説明

シート状物処理機の駆動制御方法および装置

【課題】回転位相の調整作業を簡単かつ短時間で行えるようにする。
【解決手段】印刷機本体を原動モータで駆動し、給紙装置を単独のモータ(フィーダの駆動モータ62)で駆動するようにし、印刷機の速度、用紙の紙サイズ,紙厚,紙質などの印刷条件に合わせて、印刷機本体の回転位相に対するフィーダの駆動モータの回転位相を調整する。これにより、印刷機を停止することなく、フィーダの駆動モータの回転位相を適切に調整することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、枚葉輪転印刷機などのシート状物に処理を施すシート状物処理機の駆動制御方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のシート状物処理機として、印刷機本体(シート状物処理装置)と給紙装置(シート状物供給装置)とを備えた枚葉輪転印刷機が知られている。この枚葉輪転印刷機の給紙装置と印刷機本体との間には、フィーダボード上に張架されて用紙(枚葉紙)を搬送する複数条の搬送テープと、搬送された用紙を滑行させる差板と、この差板の先端部にあって用紙の見当を天地方向及び左右方向へ揃える見当装置と、見当合わせされた用紙を印刷機本体へ供給するスイング装置とが設けられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
図54および図55に特許文献1に示された枚葉輪転印刷機の給紙搬送部の側面図および斜視図を示す。同図において、101は給紙装置(フィーダ)、102は印刷機本体(複数組の印刷ユニットのうち1組のみを図示)である。給紙装置101は、用紙103を積載しその給紙による減量にしたがって上昇する紙積み台104と、紙積み台104上の用紙(積載紙)103を上層から1枚ずつ吸引して上下一対の紙送りローラ105,106間へ送り込むサッカ装置(図示せず)などを備えている。また、印刷機本体102は、周面に刷版が装着された版胴107と、ゴム胴108と、ゴム胴108との間を通過する用紙103に印圧を加える圧胴109とを備えており、隣接する印刷ユニットの圧胴109間には、これらの間で用紙103を受け渡す紙渡し胴110が設けられている。
【0004】
紙送りローラ105,106と印刷機本体102の前端部との間には、フィーダボード111がわずかに傾斜して架設されており、その前後両端部近傍にそれぞれ回動自在に軸支された前後一対のローラ112,113間には、複数条の搬送テープ114がフィーダボード111の幅方向に並列し上側走行部をフィーダボード111に添接させて張架されている。115(図55)は機体側に固定されてローラ112,113とフィーダボード111とを支持する小フレームである。小フレーム115の前方には、フィーダボード111とほゞ同幅の差板116が、小フレーム115の前端との間に所定の間隔をおいてフィーダボード111とほゞ同じ傾斜角度で架設されており、その前端部には前当117等からなる天地方向の見当装置が設けられている。118は、前当117に当接して停止した用紙103をくわえて揺動し、圧胴109の爪にくわえ替えさせるスウィング装置である。
【0005】
小フレーム115と差板116との間には、ステー119が両端を左右のフレーム120に固定されて支架されており、その両端部には、搬送される用紙103の左右方向の見当を揃える横針装置121が、フィーダボード111の幅方向へ移動調節自在に装着されている。ステー119上には、このステー119とともに搬送台を構成する1個の搬送板123と、複数個の搬送板124がフィーダボード111の幅方向に並列されている。
【0006】
この枚葉輪転印刷機において、紙積み台104上に積載された用紙103は、サッカ装置によって1枚ずつ吸引されて前方へ送り出され、上下に対接して回転している紙送りローラ105,106に捕捉されて搬送テープ114上へ送り出された後、搬送テープ114で搬送される。搬送された用紙103は、ローラ112の位置で搬送テープ114から解放され、差板116上へ送り出されて前当117に当接するまで差板116上を滑行し、前当117によって天地方向の見当を合わせられて停止したところを横針装置121によって左右の見当を合わせられる。その後、天地方向及び左右方向の見当が合わせられた用紙103はスウィング装置118でくわえられ、この後、圧胴109の爪にくわえ替えられて搬送されながら印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭62−26344号公報
【特許文献2】特開平9−255183号公報
【特許文献3】実開平3−23138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この枚葉輪転印刷機では、例えば、サッカ装置から紙送りローラ105,106、及び、紙送りローラ105,106から搬送テープ114に用紙103を受け渡す際、用紙103と紙送りローラ105,106及び用紙103と搬送テープ114間にスリップが発生し、スウィング装置118に用紙103を受け渡すタイミングがずれることがある。このタイミングのずれが大きくなると、用紙103の正確な位置に印刷を行うことができなくなり、不良印刷が発生する。そこで、印刷機本体102の回転位相に対し、給紙装置101の回転位相を調整することによって、スウィング装置118に用紙103を受け渡すタイミングを適切なタイミングに合わせるという回転位相の調整作業が行われる。
【0009】
しかしながら、従来の枚葉輪転印刷機では、図56にその概略図を示すように、給紙装置101が印刷機本体102とクラッチ125で連結され、印刷機本体102の原動モータ126で給紙装置101が駆動されていたため、スウィング装置118に用紙103を受け渡すタイミングのずれが印刷中に発生した場合、一度印刷機を停止し、クラッチ125を「切」にして、オペレータが手動で給紙装置101の回転位相を調整しなければならなかった。また、調整後にクラッチ125を「入」にして、印刷機を駆動し、用紙103を送ってみなければ、正確に調整されたか否かを確認することができなかった。このため、何度も調整をやり直すことになり、オペレータに負担がかかると共に、時間がかかって稼働率が悪くなり、かつ、余分な不良紙が発生してしまうという問題(第1の問題)があった。
【0010】
また、用紙103を受け渡す際に発生する上述したスリップ量は、印刷機の速度(本刷り時の速度)、用紙103の紙サイズ,紙厚,紙質などの印刷条件によって異なり、これらの印刷条件が変更される度に、オペレータが手動で給紙装置101の回転位相を調整しなければならず、その都度、第1の問題と同様の問題が発生していた(第2の問題)。
【0011】
なお、上述した例では、印刷機本体の回転位相に対する給紙装置の回転位相を調整するものとして説明したが、給紙装置の回転位相に対する印刷機本体の回転位相を調整してもよく、この場合にも同様の問題が生じる。
【0012】
また、上述した例では、搬送テープを用いたタイプの給紙装置を例にとって説明したが、搬送テープを用いないコロタイプの給紙装置(例えば、特許文献3参照)でも同様の問題が生じる。コロタイプの給紙装置では、用紙が紙送りローラと紙送りコロとの間に送り込まれ、紙送りローラの駆動回転によって差板上を用紙が搬送される。この場合、サッカ装置から紙送りローラと紙送りコロとの間に用紙を供給する際にのみ、スリップが発生する。
【0013】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回転位相の調整作業を簡単かつ短時間で行うことが可能なシート状物処理機の駆動制御方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために本発明は、シート状物を処理するシート状物処理装置と、積載されたシート状物を1枚ずつ送り込むサッカ装置を備え,かつ,シート状物処理装置にシート状物を供給するシート状物供給装置と、シート状物処理装置を駆動する第1のモータとを備えたシート状物処理機に、シート状物供給装置を駆動する第2のモータを設け、シート状物処理装置の現在の回転位相を検出し、予め定められたシート状物処理装置の回転位相と第2のモータの回転位相との関係からシート状物処理装置の現在の回転位相に応ずる第2のモータの基準の回転位相を求め、この求めた第2のモータの基準の回転位相をシート状物の処理条件に応じて定められる補正値で補正して現在の仮想の回転位相とし、この現在の仮想の回転位相に一致させるように第2のモータの回転位相を調整するようにしたものである。
【0015】
この発明によれば、第1のモータによってシート状物処理装置が駆動され、第2のモータによってシート状物供給装置が駆動される。例えば、シート状物処理装置を印刷機本体、シート状物供給装置を給紙装置とした場合、印刷機本体が第1のモータ(原動モータ)によって駆動され、給紙装置が第2のモータ(単独モータ)で駆動される。すなわち、印刷機本体を駆動する原動モータに対して独立して設けられた単独モータによって、給紙装置が駆動される。この印刷機本体および給紙装置の駆動中、給紙装置から印刷機本体への給紙のタイミング(スウィング装置に用紙を受け渡すタイミング)は、シート状物処理機を停止することなく、印刷機本体に対する第2のモータの回転位相を調整することによって、適切なタイミングに合わせることが可能である。
【0016】
本発明では、第1のモータによって駆動されるシート状物処理装置に対する第2のモータの回転位相を調整する。シート状物処理装置を印刷機本体、シート状物供給装置を給紙装置とした場合、第1のモータ(原動モータ)の回転位相を調整すると、印刷ずれなどが起こる虞れがあるので、第1のモータ(原動モータ)の回転位相を調整するよりも、第2のモータ(単独モータ)の回転位相を調整するようにした方がよい。
【0017】
また、本発明において、シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、第1のモータの回転速度に応じて定められる補正値としたり、シート状物の種類に応じて定められる補正値としたり、シート状物の大きさに応じて定められる補正値としたり、シート状物の厚さに応じて定められる補正値としたりする。例えば、シート状物処理装置を印刷機本体、シート状物供給装置を給紙装置とした場合、印刷機の速度(例えば、本刷り時の速度)、用紙の紙サイズ,紙厚,紙質などの印刷条件をシート状物の処理条件とし、このシート状物の処理条件に応じた単独モータの現在の仮想の回転位相を求めるようにする。このようにすることにより、印刷開始時に、そのシート状物の処理条件に応じた回転位相の調整量を自動的に求め、回転位相の自動調整を行わせるようにすることが可能となる。この場合、自動調整された回転位相は、シート状物処理機を停止することなく、後から手動で調整することも可能である。また、印刷中、シート状物の処理条件を変えることにより、回転位相の自動調整を行わせることも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シート状物を処理するシート状物処理装置と、積載されたシート状物を1枚ずつ送り込むサッカ装置を備え,かつ,シート状物処理装置にシート状物を供給するシート状物供給装置と、シート状物処理装置を駆動する第1のモータとを備えたシート状物処理機に、シート状物供給装置を駆動する第2のモータを設け、シート状物処理装置の現在の回転位相を検出し、予め定められたシート状物処理装置の回転位相と第2のモータの回転位相との関係からシート状物処理装置の現在の回転位相に応ずる第2のモータの基準の回転位相を求め、この求めた第2のモータの基準の回転位相をシート状物の処理条件に応じて定められる補正値で補正して現在の仮想の回転位相とし、この現在の仮想の回転位相に一致させるように第2のモータの回転位相を調整するようにしたので、シート状物処理機を停止させることなく、シート状物処理装置に対する第2のモータの回転位相を調整することによって、シート状物供給装置からシート状物処理装置へのシート状物の供給タイミングを適切なタイミングに合わせることが可能となり、上述した第1の問題を解決することができるようになる。
