説明

シール付き化粧品用ワイパー

【課題】 ワイパーを使用するマスカラボトルあるいはその他の容器のためのシール付きワイパーを提供する。
【解決手段】 このシール付きワイパーはその外面に新規なベント構造を有し、容器から置換された空気が外側に飛散できるようになっている。このようにして、容器内部に圧力を蓄積させることなく、シール付きワイパーを容器上に着座させることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスカラ容器又は他の包装体のためのワイパーに係り、特に、このマスカラ容器への充填に間において、空気がワイパーの内部からではなく、マスカラ容器から排出させるように封止されたワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラ包装体は一般に、ネジ付き首部を備えた円筒状ボトルの形態をした容器からなっている。この首部は孔口(オリフィス)を有し、これを介してボトルが充填され、かつ、ブラシ・ロッドアッセンブリーが挿入されるようになっている。このブラシ・ロッドアッセンブリーは、ネジ付き首部に嵌合するネジ付きクロージャーから垂れ下がるようにして設けられている。更に、典型的なマスカラ包装体は首部の孔口に配設したワイパーを備えている。このワイパーの目的は、当業者に周知のように、ブラシ・ロッドを、内容物を充填したボトルから引き出したとき、ロッドを清浄すると共に、ブラシから余分なマスカラを除去し、ブラシ上のマスカラを平滑にしてから、ブラシをまつ毛に適用させるようにすることである。
【0003】
典型的な従来のワイパーを図1および図2に示す。概略的に、ワイパー(100)は中空円筒状のものである。特に、典型的なワイパーには、1つの保持ビード(101)が設けられている。ワイパーをマスカラボトル内に完全に装着させたとき、この保持ビードはボトル首部の内側壁面に設けられた相補的保持溝に嵌合するようになっている。これら保持ビードおよび溝は、例えば、ブラシをワイパーに通過させたときなど、ワイパーの如何なる動きにも対抗してボトル首部内でのワイパーを安定化させるものとなる。ワイパーの下方部(102)はテーパー状となっていて、その径はワイパーの上方部(103)の径よりも小さくなっている。上方部は上方オリフィス(104)で終わっており、この下方部は下方オリフィス(105)で終わっている。一般に使用されているように、下方オリフィスの径は一般に0.139〜0.163インチの範囲内となっているが、その他のサイズのものも使用されることがある。このオリフィスの径の範囲は現在使用されている殆んどのブラシ・ロッドアッセンブリーを収容させるものとなる。
【0004】
包装体供給者は充填者に対しマスカラボトルを、ワイパーが首部に既に完全に装着され、保持ビードを首部溝に嵌合させた状態で提供するであろう。これは、充填者に対し、充填の前に、これら部材を組立てるためのコストと労力を節減させるものとなる。殆んどの充填者は、包装体供給者がこのようにワイパーを首部に挿入させることを欲するであろう。なぜならば、何千ものワイパーを挿入させることは、費用のかかるワイパー挿入装置が必要となり、その装置のメンテナンスも必要であり、更に、機械又はオペレータの不具合から生じる損傷部材の費用も充填者が負担しなければならないからである。その他、ワイパーと、ボトルとを充填の現場で組立ててもよい。これは充填者にとって、包装体供給者がこのサービスについて請求するであろうコストを節減させるものとなるが、このことは通常、なされていない。
【0005】
各ボトルは、充填チューブをワイパー中にその下方オリフィスの高さまで挿入することにより充填される。ワイパーの下方オリフィスと充填チューブとの間には多少のクリアランス、例えば0.005インチのクリアランスが維持される。ワイパーを具備したボトルの充填が終わると、クロージャー(蓋体)をワイパー上に載置し、通常、ねじ係合部を介してボトルに取着される。このクロージャーは容器内の製品を汚染、劣化から保護するため、充填後直ちにボトル上に載置される。この構成において、ワイパーは隠れていて、カスタマー又は消費者は、製品を購入するまでは見ることができない。ワイパーは購入前では隠れているから、ワイパーを視覚的に興味深いものとしたり、あるいはワイパーにカスタマーに対する情報を持たせることの動機付けは殆んど、又は全く生じないと言える。典型的なワイパーは、その主たる機能以外は、視覚的に面白味のないものであり、通常、単色(すなわち、白、グレー、ブラック)であって、マーク又は付属品を全く伴わないものである。
【0006】
