説明

シールドを有する直角コネクタと直角コネクタのシールドを生成するための方法

【課題】製造するのが簡単なシールドを有する直角コネクタと、その直角コネクタを通して伝導される信号の高周波まで効果的なシールドを達成することを可能にする直角コネクタのシールドを製造するための方法。
【解決手段】本願発明は、互いに隣接して配置され、プリント回路基板(4)の導体へのはんだ付けのために、直角コネクタ(20a、20b)の後ろに提供される複数のコンタクト要素(50a、50b)を備える直角コネクタであって、前記直角コネクタ(20a、20b)の少なくとも上側に配置される上部シールド(22a、22b)と、下側に配置される下部シールド(34a、34b)と、を備える直角コネクタに関する。本願発明による直角コネクタ(20a、20b)は、下部シールド(34a、34b)は、コネクタ側で下部シールド要素(36a、36b)を含み、前記要素のシールド表面(37a、37b)が、接続方向(28)に向いており、前記下部シールド(34a、34b)は、別々の、後部の下部シールド要素(38a、38b)を更に含み、該下部シールド要素(36a、36b、38a、38b)が互いに電気的に接続されていること、を特徴とする。直角コネクタ(20a,20b)を生成するための本願発明による方法は、少なくとも2つの下部シールド要素(36a、36b、38a、86b)のレーザ溶接接続を用いる。本願発明による直角コネクタ(20a、20b)は、高周波信号が高品質と高信号完全性とを有して伝導されるのを許容する。本願発明による直角コネクタ(20a、20b)のシールドは、本願発明による方法により、直角コネクタを用いてコスト効率よく生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、シールドを有する直角コネクタ、及び、直角コネクタのシールドを生成するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案第20114581号明細書に従う実用新案は、RJ−45コネクタと呼ばれる米国通信標準FCC68.500によるデータ・ケーブルのためのコネクタを開示している。コネクタの中央部及び後部領域において、コンタクト要素は、シート・メタル部材から、たとえば、曲げることによって作られる背面で開いているシールドによって囲まれている。コネクタ・ハウジングの側面と上下の側をおおっているシールドは、コネクタがストレート・コネクタとしてインプリメントされるので、簡単に作ることができる。
【0003】
独国第69221560号(EP特許翻訳)明細書は、独国実用新案第20114581号明細書に従った前に記述したコネクタに対応するコネクタを形成することができるコネクタを記載している。上部領域及び後部領域においてコネクタ・ハウジングのまわりで曲げられるシールド板が提供される。シールドは、コンタクト要素の下側には提供されない。
【0004】
独国第60314140号(EP特許翻訳)明細書は、第1のシールド要素が、コネクタの前部領域において、完全にそのコンタクト要素を囲む2部分シールドを有するインピーダンス調整コネクタを記載している。前部のシールド要素を含むコネクタ全体が、エンボシングとリセスを有する外部のシールド板によって囲まれる。プリント回路基板の導体にはんだ付けするために提供されるコンタクト要素の後部領域において、シールド要素は、コンタクト要素がシールド領域から外へガイドされるのを可能とするリセスを有する。
【0005】
独国第60208885号(EP特許翻訳)明細書は、側面と上側を囲むシールド・ハウジングを含むコネクタを記載している。シールドは、また、第1のコネクタが直接プリント回路基板に配置され、対応するコネクタがプラスチック・コネクタ・ハウジングの下側に配置されている、下側にも提供される。コネクタの後側において、シールド要素は、コンタクト要素がシールド領域からそれを通してガイドされるリセスを有する。
【0006】
本願の出願人エルニ社の、www.erni.comで見ることができるカタログE074482、08/06、第4版の81ページ上に、国際電気標準会議(IEC)規格6107−4−101に従う直角コネクタが、記載され、シールドが、上側および下側の両方に提供されている。リセスが、上側及び下側の両方で前面コネクタ−側領域において切り出されており、残りのブリッジは、バネを形成するように外へカーブしている。下部シールドは、既知のコネクタがプリント回路基板上に横方法にのみ押すことができるように、プリント回路基板の導体にはんだ付けするために提供されているコンタクト要素の終端部の下側を囲んでいる。コネクタの搭載状態において、下部シールドがプリント回路基板の下側に位置し、コンタクト領域をそこで完全にカバーするからである。
