説明

シート搬送装置

【課題】排出経路を重ねて送られた2枚のシートの一方を排出し、他方をスイッチバックさせる際に排出される一方のシートがスイッチバックされるシートに追従して戻されて生じるシートの搬送不良やシートの損傷を未然に防ぐことのできるシート搬送装置を提供する。
【解決手段】一方の排紙ローラ43aの回転シャフトに一方の排紙ローラ43aの径よりも大きい径の回転部材61と、回転部材61を常に排紙方向に回転させる駆動伝達手段を設け、重ねて送られた2枚のシートの一方を排紙トレイに排出し、他方のシートをスイッチバックさせる際に、一方の原稿がスイッチバックされる他方の原稿に追従して再び排紙ローラ対に戻されることが防止され、確実に一方の原稿を排紙トレイに落下させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の読取位置に原稿を搬送する原稿搬送装置に関し、詳しくは原稿の両面を読み取るために片面を読み取られた原稿をスイッチバック反転させて、再び読取位置に搬送する搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やスキャナ等の画像形成装置においては、原稿を画像読取部のプラテンガラス上に搬送するADF(オート・ドキュメント・フィーダ)と称される原稿搬送装置が用いられている。
【0003】
従来、この種の原稿搬送装置としては、読取位置で表面を読み取られた原稿を排紙ローラ対に搬送し、この排紙ローラ対にてスイッチバックした後に反転させて再び読取位置に搬送して原稿の裏面を読み取るものがある。そして、このように構成された原稿搬送装置では、裏面を読み取られた原稿を排紙トレイ上でページ順序が揃うように再び反転して排紙する必要があり、この反転排紙する手段として、例えば、特許文献1のように原稿の裏面を読み取る際と同様に排紙ローラ対で原稿をスイッチバックした後に読取位置を介して原稿を搬送することで原稿の表裏を反転して排紙トレイに排紙する構成や、特許文献2のように読取位置の下流に設けられたスイッチバック部にて原稿をスイッチバックさせ、反転経路を介して排紙トレイに排紙する構成が知られている。
【0004】
上述した特許文献1、引用文献2のいずれのものにおいても、表面を読み取られた原稿のスイッチバックと両面を読み取られた原稿の排紙を1つの排紙ローラ対で行っているので、両面が読み取られた原稿が排紙される間は次原稿を排紙ローラ対に搬送することができない。このため、次原稿は給紙トレイから排紙ローラ対に至る経路において、先原稿が排紙されるまで待機する必要があり、両面原稿の読取処理に時間が掛かるといった問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、特許文献3では、先原稿と次原稿を重ねて搬送することで、両面原稿の読取処理を短縮するようにしている。この構成では、両面を読み取られ先原稿の後端に対して次原稿の後端を上流側に所定距離ずらした状態で重ねて搬送する。そして、先原稿が排紙ローラ対を通過し、次原稿が排紙ローラ対にニップされた状態である位置まで2枚の原稿を搬送する。これによって、重なった状態で搬送であっても先原稿を排紙し、次原稿をスイッチバック搬送することが可能となる。
【0006】
また、特許文献3には、次原稿がスイッチバック搬送する際に排紙された先原稿が次原稿に追従して再び排紙ローラ対に向かって逆戻りしないように逆戻り防止レバーが設けられており、この逆戻り防止レバーは通常において原稿の排紙口の上方の退避位置にあり、先原稿を排紙し、次原稿をスイッチバックさせる際に排紙口まで下降するように構成されている。この構成によって、次原稿に追従してスイッチバックされる先原稿のスイッチバック方向の先端が逆戻り防止レバーに当接して移動を阻止され、再び排紙ローラ対に向かって逆戻りしないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−354339号公報
【特許文献2】特開2006−327728号公報
【特許文献3】特開2004−175460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような逆戻り防止レバーを用いた構成は、排紙口に下降した逆戻り防止レバーは次原稿の上面に接触する位置まで下降させ、先原稿が次原稿に追従する逆戻りを防止しているが、次原稿の下面側は空間となっており、逆戻りする先原稿が容易に逆戻り防止レバーを通過し、先原稿が再び経路内に搬入する恐れや、排紙口で原稿ジャムや原稿の損傷が発生するとの問題がある。特に静電気などで先原稿と次原稿が吸着状態で搬送された場合には、逆戻り防止レバーの構成では先原稿の逆戻りを阻止できず、先原稿は再び経路内に引き込まれ重大な問題となっている。
