シート状画像記録材料包装体
【課題】シート状画像記録材料を所定の環境下で好適に保持することができ、かつ画像記録装置に供給後も、長期間にわたりシート状画像記録材料を所定の湿度環境下に保持して、高画質な画像記録を安定して行うことを可能とするシート状画像記録材料包装体を提供する。
【解決手段】画像記録装置による画像記録に用いるシート状画像記録材料の積層体を収容する包装体において、シート状画像記録材料を収容した包装体内の全容積に対するシート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ包装体内に調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
【解決手段】画像記録装置による画像記録に用いるシート状画像記録材料の積層体を収容する包装体において、シート状画像記録材料を収容した包装体内の全容積に対するシート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ包装体内に調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録に用いるシート状画像記録材料の積層体を収容するシート状画像記録材料包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録材料への画像記録は下記のように行われている。デジタルラジオグラフィーシステム、CT、MRI等の医療用の画像を記録する装置として、従来は銀塩写真湿式感光材料に撮影または記録後、湿式処理して再現画像を得るウェットシステムが用いられてきたが、近年、湿式処理を行わないドライシステムによる記録装置が注目されるようになり、感熱記録シートを用いる感熱記録装置、特に、銀塩光熱画像記録シートを用いる銀塩光熱記録装置が普及している。ところが、医療用の画像としては高画質が要求され高性能の画像記録材料が用いられ、このような高性能な画像記録材料では、湿度変化による感度変動が大きな問題になる。
【0003】
このように湿度変化が記録材料の感度等に影響するという問題に対して、特許文献1においては、感熱記録シートの包装体に調湿剤を固定した感熱記録材料包装体が提案されている。
【特許文献1】特開平9−132277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調湿剤により、環境湿度の影響をある程度抑制することはできるが、なお不十分であるという問題がある。
【0005】
画像記録材料包装体は一般に、遮光性防湿袋により密封された状態で流通するが、使用段階においては、遮光性防湿袋から取り出し、カセット、トレイ等にシート状画像記録材料が収容された包装体の形態で画像記録装置内に装填されて使用される。
【0006】
画像記録装置においては、画像記録が行われる毎に、画像記録材料が消費され、包装体内の画像記録材料の枚数は減少するが、かなりの期間に亘って遮光性防湿袋が除去された包装体の形態で、画像記録材料が画像記録装置内に残留する。従って、時間の経過とともに画像記録材料が吸放湿してしまうために、感度が変化し安定した高画質の画像を出力することが困難になる。例えばシート状画像記録材料の積層体を画像記録装置に収納し小枚数だけ使用した後、1週間程度使用しなかった場合、湿度環境による感度変動が生じるため、同一画像を出力する場合でも、当初に出力した画像と1週間後に出力した画像とでは濃度がかなり異なってしまうことがあるという問題が生じる。特許文献1のように、調湿剤を画像記録材料の包装体に固定した場合でも。湿度による影響の防止には限界がある。感熱記録材料、特に、銀塩光熱記録材料においては湿度環境による感度変動が大きく改善が要望されていた。
【0007】
本発明の目的は、このような従来技術における問題点を解決することにあり、画像記録材料を所定の環境下で好適に保持することができ、かつ画像記録装置に供給された後に長期間にわたり画像記録装置内に画像記録材料内が残留していることにより、感動の変動等が起こることを防止して、高画質な画像記録を安定して行うことを可能とするシート状画像記録材料包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の構成により達成された。
1.
画像記録装置において画像記録に用いられるシート状画像記録材料の積層体が収容されたシート状画像記録材料包装体において、前記シート状画像記録材料を収容する包装容器の全容積に対する前記シート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
2.
前記容積比率が0.2〜0.7であることを特徴とする前記1記載のシート状画像記録材料包装体。
3.
前記シート状画像記録材料が感熱画像記録材料であることを特徴とする前記1又は前記2に記載のシート状画像記録材料包装体。
4.
前記シート状画像記録材料が銀塩光熱画像記録材料であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
5.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.005〜1.00であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
6.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.02〜0.50であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
7.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.05〜0.50であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
8.
前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤を密封する遮光性防湿袋を有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
9.
前記遮光性防湿袋が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の透湿度を有することを特徴とする前記8に記載のシート状画像記録材料包装体。
10.
前記遮光性防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で封止されていることを特徴とする前記8又は前記9に記載のシート状画像記録材料包装体。
11.
前記包装容器、前記シート状画像記録材料、前記調湿剤及びこれらを密封する遮光性防湿袋を有するシート状画像記録材料において、前記遮光性防湿袋の密封を解除し、取り除いたときに、前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤が前記シート状画像記録材料包装体として残ることを特徴とする前記8〜10のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
12.
前記包装容器は、トレー本体と該トレー本体上に空隙をおいて載置され、前記シート状画像記録材料が載置されるフラットプレートを有するとともに、前記調湿剤は前記空隙に配置されたことを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、定型の包装容器内に、定積比率で0.05〜0.9のように、該包装容器の容積よりも小さな体積のシート状画像記録材料を収容させたので、シート状画像記録材料包装体に収容されるシート状画像記録材料の枚数が少なくなって、シート状画像記録材料が画像記録装置内に長期間残留することが避けられる。これにより、高湿環境下において、シート状画像記録材料の感度が変化するの防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明の実施の形態の説明に先立って従来のシート状画像記録材料包装体について説明する。図1は従来のトレーを用いたシート状画像記録材料包装体の概略斜視図である。
【0012】
図中、1aはシート状画像記録材料包装体を示す。2は積層された複数枚のシート状画像記録材料3を収容する包装容器としてのトレーを示し、4はトレー2及び積層されたシート状画像記録材料3を包装する遮光性防湿袋を示す。一般的にシート状画像記録材料は100〜150枚がトレー2に収容されている。202〜205はトレー2の矩形の底部201の周縁部に立ち上げられ設けられたシート状画像記録材料位置規制用側壁を示す。底部201はシート状画像記録材料3の大きさ及び形状に合わせ作製されている。
【0013】
401、402は遮光性防湿袋4のサイドシール部を示し、403は遮光性防湿袋4のセンターシール部を示す。404は包装体1を画像記録装置(不図示)に装填した後、画像記録装置の係合部(不図示)に係合させ遮光性防湿袋4を引き抜くための穴を示す。本図で示される遮光性防湿袋4はセンターシール方式で作製されおり、包装体1aは外箱(不図示)に収納されユーザで使用される形態となっている。
【0014】
本図に示される如く、トレー2に収容されているシート状画像記録材料は100〜150枚と多いため、一日当たりの使用量が少ない場合は、画像記録装置内にシート状画像記録材料が数月間、遮光性防湿袋4から出された状態で置かれることになる。この場合、湿度、温度が低い冬季ではシート状画像記録材料の性能変化も少ないのであるが、湿度、温度が高い夏季ではシート状画像記録材料の性能劣化も進んでしまう恐れがあるため廃棄せざるを得なくなり、コストが高くなってしまう。
【0015】
図1に示す従来のシート状画像記録材料包装体におけるこのような問題点に鑑み、本発明は、トレーの形状を変えることなく、収容されるシート状画像記録材料の枚数を少なくすることにより、遮光性防湿袋が除去され状態で画像記録装置内に長期間残留ことを避けることができるようにし、しかも、輸送過程での振動、取り扱い等に伴うスリキズの発生を防止したシート状画像記録材料包装体を提供するものである。
【0016】
次に、本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置について説明する。図2は本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置の概略を示す図である。
【0017】
画像記録装置は、構成としては、シート状画像記録材料を供給する供給部、レーザ画像記録部、熱現像感光材料の全面に均一で安定した熱を供給する熱現像部、フィルム供給部からレーザ記録を経て、熱現像により画像形成されたシート状画像記録材料を装置外に排出するまでの搬送部から構成される。かかる画像記録装置の具体例は図2に示すものである。
【0018】
画像記録装置100は、シート状の熱現像画像記録材料(フォトサーモグラフィックエレメント又は単にフィルムとも言う)を1枚ずつ給送する給送部110、給送されたフィルムFを露光する露光部120、露光されたフィルムFを現像する現像部130、現像を停止させる冷却部150と集積部160とを有し、給送部からフィルムFを供給するための供給ローラー対140、現像部にフィルムを送るための供給ローラー対144、各部間でフィルムFを円滑に移送するための搬送ローラー対141、142、143、145等複数のローラー対から成っている。熱現像部はフィルムFを現像する加熱手段として、外周にほぼ密着して保持しつつ加熱可能な複数の対向ローラー2を有するヒートドラム1と現像したフィルムFを剥離し冷却部に送るための剥離爪6等から成る。
【0019】
熱現像感光材料の現像条件は、使用する機器、装置、あるいは手段に依存して変化するが、典型的には、適した高温において像様に露光した熱現像材料を加熱することにより現像を行うものである。露光後に得られた潜像は、中程度の高温(約80〜200℃、好ましくは約100〜140℃、より好ましくは110〜130℃)で、十分な時間(一般には約1秒〜2分間、好ましくは3〜30秒、より好ましくは5〜20秒である。)
フィルムFを加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の供給を一切行わないで進行する。
【0020】
加熱する機器、装置あるいは手段としては、例えばホットプレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チタン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段等で行ってよい。より好ましくは、保護層の設けられた熱現像材料は、保護層を有する側の面を加熱手段と接触させ加熱処理することが、均一な加熱を行う上で、又、熱効率、作業性等の観点から好ましく、保護層を有する側の面をヒートローラーに接触させながら搬送し、加熱処理して現像することが好ましい。
【0021】
フィルムFはトレイCに収容されたシート状画像記録材料包装体の形態で画像記録装置100内に装填される。
【0022】
次の本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体について説明する。
【0023】
図3は本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体の概略斜視図、図4はシート状画像記録材料包装体の分解斜視図、図5は図4(a)の線A−Aに沿った断面図である。
【0024】
本実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体1bは、基本的には、シート状画像記録材料3、包装容器としてのトレー10(図5参照)で構成され、該トレー10はトレー本体5とフラットプレート6で構成される。また、トレー本体5の底板501(図4参照)と及びフラットプレート6との間には、調湿剤が固定される。そして、シート状画像記録材料包装体1bは、これらに加えて、これらを密閉する遮光性防湿袋4を有していても良い。
【0025】
トレー本体5は底板501(図4参照)と、底板501の第1底面502に載置された皿形形状の緩衝部材7a、7b(図3、図5を参照)及び緩衝部材7a、7b上に載置され、第2底面507を形成するフラットプレート6とを有している。トレー本体5は矩形の底板501と、底板501の周縁部に立ち上げられ設けられた位置規制側壁503〜506有している。
【0026】
第1底面502はシート状画像記録材料3の大きさ及び形状に合わせ作製されている。シート状状画像記録材料の位置を規制する位置規制側壁503〜506は図1に示されるトレー2の側壁202〜205と同じ高さとなっている、又、第1底面502の大きさ、形状も図1に示されるトレー2の底部201と同じとなっている。
【0027】
フラットプレート6は、フラット面601と、フラット面601(第2底面507を形成する)の周縁部にフラット面601の裏側向けて設けられた側壁604a〜604d(図4を参照)を有し、位置規制側壁503〜506に側壁604a〜604d(図4を参照)を固定することでトレー本体5に固着している。
【0028】
7a、7bは皿形形状の緩衝部材であり、底板501とフラット面601との間に適宜数配置される。
【0029】
図6を参照して本発明に係るシート状画像記録材料包装体を説明する。
【0030】
シート状画像記録材料包装体1bは位置規制側壁503〜506の高さで規制される高さLH、底板501の奥行き長さで規制される長さLL及び底板501の幅で規制される幅LWを有し、これらにより規制される全容積TV=LH×LL×LWを有する。
