説明

シールの品質測定プロセスを備えたシールされたカプセルの検査方法及びインライン検査用の関連装置

本発明は、シールの品質を決定するためのプロセスを含む、溶媒シール剤でシールされた充填硬カプセルの検査方法に関し、該プロセスは、−溶媒シール剤でシールされた充填硬カプセル(1)を供給し、−マイクロ波共振器(27)を供給し(ここで、共振曲線により特徴付けられた測定場が発生し)、−上記カプセルを測定場を通るように向け、−測定場においてカプセル(1)の存在により生成する共振曲線の修正に関する特性を、共振器の空状態に対応する参照共振曲線と比較の上で測定し、及び、−シールの品質に関連する値を決定するために、測定特性を用いる、ことを含んでなる。本発明は、また、検査方法の結果をベースに、カプセルを分類するための方法、及びそのような方法を実施することができる関連装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒シール剤でシールされた充填硬カプセル(filled hard capsule)の検査方法に関する。本発明の文脈において、用語「カプセル」は、薬学的に許容可能な物質で作られ、及び患者又は使用者により摂取される投与形体を含むように適合された容器を指定する。そのような投与形体は、薬学的に有効な成分又は栄養補助食品を含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
本発明は、より具体的には、しかしそれには限定されないが、液体で充填された硬カプセルを検査するために使用することを意図している。硬カプセルは、一般的には、ゼラチン又は他の好適な物質で作られた二つの浸漬成形部分、即ち、本体及びキャップより作られる。一般的な製造プロセスにおいて、成形された本体及びキャップは、充填装置へ運ぶために、事前組立され(又は、事前に閉じられ)、ここで、それらは、自動的に、分離され、充填され、そして閉じられる。 液体をカプセルに充填する場合、カプセルは、漏洩のリスクを除くために充填後、信頼性を持ってシールすることが非常に重要である。
【0003】
充填装置から分離しているか、又はそれに一体化したシーリング装置を提供することは公知であり、ここで、充填され、そして閉じられたカプセルは、本体及びキャップの重なった面積内へ毛細管現象により浸透していくようにカプセル上に噴霧する流動形体の溶媒シール剤を用いてシールされる。流動体は、その後、カプセル材料を重複部分で溶解し、その結果、シーリングを提供する。そのようなシーリング装置及び関連方法は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
【0004】
そのような装置は、高レベルの信頼性を以って操作することができるが、カプセルが更なる製造ラインに進む前に、装置から解放された全ての個々の欠陥カプセルを同定し、そして排除することが望ましい。
【0005】
この点に関する公知の視覚的方法は、サンプル検査にのみ適用され得るので、十分であるとは言えない。
【0006】
カプセルの質量及び水分を測定するためにマイクロ波を使用することは、また、特許文献4で公知である。しかし、開示された方法及びその関連装置には、シールの品質を全く示していない。
【0007】
シールの品質は、特に、カプセルが液体処方品で充填されるとき、カプセルの最終使用者に投与すべき用量の精度のためばかりでなく、カプセルの感覚で認知される全体品質のためにも重要である。シールの欠陥に関する重要な問題は、この欠陥に起因する漏洩が製造プロセス中ばかりでなく、カプセルの寿命の後半で、例えば、包装後に起こることであり、それにより、欠陥は、カプセル内容物の単純な重量測定を基礎としては検出されないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO 2004/082563
【特許文献2】EP 116743
【特許文献3】EP 180543
【特許文献4】EP 1669755
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、カプセルのシールの品質を検査するための信頼性のある方法に対する必要性はあり、それは、高生産性の製造ラインに使用でき、そして重量などのカプセルの他の重要な特性を測定する方法と容易に組み合わせできる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これはシールの品質を測定するためのプロセスを含む本発明の検査方法により実施され、該プロセスは、
−溶媒シール剤でシールされた充填硬カプセルを供給し;
−マイクロ波共振器を供給し、(ここで、共振曲線で特徴付けられた測定場が発生し)、
