説明

シート貼付装置及び貼付方法

【課題】吸着板の設備負担を軽減でき、吸着板の交換作業を省略することができるようにすること。
【解決手段】シート貼付装置10は、剥離シートRLに接着シートSが仮着された原反Rを繰り出す繰出手段11と、この繰出手段11で繰り出される接着シートSを吸着保持するための複数の吸引口31を有する保持手段12と、この保持手段12で保持した接着シートSを被着体Wに押圧して貼付する押圧手段13と、保持手段12で保持された接着シートSを検知可能なシート検知手段15と、被着体Wを検知可能な被着体検知手段16とを備えて構成されている。吸引口31には、シート検知手段15及び被着体検知手段16が装着可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置及び貼付方法に係り、更に詳しくは、接着シートを吸着保持してから被着体に貼付することができるシート貼付装置及び貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被着体にラベル等の接着シートを貼付するシート貼付装置が広く利用されるに至っており、かかるシート貼付装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1のシート貼付装置は、接着シートを繰り出す繰出手段と、接着シートを吸着保持する吸着板を含む保持手段と、接着シートが吸着板の所定位置にセットされたことを検知する検知手段とを備え、当該検知手段が接着シート検知すると、保持手段が接着シートを貼付するよう駆動可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−8227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、保持手段において吸着板と検知手段との相対位置が固定された状態となる。このため、大きさや形状が異なる複数種類の接着シートが採用される場合、それぞれの接着シートを検知し得るように、吸着板も複数用意しなければならず、設備の負担が強いられる、という不都合を生じる。また、接着シートの種類を変更する度に、吸着板全体を交換する煩雑な作業が強いられる、という不都合も招来する。
【0005】
[発明の目的]
本発明の目的は、接着シートの種類に応じて複数の吸着板を用意することを抑制し、その煩雑な交換作業を必要としないシート貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、被着体における接着シートの貼付位置の自由度を高めることができるシート貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出手段と、この繰出手段により繰り出された接着シートを基材シート側から吸着保持するための複数の吸引口を有する保持手段と、この保持手段で保持した接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段と、前記保持手段で保持された接着シートを検知対象物として検知可能なシート検知手段及び前記被着体を検知対象物として検知可能な被着体検知手段の少なくとも一方とを備え、
前記シート検知手段及び前記被着体検知手段の少なくとも一方は、前記吸引口から前記検知対象物を検知可能に設けられる、という構成を採っている。
【0007】
本発明において、前記保持手段に吸着保持された接着シートの位置ずれを検知するシート保持不良検知手段を備え、当該シート保持不良検知手段が前記吸引口に装着可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
【0008】
また、前記シート検知手段及び前記被着体検知手段の少なくとも一方を支持可能に設けられるとともに、前記吸引口に取り付け可能に設けられた支持手段を備える、という構成も好ましくは採用される。
【0009】
また、本発明のシート貼付方法は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出工程と、
繰り出された前記接着シートを複数の吸引口を介して基材シート側から吸着保持する吸着保持工程と、
保持した前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを備えたシート貼付法方法であって、
前記吸着保持工程において、前記吸引口から前記接着シートを検知することで当該接着シートの吸着保持確認を行う保持確認工程を行う、という方法を採っている。
【0010】
また、本発明のシート貼付方法は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出工程と、
繰り出された前記接着シートを複数の吸引口を介して基材シート側から吸着保持する吸着保持工程と、
保持した前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを備えたシート貼付法方法であって、