【0031】
高さLH、長さLL及び幅LWは画像記録装置100(図2参照)によって決まっており、例えば、半切サイズでは、LH=29.5mm、LL=435.7mm、LW=356.5mm、大四切サイズでは、LH=29.5mm、LL=365.5mm、LW=281.5mmである。
【0032】
そして、積層して収容される複数枚のシート状画像記録材料3は第2底面507上に載置され、載置・収容されるシート状画像記録材料3の容積はMV、シート状画像記録材料1枚の面積をS、厚さをTH、枚数のNとするとき、MV=S×TH×Nである。
【0033】
シート状画像記録材料包装体1bは図2に示す画像記録装置に装填されるものであり、装置との関係で所定の寸法、形状の定型包装体であるが、第1底面502と第2底面507との間をシート状画像記録材料3が収容されない空間とすることにより、定型の包装体内に、消費割合に見合った枚数のシート状画像記録材料を収容することが可能となる。
【0034】
本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体1bは、シート状画像記録材料包装体1bの全容積TVに対するシート状画像記録材料3の容積MVの比率、即ち、MV/TVが0.05〜0.9であることを特徴とする。
【0035】
前記比率が0.05よりも小さいと、シート状画像記録材料包装体内のジート状画像記録材料3の枚数が少なすぎて、画像記録装置にシート状画像記録材料包装体を装填して使用する際に、シート状画像記録材料包装体の補給を頻繁にする必要が生ずる。
【0036】
また、前記比率が0.9よりも大きい場合、画像記録装置内にシート状画像記録材料が残留する期間が長くなって、感動等の画像特性の変化が起こる確率が高くなる。
【0037】
そして、該比率が0.2〜0.7であることがより好ましい。
【0038】
シート状画像記録材料包装体1bを作製する場合、図4に示されるトレー本体5にシート状画像記録材料3を積層・載置した状態で、遮光性防湿袋4に収納し、輸送時におけるトレー内において、移動によるスリキズ防止、くっつき防止、トレーの側壁との擦れによる感光層の剥離防止、画像形成装置に装填した時の搬送性等を考慮し、20〜90kPaの減圧条件で脱気しながら遮光性防湿袋4を密封することで作製することが好ましい。
【0039】
本発明に係る遮光性防湿袋4の透湿度は、保管時におけるシート状画像記録材料3の性能維持を考慮し、1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下であることが好ましく、更に、0〜0.5g/m2・24h(40℃・90%RH)が好ましい。尚、透湿度は、JIS K7129−1992に記載の測定法により測定した値である。
【0040】
シート状画像記録材量包装体1bは、底板501とフラットプレート6と皿形形状の緩衝部材7a、7bとを有している。508a〜508dは第1底面502の角部を示し、角部508a〜508dは、トレー本体5を遮光性防湿袋4に入れた時に角部で遮光性防湿袋4に穴を開けることを避けるため角切り又はRを付けることが好ましい。509は第1底面502に設けられたシート状画像形成材料3の検知用に開けられた穴を示す。穴509の位置はフラットプレート6の上面(フラット面)601(トレー本体5が形成された時第2底面となる)に開けられた穴の位置と合っていることが好ましい。
【0041】
602a(602b)は、フラットプレート6のフラット面601に開けられたシート状画像形成材料3の検知用の穴を示す。穴602a(602b)は画像形成装置のシート状画像形成材料の収納容器(不図示)内が空になったことを画像形成装置(不図示)に検出させる手段である。穴602a(602b)が配設される位置は、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサの位置、及びシート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)の位置と同じ位置であり、第2底面507に積重されたシート状画像形成材料3が無くなった時、シート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)が穴602a(602b)を吸引することで、吸着圧が下がらなくなり、シート状画像形成材料3が無くなったことが判る様になっている。又、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサによる検知も可能となっている。
【0042】
検知用の穴の数は、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサの数、及びシート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)の数と同じ数を配設することが好ましい。又、穴の大きさは吸盤の大きさよりも大きいことが好ましい。
【0043】
フラットプレート6は、第1底面502と同じ大きさと、側壁を形成する面積を有する1枚のフラットな表面を有する材料の裏面から側壁を立ち上げることで作製することが可能である。604a〜604dは、形成された側壁を示し、601はフラットプレート6のフラット面を示し(トレーに組み立てられた時は第2底面となる)、603は裏面を示す。605a〜605dは角部を示し、角部605a〜605dは、第1底面502の角部508a〜508dから外に出ない様に角切り又はRが付けられている。側壁604a〜604dは全て同じ高さを有している。本図では、フラットプレート6はフラット面601と側壁604a〜604dが一体の場合を示しているが、フラットプレート6は、側壁604a〜604dに該当する形態の部材を先に作製し、その上にフラット面601に該当する部材を固定する別体方式でも作製は可能である。
【0044】
フラットプレート6はフラット面601を上側にして、第1底面502に載置された皿形形状の緩衝部材上に配設されている。この時、側壁604a〜604dはシート状シート状画像記録材料3位置規制する用側壁503〜506に、例えば接着剤により固着されている
。この様に配設することで、フラットプレート6の表面601が第2底面507を形成する形態となる。
【0045】
皿形形状の緩衝部材としては、円板状の頂部を有する皿形形状の緩衝部材7aとリング状頂部を有する皿形形状の緩衝部材7bの2種類が用いられる。皿形形状の緩衝部材7aは、円板状の頂部7a1と、円板状の頂部7a1の周辺に、周辺よりも外側に傾斜し一体に設けられた傾斜側壁7a2と、傾斜側壁7a2の周囲の端部に一体に設けられた鍔部7a3とを有している。
【0046】
皿形形状の緩衝部材7bは、リング状頂部7b1と、リング状頂部7b1の周辺に、周辺よりも外側に傾斜し一体に設けられた傾斜側壁7b2と、皿形形状の傾斜側壁7b2の周囲の端部に一体に設けられた鍔部7b3とを有している。本図に示す皿形形状の緩衝部材7a(7b)を第1底面502に配設する数は、トレーの必要とする耐圧強度に応じて変えることが可能となっている。
【0047】
トレー本体5の底板501、フラットプレート6、皿形形状の緩衝部材7a、7bの材料は全て紙である。使用する紙は、環境対応、輸送時の強度、成型のし易さ、形状安定性、シート状画像記録材料への影響、製造コスト、生産性等を考慮し、坪量100〜1000g/m2、厚さ0.4〜1.0mm、含水量0.1〜6質量%、再生紙を50質量%以上含んでいることが好ましい。坪量の測定は、JIS P8118(1998)に準拠して測定した値である。厚さは、板紙を40℃の恒温槽で2時間乾燥させた後にマイクロゲージ((株)ミツトヨ製)を使用して測定した値である。含水率は、JIS P8127に準じて測定した値を示す。
【0048】
特に好ましい、紙材料としては、例えば、強度、紙粉が発生し難い、成形がし易い、環境対応等を考慮し再生パルプを積層した中間再生紙層と、中間再生紙層の両側に、表面にクレー又はカオリンのコート層を有する上質紙の最外層を有した板紙が挙げられる。
【0049】
トレー本体5の第2底面507の耐圧強度は、製造工程でシート状画像記録材料を積重し、遮光性防湿袋4に入れ包装体とした後に段積みする時の強度、包装体の輸送時の強度等を考慮し、100〜10,000Paであることが好ましい。耐圧強度は、トレーの第2底面の面積の90〜100%の面積を有するシート状画像記録材料又は代替え物を積み重ね、フラットプレート6が耐える荷重を測定した値を示す。
【0050】
又、トレー本体5の破断強度は、トレー本体5の位置規制側壁503〜506の自立性、フラットプレート6の安定性、トレーの遮光性防湿袋4への挿入性、遮光性防湿袋4の保護等を考慮し、1.2〜4.5kPaを有していることが好ましい、更には1.8〜3.5kPaであり、最も好ましくは2.5〜3.0kPaである。破断強度は、JIS−P8115に準拠して測定した値である。
【0051】
本実施の形態に係る包装体1bは次の段階を経て作製することが可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるトレー本体の展開図になるように切り取る。トレー本体5の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、位置規制側壁503〜506を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)位置規制側壁503〜506を付けられた筋に沿って立ち上げ、トレー本体5を作製する。
4)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート6の展開図になるように切り取る。フラットプレート6の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
5)打ち抜いた後、側壁を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
6)フラットプレート6の裏面の周縁部から各側壁を付けられた筋に沿って立ち上げフラットプレート6を作製する。
7)トレー本体5の、第1底面502の少なくとも4隅に皿形形状の緩衝部材を第1底面からはみ出さない様に置く。この時、皿形形状の緩衝部材の鍔部の一部を第1底面に接着固定することが好ましい。
8)皿形形状の緩衝部材を配置したトレー本体5に、作製したフラットプレート6を、上面を上側にして皿形形状の緩衝部材の上に置き、フラットプレート6の側壁604a〜604dとトレー本体5の位置規制側壁503〜506とを接着剤でそれぞれ固定する。
1)〜8)の過程を経ることで図5に示される包装容器としてのトレー10を作製することが可能である。
【0052】
図7は図5のSで示される部分の概略拡大断面図である。
【0053】
図中、Hは位置規制側壁503の先端から、第2底面507(フラットプレート6の表面601)までの高さを示す。高さHは、第2底面507上に載置されシート状画像記録材料3の枚数、トレーの交換頻度、トレーに残ったシート状画像記録材料の消費期間等を考慮し、5〜25mmが好ましい。
【0054】
Iは、フラットプレート6の側壁604cの端面604c1と第1底面502のとの距離を示す。距離Iは、皿形形状の緩衝部材の機能の維持、第2底面の耐圧強度を維持を考慮し、3mm以下が好ましい。より好ましくは0.1〜3mmが好ましい。
【0055】
本図に示される様に、フラットプレート6は、フラット面601に開けられたシート状画像形成材料の検知用の穴602a(602b)と、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)と、一致するようにフラット面601を上側にして皿形形状の緩衝部材7a(7b)の頂部に裏面603が当接するように載置され、位置規制側壁503の内側と側壁604c(604d)の外側とが接着剤で固着され、側壁の端面と第1底面の表面との間に3mm以下の距離を保つ状態で配設され第2底面507を形成している。尚、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)の上には、画像形成装置のシート状画像形成材料の収納容器(不図示)内が空になったことを画像形成装置(不図示)に検出させることから、皿形形状の緩衝部材7bを配設する必要がある。他の符号は図3と同義である。
【0056】
図8は図4に示す皿形形状の緩衝部材7a、7bの拡大概略断面図である。図8(a)は図4のB−B′に沿った拡大概略断面図である。図8(b)は図4のB−B′に沿った拡大概略断面図である。
【0057】
皿形形状の緩衝部材7aの円板状頂部7a1は周辺部近傍に平面部7a11と、平面部7a11に繋がった第1傾斜部7a12と、第1傾斜部7a12に繋がり中心部7a14迄の第2傾斜部7a13とを有している。第1傾斜部7a12の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、15〜34°が好ましい。第2傾斜部7a13の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、2〜8°が好ましい。平面部7a11から傾斜側壁7a2への繋がり部7a15は、R1〜5を有していることが好ましい。円板状頂部7a1の周辺部に設けられている傾斜側壁7b2の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し10〜30°が好ましい。傾斜側壁7a2の周面には傾斜側壁7a2の強度を高めるために絞り加工を施すことが好ましい。
【0058】
鍔部7a3は、傾斜側壁7a2の周縁部に、R1〜3を有する繋がり部7a31を介して設けられている、傾斜部7a32を有している。傾斜部7a32の平面部7a11に対する角度は、曲げ強度を考慮し、2〜8°が好ましい。傾斜部7a32の周縁部近傍部7a33は、R0.5〜2.0で曲げられている。
【0059】
皿形形状の緩衝部材7bのリング状頂部7b1は、第1平面部7b11と平面部7b11に繋がった傾斜部7b12と、傾斜部7b12に繋がった第2平面部7b13とを有し、中央部がないリング状となっている。傾斜部7b12の第1平面部7b11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、2〜8°が好ましい。リング状頂部7b1の周辺部に設けられている傾斜側壁7b2、及び側壁7b2の周縁部に設けられた鍔部7b3の形状は図5の(a)に示される皿形形状の緩衝部材の形状と同じである。
【0060】
図8(a)、図8(b)で示される皿型形状の緩衝部材7a、7bは、最新 紙加工便覧 テックタイムス 編 803〜809に記載の方法で作製することが可能である。図8(b)で示される他の皿型形状の緩衝部材7bは、リング状に打ち抜いたブランクスを使用し、図8(a)で示される皿型形状の緩衝部材7aと同じ方法で行うことで作製することが可能である。又、図8(a)で示される皿型形状の緩衝部材を作製した後、円板状頂部7a1の中央部を打ち抜くことでも作製することが可能である。
【0061】
図9は図8に示される皿型形状の緩衝部材の平面図である。図9(a)は図8(a)に示される皿型形状の緩衝部材7aの平面図である。図9(b)は図8(b)に示される皿型形状の緩衝部材7bの平面図である。
【0062】
図9(a)に示される皿形形状の緩衝部材7aの場合、Uは皿型形状の緩衝部材の鍔部7a3(傾斜部7a32と周縁部近傍部7a33とを含む)直径を示し、Vは円板状頂部7a1の直径を示す。Wは円板状頂部7a1の周辺に設けられた平面部7a11の幅を示す。Xは鍔部7a3の傾斜部7a32の幅を示す。