−前記カプセルを測定場を通るように向け、
−共振器の空の状態に対応する参照共振曲線と比較して、測定場におけるカプセルの存在により生成した共振曲線の修正に関連する特性を測定し、そして
−シールの品質に関連する値を決定するために、測定された特性を用いる、
ことを含んでなる。
【0011】
都合よく、本発明の方法は、次の機能:
−方法は、更に、シール面積を決定するために、前記の測定特性を用いる工程を含み;
−方法は、更に、前記の測定特性の関数として、カプセルの質量を計算する工程を含み;
−方法は、更に、前記の測定質量で割った少なくとも一つの前記の測定特性の関数として、シールの品質と関連する値を計算する工程を含み;
−前記の測定特性は、測定場におけるカプセルの存在により生成した共振曲線のシフト及び拡幅化を含む;
を一つ又はそれ以上を含んでもよい。
【0012】
第二の態様によると、本発明は、硬カプセルシーリング装置の下流側のカプセルを分類する方法に関し、ここで、各々のカプセルは、前述の方法を用いて検査し、そしてここで、前記カプセルは、シールの品質に関連する値が事前に決定された閾値より低い場合、シーリング欠陥のために排除される。
【0013】
更なる態様によると、本発明は、溶媒シールング剤でシールされる硬カプセルを検査するための装置に関し:
−対象物が測定場を通して向けられるときの共振曲線及びその測定手段、共振器の空の状態に対応する参照共振曲線と比較して、測定場における対象物の存在により生成される共振曲線の修正に関する特性により特徴付けられた測定場を発生するように適合されたマイクロ波共振器;及び
−前記の測定特性の関数として、シールの品質に関連する値を決定するように適合された計算手段;
を含んでなる。
【0014】
都合よく、本発明の装置は、一つ又はそれ以上の次の機能:
−前記の測定特性は、測定場におけるカプセルの存在により生成される共振曲線のシフト及び拡幅化を含み;
−計算手段は、前記の測定特性の関数として、カプセルの質量を計算するように適合され;
−計算手段は、前記の計算質量で割った前記の測定特性の少なくとも一つの関数として、シールの品質と関連する値を計算するように適合され;
−計算手段は、事前に決定された閾値とシールの品質に関連する値を、各カプセルについて、比較するように適合された比較器を含み、そして、シールの品質に関連する値が事前に決定された閾値より低い場合、それは、更に、カプセルを、共振器の下流側のカプセルの正常経路から迂回するように適合した排除手段を含み;
−計算手段は、更に、各カプセルに対して:
(i)事前に決定された閾値を有するシールの品質に関連する値;及び
(ii)事前に決定された対象範囲を備えた質量の計算値;
を比較するように適合された比較器を含み、
そしてそれは、
(i)シールの品質に関連する値が事前に決定された閾値より低い場合、又は
(ii)計算質量が事前に決定された対象範囲外である場合;
のどちらかである場合、更に、カプセルを、共振器の下流側のカプセルの正常経路から迂回するように適合した排除手段を含む;
を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好ましい実施態様は、いま、添付の図面を参照して、実例を通してのみ、より詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】硬カプセルの概略の拡大透視図及びシーリング液体の発射によりカプセルをシールする公知のプロセスにおけるシーリングノズルであり;
【図2】シーリング装置及び本発明に記載のカプセルを検査するための装置を含む、カプセル製造ラインの部分概略図であり;及び
【図3】共振器に存在するカプセルの影響に起因し、及び本発明に記載の方法で測定され、使用される共振周波数の変位、及び共振曲線の拡幅化を示すグラフである。
【0017】
図1は、中空管状本体2及び中空キャップ3を含む一般的な硬カプセル(又は、「硬殻のカプセル」)を示し、それぞれは、一般的にゼラチン又はいずれかその他の薬学的に許容される物質などの物質から成形により、一つに作られる。明確にするために、表わされたカプセルは、縮尺については精密ではない。
【0018】
本体2及びキャップ3は、完全に閉じられるか、又は係合されるまで、本体2をキャップ3内へ部分的に挿入することにより、入れ子式に結合されるように適合され、それ故、最終位置は、投与を提供する間、閉じられた内部空間を画成する。図1で示すこの位置において、本体2及びキャップ3は、重複領域5を画成する。
【0019】
本明細書で記述した発明は、特に、液体用量を含むカプセルに対して興味があるが、それは、粉末のような他の投与形体を有するカプセルにも、また、好適である。
【0020】