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、排出経路を重ねて送られた2枚のシートの一方を排出し、他方をスイッチバックさせる際に排出される一方のシートがスイッチバックされるシートに追従して戻されて生じるシートの搬送不良やシートの損傷を未然に防ぐことのできるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の目的を達成するために、シートを収納する収納手段と、その先端がシート搬送方向に相対的にずれた2枚のシートを収納手段に案内する排出経路と、排出経路に設けられ、重ねて送られる2枚のシートの一方を収納手段に排紙するとともに他方のシートをスイッチバックさせる排紙ローラ対と、を備えたシート搬送装置において、排紙ローラ対の一方の排紙ローラを排紙方向に正回転させるとともに排紙方向と異なる方向に逆回転させるための正逆転自在な駆動手段と、一方の排紙ローラの回転軸に取り付けられ、一方の排紙ローラの直径よりも大きい直径で形成された回転部材と、駆動手段の正回転及び逆回転を前記回転部材に伝達し、回転部材を排紙方向に正回転させる駆動伝達手段と、を設けた。
【0011】
また、シートを収納する収納手段と、その先端がシート搬送方向に相対的にずれた2枚のシートを収納手段に案内する排出経路と、排出経路に設けられ、重ねて送られる2枚のシートの一方を収納手段に排紙するとともに他方のシートをスイッチバックさせる排紙ローラ対と、を備えたシート搬送装置において、排紙ローラ対の一方の排紙ローラを排紙方向に正回転させるとともに排紙方向と異なる方向に逆回転させる正逆転自在な回転シャフトと、回転シャフトに取り付けられ、一方の排紙ローラの直径よりも大きい直径で形成された回転部材と、回転シャフトの正回転を回転部材に伝達し、回転部材を排紙方向に正回転させる第1の駆動伝達手段と、回転シャフトの逆回転を回転部材に伝達し、回転部材を排紙方向に正回転させる第2の駆動伝達手段と、を設けた。
【発明の効果】
【0012】
この構成によって、一方の排紙ローラの回転軸(回転シャフト)に一方の排紙ローラの径よりも大きい径の回転部材を設け、原稿を排紙する際には回転部材を常に排紙方向に回転させたので、排紙ローラ対にて重ねて排紙方向に送られる一方の原稿を排紙し、他方の原稿をスイッチバック搬送する際に一方の原稿がスイッチバックされる他方の原稿に追従して再び排紙ローラ対に戻されることが防止され、確実に一方の原稿を排紙トレイに落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る原稿搬送装置および原稿搬送装置が搭載された画像読取装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る原稿搬送装置の主要部分を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に係る排紙駆動ローラ及び回転部材の取り付け構成を示す図である。
【図4】本発明に係る回転部材の駆動伝達機構を示す断面図である。
【図5】本発明に係る回転部材の駆動伝達機構による駆動伝達状態を示す状態図である。
【図6】本発明の第2の駆動伝達手段の駆動伝達を説明するための説明図である。
【図7】本発明に係る原稿搬送装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る原稿搬送装置の両面モード時における原稿の流れを示す説明図である。
【図9】本発明に係る回転部材による先原稿を次原稿から剥離する動作状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明のシート搬送装置としての原稿搬送装置3およびその上部に原稿搬送装置3が開閉可能に取り付けられた画像読取装置2の構成を示す断面図であり、図2は原稿搬送装置の主要部分を示す拡大断面図である。以下、図面に基づき本発明に係る原稿搬送装置の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
画像読取装置本体2はその内部に画像読取手段を備えている。画像読取手段は、光学キャリッジ5を固定した状態で第1のコンタクトガラス6の上面を通過する原稿を読み取るとともに本体2の上面に設けられた第2のコンタクトガラス7上にセットされた原稿に対して光学キャリッジ5が移動することによって読み取ることができる。
【0016】
光学キャリッジ5は、原稿に光を照射するランプと原稿からの反射光の向きを偏向する第1ミラーを有する第1キャリッジ10と、第1ミラーからの光の向きを偏向して導く第2、第3ミラーを有する第2キャリッジ11とから構成されている。そして、第1のコンタクトガラス6上を搬送される原稿や第2のコンタクトガラス7上に載置された原稿にランプによって光を照射し、原稿の反射光を複数のミラーを介してレンズ16で集光する。レンズ16で集光された光はCCDなどの光電変換素子17で光電変換されて原稿画像が読み取られる。
【0017】
次に、原稿搬送装置3の構成について説明する。この原稿搬送装置3は、図1及び図2に示すように、複数枚の原稿を載置可能な給紙トレイ20と、読取処理の終了した原稿を収納する排紙トレイ22とを備えている。
【0018】
