説明

シート材を輸送する方法および装置

【課題】シート材間の選択可能な間隙に同期して制御されるようにする。
【解決手段】シート材を輸送する方法であって、距離が変更されるようにシート材が加速または減速されるようにした方法に関する。この距離の変更の値を予め選択することができる。シート材処理機械の上流側に接続された連続供給装置1にはクリーパテーブル2が設けられ、このテーブル2はシート材供給案内装置3に続いている。シート材供給案内装置3は本質的に第1の吸引ドラム4と、前進整列マーク6と、側部引っ張り型マーク7と、転送ドラム8とを具備する。連続供給装置1およびシート材供給案内装置3は共通の駆動装置、例えば速度調節可能なおよび/または位置調節可能な電気モータを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1及び5の前段による方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はシート材を輸送する方法を開示している。この目的のために、機械の要素がシート材間の選択可能な間隙に同期して制御されるようになっている。この方法を達成するための機械要素は特許文献1には詳細に記載されていない。
【0003】
特許文献2は積層機械のための、個々のシート材からなる連続列を形成する装置を開示している。この目的のために、シート材は加速ローラおよび把持ローラにより供給されると共に加速される。機械速度に基づく加速ローラの速度は調節することができない。
【0004】
特許文献3はシート同士間の距離を複数の輸送装置により増減変更する装置を開示する。
【0005】
特許文献4は吸引ローラを備えた供給テーブルを開示する。
【0006】
特許文献5はシート材を均一な間隔でもって刻印機まで供給する装置を開示する。
【0007】
【特許文献1】ドイツ国特許公開第4413238号公報
【特許文献2】国際特許公開第94/18103号公報
【特許文献3】米国特許第4,451,027号明細書
【特許文献4】ドイツ国特許公開第3007249号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第0,244,484号公報
【発明の開示】
【0008】
本発明はシート材を輸送する方法および装置を提供するという目的に基づいている。
【0009】
本発明によればこの目的は請求項1及び5の特徴部分の特徴を有する方法および装置により達成される。
【0010】
有利には、本発明による方法および装置では、処理シリンダ上の処理されるべきシート材を閉連続状態で処理することが可能となる。処理されるべきシート材のフォーマット長さを変更したとしても、交換可能な様々な直径の処理シリンダにより、連続する二つのシート材間の間隙を最小に維持することができる。特に、シート材にパターンを適用する無限箔が連続的に供給される箔刻印機械の場合、箔が有効に利用されるのを確保するためには連続する二つのシート材間の間隙をできるだけ小さくすることが重要である。
【0011】
例えば連続的に供給されるシート材の流れは有利には吸引ドラムにより適合される。連続するシート材間の第1の間隙を連続するシート材間の第2の間隙に変更する必要があるとき、例えばフォーマット長さが異なるとき、個々の駆動装置、例えばサーボモータ、の適当なソフトウェアの対応する作動法則を、単に予め選択することでこれを実現することができる。吸引ドラムはこの目的のために特に適している。というのは、把持システムを備えたドラムと比較して、吸引ドラムはいかなる位置でもシート材を保持または解放することができ、したがって好ましい連続動作を行うことができる。さらに、装置をフォーマット長さに適合させるために、処理シリンダを交換さえすればよいということは有利である。例えば下流の冷却ローラまたは運搬装置はこれら間に接続されたコンベアベルトと同様に、変更されないままである。冷却ローラ、コンベアベルト、および吸引ローラの速度が他に対して調節可能であるだけである。この場合、例えば紙の品質、シート材の厚さ、または処理形式によるシート材の輸送速度のわずかな変更でさえコンベアベルトを調節可能にするために、輸送速度の極めて正確な調節を特にコンベアベルトに対して行うことができる。特に簡単な方法でもって、この適合はソフトウェア制御された個々の駆動装置により実行される。
【0012】
有利には、処理シリンダを交換することができる。というのは、処理シリンダにはその担持面に動ローラが設けられるからである。枠に固定されかつ輸送台車上を移動せしめられる案内装置内でこれら動ローラにより処理シリンダは軸線方向に変位して交換される。この操作は例えばクレーンのような別の補助装置を必要とすることなく、かつ大きな力を必要とすることなく行われる。
