説明

シート束断裁装置および製本装置

【課題】シート束を完全に断裁可能なシート束断裁装置を提供する。
【解決手段】製本装置は、シート束を断裁位置Gに位置決めする束姿勢偏向部64と、断裁位置Gに配置され、束姿勢偏向部64により位置決めされたシート束の端縁を断裁する断裁刃65xと、シート束を挟んで断裁刃65xと対向配置された刃受部材65cと、刃受部材65cに向けてシート束を押圧する断裁縁プレス部材65bと、刃受部材65cとシート束との間に介在し、シート束を断裁した断裁刃65xの刃先を受ける緩衝部材66と、断裁刃65xを待機位置と切断位置との間で往復動させるカッタモータMcと、を備えている。断裁され難い対象が緩衝部材66となり、シート束を構成する全てのシートが断裁される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート束断裁装置および製本装置に係り、特に、シート束の端縁を断裁するシート束断裁装置および該シート束断裁装置を備えた製本装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート束断裁装置は、一般に、テーブルなどの紙載台に束状に部揃えされたシート束を押圧部材で保持し、断裁刃で断裁している。シート束の断裁には、例えば、製本綴じしたシート束の3方を断裁揃えするトリミングカットや、シート束の所定個所を切断して1/2、1/3などに分離切断する態様が知られている。また、断裁刃としては、シート幅に応じた長さの平刃形状の板刃や、円盤形状のディスク刃が知られている。
【0003】
また、紙載台にシート束を固定して断裁刃で切断する場合に、断裁刃と対向して固定刃を設け、2つの刃先をハサミ状に作用させる切断機構と、断裁刃と対向する位置にマナ板状の刃受部材を配置する切断機構とが知られている。そして、前者のハサミ状の固定刃を設ける切断機構の場合、断裁刃と固定刃が互いに緊密に接した状態で切断しないと適正な切断の確保が難しい。このため、シート束の切断機構では後者のマナ板状の刃受部材を設ける機構が多用されている。
【0004】
マナ板状の刃受け機構として、樹脂製の紙載台にシートを支持し、このシートを平刃状の断裁刃で切断する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この機構では、紙載台に断裁刃が当接する切断線に沿って凹溝が形成され、凹溝にウレタンゴムなどの刃受部材が埋設されている。そして、刃受部材は断裁刃を損耗することがないように、例えば、ゴム質材、樹脂材など軟質な材料で構成されている。
【0005】
また、シート束を鉛直姿勢で支持するグリップ機構と、これで支持されたシート束を断裁揃えする断裁刃(機構)も知られている(例えば、特許文献2参照)。この機構では、断裁刃の刃受部材として木材、軽質ゴム、合成樹脂等の軟質素材よりなる刃受け体が配置されている。なお、これらの特許文献の装置では、いずれも刃受部材が断裁刃の長手方向に平坦な刃受面を有している。
【0006】
【特許文献1】特開平10−119000号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−127637号公報(図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の装置には、シート束を構成するシートのうち、断裁刃によって最後に断裁されるシートが他のシートよりも断裁され難い(断裁刃から遠い位置にあるシートが完全に断裁されない)、という問題点があった。一方、この不具合をなくすために、断裁刃の駆動を強めることで、シート束を構成するシートが完全に断裁されるようにすると、断裁時に断裁刃が刃受部材に対して強烈に衝突することから、断裁刃の耐久性を低下させる要因となる。従って、このような構成を採用すると、耐久性の低下により、断裁刃の交換回数が増え、装置としての稼動効率が低下してしまう、という結果をもたらしていた。
【0008】
本発明は上記事案に鑑み、断裁刃の耐久性を低下させることなくシート束を完全に断裁可能なシート束断裁装置および該シート束断裁装置を備えた製本装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、シート束断裁装置であって、シート束を所定の断裁位置に位置決めする位置決め手段と、前記断裁位置に配置され、前記位置決め手段により位置決めされたシート束の端縁を断裁する断裁刃と、前記シート束を挟んで前記断裁刃と対向配置された刃受部材と、前記刃受部材に向けて前記シート束を押圧する押圧手段と、前記刃受部材と前記シート束との間に介在し、前記シート束を断裁した前記断裁刃の刃先を受ける緩衝部材と、前記断裁刃を待機位置と切断位置との間で往復動させる駆動手段と、を備える。
【0010】
第1の態様では、位置決め手段によりシート束が所定の断裁位置に位置決めされ、押圧手段によりシート束がシート束を挟んで断裁刃と対向配置された刃受部材に向けて押圧され、駆動手段が、断裁位置に配置され待機位置に位置付けられている断裁刃を切断位置に移動させることにより、シート束の端縁が断裁刃で断裁される。刃受部材とシート束との間には緩衝部材が介在しており、断裁刃によるシート束の切断の際に、緩衝部材が、シート束を断裁した断裁刃の刃先を受ける。本態様によれば、シート束を構成するシートのうち、断裁刃から最も遠い位置にあるシートよりもさらに遠い位置に緩衝部材が位置していることから、断裁され難い対象が緩衝部材となり、シート束を構成する全てのシートが確実に断裁されるとともに、シート束を断裁した後、断裁刃が直接刃受部材に衝突することがないので、断裁刃の耐久性を向上させることができる。
【0011】
本態様において、押圧手段は、シート束の背部端縁に対応する位置において断裁刃の長手方向に沿って設けられた少なくとも1つの凹陥溝を有することが好ましく、押圧手段を断裁刃の長手方向に移動させるシフト手段を備え、シフト手段は、位置決め手段で位置決めされるシート束の背部端縁が凹陥溝に位置するように押圧手段を移動させることがより好ましい。
【0012】
また、本態様において、緩衝部材を刃受部材に沿って移動させる移動手段を備えるようにしてもよい。この場合、緩衝部材をシート状部材で構成するとともに、移動手段を、緩衝部材を巻き取る巻取部と、緩衝部材の他端を保持する保持部とで構成し、断裁刃は、保持部より巻取部に近い位置でシート束の端縁を断裁することが好ましい。また、シート束を把持する把持手段を備え、把持手段によりシート束を把持し押圧手段による押圧を解除した状態で、移動手段により緩衝部材を移動させることがより好ましい。さらに、断裁刃による断裁後のシート束を所定の排出位置に排出する束排出手段を備え、束排出手段によるシート束の排出動作と同時若しくは排出動作よりも早く移動手段を動作させることがより望ましい。断裁刃により緩衝部材に付けられた切れ込みが、束排出手段により排出されるシート束の排出経路から退避する退避位置を設け、切れ込みが退避位置に移動した後に束排出手段を動作させることがさらに望ましい。
【0013】
