シート給送装置及び画像形成装置
【課題】中板昇降用のモータに必要以上の性能のものを用いず、ロックに使用する部材をユーザが簡単に再利用することが可能なシート給送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙カセットは、下方位置の中板14の係合部14bにロック爪30aを係合させて中板14をカセット本体に対しロックするロック位置と、中板14の上昇に際して係合部14bからロック爪30aを離間させてロックを解除するロック解除位置とに回動可能なロックレバー30を有している。また、昇降装置26は、装置本体への給紙カセットの装着状態にて、ロックレバー30で下方位置にロックされた中板14を上昇させる際に、中板14の上昇動作に先立ってロックレバー30をロック解除位置に回動させる。従って、既存の構成を利用可能な簡便な構成により、引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能なロック構造を実現することができる。
【解決手段】給紙カセットは、下方位置の中板14の係合部14bにロック爪30aを係合させて中板14をカセット本体に対しロックするロック位置と、中板14の上昇に際して係合部14bからロック爪30aを離間させてロックを解除するロック解除位置とに回動可能なロックレバー30を有している。また、昇降装置26は、装置本体への給紙カセットの装着状態にて、ロックレバー30で下方位置にロックされた中板14を上昇させる際に、中板14の上昇動作に先立ってロックレバー30をロック解除位置に回動させる。従って、既存の構成を利用可能な簡便な構成により、引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能なロック構造を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載部を有する給紙カセットを備えたシート給送装置、及びこのシート給送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、FAXやLBP等の画像形成装置は、画像形成に使用されるカットシート等のメディアを画像形成部に供給するためのシート給送装置を備えているものが多い。シート給送装置は、給紙カセットにシート積載部としての中板を有し、中板を上昇させ、シートの給送が可能となる位置に制御するための昇降装置を備えていることが一般的である。
【0003】
また、装置の出荷時或いは移動時に中板が振動してしまうことにより、中板や昇降装置が破損することを防止する目的から、出荷時に中板を最下位置にて固定する固定部材を設けることが一般的に行われている。また、このような場合、ユーザが製品を使用する際に固定部材を取り外さないまま電源を投入して昇降装置を駆動させることで、装置が破損するなどの可能性があった。
【0004】
ここで、昇降装置による中板の上昇動作により、中板であるシート積載板を固定する固定部材を変形させ、シート積載板の固定を自動的に解除する構成が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1記載の構成では、移動体保持機構に備えられた変形部材が、給送位置から下限位置までの移動範囲内で往復移動自在なシート積載板の一部に、下限位置で鉛直下方に当接する。さらに、変形部材は、シート積載板を上昇させる昇降モータからの駆動力によって、シート積載板への当接が解除されるように変形する。変形部材は、駆動力が作用することでシート積載板に鉛直下方に当接しない位置に退避する。移動体保持機構に備えられたビスは、変形部材を下限位置で固定支持し、シート積載板に鉛直下方向に当接しない位置にある。これにより、シート積載板の移動を制限する固定部材の取り外し忘れがあっても、破損等を防止しつつ移動体を正常に移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−63131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の技術では、中板としてのシート積載板のロックを解除するために固定部材を変形させる必要があり、昇降装置にはより大きな駆動力が必要となっていた。そのため、中板を昇降するために必要なトルク以上のトルクを発生するモータを用いたりする必要が生じ、コストアップや装置の大型化を招くという問題が生じる。また、前記従来の技術では、ロックを一旦解除した後の固定部材を用いて、再度シート積載板をロックすることができないため、引っ越し等で装置を移動させる際にユーザが簡単に固定部材を再利用できなかった。
【0007】
本発明は、中板を昇降するためのモータを必要以上の性能のものを用いることなく、さらに、固定部材等のロックに使用する部材をユーザが簡単に再利用することが可能な構成のシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、装置本体に対して着脱可能なカセット本体、及びシートを積載して昇降動作可能なシート積載部を有する給紙カセットと、前記シート積載部を昇降動作させる昇降装置と、を備えるシート給送装置において、前記給紙カセットに、前記シート積載部を前記カセット本体に対しロックするロック位置と、前記シート積載部の上昇に際して前記シート積載部から前記ロックを解除するロック解除位置とに移動可能なロック部を設け、前記ロック部を前記ロック解除位置で保持するための保持部を設け、前記昇降装置により前記シート積載部を上昇させるための駆動力により、前記シート積載部の上昇動作に先立って前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロックレバーによるシート積載部のロックを自動的に解除するための専用の機構を設けることなく、既存の昇降装置を備えた構成を利用してロック解除を行うことができる。そして、シート積載部を昇降するためのモータとして必要以上の性能のものを用いることがない。また、保持部によるロック解除位置での保持を解除することによりユーザが簡単にシート積載部をロックする機構を再利用することが可能となる。このように、既存の構成を利用可能な簡便な構成によって、シート積載部のロック解除のし忘れによる装置破損等の不都合の発生を回避可能にすることができ、また引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能な、シート積載部のロック構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態における画像形成装置及び給紙カセットを示す斜視図。
【図3】(a),(b),(c)は第1の実施形態における昇降装置を示す断面図。
【図4】(a)は第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図、(b)は中板ロック部の断面図。
【図5】第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図。
【図6】第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図。
【図7】本発明に係る画像形成装置を示す主断面図。
【図8】本発明に係る第2の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図9】(a),(b),(c)は第2の実施形態における中板ロック部の動作を示す斜視図。
【図10】本発明に係る第3の実施形態における画像形成装置と大容量デッキを示す斜視図。
【図11】第3の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図12】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【図13】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【図14】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
<第1の実施形態>
図1〜図7を用いて、本実施形態におけるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置について説明する。以下、画像形成装置内部に装着される給紙カセット2に本発明を適用した第1の実施形態について説明する。先ず、主断面図である図7を参照して、画像形成装置としてのレーザビームプリンタ1(以下、LBP1という)の概略構成について説明する。
【0013】
LBP1は、装置本体1aを備えている。装置本体1a内には、各部を統括的に制御する制御部25と、シートSを積載収納した給紙カセット2と、給紙カセット2に積載されたシートSを最上側より送り出すピックアップローラ3とが配設されている。さらに、装置本体1a内には、送り出されたシートSを一枚ずつ分離搬送するリタードローラ対4(4a,4b)が配設されている。
【0014】
装置本体1a内には、画像形成に関する公知のプロセス部が内蔵され、装置本体1aに対して着脱可能なプロセスカートリッジ7が配置されている。プロセスカートリッジ7内には、像担持体としての感光体ドラム7aが配置されており、感光体ドラム7aに対しレーザ露光装置8により画像情報に応じてレーザ光が照射されて書き込みが行われる。感光体ドラム7aには、転写ローラ9が圧接されており、感光体ドラム7aと転写ローラ9との間を通過するシートSに、感光体ドラム7a表面のトナー像が転写される。なお、これら感光体ドラム7a等を有するプロセスカートリッジ7、及び転写ローラ9等により、中板(シート積載部)14から給送されるシートSに画像を形成する画像形成部が構成されている。
【0015】
画像形成部の下流側には、画像転写後のシートSに対して熱及び圧力を加えることで転写画像の定着を行う定着装置10が配置されている。画像定着後のシートSは搬送されて、排出ローラ対11により装置上面に形成された排出トレイ12に画像面を下側にして排出される。
【0016】
次に、図1及び図2を参照して、給紙カセット2及び昇降装置26に関する構成並びに機能について説明する。なお、図1において、中板14は図示省略している。
【0017】
図1及び図2に示すように、給紙カセット2は、LBP1の装置本体1aから引き出し可能に構成されている。給紙カセット2の内側には、給紙カセット2上に積載されるシートの側端部を規制する規制部材13a,13aと、シートの後端部を規制する規制部材13bとがそれぞれ、装置本体1aに対して着脱可能なカセット本体15に対してスライド可能に配設されている。
【0018】
給紙カセット2の底部15a上には、中板(シート積載部)14が、回動支持部14aを支点として回動可能に配置されている。中板14は、昇降動作可能なシート積載部を構成し、給紙カセット2が引き出された状態では、カセット本体15底面に設けられたリブ15cにより底部を支持されて下降方向の回動が規制される。
【0019】
中板14の下方には、駆動源であるリフトモータ44(図4(a)参照)から駆動力を受けて回動する回動軸であるリフタ軸16が、カセット本体15に対し回転自在に保持されている。リフタ軸16の一端部には扇型ギヤ(セクタギヤ)18が固定され、リフタ軸16の他端部には、中板押上げ板(押上げ部材)17がリフタ軸16に対して回動可能に支持されている。中板押上げ板17は、先端がリブ15bに向けて板状に延び、かつ後端が、その両端下方に屈曲するブラケット部17a,17aを介してリフタ軸16に回動自在に支持されている。中板押上げ板17は、給紙カセット2が装置本体1aから引き出された状態において、カセット本体15の底部15aのリブ15bにて下降方向の回動が規制される。