【0013】
処理シリンダには吸引ストリップが設けられ、処理に使用できない通路が最小限にされる。
【0014】
さらに、有利には、それ自体公知のチェーン把持システムを備えたシート材運搬装置を用いることができる。というのは、連続する二つのシート材間の間隙が処理後に、チェーン把持システムに必要な間隙まで増大されるからである。
【0015】
様々なフォーマット長さの処理されるべきシート材にシート材処理機械を簡単に適用することができる。
【0016】
本発明による方法および装置によれば、材料、例えば高価な熱刻印箔の消費が低減される。
【0017】
処理シリンダを交換するために必要なダウン時間と、この処理シリンダと相互作用するシート材輸送手段の適用とがかなり低減される。
【0018】
本発明による方法および装置は以下に詳細に説明され、図面に示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
シート材処理機械の上流側に接続された連続供給装置1にはクリーパテーブル2が設けられ、このテーブル2はシート材供給案内装置3に続いている。シート材供給案内装置3は本質的に第1の吸引ドラム4と、前進整列マーク6と、側部引っ張り型マーク7と、転送ドラム8とを具備する。本実施態様において、連続供給装置1およびシート材供給案内装置3は共通の駆動装置9、例えば速度調節可能なおよび/または位置調節可能な電気モータを有する。この駆動装置9は転送ドラム8を連続的に駆動して転送ドラム8の周速度を固定可能なu8、例えばu8=2.44m/s、にする。転送ドラム8のこの周速度u8はシート材処理機械の機械速度uに相当する。吸引ドラム4が停止状態から、周速度u4がシート材処理機械の機械速度uよりもわずかばかり速くなるまで加速され、次いで停止状態まで減速され、これらが交互に行われるように吸引ドラム4は転送ドラム8から始まって伝動装置、例えばステップ動作リンク、により非一様に駆動される。吸引ドラム4は専用の独立した電気モータにより駆動され、この電気モータの回転速度および/または角速度は予め定められた動作法則に従って制御される。
【0020】
輸送方向に見て、この吸引ドラム4の下流には、案内板11が設けられる。この案内板11は転送ドラム8および吸引ドラム4の接線方向に整列されて転送ドラム8まで延びる。前進整列マーク6がこの案内板11内において転送ドラム8に対し平行に配置され、これらマークは枢動して案内板11下方のシート材輸送平面から逸脱することができる。この第1の案内板11の下流には転送ドラム8上において複数のシート材案内ローラ12が設けられる。これらシート材案内ローラ12は転送ドラム8に対し軸線方向に平行に配置され、転送ドラム8と摩擦係合するように配置される。第2の案内板13は転送ドラム8からシート材処理機械の処理シリンダ14まで延びる。この案内板13は二つの部材16,17を具備し、第1の部材16は転送ドラム8の接線方向に整列される。第2の部材17は第1の部材16のうち処理シリンダ14に最も近い端部に対し枢動可能に配置され、案内板13の第2の部材17のうち処理シリンダ14に対面する端部が処理シリンダ14のすぐ近くまで移動して処理シリンダ14の概ね接線方向に整列されることができるようになっている。案内板13の第2の部材17の位置を、様々な大きさの処理シリンダ14に適合させることができる。この目的のために本実施態様では、第2の部材17が側部フレームに枢動可能に取り付けられ、例えば空気圧シリンダにより処理シリンダ14に対し弾性的に押圧される。案内板13の第2の部材17と共に移動可能になっている第2の吸引ドラム18がこの案内板13の下方に配置される。すなわち、吸引ドラム18の位置を処理シリンダの直径D14に適合させることができる。この第2の吸引ドラム18は専用の速度制御可能なおよび/または位置制御可能な駆動装置19を有する。この目的のため、電気モータが設けられ、この電気モータの回転速度および/または角速度は予め定められた作動法則に従って制御される。この駆動装置19でもって、吸引ドラム18の周速度u18が制御されて吸引ドラム18がまず機械速度uとなり、次いで低周速度u18’まで減速され、次いで機械速度u(u/u18’=1.1から3)まで戻される。この低周速度u18’は処理シリンダ14の周速度u14よりもほんのわずかばかり速く、例えばu18’/u14=1.05から1.3である。一定の機械速度uにおいて、周速度u18’を処理シリンダ14の特別な周速度u14に適合させることができ、この周速度は直径が異なる様々な処理シリンダ14を用いた結果として生ずる。吸引ドラム18の周速度u18は吸引ドラム18の低周速度u18’に対する機械速度uの比、例えばu/u18’=1.1から3までの範囲内において連続的に変更可能であり、すなわち、この速度比は単位時間当たりに処理されるべきシート材の数(処理サイクル)に基づいて調節可能である。また、吸引ドラム18を例えば非一様移動を形成するカム駆動装置により駆動することもできる。