【0063】
円板状頂部7a1の直径Vと皿型形状の緩衝部材の鍔部7a3(傾斜部7a32と周縁部近傍部7a33とを含む)直径Uとの比は、皿形形状の緩衝部材の耐圧強度を考慮し、1:0.5〜1:0.9が好ましい。平面部7a11の幅は、板状頂部7a1の直径Vに対して、曲げ剛性の強さを考慮し、3〜15%であることが好ましい。傾斜部7a32の幅Xは、鍔部7a3の直径Uに対して、曲げ剛性の強さ(座屈のし難さ)を考慮し、10〜30%であることが好ましい。
【0064】
図9(b)に示される皿形形状の緩衝部材7bの場合、Yはリング状頂部7b1の内径を示す。内径Yは、第1底面502(図4を参照)に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)(図4を参照)と同じであることが好ましい。他の寸法は図6の(a)に示される皿形形状の緩衝部材7aと同じである。
【0065】
図10は図3に示す皿型形状の緩衝部材をトレー本体5の第1底面502に配設した一例を示す概略斜視図である。
【0066】
図10に示される皿型形状の緩衝部材7bは、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)の中心と、皿形形状の緩衝部材7bのリング状頂部7b1の中心が一致する様に配置することが必要である。皿形形状の緩衝部材7aは、トレー本体5の第1底面502の大きさに合わせ、等間隔で配置することが好ましい。皿形形状の緩衝部材を第1底面502に配置する位置は、少なくとも第1底面502の4隅に配置することが必要であり、配置する数はトレーの大きさ、皿形形状の緩衝部材の大きさにより異なるが、必要とする耐圧強度に応じて変えることが可能となっている。好ましい、配置の例としては、第1底面502の面積に対して、第2底面の耐圧強度を考慮し、皿形形状の占める割合が30〜60%になるように配置することが好ましい。配置する個数に合わせ皿形形状の緩衝部材の大きさを決めることが必要である。例えば、本図に示す第1底面の積が35.4cm×43.0cmの場合、鍔部の直径U(図8を参照)が8.2cmの皿形形状の緩衝部材を使用し、本図に示す様に配置することが好ましい。
【0067】
図11は他の形状のフラットプレートの概略図である。図11(a)は他の形状のフラットプレートの概略斜視図である。図11(b)は図11(a)のD−D′に沿った概略断面図である。
【0068】
図中、6aはフラットプレートを示す。606a〜606dは各側壁604a〜604dをフラット面601の裏面603に平行になるように折り曲げた折り曲げ部を示す。
【0069】
トレー本体5の底板501(図4を参照)の第1底面502(図4を参照)に載置する時に、各折り曲げ部606a〜606dを第1底面502(図4を参照)に接着固定することが可能になっている。又、同時に各側壁604a〜604dの外側と、トレー本体5の底板501(図4を参照)の位置規制側壁の内側とを接着固定してもかまわない。他の符号は図3と同義である。
【0070】
本図に示されるフラットプレート6aは、次の段階を経て作製することが可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート6aの展開図になるように切り取る。トレーの展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、各側壁及び各折り曲げ部を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)フラットプレート6aの裏面の周縁部から側壁を付けられた筋に沿って立ち上げる。
4)各側壁に付けられた筋に沿って折り曲げ、折り曲げ部606a〜606dを形成する。
1)〜4)の過程を経ることで、本図に示す折り曲げ部606a〜606dを有するフラットプレート6aを作製することが可能である。本図に示すフラットプレート6aを使用し、図4に示すトレー5を作製する場合は、皿形形状の緩衝部材が配置された本体に、本体の第1底面501とフラットプレート6aの裏面603とが対向する状態で、折り曲げ部606a〜606dに接着剤を塗り置き、フラットプレート6aの側壁604a〜604dと本体の位置規制側壁503〜506とを接着剤で固定することで可能である。
【0071】
図3〜図11に示されるシート状画像記録材料包装体に収容されるシート状画像記録材料は、一日当たりの使用量、残った時のシート状画像記録材料の性能変化等を考慮し10〜90枚が好ましく、25〜70枚が更に好ましい。
【0072】
図3〜図11に示される皿形形状の緩衝部材を用いたトレーを使用することにより、積重するシート状画像記録材料を減らすことが出来、一日当たりの使用量が少ない場合でも、撮影機器内にシート状画像記録材料が遮光性防湿袋4から出された状態で置かれる日数が短期間とすることが可能となり、湿度、温度が高い夏季でも廃棄することが無くなり、安心して使用することが出来、コストも抑えることが可能となる。
【0073】
図3〜図11に示される皿形形状の緩衝部材を用いたトレーを作製する時、フラットプレート6の側壁とトレー本体の位置規制側壁との固定、皿形形状の緩衝部材と第1底面との固定、フラットプレート6の側壁同士の固定に接着剤を使用する場合、好ましい接着剤として、例えば、ダイセルファインケム(株)製:セビアン3502、セビアンA MY7951、セビアンA 22046、セビアンA 4786、日榮化工(株):ライフボンドAV−840M、ライフボンドAP−6710、コニシ(株):ボンド SP95、ボンド CN140、CN1、CN165、MP 435、MP 1311、MP 973、MH 510、ヤスハラケミカル(株):ヒロダイン 7521、ニッタゼラチン(株):ニッタイトHC−126、日本ユニポリマー(株):UH370、住友3M:1BF560等が挙げられる。これらの中で。特に好ましい接着剤としては、コニシ(株):MP 435、MP 1311、MP 973、MH 510、ヤスハラケミカル(株):ヒロダイン 7521、ニッタゼラチン(株):ニッタイトHC−126が挙げられる。
【0074】
本発明において用いられる板紙は、使用後のリサイクルを考慮した時に木材のパルプを主原料とするのが好ましい。木材のパルプとしては、丸善(株)編(パルプと紙)109頁〜268頁、工学図書(株)編(製紙工学)180頁〜187頁に記載されている如きパルプであればよく、例えば針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹、広葉樹混合パルプの天然パルプが使用され、処理法によって機械パルプ、化学パルプ、ケミグラウンドパルプ、ケミメカニカルパルプ、サルファイトパルプ何れでもよい。特開平2−48372号、同2−53999号、同2−96741号、同2−96742号、同2−99689号、同2−99693号、同2−180583号に記載されているパルプを使用することも可能である。
【0075】
これらのパルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0076】
板紙に使用するパルプの叩解後の繊維長は、JIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0077】
板紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。板紙の密度はJIS−P−8118に規定される条件で測定した値が0.7〜1.2g/m2が好ましい。更に、板紙の剛度はJIS−P−8143に規定される条件で測定した値が20〜200gが好ましい。板紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定した値が5〜9であることが好ましい。
【0078】
本発明に用いられる板紙としては、白板紙が好ましい。白板紙としてはマニラボール、白ボール等が挙げられる。本発明のトレーに使用する板紙は、特開2004−170759に記載の耐水コート層が形成されていることが好ましい。
【0079】
本発明に用いられる遮光性防湿袋の材料は最下層が熱溶融性層を有し、遮光性と防湿性の機能を有する多層材料である。これらの材料としては、単一素材であってもよいが、機能性を向上させるために、各種異種材料を重ねて多層材料とし機能性を高めることが好ましい。
【0080】
各材料を重ねる方法としては異種の熱可塑性の樹脂を同時に押し出して作る方法(インフレーション法)、異種材料を接着剤で貼り合わせることで多層材料を作る方法(ドライラミネーション)等が知られているが、これらの方法の中でも、より高い機能性を必要とするにはドライラミネーション法で製造した多層材料であることが好ましい。
【0081】
多層材料を製造する方法としては機能性包装材料の新展開 株式会社 東レリサーチセンターP48〜P51、コンバーテック 1990.1,1990.4,1990.11,1991.11,1993.3に記載されている如き一般的な方法で作製することが出来る。
【0082】
多層材料の層構成としては、上側より、意匠印刷面となる表面層、防湿又は遮光機能を有する中間層、熱溶着機能を有する下層から構成されており、中間層は必要に応じて幾層にも分けて積層することが可能である。例えば2層に分け1層には防湿機能を他の1層には遮光機能を持たせることも当然可能である。下層にも遮光機能を持たせてもかまわない。表面層に使用される材料としては特に限定はなく、中間層と同じ材料であってもかまわない。多層材料の各層に用いられる材料としては一般の包装材料として使用されている、高分子フィルム材料である低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)、ナイロン(Ny)、PET、セロハン、PVA、延伸ビニロン(OV)、EVOH、塩化ビニリデン(PVDC)等が使用出来る。これら材料は、必要に応じて異種高分子フィルム材料と共押し出しで作った多層材料、延伸角度を変えて貼り合わせて作った多層材料等も当然使用出来る。更に必要とする遮光性防湿袋の物性を得るために使用する高分子フィルム材料の密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
【0083】
多層材料の下層に使用される高分子フィルム材料としては、メタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE等が挙げられる。これらの高分子フィルム材料の中に一般の製造方法で製造されたLDPE、LLDPEを混合して用いてもよい。これらのメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPEは一般に市販されているものであれば充分に使用出来る。例えば宇部興産(株)製のユメリット、ダウ・ケミカル日本製のAFFINITY、エリート、日本ポリオレフィン(株)製のハーモレックスLL、日本ポリケム(株)製のカーネル57L、三井化学(株)製エボリュー、積水フィルム西日本(株)製ラミロンスーパー、タマポリ(株)製SEシリーズ、東セロ(株)製トーセロT.U.X−FCS、T.U.X−TCS、二村化学工業(株)製太閤FL、三菱化学興人パックス(株)製メタロエース、和田化学工業(株)製WMX、住友化学(株)製FV202等が挙げられる。
【0084】
又、多層材料の下層には、収納するシート状の熱現像感光材料やトレー形状の保護部材に対して滑り性をよくするために、滑剤が添加されることが好ましい。この滑剤としては、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)、脂肪酸アミド、高級脂肪酸などが挙げられるが、これらに限られない。そして、これらの滑剤の添加量は、下層の質量に対して、滑り性の観点から500ppm以上(特に5000ppm以上)であることが好ましく、又、コスト及び滑剤の副作用の観点から、20000ppm以下(特に10000ppm以下)が好ましい。
【0085】
本発明に用いられる遮光性防湿袋に求められる機能として挙げた遮光性を得るには、特開昭63−85539号、同64−82935号、特開平1−209134号、同1−94341号、同2−165140号、同2−221956号に記載されている如き遮光性物質を含有することで得ることが出来る。遮光層は多層材料の構成で何処の層に設けてもよいが、中間層、熱溶融性層が最も好ましい。ポリエチレンを主たる成分とする層であることが好ましいが、これに限らない。遮光層に添加する遮光性物質としては、カーボンブラックを含有することが、遮光性とコストの観点から好ましく、カーボンブラックはファーネス式、チャンネル式、アセチレン式、サーマル式等何れの製法によって作られたものでもよい。これらカーボンブラックの代表的な例としては、三菱化成工業株式会社製のMA−600、#650B、#41、#3150、#3250、#3750、#3950、MA−100、CABOT社製のカーボン、VULCAN、XC−72R、BLAC Pearls700、VULCAN・P、ライオン・アクゾ株式会社製ケッチェンブラックEC、旭カーボン株式会社製の旭HS−500等が挙げられる。特開平4−121733号、同3−179342号、同5−88299号に記載されている如きイオウ含有量を規定したカーボンブラックでも勿論よい。カーボンブラックの添加量は、遮光層の厚さが50μm以上の場合、遮光性の観点から、1.5質量%以上であることが好ましく、生産性とコストの観点から、7.5質量%以下であることが好ましい。
【0086】
遮光性防湿袋の透湿度を1.0g/m2・24時間40℃90%RH以下にするためには中間層に、特開平8−254793号、同8−171177号、同8−122980号、同6−250343号、同6−122469号、同6−95302号、同1−93348号、同1−251031号、同2−186338号、同1−267031号、同2−235048号、同2−278256号、特開昭60−151045号、同60−189438号、同61−54934号、同63−30842号、同63−247033号、同63−272668号、同63−283936号、同63−193144号、同63−183839号、同64−16641号、同64−77532号、実開平1−152336号、同2−21645号、同2−44738号等に記載されている防湿材料が挙げられる。
【0087】
又、中間層には有害ガスから保護するために特開平2−56547号に記載されている如き酸素吸収物質、特開平8−41288号に記載されている如き、ホルムアルデヒドスカベンジャーを混入した樹脂、特開平4−9047号、同3−236050号、同2−244136号に記載してある如きシアンガス捕捉剤、特開平9−152683号に記載されているゼオライト分子篩粒子等を含んでいてもよい。
【0088】
本発明に用いられるシート状画像記録材料としては特に限定はなく、例えば、湿式現像処理を行うXレイフィルム、熱現像処理を行う熱現像像感光材料等が挙げられる。本発明に係るシート状の熱現像感光材料としては、特開2002−122959、同2002−107870、同2002−90938、同2002−82416、同2002−82412、同2002−72413、同2002−72407、同2002−62620、同等に記載のものを使用することが出来る。通常は、少なくとも1層の感光層を設け、この感光層の下部(支持体と感光層の間)にアンチハレーション層(AH層)、感光層の上部に保護層が塗設されている。更に支持体に対して感光層のある側と反対側にバッキング層(BC層)、その上部に保護層がそれぞれ塗設されている。感光層中には、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤及びバインダー(高分子結合材)が含まれている。AH層やBC層には感光波長に対して吸収効率の高くて、残色になりにくい染料をバインダー中に存在させてシート状の熱現像感光材料の構成層界面での乱反射による鮮鋭性の劣化や干渉縞の防止を行う。AH層、BC層及び保護層等のバインダーは、感光層と同種や異種の素材を使用することが出来る。BC層に染料を使用する場合、AH層を設けない場合もある。