化粧品マーケットおよび消費財マーケットは一般に競争が激しい。市場で成功するか又は敗北するかは、包装体の機能が視覚的刺激を介してカスタマーの興味を引くようになっているか、並びにカスタマーに対し関連情報を伝達するようになっているかにしばしば依存する。しかし、どのような広告又はマーケティングアプローチを使用するかについての決定は、そのアプローチを履行するコストに依存する。従って、マーケティングおよび広告産業は常時、カスタマーを彼らの製品におびき寄せ、競争相手の製品から遠ざけるための新たな方法を探り続けており、しかも、それを可及的に小さいコストで行うことを目指している。販売された個々のユニットに対する装飾、広告および情報伝達に関連するコストは変動的なものである。つまり、装飾および広告の合計コストは、製造された各品目について増大するものである。従って、変動コストの合計を減少させ、しかも市場で競争力のある包装体を製造することは経費に対し非常に積極的なインパクトを与え、常に利益となる。製品を消費者の前にどのように置き、消費者の興味を引くかについて定義し直した完全に新規な方法で製品が提供されるとき、更なる利益が得られる。
【0007】
変動コストの1つのタイプは、単一の製品が多くの選択性を以って消費者に入手可能としたときに生じる。例えば同じマスカラ製品を8つの異なる色又は色相で入手可能とすることができる。一般的に、これら8つの異なるS.K.Us(在庫ユニット)は同一の包装(すなわち、容器、クロージャーおよびブラシ)で販売されるが、包装は各色相について異なってラベルされ、又は装飾される。このようにして、色相情報をカスタマーに伝達する必要性は、或る種の関連するコストを伴うが、これは直ちに明らかなものとは言えないものである。例えば、マスカラの場合、色相情報は容器又はクロージャー上に配置させなければならない。従って、マスカラ製造者は、色相毎に1つのラベルを用意するため、8つの異なる包装部品のストックを維持しなければならない。しかし、任意の時点において、製造者がどのくらい多くの各包装部品が必要となるかを正確に知ることは不可能である。ストックの欠乏に曝されるのを望まないため、製造者は常に、要求を満足させるために必要な数を予測しながら、この部品の過剰供給を維持することになる。この数は幾つかの因子に依存するものであり、最も顕著には、市場は各特定の色相について要求するものとなる。しかし、そのことは、製品を特定の色相に作るのに必要とする原材料の入手可能性にも依存することになり、あるいは、そのことは、原材料成分に関する変化する規制要求あるいは多分、他の因子にも依存することになる。この種の製造操作の全てにおいて、未使用の部品のため、材料の浪費および投資の損失の問題が生じる。この材料の浪費および投資の損失は、より高価な部品が使われなくなった場合には、明らかに大きなものとなる。従って、ほぼ同様の包装部品が同一製品の市場用バリエーションに使用される予定である限りにおいて、異なる色相又はバリエーションで区別される部品が最も安価な部品であるならば、投資の損失を少なくすることができ、合計変動コストを節減することができて、それは経済的に好ましいことである。同時に最も高価な部品には総称的情報のみを含ませ、従って任意の色相のユニットの製造に使用可能とすることができる。市場が要求する色相がどのように変化しても、製造者は8つの異なるストックからではなく、単一のストックから最も高価な部品を取り出すことができる。より安価な部品は収益を発生させないで倉庫に未使用のままで放置させることが出来、最終的に廃棄され、投資の損失をもたらすものとなる。更に、8つの異なるストックを倉庫に保持させる必要性は、厳密には変動型コストではないが、それ自体、製造コストの増大につながる。
【0008】
他の変動コスト、すなわち、販売しない或るストックによる投資の損失は、ビジネスを行う際の事実となっている。マスカラを例にとると、製品のユニットが全て販売されない場合、販売可能なユニットが破壊され、そのユニットに対する投資がトータル的に損失することになる。これには、製品、容器および製品と接触したクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーが含まれる。従って、クロージャー・アプリケータ・アッセンブリー(最も高価な部品)は販売前に容器に固着させない形態でマスカラを販売する方法により、更なる利益が得られる。このように、製品を販売しない場合は、クロージャー・アプリケータ・アッセンブリーを破壊する必要はなくなる。
【0009】
更なる変動コストは、部品を組立てて製品を仕上げることに関連する。例えば、上述のように、典型的なマスカラ充填操作には、クロージャー又はキャップ(ブラシ・アプリケータを伴う)をボトル上に載置し、ボトル上でクロージャーをねじ込み気密封止を形成することが含まれる。この操作部分は、高価で、複雑な装置を必要とし、キャップの誤供給などの装置誤動作による投資の損失が日常的に生じる。もし、前記操作でのこの工程を除き、より単純で、コストの安い他の方法で置換することができれば、明らかに有利となる。
【0010】