【0019】
また、本発明によれば、シート状物の処理条件に応じて定められる補正値を、第1のモータの回転速度に応じて定められる補正値としたり、シート状物の種類に応じて定められる補正値としたり、シート状物の大きさに応じて定められる補正値としたり、シート状物の厚さに応じて定められる補正値としたりすることにより、シート状物の処理条件が変更される度に、そのシート状物の処理条件に応じた回転位相の調整量を自動的に求め、回転位相の自動調整を行うようにすることが可能となり、上述した第2の問題を解決することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るシート状物処理機の駆動制御方法の実施に用いる枚葉輪転印刷機の駆動制御システムの一例を示すブロック構成図(オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置の内部構成の概略を主として示す図)である。
【図2】本発明に係るシート状物処理機の駆動制御方法の実施に用いる枚葉輪転印刷機の駆動制御システムの一例を示すブロック構成図(フィーダの駆動制御装置の内部構成の概略を主として示す図)である。
【図3】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置におけるメモリの構成を分割して示す図である。
【図4】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置におけるメモリの構成を分割して示す図である。
【図5】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置におけるメモリの構成を分割して示す図である。
【図6】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるフィーダの駆動制御装置におけるメモリの構成を示す図である。
【図7】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置における処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】図9に続くフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】図13に続くフローチャートである。
【図15】図14に続くフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】図12に続くフローチャートである。
【図18】図17に続くフローチャートである。
【図19】図18に続くフローチャートである。
【図20】図19に続くフローチャートである。
【図21】図20に続くフローチャートである。
【図22】図21に続くフローチャートである。
【図23】図22に続くフローチャートである。
【図24】図23に続くフローチャートである。
【図25】図24に続くフローチャートである。
【図26】図25に続くフローチャートである。
【図27】図26に続くフローチャートである。
【図28】図27に続くフローチャートである。
【図29】図12に続くフローチャートである。
【図30】図29に続くフローチャートである。
【図31】図30に続くフローチャートである。
【図32】図31に続くフローチャートである。
【図33】図32に続くフローチャートである。
【図34】図33に続くフローチャートである。
【図35】図34に続くフローチャートである。
【図36】図35に続くフローチャートである。
【図37】図36に続くフローチャートである。
【図38】図37に続くフローチャートである。
【図39】図38に続くフローチャートである。
【図40】図39に続くフローチャートである。
【図41】図7に続くフローチャートである。
【図42】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるフィーダの駆動制御装置における処理動作を説明するフローチャートである。
【図43】図42に続くフローチャートである。
【図44】図43に続くフローチャートである。
【図45】図44に続くフローチャートである。
【図46】図45に続くフローチャートである。
【図47】図42に続くフローチャートである。
【図48】図47に続くフローチャートである。
【図49】図48に続くフローチャートである。
【図50】図49に続くフローチャートである。
【図51】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置とフィーダの駆動制御装置との間の信号の送受のタイミングを説明する図である。
【図52】この枚葉輪転印刷機の駆動制御システムにおけるオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置でのフィーダの指令回転速度及び現在の仮想の回転位相の算出過程を説明する図である。
【図53】オフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルとして設定されているオフセット枚葉印刷機の回転位相とフィーダの基準の回転位相との関係を示す図である。
【図54】特許文献1に示された枚葉輪転印刷機の給紙搬送部の側面図である。
【図55】特許文献1に示された枚葉輪転印刷機の給紙搬送部の斜視図である。
【図56】従来の枚葉輪転印刷機の印刷機本体と給紙装置とのクラッチによる連結状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2はこの発明に係るシート状物処理機の駆動制御方法の実施に用いる枚葉輪転印刷機の駆動制御システムの一例を示すブロック構成図である。この図において、100は印刷機本体(以下、オフセット枚葉印刷機と言う)の駆動制御装置、200は給紙装置(フィーダ)の駆動制御装置であり、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100とフィーダの駆動制御装置200とは通信ラインを介して相互に接続されている。図1にはオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100の内部構成の概略を主として示し、図2にはフィーダの駆動制御装置200の内部構成の概略を主として示している。
【0022】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100は、CPU1、RAM2、ROM3、同期運転スイッチ4、オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ5、印刷機の停止スイッチ6、入力装置7、表示器8、出力装置9、被印刷物の種類設定器10、被印刷物厚設定器11、被印刷物の搬送方向(天地方向)の長さ設定器12、被印刷物の左右方向(幅方向)の長さ設定器13、フィーダの回転位相調整値設定器14、回転速度設定器15、D/A変換器16、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18、A/D変換器19,22、F/V変換器20,23、オフセット枚葉印刷機の原動モータ用ロータリエンコーダ21、フィーダの駆動モータ用ロータリエンコーダ24、オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用カウンタ25、オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ26、オフセット枚葉印刷機の原点位置検出用センサ27、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路28、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ29、フィーダの駆動モータブレーキ用回路30、フィーダの駆動モータブレーキ31、内部クロックカウンタ32、メモリ33、インタフェース(I/O、I/F)34−1〜34−10を備えている。図3〜図5にメモリ33の構成を分割して示す。メモリ33におけるメモリM1〜M40の役割については後述する。
【0023】
尚、以下の実施の形態の説明では、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18の駆動軸とオフセット枚葉印刷機の印刷機本体側の被駆動軸の間の駆動結合が駆動ベルトで行われる為、駆動ベルトのスリップにより、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18の回転位相とオフセット枚葉印刷機の印刷機本体の回転位相とが一致しない。よって、本実施の形態では、オフセット枚葉印刷機の印刷機本体側の回転部材に前記オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ26を取り付け、このオフセット枚葉印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ26の信号から直接オフセット枚葉印刷機の印刷機本体の回転位相を検出するようにしている。
【0024】
フィーダの駆動制御装置200は、CPU51、RAM52、ROM53、フィーダの単独駆動スイッチ54、フィーダの停止スイッチ55、入力装置56、表示器57、出力装置58、フィーダ用回転速度設定器59、D/A変換器60、フィーダの駆動モータドライバ61、フィーダの駆動モータ62、フィーダの駆動モータ用ロータリエンコーダ63、A/D変換器64、F/V変換器65、フィーダの回転位相検出用カウンタ66、フィーダの原点位置検出用センサ67、フィーダの駆動モータブレーキ用回路68、フィーダの駆動モータブレーキ69、メモリ70、インタフェース(I/O、I/F)71−1〜71−8を備えている。図6にメモリ70の構成を示す。メモリ70におけるメモリM51〜M61の役割については後述する。
【0025】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100において、CPU1は、入出力インタフェース34−1〜34−10を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM2やメモリ33にアクセスしながら、ROM3に格納されたプログラムに従って動作する。フィーダの駆動制御装置200において、CPU51は、入出力インタフェース71−1〜71−8を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM52やメモリ70にアクセスしながら、ROM53に格納されたプログラムに従って動作する。オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のROM3、フィーダの駆動制御装置200のROM53には、本実施の形態特有のプログラムとして、フィーダの回転位相調整プログラムがその処理機能を分担して格納されている。