【0007】
独国第69524935号(EP特許翻訳)明細書は、シールド要素を互いに溶接するために提供するシールド・コネクタ構成を開示する。ストレート・コネクタが、ベースを形成する。溶接された接続が、コネクタの外側で自由にアクセス可能なシールド要素の間に提供される。はんだ付けや接着など他のタイプの可能な固定手段が、溶接接続に対して代替的に提案できる。接続は、また、完全に省略することもでき、完全に組み立てたコネクタ構造の安定性によってその位置に単に保持することができる。
【0008】
製造するのが簡単なシールドを有する直角コネクタと、その直角コネクタを通して伝導される信号の高周波まで効果的なシールドを達成することを可能にする直角コネクタのシールドを製造するための方法を提供することが、本願発明の目的である。その目的は、同等な請求項に規定される発明特定事項により各ケースにおいて達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国実用新案第20114581号明細書
【特許文献2】独国第69221560号(EP特許翻訳)明細書
【特許文献3】独国第60314140号(EP特許翻訳)明細書
【特許文献4】独国第60208885号(EP特許翻訳)明細書
【特許文献5】独国第69524935号(EP特許翻訳)明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】エルニ社、カタログE074482、08/06、第4版、www.erni.com
【発明の概要】
【0011】
本願発明による直角コネクタは、互い隣接して配置され、プリント回路基板の導体へのはんだ付けのために、直角コネクタの後部に提供される複数のコンタクト要素を備える。その直角コネクタの少なくとも上側に配置される上部シールドと、下側に配列される下部シールドを備えており、下部シールドが、コネクタ側の上の下部シールド要素を含み、その要素のシールド表面が、接続方向に向いており、下部シールドが、別々の、後部の下部シールド要素を更に含み、下部シールド要素が、互いに電気的に接続されていることを特徴としている。
【0012】
本願発明による直角コネクタは、高品質のシールドを達成することを可能にする。特に、均一なインダクタンス層が、コネクタ内において達成される。本願発明による直角コネクタは、特に、高周波信号を伝導するために適切なものである。例えば、デジタル信号は、高信号完全性が同時に保証される10ギガビットまでのデータレートで高品質に伝導することができる。本願発明による直角コネクタは、したがって、たとえば、バックプレーンに接続されるプリント回路基板での信号処理構成に対して、特に適切である。
【0013】
下部シールドの少なくとも2部分デザインの結果として、本願発明による直角コネクタをシールドは、特に簡単に組み立てることができる。少なくとも、後部の下部シールド要素を、少なくとも部分的に、アセンブリ間に、電気的接続をする前にコネクタ・ハウジングにおいて配置することができる。その高品質のデザインにもかかわらず、本願発明による直角コネクタは、コスト的に効率よく製造することができる。本願発明による直角コネクタは、したがって、特に、コストに敏感な連続生産に対して適切である。
【0014】
本願発明による、直角コネクタの有利な更なる開発と実施形態は、従属する請求項から得られる。
【0015】
第1の実施形態は、後部の下部シールド要素のシールド表面が、接続方向に対して垂直な向きに置かれることを提供する。この実施形態は、90度直角コネクタに対して特に適切である。
【0016】
別の実施形態は、後部の下部シールド要素のシールド表面が、少なくとも断面において、コンタクト要素に平行な向きであることを提供する。このようにして、直角コネクタの中における均一なインダクタンス・プロフィールに関する直角コネクタの高品質が、90度に等しくない角度に対してさえも達成される。
【0017】
1つの実施形態は、後部の下部シールド要素は、少なくとも、概略、コンタクト要素のはんだ付け接続まで導かれることを提供する。したがって、コンタクト要素の完全なシールドは、一方で、プリント回路基板に対する限り、達成される。他方で、プリント回路基板は、本願発明による直角コネクタを用いて上からはめ込むことができる。
【0018】
特に有利な実施形態は、下部シールド要素が、各々、下部シールド要素の電気的接続のために溶接された接続表面を有することを提供する。本願発明による、直角コネクタの特に簡単なアセンブリが、このような手段で可能である。
【0019】