前記各工程の何れか1の工程の前に、前記吸引口から前記被着体を検知することで当該被着体を所定の位置に停止させる被着体停止工程を行う、という方法を採っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シート検知手段が吸引口から接着シートを検知可能としたので、接着シートの種類が変更になっても、当該接着シートの大きさや形状に応じてシート検知手段を配置する吸引口を替えるだけで対応が可能となる。これにより、従来のように、接着シートの種類毎に複数の吸着板を用意しなくてもよくなり、設備的な負担を軽減でき、且つ、吸着板を交換する作業を省略することが可能となる。また、被着体検知手段が吸引口から被着体を検知可能とした場合には、複数の吸引口のうち、不使用の任意の吸引口から被着体を検知可能となる。これにより、保持手段で吸着保持した接着シートの外縁の近傍に被着体検知手段を配置でき、例えば、被着体の被着面の大きさと接着シートの大きさとに殆ど差がないような場合にでも、被着体検知手段が保持手段で吸着保持された接着シートの直下位置で被着体を検知して停止させることができ、接着シートを貼付する位置の自由度を向上させることができる。
【0012】
また、吸着保持された接着シートの位置ずれを検知するシート保持不良検知手段を有する場合、接着シートがずれたり皺が生じたりした状態で貼付されることを防止することができる。しかも、シート検知手段や被着体検知手段を利用してシート保持不良検知手段を構成することもでき、検知手段を構成するセンサ等の設置数を少なくすることができ、制御や構成の簡略化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るシート貼付装置の概略正面図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】(A)は、図2のB矢視断面図、(B)は、図2のD矢視断面図。
【図4】変形例に係る支持手段を示す図3(B)と同様の図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態において、特に明示しない限り、方向を示す用語(例えば、上、下、左、右)は、図1を基準とする。
【0015】
図1〜図3において、シート貼付装置10は、被着体Wを左方向に搬送するベルトコンベア等からなる搬送手段CVに並設されている。シート貼付装置10は、被着体Wに貼付するための接着シートSを繰り出す繰出手段11と、この繰出手段11から繰り出される接着シートSを吸着保持可能な保持手段12と、この保持手段12で保持した接着シートSを被着体Wに押圧して貼付する押圧手段13と、保持手段12に設けられたセンサ等からなるシート検知手段15及び被着体検知手段16と、これら検知手段15、16を支持可能に設けられた支持手段18とを備えて構成されている。接着シートSは、基材シートBSと、この基材シートBSの一方の面に設けられた接着剤層ADとを備え、この接着剤層ADを介して剥離シートRLに仮着されている。
【0016】
前記繰出手段11は、帯状の剥離シートRLに接着シートSが所定間隔を隔てて仮着されたロール状の原反Rを支持する支持軸21と、この支持軸21から繰り出された原反Rの剥離シートRLを折り返して当該剥離シートRLから接着シートSを剥離する剥離板22と、剥離板22を経た後の剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ24及びピンチローラ25と、これらを通過した後の剥離シートRLを図示しない駆動機器によって所定のトルクで巻き取る巻取軸26とを備えている。駆動ローラ24は、駆動機器としての回動モータMを介して回転可能に設けられている。
【0017】
前記保持手段12は、底壁29A、側壁29B及び上壁29Cを含んで内部にチャンバ30を形成するヘッド部29と、底壁29Aを貫通するとともに、図2中左右及び上下方向に所定間隔を隔てて複数形成された吸引口31とを備えている。ヘッド部29の底壁29Aは、その下面が吸着面29Dとされる一方、側壁29Bに対して着脱又は開閉可能に構成され、取外し又は開いた状態でシート検知手段15及び被着体検知手段16の着脱を行えるようになっている。
【0018】
前記チャンバ30は、減圧管32を介して図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段に接続され、この減圧手段に連通されることで吸引口31から吸気し、吸着面29Dに接する接着シートSを基材シートBS側から吸着保持可能に設けられている。
【0019】
前記吸引口31は、底壁29Aに雌ねじ加工を施すことにより形成され、市販の六角穴付止めねじ等の塞ぎ手段33(図3参照)が着脱自在になっている。塞ぎ手段33は、吸引口31と螺合して当該吸引口31を閉塞可能に設けられる一方、吸引口31から取り外すことで、吸引口31を開放可能に設けられ、各吸引口31を個別に独立して閉塞可能となっている。なお、図2に示される最も左側の吸引口31は、上下に各2箇所ずつ形成され、本実施形態の保持手段12で保持しうる最大サイズの接着シートS1を保持したときに、各検知手段15、16を装着可能とすべく形成したものである。