【0026】
以下、図7〜図50に示すフローチャートを参照して、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1およびフィーダの駆動制御装置200のCPU51が連携して実行するフィーダの回転位相調整プログラムに従う処理動作について説明する。
【0027】
なお、図7〜図41のフローチャートはオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1が実行する処理動作を示し、図42〜図50のフローチャートはフィーダの駆動制御装置200のCPU51が実行する処理動作を示す。
【0028】
〔印刷条件の設定〕
オペレータは、印刷を開始するにあたって、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100に印刷条件を入力する。この場合、印刷条件として、被印刷物の種類設定器10より被印刷物(使用する用紙)の種類を入力し、被印刷物厚設定器11より被印刷物の厚さを入力し、被印刷物の搬送方向の長さ設定器12より被印刷物の搬送方向の長さを入力し、被印刷物の左右方向の長さ設定器13より被印刷物の左右方向の長さを入力し、回転速度設定器15より印刷機の回転速度(例えば、本刷り時の速度)を入力する。
【0029】
印刷条件が入力されると、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、被印刷物の種類設定器10より入力された被印刷物の種類をメモリM1に格納し(図7:ステップS1,S2)、被印刷物厚設定器11より入力された被印刷物の厚さをメモリM2に格納し(ステップS3,S4)、被印刷物の搬送方向の長さ設定器12から入力された被印刷物の搬送方向の長さをメモリM3に格納し(ステップS5,S6)、被印刷物の左右方向の長さ設定器13より入力された被印刷物の左右方向の長さをメモリM4に格納する(ステップS7,S8)。
【0030】
〔印刷開始〕
印刷を開始する場合、オペレータは、同期運転スイッチ4をオンとし、オフセット枚葉印刷機とフィーダとの同期運転を指示する。また、オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ5をオンとし、印刷開始を指示する。
【0031】
〔フィーダの被印刷物による回転位相補正値の算出〕
CPU1は、同期運転スイッチ4のオン、オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ5のオンを確認すると、ステップS9およびS10のYESに応じてステップS11(図8)へ進み、メモリM5から被印刷物の種類−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを読み出す。この被印刷物の種類−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルは、被印刷物の種類とフィーダの回転位相補正値との関係を示すテーブルであり、実験を繰り返すことにより定められたものである。
【0032】
そして、CPU1は、メモリM1から被印刷物の種類を読み出し(ステップS12)、メモリM5から読み出した被印刷物の種類−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを用いて、その被印刷物の種類に応じたフィーダの回転位相補正値を求め、これを被印刷物によるフィーダの基準の回転位相補正値ha0としてメモリM6に格納する(ステップS13)。
【0033】
次に、CPU1は、メモリM1から被印刷物の種類を読み出し(ステップS14)、メモリM7からその被印刷物の種類に応じた被印刷物厚−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを読み出す(ステップS15)。メモリM7には、被印刷物の種類毎に、印刷物厚とフィーダの回転位相補正値との関係を示すテーブルが定められている。このテーブルも実験を繰り返すことにより定められたものである。
【0034】
そして、CPU1は、メモリM2から被印刷物の厚さを読み出し(ステップS16)、メモリM7から読み出したその被印刷物の種類に応じた被印刷物厚−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを用いて、その被印刷物の厚さに応じたフィーダの回転位相補正値を求め、これを被印刷物によるフィーダの回転位相補正値の第1の補正値ha1としてメモリM8に格納する(ステップS17)。
【0035】
次に、CPU1は、メモリM1から被印刷物の種類を読み出し(ステップS18)、メモリM9からその被印刷物の種類に応じた被印刷物の搬送方向の長さ−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを読み出す(ステップS19)。メモリM9には、被印刷物の種類毎に、印刷物の搬送方向の長さとフィーダの回転位相補正値との関係を示すテーブルが定められている。このテーブルも実験を繰り返すことにより定められたものである。
【0036】
そして、CPU1は、メモリM3から被印刷物の搬送方向の長さを読み出し(ステップS20)、メモリM9から読み出したその被印刷物の種類に応じた被印刷物の搬送方向の長さ−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを用いて、その被印刷物の搬送方向の長さに応じたフィーダの回転位相補正値を求め、これを被印刷物によるフィーダの回転位相補正値の第2の補正値ha2としてメモリM10に格納する(図9:ステップS21)。
【0037】
次に、CPU1は、メモリM1から被印刷物の種類を読み出し(ステップS22)、メモリM11からその被印刷物の種類に応じた被印刷物の左右方向の長さ−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを読み出す(ステップS23)。メモリM11には、被印刷物の種類毎に、印刷物の左右方向の長さとフィーダの回転位相補正値との関係を示すテーブルが定められている。このテーブルも実験を繰り返すことにより定められたものである。
【0038】
そして、CPU1は、メモリM4から被印刷物の左右方向の長さを読み出し(ステップS24)、メモリM11から読み出したその被印刷物の種類に応じた被印刷物の左右方向の長さ−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを用いて、その被印刷物の左右方向の長さに応じたフィーダの回転位相補正値を求め、これを被印刷物によるフィーダの回転位相補正値の第3の補正値ha3としてメモリM12に格納する(ステップS25)。
【0039】
そして、CPU1は、メモリM6からフィーダの基準の回転位相補正値ha0を読み出し(ステップS26)、メモリM8からフィーダの回転位相補正値の第1の補正値ha1を読み出し(ステップS27)、メモリM10からフィーダの回転位相補正値の第2の補正値ha2を読み出し(ステップS28)、メモリM12からフィーダの回転位相補正値の第3の補正値ha3を読み出し(ステップS29)、基準の回転位相補正値ha0と第1の補正値ha1と第2の補正値ha2と第3の補正値ha3とを加算し、これを被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HA(HA=ha0+ha1+ha2+ha3)として、メモリM13に格納する(ステップS30)。
【0040】
〔オフセット枚葉印刷機の緩動回転〕
次に、CPU1は、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路28及びフィーダの駆動モータブレーキ用回路30に作動解除信号を送り(図10:ステップS31)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ29及びフィーダの駆動モータブレーキ31をオフとする。そして、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17への起動信号をオンとし(ステップS32)、メモリM14に設定されている緩動回転速度VPLを読み出し(ステップS33)、設定回転速度VPSとしてメモリM15に格納する(ステップS34)。また、指令回転速度VPCとしてメモリM16に格納する(ステップS35)。そして、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17へ指令回転速度VPC(緩動回転速度VPL)を出力する(ステップS36)。これにより、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18が指令回転速度VPC、すなわち緩動回転速度VPLで回転し始める。
【0041】
〔フィーダの原点復帰〕
CPU1は、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17に指令回転速度VPCを出力した後(ステップS36)、フィーダの駆動制御装置200に原点復帰開始指令を送信する(ステップS37)。
【0042】
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100から原点復帰開始指令が送られてくると(図42:ステップS401のYES)、この原点復帰開始指令を受信し(ステップS402)、フィーダの駆動モータドライバ61への起動信号をオンとする(ステップS403)。そして、メモリM51に設定されている緩動回転速度VFLを読み出し(ステップS404)、この読み出した緩動回転速度VFLを指令回転速度VFCとしてメモリM52に書き込むと共に(ステップS405)、フィーダの駆動モータドライバ61に指令回転速度VFC(緩動回転速度VFL)を出力する(ステップS406)。これにより、フィーダの駆動モータ62が指令回転速度VFC、すなわち緩動回転速度VFLで回転し始める。
【0043】
この緩動回転速度VFLでの回転により、フィーダの駆動モータ62の回転位置が基準の回転角度位置として予め定められている原点位置θF0に達すると、フィーダの原点位置検出用センサ67がオンとなる。フィーダの原点位置検出用センサ67がオンとなると(ステップS407のYES)、CPU51は、フィーダの駆動モータドライバ61に停止指令を出力する(ステップS408)。これにより、フィーダの駆動モータ62が原点位置θF0で停止する。また、これと同時に、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100に原点復帰完了信号を出力する(ステップS409:図51(a)参照)。
【0044】
〔オフセット枚葉印刷機とフィーダの同期原点合わせ〕
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、フィーダの駆動制御装置200から原点復帰完了信号が送られてくると(図10:ステップS38のYES)、この原点復帰完了信号を受信し(図11:ステップS39)、オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用カウンタ25のカウント値を読み込む(ステップS40)。
【0045】