1つの実施形態は、平らな接続表面としての接続表面のインプリメンテーションを提供する。コネクタ側下部シールド要素は、複数のコンタクト要素にわたる、好適にはすべてのコンタクト要素の上のリセスまたはカットアウトなしの均一な接続表面を有することが好適には提供される。この手段もまた、コンタクト要素の最も完全な可能なシールドを達成する助けとなる。
【0020】
すでに述べたように、少なくとも1つの下部シールド要素は、少なくとも部分的にコネクタ・ハウジングに配置されていることがあり得る。1つの実施形態は、後部の下部シールド要素は、少なくとも、コネクタ・ハウジングの中のコネクタ側下部シールド要素への接続の領域に、配置されることを提供する。この要素の更なる開発は、後部の下部シールド要素が、複数の別々に形成された接続表面を有し、コネクタ・ハウジングは、ガイドし、少なくとも部分的に、後部の下部シールド要素を収納するための接続表面に対応する別々のリセスを有することを提供する。
【0021】
別の実施形態は、上部シールドは、互いに電気的に接続したコネクタ側の上部シールド要素と後部の上部シールド要素を含むことを提供する。少なくとも二部構成は、シールドの単純な実現を可能にする。ここで、例えば、コネクタ側上部シールド要素は、少なくとも部分的にコネクタ・ハウジングに配置することができる。
【0022】
この実施形態の有利な更なる開発は、上部シールド要素が、上部シールド要素の電気的接続のために溶接される接続表面を有することを提供する。その結果、下部シールド要素と上部シールド要素の両方を、同じ技術で処理することができる。
【0023】
更なる実施形態は、少なくとも1つのコネクタ側シールド要素は、拡張オフセットを有し、上部コネクタ側シールド要素及び/又は下部コネクタ側シールド要素は、対応する直角コネクタの対応するシールド要素を固定するためのバネ凸縁を有することを提供する。少なくとも1つの拡張オフセットは、1つのコネクタが対応するコネクタに垂れ下がることを許容する。一方、バネ凸縁は、2つのコネクタの間の電気的コンタクトを改善し、他方で、コネクタの接続状態において、型締力を提供する。
【0024】
直角コネクタを生成するための本願発明による方法は、少なくとも下部シールド要素の溶接接続は、レーザ溶接によってなされることを提供する。レーザ溶接は、コネクタ・ハウジングの内側のかろうじてアクセス可能な場所においてさえ、下部シールド要素の間での電気接触を作る可能性を提供する。下部シールドの接続表面がコネクタ・ハウジング内部にある場合には、レーザ光線は、コネクタ・ハウジングで提供される開口部を通して接続ポイントまで導くことができる。
【0025】
本願発明による方法の1つの実施形態に従って、特に、パルス・ネオジムYAGレーザの使用が提供される。
【0026】
本願発明による、製造の方法とともに特に、提供される本願発明による直角コネクタの有利な実施形態は、レーザ溶接によって、好適にはホールとして設計される、下部の後部シールド要素及び/又は上部の後部シールド要素の少なくとも1つの接続表面において、少なくとも1つの開口部、を提供する。その開口部は、レーザ光線の正確なフォーカシングを可能にする。特に、最小の熱量による最適溶接が達成される。それによって、溶接されたシールド要素だけでなく、特に、プラスチックでできているコネクタ・ハウジングが、溶接の間保護されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願発明による、直角コネクタの他の有利な更なる開発と実施形態と方法は、以下の記載から得られる。発明の典型的な実施形態は、図面に示され、以下の記載において詳細に説明される。
【0028】
図において、
【図1】先行技術において知られた直角コネクタの断面図を示す。
【図2】本願発明による、直角コネクタの正面と上側の第1のビューを示す。
【図3】図2に示される直角コネクタの分解立体図を示す。
【図4】直角コネクタの下後部の側の第2のビューを示す。
【図5】図4に示された直角コネクタの分解立体図を示す。
【図6】直角コネクタの簡略化断面図を示す。
【図7】対応する直角コネクタの後部の上側の第1のビューを示す。
【図8】図7に示した直角コネクタの対応する分解立体図を示す。
【図9】対応する直角コネクタの後部下側の第2のビューを示す。
【図10】図9に示された、対応する直角コネクタの分解立体図を示す。
【図11】図7に示された対応する直角コネクタの簡略化断面図を示す。
【図12】接続表面の特別な構成を示す、図7に示された対応する直角コネクタのシールド要素の等角図を示す。
【図13】図12に示された接続表面の対応する構成を示す、図6に対応している直角コネクタの簡略化断面図を示す。