【0021】
例えば、二つの吸引ドラム4,18および転送ドラム8の代わりに、例えば吸引ドラムとして構成される単一の輸送装置を設けることもできる。この輸送装置はシート材をクリーパテーブルから直接、処理シリンダ14まで転送する。この目的のために、転送されるべきシート材は停止状態から、処理シリンダ14の周速度u14よりもわずかばかり速い速度まで加速される。この場合にも、シート材を処理シリンダ14上に転送するときの支配的な速度は調節可能であり、すなわち単位時間当たりに処理されるべきシート材の数に対する(処理サイクル)この速度の比を調節可能である。
【0022】
この処理シリンダ14の直径D14は例えば606mmであり、処理シリンダ14には四つの保持システム21、例えば吸引ストリップ21が設けられる。これら吸引ストリップ21は軸線方向に延びると共に、周面上に均一に分散される。処理シリンダ14の周方向において、これら吸引ストリップ21の幅b21はほんのわずかであり、例えばb21=25mmである。処理シリンダ14上のシート材23を整列させるための前方マークは各吸引ストリップ21の上流に配置される。処理シリンダ14の別の連続周面22はこれらの吸引ストリップ21と、吸引ストリップ21の直前方に配置される前方マークのみにより中断される。これら前方マークは吸引ストリップ21に対し平行に延びるよう配置され、その厚さは例えば3から4mmである。処理シリンダ14の直径D14、例えば606mmおよび/または周長u14、例えば1904mmは処理されるべきシート材23の長さl23、例えばl23=472mmに適合され、すなわち前方マーク間の周長は処理されるべきシート材23の長さに対応する(処理シリンダ14の周長u14を吸引ストリップ21の数で割り算し、前方マークの厚さを差し引くとシリンダを最適に利用するためのシート材23の長さが得られる)。吸引空気または圧縮空気が回転導入装置により制御されつつこれら吸引ストリップ21に適用される。本実施態様におけるように、この処理シリンダ14に四つの吸引ストリップ21と、周面22上の対応する四つの領域とを設けることができる。しかしながら、周面上の領域および対応する吸引ストリップ21の数を他のあらゆる所望の数にすることができる。しかしながら、保持システム21に従来式の把持具を設けてもよい。
【0023】
周面22の領域の長さが異なる様々な処理シリンダ14、すなわち直径D14が例えば504mmから672mmまで異なる様々な処理シリンダ14、を用いることができるようにこの処理シリンダ14は交換可能に設けられる。処理シリンダ14の直径D14が様々な大きさであると、様々な半径において保持システム21の作動表面が回転軸線から離間することになる。処理シリンダ14を交換することによってシート材処理機械を、様々な長さl23、例えば400mmから700mm、の処理されるべきシート材23に適合させることができる。
【0024】
処理シリンダ14を交換するために、処理シリンダ14には担持板24が設けられ、これら担持板24には動ローラ26が取り付けられる。これら動ローラ26は側部フレームに取り付けられた案内部材27、例えば互いに対面すると共に軸線方向に延びる二つのU字状レール、内に案内され、それにより処理シリンダ14を処理機械から軸線方向に取り外すことができる。しかしながら、案内部材を例えば輸送台車上に配置してこれら案内部材を必要なときにのみシート材処理機械に導入するようにすることもできる。処理シリンダ14を処理機械から取り外すときに担持板24は処理シリンダ14に接続されたままである。
【0025】
処理シリンダ14は機械速度uと同期される一定の周速度u14でもって駆動され、処理シリンダ14の周速度u14と機械速度uとの比は処理シリンダ14の直径D14に応じて調節することができる。本実施態様では、これは専用のモータ28、例えば速度制御可能なおよび/または位置制御可能な電気モータ28によって達成される。しかしながら、転送ドラム8と処理シリンダ14とを、伝達比を調節可能な伝動装置により接続することもできる。