【0089】
本発明に係るシート状の熱現像感光材料に使用される感光性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法でも調製出来る。ハロゲン化銀は、良好な画質を得るために粒子サイズが小さくて感度の高いものが好ましい。粒子サイズが小さいと粒状性や解像度がよいからである。しかし、感度は低くなるので分光増感や化学増感により、増感され易い結晶形が好ましい。
【0090】
感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整、感度、カブリ及び保存性等のために遷移金属、特に元素周期律表の6族から10族に属する金属の第4周期から第6周期の化合物がドープ(含有)されることが好ましい。具体的にはRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンが好ましい。
【0091】
感光性層上の保護層やBC層にマット剤を含有することが好ましく、用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物の何れでもよい。例えば、無機物としては、シリカ、ガラス粉等をマット剤として用いることが出来る。有機物としては、ポリスチレン(PSt)或いはポリメタアクリレート(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)の様な有機マット剤を用いることが出来る。マット剤の形状は、定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。マット剤の粒子径が前記範囲より小さいとくっつき、べたつき等の故障が多発し易くなり、マット剤の粒子径が大きくなるとヘイズが増し、透明性が低下する。
【0092】
支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)やポリプロピレン(PP)等のプラスチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、又これらを組み合わせた複合シートを任意に用いてもよい。
【0093】
本発明において用いる調湿剤とは、湿度が高い場合には吸湿し湿度が低い場合には加湿して環境の湿度を一定に保つ性質を有するもの、及び湿度が高い場合に吸湿し環境の湿度を低湿に保つ性質を有するものをいう。
【0094】
湿度が高い場合には吸湿し湿度が低い場合には加湿して環境の湿度を一定に保つ性質を有する調湿剤は、活性炭や吸水ポリマーなどを用いた複合材料として一般的に知られている。このような調湿剤は市販品を各種利用することが可能であり、例えば古河電工社の「ドライキーパー」、特種製紙社の「SHCペーパー」、ハイウッド社の「RHC調湿剤」等が好適に利用できる。
【0095】
また、湿度が高い場合に吸湿し環境の湿度を低湿に保つ性質を有する調湿剤は、吸湿剤として良く知られている二酸化ケイ素を主原料とするシリカゲルやゼオライトなどが好適に利用できる。
【0096】
調湿剤はシート状画像記録材料に対してして質量比で0.005〜1.00の範囲内にある量がシート状画像記録材量包装体に収容されることが好ましい。
【0097】
質量比0.005よりも低いと、湿度による影響を抑制すること困難となり、感度変化等が発生しやすくなる。また、質量比で1.00よりも多く調湿剤を用いると、調湿剤の容積により包装体の容積が大きくなりすぎる。
【0098】
シート状画像記録材料に対する調湿剤の量比は、0.02〜0.50であることが好ましく、0.05〜0.50であることが特に好ましい。
【0099】
調湿剤は通常袋等の容器の収容された形態でシート状画像記録材料包装体に収容されるが、前記質量比は、調湿剤のみの質量に基づいたものであり、調湿剤が収容される容器の質量が前記質量比の設定に際して、算出対象に入らない。
【0100】
調湿剤は、図5、6における第1底面502とフラットプレート6の裏面603との間に形成される空隙に配置され固定される。従って、調湿剤は、図3における遮光性防湿袋4から取り出したシート状画像記録材料包装体1bの一部を構成しており、シート状画像記録材料包装体1bが画像記録装置に装填されたときには、調湿剤はシート状画像記録材料包装体1bとともに、画像記録装置内にあって、シート状画像記録材料を防湿する。また、包装容器の全容積に対するシート状画像記録材料の容積の比率を0.05〜0.9とすることにより前記空隙の容積を大きく取ることが可能となって、十分な量の調湿剤を設けることが可能となる。
【0101】
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0102】
実施例1
以下に示す方法に従ってトレーを作製した。
【0103】
〈板紙の準備〉
トレー本体、フラットプレート、皿形形状の緩衝部材用の材料として坪量600g/m2、厚さ0.5mmの広葉樹晒クラフトパルプを原料とした、白板紙を準備しa〜mとした。尚、白板紙としては、中間層が再生紙100%、上下層にバージンパルプを使用した紙を使用し、クレーにより表面をコートした。又、JIS P8127に準じて測定した含水率は8±1%であった。坪量の測定は、JIS P8118(1998)に準拠して測定した値である。厚さは、板紙を40℃の恒温槽で2時間乾燥させた後にマイクロゲージ((株)ミツトヨ製)を使用して測定した値である。含水率は、JIS P8127に準じて測定した値である。
【0104】
〈トレー本体の準備〉
準備した板紙を使用し、図4(a)に示すトレー本体を作製した。尚、打ち抜きは図4(a)に示されるトレー本体の展開図になるようにトムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜いた後、側壁に該当すかる箇所に常温筋押し法で筋付け行った後、熱プレス試験機(圧力1MPa)にて罫線に沿って折り曲げることで作製した。尚、作製したトレー本体は、コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P(大きさ35cm×43cm)が積重出来る寸法とした。
【0105】
〈皿形形状の緩衝部材の準備〉
準備した板紙を使用し、図8(a)と、図8(b)とに示す皿形形状の緩衝部材を準備した。図8(a)に示される皿形形状の緩衝部材の高さは第2底面の表面の位置が、位置規制側壁の端辺より14mm低くなるようにした。皿形形状の緩衝部材の鍔部の直径は、第2底面の面積(縦35cm×横43cm)に縦3個、横4個が配置出来る様にした。又、円板状頂部の直径は、鍔部の直径に対して68%とした。円板状頂部の平面部の幅は、円板状頂部の直径に対して10.7%とした。鍔部の傾斜部の幅は、鍔部の直径に対して5.3%とした。
【0106】
図8(b)に示される皿形形状の緩衝部材のリング状頂部の内径は、トレーの第1底部に設けられた穴の直径と同じにした。
【0107】
〈フラットプレートの準備〉
準備した板紙を使用し、図4に示すフラットプレートを準備した。尚、側壁の高さは、トレー本体の底面に載置した時、フラットプレートの上面(フラット面)で形成される第2底面が位置規制側壁の端辺より14mm低くなるようにした。尚、フラットプレートはトレー本体と同じ方法で作製した。
【0108】
〈トレー本体、皿形形状の緩衝部材、フラットプレートの調湿〉
23℃20%RHの条件で調湿を行い、トレー本体、皿形形状の緩衝部材、フラットプレート部材の含水率を4〜5%にした。
【0109】
〈トレーの作製〉
各準備したトレー本体の底面に、準備した皿形形状の緩衝部材、フラットプレートをホットメルト接着剤(コニシ(株)製:MP973)で固定し、図4(a)に示すトレーを作製した。尚、図7に示す様に、フラットプレートの側壁の端面604cと第1底面502との距離Iは2mmにした。皿形形状の緩衝部材の第1底面への配置は図10に示す様に12個とした。(トレーNo.T−1)トレーNo.T−1と同様に皿形形状の緩衝部材の高さを変化させ第1底面から第2底面までの高さ(t)を変更し、T−2〜T−3を作成した。更に、緩衝部材12個が並ぶスペースに下記表1に示す調湿剤をホットメルト接着剤でトレー本体に固定した
〈遮光性防湿袋の作製〉
遮光性防湿袋は、上側からマット剤入り表面コート(2μm)/ナイロン−6(15μm)/アルミニウム箔(7μm)/LDPE(12μm)/黒LLDPE(50μm)の多層構成の材料を使用し図3に示されるセンターシール方式の遮光性防湿袋を作製した。
【0110】
透湿度は、JIS K7129−1992に記載の測定法により測定した結果、0.01g/m2・dayであった。
〈包装体の作製〉
作製した各トレーT−1〜T−5に、シート状の熱現像感光材料(コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P)を表1記載の枚数を積重し23℃48%RH条件で、上記遮光性防湿袋に収納し36kPaの減圧条件で脱気しながら柏木式の真空シール機でヒートシールし、サンプル101〜110を作製した。
【0111】
【表1】
【0112】
上記包装体を作製から約1ヶ月後に、表2に記載した環境条件下でドライレーザー・イメージャ「DRYPRO MODEL771」(コニカミノルタエムジー(株)製)にサンプル101をセットし、通常のキャリブレーションを行い、直ちに出力後の濃度が1.50になるように露光量を調整し均一露光をあたえて画像出力した(即出力)。その後、イメージャ内にサンプル101をセットした状態で表2記載の同一環境下で1週間放置し、前記(即出力)と同一露光量で均一露光して画像出力した(1週間後出力)。その後、同様に1週間放置後、画像出力した(2週間後出力)。サンプル102〜110についても同様に評価し、各々出力画像の中央部分を濃度測定した結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
表2から明らかなように、比較サンプル101の濃度変動に対し本発明のサンプル102〜110は濃度変動が小さくなっており、特に高湿時の濃度変動が小さくなり良好であることが判る。また、サンプルNo.111では、記録材料枚数が多いために、1日当たりの使用枚数が少ない場合、画像記録装置内に画像記録材料が滞留する期間が長くなって、濃度変動が大きくなり好ましくない。
【0115】
このように、本発明の有効性が確認された。
【0116】
また、サンプルNo.111では、記録材料の容積が大きいために、内蔵できる調湿剤の量が少なくなって、一層湿度の影響が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】従来のトレーを用いた包装体の概略斜視図である。
【図2】本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体の概略斜視図である。
【図4】シート状画像記録材料包装体の分解斜視図である。
【図5】図4(a)の線A−Aに沿った断面図である。
【図6】本発明に係るシート状画像記録材料包装体の斜視図である。
【図7】図5におけるSで示す部分の拡大図である。
【図8】緩衝部材の断面図である。
【図9】緩衝部材を平面図である。
【図10】緩衝部材が載置されたトレー本体の斜視図である。
【図11】フラットプレート6の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1a、1b シート状画像記録材料包装体
3 シート状画像記録材料
4 遮光性防湿袋
5 トレー本体
501 底板
502 第1底面
507 第2底面
503〜506 位置規制側壁
6、6a フラットプレート
602a、602b 穴
604a〜604d 側壁
7a、7b 皿形形状の緩衝部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録に用いるシート状画像記録材料の積層体を収容するシート状画像記録材料包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録材料への画像記録は下記のように行われている。デジタルラジオグラフィーシステム、CT、MRI等の医療用の画像を記録する装置として、従来は銀塩写真湿式感光材料に撮影または記録後、湿式処理して再現画像を得るウェットシステムが用いられてきたが、近年、湿式処理を行わないドライシステムによる記録装置が注目されるようになり、感熱記録シートを用いる感熱記録装置、特に、銀塩光熱画像記録シートを用いる銀塩光熱記録装置が普及している。ところが、医療用の画像としては高画質が要求され高性能の画像記録材料が用いられ、このような高性能な画像記録材料では、湿度変化による感度変動が大きな問題になる。
【0003】
このように湿度変化が記録材料の感度等に影響するという問題に対して、特許文献1においては、感熱記録シートの包装体に調湿剤を固定した感熱記録材料包装体が提案されている。
【特許文献1】特開平9−132277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調湿剤により、環境湿度の影響をある程度抑制することはできるが、なお不十分であるという問題がある。
【0005】
画像記録材料包装体は一般に、遮光性防湿袋により密封された状態で流通するが、使用段階においては、遮光性防湿袋から取り出し、カセット、トレイ等にシート状画像記録材料が収容された包装体の形態で画像記録装置内に装填されて使用される。
【0006】
画像記録装置においては、画像記録が行われる毎に、画像記録材料が消費され、包装体内の画像記録材料の枚数は減少するが、かなりの期間に亘って遮光性防湿袋が除去された包装体の形態で、画像記録材料が画像記録装置内に残留する。従って、時間の経過とともに画像記録材料が吸放湿してしまうために、感度が変化し安定した高画質の画像を出力することが困難になる。例えばシート状画像記録材料の積層体を画像記録装置に収納し小枚数だけ使用した後、1週間程度使用しなかった場合、湿度環境による感度変動が生じるため、同一画像を出力する場合でも、当初に出力した画像と1週間後に出力した画像とでは濃度がかなり異なってしまうことがあるという問題が生じる。特許文献1のように、調湿剤を画像記録材料の包装体に固定した場合でも。湿度による影響の防止には限界がある。感熱記録材料、特に、銀塩光熱記録材料においては湿度環境による感度変動が大きく改善が要望されていた。
【0007】
本発明の目的は、このような従来技術における問題点を解決することにあり、画像記録材料を所定の環境下で好適に保持することができ、かつ画像記録装置に供給された後に長期間にわたり画像記録装置内に画像記録材料内が残留していることにより、感動の変動等が起こることを防止して、高画質な画像記録を安定して行うことを可能とするシート状画像記録材料包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の構成により達成された。
1.