そして、この読み込んだカウント値よりオフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRを演算し(ステップS41)、フィーダの原点位置θF0に対応してメモリM19に設定されているオフセット枚葉印刷機の同期待機位置θP0を読み出し(ステップS42)、オフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRが同期待機位置θP0となるまで(ステップS43のYES)、ステップS40〜S43の処理を繰り返す。
【0046】
この処理の繰り返し中、オフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRが同期待機位置θP0に達すると(ステップS43のYES:図51(b)参照)、CPU1は、フィーダの駆動制御装置200へ同期原点合わせ開始指令を送信する(ステップS44)。
【0047】
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100から同期原点合わせ開始指令が送られてくると(図43:ステップS410のYES)、この同期原点合わせ開始指令を受信し(ステップS411)、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100からの後述するフィーダの指令回転速度及び現在の仮想の回転位相の送信を待つ(ステップS412)。
【0048】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、駆動制御装置200へ同期原点合わせ開始指令を送信した後(ステップS44)、メモリM14から緩動回転速度VPLを読み出し(ステップS45)、この読み出した緩動回転速度VPLを設定回転速度VPSとしてメモリM15に書き込む(ステップS46)。また、メモリM16に指令回転速度VPCとして書き込む(ステップS47)。
【0049】
そして、内部クロックカウンタ32にリセット信号及びイネーブル信号を出力し(図12:ステップS48)、内部クロックカウンタ32へのリセット信号を停止し(ステップS49)、内部クロックカウンタ32における0からのクロックパルスのカウントを開始させる。
【0050】
そして、メモリM20に設定されているフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔(フィーダの指令回転速度及び現在の仮想の回転位相を送信する時間間隔)Tを読み出し(ステップS50)、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS51)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となれば(ステップS52のYES)、オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用カウンタ25のカウント値を読み込み(ステップS55)、このオフセット枚葉印刷機の回転位相検出用カウンタ25のカウント値よりオフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRを演算し、メモリM18に格納する(図13:ステップS56)。
【0051】
そして、メモリM16よりオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(緩動回転速度VPL)を読み出し(ステップS57)、メモリM20よりフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(ステップS58)、指令回転速度VPCに送信時間間隔Tを乗算し、次回送信までにオフセット枚葉印刷機が進む回転位相ΔθPRTを演算し、メモリM21に格納する(ステップS59)。
【0052】
そして、メモリM18よりオフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRを読み出し(ステップS60)、このオフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRに次回送信までにオフセット枚葉印刷機が進む回転位相ΔθPRTを加算し、次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTを演算し、メモリM22に格納する(ステップS61)。
【0053】
ここで、次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTが360゜以上であれば(ステップS62のYES)、次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTから360゜を減算し、求めた回転位相を次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTとしてメモリM22に上書きする(ステップS63)。
【0054】
次に、CPU1は、メモリM23からオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルを読み出す(図14:ステップS64)。このオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルは、オフセット枚葉印刷機の回転位相とフィーダの基準の回転位相との関係を示すテーブルであり、予め図53に示すような関係として定められている。
【0055】
搬送テープを用いたタイプのフィーダでは、オフセット枚葉印刷機の回転位相とフィーダの基準の回転位相との関係は直線状とはならず、オフセット枚葉印刷機の回転位相の変化に対してフィーダの回転位相の変化に加減速が生じる曲線状の関係となる。すなわち、用紙の送り始めや送り終わりではフィーダの回転位相の変化が小さく、中間部ではフィーダの回転位相の変化が大きくなる関係となり、フィーダの回転位相の変化(用紙の搬送スピード)に加減速が生じる。本実施の形態では、この関係をオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルとして、メモリM23に格納している。
【0056】
CPU1は、メモリM23からオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルを読み出した後(ステップS64)、メモリM18よりオフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRを読み出す(ステップS65)。そして、メモリM23から読み出したオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルを用いて、オフセット枚葉印刷機の現在の回転位相θPRに応じたフィーダの現在の基準の回転位相θFAを求め(図52(a)参照)、メモリM24に格納する(ステップS66)。
【0057】
また、CPU1は、メモリM22より次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTを読み出し(ステップS67)、メモリM23から読み出したオフセット枚葉印刷機の回転位相−フィーダの基準の回転位相変換用テーブルを用いて、次回送信時のオフセット枚葉印刷機の回転位相θPTに応じた次回送信時のフィーダの基準の回転位相θFBを求め(図52(b)参照)、メモリM25に格納する(ステップS68)。
【0058】
そして、次回送信時のフィーダの基準の回転位相θFBよりフィーダの現在の基準の回転位相θFAを減算し、次回送信までにフィーダが進む回転位相ΔθFABを演算し、メモリM26に格納する(ステップS69)。なお、次回送信までにフィーダが進む回転位相ΔθFABが<0であった場合には(ステップS70のYES)、次回送信までにフィーダが進む回転位相ΔθFABに360゜を加算し、これにより求められた回転位相を次回送信までにフィーダが進む回転位相ΔθFABとしてメモリM26に上書きする(ステップS71)。
【0059】
そして、CPU1は、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(ステップS72)、次回送信までにフィーダが進む回転位相ΔθFABを送信時間間隔Tで除算し、この除算した結果をフィーダの指令回転速度VFCとし、メモリM27に格納する(図15:ステップS73)。
【0060】
次に、CPU1は、フィーダの回転位相調整値設定器14よりフィーダの回転位相調整値(手動調整値)が入力されているか否かを確認し(ステップS74)、フィーダの回転位相調整値が入力されていれば(ステップS74のYES)、そのフィーダの回転位相調整値をメモリM28に格納する(ステップS75)。この例では、フィーダの回転位相調整値設定器14からはまだフィーダの回転位相調整値が入力されておらず、メモリM28内のフィーダの回転位相調整値は0(初期値)であるものとする。
【0061】
次に、CPU1は、メモリM28からフィーダの回転位相調整値を読み出し(ステップS76)、この読み出したフィーダの回転位相調整値より手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCを演算し、メモリM29に格納する(ステップS77)。この例では、メモリM28から読み出されるフィーダの回転位相調整値は0であるので、手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCも0となる。
【0062】
次に、CPU1は、メモリM30よりオフセット枚葉印刷機の原動モータの回転速度−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを読み出す(ステップS78)。このオフセット枚葉印刷機の原動モータの回転速度−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルは、オフセット枚葉印刷機の原動モータの回転速度とフィーダの回転位相補正値との関係を示すテーブルであり、実験を繰り返すことにより定められたものである。
【0063】
そして、CPU1は、メモリM16からオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(緩動回転速度VPL)を読み出し(ステップS79)、メモリM30から読み出したオフセット枚葉印刷機の原動モータの回転速度−フィーダの回転位相補正値変換用テーブルを用いて、オフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPCに応じたフィーダの回転位相補正値を求め、これを速度によるフィーダの回転位相補正値HBとしてメモリM31に格納する(ステップS80)。
【0064】
そして、CPU1は、メモリM13から被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HAを読み出し(ステップS81)、メモリM29より手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCを読み出し(図16:ステップS82)、メモリM31より速度によるフィーダの回転位相補正値HBを読み出し(ステップS83)、メモリM24よりフィーダの現在の基準の回転位相θFAを読み出す(ステップS84)。
【0065】
そして、フィーダの現在の基準の回転位相θFAに被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HAと速度によるフィーダの回転位相補正値HBと手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCとを加算し、この加算した結果をフィーダの現在の仮想の回転位相θFA’(θFA’=θFA+HA+HB+HC)として(図52(c)参照)、メモリM32に格納する(ステップS85)。