【0026】
処理シリンダ14下流には、コンベアベルト31のシステムの第1の案内ローラ29および案内板30が配置される。案内ローラ29の位置および案内板30の位置を処理シリンダ14の直径D14に適合させることができる。軸線方向に互いに並べられている複数のコンベアベルト31は案内ローラ29の周りに案内される。しかしながら、単一の幅広のコンベアベルト31のみを設けるようにすることもできる。これらコンベアベルト31はこの案内ローラ29から冷却ローラ32まで延び、冷却ローラ32の周りを角度α、例えばα=270°だけ回る。次いで別の案内ローラ33が配置される。コンベアベルト31は案内ローラ33周りを角度β、例えばβ=235°だけ回り、概ね水平方向に第3の案内ローラ34に向けて移動する。この第3の案内ローラ34の直上流にはコンベアベルト31の下方かつコンベアベルト31の間において吸引ドラム36が配置され、この吸引ドラムの周面はシート材23がこの領域内で輸送される平面内と接している。この吸引ドラム36をコンベアベルト31の直下流に配置することもできる。
【0027】
第2の案内ローラ33と第3の案内ローラ34間において穴付きコンベアベルト31の下方に、吸引空気が選択任意に適用されうる箱が配置される。箱の側面のうち穴付きコンベアベルト31と相互作用する側面内において、箱は開口を有する。この第3の案内ローラ34からコンベアベルト31は偏向ローラ37および第4の案内ローラ38を介して第1の案内ローラ29に戻される。案内ローラ29の位置を適合させるときに、コンベアベルト31の「長さ補償」を行う必要がある。この目的のために、例えば案内ローラ38が移動可能に取り付けられる。
【0028】
冷却ローラ32の周速度u32およびコンベアベルト31の輸送速度v31は処理シリンダ14の周速度u14に概ね等しい。単位時間当たりの処理サイクルに対する、例えば交換可能な処理シリンダ14の周速度u14は個々の直径D14の関数として変更することができる。したがって、コンベアベルト31すなわち冷却ローラ32の輸送速度v31を処理シリンダ14の周速度u14に適合させることができる。輸送されるべきシート材23が変更されると(例えば品質、厚さ、または前処理の性質の関数として)、特に長さが変更されるとシート材23の輸送速度が変更され、コンベアベルト31の輸送速度v31を極めて正確に調節することができる。すなわち、輸送速度v31を処理シリンダ14の周速度u14に適合させることができる。この目的のため、本実施態様では冷却ローラ32には専用の駆動装置39、例えば速度制御可能なおよび/または位置制御可能な電気モータが設けられる。この電気モータは処理シリンダ14と同期し、一方、コンベアベルト31は冷却ローラ32により摩擦でもって駆動せしめられる。処理シリンダ14から独立した専用駆動装置39の代わりに、強制駆動装置、例えば処理シリンダ14から始まる例えば歯付き伝動装置またはベルト伝動装置、例えば伝達比を連続的に調節するために冷却ローラ32と処理シリンダ14間に配置された調節機構、を設けることができる。
【0029】
コンベアベルト31はそれ自体公知の運搬装置41に隣接配置される。コンベアベルト31と運搬装置41間の遷移領域内に案内板42が配置される。この運搬装置41には複数の把持システム44を備えた回転式チェーンコンベアが設けられる。これら把持システム44はチェーンコンベアの2つのチェーン43に取り付けられると共に、ぴんと張られたチェーン43に対し間隙a44を隔てて配置される。これらの把持システム44はコンベアベルト31の輸送速度v31よりも速い輸送速度v44で移動せしめられる。本実施態様において把持システム44のこの輸送速度v44は概ね機械速度uに相当する。把持システム44は運搬装置41のシート材積層部46上にシート材を堆積せしめる。
【0030】
吸引ドラム36は運搬装置41上流に専用の速度調節可能なおよび/または位置調節可能な駆動装置47を有する。この目的のために、電気モータが設けられ、この電気モータの速度は予め定めることができる作動法則に従って調節することができる。この駆動装置47により吸引ドラム36の周速度u36は次のように制御される。すなわち、吸引ドラム36は始めにコンベアベルト31の輸送速度v31で回転され、次いで機械速度uよりもわずかばかり速い速度まで加速され、次いでチェーン把持システム44への移動のときに再び、例えば機械速度uになるよう減速される。次いで、吸引ドラム36はコンベアベルト31の輸送速度v31までさらに減速される。本実施態様においてこの「過剰速度」はシート材23が必要とする吸引ドラム36と把持システム44間の移動をまかなうために必要なものである。当然、速度プロファイルをシート材処理機械の幾何学的状態に適合させることができ、過剰速度は必ずしもすべての場合に必要ではない。
