とを備える。
【0024】
本発明に係る生体情報計測装置によれば、シート型センサーが、孔部に対応する位置に設けられた接合部によって、カバー内部におけるセンサー本体の不要な動きを規制し、接合部以外ではカバー内部におけるセンサー本体の自由度をもたせることができる構成になっているので、カバーとセンサー本体とのずれ、撚れ等を防ぎ、センサー本体の検出誤差を防止することができる。また、センサー本体の自由度を損なわないので、検出精度を低下させることなく、センサー本体に与えられた変形を正確に検出でき、被測定者の生体情報を正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、被測定者の就床状態により変形が加えられるセンサー本体の不具合を防止し、変形を正確に計測することが可能なシート型センサー、及び生体情報を正確に計測することが可能な生体情報計測装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態として示すシート型センサーと生体情報計測装置について説明する。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0027】
図1に、本発明の実施形態として示すシート型センサーの外観を示す。図2は、シート型センサー1におけるセンサー本体2の構成を説明する図である。シート型センサー1は、シート状誘電体とシート状導体とを備えるセンサー本体2と、保護カバー3とを備え、センサー本体2が保護カバー3に覆われて構成されている。
【0028】
センサー本体2の構造について、図2を用いて具体的に説明する。センサー本体2は、変形可能なシート状誘電体21と、シート状誘電体21の両面に配置されたシート状導体22,23とを備え、いわゆるコンデンサ(キャパシタ)を構成している。シート状誘電体21は、一例として矩形状を有し、例えば、弾性変形可能に構成されている。シート状導体22,23は、シート状誘電体21のサイズに対応する形状とされている。センサー本体2は、一対のシート状導体22,23の間に、全方向に弾性を有するシート状誘電体21を挟み込んで、いわゆるコンデンサを構成しており、このシート型センサー1全体に対する変形をコンデンサの静電容量の変化として検出している。
【0029】
なお、シート状導体22,23としては、シート状に加工され、導電性を有する材料であればよく、繊維に金属メッキを施した導電布、金属メッシュ等が適用可能である。また、本実施形態で説明するセンサー本体2の形状は一例であって、矩形状に限定されない。
【0030】
センサー本体2を構成するシート状誘電体21,シート状導体22,23には、保護カバー3の接合部4a〜4dに対応する位置に孔部が設けられている。すなわち、具体的に図2,図3に示すように、シート状誘電体21は、スリット21a,21b,21c,21dを備えている。また、シート状導体22は、四隅にスリット22a,22b,22c,22dを備えており、シート状導体23は、四隅にスリット23a,23b,23c,23dを備えている。これらの各スリットは、シート状誘電体21とシート状導体22,23を重ねてセンサー本体2を構成したとき、貫通する位置関係にある。したがって、これら貫通したスリット位置では、保護カバー3の一方の主面側(表面側絶縁シートという)からは、袋状になった保護カバー3の他の主面(裏面側絶縁シートという)を臨むことができる。
【0031】
保護カバー3は、熱可塑性の絶縁性材料であって、シート状誘電体21とシート状導体22,23と略同形状を有している。保護カバー3は、例えば、シート状の絶縁性材料の四辺を融着して袋状にしたカバーであり、絶縁と防水のためにセンサー本体2を保護する目的で設けられている。保護カバー3は、上述した孔部に対応する位置に、接合部4a〜4dを備えている。接合部4a〜4dは、スリットに対応する保護カバー3の一主面(表面側絶縁シート)上と、スリットを介して該一主面に対応する他面(裏面側絶縁シート)上とに、それぞれ設けられた接合部が互いに接合された部分である。
【0032】
図4を用いて、接合部4a〜4dを説明する。接合部4a〜4dは、センサー本体2のシート状誘電体21、シート状導体22,23に設けられた各スリットが貫通してできた孔部において、保護カバー3の表面側絶縁シートと裏面側絶縁シートとを融着して形成されている。いわゆるウェルダー加工が施されている。
【0033】
図4に示すように、本発明の実施形態として示すシート型センサー1は、シート状誘電体21、シート状導体22,23を貫通するスリットにおいて、保護カバー3の表裏面が融着されて接合部4a〜4dが形成されていることにより、この保護カバー3に対するセンサー本体2の位置決めがなされ、センサー本体2が保護カバーに対してずれたり、保護カバー内部で撚れたりすることを防止することができる。
【0034】
上述した接合部は、図1に示す位置に限定されない。融着箇所、すなわち、シート状誘電体21,シート状導体22,23におけるスリットは、センサー本体2の検出能を損ねない範囲で複数箇所設けることができる。端部のみならずセンサー本体2の中央部分に設けられていてもよい。