さらに、原稿搬送装置3には、給紙トレイ20から第1のコンタクトガラス6に向けて原稿を給紙する給紙経路23が設けられた給紙部と、給紙経路23から原稿を受けて第1のコンタクトガラス6に給送して通過させる搬送経路24が設けられた搬送部と、搬送経路24からの原稿を排紙口41から排紙トレイ22に案内する排出経路25が設けられた排紙部と、排出経路25と給紙径路23を連通する循環経路45が設けられた循環部と、第1のコンタクトガラス6の下流で排出経路25と分岐し、排紙トレイ22と白色板21との間に形成されたスイッチバック経路46とスイッチバック経路46からの原稿を反転して排出経路25の排紙口41側に案内する反転排出経路49とが設けられた反転排出部と、を備えている。なお、白色板21は第2のコンタクトガラス7を覆うように設けられており、第2のコンタクトガラス7上にセットされた原稿を読み取る際に外乱光の装置2内への侵入を防いでいる。
【0019】
給紙部には、給紙トレイ20上の原稿を繰り出す繰出ローラ27と、繰り出された原稿を給送する給紙ローラ28と、この給紙ローラ28に圧接して原稿を1枚ずつ分離する分離パッド29と、1枚ずつ分離されて給紙される原稿の先端を突き当てて整合した後に送り出すレジストローラ対30と、が設けられ、給紙経路23に沿って原稿を給紙する。
【0020】
搬送部は、レジストローラ対30からの原稿を第1のコンタクトガラス6上に供給する第1のリードローラ対32と、第1のコンタクトガラス6上を通過した原稿を下流に向けて搬送する第2のリードローラ対33と、が設けられ、第1のコンタクトガラス6の上面を介して搬送経路24に沿って原稿を搬送する。
【0021】
排紙部には、排紙駆動ローラ43aと排紙従動ローラ43bからなる排紙ローラ対43が設けられ、排紙ローラ対43は排紙トレイ22上に原稿を排紙するともに、原稿の排紙方向の後端部をニップした状態で正転から反転して原稿をスイッチバックさせる。また、図2に示すように排紙駆動ローラ43aの回転シャフト60には回転部材61が設けられている。循環部には排紙ローラ対43でスイッチバックされた原稿を給紙経路23に送る待機ローラ対48が設けられている。
【0022】
ここで、上述した回転部材61について、詳細に説明する。図3は排紙駆動ローラ43a及び回転部材61の取り付け構成を示す図である。また、図4は回転部材61の駆動伝達機構を示す断面図であり、図5は回転部材61の駆動の伝達を説明するための説明図である。
【0023】
図3に示すように排紙ローラ対43の排紙駆動ローラ43aの回転シャフト60上には、排紙駆動ローラ43aの径よりも大きい径で形成された回転部材61が設けられている。本実施の形態において、回転部材61は排紙される原稿を排紙方向と直交する原稿幅方向に波状に湾曲させて原稿にコシ付けする機能も兼ねており、その外周は摩擦係数の高い、多孔質の弾性材で構成されている。
【0024】
また、回転部材61は、排紙駆動ローラ対43の回転方向に関係なく、常に排紙方向に駆動されるように構成されている。
【0025】
次に、回転シャフト60の駆動を回転部材61に伝達する駆動伝達機構について説明する。駆動伝達機構は、図4に示すように回転シャフト60の正回転駆動を回転部材61に直接伝達して回転部材61を正回転させる第1の駆動伝達機構58と、回転シャフト60の逆回転駆動から回転部材61を正回転させる第2の駆動伝達機構59とで構成される。
【0026】
第1の駆動伝達機構58は、回転部材61を支持する第1ラチェット部材62と第1ラチェット部材62内に設けられたワンウェイクラッチ63にて構成され、ワンウェイクラッチ63、第1ラチェット部材62、回転部材61は一体化されて回転シャフト60に取り付けられている。ワンウェイクラッチ62は、回転シャフト60の正回転によってシャフト60の駆動を第1ラチェット部材62及び回転部材61に伝達し、回転シャフト60の逆回転によって空転して回転シャフト60の駆動伝達を遮断する。
【0027】
第2の駆動伝達機構59は、回転シャフト60に対して自由回転可能に支持された第2ラチェット部材64と、第2ラチェット部材64に駆動を伝達する伝達部材65と、回転シャフト60に固定して設けられた伝達ギヤ68と、伝達ギヤ65に歯合する第1、第2の回転ギヤ66、67と、第1、第2の回転ギヤ66、67を回転自在に支持する支持軸69a、69bが形成された支持部材69と、で構成される。なお、支持部材69は駆動伝達機構の下方に設けられた板状のステー部材72にビスなどの固定具73で固定されている。また、回転部材61及び支持部材67の軸方向のそれぞれの外側には駆動伝達機構が軸方向にスライド移動するのを規制する第1、第2規制部70、71が設けられている。
【0028】
伝達部材65はその内側の内周面に第1、第2の回転ギヤ66、67と歯合する歯が形成されおり、第1、第2の回転ギヤ66、67の駆動が伝達部材65に伝達されるようになっている。また、伝達部材65には突出片65aが形成され、第2ラチェット部材64には第2ラチェット部材64が逆転する方向に向って徐々に大きくなる切欠部64bが形成されており、伝達部材65の突出片65aが第2ラチェット部材64の切欠部64bの回転方向側部に当接して第2ラチェット部材64を伝達部材65の回転方向と同一方向に回転させる。第1、第2ラチェット部材62、64の互いに向かい合う側面には、第2ラチェット部材64の正回転で互い噛み合うV字状の第1、第2ラチェット爪62a、64aが形成されており、互いに噛み合うことで第2ラチェット部材64の駆動が第1ラチェット部材62に伝達される。