さらに、本態様において、位置決め手段は、断裁位置にシート束を位置決めする際に、シート束の背部の端縁位置を断裁刃の長手方向において調整可能に構成されているようにしてもよい。この場合、位置決め手段は、シート束を把持して旋回動させるグリップ回転部と、グリップ回転部の把持および旋回動動作を制御する制御部とで構成されており、制御部は、シート束を把持した後、シート束を旋回動して断裁位置に位置決めするとともに、シート束を把持する位置を調整することによってシート束の背部端縁を刃受部材の所定位置に位置決めするように、グリップ回転部を制御するようにしてもよい。このとき、制御部は、シート束を旋回動させて天部、小口部、地部をそれぞれ断裁位置に位置決めするように、グリップ回転部の旋回動動作を制御することが好ましい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、製本装置であって、シート束の背部を綴じ合わせる製本綴じ手段と、前記製本綴じ手段で綴じ合わされたシート束の周縁を断裁するシート束断裁装置と、を備え、前記シート束断裁装置は第1の態様の構成を備えたことを特徴とする。本態様によれば、第1の態様のシート束断裁装置の効果に加え、シート束を構成する全てのシートが確実に断裁されるため、体裁のよい製本を作成することができるとともに、製本の際の歩留まりの低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シート束を構成するシートのうち、断裁刃から最も遠い位置にあるシートよりもさらに遠い位置に緩衝部材が位置していることから、断裁され難い対象が緩衝部材となり、シート束を構成する全てのシートが確実に断裁されるとともに、シート束を断裁した後、断裁刃が直接刃受部材に衝突することがないので、断裁刃の耐久性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を画像形成システムに適用した実施の形態について説明する。
【0017】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の画像形成システムは、順次シート上に画像形成する画像形成装置Aと、この画像形成装置Aの排紙口に連接され画像形成されたシートを束状に部揃えして製本綴じた後、この製本シート束の端縁を切断する製本装置Bと、製本装置Bの下流側に配置され画像形成装置Aで画像形成されたシートにステイプル処理等の後処理を行う後処理装置Cとを備えている。
【0018】
<画像形成装置>
画像形成装置Aには、複写機、プリンタ、印刷機など種々の構造のものが採用可能であるが、図1には静電印刷装置が図示されている。画像形成装置Aは、ケーシング1内に、給紙部2、印字部3、排紙部4および制御部70(図8参照)を有している。給紙部2にはシートサイズに応じた複数のカセット5が準備され、制御部70から指示されたサイズのシートが給紙経路6に繰り出される。給紙経路6にはレジストローラ7が設けられており、シートを先端揃えした後所定のタイミングで下流側の印字部3に給送する。
【0019】
印字部3には静電ドラム10が設けられており、静電ドラム10の周囲には印字ヘッド9、現像器11、転写チャージャ12などが配設されている。印字ヘッド9は、例えば、レーザ発光器などで構成され、静電ドラム10上に静電潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着し、転写チャージャ12でシートに印刷(画像を形成)する。印刷シートは、定着器13で定着され、排紙経路17に搬出される。排紙部4には、ケーシング1に形成された排紙口14と排紙ローラ15とが配置されている。なお、印刷シートの裏面にも画像を形成する場合には、排紙経路17からの印刷シートをスッチバックで表裏反転させた後、循環経路16を介して、再びレジストローラ7を有する給紙経路6に送ることで、画像を形成する。このように片面若しくは両面に画像形成された印刷シートは排紙口14から排紙ローラ15で排出される。
【0020】
また、画像形成装置Aは、印字部3の上部に、印字ヘッド9で印刷する原稿画像を原稿から光学的に読み取るスキャナユニット20、および、スキャナユニット20の上部に、スキャナユニット20で読み取る原稿をスキャナユニット20に搬送する原稿送り装置25を有している。スキャナユニット20は、原稿を載置するためのプラテン23と、プラテン23に沿って原稿をスキャンするキャリッジ21と、キャリッジ21からの光学像を光電変換するCCD等を有する光学読取部22とを備えている。なお、上述した原稿送り装置25はプラテン23上に装備されている。
【0021】
さらに、画像形成装置Aは、図8に示すように、オペレータが装置に動作指示をするとともに動作状態を表示するためのコントロールパネル71および装置全体の制御を行うための制御部70を有している。制御部70は、CPU、ROM、RAM、給紙部2や画像形成部20と通信を行うための内部通信部、製本装置Bや後処理装置C等の周辺機器との通信を行うための外部通信部、外部コンピュータとの接続を許容するインターフェース等を含んで構成されている。従って、オペレータはコントロールパネル71からの動作指示を入力する以外に、外部コンピュータからの動作指示が可能な構成となっている。なお、コントロールパネル71は制御部70に接続されており、制御部70は動作指示に従って、種々のモード(例えば、画像形成装置Aによる両面印刷モード、製本装置Bによる製本モード、後処理装置Cによるステイプルモード)を設定し、必要に応じて製本装置Bや後処理装置Cに種々の情報を提供する。
【0022】
<製本装置>
図2に示すように、製本装置Bは、ケーシング30内に、印刷シートを束状に集積して部揃えする集積部40、集積部40からのシート束の背部に接着糊を塗布する接着剤塗布部55、集積部40からシート束を接着剤塗布部55の所定の接着剤塗布位置に移送するグリップ搬送部47、接着剤が塗布されたシート束に表紙シートを綴じ合わせる表紙綴じ部60、シート束(以下、シート束の背部に接着糊が塗布されたシート束の他に、表示シートと綴じ合わされたシート束もシート束という。)を所定の断裁位置に位置決めする束姿勢偏向部64、束姿勢偏向部64で位置決めされたシート束の端縁(周縁)を断裁する断裁部65、断裁部65による断裁後のシート束を所定の排出位置に束排出部、および、製本装置Bの装置全体の制御を行う制御部75(図8参照)を有している。
【0023】
[搬送経路]
シート束を構成する各シートの搬送経路について説明すると、ケーシング30内には画像形成装置Aの排紙口14(図1参照)に連なる搬入口31aを有する搬入経路31が設けられており、搬入経路31には中紙搬送経路32と表紙搬送経路34とが経路切換フラッパ36を介して連結されている。中紙搬送経路32には集積部40を介して製本経路33が連設されており、表紙搬送経路34には後処理装置Cに設けられた後処理経路38(図1参照)が連設されている。製本経路33は略鉛直方向に装置を縦断する方向に、表紙搬送経路34は略水平方向に装置を横断する方向に配設されている。
【0024】