画像記録装置において画像記録に用いられるシート状画像記録材料の積層体が収容されたシート状画像記録材料包装体において、前記シート状画像記録材料を収容する包装容器の全容積に対する前記シート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
2.
前記容積比率が0.2〜0.7であることを特徴とする前記1記載のシート状画像記録材料包装体。
3.
前記シート状画像記録材料が感熱画像記録材料であることを特徴とする前記1又は前記2に記載のシート状画像記録材料包装体。
4.
前記シート状画像記録材料が銀塩光熱画像記録材料であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
5.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.005〜1.00であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
6.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.02〜0.50であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
7.
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.05〜0.50であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
8.
前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤を密封する遮光性防湿袋を有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
9.
前記遮光性防湿袋が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の透湿度を有することを特徴とする前記8に記載のシート状画像記録材料包装体。
10.
前記遮光性防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で封止されていることを特徴とする前記8又は前記9に記載のシート状画像記録材料包装体。
11.
前記包装容器、前記シート状画像記録材料、前記調湿剤及びこれらを密封する遮光性防湿袋を有するシート状画像記録材料において、前記遮光性防湿袋の密封を解除し、取り除いたときに、前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤が前記シート状画像記録材料包装体として残ることを特徴とする前記8〜10のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
12.
前記包装容器は、トレー本体と該トレー本体上に空隙をおいて載置され、前記シート状画像記録材料が載置されるフラットプレートを有するとともに、前記調湿剤は前記空隙に配置されたことを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、定型の包装容器内に、定積比率で0.05〜0.9のように、該包装容器の容積よりも小さな体積のシート状画像記録材料を収容させたので、シート状画像記録材料包装体に収容されるシート状画像記録材料の枚数が少なくなって、シート状画像記録材料が画像記録装置内に長期間残留することが避けられる。これにより、高湿環境下において、シート状画像記録材料の感度が変化するの防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明の実施の形態の説明に先立って従来のシート状画像記録材料包装体について説明する。図1は従来のトレーを用いたシート状画像記録材料包装体の概略斜視図である。
【0012】
図中、1aはシート状画像記録材料包装体を示す。2は積層された複数枚のシート状画像記録材料3を収容する包装容器としてのトレーを示し、4はトレー2及び積層されたシート状画像記録材料3を包装する遮光性防湿袋を示す。一般的にシート状画像記録材料は100〜150枚がトレー2に収容されている。202〜205はトレー2の矩形の底部201の周縁部に立ち上げられ設けられたシート状画像記録材料位置規制用側壁を示す。底部201はシート状画像記録材料3の大きさ及び形状に合わせ作製されている。
【0013】
401、402は遮光性防湿袋4のサイドシール部を示し、403は遮光性防湿袋4のセンターシール部を示す。404は包装体1を画像記録装置(不図示)に装填した後、画像記録装置の係合部(不図示)に係合させ遮光性防湿袋4を引き抜くための穴を示す。本図で示される遮光性防湿袋4はセンターシール方式で作製されおり、包装体1aは外箱(不図示)に収納されユーザで使用される形態となっている。
【0014】
本図に示される如く、トレー2に収容されているシート状画像記録材料は100〜150枚と多いため、一日当たりの使用量が少ない場合は、画像記録装置内にシート状画像記録材料が数月間、遮光性防湿袋4から出された状態で置かれることになる。この場合、湿度、温度が低い冬季ではシート状画像記録材料の性能変化も少ないのであるが、湿度、温度が高い夏季ではシート状画像記録材料の性能劣化も進んでしまう恐れがあるため廃棄せざるを得なくなり、コストが高くなってしまう。
【0015】
図1に示す従来のシート状画像記録材料包装体におけるこのような問題点に鑑み、本発明は、トレーの形状を変えることなく、収容されるシート状画像記録材料の枚数を少なくすることにより、遮光性防湿袋が除去され状態で画像記録装置内に長期間残留ことを避けることができるようにし、しかも、輸送過程での振動、取り扱い等に伴うスリキズの発生を防止したシート状画像記録材料包装体を提供するものである。
【0016】
次に、本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置について説明する。図2は本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置の概略を示す図である。
【0017】
画像記録装置は、構成としては、シート状画像記録材料を供給する供給部、レーザ画像記録部、熱現像感光材料の全面に均一で安定した熱を供給する熱現像部、フィルム供給部からレーザ記録を経て、熱現像により画像形成されたシート状画像記録材料を装置外に排出するまでの搬送部から構成される。かかる画像記録装置の具体例は図2に示すものである。
【0018】
画像記録装置100は、シート状の熱現像画像記録材料(フォトサーモグラフィックエレメント又は単にフィルムとも言う)を1枚ずつ給送する給送部110、給送されたフィルムFを露光する露光部120、露光されたフィルムFを現像する現像部130、現像を停止させる冷却部150と集積部160とを有し、給送部からフィルムFを供給するための供給ローラー対140、現像部にフィルムを送るための供給ローラー対144、各部間でフィルムFを円滑に移送するための搬送ローラー対141、142、143、145等複数のローラー対から成っている。熱現像部はフィルムFを現像する加熱手段として、外周にほぼ密着して保持しつつ加熱可能な複数の対向ローラー2を有するヒートドラム1と現像したフィルムFを剥離し冷却部に送るための剥離爪6等から成る。
【0019】
熱現像感光材料の現像条件は、使用する機器、装置、あるいは手段に依存して変化するが、典型的には、適した高温において像様に露光した熱現像材料を加熱することにより現像を行うものである。露光後に得られた潜像は、中程度の高温(約80〜200℃、好ましくは約100〜140℃、より好ましくは110〜130℃)で、十分な時間(一般には約1秒〜2分間、好ましくは3〜30秒、より好ましくは5〜20秒である。)
フィルムFを加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の供給を一切行わないで進行する。
【0020】
加熱する機器、装置あるいは手段としては、例えばホットプレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チタン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段等で行ってよい。より好ましくは、保護層の設けられた熱現像材料は、保護層を有する側の面を加熱手段と接触させ加熱処理することが、均一な加熱を行う上で、又、熱効率、作業性等の観点から好ましく、保護層を有する側の面をヒートローラーに接触させながら搬送し、加熱処理して現像することが好ましい。
【0021】
フィルムFはトレイCに収容されたシート状画像記録材料包装体の形態で画像記録装置100内に装填される。
【0022】
次の本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体について説明する。
【0023】
図3は本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体の概略斜視図、図4はシート状画像記録材料包装体の分解斜視図、図5は図4(a)の線A−Aに沿った断面図である。
【0024】
本実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体1bは、基本的には、シート状画像記録材料3、包装容器としてのトレー10(図5参照)で構成され、該トレー10はトレー本体5とフラットプレート6で構成される。また、トレー本体5の底板501(図4参照)と及びフラットプレート6との間には、調湿剤が固定される。そして、シート状画像記録材料包装体1bは、これらに加えて、これらを密閉する遮光性防湿袋4を有していても良い。
【0025】
トレー本体5は底板501(図4参照)と、底板501の第1底面502に載置された皿形形状の緩衝部材7a、7b(図3、図5を参照)及び緩衝部材7a、7b上に載置され、第2底面507を形成するフラットプレート6とを有している。トレー本体5は矩形の底板501と、底板501の周縁部に立ち上げられ設けられた位置規制側壁503〜506有している。
【0026】
第1底面502はシート状画像記録材料3の大きさ及び形状に合わせ作製されている。シート状状画像記録材料の位置を規制する位置規制側壁503〜506は図1に示されるトレー2の側壁202〜205と同じ高さとなっている、又、第1底面502の大きさ、形状も図1に示されるトレー2の底部201と同じとなっている。
【0027】
フラットプレート6は、フラット面601と、フラット面601(第2底面507を形成する)の周縁部にフラット面601の裏側向けて設けられた側壁604a〜604d(図4を参照)を有し、位置規制側壁503〜506に側壁604a〜604d(図4を参照)を固定することでトレー本体5に固着している。
【0028】
7a、7bは皿形形状の緩衝部材であり、底板501とフラット面601との間に適宜数配置される。
【0029】
図6を参照して本発明に係るシート状画像記録材料包装体を説明する。
【0030】
シート状画像記録材料包装体1bは位置規制側壁503〜506の高さで規制される高さLH、底板501の奥行き長さで規制される長さLL及び底板501の幅で規制される幅LWを有し、これらにより規制される全容積TV=LH×LL×LWを有する。
【0031】
高さLH、長さLL及び幅LWは画像記録装置100(図2参照)によって決まっており、例えば、半切サイズでは、LH=29.5mm、LL=435.7mm、LW=356.5mm、大四切サイズでは、LH=29.5mm、LL=365.5mm、LW=281.5mmである。
【0032】
そして、積層して収容される複数枚のシート状画像記録材料3は第2底面507上に載置され、載置・収容されるシート状画像記録材料3の容積はMV、シート状画像記録材料1枚の面積をS、厚さをTH、枚数のNとするとき、MV=S×TH×Nである。
【0033】
シート状画像記録材料包装体1bは図2に示す画像記録装置に装填されるものであり、装置との関係で所定の寸法、形状の定型包装体であるが、第1底面502と第2底面507との間をシート状画像記録材料3が収容されない空間とすることにより、定型の包装体内に、消費割合に見合った枚数のシート状画像記録材料を収容することが可能となる。
【0034】
本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体1bは、シート状画像記録材料包装体1bの全容積TVに対するシート状画像記録材料3の容積MVの比率、即ち、MV/TVが0.05〜0.9であることを特徴とする。
【0035】
前記比率が0.05よりも小さいと、シート状画像記録材料包装体内のジート状画像記録材料3の枚数が少なすぎて、画像記録装置にシート状画像記録材料包装体を装填して使用する際に、シート状画像記録材料包装体の補給を頻繁にする必要が生ずる。
【0036】
また、前記比率が0.9よりも大きい場合、画像記録装置内にシート状画像記録材料が残留する期間が長くなって、感動等の画像特性の変化が起こる確率が高くなる。
【0037】
そして、該比率が0.2〜0.7であることがより好ましい。
【0038】
シート状画像記録材料包装体1bを作製する場合、図4に示されるトレー本体5にシート状画像記録材料3を積層・載置した状態で、遮光性防湿袋4に収納し、輸送時におけるトレー内において、移動によるスリキズ防止、くっつき防止、トレーの側壁との擦れによる感光層の剥離防止、画像形成装置に装填した時の搬送性等を考慮し、20〜90kPaの減圧条件で脱気しながら遮光性防湿袋4を密封することで作製することが好ましい。
【0039】
本発明に係る遮光性防湿袋4の透湿度は、保管時におけるシート状画像記録材料3の性能維持を考慮し、1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下であることが好ましく、更に、0〜0.5g/m2・24h(40℃・90%RH)が好ましい。尚、透湿度は、JIS K7129−1992に記載の測定法により測定した値である。
【0040】
シート状画像記録材量包装体1bは、底板501とフラットプレート6と皿形形状の緩衝部材7a、7bとを有している。508a〜508dは第1底面502の角部を示し、角部508a〜508dは、トレー本体5を遮光性防湿袋4に入れた時に角部で遮光性防湿袋4に穴を開けることを避けるため角切り又はRを付けることが好ましい。509は第1底面502に設けられたシート状画像形成材料3の検知用に開けられた穴を示す。穴509の位置はフラットプレート6の上面(フラット面)601(トレー本体5が形成された時第2底面となる)に開けられた穴の位置と合っていることが好ましい。
【0041】
602a(602b)は、フラットプレート6のフラット面601に開けられたシート状画像形成材料3の検知用の穴を示す。穴602a(602b)は画像形成装置のシート状画像形成材料の収納容器(不図示)内が空になったことを画像形成装置(不図示)に検出させる手段である。穴602a(602b)が配設される位置は、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサの位置、及びシート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)の位置と同じ位置であり、第2底面507に積重されたシート状画像形成材料3が無くなった時、シート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)が穴602a(602b)を吸引することで、吸着圧が下がらなくなり、シート状画像形成材料3が無くなったことが判る様になっている。又、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサによる検知も可能となっている。