【0020】
リフタ軸16のカセット挿入方向奥側端部(一端部)は、カセット本体15の外側に突出しており、扇型ギヤ18は、この突出したリフタ軸16の端部に固定されている。リフタ軸16の他端部には回動アーム20が先端を略下方に向くように固定されている。リフタ軸16における中板押上げ板17に対応する部位には、中板押上げ板17裏面に接離可能な当接部材19(図3参照)が固定されている。これら構成により、回動アーム20及び当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動可能となるように構成される。
【0021】
扇型ギヤ18は、カセット本体15側部に配置された扇型ギヤストッパ21に外周端部を当接、係合させた状態で保持される。扇型ギヤストッパ21は、カセット本体15側面に突出形成されたボス21a(図1参照)を回動中心として支持された状態で、下方に配置された圧縮バネ22の付勢力により上方に付勢されている。
【0022】
装置本体1aには、給紙カセット2が装置本体1aに装着された状態での扇型ギヤ18に噛み合う位置に、ピニオン23(図4(a)参照)が配設されている。ピニオン23は、装置本体1a内に給紙カセット2が挿入されると、扇型ギヤ18に噛み合い、装置本体1a内に配設されたリフトモータ44により回転駆動される。ピニオン23の回転を受けて扇型ギヤ18が回転すると、当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14が回動支持部14aを支点として回動し、これによりシートSが昇降される。
【0023】
上記リフトモータ44は、装置本体1aに設けられた制御部25(図7参照)により駆動制御される。制御部25は、シートの上面を検知する紙面検知センサ(不図示)からの検知信号に基づきリフトモータ44を駆動してピニオン23を回転させる。そして制御部25は、扇型ギヤ18、リフタ軸16及び中板押上げ板17を介して、中板14を、上昇させるように制御する。
【0024】
さらに、制御部25は、中板14を、給送時に支持しているシートの上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる概略一定範囲の高さとなる位置まで上昇させるように制御する。そして、給紙カセット2が装置本体1aから引き出されると、ピニオン23と扇型ギヤ18との噛み合いが解除され、中板14は給紙カセット2の底部15aに下降する。
【0025】
続いて、本発明に係る中板ロック部の構成について、図4、図5、図6を参照して説明する。なお、図4〜図6は、昇降装置26(図1参照)を中板14の下方から見た状態で示す斜視図である。図4(a)はロックレバー30がロック位置にある状態を示し、図5は回動アーム20によってロックレバー30がロック解除位置に回動した状態の昇降装置を示している。図6は昇降装置により中板14が給送位置にリフトアップされた状態を示している。
【0026】
図4〜図6に示すように、給紙カセット2には、装置輸送時に中板14が移動しないように押さえるためのロックレバー30が配設されている。ロックレバー30は、カセット本体15の底部15aに設けられたボス30c(図1も参照)を回動中心として回動自在に底部15aに支持されている。ロックレバー30は、全体的に略L字状に構成されている。このロックレバー30は、ボス30cから離れた端部にはフック状のロック爪30aが一体に形成され、かつボス30cに近接する端部には、リフタ軸16に固定された回動アーム20に対向するように鈎状に屈曲する当接部30bが一体に形成されている。
【0027】
ロックレバー30は、ロック位置とロック解除位置とに回動可能にカセット本体15の底部15aに取り付けられている。図4(b)の断面図に示すように、ロック位置では、下方位置に対応して中板14の係合部14bにロック爪30aを係合させて中板14をカセット本体15に対しロックする。ロック解除位置では、中板14の上昇に際して係合部14bからロック爪30aを離間させてロックを解除する。ロックレバー30は、一体的に構成されたスナップフィットによる係止凸部30dが、カセット本体15の底部15aに設けられた係合穴(不図示)に係合することにより、ロック位置、もしくはロック解除位置に保持可能に構成されている。係止凸部30dはロックレバー30の下面に設けられており、ロックレバー30の切り込みにより係止凸部30dは上下方向での弾性変形が可能となっている。そのため、係止凸部30dは、カセット本体15の底部15aに設けられた係合穴(不図示)に係合及び離脱が可能となる。この係止凸部30dと、ロックレバー30がロック解除位置に移動したときに係止凸部30dと係合する係合穴とで、本発明の保持部が構成される。
【0028】
本実施形態では、駆動源であるリフトモータ44、ピニオン23、扇型ギヤ18、リフタ軸(回動軸)16、回動アーム20、中板押上げ板(押上げ部材)17、及び、当接部材19等により、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。リフタ軸16は、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動し、回動アーム20は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され且つ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。昇降装置26は、装置本体1aへの給紙カセット2の装着状態にて、後述するロックレバー30で下方位置にロックされた中板14を上昇させる際に、中板14の上昇動作に先立ってロックレバー30をロック解除位置に回動させるように構成されている。
【0029】
回動アーム20は、リフタ軸(回動軸)16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。当接部材19も、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され、かつ裏面から当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。リフタ軸16は、中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる第1方向の回動動作の前に、第1方向と逆の第2方向に一旦回動し回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させるロック解除位置に移動させる。この後、リフタ軸16は、第1方向に回動して当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14を上昇させることが可能となる。
【0030】
次に、図3を参照して、リフタ軸16、当接部材19及び中板押上げ板17の関係について詳細に説明する。図3(a)は、中板14が下降位置にある状態の昇降装置26を示し、図3(b)は、扇型ギヤストッパ21を上方に付勢している圧縮バネ22のバネ力に抗して扇型ギヤ18が図中時計方向に回動した状態を示している。さらに、図3(c)は、昇降装置26によって中板14が上昇させられている状態を示している。
【0031】
図3(a)に示すように、中板押上げ板17は、カセット本体15内部に設けられたリブ15bに一端を支持され、リフタ軸16及び当接部材19は、扇型ギヤ18が扇型ギヤストッパ21に当接した状態で停止している。
【0032】
そして、図3(b)に示すように、中板押上げ板17は、カセット本体15のリブ15bに支持された状態を維持するが、リフタ軸16及び当接部材19が同図の時計回り方向に回動し、当接部材19が中板押上げ板17から離間する。この際、ロックレバー30が回動アーム20によりロック解除の方向に回動させられることで、ロック爪30aが係合部14bから離間して、中板14が上昇可能な状態となる。
【0033】
更に、図3(c)に示すように、扇型ギヤ18が同図の反時計回り方向に回動することに伴い、リフタ軸16と当接部材19が同方向に回動し、当接部材19が中板押上げ板17に裏面から当接することで、中板押上げ板17が中板14を伴い反時計方向に回動する。
【0034】
一方、図2に示すように、中板14の略中央部には、中板14の表裏を貫通して開口14cが形成されており、開口14c内周におけるロック爪30aと対向可能な部位には、係合部14bが形成されている。
【0035】
次に、中板14を押さえる際の動作について説明する。即ち、LBP1の出荷時、或いはLBP1の移動時などに、中板14を固定する必要がある場合は、給紙カセット2を装置本体1aから一旦引き出した状態で、中板14の開口14cから指或いは工具を入れてロックレバー30を回動操作する。ロックレバー30を図4(a)に示す位置に回動させてロック爪30aを係合部14bに係合させてロックすることにより、中板14の上方への移動を確実に規制することができる。
【0036】
そして、装置本体1aに電源が投入されていない状態で給紙カセット2を挿入すると、中板14がロックされた状態が維持されるため、装置本体1aの出荷時或いは引っ越し時などの移動時に、中板14が不用意に動いてしまうことを防止できる。
【0037】
LBP1を使用するために電源が投入された際、装置本体内に給紙カセット2が装着されていることが検知部(不図示)で検知されると、制御部25はリフトモータ44を、中板14を上昇させる方向とは逆の方向に予め決められた一定量だけ回転(逆回転)させる。
【0038】
リフトモータ44が逆回転し、ピニオン23が図4における反時計方向に回転すると、扇型ギヤ18は扇型ギヤストッパ21を下方から担持する圧縮バネ22に抗して同図時計方向に回転する。これに伴い、リフタ軸16の他端に固定された回動アーム20が回転することで、回動アーム20がロックレバー30の当接部30bに当接するため、ロックレバー30は、回動アーム20の回動に伴ってロック位置からロック解除位置に回動する。
【0039】
リフトモータ44の逆方向への回転量は、ロック位置にあるロックレバー30をロック解除位置(図5参照)まで回動させるのに必要な量に設定されている。制御部25は、所定量の回転が終了した後、リフトモータ44の回転方向を切換え、中板14を上昇させる方向に回転駆動させる。
【0040】
その後は、前述した通常のリフトアップ制御により、昇降装置26は、中板14をシート上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる所定の高さに略一定に制御する。
【0041】
図6は昇降装置により、中板14が給送位置にリフトアップされた状態を示している。初期リフトアップ時にリフトモータ44を逆回転させるモータ制御については、装置本体1aに電源が投入された直後に実施するだけでもよい。
【0042】
なお、リフトモータ44の制御を簡略化するために、装置本体1aに給紙カセット2が挿入されたことを検知した際に、必ず上記の逆転制御を行うように設定した場合であっても、ロックレバー30や昇降装置26を破損するようなことはない。