【0020】
前記押圧手段13は、上壁29Cの上面に連結されて保持手段12を上下動可能な駆動機器としてのエアシリンダ35と、チャンバ30に接続された加圧管36とを備えている。押圧手段13は、加圧管36を介してチャンバ30に図示しない加圧ポンプや加圧タンク等の加圧手段が連通されることで、吸引口31から気体を噴出可能とし、吸着面29Dで吸着保持される接着シートSを吹き飛ばして当該接着シートSを被着体Wに押圧して貼付可能となっている。なお、エアシリンダ35はヘッド部29を所定の位置で停止させることのできる中間停止可能なもので構成するとよい。
【0021】
前記シート検知手段15及び被着体検知手段16は、保持する接着シートSの繰り出し方向下流端側すなわち左端側における図2中上下の各コーナーC近傍にそれぞれ設けられている。シート検知手段15及び被着体検知手段16は、支持手段18に支持されてそれぞれ別々の吸引口31に部分的に挿入され、支持手段18は、それらとはまた別の吸引孔31に装着されている。なお、シート検知手段15は、検知対象物としての接着シートSを検知できる範囲において、吸着面29Dで保持される接着シートSの面内であればどこに設置されてもよく、本実施形態の場合、吸着面29Dで保持された接着シートSのコーナーCに最も近い吸引口31とされる。また、被着体検知手段16は、検知対象物としての被着体Wを検知できる範囲において、吸着面29Dで保持される接着シートSの面外であればどこに配置されてもよく、本実施形態の場合、シート検知手段15の設置される吸引口31の左隣りの吸引口31とされる。これにより、シート検知手段15及び被着体検知手段16は、吸引口31から検知対象物を検知可能に設けられ、シート検知手段15の検知によって接着シートSの保持確認を行うことができ、被着体検知手段16の検知によってヘッド部29の下降許可を判断することができるようになっている。
【0022】
前記支持手段18は、平面視L字状の支持体38と、雄ねじ加工が施された六角穴付ボルト等の止めボルト39と、支持体38と底壁29Aの上面との間に設けられた樹脂、ゴム等の弾性部材からなるシール材40とを備え、チャンバ30内における底壁29A上に取り付けられる。止めボルト39は、被着体検知手段16が設置される吸引口31の隣の吸引口31に螺合しており、これにより、吸引孔31に支持手段18が着脱自在に取り付け可能となっている。シール材40は、止めボルト39が螺合する吸引口31と、被着体検知手段16が挿入される吸引口31とに跨って配置され、これらの吸引口31をチャンバ33側から閉塞可能に設けられている。なお、シート検知手段15が挿入される吸引口31は、シール材40で閉塞されていないので、開放した他の吸引口31と同様に吸排気が可能となっている。
【0023】
次いで、本実施形態に係る接着シートSの貼付方法について説明する。
【0024】
初めに、接着シートSの形状と、繰出手段11から吸着面29Dに繰り出される接着シートSの繰り出し位置とを確認する。次いで、底壁29Bを側壁29Cから取外し又は開き、各検知手段15、16が前述した位置の吸引口31に挿入されるように、シール材40及び各検知手段15、16を支持する支持体38を配置してから、スクリュードライバや六角レンチ等の工具を用いて止めボルト39を吸引口31に螺合する。各検知手段15、16の装着後、繰り出し位置に配置された接着シートSの外側に位置する全ての吸引口31に塞ぎ手段33を装着して閉塞状態とした後、底壁29Bを側壁29Cに取付け又は閉じる。なお、接着シートSの形状や大きさによっては、シート検知手段15が接着シートSの面内、被着体検知手段16が接着シートSの面外にちょうど収まらない場合があるが、そのようなときは、底壁29Aに新たな雌ねじ加工を施し、シート検知手段15が接着シートSの面内、被着体検知手段16が接着シートSの面外に配置されるようにしてもよい。
【0025】
被着体Wが搬送手段CVによって搬送され、ヘッド部29の下方所定位置に達すると、吸引口31から被着体検知手段16により被着体Wが検知され、図示しないストッパにより搬送が停止される(被着体停止工程)。次に、回動モータMを作動して原反Rを接着シートSの1ピッチ分繰り出し、剥離板22により剥離シートRLから接着シートSが剥離される。これにより、剥離板22の先端側で待機するヘッド部29側に接着シートSが繰り出される(繰出工程)。次いで、ヘッド部29側に繰り出された接着シートSは、減圧管32を介して減圧手段に連通された吸引口31によって基材シートBS側から吸着面29Dに吸着保持される。なお、接着シートSがシート検知手段15によって検知された時点や、検知されてから所定時間経過した時点で回動モータMの作動を停止するように制御してもよい(吸着保持工程)。この吸着保持工程において、繰り出された接着シートSは吸引口31からシート検知手段15によって検知され、当該接着シートSの吸着保持確認が行われ、次の工程に進むことが許可される(保持確認工程)。ここで、繰出工程後、所定時間経過しても接着シートSの吸着保持確認がなされない場合、例えば、シート貼付装置10を作動停止させたり、警報やライトを作動させてオペレータに異常を知らせたりするように制御することができる。