【0029】
そして、回転シャフト60を正回転させるとワンウェイクラッチ63の作用で回転部材61は回転シャフト60の回転方向と同一に正回転する。一方、回転シャフト60の正回転駆動は伝達ギヤ68にから回転ギヤ66、67に伝達され、回転ギヤ66、67から伝達部材65に伝達される。これによって、伝達部材65は図6の矢印のように正回転する回転シャフト60の回転方向とは異なる方向、すなわち伝達部材65は逆回転する。伝達部材65を逆回転させるとその突出片65aが第2ラチェット部材64の切欠部64bの逆回転方向の側部に当接して第2ラチェット部材64を逆回転させる。第2ラチェット部材64を逆回転させると第2ラチェット爪64aは、V字状の第1ラチェット爪62aの傾斜面に沿って移動して、第1ラチェット爪62aとの噛み合いを解除する。このとき、伝達部材65の突出片65aと第2ラチェット部材64の切欠部64bの間には軸方向に隙間があるため、第2ラチェット部材64は第1ラチェット部材62と離れる方向にスライド移動し、第2ラチェット部材64は図5(a)に示すように第1、第2ラチェット爪62a、64aの噛み合いが解除された位置に保持される。
【0030】
これによって、排紙駆動ローラのシャフトの正回転で自動的にラチェット爪62a、64aの噛み合いが解除され、かつラチェット爪62a、64aが解除された位置に保持されるので、第2の駆動伝達機構59に影響されることなく回転部材を正回転することができる。
【0031】
次に、回転シャフト60を逆回転させるとワンウェイクラッチ63の作用で回転シャフトは空転し、回転シャフト60の駆動は回転部材61には伝達されない。回転シャフト60の逆回転駆動は、図6に示すように伝達ギヤ68から回転ギヤ66、67を介して伝達部材65に伝達される。これによって、伝達部材65は図6の矢印のように正回転方向に回転する。伝達部材65が正回転すると突出片65aが第2ラチェット部材64の切欠部64bの傾斜面に当接し、徐々に第2ラチェット部材64を第1ラチェット部材62側にスライド移動させる。これによって、第2ラチェット部材64は第2ラチェット爪64aが第1ラチェット爪64aに噛み合う位置まで移動する。そして、図5(b)に示すように伝達部材65の突出片65aが第2ラチェット部材64の切欠部64bの正回転方向の側部に当接して第2ラチェット部材64を逆回転させると、第1、第2ラチェット爪62a、64aが噛み合う。これによって、第1ラチェット部材62と第1ラチェット部材62と一体化された回転部材61が正回転する。
【0032】
この構成によれば、排紙駆動ローラ43aのシャフト60の逆転回転駆動によって回転部材61を正回転することができ、回転部材を排紙駆動ローラ43aと逆方向に回転させるための駆動源を追加する必要がなくなる。またシャフト60の逆回転にて自動的にラチェット爪62a、64aが噛み合い駆動を回転部材に伝達することができる。
【0033】
なお、上述した駆動伝達機構の説明における正回転とは各回転体(シャフト60、排紙駆動ローラ43a、回転部材61、ラチェット部材62、64、伝達部材65、ギヤ66、67、68など)を原稿排紙方向に回転させるための回転方向であり、逆回転とは原稿排紙方向とは異なる方向に各回転体を回転させる回転方向である。
【0034】
反転排出部には、図1、図2に示すようにスイッチバック経路46に搬入された原稿をスイッチバックして反転排出経路49に送るスイッチバックローラ対44が設けられている。なお、排紙ローラ対43及びスイッチバックローラ対44は、一方のローラから他方のローラが離間するように構成されており、原稿の搬送状態によって圧接・離間制御される。
【0035】
また、搬送経路24と排出経路25の連接部には、読み取りの過程に応じて第2のリードローラ対33からの原稿を排出経路25とスイッチバックパス46のいずれかに一方に案内するための第1のフラッパ34が設けられており、排出経路25と循環経路45の連結部には、排紙ローラ43でスイッチバックされた原稿を排出経路25から循環経路45に案内するための第2のフラッパ52が設けられている。さらに、スイッチバック経路46には、スイッチバックローラ対44でスイッチバックされた原稿を反転排出経路49に案内するための第3のフラッパ53が設けられている。なお、第2、第3のフラッパ52、53は、自重で下方に移動するように支持されている。これによって、第2のフラッパ52は、第2のリードローラ33からの原稿によって上方に押し上げられて原稿が通過し、原稿が通過すると下方に移動して排出経路25と循環経路45を連通させる。同様に第3のフラッ
パ53は、第2のリードローラ33からの原稿によって上方に押し上げられて原稿が通過し、原稿が通過すると下方に移動して第2のスイッチバック経路46と反転排出経路49とを連通させる。
【0036】