【0035】
図5には、中央部分に接合部4eが設けられたシート型センサーが示されている。図6に示すように、接合部4eを設けた場合には、シート状導体22も同様に中央部分にスリット22eを設ける。スリット22eは、シート状誘電体21,シート状導体23の対応する位置に設けられ、このスリット22eにおいて保護カバー3の表面側絶縁シートと裏面側絶縁シートとが融着されて接合部4eが形成されている。
【0036】
接合部4eが中央部分に設けられた図5に示す例では、中央部の接合部4eにより、シート型センサー1の本体全体が撓んだときなどに、シート状導体22,23と、シート状誘電体21とが本体厚み方向に広がることを防止することができる。
【0037】
また、保護カバー3に対してセンサー本体2を位置決めする際には、ビス留めのような機械的手法では、ビスが被測定者の身体に接触するため被測定者に不快感を与えることがあったが、ビス等を用いず、接合部4をウェルダー加工により形成したことにより、被測定者の寝心地を損なうことがない。また、保護カバー3内部におけるセンサー本体2のずれや撚れ等を防止する目的で、例えば、保護カバー3とセンサー本体2とを全面に亘って接着したときには、センサー本体2の自由度が失われることで、かえってセンサ感度が低下するといった不具合も生じることがあったが、本実施形態のように、孔部にてウェルダー加工により保護カバー3を融着すると、スリットにおける融着箇所以外は、センサー本体2の自由度が保持され、検出感度の低下も少ない。
【0038】
なお、上述した実施形態において、センサー本体2に設ける孔部は、上記実施形態では、スリット状であるとしたが、円形、矩形状など形状は問わない。
【0039】
次に、上述したシート型センサー1を用いて被測定者の生体情報を検出する生体情報計測装置30について、図7乃至図9を用いて説明する。生体情報計測装置30は、シート型センサー1と、シート型センサー1を発振用コンデンサとする共振回路31と、CPU等から構成される演算処理回路32とを備え、シート型センサー1が寝具40等に設置されている。
【0040】
シート型センサー1のセンサー本体2は、例えば、50mm×500mmの大きさを有し、シート状導体22,23にはそれぞれ可撓性の高い材質(例えば、セーレン株式会社製「SUI-13-55」)が採用されている。一方、シート状誘電体21は、例えば、厚さ3mmのウレタンシートによって形成されている。
【0041】
共振回路31は、例えば、図9に示すように、シート型センサー1にインダクタ33を接続したLC型発振回路と構成している。また、演算処理回路32は、共振回路31の発振周波数の変化を検出する周波数センサー本体34と、発振周波数の変化から離床又は在床の判定、心拍及び呼吸数のカウントなどの生体情報を取得する生体情報算出部35とを備えている。
【0042】
シート型センサー1は、図8に示すように、被測定者が、仰臥位、側臥位若しくは伏臥位等、センサー上に就床姿勢になっているときは、被測定者の身体によって圧迫されている。このとき、被測定者の心拍動や呼吸動に伴う圧力変動を受けることになる。これによって、シート状誘電体21が被測定者の身体外形に応じて厚さ方向、或いは縦横方向に弾性変形するとともに、シート状誘電体21が身体の曲面形状に沿って屈曲変形する。その結果、シート状導体22,23間の距離が変動し、シート型センサー1の静電容量が変動するので、シート型センサー1において検出される静電容量の変化には、被測定者の生体情報である心拍及び呼吸の周波数成分が含まれていることになる。
【0043】
共振回路31から出力される矩形波状の電圧信号は、演算処理回路32へ供給され、演算処理回路32において解析される。検出される静電容量が所定の閾値を超える場合には、例えば、在床直後又は離床したと判定することができる。また、演算処理回路32は、静電容量の変化に応じて、被測定者の身体の動きによって変化する発振周波数から、例えば、心拍、呼吸等を算出することができる。
【0044】
本発明の実施形態として示す生体情報計測装置30は、シート状誘電体21、シート状導体22,23を貫通するスリットにおいて、保護カバー3の表裏面が融着されて接合部4a〜4dが形成されているシート型センサー1を適用したことにより、センサー本体2が保護カバーに対してずれたり、保護カバー内部で撚れたりすることによる信号検出の不具合を防止することができ、生体情報の正確な測定が可能になる。
【0045】
本発明は、上述した実施形態を用いて説明したが、本発明は、上述した本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものではない。
【0046】
シート型センサー1において、シート状誘電体23は、例えば、厚さ3mmのウレタンシートによって形成されていると説明したが、誘電体としては、厚さ1mm程度の塩化ビニルを用いることも可能である。なお、塩化ビニルを用いる場合には、弾性変形は起こらないが、センサ本体が変形するため、変形に伴う静電容量の変化を検出することができる。この場合、平面状シートのワイヤと重ならない位置に孔部を設け、保護カバーを孔部で互いに接合するとよい。