【図14】対応する直角コネクタと接続した状態における、直角コネクタの等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、複数の重ね合わされたコンタクト要素2が提供され、これらが、見えないプリント回路基板4の導体へのはんだ付けのために直角コネクタ1の後部の下側3に提供される、出願人が最初に特定したカタログE074482に記載された直角コネクタの断面図を示す。
【0030】
コンタクト要素2は、単純化して示されたシールド6、7によってシールドされる絶縁コネクタ・ハウジング5に収容される。このシールドは、上部シールド6と下部シールド7から成る。前面コネクタ−側領域において、リセスがシールド6、7から上側及び下側の両方とも切り出され、残りのブリッジは、対応するコネクタの信頼性の高いコンタクトとシールドのクランプを可能にするバネ凸縁8、9を形成するように外へカーブしている。下部シールド7は、図示されないプリント回路基板4の導体にはんだ付けに対して用意されているコンタクト要素2の終端部10の下側を囲み、直角コネクタ1のマウントした状態で、プリント回路基板4の下側で、全てのコンタクト領域をカバーする。
【0031】
図2は、複数の隣接して配置された見えないコンタクト要素を含む本願発明による直角コネクタ20aを示す。図示された典型的な実施形態において、コンタクト要素の2つの重ね合わされた列がさらに提供される。本願発明による、直角コネクタ20aは、図示された典型的な実施形態において、シールド表面25aと後部の上部シールド要素26aと共にコネクタ側上部シールド要素24aから成る上部シールド22aを含む。
【0032】
図示された典型的な実施形態において、上部シールド要素24a、26a間の移行は、接続方向28に相対して概略表面の中心に位置する。
【0033】
1つの典型的な実施形態によって、接続方向28において、後部の上部シールド要素26aが、直角コネクタ20aのマウントした状態でコネクタ側上部シールド要素24aに電気的接続を作る接続表面30aを別々に形成したことが提供される。選択的に、別々に形成された接続表面32aは、後部の上部シールド要素26aの接続表面30aに対応するコネクタ側上部シールド要素24aの上で提供されることもできる。
【0034】
本願発明による、直角コネクタ20aは、シールド表面37aと後部の下部シールド要素38aと共に、コネクタ側下部シールド要素36aから成る下部シールド34aをさらに含み、コネクタ側下部シールド要素36aのシールド表面37aは、少なくとも概略、接続方向28に向いている。
【0035】
図2に示された、本願発明による、直角コネクタ20aの正面と上側のビューにおいては、下部シールド34aは、輪郭を見ることができるだけである。図2に示される直角コネクタ20aの分解立体図の図示が、したがって、図3に示される。図2に示された部分に合致する図3に示されるそれらの部分は、各々、同じ参照番号で示される。この合意は、また、以下の図にもあてはまる。
【0036】
図3は、特に、コネクタ側下部シールド要素36aと後部の下部シールド要素38aを有する下部シールド34aの二部構成を図示する。
【0037】
図3は、コネクタ側下部シールド要素36aで電気的接続を作るために提供された接続表面40aを別々に形成したシールド表面39aを有する後部の下部シールド要素38aの有利な実施形態を示す。この目的のために、コネクタ側下部シールド要素36aは、少なくとも1つの対応する接続表面42aを有する。ここで、典型的な実施形態における、カットアウトまたはリセスなしで、提供され、コネクタ下部シールド要素36aの全ての後部にわたる、均一な表面を示される。1つの実施形態に従って、コネクタ側下部シールド要素36aが、また、後部の下部シールド要素38aの別々に形成された接続表面40aに対応する接続表面を別々に形成したことを提供することができる。
【0038】
図3は、見えないコンタクト要素が収納されるコネクタ・ハウジング44aの完全ビューを与える。
【0039】
下部シールド34aの二部構成は、コネクタ側下部シールド要素36aと、また、特に、少なくとも部分的にコネクタ・ハウジング44aの中に、配置される後部の下部シールド要素38aの両方を可能にする。そこでは、この2つの下部シールド要素36a、38a間の電気的接続が、コネクタ・ハウジング44aへの挿入の後にのみ作られることができるだけである。
【0040】
図4は、本願発明による、直角コネクタ20aの下で後部の側の第2のビューを示す。図4は、特に、後部の下部シールド要素38aの搭載状態において、コネクタ・ハウジング44aのリセス46aに配置される後部の下部シールド要素38aの接続表面40aのポジショニングを示す。図4に示される第2のビューは、コネクタ・ハウジング44aに収納されるコンタクト要素50aのはんだ接続48aのビューを与える。