【0066】
なお、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’が360゜以上であれば(ステップS86のYES)、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’から360゜を減算し、これにより求められた回転位相をフィーダの現在の仮想の回転位相θFA’としてメモリM32に上書きする(ステップS87)。
【0067】
そして、CPU1は、メモリM27よりフィーダの指令回転速度VFCを読み出し(ステップS88)、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信する(ステップS89:図51(c)参照)。そして、このフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’の送信後、ステップS48(図12)の処理へと戻る。
【0068】
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100からフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’が送信されてくると(図43:ステップS412のYES)、受信したフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’をメモリM52およびメモリM53に格納する(ステップS413)。
【0069】
そして、CPU51は、フィーダの回転位相検出用カウンタ66のカウント値を読み込み(ステップS414)、この読み込んだカウント値よりフィーダの現在の回転位相θFRを演算し、メモリM55に格納する(ステップS415)。そして、メモリM53に格納されているフィーダの現在の仮想の回転位相θFA’を読み出す(ステップS416)。
【0070】
ここで、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’がθFA’>340゜で(図44:ステップS417のYES)、かつフィーダの現在の回転位相θFRがθFR<20゜であれば(ステップS418、ステップS419のYES)、フィーダの現在の回転位相θFRに360゜を加算し、これにより求められた回転位相をフィーダの現在の回転位相θFRとしてメモリM55に上書きする(ステップS420)。
【0071】
また、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’がθFA’<20゜で(ステップS421のYES)、かつフィーダの現在の回転位相θFRがθFR>340゜であれば(ステップS422、ステップS423のYES)、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’に360゜を加算し、求めた回転位相をフィーダの現在の仮想の回転位相θFA’としてメモリM53に上書きする(ステップS424)。
【0072】
そして、CPU51は、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’よりフィーダの現在の回転位相θFRを減算し、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’を求め(図52(d)参照)、この求めたフィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’をメモリM56に格納する(図45:ステップS425)。また、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’より、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’の絶対値を求め、メモリM57に格納する(ステップS426)。そして、メモリM58に設定されているフィーダの回転位相差の許容値ΔθFthを読み出し(ステップS427)、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’の絶対値とフィーダの回転位相差の許容値ΔθFthとを比較する(ステップS428)。
【0073】
ここで、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’の絶対値がフィーダの回転位相差の許容値ΔθFthよりも大きければ(ステップS428のNO)、メモリM59よりフィーダの現在の回転位相差−指令回転速度の補正値変換テーブルを読み出し(図46:ステップS432)、メモリM56よりフィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’を読み出し(ステップS433)、フィーダの現在の回転位相差−指令回転速度の補正値変換テーブルを用いて、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’に応じた指令回転速度の補正値ΔVFCを求め、メモリM60に格納する(ステップS434)。
【0074】
そして、メモリM52よりフィーダの指令回転速度VFCを読み出し(ステップS435)、フィーダの指令回転速度VFCにフィーダの指令回転速度の補正値ΔVFCを加算し、これにより求められた回転速度を指令回転速度VFCとしてメモリM52に上書きし(ステップS436)、フィーダの駆動モータドライバ61に指令回転速度VFCを出力する(ステップS437)。これにより、フィーダの駆動モータ62が補正された指令回転速度VFCで回転し始める。
【0075】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、オフセット枚葉印刷機の回転位相θPRが同期待機位置θP0に達した後、送信時間間隔Tが経過した時点で、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信するが、次の送信時間間隔Tが経過するまでの間にフィーダの駆動制御装置200から同期原点合わせ完了信号(後述)が返送されてこなければ、ステップS55(図12)〜S89(図16)の処理を繰り返し、フィーダの駆動制御装置200へのフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’の送信を繰り返す。
【0076】
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100からフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’が送信されてくる毎に、ステップS412(図43)のYESに応じて、ステップS413以降の処理を繰り返す。
【0077】
この処理中、フィーダの現在の回転位相差ΔθFRA’の絶対値がフィーダの回転位相差の許容値ΔθFth以下となれば(図45:ステップS428のYES)、CPU51は、メモリM52からフィーダの指令回転速度VFCを読み出し(ステップS429)、フィーダの駆動モータドライバ61に指令回転速度VFCを出力し(ステップS430)、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100に同期原点合わせ完了信号を送信する(ステップS431:図51(d)参照)。
【0078】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、送信時間間隔Tの計時中にフィーダの駆動制御装置200から同期原点合わせ完了信号が送られてくると(図12:ステップS53のYES)、このフィーダの駆動制御装置200からの同期原点合わせ完了信号を受信して(図17:ステップS90)、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(ステップS91)、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS92)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となった時点で(ステップS93のYES)、ステップS94へ進み、ステップS55(図12)〜S89(図16)と同様のステップS94(図17)〜S128(図21)の処理を行って、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信する(図51(e)参照)。
【0079】
そして、CPU1は、メモリM16よりオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(緩動回転速度VPL)を読み出し(ステップS129)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17へ指令回転速度VPCを出力し(ステップS130)、この指令回転速度VPCをオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold としてメモリM33に書き込む(ステップS131)。
【0080】
そして、内部クロックカウンタ32にリセット信号及びイネーブル信号を出力し(図22:ステップS132)、内部クロックカウンタ32へのリセット信号を停止し(ステップS133)、内部クロックカウンタ32における0からのクロックパルスのカウントを開始させる。
【0081】
〔増速〕
次に、CPU1は、回転速度設定器15に回転速度VPが入力されているか否かを確認し(ステップS134)、回転速度VPが入力されていれば(ステップS134のYES)、その回転速度VPを設定回転速度VPSとしてメモリM15に格納する(ステップS135)。この例では、回転速度VPとして、本刷り時の速度が入力されているものとする。したがって、ステップS134のYESに応じてステップS135へ進み、本刷り時の速度を設定回転速度VPSとしてメモリM15に格納する。
【0082】
そして、CPU1は、メモリM15からオフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSを読み出し(ステップS136)、メモリM33からオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold を読み出し(ステップS137)、設定回転速度VPSと前回の指令回転速度VPCold とを比較する(ステップS138)。
【0083】
この場合、前回の指令回転速度VPCold は緩動回転速度VPLとなっているので、ステップS138のNOに応じてステップS140(図23)へ進む。ステップS140では、設定回転速度VPSが前回の指令回転速度VPCold よりも大きいか否かをチェックする。この場合、設定回転速度VPSが前回の指令回転速度VPCold よりも大きいので(ステップS140のYES)、メモリM34から増速時の回転速度修正値Δαを読み出し(ステップS141)、前回の指令回転速度VPCold に増速時の回転速度修正値Δαを加算し、この加算結果を修正した指令回転速度VPCnew としてメモリM36に書き込む(ステップS142a)。そして、オフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSをメモリM15から読み出し(ステップS142b)、修正した指令回転速度VPCnew が設定回転速度VPSよりも大きければ(ステップS142cのYES)、修正した指令回転速度VPCnew をオフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSに書き換える(ステップS142d)。そして、メモリM16内の指令回転速度VPCを修正した指令回転速度VPCnew に書き換える(ステップS147)。