【0042】
検知用の穴の数は、画像形成装置のシート状画像形成材料3が無くなった時を検知するセンサの数、及びシート状画像形成材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)の数と同じ数を配設することが好ましい。又、穴の大きさは吸盤の大きさよりも大きいことが好ましい。
【0043】
フラットプレート6は、第1底面502と同じ大きさと、側壁を形成する面積を有する1枚のフラットな表面を有する材料の裏面から側壁を立ち上げることで作製することが可能である。604a〜604dは、形成された側壁を示し、601はフラットプレート6のフラット面を示し(トレーに組み立てられた時は第2底面となる)、603は裏面を示す。605a〜605dは角部を示し、角部605a〜605dは、第1底面502の角部508a〜508dから外に出ない様に角切り又はRが付けられている。側壁604a〜604dは全て同じ高さを有している。本図では、フラットプレート6はフラット面601と側壁604a〜604dが一体の場合を示しているが、フラットプレート6は、側壁604a〜604dに該当する形態の部材を先に作製し、その上にフラット面601に該当する部材を固定する別体方式でも作製は可能である。
【0044】
フラットプレート6はフラット面601を上側にして、第1底面502に載置された皿形形状の緩衝部材上に配設されている。この時、側壁604a〜604dはシート状シート状画像記録材料3位置規制する用側壁503〜506に、例えば接着剤により固着されている
。この様に配設することで、フラットプレート6の表面601が第2底面507を形成する形態となる。
【0045】
皿形形状の緩衝部材としては、円板状の頂部を有する皿形形状の緩衝部材7aとリング状頂部を有する皿形形状の緩衝部材7bの2種類が用いられる。皿形形状の緩衝部材7aは、円板状の頂部7a1と、円板状の頂部7a1の周辺に、周辺よりも外側に傾斜し一体に設けられた傾斜側壁7a2と、傾斜側壁7a2の周囲の端部に一体に設けられた鍔部7a3とを有している。
【0046】
皿形形状の緩衝部材7bは、リング状頂部7b1と、リング状頂部7b1の周辺に、周辺よりも外側に傾斜し一体に設けられた傾斜側壁7b2と、皿形形状の傾斜側壁7b2の周囲の端部に一体に設けられた鍔部7b3とを有している。本図に示す皿形形状の緩衝部材7a(7b)を第1底面502に配設する数は、トレーの必要とする耐圧強度に応じて変えることが可能となっている。
【0047】
トレー本体5の底板501、フラットプレート6、皿形形状の緩衝部材7a、7bの材料は全て紙である。使用する紙は、環境対応、輸送時の強度、成型のし易さ、形状安定性、シート状画像記録材料への影響、製造コスト、生産性等を考慮し、坪量100〜1000g/m2、厚さ0.4〜1.0mm、含水量0.1〜6質量%、再生紙を50質量%以上含んでいることが好ましい。坪量の測定は、JIS P8118(1998)に準拠して測定した値である。厚さは、板紙を40℃の恒温槽で2時間乾燥させた後にマイクロゲージ((株)ミツトヨ製)を使用して測定した値である。含水率は、JIS P8127に準じて測定した値を示す。
【0048】
特に好ましい、紙材料としては、例えば、強度、紙粉が発生し難い、成形がし易い、環境対応等を考慮し再生パルプを積層した中間再生紙層と、中間再生紙層の両側に、表面にクレー又はカオリンのコート層を有する上質紙の最外層を有した板紙が挙げられる。
【0049】
トレー本体5の第2底面507の耐圧強度は、製造工程でシート状画像記録材料を積重し、遮光性防湿袋4に入れ包装体とした後に段積みする時の強度、包装体の輸送時の強度等を考慮し、100〜10,000Paであることが好ましい。耐圧強度は、トレーの第2底面の面積の90〜100%の面積を有するシート状画像記録材料又は代替え物を積み重ね、フラットプレート6が耐える荷重を測定した値を示す。
【0050】
又、トレー本体5の破断強度は、トレー本体5の位置規制側壁503〜506の自立性、フラットプレート6の安定性、トレーの遮光性防湿袋4への挿入性、遮光性防湿袋4の保護等を考慮し、1.2〜4.5kPaを有していることが好ましい、更には1.8〜3.5kPaであり、最も好ましくは2.5〜3.0kPaである。破断強度は、JIS−P8115に準拠して測定した値である。
【0051】
本実施の形態に係る包装体1bは次の段階を経て作製することが可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるトレー本体の展開図になるように切り取る。トレー本体5の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、位置規制側壁503〜506を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)位置規制側壁503〜506を付けられた筋に沿って立ち上げ、トレー本体5を作製する。
4)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート6の展開図になるように切り取る。フラットプレート6の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
5)打ち抜いた後、側壁を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
6)フラットプレート6の裏面の周縁部から各側壁を付けられた筋に沿って立ち上げフラットプレート6を作製する。
7)トレー本体5の、第1底面502の少なくとも4隅に皿形形状の緩衝部材を第1底面からはみ出さない様に置く。この時、皿形形状の緩衝部材の鍔部の一部を第1底面に接着固定することが好ましい。
8)皿形形状の緩衝部材を配置したトレー本体5に、作製したフラットプレート6を、上面を上側にして皿形形状の緩衝部材の上に置き、フラットプレート6の側壁604a〜604dとトレー本体5の位置規制側壁503〜506とを接着剤でそれぞれ固定する。
1)〜8)の過程を経ることで図5に示される包装容器としてのトレー10を作製することが可能である。
【0052】
図7は図5のSで示される部分の概略拡大断面図である。
【0053】
図中、Hは位置規制側壁503の先端から、第2底面507(フラットプレート6の表面601)までの高さを示す。高さHは、第2底面507上に載置されシート状画像記録材料3の枚数、トレーの交換頻度、トレーに残ったシート状画像記録材料の消費期間等を考慮し、5〜25mmが好ましい。
【0054】
Iは、フラットプレート6の側壁604cの端面604c1と第1底面502のとの距離を示す。距離Iは、皿形形状の緩衝部材の機能の維持、第2底面の耐圧強度を維持を考慮し、3mm以下が好ましい。より好ましくは0.1〜3mmが好ましい。
【0055】
本図に示される様に、フラットプレート6は、フラット面601に開けられたシート状画像形成材料の検知用の穴602a(602b)と、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)と、一致するようにフラット面601を上側にして皿形形状の緩衝部材7a(7b)の頂部に裏面603が当接するように載置され、位置規制側壁503の内側と側壁604c(604d)の外側とが接着剤で固着され、側壁の端面と第1底面の表面との間に3mm以下の距離を保つ状態で配設され第2底面507を形成している。尚、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)の上には、画像形成装置のシート状画像形成材料の収納容器(不図示)内が空になったことを画像形成装置(不図示)に検出させることから、皿形形状の緩衝部材7bを配設する必要がある。他の符号は図3と同義である。
【0056】
図8は図4に示す皿形形状の緩衝部材7a、7bの拡大概略断面図である。図8(a)は図4のB−B′に沿った拡大概略断面図である。図8(b)は図4のB−B′に沿った拡大概略断面図である。
【0057】
皿形形状の緩衝部材7aの円板状頂部7a1は周辺部近傍に平面部7a11と、平面部7a11に繋がった第1傾斜部7a12と、第1傾斜部7a12に繋がり中心部7a14迄の第2傾斜部7a13とを有している。第1傾斜部7a12の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、15〜34°が好ましい。第2傾斜部7a13の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、2〜8°が好ましい。平面部7a11から傾斜側壁7a2への繋がり部7a15は、R1〜5を有していることが好ましい。円板状頂部7a1の周辺部に設けられている傾斜側壁7b2の平面部7a11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し10〜30°が好ましい。傾斜側壁7a2の周面には傾斜側壁7a2の強度を高めるために絞り加工を施すことが好ましい。
【0058】
鍔部7a3は、傾斜側壁7a2の周縁部に、R1〜3を有する繋がり部7a31を介して設けられている、傾斜部7a32を有している。傾斜部7a32の平面部7a11に対する角度は、曲げ強度を考慮し、2〜8°が好ましい。傾斜部7a32の周縁部近傍部7a33は、R0.5〜2.0で曲げられている。
【0059】
皿形形状の緩衝部材7bのリング状頂部7b1は、第1平面部7b11と平面部7b11に繋がった傾斜部7b12と、傾斜部7b12に繋がった第2平面部7b13とを有し、中央部がないリング状となっている。傾斜部7b12の第1平面部7b11に対する角度は、皿形形状の緩衝部材の強度を考慮し、2〜8°が好ましい。リング状頂部7b1の周辺部に設けられている傾斜側壁7b2、及び側壁7b2の周縁部に設けられた鍔部7b3の形状は図5の(a)に示される皿形形状の緩衝部材の形状と同じである。
【0060】
図8(a)、図8(b)で示される皿型形状の緩衝部材7a、7bは、最新 紙加工便覧 テックタイムス 編 803〜809に記載の方法で作製することが可能である。図8(b)で示される他の皿型形状の緩衝部材7bは、リング状に打ち抜いたブランクスを使用し、図8(a)で示される皿型形状の緩衝部材7aと同じ方法で行うことで作製することが可能である。又、図8(a)で示される皿型形状の緩衝部材を作製した後、円板状頂部7a1の中央部を打ち抜くことでも作製することが可能である。
【0061】
図9は図8に示される皿型形状の緩衝部材の平面図である。図9(a)は図8(a)に示される皿型形状の緩衝部材7aの平面図である。図9(b)は図8(b)に示される皿型形状の緩衝部材7bの平面図である。
【0062】
図9(a)に示される皿形形状の緩衝部材7aの場合、Uは皿型形状の緩衝部材の鍔部7a3(傾斜部7a32と周縁部近傍部7a33とを含む)直径を示し、Vは円板状頂部7a1の直径を示す。Wは円板状頂部7a1の周辺に設けられた平面部7a11の幅を示す。Xは鍔部7a3の傾斜部7a32の幅を示す。
【0063】
円板状頂部7a1の直径Vと皿型形状の緩衝部材の鍔部7a3(傾斜部7a32と周縁部近傍部7a33とを含む)直径Uとの比は、皿形形状の緩衝部材の耐圧強度を考慮し、1:0.5〜1:0.9が好ましい。平面部7a11の幅は、板状頂部7a1の直径Vに対して、曲げ剛性の強さを考慮し、3〜15%であることが好ましい。傾斜部7a32の幅Xは、鍔部7a3の直径Uに対して、曲げ剛性の強さ(座屈のし難さ)を考慮し、10〜30%であることが好ましい。
【0064】
図9(b)に示される皿形形状の緩衝部材7bの場合、Yはリング状頂部7b1の内径を示す。内径Yは、第1底面502(図4を参照)に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)(図4を参照)と同じであることが好ましい。他の寸法は図6の(a)に示される皿形形状の緩衝部材7aと同じである。
【0065】
図10は図3に示す皿型形状の緩衝部材をトレー本体5の第1底面502に配設した一例を示す概略斜視図である。
【0066】
図10に示される皿型形状の緩衝部材7bは、第1底面502に設けられたシート状画像形成材料の検知用に開けられた穴509a(509b)の中心と、皿形形状の緩衝部材7bのリング状頂部7b1の中心が一致する様に配置することが必要である。皿形形状の緩衝部材7aは、トレー本体5の第1底面502の大きさに合わせ、等間隔で配置することが好ましい。皿形形状の緩衝部材を第1底面502に配置する位置は、少なくとも第1底面502の4隅に配置することが必要であり、配置する数はトレーの大きさ、皿形形状の緩衝部材の大きさにより異なるが、必要とする耐圧強度に応じて変えることが可能となっている。好ましい、配置の例としては、第1底面502の面積に対して、第2底面の耐圧強度を考慮し、皿形形状の占める割合が30〜60%になるように配置することが好ましい。配置する個数に合わせ皿形形状の緩衝部材の大きさを決めることが必要である。例えば、本図に示す第1底面の積が35.4cm×43.0cmの場合、鍔部の直径U(図8を参照)が8.2cmの皿形形状の緩衝部材を使用し、本図に示す様に配置することが好ましい。
【0067】
図11は他の形状のフラットプレートの概略図である。図11(a)は他の形状のフラットプレートの概略斜視図である。図11(b)は図11(a)のD−D′に沿った概略断面図である。
【0068】
図中、6aはフラットプレートを示す。606a〜606dは各側壁604a〜604dをフラット面601の裏面603に平行になるように折り曲げた折り曲げ部を示す。
【0069】
トレー本体5の底板501(図4を参照)の第1底面502(図4を参照)に載置する時に、各折り曲げ部606a〜606dを第1底面502(図4を参照)に接着固定することが可能になっている。又、同時に各側壁604a〜604dの外側と、トレー本体5の底板501(図4を参照)の位置規制側壁の内側とを接着固定してもかまわない。他の符号は図3と同義である。
【0070】
本図に示されるフラットプレート6aは、次の段階を経て作製することが可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート6aの展開図になるように切り取る。トレーの展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、各側壁及び各折り曲げ部を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)フラットプレート6aの裏面の周縁部から側壁を付けられた筋に沿って立ち上げる。
4)各側壁に付けられた筋に沿って折り曲げ、折り曲げ部606a〜606dを形成する。
1)〜4)の過程を経ることで、本図に示す折り曲げ部606a〜606dを有するフラットプレート6aを作製することが可能である。本図に示すフラットプレート6aを使用し、図4に示すトレー5を作製する場合は、皿形形状の緩衝部材が配置された本体に、本体の第1底面501とフラットプレート6aの裏面603とが対向する状態で、折り曲げ部606a〜606dに接着剤を塗り置き、フラットプレート6aの側壁604a〜604dと本体の位置規制側壁503〜506とを接着剤で固定することで可能である。