【0041】
特に、後部の下部シールド要素38aのアセンブリを図示するために、図5は、図4に示された直角コネクタ20aの分解立体図を示す。図5は、コネクタ・ハウジング44aにおける、特に、リセス46aの配列を図示する。
【0042】
本願発明による、直角コネクタ20aは、特に、高品質のシールド22a、34aを達成することを可能にする。特に、均一なインダクタンス層が、直角コネクタ20aの中に達成される。その結果、本願発明による、直角コネクタ20aは、特に、高周波信号を伝導するために適切なものである。本願発明による、直角コネクタ20aは、デジタル信号を、高信号完全性による最高10のギガビットのデータレートの接続を介して伝導することができる信号処理装置間での接続のために特に適切である。周波数依存信号減衰は、非常に高い周波数において起こるだけである。特に、位置依存の一定の波動インピーダンスを、特に下部シールド34aの二部構成による高品質シールド22a(34a)の結果として、本願発明による、直角コネクタ20aの中に達成することができるこれにより、特に、位置依存の信号反射と、それによって引き起こされる信号偽造を最小にすることに貢献する。
【0043】
さらに、下部シールド34aの2部分デザインの結果として、下部シールド34aの簡単なアセンブリが、特に、コネクタ側下部シールド要素36a、特に、後部の下部シールド要素38aが少なくとも部分的にコネクタ・ハウジング44aの中に配置されるときに、可能である。
【0044】
図2−5の基礎を形成する有利な実施形態に従って、後部の下部シールド要素38aのシールド表面39aが、接続方向28に対して、少なくとも概略垂直に導かれることが提供される。この実施形態は、したがって、特に、90度直角コネクタ20aに対して適切である。
【0045】
別の実施形態は、後部の下部シールド要素38aのシールド表面39aが、少なくとも断面において、コンタクト要素50aに平行な向きであることを提供する。その結果、直角コネクタ20aの中における均一なインダクタンス・プロフィールに関する直角コネクタ20aの高品質が、90度に等しくない角度が提供されるとして、90度に等しくない角度に対してさえも達成される。
【0046】
示された発明による直角コネクタ20aの典型的な実施形態において、後部の下部シールド要素38aは、少なくとも概略コンタクト要素50aのはんだ接続48aまで導かれることが仮定される。その結果、コンタクト要素50aの完全なシールドは、詳細に示されないが、プリント回路基板まで達成される。さらに、この実施形態の結果として、本願発明による、直角コネクタ20aを有するプリント回路基板は、上からはめ込むことができる。
【0047】
きわめて特に有利な実施形態は、後部の下部シールド要素38aの接続表面40aまたはコネクタ側下部シールド要素36aの接続表面42aが、シールド要素36a、38aの電気的接続を作るために溶接されることを提供する。
【0048】
そのような溶接された接続は、有利に、上部シールド22aが、マルチ・パートであるように構成されるとして、上部シールド要素24a、26aを溶接するために提供することができる。この場合、溶接された接続は、後部の上部シールド要素26aの選択的に提供された接続表面30aとコネクタ側上部シールド要素24aの対応する接続表面32aの間に作られる。
【0049】
本願発明による直角コネクタ20aを生成するための本願発明による方法は、下部シールド要素36a、38aと選択的に、上部シールド要素24a、26aとの、レーザ溶接による、溶接された接続を作るために提供される。アセンブリの間に、下部シールド要素36a、38aが、電気的接続を作るために、コネクタ・ハウジング44aにすでに位置する場合には、特に、レーザ溶接は、溶接された接続を作ることを可能にする。
【0050】
この場合、溶接はコネクタ・ハウジング44aでリセス46aを通して実行することができる。
【0051】
コネクタ側下部シールド要素36aの接続表面42aの上側への接続方向28において、直角コネクタ20aの前側から見える接続がある場合には、シールド要素36a(下部シールド34aの38a)の溶接は、直角コネクタ20aの前側から、接点チャンバを通して作ることができる。特に、ネオジムYAGレーザが、溶接を生成するために提供される。そのようなレーザは、良いエネルギー計量性(meterability)があるという長所がある。フェムト秒の範囲に広けることができるパルス持続時間によるパルス操作は、特に有利である。このレーザは、また、シールド要素24a、26a、36a、38aの表面処理のために適切である。
【0052】
本願発明による、直角コネクタ20aを通して図6に示される簡略化断面図は、特に、下部シールド34aの2つのシールド要素36a、38aのポジショニングを図示する。