【0084】
そして、CPU1は、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(図24:ステップS148)、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS149)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となった時点で(ステップS150のYES)、ステップ151へ進み、ステップS55(図12)〜S89(図16)と同様のステップS151(図24)〜S185(図28)の処理を行って、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信する。但し、この処理において、オフセット枚葉印刷機の指令回転速度は、ステップS147で書き替えられた新しい指令回転速度VPC(VPCnew )が用いられる。
【0085】
そして、CPU1は、メモリM16よりオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(VPCnew )を読み出し(図28:ステップS186)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17へ指令回転速度VPCを出力し(ステップS187)、この指令回転速度VPCをオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold としてメモリM33に書き込み(ステップS188)、ステップS189のNOに応じてステップS132(図22)に戻り、同様の処理を繰り返す。これにより、ΔθFRA’≦ΔθFthを保ちながら、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18とフィーダの駆動モータ62の速度が増速して行く。
【0086】
〔減速〕
オフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSが変更されるなどして、オフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold がオフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSを超えると(図23:ステップS140のNO)、CPU1は、メモリM35から減速時の回転速度修正値Δβを読み出す(ステップS143)。そして、前回の指令回転速度VPCold から減速時の回転速度修正値Δβを減算し、この減算結果を修正した指令回転速度VPCnew としてメモリM36に書き込む(ステップS144a)。そして、オフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSをメモリM15から読み出し(ステップS144b)、修正した指令回転速度VPCnew が設定回転速度VPSよりも小さければ(ステップS145のYES)、その修正した指令回転速度VPCnew をオフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSに書き換える(ステップS146)。そして、ステップS147へ進み、メモリM16内の指令回転速度VPCを修正した指令回転速度VPCnew に書き換える。
【0087】
そして、CPU1は、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(図24:ステップS148)、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS149)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となった時点で(ステップS150のYES)、ステップS151へ進み、前述したステップS152〜S185の処理を行って、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信する。
【0088】
そして、メモリM16よりオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(VPCnew )を読み出し(図28:ステップS186)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17へ指令回転速度VPCを出力し(ステップS187)、この指令回転速度VPCをオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold としてメモリM33に書き込み(ステップS188)、ステップS189のNOに応じてステップS132(図22)に戻り、同様の処理を繰り返す。これにより、ΔθFRA’≦ΔθFthを保ちながら、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18とフィーダの駆動モータ62の速度が減速して行く。
【0089】
〔通常の印刷速度〕
オフセット枚葉印刷機の設定回転速度VPSとオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold とが等しくなると(図22:ステップS138のYES)、CPU1は、メモリM16内の指令回転速度VPCを設定回転速度VPSに書き替えて(ステップS139)、ステップS148(図24)への処理へと進む。これにより、ΔθFRA’≦ΔθFthを保ちながら、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18とフィーダの駆動モータ62が本刷り時の速度(通常の印刷速度)で回転を続ける。
【0090】
なお、この「増速」、「減速」、「通常の印刷速度」の処理において、フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100からフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’が送信されてくると、ステップS438(図47)のYESに応じてステップS439へ進み、ステップS413(図43)〜S437(図46)と同様のステップS439(図47)〜462(図49)の処理を行って、フィーダの駆動モータ62の回転を制御する。なお、この処理において、ステップS456の後にはステップS431に対応するステップがなく、同期合わせ完了信号の送信は行われない。
【0091】
〔フィーダの回転位相の自動調整〕
上述した処理動作において、CPU1は、フィーダの現在の基準の回転位相θFAに被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HAと速度によるフィーダの回転位相補正値HBと手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCとを加算し、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’を求める。
【0092】
ここで、被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HAは用紙の紙サイズ,紙厚,紙質から自動的に求められ、速度によるフィーダの回転位相補正値HBは印刷機の速度から自動的に求められ、これによってフィーダの回転位相が自動調整される。したがって、オペレータは、印刷開始時にこれらの印刷条件を入力するのみでよく、印刷条件に合わせてフィーダの回転位相を調整する必要がない。これにより、オペレータの負荷が軽減され、見当精度も向上する。
【0093】
〔フィーダの回転位相の手動調整〕
本実施の形態において、フィーダの回転位相は、手動で調整することも可能である。この手動調整は、印刷機の動作を停止させることなく、自由に行うことができる。フィーダの回転位相を手動調整したい場合、オペレータは、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100において、フィーダの回転位相調整値設定器14よりフィーダの回転位相調整値(手動調整値)を入力する。CPU1は、このフィーダの回転位相調整値から手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCを求め、フィーダの現在の仮想の回転位相θFA’を算出する際に用いる。これにより、印刷機の動作を停止させることなく、フィーダの回転位相が調整されることになり、印刷機の停止時間が削減でき、稼働率が向上し、オペレータの負荷が軽減される。
【0094】
このように、本実施の形態では、印刷機の動作を停止させることなく、フィーダの回転位相の調整作業を簡単かつ短時間で行うことができるので、従来の第1の問題を解決することができるようになる。また、印刷機の速度(本刷り時の速度)、用紙の紙サイズ,紙厚,紙質などの印刷条件に応じてフィーダの回転位相が自動調整されるので、印刷条件が変更される度に、その印刷条件に合わせてフィーダの回転位相を調整する必要がなく、従来の第2の問題を解決することができるようになる。
【0095】
〔印刷機の停止〕
オペレータは、印刷機を停止したい場合、印刷機の停止スイッチ6をオンとする。通常速度での回転中、印刷機の停止スイッチ6がオンとされると、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、ステップS189(図28)のYESに応じてステップS231(図34)へ進み、メモリM15に格納されている設定回転速度VPSを0する。また、内部クロックカウンタ32にリセット信号及びイネーブル信号を出力し(ステップS232)、内部クロックカウンタ32へのリセット信号を停止し(ステップS233)、内部クロックカウンタ32における0からのクロックパルスのカウントを開始させる。
【0096】
そして、メモリM33からオフセット印刷機の前回の指令回転速度VPCold を読み出し(ステップS234)、前回の指令回転速度VPCold が0でないことを確認のうえ(ステップS235のNO)、メモリM35から減速時の回転速度修正値Δβを読み出す(ステップS236)。そして、前回の指令回転速度VPCold から減速時の回転速度修正値Δβを減算し、この減算結果を修正した指令回転速度VPCnew としてメモリM36に書き込む(ステップS237)。なお、修正した指令回転速度VPCnew が<0であった場合には(ステップS238のYES)、その修正した指令回転速度VPCnew を0とする(ステップS239)。そして、ステップS240へ進み、メモリ16内の指定回転速度VPCを修正した指令回転速度VPCnew に書き替える。また、メモリM33に、修正した指令回転速度VPCnew をVPCold として書き込む(ステップ241)。
【0097】