図1は、また、カプセルのように密封してシールする工程を示し、ここで、ノズル13は、キャップの端部18に向かってシール剤16を噴霧するために使用される。シール剤は、水を含んでもよい溶媒を含む流体である。幾つかのシール剤の好適な例は、US第4,539,060号に見出すことができる。
【0021】
通常は、カプセルに噴霧されるシール剤は、毛細管効果により重複領域5で均一に分布し、そしてゼラチンカプセルの場合、本体とキャップの重複部においてゼラチンの接触層を溶解し、それにより、カプセルのシーリングを実施する。シール剤を含む溶媒のゼラチンカプセルに及ぼす影響は、また、US第4,539,060号に記述されている。
【0022】
図2及び3を参照して、本発明の好ましい実施態様に基づくシールされたカプセルを検査するための方法及び装置は、ここに、説明されるであろう。
【0023】
図2は、液体を充填し、装置21の上流側に配置された製造位置(図示されていない)により継続して供給される硬カプセルをシーリングするための装置21を含むカプセルの製造ラインの部分20を概略的に図示する。製造位置から装置21内へのカプセルの流れは矢印D1で示される。一体化された充填及びシーリング装置、又は区別できる充填及びシーリング装置として設計されるそのような装置は、当業者に公知であるので詳細には記述しない。カプセルのシーリングは、好ましくは、図1を参照して説明された原理に基づくこの装置で実施できることは注目すべきである。
【0024】
部分20は、また、装置21で供給されるカプセルを検査及び分類するために提供される本発明に記載の充填及びシーリング装置21の下流側の、検査装置22を含む。充填及びシーリング装置21から検査装置22へのカプセル1の流れは、矢印D2で表される。
【0025】
図2において、製造ラインの部分20におけるカプセルの流れの一般方向は、矢印D1及びD2で指示される。全体の記述における、用語「上流」及び「下流」は、この一般的な流れ方向を参照して解釈すべきである。
【0026】
部分20は、更に、装置21の出口25から検査装置22の中へ、そして横断して、連続した単一化したカプセルを運ぶように適合されたコンベア23を含む。この目的のために、コンベアは、変位D2の主方向に沿って連続したポケット26を備える継目なしベルトで形成してもよく、該ポケットは、各々、単一のカプセルを収納するように適合される。
【0027】
検査装置22は、カプセルの検査を実施することができるマイクロ波共振器27を含み、そして共振器27の下流側に、欠陥カプセルを排除するための排除手段28を含む。例えば、欠陥カプセルは、排除手段28により、製造ラインの部分20において提供されるビン29内に向けられる。
【0028】
共振器27は、カプセル用の入口31及び出口32を備えたキャビティ30を含み、入口31は、検査装置22の入口に対応している。それは、また、特性共振曲線を備えた共振周波数でキャビティ30においてマイクロ波信号を発生することが可能なマイクロ波測定システム33を含み、その結果、キャビティ30内の対象物−この場合カプセルである−の導入により修正された電磁場の特性を評価するための測定場を定義する。
【0029】
例えば、測定システム33は、TEWS社により製造されたTEWS MW 3011型(登録商標)であってもよい。
【0030】
検査装置22は、更に、一方で測定手段33に、他方で排除手段28に連結した計算手段37を備えている。
【0031】
測定システム33から受け入れた入力信号から、計算手段37は、以下で説明する通り、キャビティ内に導入されたカプセルのある性質を代表する変数を計算するように適合される。
【0032】
計算手段37は、前記カプセルを共振器27の下流側のカプセルの正常経路から迂回して、それをビン29内に方向付けさせるために、カプセルに関連する推定性質に依存して、また、排除手段28を制御するように適合される。正常経路は、検査装置22の主出口39を通して共振器27から、例えば、印刷装置又は包装装置を含む製造ラインの後続の部分へ通じるコンベア23により定義された経路として理解されるべきである。
【0033】
例えば、図2で示す通り、排除手段は、計算手段37で制御される送風機41及びコンベア23からビン29内へ送風機41により吹き飛ばして欠陥カプセルを移動させるよう設計されたダクト43を有し得る。
【0034】
別の実施態様(図示されていないが)において、
コンベアは、カプセルのキャビティ内への空気輸送を実施するためにキャビティ30の上流側の第一の管状ガイド、及びキャビティ30からカプセルの空気輸送を実施するためのキャビティの下流側の第二の管状ガイドを含む「エアコンベア」タイプであってもよい。
【0035】