製本経路33と表紙搬送経路34とは交差(直交)し、その交差部に表紙綴じ部60が配置されている。上述したように、搬入経路31は画像形成装置Aの排紙口14に連なっており、画像形成装置Aから排出されたシートを受入れる。この場合、画像形成装置Aからは、コンテンツ情報が印刷された印刷シート(中紙シート)S1(さらに、必要に応じてコンテンツ情報が印刷されないシートを含む。)と、表紙カバーとして使用されタイトルなどが印刷された印刷シート(以下、表紙シートという。)Shとが排出される。このように、搬入経路31は、中紙搬送経路32と表紙搬送経路34とに分岐され、経路切換フラッパ36を介して各シートをそれぞれの経路に振り分け搬送することとなる。
【0025】
図1に示すように、搬入経路31には、画像形成装置Aで印刷処理しない表紙シートを給紙トレイ26aから1枚ずつ分離して搬入経路31に供給するインサータ装置26が連結されている。インサータ装置26は、1つ若しくは複数段の給紙トレイ26aと、給紙トレイ26aの一側(基部側)に配置され、給紙トレイ26aに積載されたシートを1枚ずつ分離して給送する給紙部と、給紙部の下流側に設けられた給紙経路27とを有している。給紙経路27は経路切換片28を介して搬入経路31に連結されている。
【0026】
また、図2に示すように、搬入経路31には搬送ローラ31bが、中紙搬送経路32には搬送ローラ32aが、製本経路33には上述したグリップ搬送部47、束姿勢偏向部64、断裁部65、束排出部等が配設されている。さらに、表紙搬送経路34には搬送ローラ34aが、後処理経路38には搬送ローラ38a(図1参照)がそれぞれ配置されており、それぞれ駆動モータに連結されている。
【0027】
[集積部]
集積部40は、斜設され、中紙搬送経路32の排紙口32bの下方に配置された集積トレイ41を有している。集積トレイ41は排紙口32bから排出された印刷シートを束状に積載する。集積トレイ41の上方には、排紙口32bから排出された印刷シートを集積トレイ41上に案内する搬入ガイド42bと、正逆転ローラ42aとが設けられている。正逆転ローラ42aはモータM1による正回転で印刷シートを集積トレイ41の先端側(図2の左側)に移送し、逆回転でトレイ後端(図2右端)に配置された規制部材43にシート後端を突き当てて規制する。また、集積トレイ41には、トレイ上に積層された印刷シートの両側縁を基準位置に幅寄せ整合するシートサイド整合部(不図示)が設けられている。従って、中紙搬送経路32からの印刷シートは集積トレイ41上に順次積み上げられ束状に部揃えされる。
【0028】
集積トレイ41には図示しないシート束厚さ識別手段が配置されており、トレイ上に集積されたシート束の厚さを検出するようになっている。その構成には、例えば、トレイ上に最上シートと接する紙触片を設け、この紙触片の位置をセンサで検出することによってシート束の厚さを識別したり、排紙センサSe3から集積トレイ上に排出されるシート数を検出し、このセンサからの信号を計数するカウンタを設け、画像形成装置Aからのジョブ終了信号で計数したシートの総枚数に平均的な紙厚さを乗ずることによってシート束の厚さを識別したりする構成を採ることができる。
【0029】
[グリップ搬送部]
製本経路33には集積トレイ41からシート束を下流側の接着剤塗布位置Eに移送するグリップ搬送部47が配置されている。グリップ搬送部47は、集積トレイ41上に集積されたシート束を傾斜姿勢から鉛直姿勢に偏向させ、シート束を製本経路33に沿って接着剤塗布位置Eにセットする。このため、集積トレイ41は、モータM2の駆動とラック、ピニオン構造で、図2の実線で示した集積位置から図2の破線で示した引き渡し位置Dに移動し、引き渡し位置Dで待機するグリップ搬送部47にシート束を引き渡すようになっている。
【0030】
[接着剤塗布部]
製本経路33のグリップ搬送部47が配置された下流側の接着剤塗布位置Eには接着剤塗布部55が配置されている。図3(a)に示すように、接着剤塗布部55は、熱溶融性の接着剤を収容する糊容器56と、シート束の背部端面に糊を塗布する塗布ロール57と、塗布ロールを回転させるロール回転モータMRと有している。
【0031】
塗布ロール57は耐熱性の多孔質材で構成され、糊を含侵してロール周囲に糊の層が盛り上がるように構成されている。糊容器56は、液状接着剤収容室(以下、液剤収容室という。)56aと、固形接着剤収容室(以下、固形剤収容室という。)56bと、に区割され、液剤収容室56aには塗布ロール57が回転自在に組み込まれている。また、液剤収容室56aには接着剤の残量を検出する糊センサ56Sが配置されている。糊センサ56Sは接着剤の温度センサを兼用し、液剤収容室56a内の液化した接着剤の温度を検出するとともに、接着剤に浸された部位の温度差によって接着剤の残量を検出する。さらに、糊容器56の底部には電熱ヒータなどの加熱部50が埋設されている。糊センサ56S、加熱部50は、A/DコンバータやD/AコンバータおよびFETや抵抗で構成されるドライバ回路を介して制御部75(図8参照)に接続されており、液剤収容室56a内の接着剤を所定の溶融温度に温度調整する。
【0032】
また、糊容器56はシート束に沿って往復駆動する。図3(b)に示すように、シート束の下端縁(製本時の背表紙部)SUに対し糊容器56は短い長さ(寸法)に形成されており、これに内蔵した塗布ロール57と伴にシート束の下端縁SUに沿って移動するように装置フレームのガイドレール52に支持されている。糊容器56は装置フレームに取り付けられたタイミングベルト53に連結されており、タイミングベルト53には駆動モータMSが連結されている。
【0033】
糊容器56はホームポジションHPと、シート束に沿って復動作を開始するリターン位置RPとの間で駆動モータMSによって往復動する。糊容器56のホームポジションHPはホームポジションセンサSPで検出され、リターン位置RPはシート幅のサイズ情報によって設定される。糊容器56は、装置電源投入時(イニシャル時)にホームポジションHPに位置付けられ、先行する例えばグリップ搬送部47に設けたグリップセンサSgのシートグリップ信号から所定時間後(シート束が接着剤塗布位置Eに到達する見込み時間)にホームポジションHPからリターン位置RPに向けて移動する。この移動と同時に塗布ロール57はロール回転モータMRで回転を開始する。駆動モータMSの回転で、糊容器56はガイドレール52に沿って図3(b)の左側から右側に移動を開始する。この往路では塗布ロール57はシート束に圧接してシート端部をバラけさせ、リターン位置RPからホームポジションHPに戻る復路ではシート端と所定のギャップを形成して接着剤を塗布するように、グリップ搬送部47の送り量を図示しない昇降モータで調整するようになっている。
【0034】
[表紙綴じ部]
製本経路33の表紙綴じ位置F(図2参照)には、表紙綴じ部60が配置されている。図4に示すように、表紙綴じ部60は、背当プレート61、背折プレート62および折ロール63を有している。表紙綴じ位置Fは表紙搬送経路34に位置しており、画像形成装置Aまたはインサータ装置26から表紙シートが給送される。背当プレート61は表紙シートをバックアップする板状部材で構成され、製本経路33に進退自在に配置されている。この背当プレート61に支持された表紙シートShに(中紙)シート束S2が逆T字状に接合される。背折プレート62は左右一対のプレス部材で構成されており、逆T字状に接合された表紙シートの背部を背折り成形するため、図示しない駆動部で互いに接近及び離反するように構成されている。また、折ロール63は背折り成形されたシート束を挟圧して折り仕上げする一対のローラで構成されている。