そして、CPU1は、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出し(図35:ステップS243)、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS244)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となった時点で(ステップS245のYES)、ステップ246へ進み、ステップS55(図12)〜S89(図16)と同様のステップS246(図35)〜S280(図39)の処理を行って、フィーダの駆動制御装置200にフィーダの指令回転速度VFCおよび現在の仮想の回転位相θFA’を送信する。但し、この処理において、オフセット枚葉印刷機の指令回転速度は、ステップS240で書き替えられた新しい指令回転速度VPC(VPCnew )が用いられる。
【0098】
そして、CPU1は、メモリM16よりオフセット枚葉印刷機の指令回転速度VPC(VPCnew )を読み出し(図39:ステップS281)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17へ指令回転速度VPCを出力し(ステップS282)、この指令回転速度VPCをオフセット枚葉印刷機の前回の指令回転速度VPCold としてメモリM33に書き込む(ステップS283)。
【0099】
そして、F/V変換器20および23の出力を読み込み(図40:ステップS284)、このF/V変換器20および23の出力より現在のオフセット枚葉印刷機およびフィーダの回転速度を求め(ステップS285)、この現在のオフセット枚葉印刷機およびフィーダの回転速度が0でないことを確認のうえ(ステップS286のNO)、ステップS232(図34)に戻り、同様の処理を繰り返す。これにより、ΔθFRA’≦ΔθFthを保ちながら、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18とフィーダの駆動モータ62の速度が減速して行く。
【0100】
CPU1は、この印刷機の停止処理中、前回の指令回転速度VPCold が0となると(図34:ステップS235のYES)、メモリM16内の指令回転速度VPCを0とする(ステップS242)。また、CPU1は、この印刷機の停止処理中、F/V変換器20および23の出力を読み込み(図40:ステップS284)、このF/V変換器20および23の出力より現在のオフセット枚葉印刷機およびフィーダの回転速度を求め(ステップS285)、この現在のオフセット枚葉印刷機およびフィーダの回転速度が0となると(ステップS286のYES)、フィーダの駆動制御装置200に同期運転停止指令を送信する(ステップS287)。
【0101】
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100から同期運転停止指令が送信されてくると(図49:ステップS463のYES)、このオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100からの同期運転停止指令を受信して(ステップS464)、オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100に同期運転停止信号を送信するとともに(ステップS465)、フィーダの駆動モータドライバ61への起動信号をオフとし(ステップS466)、フィーダの駆動モータブレーキ用回路68へ作動信号を出力し(ステップS467)、フィーダの駆動モータブレーキ69をオンとする。
【0102】
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、フィーダの駆動制御装置200から同期運転停止信号が送られてくると(図40:ステップS288のYES)、このフィーダの駆動制御装置200からの同期運転停止信号を受信して(ステップS289)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ18への起動信号をオフとし(ステップS290)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路29へ作動信号を出力し(ステップS291)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ29をオンとする。
【0103】
このようにして、印刷中、印刷機の停止スイッチ6がオンとされると、印刷機が停止される。印刷機の停止後、同期運転スイッチ4がオフとされると(ステップS292のYES)、CPU1はステップS1(図6)の処理へと戻る。印刷機の停止後、オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ5がオンとされると(ステップS293のYES)、CPU1はステップS11(図7)の処理へと戻る。
【0104】
〔同期原点合わせ中に印刷を中止したい場合〕
通常は図51(d)に示したように、フィーダの駆動制御装置200からオフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100へ同期原点合わせ完了信号が送られてくる。しかし、同期原点合わせ中に、オペレータが被印刷物の種類や被印刷物厚の設定ミス等に気付き、途中でオフセット枚葉印刷機を止めたい場合がある。
【0105】
このような場合、オペレータは、印刷機の停止スイッチ6をオンとする。オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、ステップS54(図12)のYESに応じて、ステップS190(図29)へ進み、メモリM20からフィーダの駆動制御装置200への送信時間間隔Tを読み出す。そして、内部クロックカウンタ32のカウント値を読み込み(ステップS191)、内部クロックカウンタ32のカウント値が送信時間間隔T以上となった時点で(ステップS192のYES)、ステップS193へ進み、ステップS94(図17)〜S131(図21)と同様のステップS193(図29)〜S230(図33)の処理を行った後、ステップS231(図34)〜S291(図40)の処理を実行する。これにより、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18およびフィーダの駆動モータ61の速度が減速され、停止する。
【0106】
〔オフセット枚葉印刷機の単独運転〕
オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置100のCPU1は、同期運転スイッチ4をオフとして、オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ5がオンとされた場合、ステップS9(図7)のNOに応じてステップS294(図41)へ進み、回転速度設定器15より入力されている印刷機の回転速度VPを設定回転速度VPSとしてメモリM15に格納する(ステップS295)。
【0107】
そして、オフセット枚葉印刷機の駆動スイッチ5がオンとされていることを確認のうえ(ステップS296のYES)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路28に作動解除信号を送り(ステップS297)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ29をオフとし、設定回転速度VPSをメモリM16に指令回転速度VPCとして書き込み(ステップS298)、このメモリM16に書き込んだ指令回転速度VPCを読み出して(ステップS299)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17に出力する(ステップS300)。これにより、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18が指令回転速度VPC、すなわち回転速度設定器15より入力された回転速度VPで回転し、印刷機本体の単独運転が行われる。
【0108】
印刷機の停止スイッチ6がオンとされると(ステップS301のYES)、CPU1は、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17への停止指令を出力し(ステップS302)、オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ17への起動信号をオフとし(ステップS303)、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路28に作動信号を出力する(ステップS304)。これにより、オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ29がオンとされ、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18が停止する。
【0109】
〔フィーダの単独運転〕
フィーダの駆動制御装置200のCPU51は、フィーダ用回転速度設定器59よりフィーダの回転速度VFが入力されると(図50:ステップS468のYES)、このフィーダの回転速度VFを設定回転速度VFSとしてメモリM61に格納する(ステップS469)。
【0110】
ここで、フィーダの単独駆動スイッチ54がオンとされると(ステップS470のYES)、CPU51は、フィーダの駆動モータブレーキ用回路68に作動解除信号を送り(ステップS471)、フィーダの駆動モータブレーキ69をオフとする。
【0111】
そして、設定回転速度VFSをメモリM52に指令回転速度VFCとして書き込み(ステップS472)、このメモリM52に書き込んだ指令回転速度VPCを読み出して(ステップS473)、フィーダの駆動モータドライバ61に出力する(ステップS474)。これにより、フィーダの駆動モータ62が指令回転速度VFC、すなわちフィーダ用回転速度設定器59より入力された回転速度VFで回転し、フィーダの単独運転が行われる。
【0112】
フィーダの停止スイッチ55がオンとされると(ステップS475のYES)、CPU51は、フィーダの駆動モータドライバ61への停止指令を出力し(ステップS476)、フィーダの駆動モータドライバ61への起動信号をオフとし(ステップS477)、フィーダの駆動モータブレーキ用回路68に作動信号を出力する(ステップS478)。これにより、フィーダの駆動モータブレーキ69がオンとされ、フィーダの駆動モータ62が停止する。
【0113】
なお、この実施の形態では、枚葉輪転印刷機を例にとって説明したが、枚葉輪転印刷機に限られるものでないことは言うまでもない。枚葉輪転印刷機では、オフセット枚葉印刷機がシート状物を処理するシート状物処理装置に対応し、フィーダがシート状物を供給するシート状物供給装置に対応する。このようなシート状物処理装置とシート状物供給装置を備えたシート状物処理機であれば、どのようなものでも本発明を適用することが可能である。
【0114】
また、この実施の形態では、オフセット枚葉印刷機の印刷機本体の回転位相に対するフィーダの駆動モータ62の回転位相を調整するようにしたが、フィーダの駆動モータ62の回転位相に対するオフセット枚葉印刷機の原動モータ18の回転位相を調整するようにすると、枚葉輪転印刷機の場合、印刷ずれなどが起こる虞れがある。このため、オフセット枚葉印刷機の原動モータ18の回転位相を調整するよりも、フィーダの駆動モータ62の回転位相を調整するようにした方がよい。
【0115】
また、この実施の形態では、搬送テープを用いたフィーダ(給紙装置)を例にとって説明したが、搬送テープを用いないコロタイプの給紙装置でも同様にして適用することができる。コロタイプの給紙装置では、サッカ装置から紙送りローラと紙送りコロとの間に用紙を供給する際にのみスリップが発生するので、この部分でのスリップ量を考慮して印刷条件と回転位相の補正値との関係を示すテーブルを定めるようにすればよい。コロタイプの給紙装置では、オフセット枚葉印刷機の回転位相とフィーダの基準の回転位相との関係が直線状となるので、搬送テープを用いるタイプよりも処理が簡単となる。