本発明に記載の検査の方法をより詳細に記述するために、図2及び3について記述する。
【0036】
検査装置22により実施される本発明に記載の検査の方法は、シールの品質を決定するプロセスを含む。このプロセスは、シーリング装置の、直接、下流側の部分において、カプセルの全水分は、カプセルに存在するシール剤の量により決定されるという前提に基づいている。そのような前提は、正確には、最新の状態における現実性を反映したものであり、ここで、カプセルは溶媒を含まない剤形で充填され、そして用量の溶媒量は、シール剤により提供される溶媒量に比較して無視できるレベルである。
【0037】
シールの品質を決定するプロセスは、充填及びシーリング装置21において薬剤を含む溶媒でシールされ、そしてコンベア23により入口31を通して検査装置22に連続して供給される連続した硬カプセル上で実施される。このプロセスにおいて、カプセルは、マイクロ波共振器27のキャビティ30において発生した測定場を通して連続的に導かれ、キャビティの空の状態における測定場は、ある共振周波数FE及び特性の共振曲線CEで特徴付けられる。
【0038】
図示した実施態様において、ここで、コンベアの部分は、キャビティを横断して伸長し、用語「空の状態」は、キャビティ内に囲い込まれたポケット26が空であり、それ故、カプセルはキャビティ内に存在しない状態として解釈すべきである。この構成は、また、「空のポケット状態」の表現で図示し得る。
【0039】
エアコンベアのような他のタイプのコンベアが使用される場合、ここで、カプセルは、キャビティを横断して伸長する誘導エレメントなしで輸送されるが、「空の状態」は、キャビティ内にカプセルが存在しない状態だけでなく、キャビティの現実の空状態に対応する。
【0040】
本発明の文脈において、従って、共振器の「空の状態」は:
−カプセルが誘導エレメントなしで輸送される場合の実際の空状態;及び
−カプセルがベルト上で輸送される場合の空ポケット状態;
を意味する。
【0041】
図3に関して、キャビティの空状態における、そしてカプセルの存在下における、共振曲線CE及びCCは、横座標において周波数(MHz)で、そして縦座標において透過比のグラフで示される。
【0042】
図3で示す通り、測定場におけるカプセル1の存在は、共振周波数を低い値FCにシフトさせ、そして共振曲線CCを拡幅化する。共振周波数のシフトは、測定システム33により測定される第一の変数Aを定義する。曲線CC及びCEの半値幅BC、BEの差である共振曲線の拡幅化Bは、また、測定システム33により測定される第二の変数を定義する。
【0043】
計算手段37は、測定された変数A、Bを用いてカプセルに関連する溶媒値θを計算するために、プログラムを組まれたプロセッサを有する。この溶媒値θは、カプセルの質量、及びカプセルに含まれる用量の質量とは独立し、そして第一A及び第二Bの変数の関数としてのみ計算される。
【0044】
第一の実施態様によると、溶媒値は、θ=t1.(B/A)+t2の関係式を用いて計算され、ここで、t1.及びt2は、検量プロセス中に計算される事前に決定された検量係数である。検量プロセスは、より詳細には説明しない。
【0045】
前述の前提に従って、シールの品質は、溶媒値θで反映され、その結果、推定される。現在の決定プロセスにおいて、シールの品質を代表する値は、従って、溶媒値θの単純関数として決定される。シールの品質を代表する値は、好ましくは、溶媒値θに比例し、そして最も好ましくは、溶媒値θに等しい。
【0046】
また、本発明に記載の検査の方法は、カプセルの質量Mの計算工程を含み、それは、同一測定変数A、Bを用いて同一装置22により実施される。それ故、計算手段37のプロセッサは、また、A及びBを変数としてのみ含む関係式の補助を得て、質量Mを計算するためにプログラムを組まれる。
【0047】
特に、質量Mの計算は、関係式:
M=b1.A+b2.B+b3
の補助を得て達成でき、ここで、係数b1、b2、b3は、検量係数であり、好ましくは、同一バルク、及び同一タイプのカプセルに対しては一定の係数であり、該係数は事前決定され、そして計算手段37に保存される。
【0048】
第二の実施態様によると、三種の同時に励起可能な共振モードを備えた共振器の使用を必要とするので、変数A及びBは各々のモードで得られる。かくして得られた値A1、A2、A3及びB1、B2、B3は、以下に説明する溶媒値θ及び質量Mを計算するために使用され:
θ=t1.(B1/A1)+t2.(B2/A2)+t3.(B3/A3)+t4
M=k1.A1+k2.A2+k3.A3+k4.B1+k5.B2+k6.B3+k7
ここで、ti:i=1〜4、及びkj:j=1〜7は、検量プロセス中に計算された事前決定された検量係数である。