【0043】
以上説明した本実施形態によると、ロックレバー30による中板14のロックを自動的に解除するための専用の機構を設けることなく、既存の昇降装置を備えた構成を利用してロック解除を行うことができる。そして、中板14を昇降するためのリフトモータ44として必要以上の性能のものを用いることなく、ロックに使用する部材をユーザが簡単に再利用することができる。このように、既存の構成を利用可能な簡便な構成によって、中板14のロック解除のし忘れによる装置破損等の不都合の発生を回避可能にすることができ、また引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能な、中板14のロック構造を実現することができる。
【0044】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態の、シート給送装置及びこれを備えた画像形成装置における中板ロック部の構成とその機能について、図8及び図9を参照して説明する。本実施形態での第1の実施形態との相違点は、ロックレバー30の構成を変更したことで、中板(シート積載部)14のロックを解除するための初期リフトアップにおいて、リフトモータ44(図4参照)の逆転駆動を必要としない点にある。なお、本実施形態では、先の第1の実施形態と同一の部材には同一符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
【0045】
図8及び図9に示すように、装置本体1aから引き出された給紙カセット2では、カセット本体側部に一体形成されたストッパ31に扇型ギヤ18が当接する。これにより、リフタ軸16と回動アーム20は、当接部材19が中板押上げ部材17から離間した位置で保持される。本実施形態の中板ロック部を構成するロックレバー30は、第1の実施形態のロックレバー30と逆方向に回動することでロック爪30aを係合部14b(図2参照)に係合させるロック位置となる。更にこれと逆方向に回動することでロック爪30aを係合部14bから離間させたロック解除位置となる。
【0046】
また、ロックレバー30に突出形成したボス32aとカセット本体15に設けられたボス32bの間には、引張りバネであるトグルバネ32が掛け渡されている。ロックレバー30は、通常ロック解除位置に回転付勢された状態で、カセット本体15の底部15aに設けられたストッパ33aに突き当てられて保持されている。この際、ロックレバー30の当接部30bは、リフタ軸(回動軸)16の端部に固定された回動アーム20の回動軌跡と干渉しない位置に退避しており、昇降装置26による中板14のリフトアップ動作に影響を与えないようにその位置が設定されている。なお、底部15a上のストッパ33aに対向する位置には、所定距離をあけてストッパ33bが突出形成されている。
【0047】
本実施形態における中板(シート積載部)14は、第1の実施形態と同様、給紙カセット2を引き出した状態、即ち中板14が最下点にある状態で、ロックレバー30をロック位置に回動させることによって固定される。なお、本実施形態では、リフトモータ44(図4)、ピニオン23(図8)、扇型ギヤ18、リフタ軸16、回動アーム20、中板押上げ板17、及びリフタ軸16に固定された当接部材19等から、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。リフタ軸16は、駆動源であるリフトモータ44からの駆動力を受けて回動し、回動アーム20は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板(押上げ部材)17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され且つ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。
【0048】
ここで、トグルバネ32で付勢されたロックレバー30の動作について、図9を用いて説明する。図9(a)はロックレバー30がロック解除位置にある状態、図9(c)はロックレバー30がロック位置にある状態、また図9(b)はロックレバー30がトグルバネ32の中立点にある状態を示している。
【0049】
先に述べたように、LBP1の通常動作時、ロックレバー30は図9(a)に示すロック解除位置にある。このとき、トグルバネ32は、ロックレバー30の回転中心であるボス30cから図中右側にずれている。このため、トグルバネ32の付勢力は、ロックレバー30を図中矢印Aの方向に回動させるように働き、これにより、ロックレバー30は図中右側のストッパ33aに当接して保持されている。なお、図9(c)に示されるように、ロック状態では、当接部材19と中板押上げ板17との間には、当接部材19の回動力が中板14のロック解除の完了後に中板押上げ板17に伝わるように時間差を付けるための隙間SPが設けられている。
【0050】
一方、中板14を固定するためにロックレバー30を図中左側に回動させる場合は、トグルバネ32が図9(b)に示す中立点を通過した時点から、トグルバネ32による付勢力は反転し、ロックレバー30をロック位置の方向に回転させようとする。その結果、ロックレバー30は、図9(c)に示すように左側のストッパ33bに当接し、ロック位置に保持される。ロックレバー30がロック位置にあるとき、ロックレバー30の当接部30bは、リフタ軸16端部に固定された回動アーム20に略当接するようにその位置が調整されている。
【0051】
そして、LBP本体1に電源が投入され、制御部25(図7参照)が給紙カセット2の挿入を検知すると、制御部25は、中板14を上昇させる方向にリフトモータ44を回転駆動させる。すると、ピニオン23の回転に伴い、扇型ギヤ18、及びリフタ軸端部に固定された回動アーム20も回転するが、このときロックレバー30は、当接部30bが回動アーム20に当接している。そのため、ロックレバー30は、トグルバネ32の付勢力に抗してロック解除位置の方向(ボス30cを中心とする図中時計回り方向)に回転させられる。
【0052】
ロックレバー30が回転すると、前述のロックレバー30を回転付勢しているトグルバネ32も移動する。ロックレバー30が一定量(一定角度)以上回転してトグルバネ32がロックレバー30の回転中心であるボス30c上を通過すると、トグルバネ32による付勢力が反転する。これにより、ロックレバー30は、ロック解除位置の方向(ボス30cを中心とする図中時計回り方向)に付勢されてストッパ33aに当接した状態で保持される。このトグルバネ32により本発明の保持部が構成される。
【0053】
トグルバネ32とロックレバー30の回転中心であるボス30cとの関係は、リフタ軸16の中央に固定された当接部材19が中板押上げ板17に当接する位置に到達する以前にトグルバネ32による付勢力が反転するように設定されている。従って、当接部材19が中板押上げ板17に当接し、リフトモータ44の駆動力が中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる動作を開始する以前に、次のようになる。つまり、ロックレバー30はトグルバネ32で回動付勢され、その当接部30bがリフタ軸端部の回動アーム20から離間して、ロック解除位置に保持される。
【0054】
本実施形態では、ロックレバー30がロック解除位置にあるときは、回動アーム20がロックレバー30と干渉することがない。一方、ロックレバー30がロック位置にあるときは、リフトモータ44の一方向回転によるリフトアップ動作によって、確実にロックレバー30を回動させて中板14のロックを解除することができる。また、本実施形態では、ロック爪30aを係合部14bから離間させたロックレバー30をロック解除位置に保持する、トグルバネ32及びストッパ33a,33b等から構成されるトグル機構を備えている。このため、ロック解除位置にあるロックレバー30が不用意にロック位置に戻るような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0055】
また、本実施形態では、昇降装置26に、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動するリフタ軸16と、リフタ軸16と一体に回動するように固定された回動アーム20及び当接部材19と、中板押上げ板17とを備えている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され、かつ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げるように構成されている。リフタ軸16は、中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる一方向の一連の回動動作により、回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させる。その後、リフタ軸16は、当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる。このような本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
そして、本実施形態では、リフトモータ44を逆転駆動させることなく確実に中板14のロックを解除することができるので、制御部25によるリフトモータ44の制御をより簡略化することが可能となる。
【0057】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態におけるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置について、図10〜図14を参照して説明する。本実施形態では、本発明を、装置本体1aに接続される大容量の給紙カセット2を有する大容量デッキ50を備えた画像形成装置としてのLPB1に適用している。なお、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同一部材には同一の符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
【0058】
図10に示すように、本実施形態におけるシート給送装置を含む大容量デッキ50(以下デッキと称する)は、装置本体1aの下方に接続され、LPB1の載置台を兼ねている。また、本実施形態のLPB1も、第1及び第2の実施形態と同様、各部を統括的に制御する制御部25を備えている。
【0059】
先ず、デッキ50に採用される昇降装置26について、図11を用いて以下に説明する。図11はデッキ50の給紙カセット2、並びに昇降装置26の概略を示す斜視図である。
【0060】
中板14の下方に配置されたリフタ軸(回動軸)16は、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動するもので、図中破線で示すカセット本体15に固定された軸受34を介して回動自在に保持されている。リフタ軸16の両端部には、2個ずつの巻取りドラム(巻取り機構)35がそれぞれに固定されている(図11では奥側の2個の巻取りドラム35は不図示)。また、リフタ軸16のカセット挿入方向奥側の端部には、平行ピン36が固定されている。各巻取りドラム35には、それぞれリフタワイヤ37の一端部が保持されている。