【0116】
また、上述した実施の形態では、印刷を開始する前に被印刷物の種類、被印刷物の厚さ、被印刷物の搬送方向の長さ、被印刷物の搬送方向の左右方向の長さ、印刷機の回転速度などの印刷条件を設定するようにしたが、この印刷条件を印刷中に変更するようにしてもよい。これらの印刷条件を印刷中に変更すると、被印刷物によるフィーダの回転位相補正値HAや速度によるフィーダの回転位相補正値HBがその変更した印刷条件に応じた値として算出され、フィーダの回転位相の自動調整が行われるものとなる。
【0117】
また、フィーダの回転位相の手動調整後、手動調整によるフィーダの回転位相補正値HCを印刷条件に合わせて記憶させておくものとすれば、同じ印刷条件での印刷時に、最初から使用するようにして、オペレータの手動調整の手間をなくすことが可能となる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、通常の印刷速度の場合だけではなく、増速時や減速時にもΔθFRA’≦ΔθFthが保たれる。これにより、印刷を開始してから印刷を終了するまで、全ての期間において、印刷ずれのない良好な印刷物を得ることが可能となり、不良印刷の発生数が少なくなる。
【0119】
また、小型のオフセット枚葉印刷機の場合等、原動モータ18の駆動軸とオフセット枚葉印刷機の印刷機本体側の被駆動軸の間の駆動結合がギアで行われ、その間でスリップがほとんど発生しない場合には、オフセット枚葉印刷機の印刷機本体の回転位相の検出を、オフセット枚葉印刷機の原動モータ用ロータリエンコーダ21の信号から間接的に検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1…CPU、2…RAM、3…ROM、4…同期運転スイッチ、5…オフセット枚葉印刷機駆動スイッチ、6…印刷機の停止スイッチ、7…入力装置、8…表示器、9…出力装置、10…被印刷物の種類設定器、11…被印刷物厚設定器、12…被印刷物の搬送方向の長さ設定器、13…被印刷物の左右方向の長さ設定器、14…フィーダの回転位相調整値設定器、15…回転速度設定器、16…D/A変換器、17…オフセット枚葉印刷機の原動モータドライバ、18…オフセット枚葉印刷機の原動モータ、19,22…A/D変換器、20,23…F/V変換器、21…オフセット枚葉印刷機の原動モータ用ロータリエンコーダ、24…フィーダの駆動モータ用ロータリエンコーダ、25…オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用カウンタ、26…オフセット枚葉印刷機の回転位相検出用ロータリエンコーダ、27…オフセット枚葉印刷機の原点位置検出用センサ、28…オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ用回路、29…オフセット枚葉印刷機の原動モータブレーキ、30…フィーダの駆動モータブレーキ用回路、31…フィーダの駆動モータブレーキ、32…内部クロックカウンタ、33…メモリ、34−1〜34−10…インタフェース(I/O、I/F)、51…CPU、52…RAM、53…ROM、54…フィーダの単独駆動スイッチ、55…フィーダの停止スイッチ、56…入力装置、57…表示器、58…出力装置、59…フィーダ用回転速度設定器、60…D/A変換器、61…フィーダの駆動モータドライバ、62…フィーダの駆動モータ、63…フィーダの駆動モータ用ロータリエンコーダ、64…A/D変換器、65…F/V変換器、66…フィーダの回転位相検出用カウンタ、67…フィーダの原点位置検出用センサ、68…フィーダの駆動モータブレーキ用回路、69…フィーダの駆動モータブレーキ、70…メモリ、71−1〜71−8…インタフェース(I/O、I/F)、100…オフセット枚葉印刷機の駆動制御装置、200…フィーダの駆動制御装置、101…給紙装置(フィーダ)、102…印刷機本体、103…用紙、104…紙積み台、105,106…紙送りローラ、107…版胴、108…ゴム胴、109…圧胴、110…紙渡し胴、111…フィーダボード、112,113…ローラ、114…搬送テープ、115…小フレーム、116…差板、117…前当、118…スウィング装置、119…ステー、120…フレーム、121…横針装置、123,124…搬送板、125…クラッチ、126…原動モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物を処理するシート状物処理装置と、積載されたシート状物を1枚ずつ送り込むサッカ装置を備え,かつ,前記シート状物処理装置に前記シート状物を供給するシート状物供給装置と、前記シート状物処理装置を駆動する第1のモータと、前記シート状物供給装置を駆動する第2のモータとを備えたシート状物処理機の駆動制御方法であって、
前記シート状物処理装置の現在の回転位相を検出し、予め定められた前記シート状物処理装置の回転位相と前記第2のモータの回転位相との関係から前記シート状物処理装置の現在の回転位相に応ずる前記第2のモータの基準の回転位相を求め、この求めた第2のモータの基準の回転位相を前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値で補正して現在の仮想の回転位相とし、この現在の仮想の回転位相に一致させるように前記第2のモータの回転位相を調整する回転位相調整ステップ
を備えることを特徴とするシート状物処理機の駆動制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたシート状物処理機の駆動制御方法において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記第1のモータの回転速度に応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたシート状物処理機の駆動制御方法において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の種類に応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載されたシート状物処理機の駆動制御方法において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の大きさに応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載されたシート状物処理機の駆動制御方法において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の厚さに応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御方法。
【請求項6】
シート状物を処理するシート状物処理装置と、積載されたシート状物を1枚ずつ送り込むサッカ装置を備え,かつ,前記シート状物処理装置に前記シート状物を供給するシート状物供給装置と、前記シート状物処理装置を駆動する第1のモータと、前記シート状物供給装置を駆動する第2のモータとを備えたシート状物処理機の駆動制御装置であって、
前記シート状物処理装置の現在の回転位相を検出し、予め定められた前記シート状物処理装置の回転位相と前記第2のモータの回転位相との関係から前記検出したシート状物処理装置の現在の回転位相に応ずる前記第2のモータの基準の回転位相を求め、この求めた第2のモータの基準の回転位相を前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値で補正して現在の仮想の回転位相とし、この現在の仮想の回転位相に一致させるように前記第2のモータの回転位相を調整する回転位相調整手段
を備えることを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記第1のモータの回転速度に応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の種類に応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項9】
請求項6に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の大きさに応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項10】
請求項6に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記シート状物の処理条件に応じて定められる補正値は、前記シート状物の厚さに応じて定められる補正値である
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項11】
請求項6に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記シート状物処理装置に対して前記第2のモータを同期運転させる同期運転手段を備え、
前記同期運転手段は、
所定時間の間隔で前記シート状物処理装置の回転位相を検出する回転位相検出手段と、
前記回転位相検出手段により回転位相が検出される毎に、検出された回転位相に基づいて前記第2のモータに回転速度を指示する回転速度指示手段とを備え、
前記回転速度指示手段は、
前記回転位相検出手段により検出された回転位相に基づいて、回転位相が検出されてから所定時間経過したときの前記シート状物処理装置の回転位相を算出する回転位相算出手段と、
前記回転位相検出手段により検出された回転位相および前記回転位相算出手段により算出された回転位相のそれぞれを前記第2のモータの回転位相に換算する回転位相換算手段と、
前記回転位相換算手段により換算された2つの回転位相と所定時間とから前記第2のモータの回転速度を算出する回転速度算出手段と
を備えることを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載されたシート状物処理機の駆動制御装置において、
前記回転速度指示手段は、
シートの送り始めと終わりで前記第2のモータの回転位相の変化が小さくなることにより曲線状の特性となる、前記シート状物処理装置の回転位相と前記第2のモータの回転位相との関係を示すテーブルを記憶するテーブル記憶手段をさらに備え、
前記回転位相換算手段は、
前記テーブル記憶手段に記憶されたテーブルを参照して、前記回転位相検出手段により検出された回転位相および前記回転位相算出手段により算出された回転位相のそれぞれを前記第2のモータの回転位相に換算する
ことを特徴とするシート状物処理機の駆動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2013−78956(P2013−78956A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−10002(P2013−10002)
【出願日】平成25年1月23日(2013.1.23)
【分割の表示】特願2007−202843(P2007−202843)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000184735)株式会社小森コーポレーション (403)
【Fターム(参考)】