【0031】
この吸引ドラム36の場合においても、周速度u36を、シート材23,25の移動の瞬間の輸送速度v31と、シート材23,25の移動のときの機械速度uとの間の比の範囲内(v31/u=0.3から0.9)で連続的に変更することができる。加速時、吸引ドラム36は吸引ドラム36と把持システム44間で必要な距離だけシート材23を移動せしめる。しかしながら、例えば非一様動作を形成するカム駆動機械を相互接続して吸引ドラム36を冷却ローラ32の駆動機械39により駆動するようにしてもよい。
【0032】
吸引ドラム18,36の周速度は機械速度u’に対し調節することができる。例えばシート材のフォーマットおよび/または機械速度の関数として例えば位置制御される電気モータにより、作動法則、例えば保持されたシート材23の一輸送動作でまかなわれる距離、を変更することもできる。
【0033】
本実施態様において、処理機械は箔刻印機械として構成される。この場合処理シリンダ14は刻印シリンダ48である。本実施態様において、刻印シリンダ48にはその周面上に刻印ダイが設けられ、これら刻印ダイは電気的に加熱される。刻印シリンダ48の刻印ダイには、両側端にフランジが形成されたスリップリング式変圧器により電力が供給される。
【0034】
本実施態様において、無限基板箔49、例えば熱刻印箔、を供給しかつ除去する装置はさらに詳細に図示されないが、この装置は刻印シリンダ48の上に配置される。基板箔49は刻印シリンダに近い方の案内板13の部材17の領域内にある解放部署により刻印シリンダ48に案内され、シート材23と共に刻印シリンダ48周りに案内される。基板箔49はコンベアベルト31の第1の案内ローラ29まで案内され、そこからコンベアベルト31と共に冷却ローラ32周りに案内され、コンベアベルト31の第2の案内ローラ33まで案内される。この第2の案内ローラ33下流に箔脱離装置51が配置される。基板箔49はこの箔脱離装置51から巻き取り部署まで案内される。
【0035】
刻印シリンダ48の下方には刻印シリンダ48と相互作用する複数の圧力ローラ52が配置される。本実施態様では、それぞれ、軸線方向に延びる二列の圧力ローラ52が空気圧シリンダ53により、刻印シリンダ48に対し弾性的に押圧せしめられる。本実施態様では、全部で三対の圧力ローラ52の列が設けられる。刻印シリンダ48が可能性のある最も大きい場合と、最も小さい場合との両方に圧力ローラ52が適用可能であるように、空気圧シリンダ53のストロークが定められる。案内板30および案内ローラ29の調節装置を有利には空気圧シリンダ53に連結することができる。
【0036】
処理機械を箔刻印機械として用いる代わりに、他の目的に用いることもできる。例えば、処理シリンダ14を回転シート材印刷機のメイティングシリンダとして用いることもできる。
【0037】
さらに、流れ供給装置1の代わりに、単一のシート材を供給する供給装置を設けてもよい。
【0038】
本発明による処理機械は次のように機能する。
【0039】
供給されるべきシート材23はシート材積層部から連続供給装置1により、個々に取り出され、シート材供給案内装置3のクリーパテーブル2を介して続々と処理機械に供給される。シート材23は案内板11から突出する前進整列マーク6において周方向に整列され、側部引き出し型マーク7により軸線方向に整列される。シート材23が整列されると、吸引空気が吸引ドラム4に適用されて吸引ドラム4がシート材23を保持するようにされる。次いで、吸引ドラム4は保持されたシート材23と共に、停止状態から、転送ドラム8の周速度u8よりもわずかばかり速い周速度u4まで加速されて転送ドラム8まで輸送される。転送ドラム8に到達した後、シート材23は整列マークにおいて周方向に整列され、把持システム54により保持される。吸引ドラム4への吸引空気供給は停止される。転送ドラム8の把持システム54はシート材23を第1の案内板11まで輸送し、解放される。この間に、シート材案内ローラ12が転送ドラム8上に配置され、シート材23はこのようにして挟持されつつ案内される。転送ドラム8の周面と相互作用するシート材案内ローラ12は次いでシート材23を、機械速度uで案内板13に沿って吸引ドラム18まで輸送する。連続するシート材23,25は先行するシート材23の末尾と、後続のシート材25の先頭との間に間隙a1、例えば408mmを有する。