【0035】
さらに、表紙搬送経路34には表紙綴じ位置Fの左右に一対の可動ガイド34gが配設されており、表紙綴じ位置Fに給送される表紙シートShの上流側と下流側をそれぞれ案内する。また、この一対の可動ガイド34gは表紙綴じ位置Fから上方に退避(表紙綴じ処理時)するように図示しない駆動モータに連結されている。
【0036】
[束姿勢偏向部]
製本経路33の折ロール63の下流側にはシート束を断裁位置Gに位置決めセットするとともにシート束の天地方向を偏向させる束姿勢偏向部64が配置されている。束姿勢偏向部64は表紙綴じ位置Fで表装されたシート束を所定姿勢に偏向させて下流側の断裁位置Gに位置付ける。
【0037】
このため、束姿勢偏向部64は折ロール63から送られたシート束を把持(グリップ)
して回転させるグリップ回転部材64a、64bを備える。グリップ回転部材64a、64bは、装置フレームに昇降自在に取り付けられたユニットフレーム64xに設けられている。ユニットフレーム64xに製本経路33を挟んでグリップ回転部材64a、64bがそれぞれ回転自在に軸受支持され、一方の可動グリップ回転部材64bはシート束厚さ方向(製本経路33に対して直交する方向)に移動自在に支持されている。そして、各グリップ回転部材64a、64bには製本経路33内でシート束を姿勢偏向するように旋回モータMt1、Mt2が設けられている。また、可動側のグリップ回転部材64bには図4左右方向に移動するグリップモータMgが装備されている。
【0038】
従って、製本経路33内に導かれたシート束は、左右グリップ回転部材64a、64bで把持され旋回モータMt1、Mt2によってシート束の姿勢方向を偏向する。例えば、背部を下側に搬入されたシート束を180度旋回して小口部を下側に下流側の排紙ローラ67に送る。また、シート束を順次90度ずつ回転して下流側の断裁位置Gに天部、地部、小口部(図10参照)をそれぞれ下側に偏向させシート束の周縁3方向を断裁するトリミングカットが可能となる。なお、上記可動側のグリップ回転部材64bにはグリップセンサ(図示せず)が設けられ、左右のグリップ回転部材64a、64b間にシート束が確実にグリップされたのを検知し、この検知後グリップ回転部材64a、64bを旋回駆動するように構成されている。ユニットフレーム64xは昇降モータMaによりシート束を製本経路33に沿って上下昇降することが可能に構成されている。これは、シート束周縁をトリミングカットおよび分割切断する際に、断裁位置Gにシート束を搬送セットし、その送り量で断裁位置Gにおける断裁幅(カット量)を設定するためである。
【0039】
[断裁部]
束姿勢偏向部64の下流側には、シート束の周縁を断裁する断裁部65が配置されている。断裁部65は、断裁位置Gに配置され、束姿勢偏向部64により位置決めされたシート束の端縁を断裁する平刃状の断裁刃65xを有する断裁刃ユニット65a、シート束(製本経路33)を挟んで断裁刃65xと対向配置された刃受部材65c、シート束の断裁縁を刃受部材65cに向けて押圧支持する断裁縁プレス部材65b、および、刃受部材65cとシート束(製本経路33)との間に介在し、シート束を断裁した断裁刃65xの刃先を受けるフィルム状(シート状)の緩衝部材66を備えている。このような構成の断裁部65により、(表装された)シート束の背部を除く周縁を所定量断裁して切り揃える。
【0040】
[断裁縁プレス部材]
断裁縁プレス部材65bは、刃受部材65cにシート束の断裁縁を押圧して保持するプレス機構で構成され、上述した断裁縁プレス部材65bおよび断裁縁プレス部材65bに加圧力を付与する付勢部材(不図示)を有している。付勢部材は図示しないソレノイドによってシート束と直交する方向に断裁縁プレス部材65bを付勢するスプリングで構成されている。また、断裁縁プレス部材65bの上部には、シート束を構成するシートサイズに応じて、断裁縁プレス部材65bを断裁刃65xの長手方向に移動させるシフト機構65Sが配置されている。シフト機構65Sは、断裁縁プレス部材65bに固着したラック65r、ランク65rに噛合したピニオン65pおよびピニオン65pを回転させる減速ギア付ステッピングモータMoで構成されている。
【0041】
[断裁刃ユニット]
断裁刃65xは、断裁刃65xを待機位置と切断位置との間で往復動させるカッタモータMc(ステッピングモータ)で駆動される。断裁刃65xとカッタモータMcとはユニット化され、断裁刃ユニット65aを構成している。図5に示すように、断裁刃65xは平刃状の刃先でシート幅Lより長い刃幅L0で構成され、刃受部材65cから間隔dを隔てた待機位置(図6(a)参照)と、刃受部材65cとシート束との間に介在し緩衝部材66を介して刃受部材65cに当接する切断位置(図6(b)参照)との間で往復動自在に支持され、カッタモータMcに連結されている。なお、図5では、緩衝部材66については捨象している。
【0042】
[刃受部材]
刃受部材65cは、装置フレームに固定されており、図6(a)に示すように、シート(束)の中央部を支持するシート中央受面65ca、断裁刃65xの刃先を受ける刃受面65cb、切断縁受面65ccを有している。各受面は互いに連続して同一平面を形成するように構成される。切断線X−Xの上方に位置するシート中央受面65caと、切断線X−Xの下方に位置する断裁縁受面65ccとは導電性材料で構成され、切断線X−Xで緩衝部材66を介して断裁刃65xの刃先を受ける刃受面65cbは非導電性の材料で構成されている。
【0043】
刃受部材65cは材質が次のように選択されている。まず、刃受面65cbとして断裁刃65xに対し最適の材料が選択されている。刃受面65cbはシート束の切断時に緩衝部材66を介して突き当たる断裁刃65xの刃先を損耗しない程度の硬度と、同時に断裁刃65xが突き当たって切り込んだ際に紙片屑(切り屑)や緩衝部材66を喰え込まない程度の弾性を有する材料を選定することが好ましく、例えば、非導電性のポリプロピレン樹脂(PP)で構成される。
【0044】
一方、シート中央受面65caと切断縁受面65ccとには、適度の剛性と導電性を有する材料が選択されている。シート中央受面65ca、切断縁受面65ccおよび刃受面65cbは、それぞれ別部材で構成してもよいが、同一材料で同一成形によって製造すると低コストとすることができる。
【0045】
図示のものは、合成樹脂の2色成形で板状部材を形成し、刃受面65cbには非導電性材質、シート中央受面65caおよび切断縁受面65ccには導電性材質がそれぞれ選択されている。すなわち、例えば、PPなどの合成樹脂材料のモールド成形によって刃受部材65cを成形する。このとき、シート中央受面65caと切断縁受面65ccに錫などの導電性粉末を混入する2色成形法が用いられる。すると、1枚の板状部材に成形される刃受部材65cは、その刃受面65cbはポリプロピレン樹脂のみで形成され、シート中央受面65caと切断縁受面65ccは錫などの金属粉末が混入され導電性を帯びることとなる。この導電性粉末は通電性を有する程度に(導電性粉末が連鎖するように)混在されている。そして、シート中央受面65caと切断縁受面65ccとは接地されている。