【0026】
シート検知手段15により接着シートSが検知されると、エアシリンダ35の作動により、被着体Wと吸着面29Dとの間隔が所定間隔(例えば、被着体Wの上面から吸着面29Dまでの距離が10mm)となるようにヘッド部29を下降させる。その後、減圧手段への連通を遮断すると同時に、加圧管36を介して吸引口31を加圧手段に連通する。これにより、開放した吸引口31から気体が噴出され、この噴出によって接着シートSが吹き飛ばされ、当該接着シートSが被着体Wに押圧されて貼付される(押圧工程)。なお、保持手段12を下降させて被着体Wの上面から吸着面29Dまでの距離を所定間隔で停止させるために、図示しないセンサ等の距離検知手段を設け、吸引口31から検知対象物としての被着体Wの上面を検知可能に構成してもよい。この場合、距離検知手段は、被着体Wの上面を検知できる範囲において、吸着面29Dで保持される接着シートSの面外であればどこに配置されてもよい。
【0027】
従って、このような実施形態によれば、吸引口31を利用して各検知手段15、16を装着可能としたので、吸引口31の形成箇所に応じて各検知手段15、16の設置位置を変更することができる。当該設置位置の変更により、貼付する接着シートSの種類の変更に難なく対応可能となり、ヘッド部29全体を交換するような作業や設備負担をなくすことができる。また、多数の吸引口31の殆どを利用して各検知手段15、16が装着可能となるので、種々のサイズや形状の接着シートSに対応し得る汎用性を付与可能となる。
【0028】
更に、被着体検知手段16が接着シートSの左端のごく近い位置に配置されるので、被着体Wの左端を検知したタイミングで被着体Wの搬送を停止した場合、被着体Wと接着シートSの各左端を近付けて貼付を行えるようになる。一方、被着体検知手段16が接着シートSの左端を検知したタイミングから所定時間経過してから搬送を停止するよう制御することで、被着体Wと接着シートSの各左端を離すこともできる。つまり、被着体Wの左右方向における貼付位置の制約を緩和でき、当該貼付位置の選択の自由度を向上することが可能となる。
【0029】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0030】
例えば、前記支持手段18は、種々の設計変更が可能であり、支持体38の平面形状を直線状としたり、図4に示される構成に代替したりしてもよい。図4において、支持手段18は、シート検知手段15及び被着体検知手段16の各外周面にそれぞれ設けられた雄ねじ部42と、この雄ねじ部42に螺合するナット部材43とを備えている。雄ねじ部42は、吸引口31に螺合可能と設けられ、これにより、各検知手段15、16が任意の吸引口31に取り付け可能となる。なお、雄ねじ部42は、各検知手段15、16の外周面に直接雄ねじ加工を施すことにより形成できる他、市販のねじ部材を利用し、当該ねじ部材の軸方向に孔を形成して当該孔に検知手段15、16を挿入してもよい。
【0031】
また、前記シート検知手段15及び被着体検知手段16は、吸引口31に挿入することなく、吸引口31の上方に配置して接着シートSや被着体Wの検知を行えるようにしてもよい。
【0032】
更に、シート検知手段15及び被着体検知手段16の一方を省略してもよい。
【0033】
また、止めボルト39や塞ぎ手段33は、六角ボルト、なべねじ、トラスねじ等の他のねじ部材に変更してもよい。
【0034】
更に、シート検知手段15及び被着体検知手段16の少なくとも一方において、保持手段12に吸着保持された接着シートSの位置ずれを検知するようにしてもよい。例えば、被着体検知手段16もシート検知手段15と同様に接着シートSの存在の有無を検知可能に設け、被着体検知手段16が接着シートSを検知した場合や、回動モータMの作動時間が所定時間を越えてもシート検知手段15が接着シートSを検知しない場合、接着シートSが歪んで支持されたこととなるので、押圧手段13を作動停止させたり、警報やライトを作動させてオペレータに異常を知らせたりするように制御してもよく、この場合、シート検知手段15や被着体検知手段16がシート保持不良検知手段として機能する。また、シート検知手段15及び被着体検知手段16とは別に、シート保持不良検知手段を構成するセンサ等を吸引口31に装着可能に設け、当該シート保持不良検知手段により接着シートSの位置ずれを検知してもよい。
【0035】