機械速度uで回転する吸引ドラム18に到達するとこの吸引ドラム18に吸引空気が適用され、シート材23が吸引ドラム18により保持されるようにされる。次いで、処理シリンダ14上の対応する前方マークまでの距離をまかなうプロセスにおいて、シート材23は吸引ドラム18により低周速度u18まで減速される。シート材23の瞬間的な周速度u18は処理シリンダ14の周速度u14よりも速いのでシート材23の先頭は前方マークに当接する。その結果、シート材23は再び周方向に整列され、シート材23は吸引ドラム18上を摺動するか、さもなければ長さが短くなるようシート材23が凸状にせしめられる。次いで、吸引ストリップ21に吸引空気が適用され、このようにしてシート材23が所定位置に保持される。その結果、連続する二つのシート材23,25間の間隙a1は間隙a2まで減少される。本実施態様において、処理シリンダ14上における先行するシート材23の末尾から後続のシート材25の先頭までの間隙a2は概ね4mmである。
【0040】
同時に、解放部署から基板箔49が刻印シリンダ48に供給される。基板箔49は軸線方向において、シート材23の全幅に亙って延びないが、むしろ適用されるべきパターンの領域内に基板箔49の狭い帯が位置する。シート材23は基板箔49の上に配置される。基板箔49およびシート材23は次いで、刻印シリンダ48の回転時に圧力ローラ52により、刻印シリンダ48の周面上に配置された加熱された刻印ダイに対し押圧される。その結果、基板箔49上に配置されたパターンまたは絵がシート材23,25に適用される。
【0041】
シート材23の先頭が最後の圧力ローラ52を通過した後、吸引ストリップ21への吸引空気供給が停止され、シート材23を速やかに脱離させるために吸引ストリップ21に圧縮空気がわずかに適用される。シート材23の末尾は未だ刻印シリンダ48と圧力ローラ52間に挟持されており、その結果シート材23の先頭がコンベアベルト31の第1の案内ローラ29に向けて押し出される。コンベアベルト31下方の基板箔49は第1の案内ローラ29からコンベアベルト31の軌道に沿って、冷却ローラ32を介し、第2の案内ローラ33まで案内される。本方法において、互いに接近して進行するシート材23,25は基板箔49とコンベアベルト31間に挟持される。したがって、シート材23、25は案内ローラ33から案内され、冷却ローラ32を介し第2の案内ローラ33まで案内される。第2の案内ローラ下流において、箔脱離装置51によりシート材23,25から基板箔49が分離される。基板箔49は巻き取り部署に供給される。穴付きコンベアベルト31は吸引箱上に供給され、したがってコンベアベルト31に吸引空気が適用される。第2の案内ローラ33下流において、シート材23,25はコンベアベルト31上に強固に吸引され、小さな間隙を隔てて運搬装置41上流に配置された吸引ドラム36まで輸送される。シート材23の先頭が吸引ドラム36を覆った後、吸引ドラム36に吸引空気が適用され、したがってシート材23が吸引ドラム36上に吸引される。コンベアベルト31への吸引空気供給が停止される。次いで、シート材23はコンベアベルト31の輸送速度v31から運搬装置41の把持システム44の輸送速度v44、すなわち本実施態様では機械速度uまで加速される。このとき、連続する二つのシート材23,25間の間隙a2がa3まで増大され、例えば先行するシート材23の末尾から後続のシート材25の先頭までの間隙a3は408mmである。次いで、把持システム44はシート材23を運搬装置41のシート材積層部46に堆積せしめる。
【0042】
本実施態様において、吸引ドラム18,36は先行するシート材23と後続のシート材25間の第1の間隙a1またはa2を第2の間隙a2またはa3に変更するために用いられている。この場合、関連する二つの間隙a1,a2またはa2,a3のうち少なくとも一つを変更することができる。
【0043】
これらの吸引ドラム18,36にはいずれも、その周面上に複数の開口が設けられ、これら開口に吸引空気を適用することができる。しかしながら、一つまたはそれ以上の把持システムを有するドラムの形、または振動する把持システム(「揺動供給」原理)の形の輸送装置18,36を用いることもできる。
【0044】
本実施態様において、長さl23が平均フォーマット長さである472mmであると間隙a1,a3は408mmとなり、間隙a2は4mmとなり、一方、最小長さ355mmであると間隙a1,a3は524mmとなる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】シート材処理機械の概略側面図である。