また、図7のブロック図に示されるように原稿が通過する各所には各種のセンサが設けられている。繰出ローラ27の近傍には給紙トレイ21上の原稿を検出するエンプティセンサS1、給送経路23にはレジストセンサS2、リードセンサS3が設けられ、排出経路25には排出センサS4が設けられている。また反転排出経路49には反転排出センサS5が配置される。そして、これらの各センサの原稿検出は制御基板100のCPUに入力され、この入力結果に基づき給紙モータM1、排出モータM2、待機モータM3の駆動を制御して原稿を搬送する。
【0037】
給紙モータM1は、給紙ローラ28とレジストローラ対30に電磁クラッチCL1、CL2を介して駆動連結されており、排出モータM2は排紙ローラ対43とスイッチバックローラ対44に駆動連結されている。また、待機モータM3は待機ローラ対48に駆動連結されている。
【0038】
また、第1離間ソレノイドSOL1は排紙ローラ対43の駆動ローラ43aから従動ローラ43bを離間する方向に移動させ、第2離間ソレノイドSOL1はスイッチバックローラ対44の従動ローラから駆動ローラを離間させる方向に移動させる。これによって、各ローラ対43、44の圧接、離間が制御される。
【0039】
次に、原稿搬送装置の動作について説明すると、本実施の形態における原稿搬送装置では、原稿の片面のみを読み取る片面読取モードと原稿の両面を読み取る両面読取モードを備えている。片面モードでは、給紙トレイ20上の原稿を給紙経路23、搬送経路24に沿って第1のコンタクトガラス6の読取位置Xに給送し、原稿の片面を画像読取手段で読み取る。その後、読み取られた原稿は搬送経路24、排出経路25を介して排紙トレイ22に排紙する。
【0040】
両面モードについては、図8の原稿の流れを示す説明図に基づき説明する。給紙トレイ20上の原稿は図4の実線で示すように給紙経路23から搬送経路24に案内されて読取位置Xで表面が読み取られる。読取位置で表面を読み取られた原稿は図4の破線で示すように排出経路25に搬送され、この排出経路25の排紙ローラ対43にてスイッチバックした後に循環経路45を介して搬送経路24に戻され、表裏を反転しつつ再び読取位置Xに案内されて原稿の裏面を読み取る。読取位置Xで表裏両面を読み取られた原稿は図8の2点鎖線で示すようにスイッチバック経路46に案内され、スイッチバックされる。スイッチバックされた原稿は反転排出経路49を介して排出経路25の下流側に表裏反転しつつ案内され、排出経路25から排紙トレイ22に排紙される。
【0041】
この両面読取モードについて、具体的に複数の原稿を連続して搬送する動作について説明すると、最初に給紙トレイ20上に原稿が載置されたことをエンプティセンサS1が検知すると、給紙モータM1が駆動し、電磁クラッチCL1をONすると繰出ローラ27及び給紙ローラ28が回転駆動する。これによって、給紙トレイ20上に載置された最上位の原稿が順次繰り出され、分離パッド29によって原稿が1枚に分離されて送られる。なお、原稿の給紙開始時におけるイニシャル動作で排紙ローラ対43及びスイッチバックローラ対44は離間する位置に移動され、また第1のフラッパ34は、排出経路25に沿って案内されるような向きに移動される。
【0042】
1枚に分離された原稿の先端をレジストセンサS2が検知すると、その検知した時点から原稿を所定量搬送することによって、レジストローラ対30のニップ部分に1枚目の原稿の先端が突き当たり、これによって原稿の先端が整合されて原稿スキューが取り除かれる。
【0043】
その後、電磁クラッチCL2がONされ、レジストローラ対30が回転駆動する。そして、原稿はレジストローラ対30と第1、第2のリードローラ対32、33によって第1のコンタクトガラス6上を搬送される。この第1のプラテンガラス6上を通過する際に原稿の表面が読み取られる。
【0044】
第1のプラテンガラス6を通過した原稿は、第1のフラッパ34を介して排出経路25に沿って案内される。この1枚目の原稿の先端部が排出経路25に案内されていく間に、1枚目の原稿の後端がレジストセンサS2で検知されると、電磁クラッチCL2がOFFされてレジストローラ対30は停止され、2枚目の原稿の給送が繰出ローラ27及び給紙ローラ28によって開始される。給紙された2枚目の原稿の先端はレジストローラ対30のニップ部分に突き当たって整合される。
【0045】
そして、電磁クラッチCL1をOFFした時点から所定の時間が経過した後に電磁クラッチCL2をONする。これによって、レジストローラ対30が駆動して2枚目の原稿が第1のプラテンガラス6に向けて送り出される。なお、前述の所定時間は先に給紙された1枚目の原稿と2枚目の原稿との間隔を一定に保つために予め定められた時間である。
【0046】
一方、1枚目の原稿の先端部が排出センサS4で検知されると排出モータM2が正転駆動し、第1ソレノイドSOL1をON(吸引)する。これによって、排紙ローラ対43の従動ローラ43bが駆動ローラ43aに圧接し、1枚目の原稿が排紙トレイ22側に向けてさらに搬送される。
【0047】
2枚目の原稿が第1のプラテンガラス6に向けて搬送される間に、第1のプラテンガラス6を通過した1枚目の原稿は、その後端が排出センサS4で検知されてから一定時間が経過した時点で排出モータM2を停止することによって排紙ローラ対43でニップされた状態で停止する。その後に排出モータM2を逆転駆動することで排紙ローラ対43は逆回転駆動され、1枚目の原稿がスイッチバックされる。