【0061】
給紙カセット2において、カセット本体15の四隅の上部には、それぞれプーリ38が回転自在に配設されている。4本のリフタワイヤ(ワイヤ)37の他端部は、中板14の上方に回転自在に保持された各プーリ38を介して、中板14の四隅の端部からそれぞれ突出したワイヤ保持部39に固定されている。一方、デッキ50本体における、リフタ軸16端部に固定された平行ピン36に略対向する位置には、昇降装置26におけるカップリング42が配置されている。カップリング42は、給紙カセット2がデッキ50本体内に挿入されたとき平行ピン36に適正に係合するように、デッキ50本体での位置が調整されている。カップリング42は、デッキ50本体に配設されたギヤ列43を介して、駆動源であるリフトモータ44に連結されている。
【0062】
制御部25は、デッキ50本体に給紙カセット2が挿入されたことを不図示の検知部に基づいて検知すると、リフトモータ44を駆動する。そして、ギヤ列43及びカップリング42を介してリフタ軸16を回転させることで、各リフタワイヤ37を各巻取りドラム35にそれぞれ巻き取る。巻取りドラム35にリフタワイヤ37が巻き取られるにつれ、プーリ38を介してリフタワイヤ37に吊るされた中板14が、略平行な状態を保持しながら上昇する。
【0063】
制御部25は、不図示の紙面検知センサからの検知信号に基づいてリフトモータ44を回転させ、中板14をピックアップローラ3(図7参照)の方向に上昇させるように制御する。これにより、中板14を、給送時に支持しているシートの上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる概略一定高さとなる位置に上昇させる。
【0064】
給紙カセット2がデッキ50本体から引き出されると、平行ピン36とカップリング42との結合が解除され、中板14は給紙カセット2の底部15aに下降する。また、4個のプーリ38の各周囲にはプーリカバー40がそれぞれ配設され、4個の巻取りドラム35の各周囲には巻取りドラムカバー41がそれぞれ配置されている。プーリ38外周とプーリカバー40間の隙間、及び巻取りドラム35外周とドラムカバー41間の隙間が適切に管理されることにより、リフタワイヤ37の巻き取り及び巻き戻し動作においてリフタワイヤ37が外れないように構成されている。
【0065】
次に、本実施形態におけるロックレバー30の構成とそのロック解除部について、図12〜図14を用いて説明する。図12〜図14は、本実施形態に採用したロックレバー30の構成を示す位置で断面した断面図であり、図12はロックレバー30がロック解除位置にある状態を示し、図13はロックレバー30がロック位置にある状態を示している。
【0066】
ロックレバー30は、図12の左右方向に長尺な部材であり、カセット本体15の底部15aに突出形成されたボス45により図12左右方向に摺動自在にガイドされ、略水平に移動可能に保持されている。ロックレバー30の左右方向の中央部には、上方に突出する摘み操作部30fが固定されている。ロックレバー30の図中の左端部には、スナップフィット形状を有するロック爪30aが一体に形成されており、右端部には当接部30bが形成されている。中板14裏面におけるロック爪30aと略対向する位置には、ロック爪30aに係合される係合部14bが中板14と一体に形成されている。ロック爪30aと係合部14bとにより本発明の保持部が構成される。また、リフタ軸16上の巻取りドラム35,35間において当接部30bと略対向する位置には、リフタ軸16と一体に回転可能となるように回動アーム20が固定されている。
【0067】
ロックレバー30の図中の左下方における底部15a上には、回動軸46aを支点として回動可能に支持されたラッチアーム46が配置されている。ラッチアーム46は、底部15aとの間に縮設された圧縮バネ47にて上方に付勢されており、図12に示す状態では、ラッチアーム先端に形成された傾斜面46bをロックレバー端部の凸部30gに係合させて、ロックレバー30をロック解除位置に保持している。このロック解除位置において、ロックレバー30右端の当接部30bは、リフタ軸16に固定された回動アーム20の回転軌跡に干渉しない位置に退避している。
【0068】
デッキ50の出荷時、或いは装置を移動させる等で中板14を固定する必要がある場合には、給紙カセット2を一旦引き出した状態で、中板14に設けられた開口14c(図11参照)から工具或いは指により摘み操作部30fを操作する。これにより、ラッチアーム46の傾斜面46bによるラッチ力に抗して、ロックレバー30を図12中の右側に移動させる。このため、ロックレバー30右端の当接部30bが回動アーム20の端部に当接し、回動アーム20、リフタ軸16及び巻取りドラム35が図中の反時計方向に若干量回転させられる。この回転により、リフタワイヤ37はやや弛むことになる。
【0069】
そして、図13では、ロックレバー30が右方向に移動することにより、ロックレバー左端のロック爪30aのスナップフィット形状が、中板14の係合部14bに係合している。これにより、中板14の上方への移動が規制されると共に、ロックレバー30の右方向への移動が規制される。
【0070】
また、先に説明したように、ロックレバー30の右方向への移動に伴い、リフタ軸16に固定された巻取りドラム35はリフタワイヤ37を吐き出す方向に回転するため、リフタワイヤ37は図13に示すように弛んだ状態となる。しかし、プーリカバー40並びに巻取りドラムカバー41の作用により、リフタワイヤ37がプーリ38、或いは巻取りドラム35の溝から外れることはない。
【0071】
デッキ50本体に電源が投入されていない状態で給紙カセット2を挿入すると、中板14を固定された状態が維持されるため、デッキ50の出荷時或いは引っ越し等による移動時に中板14が不用意に動いてしまうことが防止される。
【0072】
そして、装置本体1a並びにデッキ50に電源が投入され、制御部25が給紙カセット2の挿入を検知すると、制御部25はリフトモータ44を、中板14を上昇させる方向に回転駆動させる。すると、リフトモータ44に連結されたカップリング42の回転に伴い、平行ピン36、及びリフタ軸16に固定された回動アーム20も図中時計方向に回転する。このとき、ロックレバー30は、当接部30bが回動アーム20に当接しているため、ロック爪30aのスナップフィットによる係止力(ロック力)に抗して図中左方向に移動する。
【0073】
ロックレバー30の移動に伴い、ラッチアーム46が圧縮バネ47のバネ力に抗して押し下げられ、その先端の傾斜面46bが、図14に示すようにロックレバー下部左端の凸部30gに係合し、圧縮バネ47のバネ力でロックレバー30を図中左方向に引き込む。つまり、傾斜面46bは、ロック爪30aと係合部14bとの係合が解除された後に引き込み動作が開始されるように形状等が設定されている。これにより、ロックレバー30は、回動アーム20から離間され、リフタ軸16の回転に伴う回動アーム20の回転軌跡から当接部30bが退避したロック解除位置に保持される。
【0074】
以上説明した本実施形態では、リフトモータ44、ギヤ列43、カップリング42、ワイヤ保持部39、リフタ軸16、回動アーム20、及び巻取りドラム(巻取り機構)35等により、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。巻取り機構としての巻取りドラム35は、リフタ軸16の回動に伴いリフタワイヤ37を介して中板14を下方位置から上昇させる。そして、リフタ軸16は、巻取りドラム35を介して中板14を上昇させる一方向の回動動作により、回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させた後、中板14を上昇させるように構成されている。このような、リフタワイヤ37と巻取りドラム35等を備えた大容量デッキ50を用いた本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1…画像形成装置(レーザビームプリンタ)、1a…装置本体、2…給紙カセット、7,9…画像形成部(プロセスカートリッジ,転写ローラ)、14…シート積載部(中板)、14b…保持部(係合部)、15…カセット本体、16…回動軸(リフタ軸)、17…押上げ部材(中板押上げ板)、19…当接部材、20…回動アーム、26…昇降装置、30…ロックレバー、30a…保持部(ロック爪)、30d…保持部(係止凸部)、32…保持部(トグルバネ)、33a,33b…ストッパ、35…巻取り機構(巻取りドラム)、37…ワイヤ(リフタワイヤ)、44…駆動源(リフトモータ)、S…シート、SP…隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載部を有する給紙カセットを備えたシート給送装置、及びこのシート給送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、FAXやLBP等の画像形成装置は、画像形成に使用されるカットシート等のメディアを画像形成部に供給するためのシート給送装置を備えているものが多い。シート給送装置は、給紙カセットにシート積載部としての中板を有し、中板を上昇させ、シートの給送が可能となる位置に制御するための昇降装置を備えていることが一般的である。
【0003】
また、装置の出荷時或いは移動時に中板が振動してしまうことにより、中板や昇降装置が破損することを防止する目的から、出荷時に中板を最下位置にて固定する固定部材を設けることが一般的に行われている。また、このような場合、ユーザが製品を使用する際に固定部材を取り外さないまま電源を投入して昇降装置を駆動させることで、装置が破損するなどの可能性があった。
【0004】
ここで、昇降装置による中板の上昇動作により、中板であるシート積載板を固定する固定部材を変形させ、シート積載板の固定を自動的に解除する構成が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1記載の構成では、移動体保持機構に備えられた変形部材が、給送位置から下限位置までの移動範囲内で往復移動自在なシート積載板の一部に、下限位置で鉛直下方に当接する。さらに、変形部材は、シート積載板を上昇させる昇降モータからの駆動力によって、シート積載板への当接が解除されるように変形する。変形部材は、駆動力が作用することでシート積載板に鉛直下方に当接しない位置に退避する。移動体保持機構に備えられたビスは、変形部材を下限位置で固定支持し、シート積載板に鉛直下方向に当接しない位置にある。これにより、シート積載板の移動を制限する固定部材の取り外し忘れがあっても、破損等を防止しつつ移動体を正常に移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−63131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の技術では、中板としてのシート積載板のロックを解除するために固定部材を変形させる必要があり、昇降装置にはより大きな駆動力が必要となっていた。そのため、中板を昇降するために必要なトルク以上のトルクを発生するモータを用いたりする必要が生じ、コストアップや装置の大型化を招くという問題が生じる。また、前記従来の技術では、ロックを一旦解除した後の固定部材を用いて、再度シート積載板をロックすることができないため、引っ越し等で装置を移動させる際にユーザが簡単に固定部材を再利用できなかった。