【図2】シート材処理機械の概略平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 連続供給装置
2 クリーパテーブル
3 シート材供給案内装置
4 吸引ドラム
5 −
6 前進整列マーク
7 側部引っ張り型マーク
8 転送ドラム
9 駆動装置(8)
10 −
11 案内板、第1の
12 シート材案内ローラ
13 案内板、第2の
14 処理シリンダ
15 −
16 部材(13)
17 部材(13)
18 吸引ドラム、第2の
19 駆動装置(18)
20 −
21 吸引ストリップ、保持システム(14)
22 周面(14)
23 シート材
24 担持板(14)
25 シート材
26 動ローラ(24)
27 案内部材
28 駆動装置、電気モータ(14)
29 案内ローラ、第1の
30 案内板
31 コンベアベルト
32 冷却ローラ
33 案内ローラ、第2の
34 案内ローラ、第3の
35 −
36 吸引ドラム
37 偏向ローラ
38 案内ローラ、第4の
39 駆動装置(32)
40 −
41 運搬装置
42 案内板
43 チェーン
44 把持システム(41)
45 −
46 シート材積層部(41)
47 駆動装置(36)
48 刻印シリンダ
49 箔
50 −
51 箔脱離装置
52 圧力ローラ
53 空気圧シリンダ
54 把持システム(8)
a1 二つのシート材間の間隙(23;25)
a2 二つのシート材間の間隙(23;25)
a3 二つのシート材間の間隙(23;25)
a44 把持システム(44)間の間隙
b21 吸引ストリップ(21)の幅
D14 処理シリンダ(14)の直径
u4 吸引ドラム(4)の周速度
u8 転送ドラム(8)の周速度
u14 処理シリンダ(14)の周速度
u18 吸引ドラム(18)の周速度
u18’ 吸引ドラム(18)の周速度
u32 冷却ローラ(32)の周速度
u36 吸引ドラム(36)の周速度
機械速度
l23 シート材(23)の長さ
v31 コンベアベルト(31)の輸送速度
v44 把持システム(44)の輸送速度
α 角
β 角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材処理機械においてシート材(23;25)を輸送する方法において、該シート材処理機械がシート材(23;25)を処理するための処理シリンダ(14)を具備しており、該方法が、
処理シリンダ(14)の上流において連続するシート材(23;25)間に第1の間隙(a1)が形成されかつこれらシート材(23;25)が第1の輸送速度(u)で輸送されるようにシート材(23;25)を加速し、
次いで、処理シリンダ(14)に輸送するのに先立って、連続するシート材(23;25)間の間隙が第1の間隙(a1)から第2の間隙(a2)まで減少されかつシート材(23;25)の輸送速度が第1の輸送速度(u)よりも低い第2の輸送速度(u18’)まで低下されるようにシート材(23;25)を減速し、
処理シリンダ(14)においてシート材(23;25)に対する処理作用が行われた後に、連続するシート材(23;25)間の間隙が第2の間隙(a2)から第3の間隙(a3)まで増大されかつシート材(23;25)の輸送速度が第2の輸送速度(u18’)よりも高い第3の輸送速度(v31)まで増大されるようにシート材(23;25)を加速する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1、第2、及び第3の間隙(a1,a2,a3)のうちの少なくとも一つが調節可能であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シート材(23;25)を輸送する輸送装置(4;18;36)の輸送速度を調節することにより、シート材(23;25)を加速し又は減速することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
シート材(23;25)を吸引作用でもって輸送装置(4;18;36)に保持しつつ輸送装置(4;18;36)の輸送速度を調節することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