【0049】
第三の実施態様によると、シールの品質に関連する値は、シフトA及び拡幅化Bを質量の計算質量Mで割って得られた、変換されたシフトA’又は変換された拡幅化B’のどちらかである。
A’=A/M;
B’=B/M;
【0050】
あるいは、シールの品質に関連する値は、変換シフトA’及び変換シフトB’の両方の関数として計算し得る。
【0051】
この実施態様において、シールの品質に関連する値は、測定された変数A、Bを計算値の質量Mで割ることに基づき、充填レベルには非相関である。
【0052】
計算手段37は、更に、緩衝器及び比較器を含む。緩衝器は、各カプセルの特性:即ち、検査方法で推定されたシールの品質に関連する値θ(又は、A’、B’)及び質量Mを一時的に保存することができる。比較器は、比較工程において、計算手段に保存された事前に決定された値を有する特性を比較するように適合され、そして、比較工程の結果に依存して、検査中検出された欠陥の不在、又は欠陥のタイプを代表する欠陥値に戻る。
【0053】
より具体的には、事前決定された保存値は、シールの品質に対する閾値θ0(又はA’0、B’0)、及び質量に対する値[M1、M2]の対象範囲を含む。
【0054】
カプセルのシールの品質に関連する推定値θ(又はA’、B’)が、シールの品質の閾値θ0(又はA’0、B’0)より低い場合、そのとき、比較器はカプセルのシーリング欠陥の代表値に戻り、それはシールの不在、又はより一般的には、シール剤の不十分な量を明らかにするかもしれない。
【0055】
カプセルの推定質量Mが、対象範囲[M1、M2]の範囲外である場合、即ち、M1より低いか、又はM2より高い場合、そのとき、比較器は、カプセルの質量欠陥の代表値に戻り、それは、一般的に、カプセルに含まれる受け入れがたい不正確な用量を明らかにするであろう。
【0056】
推定値θ(又は、A’、B’)が、閾値θ0(又はA’0、B’0)より低く、及びカプセルの推定質量Mが、対象範囲[M1、M2]の範囲外である場合、そのとき、比較器は、カプセルのシーリング欠陥及び質量欠陥の両者の代表値に戻る。
【0057】
推定値θ(又は、A’、B’)が、閾値θ0(又はA’0、B’0)より高く、そして、カプセルの推定質量Mが、対象範囲[M1、M2]の範囲内である場合、そのとき、比較器は非欠陥カプセルの代表値に戻る。
【0058】
検査が転換値A’、B’を基礎にするとき、関連する閾値A’0、B’0が、また、対象の充填レベルから独立であることを認識できるであろう。この方法により、シールが不十分なカプセルからシールが十分なカプセルを分離することが可能であるばかりでなく、各々のカプセルのシールの品質をより正確に分類することも、また、可能になる。
【0059】
計算手段37は、比較器で戻る欠陥値を基礎にして排除手段28を制御するように適合される。検査されたカプセル用の欠陥値が、非欠陥カプセルの代表値と異なる場合、そのとき、排除手段28が前記カプセルを正常経路から迂回し、そしてビン29内にそれを方向付けするために起動し、それにより、充填及びシーリング装置21の下流側の検査装置22を通して導かれたカプセルが分類される。非欠陥のカプセルは、通常は、製造ラインにおいて検査装置の主出口を通じて、更に、進行していく。
【0060】
本発明がカプセルのインライン検査及び分類のための信頼性のある方法を提供し、それは自動的に、そして高生産性(例えば、一単独ライン当たり、70000カプセル/時間)を有して実施できることが認識されるであろう。それ故、関連装置は、上流側の充填及びシールング位置で実施される高生産性を低下させることなく製造ラインに組み込むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールの品質を決定するためのプロセスを含む溶媒シール剤でシールされた充填硬カプセルの検査方法であって、該プロセスは、
−溶媒シール剤(16)でシールされた充填硬カプセル(1)を供給し;
−共振曲線により特徴付けられた測定場が発生するマイクロ波共振器(27)を供給し;
−上記カプセルを測定場を通るように向け;
−測定場においてカプセル(1)の存在により生成した共振曲線(CC)の修正に関する特性(A、B)を、共振器の空状態に対応する参照共振曲線(CE)と比較して測定し;及び
−シールの品質に関連する値(θ;A’、B’)を決定するために、測定特性(A、B)を用いる;
ことを含んでなる、方法。
【請求項2】
それが、更に、シール面積を決定するために前記の測定特性(A、B)を用いる工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