【0007】
本発明は、中板を昇降するためのモータを必要以上の性能のものを用いることなく、さらに、固定部材等のロックに使用する部材をユーザが簡単に再利用することが可能な構成のシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、装置本体に対して着脱可能なカセット本体、及びシートを積載して昇降動作可能なシート積載部を有する給紙カセットと、前記シート積載部を昇降動作させる昇降装置と、を備えるシート給送装置において、前記給紙カセットに、前記シート積載部を前記カセット本体に対しロックするロック位置と、前記シート積載部の上昇に際して前記シート積載部から前記ロックを解除するロック解除位置とに移動可能なロック部を設け、前記ロック部を前記ロック解除位置で保持するための保持部を設け、前記昇降装置により前記シート積載部を上昇させるための駆動力により、前記シート積載部の上昇動作に先立って前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロックレバーによるシート積載部のロックを自動的に解除するための専用の機構を設けることなく、既存の昇降装置を備えた構成を利用してロック解除を行うことができる。そして、シート積載部を昇降するためのモータとして必要以上の性能のものを用いることがない。また、保持部によるロック解除位置での保持を解除することによりユーザが簡単にシート積載部をロックする機構を再利用することが可能となる。このように、既存の構成を利用可能な簡便な構成によって、シート積載部のロック解除のし忘れによる装置破損等の不都合の発生を回避可能にすることができ、また引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能な、シート積載部のロック構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態における画像形成装置及び給紙カセットを示す斜視図。
【図3】(a),(b),(c)は第1の実施形態における昇降装置を示す断面図。
【図4】(a)は第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図、(b)は中板ロック部の断面図。
【図5】第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図。
【図6】第1の実施形態における中板ロック部を示す斜視図。
【図7】本発明に係る画像形成装置を示す主断面図。
【図8】本発明に係る第2の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図9】(a),(b),(c)は第2の実施形態における中板ロック部の動作を示す斜視図。
【図10】本発明に係る第3の実施形態における画像形成装置と大容量デッキを示す斜視図。
【図11】第3の実施形態における昇降装置等を示す斜視図。
【図12】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【図13】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【図14】第3の実施形態における中板ロック部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
<第1の実施形態>
図1〜図7を用いて、本実施形態におけるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置について説明する。以下、画像形成装置内部に装着される給紙カセット2に本発明を適用した第1の実施形態について説明する。先ず、主断面図である図7を参照して、画像形成装置としてのレーザビームプリンタ1(以下、LBP1という)の概略構成について説明する。
【0013】
LBP1は、装置本体1aを備えている。装置本体1a内には、各部を統括的に制御する制御部25と、シートSを積載収納した給紙カセット2と、給紙カセット2に積載されたシートSを最上側より送り出すピックアップローラ3とが配設されている。さらに、装置本体1a内には、送り出されたシートSを一枚ずつ分離搬送するリタードローラ対4(4a,4b)が配設されている。
【0014】
装置本体1a内には、画像形成に関する公知のプロセス部が内蔵され、装置本体1aに対して着脱可能なプロセスカートリッジ7が配置されている。プロセスカートリッジ7内には、像担持体としての感光体ドラム7aが配置されており、感光体ドラム7aに対しレーザ露光装置8により画像情報に応じてレーザ光が照射されて書き込みが行われる。感光体ドラム7aには、転写ローラ9が圧接されており、感光体ドラム7aと転写ローラ9との間を通過するシートSに、感光体ドラム7a表面のトナー像が転写される。なお、これら感光体ドラム7a等を有するプロセスカートリッジ7、及び転写ローラ9等により、中板(シート積載部)14から給送されるシートSに画像を形成する画像形成部が構成されている。
【0015】
画像形成部の下流側には、画像転写後のシートSに対して熱及び圧力を加えることで転写画像の定着を行う定着装置10が配置されている。画像定着後のシートSは搬送されて、排出ローラ対11により装置上面に形成された排出トレイ12に画像面を下側にして排出される。
【0016】
次に、図1及び図2を参照して、給紙カセット2及び昇降装置26に関する構成並びに機能について説明する。なお、図1において、中板14は図示省略している。
【0017】
図1及び図2に示すように、給紙カセット2は、LBP1の装置本体1aから引き出し可能に構成されている。給紙カセット2の内側には、給紙カセット2上に積載されるシートの側端部を規制する規制部材13a,13aと、シートの後端部を規制する規制部材13bとがそれぞれ、装置本体1aに対して着脱可能なカセット本体15に対してスライド可能に配設されている。
【0018】
給紙カセット2の底部15a上には、中板(シート積載部)14が、回動支持部14aを支点として回動可能に配置されている。中板14は、昇降動作可能なシート積載部を構成し、給紙カセット2が引き出された状態では、カセット本体15底面に設けられたリブ15cにより底部を支持されて下降方向の回動が規制される。
【0019】
中板14の下方には、駆動源であるリフトモータ44(図4(a)参照)から駆動力を受けて回動する回動軸であるリフタ軸16が、カセット本体15に対し回転自在に保持されている。リフタ軸16の一端部には扇型ギヤ(セクタギヤ)18が固定され、リフタ軸16の他端部には、中板押上げ板(押上げ部材)17がリフタ軸16に対して回動可能に支持されている。中板押上げ板17は、先端がリブ15bに向けて板状に延び、かつ後端が、その両端下方に屈曲するブラケット部17a,17aを介してリフタ軸16に回動自在に支持されている。中板押上げ板17は、給紙カセット2が装置本体1aから引き出された状態において、カセット本体15の底部15aのリブ15bにて下降方向の回動が規制される。
【0020】
リフタ軸16のカセット挿入方向奥側端部(一端部)は、カセット本体15の外側に突出しており、扇型ギヤ18は、この突出したリフタ軸16の端部に固定されている。リフタ軸16の他端部には回動アーム20が先端を略下方に向くように固定されている。リフタ軸16における中板押上げ板17に対応する部位には、中板押上げ板17裏面に接離可能な当接部材19(図3参照)が固定されている。これら構成により、回動アーム20及び当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動可能となるように構成される。
【0021】
扇型ギヤ18は、カセット本体15側部に配置された扇型ギヤストッパ21に外周端部を当接、係合させた状態で保持される。扇型ギヤストッパ21は、カセット本体15側面に突出形成されたボス21a(図1参照)を回動中心として支持された状態で、下方に配置された圧縮バネ22の付勢力により上方に付勢されている。
【0022】
装置本体1aには、給紙カセット2が装置本体1aに装着された状態での扇型ギヤ18に噛み合う位置に、ピニオン23(図4(a)参照)が配設されている。ピニオン23は、装置本体1a内に給紙カセット2が挿入されると、扇型ギヤ18に噛み合い、装置本体1a内に配設されたリフトモータ44により回転駆動される。ピニオン23の回転を受けて扇型ギヤ18が回転すると、当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14が回動支持部14aを支点として回動し、これによりシートSが昇降される。
【0023】
上記リフトモータ44は、装置本体1aに設けられた制御部25(図7参照)により駆動制御される。制御部25は、シートの上面を検知する紙面検知センサ(不図示)からの検知信号に基づきリフトモータ44を駆動してピニオン23を回転させる。そして制御部25は、扇型ギヤ18、リフタ軸16及び中板押上げ板17を介して、中板14を、上昇させるように制御する。
【0024】
さらに、制御部25は、中板14を、給送時に支持しているシートの上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる概略一定範囲の高さとなる位置まで上昇させるように制御する。そして、給紙カセット2が装置本体1aから引き出されると、ピニオン23と扇型ギヤ18との噛み合いが解除され、中板14は給紙カセット2の底部15aに下降する。
【0025】
続いて、本発明に係る中板ロック部の構成について、図4、図5、図6を参照して説明する。なお、図4〜図6は、昇降装置26(図1参照)を中板14の下方から見た状態で示す斜視図である。図4(a)はロックレバー30がロック位置にある状態を示し、図5は回動アーム20によってロックレバー30がロック解除位置に回動した状態の昇降装置を示している。図6は昇降装置により中板14が給送位置にリフトアップされた状態を示している。
【0026】
図4〜図6に示すように、給紙カセット2には、装置輸送時に中板14が移動しないように押さえるためのロックレバー30が配設されている。ロックレバー30は、カセット本体15の底部15aに設けられたボス30c(図1も参照)を回動中心として回動自在に底部15aに支持されている。ロックレバー30は、全体的に略L字状に構成されている。このロックレバー30は、ボス30cから離れた端部にはフック状のロック爪30aが一体に形成され、かつボス30cに近接する端部には、リフタ軸16に固定された回動アーム20に対向するように鈎状に屈曲する当接部30bが一体に形成されている。
【0027】
ロックレバー30は、ロック位置とロック解除位置とに回動可能にカセット本体15の底部15aに取り付けられている。図4(b)の断面図に示すように、ロック位置では、下方位置に対応して中板14の係合部14bにロック爪30aを係合させて中板14をカセット本体15に対しロックする。ロック解除位置では、中板14の上昇に際して係合部14bからロック爪30aを離間させてロックを解除する。ロックレバー30は、一体的に構成されたスナップフィットによる係止凸部30dが、カセット本体15の底部15aに設けられた係合穴(不図示)に係合することにより、ロック位置、もしくはロック解除位置に保持可能に構成されている。係止凸部30dはロックレバー30の下面に設けられており、ロックレバー30の切り込みにより係止凸部30dは上下方向での弾性変形が可能となっている。そのため、係止凸部30dは、カセット本体15の底部15aに設けられた係合穴(不図示)に係合及び離脱が可能となる。この係止凸部30dと、ロックレバー30がロック解除位置に移動したときに係止凸部30dと係合する係合穴とで、本発明の保持部が構成される。