【0048】
そして、排紙ローラ対43でスイッチバックされた1枚目の原稿は第1のスイッチバック経路45に沿って搬送される。そして、1枚目の原稿の先端部が回転駆動する待機ローラ対48でニップされた後に待機モータM3を停止することによって1枚目の原稿は一旦停止状態となる。1枚目の原稿が待機ローラ対48でニップ保持されて停止されると、第1ソレノイドSOL1をOFF(吸引解除)して排紙ローラ対43を離間させ、排出モータM2を正転駆動に切り換える。
【0049】
この状態で、第1のコンタクトガラス6を通過した2枚目の原稿を排出ローラ対43に排出経路25に沿って搬送する。このとき、2枚目の原稿は排出経路25の下流部分で1枚目の原稿の下方を搬送される。なお、このとき排紙ローラ対43を離間させているので2枚目の原稿の先端部は支障なく排紙トレイ側に向かって搬送される。また離間した排紙ローラ対43の駆動ローラ43aを正回転駆動しているので、2枚目の原稿には駆動ローラ43aの接触した際の搬送力が付与されスムーズに送られる。
【0050】
2枚目の原稿がレジストセンサS2を通過する電磁クラッチCL2をOFFする。また2枚目の原稿の後端部がレジストセンサS2で検知された時点から所定時間経過後に待機モータM3を駆動する。これによって、経路45、49で停止している1枚目の原稿の先端がレジストローラ対30に当接してその先端が整合され。その後に電磁クラッチCL2をONしてレジストローラ対を回転駆動して1枚目の原稿を第1のコンタクトガラス6に向けて反転して搬送させる。この間、第1のリードローラ対32、第2のリードローラ対33、排紙ローラ対43の正回転駆動によって、2枚目の原稿が排出パスの下流側で1枚目の原稿とすれ違うようにして搬送される。このとき、排紙ローラ対43は離間した状態で、1枚目の原稿と2枚目の原稿のそれぞれ異なる方向に搬送される。そして、リードセンサS3が2枚目の原稿の後端を検出してから2枚目の原稿の後端が第1コンタクトガラス6の読取位置Xに到達する時間が経過した後に第1ソレノイドSOL1がONされ、排紙ローラ対43が圧接される。これによって、排紙ローラ対43が1枚目の原稿と2枚目の原稿を重ねて圧接し、その状態で1枚目の原稿と2枚目の原稿は排出経路25内の一部でそれぞれ異なる方向に搬送されることとなる。このとき、駆動ローラ43aはその摩擦係数が原稿と従動ローラ43bの摩擦係数より高く設定されている。これによって、従動ローラ43bと2枚目の原稿との間の1枚目の原稿は待機ローラ48、レジストローラ対30、第1のリードローラ対43によって読取位置Xに向って送られ、駆動ローラ43aと1枚目の原稿との間の2枚目の原稿は駆動ローラ43bの搬送力によって1枚目の原稿に抗して排紙トレイ22側に送られる。
【0051】
そして、2枚目の原稿の後端が排出センサS4に検知されてから一定時間後に排出モータM2を正転駆動から逆転駆動に切り換えることで排紙ローラ対43は正転駆動から逆回転駆動されて2枚目の原稿がスイッチバックされる。このとき、1枚目の原稿の後端は排紙ローラ対43のニップ位置を通過しており、2枚目の原稿のスイッチバック動作に影響しない。スイッチバックされた2枚目の原稿は第1のスイッチバック経路45に沿って搬送され、待機ローラ対48にニップされると待機モータM3を停止する。そして、これと同時に第1のソレノイドSOL1をOFFして2枚目の原稿を停止して待機させる。
【0052】
一方、1枚目の原稿は、裏面が読み取られた後、先端部が第1のフラッパ34によって切り替えられた経路を通ってスイッチバック経路46へ案内される。なお、第1のフラッパ34は、2枚目の原稿の後端部が排出センサS4で検知されると時計回りに回動してスイッチバック経路46へ連絡する経路を形成する。また、1枚目の原稿の後端がリードセンサS3に検知されると第2のソレノイドSOL2がON(吸着)され、スイッチバックローラ44が圧接状態とされる。
【0053】
待機ローラ対48にニップして待機された2枚目の原稿は、1枚目の原稿の後端がレジストセンサS2で検知した後に待機モータM3を駆動して停止した状態のレジストローラ対30に当接する。これによって、原稿の先端が整合される。そして、電磁クラッチCL2をONすることでレジストローラ対30を回転駆動させて原稿を第1のコンタクトガラス6の読取位置Xに向けて再給送される。
【0054】
スイッチバック経路46に搬送された1枚目の原稿は、その後端が排出センサS4で検知されるとその所定時間後に排出モータM2を逆転駆動から正転駆動に切り換える。これによって、スイッチバックローラ対44が正回転駆動から逆回転駆動に切り換わり、1枚目の原稿をスイッチバックさせる。スイッチバックされた1枚目の原稿は反転排出経路49に沿って排紙ローラ対43に送られ、排紙ローラ対43によって排紙トレイ22に排出される。
【0055】