【0071】
図3〜図11に示されるシート状画像記録材料包装体に収容されるシート状画像記録材料は、一日当たりの使用量、残った時のシート状画像記録材料の性能変化等を考慮し10〜90枚が好ましく、25〜70枚が更に好ましい。
【0072】
図3〜図11に示される皿形形状の緩衝部材を用いたトレーを使用することにより、積重するシート状画像記録材料を減らすことが出来、一日当たりの使用量が少ない場合でも、撮影機器内にシート状画像記録材料が遮光性防湿袋4から出された状態で置かれる日数が短期間とすることが可能となり、湿度、温度が高い夏季でも廃棄することが無くなり、安心して使用することが出来、コストも抑えることが可能となる。
【0073】
図3〜図11に示される皿形形状の緩衝部材を用いたトレーを作製する時、フラットプレート6の側壁とトレー本体の位置規制側壁との固定、皿形形状の緩衝部材と第1底面との固定、フラットプレート6の側壁同士の固定に接着剤を使用する場合、好ましい接着剤として、例えば、ダイセルファインケム(株)製:セビアン3502、セビアンA MY7951、セビアンA 22046、セビアンA 4786、日榮化工(株):ライフボンドAV−840M、ライフボンドAP−6710、コニシ(株):ボンド SP95、ボンド CN140、CN1、CN165、MP 435、MP 1311、MP 973、MH 510、ヤスハラケミカル(株):ヒロダイン 7521、ニッタゼラチン(株):ニッタイトHC−126、日本ユニポリマー(株):UH370、住友3M:1BF560等が挙げられる。これらの中で。特に好ましい接着剤としては、コニシ(株):MP 435、MP 1311、MP 973、MH 510、ヤスハラケミカル(株):ヒロダイン 7521、ニッタゼラチン(株):ニッタイトHC−126が挙げられる。
【0074】
本発明において用いられる板紙は、使用後のリサイクルを考慮した時に木材のパルプを主原料とするのが好ましい。木材のパルプとしては、丸善(株)編(パルプと紙)109頁〜268頁、工学図書(株)編(製紙工学)180頁〜187頁に記載されている如きパルプであればよく、例えば針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹、広葉樹混合パルプの天然パルプが使用され、処理法によって機械パルプ、化学パルプ、ケミグラウンドパルプ、ケミメカニカルパルプ、サルファイトパルプ何れでもよい。特開平2−48372号、同2−53999号、同2−96741号、同2−96742号、同2−99689号、同2−99693号、同2−180583号に記載されているパルプを使用することも可能である。
【0075】
これらのパルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0076】
板紙に使用するパルプの叩解後の繊維長は、JIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0077】
板紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。板紙の密度はJIS−P−8118に規定される条件で測定した値が0.7〜1.2g/m2が好ましい。更に、板紙の剛度はJIS−P−8143に規定される条件で測定した値が20〜200gが好ましい。板紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定した値が5〜9であることが好ましい。
【0078】
本発明に用いられる板紙としては、白板紙が好ましい。白板紙としてはマニラボール、白ボール等が挙げられる。本発明のトレーに使用する板紙は、特開2004−170759に記載の耐水コート層が形成されていることが好ましい。
【0079】
本発明に用いられる遮光性防湿袋の材料は最下層が熱溶融性層を有し、遮光性と防湿性の機能を有する多層材料である。これらの材料としては、単一素材であってもよいが、機能性を向上させるために、各種異種材料を重ねて多層材料とし機能性を高めることが好ましい。
【0080】
各材料を重ねる方法としては異種の熱可塑性の樹脂を同時に押し出して作る方法(インフレーション法)、異種材料を接着剤で貼り合わせることで多層材料を作る方法(ドライラミネーション)等が知られているが、これらの方法の中でも、より高い機能性を必要とするにはドライラミネーション法で製造した多層材料であることが好ましい。
【0081】
多層材料を製造する方法としては機能性包装材料の新展開 株式会社 東レリサーチセンターP48〜P51、コンバーテック 1990.1,1990.4,1990.11,1991.11,1993.3に記載されている如き一般的な方法で作製することが出来る。
【0082】
多層材料の層構成としては、上側より、意匠印刷面となる表面層、防湿又は遮光機能を有する中間層、熱溶着機能を有する下層から構成されており、中間層は必要に応じて幾層にも分けて積層することが可能である。例えば2層に分け1層には防湿機能を他の1層には遮光機能を持たせることも当然可能である。下層にも遮光機能を持たせてもかまわない。表面層に使用される材料としては特に限定はなく、中間層と同じ材料であってもかまわない。多層材料の各層に用いられる材料としては一般の包装材料として使用されている、高分子フィルム材料である低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)、ナイロン(Ny)、PET、セロハン、PVA、延伸ビニロン(OV)、EVOH、塩化ビニリデン(PVDC)等が使用出来る。これら材料は、必要に応じて異種高分子フィルム材料と共押し出しで作った多層材料、延伸角度を変えて貼り合わせて作った多層材料等も当然使用出来る。更に必要とする遮光性防湿袋の物性を得るために使用する高分子フィルム材料の密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
【0083】
多層材料の下層に使用される高分子フィルム材料としては、メタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE等が挙げられる。これらの高分子フィルム材料の中に一般の製造方法で製造されたLDPE、LLDPEを混合して用いてもよい。これらのメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPEは一般に市販されているものであれば充分に使用出来る。例えば宇部興産(株)製のユメリット、ダウ・ケミカル日本製のAFFINITY、エリート、日本ポリオレフィン(株)製のハーモレックスLL、日本ポリケム(株)製のカーネル57L、三井化学(株)製エボリュー、積水フィルム西日本(株)製ラミロンスーパー、タマポリ(株)製SEシリーズ、東セロ(株)製トーセロT.U.X−FCS、T.U.X−TCS、二村化学工業(株)製太閤FL、三菱化学興人パックス(株)製メタロエース、和田化学工業(株)製WMX、住友化学(株)製FV202等が挙げられる。
【0084】
又、多層材料の下層には、収納するシート状の熱現像感光材料やトレー形状の保護部材に対して滑り性をよくするために、滑剤が添加されることが好ましい。この滑剤としては、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)、脂肪酸アミド、高級脂肪酸などが挙げられるが、これらに限られない。そして、これらの滑剤の添加量は、下層の質量に対して、滑り性の観点から500ppm以上(特に5000ppm以上)であることが好ましく、又、コスト及び滑剤の副作用の観点から、20000ppm以下(特に10000ppm以下)が好ましい。
【0085】
本発明に用いられる遮光性防湿袋に求められる機能として挙げた遮光性を得るには、特開昭63−85539号、同64−82935号、特開平1−209134号、同1−94341号、同2−165140号、同2−221956号に記載されている如き遮光性物質を含有することで得ることが出来る。遮光層は多層材料の構成で何処の層に設けてもよいが、中間層、熱溶融性層が最も好ましい。ポリエチレンを主たる成分とする層であることが好ましいが、これに限らない。遮光層に添加する遮光性物質としては、カーボンブラックを含有することが、遮光性とコストの観点から好ましく、カーボンブラックはファーネス式、チャンネル式、アセチレン式、サーマル式等何れの製法によって作られたものでもよい。これらカーボンブラックの代表的な例としては、三菱化成工業株式会社製のMA−600、#650B、#41、#3150、#3250、#3750、#3950、MA−100、CABOT社製のカーボン、VULCAN、XC−72R、BLAC Pearls700、VULCAN・P、ライオン・アクゾ株式会社製ケッチェンブラックEC、旭カーボン株式会社製の旭HS−500等が挙げられる。特開平4−121733号、同3−179342号、同5−88299号に記載されている如きイオウ含有量を規定したカーボンブラックでも勿論よい。カーボンブラックの添加量は、遮光層の厚さが50μm以上の場合、遮光性の観点から、1.5質量%以上であることが好ましく、生産性とコストの観点から、7.5質量%以下であることが好ましい。
【0086】
遮光性防湿袋の透湿度を1.0g/m2・24時間40℃90%RH以下にするためには中間層に、特開平8−254793号、同8−171177号、同8−122980号、同6−250343号、同6−122469号、同6−95302号、同1−93348号、同1−251031号、同2−186338号、同1−267031号、同2−235048号、同2−278256号、特開昭60−151045号、同60−189438号、同61−54934号、同63−30842号、同63−247033号、同63−272668号、同63−283936号、同63−193144号、同63−183839号、同64−16641号、同64−77532号、実開平1−152336号、同2−21645号、同2−44738号等に記載されている防湿材料が挙げられる。
【0087】
又、中間層には有害ガスから保護するために特開平2−56547号に記載されている如き酸素吸収物質、特開平8−41288号に記載されている如き、ホルムアルデヒドスカベンジャーを混入した樹脂、特開平4−9047号、同3−236050号、同2−244136号に記載してある如きシアンガス捕捉剤、特開平9−152683号に記載されているゼオライト分子篩粒子等を含んでいてもよい。
【0088】
本発明に用いられるシート状画像記録材料としては特に限定はなく、例えば、湿式現像処理を行うXレイフィルム、熱現像処理を行う熱現像像感光材料等が挙げられる。本発明に係るシート状の熱現像感光材料としては、特開2002−122959、同2002−107870、同2002−90938、同2002−82416、同2002−82412、同2002−72413、同2002−72407、同2002−62620、同等に記載のものを使用することが出来る。通常は、少なくとも1層の感光層を設け、この感光層の下部(支持体と感光層の間)にアンチハレーション層(AH層)、感光層の上部に保護層が塗設されている。更に支持体に対して感光層のある側と反対側にバッキング層(BC層)、その上部に保護層がそれぞれ塗設されている。感光層中には、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤及びバインダー(高分子結合材)が含まれている。AH層やBC層には感光波長に対して吸収効率の高くて、残色になりにくい染料をバインダー中に存在させてシート状の熱現像感光材料の構成層界面での乱反射による鮮鋭性の劣化や干渉縞の防止を行う。AH層、BC層及び保護層等のバインダーは、感光層と同種や異種の素材を使用することが出来る。BC層に染料を使用する場合、AH層を設けない場合もある。
【0089】
本発明に係るシート状の熱現像感光材料に使用される感光性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法でも調製出来る。ハロゲン化銀は、良好な画質を得るために粒子サイズが小さくて感度の高いものが好ましい。粒子サイズが小さいと粒状性や解像度がよいからである。しかし、感度は低くなるので分光増感や化学増感により、増感され易い結晶形が好ましい。
【0090】
感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整、感度、カブリ及び保存性等のために遷移金属、特に元素周期律表の6族から10族に属する金属の第4周期から第6周期の化合物がドープ(含有)されることが好ましい。具体的にはRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンが好ましい。
【0091】
感光性層上の保護層やBC層にマット剤を含有することが好ましく、用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物の何れでもよい。例えば、無機物としては、シリカ、ガラス粉等をマット剤として用いることが出来る。有機物としては、ポリスチレン(PSt)或いはポリメタアクリレート(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)の様な有機マット剤を用いることが出来る。マット剤の形状は、定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm〜8.0μmである。マット剤の粒子径が前記範囲より小さいとくっつき、べたつき等の故障が多発し易くなり、マット剤の粒子径が大きくなるとヘイズが増し、透明性が低下する。
【0092】
支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)やポリプロピレン(PP)等のプラスチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、又これらを組み合わせた複合シートを任意に用いてもよい。
【0093】
本発明において用いる調湿剤とは、湿度が高い場合には吸湿し湿度が低い場合には加湿して環境の湿度を一定に保つ性質を有するもの、及び湿度が高い場合に吸湿し環境の湿度を低湿に保つ性質を有するものをいう。
【0094】
湿度が高い場合には吸湿し湿度が低い場合には加湿して環境の湿度を一定に保つ性質を有する調湿剤は、活性炭や吸水ポリマーなどを用いた複合材料として一般的に知られている。このような調湿剤は市販品を各種利用することが可能であり、例えば古河電工社の「ドライキーパー」、特種製紙社の「SHCペーパー」、ハイウッド社の「RHC調湿剤」等が好適に利用できる。
【0095】
また、湿度が高い場合に吸湿し環境の湿度を低湿に保つ性質を有する調湿剤は、吸湿剤として良く知られている二酸化ケイ素を主原料とするシリカゲルやゼオライトなどが好適に利用できる。
【0096】
調湿剤はシート状画像記録材料に対してして質量比で0.005〜1.00の範囲内にある量がシート状画像記録材量包装体に収容されることが好ましい。
【0097】
質量比0.005よりも低いと、湿度による影響を抑制すること困難となり、感度変化等が発生しやすくなる。また、質量比で1.00よりも多く調湿剤を用いると、調湿剤の容積により包装体の容積が大きくなりすぎる。
【0098】
シート状画像記録材料に対する調湿剤の量比は、0.02〜0.50であることが好ましく、0.05〜0.50であることが特に好ましい。
【0099】