【0028】
本実施形態では、駆動源であるリフトモータ44、ピニオン23、扇型ギヤ18、リフタ軸(回動軸)16、回動アーム20、中板押上げ板(押上げ部材)17、及び、当接部材19等により、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。リフタ軸16は、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動し、回動アーム20は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され且つ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。昇降装置26は、装置本体1aへの給紙カセット2の装着状態にて、後述するロックレバー30で下方位置にロックされた中板14を上昇させる際に、中板14の上昇動作に先立ってロックレバー30をロック解除位置に回動させるように構成されている。
【0029】
回動アーム20は、リフタ軸(回動軸)16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。当接部材19も、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され、かつ裏面から当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。リフタ軸16は、中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる第1方向の回動動作の前に、第1方向と逆の第2方向に一旦回動し回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させるロック解除位置に移動させる。この後、リフタ軸16は、第1方向に回動して当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14を上昇させることが可能となる。
【0030】
次に、図3を参照して、リフタ軸16、当接部材19及び中板押上げ板17の関係について詳細に説明する。図3(a)は、中板14が下降位置にある状態の昇降装置26を示し、図3(b)は、扇型ギヤストッパ21を上方に付勢している圧縮バネ22のバネ力に抗して扇型ギヤ18が図中時計方向に回動した状態を示している。さらに、図3(c)は、昇降装置26によって中板14が上昇させられている状態を示している。
【0031】
図3(a)に示すように、中板押上げ板17は、カセット本体15内部に設けられたリブ15bに一端を支持され、リフタ軸16及び当接部材19は、扇型ギヤ18が扇型ギヤストッパ21に当接した状態で停止している。
【0032】
そして、図3(b)に示すように、中板押上げ板17は、カセット本体15のリブ15bに支持された状態を維持するが、リフタ軸16及び当接部材19が同図の時計回り方向に回動し、当接部材19が中板押上げ板17から離間する。この際、ロックレバー30が回動アーム20によりロック解除の方向に回動させられることで、ロック爪30aが係合部14bから離間して、中板14が上昇可能な状態となる。
【0033】
更に、図3(c)に示すように、扇型ギヤ18が同図の反時計回り方向に回動することに伴い、リフタ軸16と当接部材19が同方向に回動し、当接部材19が中板押上げ板17に裏面から当接することで、中板押上げ板17が中板14を伴い反時計方向に回動する。
【0034】
一方、図2に示すように、中板14の略中央部には、中板14の表裏を貫通して開口14cが形成されており、開口14c内周におけるロック爪30aと対向可能な部位には、係合部14bが形成されている。
【0035】
次に、中板14を押さえる際の動作について説明する。即ち、LBP1の出荷時、或いはLBP1の移動時などに、中板14を固定する必要がある場合は、給紙カセット2を装置本体1aから一旦引き出した状態で、中板14の開口14cから指或いは工具を入れてロックレバー30を回動操作する。ロックレバー30を図4(a)に示す位置に回動させてロック爪30aを係合部14bに係合させてロックすることにより、中板14の上方への移動を確実に規制することができる。
【0036】
そして、装置本体1aに電源が投入されていない状態で給紙カセット2を挿入すると、中板14がロックされた状態が維持されるため、装置本体1aの出荷時或いは引っ越し時などの移動時に、中板14が不用意に動いてしまうことを防止できる。
【0037】
LBP1を使用するために電源が投入された際、装置本体内に給紙カセット2が装着されていることが検知部(不図示)で検知されると、制御部25はリフトモータ44を、中板14を上昇させる方向とは逆の方向に予め決められた一定量だけ回転(逆回転)させる。
【0038】
リフトモータ44が逆回転し、ピニオン23が図4における反時計方向に回転すると、扇型ギヤ18は扇型ギヤストッパ21を下方から担持する圧縮バネ22に抗して同図時計方向に回転する。これに伴い、リフタ軸16の他端に固定された回動アーム20が回転することで、回動アーム20がロックレバー30の当接部30bに当接するため、ロックレバー30は、回動アーム20の回動に伴ってロック位置からロック解除位置に回動する。
【0039】
リフトモータ44の逆方向への回転量は、ロック位置にあるロックレバー30をロック解除位置(図5参照)まで回動させるのに必要な量に設定されている。制御部25は、所定量の回転が終了した後、リフトモータ44の回転方向を切換え、中板14を上昇させる方向に回転駆動させる。
【0040】
その後は、前述した通常のリフトアップ制御により、昇降装置26は、中板14をシート上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる所定の高さに略一定に制御する。
【0041】
図6は昇降装置により、中板14が給送位置にリフトアップされた状態を示している。初期リフトアップ時にリフトモータ44を逆回転させるモータ制御については、装置本体1aに電源が投入された直後に実施するだけでもよい。
【0042】
なお、リフトモータ44の制御を簡略化するために、装置本体1aに給紙カセット2が挿入されたことを検知した際に、必ず上記の逆転制御を行うように設定した場合であっても、ロックレバー30や昇降装置26を破損するようなことはない。
【0043】
以上説明した本実施形態によると、ロックレバー30による中板14のロックを自動的に解除するための専用の機構を設けることなく、既存の昇降装置を備えた構成を利用してロック解除を行うことができる。そして、中板14を昇降するためのリフトモータ44として必要以上の性能のものを用いることなく、ロックに使用する部材をユーザが簡単に再利用することができる。このように、既存の構成を利用可能な簡便な構成によって、中板14のロック解除のし忘れによる装置破損等の不都合の発生を回避可能にすることができ、また引っ越し等での装置の移動の際に再利用可能な、中板14のロック構造を実現することができる。
【0044】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態の、シート給送装置及びこれを備えた画像形成装置における中板ロック部の構成とその機能について、図8及び図9を参照して説明する。本実施形態での第1の実施形態との相違点は、ロックレバー30の構成を変更したことで、中板(シート積載部)14のロックを解除するための初期リフトアップにおいて、リフトモータ44(図4参照)の逆転駆動を必要としない点にある。なお、本実施形態では、先の第1の実施形態と同一の部材には同一符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
【0045】
図8及び図9に示すように、装置本体1aから引き出された給紙カセット2では、カセット本体側部に一体形成されたストッパ31に扇型ギヤ18が当接する。これにより、リフタ軸16と回動アーム20は、当接部材19が中板押上げ部材17から離間した位置で保持される。本実施形態の中板ロック部を構成するロックレバー30は、第1の実施形態のロックレバー30と逆方向に回動することでロック爪30aを係合部14b(図2参照)に係合させるロック位置となる。更にこれと逆方向に回動することでロック爪30aを係合部14bから離間させたロック解除位置となる。
【0046】
また、ロックレバー30に突出形成したボス32aとカセット本体15に設けられたボス32bの間には、引張りバネであるトグルバネ32が掛け渡されている。ロックレバー30は、通常ロック解除位置に回転付勢された状態で、カセット本体15の底部15aに設けられたストッパ33aに突き当てられて保持されている。この際、ロックレバー30の当接部30bは、リフタ軸(回動軸)16の端部に固定された回動アーム20の回動軌跡と干渉しない位置に退避しており、昇降装置26による中板14のリフトアップ動作に影響を与えないようにその位置が設定されている。なお、底部15a上のストッパ33aに対向する位置には、所定距離をあけてストッパ33bが突出形成されている。
【0047】
本実施形態における中板(シート積載部)14は、第1の実施形態と同様、給紙カセット2を引き出した状態、即ち中板14が最下点にある状態で、ロックレバー30をロック位置に回動させることによって固定される。なお、本実施形態では、リフトモータ44(図4)、ピニオン23(図8)、扇型ギヤ18、リフタ軸16、回動アーム20、中板押上げ板17、及びリフタ軸16に固定された当接部材19等から、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。リフタ軸16は、駆動源であるリフトモータ44からの駆動力を受けて回動し、回動アーム20は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。中板押上げ板(押上げ部材)17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され且つ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げる。当接部材19は、リフタ軸16と一体に回動するようにリフタ軸16に固定されている。
【0048】
ここで、トグルバネ32で付勢されたロックレバー30の動作について、図9を用いて説明する。図9(a)はロックレバー30がロック解除位置にある状態、図9(c)はロックレバー30がロック位置にある状態、また図9(b)はロックレバー30がトグルバネ32の中立点にある状態を示している。
【0049】