一方、2枚目の原稿は1枚目の原稿に続いて第1のコンタクトガラス6の読取位置Xに搬送されて裏面が読み取られ、スイッチバック経路46に搬送される。このとき、2枚目の原稿の先端を排出センサS4が検出すると第2のソレノイドSOL2がOFF(吸着解除)されて第2のスイッチバックローラ44が離間する。そして、1枚目の原稿と2枚目の原稿がスイッチバック経路46内ですれ違うようにして搬送される。この2枚目の原稿の搬送過程で2枚目の原稿がレジストセンサS2を通過したことが検出されると電磁クラッチCL1をONする。これによって、繰出ローラ27、給紙ローラ28が回転駆動して3枚目の原稿の給紙動作が開始される。
【0056】
そして、2枚目の原稿の後端部がリードセンサS3で検出された時点から2枚目の原稿の後端が読取位置Xに到達する時間が経過すると第2のソレノイドSOL2がONされてスイッチバックローラ対44が圧接する。これと同時に排出モータM2が正回転駆動から逆回転駆動に切り換えられる。このとき、1枚目の原稿の後端はスイッチバックローラ対44を通過している。これによって、2枚目の原稿がスイッチバックされ、反転排出経路49に沿って排紙
ローラ対43に送られる。そして、排紙ローラ対43によって排紙トレイ22に向かって搬送される。
【0057】
3枚目の原稿は、先の1枚目の原稿と同様にレジストローラ対30で先端が整合され、レジストローラ対30、第1のリードローラ対32によって第1のコンタクトガラス6に搬送され、第1のコンタクトガラス6の読取位置Xで表面を読み取られた後に第2のリードローラ33によって搬送経路24、排出経路25に沿って送られる。
【0058】
そして、3枚目の原稿は、2枚目の原稿を排出中の排紙ローラ対43に送られ、2枚目の原稿と重なった状態で排紙トレイ22側に向かって搬送される。このとき、3枚目の原稿の後端は、2枚目の原稿の後端に対して排紙トレイ22の方向と異なる方向に所定距離Lだけ離れた位置となった状態で搬送される。
【0059】
そして、3枚目の原稿の後端部が排出センサS4で検知した時点から所定時間後に排出モータM2を停止する。これによって、排紙ローラ対43は一旦停止される。このとき、2枚目の原稿は排紙トレイ22に排出され、3枚目の原稿は排紙トレイ22と異なる側の端部が排紙ローラ対43にニップされた状態で停止する。この状態から排出モータM2を逆転駆動することで、排紙ローラ対43が逆回転駆動して3枚目の原稿がスイッチバックされる。
【0060】
その後、後続の4枚目の原稿は読取位置Xを通過し、排出経路25の下流部分で待機ローラ対48によってニップされた状態で待機される3枚目の原稿の下方を搬送される。以降において、3枚目の原稿は先の1枚目の原稿と同様に搬送され、また4枚目の原稿は2枚目の原稿と同様に搬送される。
【0061】
ここで、上述した2枚目の原稿を排出し、3枚目の原稿をスイッチバックさせる際に、静電気や排紙トレイ22の原稿の積載状態によっては、3枚目の原稿のスイッチバックに追従して2枚目の原稿が排紙ローラ対43に戻され、原稿搬送不良の恐れが生じる。しかし、本実施の形態においては回転部材61が3枚目の原稿に追従して戻される2枚目の原稿の移動を阻止して剥離する。この回転部材61による2枚目の原稿を3枚目の原稿から剥離する動作を図9の原稿剥離動作状態を示す状態図に基づき説明する。なお、ここでは2枚目の原稿を先原稿P1、3枚目の原稿を次原稿P2と便宜上いう。図9(a)に示すように先原稿P1と次原稿P2は重なった状態で正回転駆動する排紙ローラ対43及び回転部材61によって排紙方向に搬送される。その後、先原稿P1の後端が排紙ローラ対43を通過して排紙トレイ22の上方に搬送されると図9(b)に示すように排紙ローラ対43及び回転部材61は一旦停止する。これによって、次原稿P2は排紙方向の後端側が排紙ローラ対43にニップされた状態となっている。そして、排紙ローラ対43を逆回転すると次原稿P2はスイッチバック搬送される。このとき、スイッチバック搬送される次原稿P2に追従して先原稿P1が排紙ローラ対43側に戻されると先原稿P1は図9(c)に示すように逆回転する搬送ローラ対43のニップ部に到達する前に正回転する回転部材61に当接する。これによって、先原稿P1の次原稿P2に追従する動きが阻止される。そして、回転部材61に当接した先原稿P1は回転部材61の排紙方向に回転する正回転にて次原稿P2から剥離され、排紙トレイ22上に落下する。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、1枚目の表面、2枚目の表面、1枚目の裏面、2枚目の裏面、3枚目の表面、4枚目の表面、3枚目の裏面、4枚目の裏面の順に原稿を読み取るように原稿の搬送動作を実行させたが、1枚目の表面、1枚目の裏面、2枚目の表面、2枚目の裏面、3枚目の表面、3枚目の裏面、4枚目の表面、4枚目の裏面の順に原稿を読み取るように搬送してもよい。この場合には、1枚目の原稿の表面を読取位置で読み取った後に原稿を排紙部でスイッチバックさせ、循環部を介して読み取り位置に再搬送し、原稿の裏面を読み取った後に反転排出部に原稿を搬送する。この際に原稿がレジストセンサS2を通過した次点で次原稿を給紙し、先原稿に続いて読取位置に搬送する。反転排出部に搬送された先原稿は反転排出部にスイッチバックされて反転排出経路49を介して、排紙部の排紙ローラ対に送られる。同時に読み取り位置でその表面を読み取られた次原稿も排紙経路25に沿って排紙ローラ対に送られる。そして、先原稿と次原稿は排紙経路25の下流側を重なった状態で搬送され、先原稿は排紙トレイ22に排紙され、次原稿はスイッチバック搬送される。つまり、上述した実施例の読み取り手順によれば、排紙ローラ対34で搬送される2枚目の原稿の後端と3枚目の原稿の後端を設定距離L離して搬送するようにしたが、この読み取り手順では1枚目の原稿の後端と2枚目の原稿の後端を設定距離L離して搬送する。