調湿剤は通常袋等の容器の収容された形態でシート状画像記録材料包装体に収容されるが、前記質量比は、調湿剤のみの質量に基づいたものであり、調湿剤が収容される容器の質量が前記質量比の設定に際して、算出対象に入らない。
【0100】
調湿剤は、図5、6における第1底面502とフラットプレート6の裏面603との間に形成される空隙に配置され固定される。従って、調湿剤は、図3における遮光性防湿袋4から取り出したシート状画像記録材料包装体1bの一部を構成しており、シート状画像記録材料包装体1bが画像記録装置に装填されたときには、調湿剤はシート状画像記録材料包装体1bとともに、画像記録装置内にあって、シート状画像記録材料を防湿する。また、包装容器の全容積に対するシート状画像記録材料の容積の比率を0.05〜0.9とすることにより前記空隙の容積を大きく取ることが可能となって、十分な量の調湿剤を設けることが可能となる。
【0101】
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0102】
実施例1
以下に示す方法に従ってトレーを作製した。
【0103】
〈板紙の準備〉
トレー本体、フラットプレート、皿形形状の緩衝部材用の材料として坪量600g/m2、厚さ0.5mmの広葉樹晒クラフトパルプを原料とした、白板紙を準備しa〜mとした。尚、白板紙としては、中間層が再生紙100%、上下層にバージンパルプを使用した紙を使用し、クレーにより表面をコートした。又、JIS P8127に準じて測定した含水率は8±1%であった。坪量の測定は、JIS P8118(1998)に準拠して測定した値である。厚さは、板紙を40℃の恒温槽で2時間乾燥させた後にマイクロゲージ((株)ミツトヨ製)を使用して測定した値である。含水率は、JIS P8127に準じて測定した値である。
【0104】
〈トレー本体の準備〉
準備した板紙を使用し、図4(a)に示すトレー本体を作製した。尚、打ち抜きは図4(a)に示されるトレー本体の展開図になるようにトムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜いた後、側壁に該当すかる箇所に常温筋押し法で筋付け行った後、熱プレス試験機(圧力1MPa)にて罫線に沿って折り曲げることで作製した。尚、作製したトレー本体は、コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P(大きさ35cm×43cm)が積重出来る寸法とした。
【0105】
〈皿形形状の緩衝部材の準備〉
準備した板紙を使用し、図8(a)と、図8(b)とに示す皿形形状の緩衝部材を準備した。図8(a)に示される皿形形状の緩衝部材の高さは第2底面の表面の位置が、位置規制側壁の端辺より14mm低くなるようにした。皿形形状の緩衝部材の鍔部の直径は、第2底面の面積(縦35cm×横43cm)に縦3個、横4個が配置出来る様にした。又、円板状頂部の直径は、鍔部の直径に対して68%とした。円板状頂部の平面部の幅は、円板状頂部の直径に対して10.7%とした。鍔部の傾斜部の幅は、鍔部の直径に対して5.3%とした。
【0106】
図8(b)に示される皿形形状の緩衝部材のリング状頂部の内径は、トレーの第1底部に設けられた穴の直径と同じにした。
【0107】
〈フラットプレートの準備〉
準備した板紙を使用し、図4に示すフラットプレートを準備した。尚、側壁の高さは、トレー本体の底面に載置した時、フラットプレートの上面(フラット面)で形成される第2底面が位置規制側壁の端辺より14mm低くなるようにした。尚、フラットプレートはトレー本体と同じ方法で作製した。
【0108】
〈トレー本体、皿形形状の緩衝部材、フラットプレートの調湿〉
23℃20%RHの条件で調湿を行い、トレー本体、皿形形状の緩衝部材、フラットプレート部材の含水率を4〜5%にした。
【0109】
〈トレーの作製〉
各準備したトレー本体の底面に、準備した皿形形状の緩衝部材、フラットプレートをホットメルト接着剤(コニシ(株)製:MP973)で固定し、図4(a)に示すトレーを作製した。尚、図7に示す様に、フラットプレートの側壁の端面604cと第1底面502との距離Iは2mmにした。皿形形状の緩衝部材の第1底面への配置は図10に示す様に12個とした。(トレーNo.T−1)トレーNo.T−1と同様に皿形形状の緩衝部材の高さを変化させ第1底面から第2底面までの高さ(t)を変更し、T−2〜T−3を作成した。更に、緩衝部材12個が並ぶスペースに下記表1に示す調湿剤をホットメルト接着剤でトレー本体に固定した
〈遮光性防湿袋の作製〉
遮光性防湿袋は、上側からマット剤入り表面コート(2μm)/ナイロン−6(15μm)/アルミニウム箔(7μm)/LDPE(12μm)/黒LLDPE(50μm)の多層構成の材料を使用し図3に示されるセンターシール方式の遮光性防湿袋を作製した。
【0110】
透湿度は、JIS K7129−1992に記載の測定法により測定した結果、0.01g/m2・dayであった。
〈包装体の作製〉
作製した各トレーT−1〜T−5に、シート状の熱現像感光材料(コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P)を表1記載の枚数を積重し23℃48%RH条件で、上記遮光性防湿袋に収納し36kPaの減圧条件で脱気しながら柏木式の真空シール機でヒートシールし、サンプル101〜110を作製した。
【0111】
【表1】
【0112】
上記包装体を作製から約1ヶ月後に、表2に記載した環境条件下でドライレーザー・イメージャ「DRYPRO MODEL771」(コニカミノルタエムジー(株)製)にサンプル101をセットし、通常のキャリブレーションを行い、直ちに出力後の濃度が1.50になるように露光量を調整し均一露光をあたえて画像出力した(即出力)。その後、イメージャ内にサンプル101をセットした状態で表2記載の同一環境下で1週間放置し、前記(即出力)と同一露光量で均一露光して画像出力した(1週間後出力)。その後、同様に1週間放置後、画像出力した(2週間後出力)。サンプル102〜110についても同様に評価し、各々出力画像の中央部分を濃度測定した結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
表2から明らかなように、比較サンプル101の濃度変動に対し本発明のサンプル102〜110は濃度変動が小さくなっており、特に高湿時の濃度変動が小さくなり良好であることが判る。また、サンプルNo.111では、記録材料枚数が多いために、1日当たりの使用枚数が少ない場合、画像記録装置内に画像記録材料が滞留する期間が長くなって、濃度変動が大きくなり好ましくない。
【0115】
このように、本発明の有効性が確認された。
【0116】
また、サンプルNo.111では、記録材料の容積が大きいために、内蔵できる調湿剤の量が少なくなって、一層湿度の影響が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】従来のトレーを用いた包装体の概略斜視図である。
【図2】本発明に係るシート状画像記録材料包装体が使用される画像記録装置の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシート状画像記録材料包装体の概略斜視図である。
【図4】シート状画像記録材料包装体の分解斜視図である。
【図5】図4(a)の線A−Aに沿った断面図である。
【図6】本発明に係るシート状画像記録材料包装体の斜視図である。
【図7】図5におけるSで示す部分の拡大図である。
【図8】緩衝部材の断面図である。
【図9】緩衝部材を平面図である。
【図10】緩衝部材が載置されたトレー本体の斜視図である。
【図11】フラットプレート6の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1a、1b シート状画像記録材料包装体
3 シート状画像記録材料
4 遮光性防湿袋
5 トレー本体
501 底板
502 第1底面
507 第2底面
503〜506 位置規制側壁
6、6a フラットプレート
602a、602b 穴
604a〜604d 側壁
7a、7b 皿形形状の緩衝部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録装置において画像記録に用いられるシート状画像記録材料の積層体が収容されたシート状画像記録材料包装体において、前記シート状画像記録材料を収容する包装容器の全容積に対する前記シート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
【請求項2】
前記容積比率が0.2〜0.7であることを特徴とする請求項1記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項3】
前記シート状画像記録材料が感熱画像記録材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項4】
前記シート状画像記録材料が銀塩光熱画像記録材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項5】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.005〜1.00であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項6】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.02〜0.50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項7】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.05〜0.50であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項8】
前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤を密封する遮光性防湿袋を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項9】
前記遮光性防湿袋が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の透湿度を有することを特徴とする請求項8に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項10】
前記遮光性防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で封止されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項11】
前記包装容器、前記シート状画像記録材料、前記調湿剤及びこれらを密封する遮光性防湿袋を有するシート状画像記録材料において、前記遮光性防湿袋の密封を解除し、取り除いたときに、前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤が前記シート状画像記録材料包装体として残ることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項12】
前記包装容器は、トレー本体と該トレー本体上に空隙をおいて載置され、前記シート状画像記録材料が載置されるフラットプレートを有するとともに、前記調湿剤は前記空隙に配置されたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項1】
画像記録装置において画像記録に用いられるシート状画像記録材料の積層体が収容されたシート状画像記録材料包装体において、前記シート状画像記録材料を収容する包装容器の全容積に対する前記シート状記録材料の容積比率が0.05〜0.9であり、かつ調湿剤を有することを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
【請求項2】
前記容積比率が0.2〜0.7であることを特徴とする請求項1記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項3】
前記シート状画像記録材料が感熱画像記録材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項4】
前記シート状画像記録材料が銀塩光熱画像記録材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項5】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.005〜1.00であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項6】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.02〜0.50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項7】
前記シート状画像記録材料の全質量に対する前記調湿剤の質量比率が0.05〜0.50であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項8】
前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤を密封する遮光性防湿袋を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項9】
前記遮光性防湿袋が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の透湿度を有することを特徴とする請求項8に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項10】
前記遮光性防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で封止されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項11】
前記包装容器、前記シート状画像記録材料、前記調湿剤及びこれらを密封する遮光性防湿袋を有するシート状画像記録材料において、前記遮光性防湿袋の密封を解除し、取り除いたときに、前記包装容器、前記シート状画像記録材料及び前記調湿剤が前記シート状画像記録材料包装体として残ることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【請求項12】
前記包装容器は、トレー本体と該トレー本体上に空隙をおいて載置され、前記シート状画像記録材料が載置されるフラットプレートを有するとともに、前記調湿剤は前記空隙に配置されたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート状画像記録材料包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−176619(P2007−176619A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374668(P2005−374668)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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