先に述べたように、LBP1の通常動作時、ロックレバー30は図9(a)に示すロック解除位置にある。このとき、トグルバネ32は、ロックレバー30の回転中心であるボス30cから図中右側にずれている。このため、トグルバネ32の付勢力は、ロックレバー30を図中矢印Aの方向に回動させるように働き、これにより、ロックレバー30は図中右側のストッパ33aに当接して保持されている。なお、図9(c)に示されるように、ロック状態では、当接部材19と中板押上げ板17との間には、当接部材19の回動力が中板14のロック解除の完了後に中板押上げ板17に伝わるように時間差を付けるための隙間SPが設けられている。
【0050】
一方、中板14を固定するためにロックレバー30を図中左側に回動させる場合は、トグルバネ32が図9(b)に示す中立点を通過した時点から、トグルバネ32による付勢力は反転し、ロックレバー30をロック位置の方向に回転させようとする。その結果、ロックレバー30は、図9(c)に示すように左側のストッパ33bに当接し、ロック位置に保持される。ロックレバー30がロック位置にあるとき、ロックレバー30の当接部30bは、リフタ軸16端部に固定された回動アーム20に略当接するようにその位置が調整されている。
【0051】
そして、LBP本体1に電源が投入され、制御部25(図7参照)が給紙カセット2の挿入を検知すると、制御部25は、中板14を上昇させる方向にリフトモータ44を回転駆動させる。すると、ピニオン23の回転に伴い、扇型ギヤ18、及びリフタ軸端部に固定された回動アーム20も回転するが、このときロックレバー30は、当接部30bが回動アーム20に当接している。そのため、ロックレバー30は、トグルバネ32の付勢力に抗してロック解除位置の方向(ボス30cを中心とする図中時計回り方向)に回転させられる。
【0052】
ロックレバー30が回転すると、前述のロックレバー30を回転付勢しているトグルバネ32も移動する。ロックレバー30が一定量(一定角度)以上回転してトグルバネ32がロックレバー30の回転中心であるボス30c上を通過すると、トグルバネ32による付勢力が反転する。これにより、ロックレバー30は、ロック解除位置の方向(ボス30cを中心とする図中時計回り方向)に付勢されてストッパ33aに当接した状態で保持される。このトグルバネ32により本発明の保持部が構成される。
【0053】
トグルバネ32とロックレバー30の回転中心であるボス30cとの関係は、リフタ軸16の中央に固定された当接部材19が中板押上げ板17に当接する位置に到達する以前にトグルバネ32による付勢力が反転するように設定されている。従って、当接部材19が中板押上げ板17に当接し、リフトモータ44の駆動力が中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる動作を開始する以前に、次のようになる。つまり、ロックレバー30はトグルバネ32で回動付勢され、その当接部30bがリフタ軸端部の回動アーム20から離間して、ロック解除位置に保持される。
【0054】
本実施形態では、ロックレバー30がロック解除位置にあるときは、回動アーム20がロックレバー30と干渉することがない。一方、ロックレバー30がロック位置にあるときは、リフトモータ44の一方向回転によるリフトアップ動作によって、確実にロックレバー30を回動させて中板14のロックを解除することができる。また、本実施形態では、ロック爪30aを係合部14bから離間させたロックレバー30をロック解除位置に保持する、トグルバネ32及びストッパ33a,33b等から構成されるトグル機構を備えている。このため、ロック解除位置にあるロックレバー30が不用意にロック位置に戻るような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0055】
また、本実施形態では、昇降装置26に、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動するリフタ軸16と、リフタ軸16と一体に回動するように固定された回動アーム20及び当接部材19と、中板押上げ板17とを備えている。中板押上げ板17は、リフタ軸16における当接部材19と対向する位置に回動自在に支持され、かつ当接部材19に当接された状態で中板14を下方位置から押上げるように構成されている。リフタ軸16は、中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる一方向の一連の回動動作により、回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させる。その後、リフタ軸16は、当接部材19及び中板押上げ板17を介して中板14を上昇させる。このような本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
そして、本実施形態では、リフトモータ44を逆転駆動させることなく確実に中板14のロックを解除することができるので、制御部25によるリフトモータ44の制御をより簡略化することが可能となる。
【0057】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る第3の実施形態におけるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置について、図10〜図14を参照して説明する。本実施形態では、本発明を、装置本体1aに接続される大容量の給紙カセット2を有する大容量デッキ50を備えた画像形成装置としてのLPB1に適用している。なお、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同一部材には同一の符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
【0058】
図10に示すように、本実施形態におけるシート給送装置を含む大容量デッキ50(以下デッキと称する)は、装置本体1aの下方に接続され、LPB1の載置台を兼ねている。また、本実施形態のLPB1も、第1及び第2の実施形態と同様、各部を統括的に制御する制御部25を備えている。
【0059】
先ず、デッキ50に採用される昇降装置26について、図11を用いて以下に説明する。図11はデッキ50の給紙カセット2、並びに昇降装置26の概略を示す斜視図である。
【0060】
中板14の下方に配置されたリフタ軸(回動軸)16は、リフトモータ44からの駆動力を受けて回動するもので、図中破線で示すカセット本体15に固定された軸受34を介して回動自在に保持されている。リフタ軸16の両端部には、2個ずつの巻取りドラム(巻取り機構)35がそれぞれに固定されている(図11では奥側の2個の巻取りドラム35は不図示)。また、リフタ軸16のカセット挿入方向奥側の端部には、平行ピン36が固定されている。各巻取りドラム35には、それぞれリフタワイヤ37の一端部が保持されている。
【0061】
給紙カセット2において、カセット本体15の四隅の上部には、それぞれプーリ38が回転自在に配設されている。4本のリフタワイヤ(ワイヤ)37の他端部は、中板14の上方に回転自在に保持された各プーリ38を介して、中板14の四隅の端部からそれぞれ突出したワイヤ保持部39に固定されている。一方、デッキ50本体における、リフタ軸16端部に固定された平行ピン36に略対向する位置には、昇降装置26におけるカップリング42が配置されている。カップリング42は、給紙カセット2がデッキ50本体内に挿入されたとき平行ピン36に適正に係合するように、デッキ50本体での位置が調整されている。カップリング42は、デッキ50本体に配設されたギヤ列43を介して、駆動源であるリフトモータ44に連結されている。
【0062】
制御部25は、デッキ50本体に給紙カセット2が挿入されたことを不図示の検知部に基づいて検知すると、リフトモータ44を駆動する。そして、ギヤ列43及びカップリング42を介してリフタ軸16を回転させることで、各リフタワイヤ37を各巻取りドラム35にそれぞれ巻き取る。巻取りドラム35にリフタワイヤ37が巻き取られるにつれ、プーリ38を介してリフタワイヤ37に吊るされた中板14が、略平行な状態を保持しながら上昇する。
【0063】
制御部25は、不図示の紙面検知センサからの検知信号に基づいてリフトモータ44を回転させ、中板14をピックアップローラ3(図7参照)の方向に上昇させるように制御する。これにより、中板14を、給送時に支持しているシートの上面とピックアップローラ3との間で適正圧がかかる概略一定高さとなる位置に上昇させる。
【0064】
給紙カセット2がデッキ50本体から引き出されると、平行ピン36とカップリング42との結合が解除され、中板14は給紙カセット2の底部15aに下降する。また、4個のプーリ38の各周囲にはプーリカバー40がそれぞれ配設され、4個の巻取りドラム35の各周囲には巻取りドラムカバー41がそれぞれ配置されている。プーリ38外周とプーリカバー40間の隙間、及び巻取りドラム35外周とドラムカバー41間の隙間が適切に管理されることにより、リフタワイヤ37の巻き取り及び巻き戻し動作においてリフタワイヤ37が外れないように構成されている。
【0065】
次に、本実施形態におけるロックレバー30の構成とそのロック解除部について、図12〜図14を用いて説明する。図12〜図14は、本実施形態に採用したロックレバー30の構成を示す位置で断面した断面図であり、図12はロックレバー30がロック解除位置にある状態を示し、図13はロックレバー30がロック位置にある状態を示している。
【0066】
ロックレバー30は、図12の左右方向に長尺な部材であり、カセット本体15の底部15aに突出形成されたボス45により図12左右方向に摺動自在にガイドされ、略水平に移動可能に保持されている。ロックレバー30の左右方向の中央部には、上方に突出する摘み操作部30fが固定されている。ロックレバー30の図中の左端部には、スナップフィット形状を有するロック爪30aが一体に形成されており、右端部には当接部30bが形成されている。中板14裏面におけるロック爪30aと略対向する位置には、ロック爪30aに係合される係合部14bが中板14と一体に形成されている。ロック爪30aと係合部14bとにより本発明の保持部が構成される。また、リフタ軸16上の巻取りドラム35,35間において当接部30bと略対向する位置には、リフタ軸16と一体に回転可能となるように回動アーム20が固定されている。
【0067】
ロックレバー30の図中の左下方における底部15a上には、回動軸46aを支点として回動可能に支持されたラッチアーム46が配置されている。ラッチアーム46は、底部15aとの間に縮設された圧縮バネ47にて上方に付勢されており、図12に示す状態では、ラッチアーム先端に形成された傾斜面46bをロックレバー端部の凸部30gに係合させて、ロックレバー30をロック解除位置に保持している。このロック解除位置において、ロックレバー30右端の当接部30bは、リフタ軸16に固定された回動アーム20の回転軌跡に干渉しない位置に退避している。
【0068】
デッキ50の出荷時、或いは装置を移動させる等で中板14を固定する必要がある場合には、給紙カセット2を一旦引き出した状態で、中板14に設けられた開口14c(図11参照)から工具或いは指により摘み操作部30fを操作する。これにより、ラッチアーム46の傾斜面46bによるラッチ力に抗して、ロックレバー30を図12中の右側に移動させる。このため、ロックレバー30右端の当接部30bが回動アーム20の端部に当接し、回動アーム20、リフタ軸16及び巻取りドラム35が図中の反時計方向に若干量回転させられる。この回転により、リフタワイヤ37はやや弛むことになる。