【0053】
後部の下部シールド要素38aの少なくとも1つの接続表面40aは、コネクタ側下部シールド要素36aの対応する接続表面42aに接している。2つの接続表面40a、42aは、お互いに対応してカーブすることができる。図示された典型的な実施形態において、平らな表面が仮定される。接続表面40a、42aの特定の構成は、図6に簡略フォームで示されるコンタクト要素50aからの規定の距離に応じて特定することができる。本願発明による、直角コネクタ20aの中において、均一な位置依存のインダクション・プロフィールを達成するために、下部シールド要素36a、38aは、少なくとも断面において、少なくとも1つのコンタクト要素50aと平行して、好適には導かれる。
【0054】
図6は、さらに、上部シールド22aがマルチ・パートであるように構成される場合には、上部シールド要素24a、26aの間の電気的接続を図示する。後部の上部シールド要素26aの接続表面30aは、コネクタ側上部シールド要素24aの少なくとも1つのシールド表面25aと、好適には溶接される。当然に、レーザ溶接のための本願発明による方法は、この位置においても使用することができる。
【0055】
図6によって示される典型的な実施形態において、コンタクト要素50aは、コネクタ側フロントエンド上で接点バネ52を有する。
【0056】
図7−11は、まず、最初に、参照番号において「a」インデックスではなくインデックス「b」を備えている対応するコンポーネントが示され、本願発明による、直角コネクタ20aと同じコンポーネントを有する本願発明による、対応する直角コネクタ20bを示す。
【0057】
図7に従う本願発明による、直角コネクタ20bは、また、上部シールド22bによって、そして、下部シールド34bによって囲まれるコネクタ・ハウジング44bを有する。上部シールド22bは、コネクタ側正面シールド要素24bと後部の上部シールド要素26bを含む。そこに、後部の上部シールド要素26bが、コネクタ側上部シールド要素24bへの電気接触のための接続表面30bを別々に形成しなければならなかった。
【0058】
本願発明による、直角コネクタ20bの個々のコンポーネントを図示するために、図8は、図7の中で再現される直角コネクタ20bの分解立体図を示す。その構成とは対照的に、本願発明による第1の直角コネクタ20aにおいて、対応する直角コネクタ20bにおいて、均一な接続表面42aの代わりに、別々に形成された接続表面42bが、後部の下部シールド要素38bの別々に形成された接続表面40bに対応するコネクタ側正面シールド要素36b上で提供される。さらに、バネ凸縁60が外へ曲げられるリセスが、コネクタ側上部シールド要素24bのコネクタ側終端に提供される。
【0059】
図9は、搭載状態において、対応する直角コネクタ20bの後部と下側のビューを示す。対応する直角コネクタ20bにおいて、後部の下部シールド要素38bの接続表面40bは、また、コネクタ・ハウジング44bのリセス46bにも配置される。
【0060】
個々のコンポーネントを図示するために、図10は、図9の中で再生される再び対応する直角コネクタ20bの分解立体図を示す。
【0061】
本願発明による、対応する直角コネクタ20bを通して図11に示される簡略化断面図は、また、特に、下部シールド34bの2つのシールド要素36b、38bのポジショニングを図示する。
【0062】
接点バネ52の代わりに、対応するプラグ・コネクタ20bは、接点ブレード54を有する。
【0063】
下部シールド34bの接続表面40b、42bの電気的接続は、選択的に接続表面30b(上部シールド22bの32b)が、本願発明による、レーザ溶接方法を使用することにより、また、有利に作られる。
【0064】
図11の基礎を形成する交差の平面は、コネクタ側下部シールド要素36bのバネ凸縁60の1つが見られることができるような方法で選択される。さらに、図11は、少なくとも1つの下部シールド要素24bが、本願発明による、初めに記述された直角コネクタ20aを収納することを可能にするオフセット62、64を有するかに従って、コネクタ側上部シールド要素24bおよび/または、コネクタ側下部シールド要素36a、36bの実施形態を示す。
【0065】
図12は、例として、図7−11に示された対応する直角コネクタ20bの上部シールド22bが記述された図12に示される、典型的な実施形態において、後部シールド要素26a、26b、38a、38bの、有利な実施形態の等角図を示す。その実施形態は、後部の上部シールド要素26bの接続表面30bで提供されるリセス61bに関するものである。図示された典型的な実施形態において、2つのリセス61bは、各々の接続表面30bで例として提供される。リセス61bは、単純で安価なインプリメンテーションが可能であるように好適には、ホールとして設計される。