【0047】
また、本実施形態では、シート型センサーが、シート状誘電体とシート状導体とを用いた静電容量型センサー10であって、シート状誘電体とシート状導体の面間の静電容量を検出するタイプである場合について説明したが、別の仕組みを有する静電容量型センサーであってもよい。例えば、シート型センサーは、図10に示すように、例えば、弾性変形可能な略平面状のシート51に配置された、略一対のワイヤ(導線)52,53間の静電容量を検出する静電容量型センサー50であってもよい。
【0048】
また、実施形態では、保護カバー3の形状は、センサー本体2の形状と略同形状として説明したが、センサー本体2を包むことができる形状であれば、センサー本体2より大きくてもよい。また、本実施形態において使用する「変形可能」という表現には、「弾性変形可能」である旨も含む。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態として示すシート型センサーの外観を説明する斜視図である。
【図2】図1に示すシート型センサーのセンサー本体の構成を説明する斜視図である。
【図3】図1に示すシート型センサーのセンサー本体を説明する分解斜視図である。
【図4】図1に示すシート型センサーの構成を説明する断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態として示すシート型センサーの外観を説明する斜視図である。
【図6】図5に示すシート型センサーのセンサー本体の構成を説明する斜視図である。
【図7】本発明に係るシート型センサーを備える生体情報計測装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】本発明に係る生体情報計測装置の配置を説明する説明図である。
【図9】図8に示す生体情報計測装置における共振回路及び演算処理回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の別の実施形態として示すシート型センサーを説明する図である。
【図11】(a),(b)は、従来のシート型センサーにおいてセンサー本体のずれ上に被測定者があるときの、検出結果の違いを説明する説明図である。
【図12】従来のシート型センサーにおいて保護カバー内のセンサー本体の撚れを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1…シート型センサー、2…センサー本体、3…保護カバー、4a,4b,4c,4d,4e…接合部、21a乃至21e…スリット、22a乃至22d…スリット、23a乃至23d…スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体と導体によりキャパシタ構成されたセンサー本体と、
前記センサー本体を包含するカバーと
を備え、
前記センサー本体には孔部が設けられ、前記カバーは、前記孔部に対応する位置に接合部を備え、該接合部において互いに接合されたシート型センサー。
【請求項2】
前記センサー本体は、変形可能なシート状誘電体と、前記シート状誘電体の両面に配備されたシート状導体とを備え、前記シート状誘電体とシート状導体の互いに対応する位置にそれぞれ孔部を有することを特徴とする請求項1に記載のシート型センサー。
【請求項3】
前記接合部は、前記孔部に対応する位置で互いに融着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート型センサー。
【請求項4】
前記孔部は、前記センサー本体の端部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のシート型センサー。
【請求項5】
前記孔部は、前記センサー本体の中央部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のシート型センサー。
【請求項6】
誘電体と導体によりキャパシタ構成されたセンサー本体と、前記センサー本体を包含するカバーとを備え、前記センサー本体には孔部が設けられ、前記カバーは、前記孔部に対応する位置に接合部を備え、該接合部において互いに接合されたシート型センサーと、
前記シート型センサーにより検出された検出結果に基づいて、被測定者の身体動作から得られる生体情報を計測する計測装置と
を備える生体情報計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−246173(P2008−246173A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95236(P2007−95236)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【復代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
【Fターム(参考)】