シート材処理機械においてシート材(23;25)を輸送する装置において、該シート材処理機械がシート材(23;25)を処理するための処理シリンダ(14)を具備しており、前記装置が、処理シリンダ(14)の上流に配置された、シート材(23,25)を処理シリンダ(14)まで輸送するための第1の輸送手段(4,8,18)と、処理シリンダ(14)の下流に配置された、シート材(23,25)を処理シリンダ(14)から輸送するための第2の輸送手段(29,31,32,33,34,36,37,38)とを具備し、該第1の輸送手段(4,8,18)が、シート材(23,25)を処理シリンダ(14)まで輸送するのに先立ってシート材(18)の輸送速度を低下させるための第1の輸送装置(18)を具備し、該第2の輸送手段(29,31,32,33,34,36,37,38)が、シート材(23,25)を処理シリンダ(14)で処理した後にシート材(18)の輸送速度を増大させるための第2の輸送装置(36)を具備したことを特徴とする装置。
【請求項6】
前記第1の輸送装置又は第2の輸送装置が吸引ドラム(18;36)であり、該吸引ドラム(18;36)の周速度(u,u18’,v31)を調節することができることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
独立した電気モータ(19;47)により、前記吸引ドラム(18;36)の周速度(u,u18’,v31)を調節することができることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記独立した電気モータ(19;47)が回転角制御式の電気モータであることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
処理シリンダ(14)の周速度を調節することができることを特徴とする請求項5から8までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
独立した電気モータ(28)により、処理シリンダ(14)の周速度(u14)を調節することができることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記独立した電気モータ(28)が速度制御可能な及び/又は位置制御可能な電気モータであることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
第1の輸送速度(u又はv31)と第2の輸送速度(u18’又はu)との間で第1又は第2の輸送装置(18;36)の輸送速度を調節することができ、第2の輸送速度(u18’又はu)に対する第1の輸送速度(u又はv31)の比(u/u18’又はv31/u)を調節することができることを特徴とする請求項5から8までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
第1の輸送装置(18)の第2の輸送速度(u18’)に対する第1の輸送速度(u)の比(u/u18’)が1.1から3までであることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第2の輸送装置(36)の第2の輸送速度(u)に対する第1の輸送速度(v31)の比(v31/u)が0.3から0.9までであることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の輸送装置又は第2の輸送装置が吸引ドラム(18;36)であり、その周面に吸引空気を適用可能な複数の開口を設けたことを特徴とする請求項5から14までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の輸送装置(18)はシート材(23;25)の輸送速度を処理シリンダ(14)の輸送速度(u14)よりもわずかに高い低輸送速度(u18’)まで低下させることを特徴とする請求項5から15までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
処理シリンダ(14)の輸送速度(u14)に対する前記低輸送速度(u18’)の比(u18’/u14)が1.05から1.3までであることを特徴とする請求項16に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−37657(P2008−37657A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207084(P2007−207084)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【分割の表示】特願平9−533929の分割
【原出願日】平成9年3月14日(1997.3.14)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】