【0066】
レーザ溶接の際に、リセス61bは正確に焦点に集まることを許容する。その結果、正面の上部シールド要素24bで後部の上部シールド要素26aの最適溶接が、達成される。ここで、最小の熱量だけが供給される必要がある。その結果、溶接されるシールド要素26b、24bだけでなく、特に図12に示されるコネクタ・ハウジング44bも、ごくわずかな熱の負荷しか受けない。
【0067】
有利なことに、そのようなリセス61bは、また、図8に示される後部の下部シールド要素38bの接続表面40bで提供される。
【0068】
後部の下部シールド要素38a,38bの対応する開口部が、例えば、直角コネクタ20aに対して、図13に例として示される。ここで、図13は、少なくとも部分的に、図6に示される断面図に対応する。図13は、直角コネクタ20aの上部シールド22aの後部の上部シールド要素26aに切られる開口部61aを示す。図6は、さらに、後部の下部シールド要素38aの接続表面40aで提供されるカットした開口部62aを示す。
【0069】
詳細には示されない対応する開口部62bは、有利なことに、対応する直角コネクタ20bの後部の下部シールド要素28bの接続表面40bにおいて提供することもできる。
【0070】
図13は、レーザ溶接の間、生成されるレーザ光線が、開口部61a、61b、62a、62bを通り、接続表面32a、32b、42a、42bの正面のシールド要素24a、24b、36a、36bに影響を与え、溶接を実行することができることを図示する。
【0071】
図14は、本願発明による対応する直角コネクタ20bとの接続状態で、本願発明による、直角コネクタ20aの等角図を示す。図示された典型的な実施形態において、開口部61aは、直角コネクタ20aの後部の上部シールド要素26aの接続表面30aで提供され、開口部61bは、対応する直角コネクタ20bの後部の上部シールド要素26bの接続表面30bの各々で提供される。好適には、記述された開口部62a、62bは、図14の中では見えない後部の下部シールド要素38a、38bの接続表面40a、40bの各々でも提供される。
【0072】
図12に例として示される後部の上部シールド要素26bの接続表面30bの開口部61bだけでなく、後部の上部シールド要素、後部の下部シールド要素26a、26b、38a、38bのすべての開口部61a、61b、62a、62bが、特に単純で、したがって費用効果がよいインプリメンテーションを目的としてホールとして便宜上設計される。そのホールの直径は、たとえば、0.2mmであり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接して配置され、プリント回路基板(5)の導体へのはんだ付けのために、直角コネクタ(20a、20b)の後ろに提供される複数のコンタクト要素(50a、50b)を備える直角コネクタであって、
前記直角コネクタ(20a、20b)の少なくとも上側に配置される上部シールド(22a、22b)と、
下側に配置される下部シールド(34a、34b)と、
を備える直角コネクタであり、
下部シールド(34a、34b)は、コネクタ側において下部シールド要素(36a、36b)を含み、前記要素のシールド表面(37a、37b)が、接続方向(28)に向いており、
前記下部シールド(34a、34b)は、別々の、後部の下部シールド要素(38a、38b)を更に含み、
該下部シールド要素(36a、36b、38a、38b)が互いに電気的に接続されている、ことを特徴とする、直角コネクタ。
【請求項2】
前記後部の下部シールド要素(38a)の前記シールド表面(39a)が、前記接続方向(28)に対して垂直であることを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項3】
前記後部の下部シールド要素(38a)の前記シールド表面(39a)が、少なくとも切片において、前記コンタクト要素(50a、50b)に対して平行な向きであることを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項4】
前記後部の下部シールド要素(38a)は、少なくとも概略前記コンタクト要素(50a、50b)のはんだ付け接続(48a、48b)までガイドされることを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項5】