【0046】
[凹陥溝]
上述したように、シート束は表紙シートShにくるみ製本する関係で背部端縁が膨出する。このため、図5に示すように、断裁縁プレス部材65bに、シート束の背綴じ端縁を支持する位置に凹陥溝65yが形成されており、凹陥溝65yにシート束の背綴じ端縁が没入する構成が採られている。凹陥溝65yは、シートサイズに応じてシート束の左右に1つずつ、或いは複数形成されている。図5では、断裁縁プレス部材65bに凹陥溝65yが左右にそれぞれ2個、合計4個所に形成された例を示している。
【0047】
[緩衝部材]
図7(a)に示すように、断裁部65は、刃受部材65cに沿って、合成樹脂等をフィルム状に形成した緩衝部材66を移動させる移動機構66Mを有している。移動機構66Mは、緩衝部材66を巻き取る巻取ロール66b、巻取ロール66bを回転駆動させるステッピングモータMx、緩衝部材66の他端を支持するとともに緩衝部材66を供給する供給ロール66aを有して構成されている。巻取ロール66bの中心部は、刃受部材65cのシート中央受面65ca、切断縁受面65ccおよび切断縁受面65ccで形成される受面から距離eを隔てた位置に配置されている。換言すれば、巻取ロール66bの巻取開始位置は、刃受部材65の受面を基準として、シート束の排出経路(製本経路33)から退避した退避位置EPより遠くに配置されている。なお、図7(a)、(b)に示すように、断裁刃65xは、供給ロール66aより巻取ロール66bに近い位置に配置されており、待機位置から切断位置に進出することでシート束の端縁(周縁)を断裁する。
【0048】
[束排紙部]
図4に示すように、断裁部65の下流側には、シート束を立位姿勢で収納する収納スタッカ68(図2も参照)と、製本されたシート束を断裁部65から収納スタッカ68に移動させる排紙ローラ67とが配設されており、排紙ローラ67が束排出部を構成している。図1に示すように、収納スタッカ68はケーシング30に引き出し状に配置されており、装置フロント側(図1紙面手前側)に引き出し可能に構成されている。装置フロント側に引き出した状態で上面方向から使用者が視認できるようになっている。一方、図4に示すように、屑ボックス69には透過型の満杯検出センサ68Sfが配置されており、収納スタッカ68に収納されるシート束の満杯状態を検出してコントロールパネル71に表示することで、オペレータにその除去を警告する。
【0049】
[制御部]
図8に示すように、制御部75は、中央処理装置として機能するCPU、製本装置Bの基本制御プログラムおよびプログラムデータを記録したROM、CPUのワークエリアとして働くRAM、画像形成装置Aの制御部70および後処理装置Cと通信を行う通信部、各センサからの検出情報を取り込むためのA/Dコンバータ、CPUからの判断に従い各種駆動部を作動させるためのD/Aコンバータ、モータやソレノイド等のアクチュエータを作動せるためのドライバ回路等を有して構成されている。
【0050】
なお、図8には、この構成による機能も併せて表示している(点線)。すなわち、制御部75は画像形成装置Aの制御部70から後処理モード指示信号、ジョブ終了信号、シートサイズ情報その他製本に要する情報及びコマンド信号を受信する。一方、搬入経路31、製本経路33、表紙搬送経路34には搬送するシート(シート束)を検出するシートセンサSe1ないしSe6が配設されており(図2参照)、制御部75のCPUはこれらのセンサからの信号を取り込み、集積部制御、接着剤温度制御、接着剤塗布制御、表紙綴じ制御、断裁制御、スタック制御等、上述した各部の動作を制御する。
【0051】
<後処理装置>
上述したように、後処理装置Cには、製本装置Bの表紙搬送経路34に連なる後処理経路38が設けられており、この後処理経路38にステイプルユニット、パンチユニット、スタンプユニットなどの後処理ユニットが配置されている。なお、後処理装置Cもマイクロコンピュータ等を有する制御部を有しており、画像形成装置Aから直接または製本装置Bを介して、画像形成装置Aの制御部70のCPUで設定されたモード等の情報を受信し、受信した情報に応じて処理を行う。
【0052】
(動作)
次に、本実施形態の画像形成システムの動作について、製本装置Bの動作を中心に説明する。このような動作は、画像形成装置A、製本装置B、後処理装置Cの各制御部のCPUを主体として行われるものであるが、以下の説明では、本発明に係る製本装置Bの各部の動作を把握しやすいように、製本装置Bの動作については各部を主体として説明する。なお、説明を簡単にするために、オペレータは、インサータ装置26から表紙を給紙する製本モード(製本装置Bで製本するためのモード)を指示したものとして説明する。
【0053】
上述したように、画像形成装置Aは、コントロールパネル71による入力指示または外部コンピュータからの指示に従って、給紙部2から印字部3にシートを搬送し、印字部3でシートに画像を形成して、1枚ずつ印刷シートを排紙口14から排出する。なお、画像形成装置Aの制御部70は、シートサイズ情報等を製本装置Bの制御部に報知する(図8参照)。
【0054】
画像形成装置Aの排紙口14から排出された印刷シートは、製本装置Bの中紙搬送経路32を介して排紙口32bから順次排出され、集積部40の集積トレイ41上に集積されて束状に部揃えされる。集積部40は部揃えしたシート束をグリップ搬送部47に引き渡す。グリップ搬送部47は、シート束を、傾斜姿勢から鉛直姿勢に偏向させ、製本経路33に沿って接着剤塗布位置Eにセットする。この状態で、接着剤塗布部55のロール回転モータMRは駆動を開始し、次いで、駆動モータMSを駆動させることで糊容器56はガイドレール52に沿って移動する。糊容器56は一旦ホームポジションHPからリターン位置RPに向けて移動し、リターン位置RPからホームポジションHPに戻る。これにより、シート束への糊塗布が完了する。接着剤塗布部55のシート束への糊塗布完了前に、表紙綴じ部60は、インサータ装置26から表紙シートShを給送し、糊塗布完了後に、背当プレート61に支持された表紙シートShにシート束S2を逆T字状に接合させて折ロール63でシート束を挟圧して折り仕上げするとともに、折ロール63を駆動させることで、表装されたシート束を束姿勢偏向部64に引き渡す。
【0055】
束姿勢偏向部64は、グリップモータMg、旋回モータMt1、Mt2および昇降モータMaを駆動させ、表装されたシート束を所定姿勢に偏向させて断裁部65の断裁位置Gに位置決めする。束姿勢偏向部64による表装されたシート束の断裁位置Gに位置決めに並行して、断裁部65のシフト機構65Sは断裁縁プレス部材65bに形成された凹陥溝65yの位置を、シート束の背部端縁と一致するように、すなわち、シート束の背部端縁が凹陥溝65yに位置するように(図7(c)参照)、ステッピングモータMoを駆動させる。これらの位置決めおよび位置付けには、制御部75のCPUにより、画像形成装置Aの制御部70から報知されたシートサイズ情報が参照される。