【0063】
本実施の形態によれば、排紙駆動ローラ43aの回転軸(回転シャフト60)に排紙駆動ローラ43aの径よりも大きい径の回転部材61を設け、原稿を排紙する際には回転部材61を常に排紙方向に回転させたので、排紙ローラ対43にて重ねて排紙方向に送られる排紙原稿を排紙するとともにスイッチバック原稿をスイッチバック搬送する際に、排紙原稿がスイッチバックされるスイッチバック原稿に追従して再び排紙ローラ対43に戻されることが防止され、確実に排紙原稿を排紙トレイ22に落下させることができる。
【0064】
また、排紙駆動ローラ43aの回転シャフト60の正転によって回転部材61を排紙方向に正回転駆動させるための第1の駆動伝達手段と、排紙駆動ローラ43aの回転シャフト60の逆転によって回転部材61を排紙方向に正回転駆動させるための第2の駆動伝達手段とを設け、この第1、第2の駆動伝達手段による回転部材61への伝達を回転シャフト60の回転方向によって切り換えるようにしたので、確実に回転部材61を常に正回転させることができる。
【0065】
さらに、回転シャフト60の駆動を正逆転駆動で回転部材61を正回転のみする構成としたので、回転部材61を回転させるための駆動源を新たに設ける必要がなくなり、安価な構成で、かつ装置の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0066】
2 画像読取装置 3 原稿搬送装置 6 第1のコンタクトガラス 20 給紙トレイ 22 排紙トレイ 23 給紙経路 24 搬送経路 25 排紙経路 43 排紙ローラ対 43a 排紙駆動ローラ 43b 排紙従動ローラ 45 循環経路 46 スイッチバック経路 49 反転排出経路 58 第1の駆動伝達機構 59 第2の駆動伝達機構 60 回転シャフト 61 回転部材 62 第1ラチェット部材 62a 第1ラチェット爪 63 ワンウェイクラッチ 64 第2ラチェット部材 64a 第2ラチェット爪 64b 切欠部 65 伝達部材 65a 突出片 66 第1の回転ギヤ 67 第2の回転ギヤ 68 伝達ギヤ 69 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納する収納手段と、その先端がシート搬送方向に相対的にずれた2枚のシートを前記収納手段に案内する排出経路と、前記排出経路に設けられ、重ねて送られる2枚のシートの一方を収納手段に排紙するとともに他方のシートをスイッチバックさせる排紙ローラ対と、を備えたシート搬送装置において、
前記排紙ローラ対の一方の排紙ローラを排紙方向に正回転させるとともに排紙方向と異なる方向に逆回転させるための正逆転自在な駆動手段と、前記一方の排紙ローラの回転軸に取り付けられ、前記一方の排紙ローラの直径よりも大きい直径で形成された回転部材と、前記駆動手段の正回転及び逆回転を前記回転部材に伝達し、前記回転部材を排紙方向に正回転させる駆動伝達手段と、を設けたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
シートを収納する収納手段と、その先端がシート搬送方向に相対的にずれた2枚のシートを前記収納手段に案内する排出経路と、前記排出経路に設けられ、重ねて送られる2枚のシートの一方を収納手段に排紙するとともに他方のシートをスイッチバックさせる排紙ローラ対と、を備えたシート搬送装置において、
前記排紙ローラ対の一方の排紙ローラを排紙方向に正回転させるとともに排紙方向と異なる方向に逆回転させる正逆転自在な回転シャフトと、前記回転シャフトに取り付けられ、前記一方の排紙ローラの直径よりも大きい直径で形成された回転部材と、前記回転シャフトの正回転を前記回転部材に伝達し、前記回転部材を排紙方向に正回転させる第1の駆動伝達手段と、前記回転シャフトの逆回転を前記回転部材に伝達し、前記回転部材を排紙方向に正回転させる第2の駆動伝達手段と、を設けたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
前記読取位置を通過したシートを反転して前記排出ローラ対に案内する反転排出経路を設け、
前記排出ローラ対は、前記反転排出経路を介して前記排出ローラ対に案内される一方のシートと前記排出経路に沿って前記排出ローラ対に案内される他方のシートとを重ねて搬送することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−251789(P2011−251789A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125403(P2010−125403)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】