前記下部シールド要素(36a、38a、36b、38b)は、前記下部シールド要素(36a、36b、38a、38b)の電気的接続のために溶接される接続表面(40a、42a、40b、42b)を有することを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項6】
前記接続表面(40a、42a、40b、42b)は、平らな接続表面(40a、42a、40b、42b)であることを特徴とする請求項5に記載の直角コネクタ。
【請求項7】
少なくとも1つの開口部(62a、62b)が、前記後部の下部シールド要素(38a、38b)の少なくとも1つの接続表面(40a、40b)において提供されることを特徴とする請求項5に記載の直角コネクタ。
【請求項8】
前記コネクタ側の上の前記下部シールド要素(36a、36b)が、複数のコンタクト要素(50a、50b)にわたるリセスなしで均一な接続表面(42a、42b)を有することを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項9】
前記後部の下部シールド要素(38a、38b)は、少なくとも部分的に、前記直角コネクタ(20a、20b)の前記コンタクト要素(50a、50b)を収納するコネクタ・ハウジング(44a、44b)の内部の少なくとも前記コネクタ側下部シールド要素(36a、36b)への前記接続の領域において配置されることを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項10】
後部の下部シールド要素(38a、38b)が複数の別々に形成された接続表面(40a、40b)を有し、ガイドのための前記接続表面(40a、40b)に対応し、少なくとも部分的に、後部の下部シールド要素(38a、38b)を収納する前記コネクタ・ハウジング(44a、44b)は、別々のリセス(46a、46b)を有することを特徴とする請求項9に記載の直角コネクタ。
【請求項11】
上部シールド(22a、22b)が互いに電気的に接続したコネクタ側上部及び後部の上部シールド要素(24a、26a、24b、26b)を含むことを特徴とする請求項1に記載の直角コネクタ。
【請求項12】
上部シールド要素(24a、26a、24b、26b)が、前記上部シールド要素(24a、26a、24b、26b)の電気的接続のために溶接された接続表面(30a、32a、30b、32b)を有することを特徴とする請求項10に記載の直角コネクタ。
【請求項13】
後部の上部シールド要素(26a、26b)の少なくとも1つの接続表面(30a、30b)に、開口部(61a、61b)が提供されることを特徴とする請求項12に記載の直角コネクタ。
【請求項14】
前記開口部(61a、61b、62a、62b)は、ホールとして設計されることを特徴とする請求項7及び請求項13に記載の直角コネクタ。
【請求項15】
少なくとも1つのコネクタ側シールド要素(24a、36a、24b、36b)が、拡張オフセットを有し、前記上部及び/又は下部コネクタ側シールド要素(24a、36a、24b、36b)は、対応する直角コネクタ(20a、20b)の対応するシールド要素(24a、36a、24b、36b)を固定するためのバネ凸縁(60)を有することを特徴とする請求項1又は請求項10に記載の直角コネクタ。
【請求項16】
少なくとも下部シールド要素(26a、36a、26b、36b)の溶接接続が、レーザ溶接によってなされることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の直角コネクタを生成する方法。
【請求項17】
ネオジムYAGレーザがレーザ溶接のために使用されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ネオジムYAGレーザは、パルス・モードで動作することを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−508435(P2012−508435A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535004(P2011−535004)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001483
【国際公開番号】WO2010/051791
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(505404172)エルニ エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】ERNI Electronics GmbH
【住所又は居所原語表記】Seestrasse 9, D−73099 Adelberg, Germany
【Fターム(参考)】