【0056】
なお、図9(a)に示すように、シート束は表紙綴じ部60から束姿勢偏向部64に表紙綴じ位置Fから背部端縁を下側にした状態で引き渡される。束姿勢偏向部64は昇降モータMaによってシート束を把持するニップ位置(図9(a)に示すLa、Lb、Lc)をシートサイズに応じて選択する。このニップ位置選択は制御部75により指示される。つまり、制御部75のCPUはシート束のシートサイズ情報に基づいて、背部端縁から距離L1のニップ位置La、距離L2のニップ位置Lb、距離L3のニップ位置Lcを把持するか選択する。そして、このニップ位置を中心にシート束を90度旋回すると図9(b)の状態に天部が上側にシート束は断裁位置Gにセットされる。このようにニップ位置La、Lb、Lcを選択することにより天部を上側に偏向した際のシート束の背部端縁を予め設定されている凹陥溝65yに一致させることが可能となる。
【0057】
次に、上述したソレノイドを駆動することで、断裁縁プレス部材65bに、緩衝部材66を介して刃受部材65に向けてシート束を押圧させる(図7(a)参照)。これにより、表装されたシート束の縁部(下部)は刃受部材65に向けて押圧(保持)される。次いで、カッタモータMcを作動させることにより、待機位置にある断裁刃65xを切断位置に進出させることで、例えば、表装されたシート束の天部をトリミングカットする。なお、断裁位置Gで切断された紙片屑は、その自重で落下して屑ボックス69(図4参照)に収容される。天部のトリミングカットを終了すると(断裁刃65xを待機位置に戻した後)、ソレノイドの駆動を解除することで、断裁縁プレス部材65bはシート束を押圧する位置からシート束を押圧しない(シート束から離間した)位置に移動する(図4参照)。なお、束姿勢偏向部64のグリップモータMgは表装されたシート束を把持したままの状態を維持する。
【0058】
次いで、ステッピングモータMxを駆動することで、緩衝部材66を巻取リール66bに所定量巻き取る。これにより、断裁刃65xにより緩衝部材66に付けられた切り込みは、シート束の排出経路から退避した退避位置EPに位置付けられる。なお、CPUはモータドライバからステッピングモータMxへ出力するパルスをカウントすることで、緩衝部材66に付けられた切り込みが退避位置EPに位置付けられることを確保している。
【0059】
次いで、束姿勢偏向部64は、旋回モータMt1、Mt2を駆動しシート束を90°回転させるとともに、昇降モータMaを駆動させて、例えば、小口部を断裁部65の断裁位置Gに位置決めする。次に、ソレノイドを駆動させ、断裁縁プレス部材65bに、緩衝部材66を介して刃受部材65に向けてシート束を押圧させた後、カッタモータMcを作動させることにより待機位置にある断裁刃65xを切断位置に進出させることで、表装されたシート束の小口部をトリミングカットする。そして、ステッピングモータMxを駆動することで、断裁刃65xにより緩衝部材66に付けられた切り込みを、退避位置EPに位置付ける。同様に地部のトリミングカットも行われる。従って、シート束を順次90度ずつ回転して下流側の断裁位置Gに天部、地部、小口部をそれぞれ下側に偏向させシート束の周縁3方向を断裁するトリミングカットが可能となる。
【0060】
シート束の周縁3方向のうち最後の周縁のトリミングカットを終了したときに、グリップモータMgは表装されたシート束を把持した状態をなお維持している。一方、ソレノイドの駆動を解除し、断裁縁プレス部材65bをシート束を押圧しない位置に移動した後、ステッピングモータMxを駆動することで、断裁刃65xにより緩衝部材66に付けられた切り込みを、退避位置EPに位置付ける。そして、排紙ローラ67を駆動させ、グリップモータMgの駆動を停止させるとともに、昇降モータMaを駆動させることで(束姿勢偏向部64がシート束をグリップしたまま下降して排紙ローラ67にシート束を引き渡すことで)、製本された(周縁3方向を断裁された)シート束を収納スタッカ68に収納させて、1冊分の処理を終了する。続けて、製本モードの指示がある場合は、上記の動作を繰り返す。
【0061】
後処理装置Cは、画像形成装置Aからの印刷シートを、製本装置Bの表紙搬送経路34を介して受け取り、印刷シートにステイプル処理、パンチ処理、押印処理等を施し排紙トレイ37に排出する。また、このような後処理を施すことのない画像形成装置Aからのシートは、そのまま排紙トレイ37上に排出する。なお、オペレータによりコントロールパネル71を介して排紙トレイ37が指定された場合、指定された排紙トレイ37上にシートを排出することで、後処理装置Cはソータとしても機能する。
【0062】
(作用効果等)
次に、本実施形態の画像形成システムの作用効果等について、製本装置Bの作用効果等を中心に説明する。
【0063】
従来の製本装置には、シート束を構成するシートのうち、断裁刃によって最後に断裁されるシート断裁刃から遠い位置にあるシート、すなわち、刃受部材に最も近い位置にあるシート)が他のシートよりも断裁され難い、という問題点があった。本実施形態の画像形成システムでは、製本装置Bにおいて、シート束を構成するシートのうち、断裁刃65xから最も遠い位置にあるシートよりもさらに遠い位置に緩衝部材66を介在させている。このため、断裁され難い対象が緩衝部材66となり、シート束を構成する全てのシートが確実に断裁される。また、刃受部材65cとシート束との間に緩衝部材66を介在させたので、シート束を断裁した後、断裁刃65xが刃受部材65cに直接は衝突しない。このため、断裁刃65xの耐久性を向上させることができる。
【0064】
また、製本装置Bでは、断裁縁プレス部材65bに、断裁刃65xの長手方向に沿って凹陥溝65yが形成されている。このため、接着剤塗布部55および表示綴じ部60で綴じられたシート束の背部の膨らみは凹陥溝65yに吸収され、シート束を断裁縁プレス部材65bと刃受部材65cの間で隙間なく把持することができる。従って、断裁刃65xによる断裁時にシート束が断裁縁プレス部材65bと刃受部材65cの間でぐらつくことなく断裁処理を施すことができる。さらに、製本装置Bは、シートサイズに応じて、断裁縁プレス部材65bを断裁刃65xの長手方向に沿って移動させるシフト機構65Sを有しており、シフト機構65Sは束姿勢偏向部64で位置決めされるシート束の背部端縁が凹陥溝65yに位置するように断裁縁プレス部材65bを移動させる。このため、シート束の背部の膨らみは確実に凹陥溝65yに吸収され、断裁時にシート束が断裁縁プレス部材65bと刃受部材65cの間でぐらつくことなくより正確な断裁処理を施すことができる。
【0065】
さらに、製本装置Bでは、束姿勢偏向部64が、断裁位置Gにシート束を位置決めする際に、シート束の背部の端縁位置を断裁刃65xの長手方向において調整可能に構成されている。すなわち、束姿勢偏向部64は、シート束を旋回させる旋回モータMt1、Mt2を駆動することで、シートサイズに応じて、シート束の背部の端縁位置を調整することが可能である(図9(a)、(b)参照)。さらに、グリップモータMgや昇降モータMaによって、シート束を把持するニップ位置を、シート束の背部の膨らみが断裁縁プレス部材65bの凹陥溝65yに吸収されるように選択する。従って、シフト機構65Sと相俟って、凹陥溝65yにシート束の背部の膨らみをより確実に吸収させることができる。