【0069】
そして、図13では、ロックレバー30が右方向に移動することにより、ロックレバー左端のロック爪30aのスナップフィット形状が、中板14の係合部14bに係合している。これにより、中板14の上方への移動が規制されると共に、ロックレバー30の右方向への移動が規制される。
【0070】
また、先に説明したように、ロックレバー30の右方向への移動に伴い、リフタ軸16に固定された巻取りドラム35はリフタワイヤ37を吐き出す方向に回転するため、リフタワイヤ37は図13に示すように弛んだ状態となる。しかし、プーリカバー40並びに巻取りドラムカバー41の作用により、リフタワイヤ37がプーリ38、或いは巻取りドラム35の溝から外れることはない。
【0071】
デッキ50本体に電源が投入されていない状態で給紙カセット2を挿入すると、中板14を固定された状態が維持されるため、デッキ50の出荷時或いは引っ越し等による移動時に中板14が不用意に動いてしまうことが防止される。
【0072】
そして、装置本体1a並びにデッキ50に電源が投入され、制御部25が給紙カセット2の挿入を検知すると、制御部25はリフトモータ44を、中板14を上昇させる方向に回転駆動させる。すると、リフトモータ44に連結されたカップリング42の回転に伴い、平行ピン36、及びリフタ軸16に固定された回動アーム20も図中時計方向に回転する。このとき、ロックレバー30は、当接部30bが回動アーム20に当接しているため、ロック爪30aのスナップフィットによる係止力(ロック力)に抗して図中左方向に移動する。
【0073】
ロックレバー30の移動に伴い、ラッチアーム46が圧縮バネ47のバネ力に抗して押し下げられ、その先端の傾斜面46bが、図14に示すようにロックレバー下部左端の凸部30gに係合し、圧縮バネ47のバネ力でロックレバー30を図中左方向に引き込む。つまり、傾斜面46bは、ロック爪30aと係合部14bとの係合が解除された後に引き込み動作が開始されるように形状等が設定されている。これにより、ロックレバー30は、回動アーム20から離間され、リフタ軸16の回転に伴う回動アーム20の回転軌跡から当接部30bが退避したロック解除位置に保持される。
【0074】
以上説明した本実施形態では、リフトモータ44、ギヤ列43、カップリング42、ワイヤ保持部39、リフタ軸16、回動アーム20、及び巻取りドラム(巻取り機構)35等により、中板14を昇降動作させる昇降装置26が構成されている。巻取り機構としての巻取りドラム35は、リフタ軸16の回動に伴いリフタワイヤ37を介して中板14を下方位置から上昇させる。そして、リフタ軸16は、巻取りドラム35を介して中板14を上昇させる一方向の回動動作により、回動アーム20を介してロック爪30aを係合部14bから離間させた後、中板14を上昇させるように構成されている。このような、リフタワイヤ37と巻取りドラム35等を備えた大容量デッキ50を用いた本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1…画像形成装置(レーザビームプリンタ)、1a…装置本体、2…給紙カセット、7,9…画像形成部(プロセスカートリッジ,転写ローラ)、14…シート積載部(中板)、14b…保持部(係合部)、15…カセット本体、16…回動軸(リフタ軸)、17…押上げ部材(中板押上げ板)、19…当接部材、20…回動アーム、26…昇降装置、30…ロックレバー、30a…保持部(ロック爪)、30d…保持部(係止凸部)、32…保持部(トグルバネ)、33a,33b…ストッパ、35…巻取り機構(巻取りドラム)、37…ワイヤ(リフタワイヤ)、44…駆動源(リフトモータ)、S…シート、SP…隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して着脱可能なカセット本体、及びシートを積載して昇降動作可能なシート積載部を有する給紙カセットと、前記シート積載部を昇降動作させる昇降装置と、を備えるシート給送装置において、
前記給紙カセットに、前記シート積載部を前記カセット本体に対しロックするロック位置と、前記シート積載部の上昇に際して前記シート積載部から前記ロックを解除するロック解除位置とに移動可能なロック部を設け、
前記ロック部を前記ロック解除位置で保持するための保持部を設け、
前記昇降装置により前記シート積載部を上昇させるための駆動力により、前記シート積載部の上昇動作に先立って前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持する、
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸の回動により前記シート積載部を押上げる押上げ部材と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、を有し、
前記回動軸は、前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる第1方向の回動動作の前に、前記第1方向と逆の第2方向に一旦回動し前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記第1方向に回動して前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸の回動により前記シート積載部を押上げる押上げ部材と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、を有し、
前記回動軸は、前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる一方向の回動動作により、前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された当接部材、及び前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された当接部材と、前記押上げ部材との間に、前記ロック部を前記ロック解除位置へ移動させた後に前記押上げ部材が前記シート積載部を上昇させるための時間差を設けている、
ことを特徴とする請求項3記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記保持部は、前記シート積載部からロック爪を離間させた前記ロック部を前記ロック解除位置に保持するトグルバネである、
ことを特徴とする請求項3又は4記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、前記回動軸の回動によりワイヤを介して前記シート積載部を上昇させる巻取り機構と、を有し、
前記回動軸は、前記巻取り機構を介して前記シート積載部を上昇させる一方向の回動動作により、前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート給送装置と、
前記シート積載部から給送されるシートに画像を形成する画像形成部を有する前記装置本体と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
装置本体に対して着脱可能なカセット本体、及びシートを積載して昇降動作可能なシート積載部を有する給紙カセットと、前記シート積載部を昇降動作させる昇降装置と、を備えるシート給送装置において、
前記給紙カセットに、前記シート積載部を前記カセット本体に対しロックするロック位置と、前記シート積載部の上昇に際して前記シート積載部から前記ロックを解除するロック解除位置とに移動可能なロック部を設け、
前記ロック部を前記ロック解除位置で保持するための保持部を設け、
前記昇降装置により前記シート積載部を上昇させるための駆動力により、前記シート積載部の上昇動作に先立って前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持する、
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸の回動により前記シート積載部を押上げる押上げ部材と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、を有し、
前記回動軸は、前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる第1方向の回動動作の前に、前記第1方向と逆の第2方向に一旦回動し前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記第1方向に回動して前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸の回動により前記シート積載部を押上げる押上げ部材と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、を有し、
前記回動軸は、前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる一方向の回動動作により、前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された当接部材、及び前記押上げ部材を介して前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された当接部材と、前記押上げ部材との間に、前記ロック部を前記ロック解除位置へ移動させた後に前記押上げ部材が前記シート積載部を上昇させるための時間差を設けている、
ことを特徴とする請求項3記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記保持部は、前記シート積載部からロック爪を離間させた前記ロック部を前記ロック解除位置に保持するトグルバネである、
ことを特徴とする請求項3又は4記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記昇降装置は、駆動源からの駆動力を受けて回動する回動軸と、前記回動軸と一体に回動するように前記回動軸に固定された回動アームと、前記回動軸の回動によりワイヤを介して前記シート積載部を上昇させる巻取り機構と、を有し、
前記回動軸は、前記巻取り機構を介して前記シート積載部を上昇させる一方向の回動動作により、前記回動アームを介して前記ロック部を前記ロック解除位置に移動させて前記保持部で保持させた後、前記シート積載部を上昇させる、
ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート給送装置と、
前記シート積載部から給送されるシートに画像を形成する画像形成部を有する前記装置本体と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−206851(P2012−206851A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75730(P2011−75730)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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