更に、前記の測定特性(A、B)の関数として、カプセルの質量(M)の計算工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
それが、更に、前記の計算質量(M)で割った少なくとも一つの前記の測定特性(A、B)の関数として、シールの品質に関連する値(A’、B’)の計算工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の測定特性は、測定場においてカプセル(1)の存在により生成する共振曲線のシフト(A)及び拡幅化(B)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各々のカプセルが、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法を用いて検査され、そして、前記カプセルは、品質特性に関連する値(θ;A’、B’)が事前に決定された閾値(θ0;A’0、B’0)より低い場合、シーリング欠陥のため排除される、硬カプセルシーリング装置(21)から下流側でカプセルを分類する方法。
【請求項7】
−共振曲線により特徴付けられる測定場を発生するように、そして、対象物が測定場を通して向けられるとき、共振器の空の状態に対応する参照共振曲線(CE)と比較して、測定場において対象物の存在により生成される共振曲線(CC)の修正に関する特性(A、B)を測定するように適合されたマイクロ波共振器(27);
−測定場を通して、共振器(27)の上流側の第一部分(31)から、共振器の下流側の第二部分(32)へ個々のカプセル(1)を単一化し、向けるための手段(23);及び
−前記の測定特性(A、B)の関数として、シールの品質に関連する値(θ; A’、B’)を決定するために適合された計算手段(37);
を含んでなる、溶媒シール剤でシールされた硬カプセルを検査する装置。
【請求項8】
前記の測定特性は、測定場においてカプセル(1)の存在により生成する共振曲線のシフト(A)及び拡幅化(B)を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
計算手段(37)が、前記の測定特性(A、B)の関数として、カプセルの質量(M)を計算するように適合されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
計算手段(37)が、前記の計算質量(M)で割った少なくとも一つの前記の測定特性(A、B)の関数として、シールの品質に関連する値(A’、B’)を計算するように適合されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
計算手段(37)が、各々のカプセルに対して、シールの品質に関連する値(θ;A’、B’)を、事前に決定された閾値(θ0;A’0、B’0)と比較するように適合された比較器を含み、そして、それが、更に、シールの品質に関連する値(θ;A’、B’)が、事前に決定された閾値(θ0;A’、B’)より低い場合、カプセルを、共振器(27)の下流側のカプセルの正常経路から迂回するように適合された排除手段(28)を含むことを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
計算手段(17)が、更に、各々のカプセルに対して、
(i)シールの品質に関連する値(θ;A’、B’)を、事前に決定された閾値(θ0;A’0、B’0)と比較し、そして
(ii)質量(M)の計算値を、事前に決定された対象範囲([M1、M2])と比較する、
ように適合された比較器を含むことを特徴とし;及び
それが、更に、
(i) シールの品質に関連する値(θ;A’、B’)が、事前に決定された閾値(θ0;A’0、B’0)より低い場合、又は
(ii)計算質量(M)が、事前に決定された対象範囲([M1、M2])外である、
のいずれかである場合、カプセルを、共振器(27)の下流側のカプセルの正常経路から迂回するように適合された排除手段(28)を含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−510626(P2013−510626A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538445(P2012−538445)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054931
【国際公開番号】WO2011/058475
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512054458)キャプシュゲル・ベルジウム・エヌ・ヴィ (4)
【Fターム(参考)】