【0066】
また、製本装置Bは、緩衝部材66を刃受部材65cの平坦な受面に沿って移動させる移動機構66Mを有している。このため、緩衝部材66のスムーズな移動を確保できる。ここで、シート束の背部の膨らみを吸収する凹陥溝の形成部材について検討する。製本装置Bでは凹陥溝65yが断裁縁プレス部材65bに形成されているが、凹陥溝を刃受部材65c側に形成することも考えられる。しかし、そのような場合には、断裁刃65xによるシート束の断裁処理後に、緩衝部材66が刃受部材65cに沿って所定距離巻き取られて移動する際に、断裁刃65xによって緩衝部材66に形成された切れ込みが刃受部材の凹陥溝に入り込むことで緩衝部材66が破損してしまい、緩衝部材66のスムーズな移動が確保できない、という不具合を有する。このため、製本装置Bでは、シート束の背部端縁の膨らみを吸収する凹陥溝を刃受部材65c側に形成することなく断裁縁プレス部材65b側に形成することで、この不具合を回避し、緩衝部材66のスムーズな移動を確保している。
【0067】
さらに、製本装置Bでは、断裁刃65xを、供給ロール66aより巻取ロール66bに近い位置に配置し、断裁刃65xでシート束の端縁を裁断する構成を採用している。このような構成により、断裁刃65xによりフィルム状の緩衝部材66に切れ込みが付けられた場合でも、巻取ロール66bに近い位置で断裁処理が行われるので、当該切れ込みは巻取ロール66bに巻き取られるまでの距離が少なく、その移動時に切れ込みに起因して緩衝部材66が破損してしまうリスクを低減できる。なお、切れ込み部分が巻取ロール66bに完全に巻き取られてしまえば、当該切れ込みに起因する緩衝部材66の破損による搬送上のジャム等の問題は生じない。これに対し、巻取ロール66bから遠い位置で断裁刃65xが断裁処理を実施する構成とすると、断裁刃65xによる切れ込みが巻取ロール66bに巻き取られるまでの距離が長くなり、緩衝部材66のムダが多く生じてしまう。ムダを少なくするために、切れ込み部分が巻き取られる以前に緩衝部材66を停止させて断裁処理を施すことも考えられるが、緩衝部材66に複数の切れ込みが生じた状態、すなわち、緩衝部材66自体の強度が落ちた状態で巻き取られることとなり、緩衝部材66が破損するリスクが高まってしまう。
【0068】
また、製本装置Bは、束姿勢偏向部64にシート束を把持するグリップモータMgを有しており、グリップモータMgによりシート束を把持し断裁縁プレス部材65bによるシート束への押圧を解除した状態で、移動機構66Mにより緩衝部材66を移動させている(ステッピングモータMxの駆動で巻取ロール66bに緩衝部材66を巻き取っている。)。従って、製本装置Bでは、シート束との摩擦、押圧力を解除した状態で緩衝部材66を移動させるので、緩衝部材66の移動をスムーズに行うことができる。
【0069】
さらに、製本装置Bでは、排紙ローラ67によるシート束の収納スタッカ68への排出動作と同時若しくは排出動作よりも早く移動機構66MのステッピングモータMxを動作させて巻取ロール66bを回転させている。このため、断裁刃65xにより付けられた緩衝部材66の切れ込みに対して、シート束の先端縁が入り込んだ状態でシート束が移動することにより、緩衝部材66が破損してしまうのを防止することができる。また、移動機構66(ステッピングモータMx)を排紙ローラ67よりも早く動作させることで、シート束に残留している紙片屑をシート束から掻き取ることができる。
【0070】
また、シート束の排出動作と同時もしくは排出動作より早く移動機構66MのステッピングモータMxを動作させて巻取ロール66bを回転させていることから、緩衝部材66が刃受部材65cに沿って移動する際に発生する静電気やシート束に帯電した静電気の電荷を逃すことができ、断裁刃65xで断裁されたシート(束)の紙片屑が巻取ロール66bに巻き込まれることで生じる、巻取ロール66bの動作阻害や緩衝部材66の破損を防止することができる。すなわち、刃受部材66は、シート中央受面66aと切断縁受面66cとが導電性の材料で構成されており、接地されている。このため、静電気による紙片屑の緩衝部材66への付着、残留を防止することができる。
【0071】
さらに、製本装置Bでは、断裁刃65xにより緩衝部材66に付けられた切れ込みが、排紙ローラ67により収納スタッカ68に排出されるシート束の排出経路から退避する退避位置EPが設けられており、切れ込みが退避位置EPに移動した後に排紙ローラ67を動作させる。従って、緩衝部材66の破損や緩衝部材66への付着、残留を確実に防止することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、束姿勢偏向部64および断裁部65で構成され本発明に係るシート束断裁装置を、集積部40、グリップ搬送部47、接着剤塗布部55および表紙綴じ部60を有する製本装置Bで例示したが、本発明はこれに限らず、シート束または表紙綴じされたシート束を自動または手動で束姿勢偏向部64に供給するようにしてもよい。さらに、シート束の背部を綴じ合わせる製本綴じ部(接着剤塗布部55、または、接着剤塗布部55および表紙綴じ部60)と、束姿勢偏向部64と断裁部65とを有するシート裁断装置とで、製本装置を構成するようにしてもよい。その際、本実施形態では、接着剤塗布部55により接着剤でシート束の背部を綴じ合わせる例を示したが、本発明はこれに制限されず、例えば、ステイプルユニットでシート束の背部を綴じ合わせるようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、緩衝部材66を、刃受部材65cの受面に沿ってシート束の搬送方向と同方向に移動させる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、刃受部材65cの受面に沿ってシート束搬送方向と直交する方向に移動させるようにしてもよい。このようにすれば、緩衝部材66の幅を小さくすることができるので(例えば、刃受面66bの幅と同程度または刃受面66bの幅より若干大きな幅とすることができるので)、緩衝部材66のコストダウンを図ることができる。
【0074】
さらに、本実施形態では、緩衝部材66を刃受部材65cに直接当接される例を示したが、刃受部材65cの幅より緩衝部材66の幅が大きいため(図7(b)参照)、供給ロール66aと刃受部材65cとの間、刃受部材65cと巻取ロール66bとの間にコロを設けるようにしてもよい。このように構成すれば、緩衝部材66の搬送をより確実に行うことができる。
【0075】
また、本実施形態では、製本装置Bの制御部75のCPUがシート厚さを認識しているので、シート厚さに応じてドライバ回路から出力するパルス数を調整することで、カッタモータMcのスピードを調整するようにしてもよい。このような制御を採用すると、断裁刃65xおよび刃受部材65cの耐久性をより向上させることができる。
【0076】