更に、接着シートSの形状は、四角形の他、三角形、五角形等の多角形、円形、楕円形、長円形、その他幾何学的な形状としてもよく、これに応じて、各検知手段15、16の設置位置を変更することで対応することができる。
【0036】
また、前記押圧手段13は、接着シートSを被着体Wに押圧して貼付できる限りにおいて変更してもよい。例えば、押圧手段13をエアシリンダ35により構成し、当該エアシリンダ35によるヘッド部29の下降動作によって接着シートSを被着体Wに押圧して貼付してもよい。この場合、加圧管36及びこれに接続される加圧ポンプ(図示省略)は省略可能となる。
【0037】
更に、繰出手段11から吸着面29Dに接着シートSが繰り出される繰出位置から、接着シートSを吹き飛ばして被着体Wへの貼付を行える場合、押圧手段13においてエアシリンダ35を省略してもよい。
【0038】
また、繰出手段11は、前述のように繰り出しを行える限りにおいて、種々の設計変更が可能である。
更に、シート検知手段15、被着体検知手段16及び図示しない距離検知手段を構成するセンサは、光センサ、超音波センサ、圧力センサ、接触型センサ等検知対象物を検知可能なものであれば足りる。
また、シート検知手段15及び被着体検知手段16の数は、1個ずつでもよいし3個以上でもよいし、シート検知手段15の数と被着体検知手段16の数とが異なっていてもよい。
【0039】
更に、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【0040】
また、前記被着体停止工程を行うタイミングは、吸着保持工程或いは押圧工程を行う直前に代えてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 シート貼付装置
11 繰出手段
12 保持手段
13 押圧手段
15 シート検知手段
16 被着体検知手段
18 支持手段
31 吸引口
AD 接着剤層
BS 基材シート
S 接着シート
W 被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出手段と、この繰出手段により繰り出された接着シートを基材シート側から吸着保持するための複数の吸引口を有する保持手段と、この保持手段で保持した接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段と、前記保持手段で保持された接着シートを検知対象物として検知可能なシート検知手段及び前記被着体を検知対象物として検知可能な被着体検知手段の少なくとも一方とを備え、
前記シート検知手段及び前記被着体検知手段の少なくとも一方は、前記吸引口から前記検知対象物を検知可能に設けられていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記保持手段に吸着保持された接着シートの位置ずれを検知するシート保持不良検知手段を備え、当該シート保持不良検知手段が前記吸引口に装着可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記シート検知手段及び前記被着体検知手段の少なくとも一方を支持可能に設けられるとともに、前記吸引口に取り付け可能に設けられた支持手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート貼付装置。
【請求項4】
基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出工程と、
繰り出された前記接着シートを複数の吸引口を介して基材シート側から吸着保持する吸着保持工程と、
保持した前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを備えたシート貼付法方法であって、
前記吸着保持工程において、前記吸引口から前記接着シートを検知することで当該接着シートの吸着保持確認を行う保持確認工程を行うことを特徴とするシート貼付方法。
【請求項5】
基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートを繰り出す繰出工程と、
繰り出された前記接着シートを複数の吸引口を介して基材シート側から吸着保持する吸着保持工程と、
保持した前記接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧工程とを備えたシート貼付法方法であって、
前記各工程の何れか1の工程の前に、前記吸引口から前記被着体を検知することで当該被着体を所定の位置に停止させる被着体停止工程を行うことを特徴とするシート貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−1436(P2013−1436A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135977(P2011−135977)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】