さらに、本実施形態では、束姿勢偏向部64が本発明の「位置決め手段」と「把持手段」とを兼ねる構成を例示したが、本発明はこれに限らず、「把持手段」と「位置決め手段」とが分離されて(別々に)構成されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は断裁刃の耐久性を低下させることなくシート束を完全に断裁可能なシート束断裁装置および該シート束断裁装置を備えた製本装置を提供するものであるため、シート束断裁装置および製本装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の画像形成システムの正断面図である。
【図2】実施形態の画像形成システムを構成する製本装置の正断面図である。
【図3】製本装置の接着剤塗布部の正断面図であり、(a)は糊容器、(b)は接着剤塗布の態様を示す。
【図4】製本装置の束姿勢偏向部および断裁部を示す正断面図である。
【図5】製本装置の断裁縁プレス部材と刃受部材との配置構成を示す斜視図である。
【図6】製本装置の断裁部の正断面図であり、(a)は断裁刃が待機位置にある状態、(b)は断裁刃が切断位置にある状態を示す。
【図7】製本装置の断裁部の説明図であり、(a)は正断面図、(b)は(a)の矢印B方向からみたときの図、(c)は(a)の矢印C方向からみたときの図である。
【図8】画像形成装置および製本装置の制御部の構成および機能を模式的に示すブロック図である。
【図9】製本装置の束姿勢偏向部のシート束の把持状態を示す説明図であり、(a)はシートサイズによる把持位置、(b)はシート束を90°回転したときの把持位置を示す。
【図10】製本装置で製本処理されるシート束の各部の名称を示す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
55 接着剤塗布部(製本綴じ手段の一部)
60 表紙綴じ部(製本綴じ手段の一部)
64 束姿勢偏向部(位置決め手段、把持手段)
64a、64b(クリップ回転部の一部)
65 断裁部
65b 断裁縁プレス部材(押圧手段)
65c 刃受部材
65S シフト機構(シフト手段)
65x 断裁刃
65y 凹陥溝
66 緩衝部材
66a 供給ロール(保持部)
66b 巻取ロール(巻取部)
66M 移動機構(移動手段)
67 排紙ローラ(束排出手段)
75 制御部
EP 退避位置
G 断裁位置
Mc カッタモータ(駆動手段)
Mg グリップモータ(クリップ回転部の一部)
Mt1、Mt2 旋回モータ(クリップ回転部の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束を所定の断裁位置に位置決めする位置決め手段と、
前記断裁位置に配置され、前記位置決め手段により位置決めされたシート束の端縁を断裁する断裁刃と、
前記シート束を挟んで前記断裁刃と対向配置された刃受部材と、
前記刃受部材に向けて前記シート束を押圧する押圧手段と、
前記刃受部材と前記シート束との間に介在し、前記シート束を断裁した前記断裁刃の刃先を受ける緩衝部材と、
前記断裁刃を待機位置と切断位置との間で往復動させる駆動手段と、
を備えたシート束断裁装置。
【請求項2】
前記押圧手段は、前記シート束の背部端縁に対応する位置において前記断裁刃の長手方向に沿って設けられた少なくとも1つの凹陥溝を有することを特徴とする請求項1に記載のシート束断裁装置。
【請求項3】
前記押圧手段を前記断裁刃の長手方向に移動させるシフト手段をさらに備え、前記シフト手段は、前記位置決め手段で位置決めされるシート束の背部端縁が前記凹陥溝に位置するように前記押圧手段を移動させることを特徴とする請求項2に記載のシート束断裁装置。
【請求項4】
前記緩衝部材を前記刃受部材に沿って移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシート束断裁装置。
【請求項5】
前記緩衝部材をシート状部材で構成するとともに、前記移動手段を、前記緩衝部材を巻き取る巻取部と、前記緩衝部材の他端を保持する保持部とで構成し、前記断裁刃は、前記保持部より前記巻取部に近い位置で前記シート束の端縁を断裁することを特徴とする請求項4に記載のシート束断裁装置。
【請求項6】
前記シート束を把持する把持手段を備え、前記把持手段により前記シート束を把持し前記押圧手段による押圧を解除した状態で、前記移動手段により前記緩衝部材を移動させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のシート束断裁装置。
【請求項7】
前記断裁刃による断裁後のシート束を所定の排出位置に排出する束排出手段をさらに備え、前記束排出手段による前記シート束の排出動作と同時若しくは排出動作よりも早く前記移動手段を動作させることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のシート束断裁装置。
【請求項8】
前記断裁刃により前記緩衝部材に付けられた切れ込みが、前記束排出手段により排出されるシート束の排出経路から退避する退避位置を設け、前記切れ込みが前記退避位置に移動した後に前記束排出手段を動作させることを特徴とする請求項7に記載のシート束断裁装置。
【請求項9】
前記位置決め手段は、前記断裁位置に前記シート束を位置決めする際に、前記シート束の背部の端縁位置を前記断裁刃の長手方向において調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のシート束断裁装置。
【請求項10】
前記位置決め手段は、前記シート束を把持して旋回動させるグリップ回転部と、前記グリップ回転部の把持および旋回動動作を制御する制御部とで構成されており、前記制御部は、前記シート束を把持した後、前記シート束を旋回動して前記断裁位置に位置決めするとともに、前記シート束を把持する位置を調整することによって前記シート束の背部端縁を前記刃受部材の所定位置に位置決めするように、前記グリップ回転部を制御することを特徴とする請求項9に記載のシート束断裁装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記シート束を旋回動させて天部、小口部、地部をそれぞれ前記断裁位置に位置決めするように、前記グリップ回転部の旋回動動作を制御することを特徴とする請求項9に記載のシート束断裁装置。
【請求項12】
シート束の背部を綴じ合わせる製本綴じ手段と、
前記製本綴じ手段で綴じ合わされたシート束の周縁を断裁するシート束断裁装置と、
を備え、
前記シート束断裁装置は請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の構成を備えたことを特徴とする製本装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−113150(P2009−113150A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288578(P2007−288578)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】