マスカラおよび他の化粧品を消費者に市販する方法には他にも欠点がある。一般に、アプリケータを伴って販売される全ての製品(例えば、マスカラ)は例えばブラシなどの予め選択されたアプリケータを備えている。カスタマーは、このことについて選択の余地がない。カスタマーが特定のマスカラ製品を欲したとき、カスタマーは、それと共に包装されたブラシを受け入れるしかない。事実、このブラシは容器内にて常に視界から隠れているため、カスタマーは通常、どのようなブラシを購入しようとしているかを知ることさえ出来ない。このことはカスタマーにとって非常に不利である。なぜならば、異なるタイプのまつ毛又は異なる個人的好み(例えば、ブラシの触感)により、異なるタイプのブラシが要望されるからである。マスカラブラシの業界の当業者にとって公知のように、化粧品会社により多大の研究および開発がマスカラブラシの設計についてなされている。それにも拘わらず、販売の際には、カスタマーは、その開発されてきた様々な種類のブラシから選択する利益を与えられていない。この非常に激しい競争環境においてでも、市場は依然として、“1サイズ・全適合”のアプローチを強要している。なぜならば、カスタマーに対しブラシの選択を与える全ての努力は費用効果が悪く、その取引を完成させるのに販売員の援助が必要となるからである。販売員の援助なしに、マスカラを購入するカスタマーが自分自身のブラシの選択を可能にする費用効果のよい方法があるとすれば、それはカスタマーにとって大きな利益になると同時に、製造者にとっても膨大な販売上の利益にもなる。
【0011】
マスカラ製造に関連する他の単位当り費用は、各ボトルに対する充填コストである。このコストはボトルが充填される速度に依存する。このボトルが充填される速度は、その一部として、ワイパーの下方オリフィスのサイズにより制限を受ける。前述のように、充填チューブは従来、この下方オリフィスよりも多少小さくなっている。もし、この制約が解消され、より大きい充填チューブを使用することができれば、この充填速度を上げることができる。更に、充填操作全体が、より費用効果のよいものとなるであろう。
【0012】
従来のマスカラ包装は、包装用部品の全て(容器、ワイパーおよびクロージャー・アプリケータ・アッセンブリー)が、マスカラを容器に充填する際に、プラント内に存在している必要があった。実際のプラニングの観点から、これは充填前のリードタイムが最も長いリード部品に依存することを意味する。従来のマスカラ包装において、最も長いリード部品はクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーである。容器およびワイパーは、より容易、かつ、より速く製造することができるから、これらは一般にクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーよりも十分前(しばしば、数週間前)に入手可能である。従って、もし、クロージャー・アプリケータ・アッセンブリーを受入れるためのリードタイムを充填スケジュールから除くことができれば、充填操作において時間およびコストの節減が可能になる。
【0013】
シール付きワイパー(sealed wiper)を備えた単純で、費用効果の良好な包装体を提供することにより、上述の欠点の全てを克服することができ、上述の利益の全てを実現することができる。本出願人の知る限り、ワイパーを消費者への情報提供手段として開発されたことはなく、あるいは広告又は他の販売上の利益のために開発されたことはない。更に、製造、マーケッティング、販売および投資損失に関連するコスト節減を図るためにワイパーが開発されたことはない。更に、本出願人の知る限り、本発明のシール付きワイパーがかつて、開示されたこともない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主な目的は、ワイパーを含む化粧品包装体を製造することに関連する変動コストの低減を図ることである。
本発明の他の目的は、ワイパーを含む化粧品包装体を製造することに関連する投資の損失を軽減することである。
本発明の他の目的は、ワイパーを含む化粧品包装体を製造することに関連する未実現収入を減少させることである。
本発明の他の目的は、ワイパーを含む仕上がり商品包装体を破壊することに関連する投資の損失を軽減することである。
本発明の他の目的は、ワイパーを含む化粧品包装体の組立ての変動コストを節減することである。
【0015】
本発明の他の目的は、消費者がアプリケータを見ることができるような良好な費用効果を以って市販することのできる化粧品包装体を提供することである。
本発明の他の目的は、消費者がアプリケータの選択ができるような良好な費用効果を以って市販することのできる化粧品包装体を提供することである。
本発明の他の目的は、マスカラボトルの充填速度を増大させることである。
本発明の他の目的は、容器充填操作においてリードタイムを減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明はワイパーを使用するマスカラボトル又は他の容器のためのシール付きワイパーを提供するものである。このシール付きワイパーはその外部に新規な排気手段を有し、容器から置換された空気が外部に逃げることができるようにしている。このようにして、シール付きワイパーを、容器内部の圧力を強めることなく容器上に着座させることができる。同時に、この封止構造を有する新規なワイパーは、多くの市販上の利益および製造効率向上に適したものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書全体を通して、「含む」、「有する」、「具備する」の用語は、具体的に記述した目的物以外のものをも包含し得ることを意味するものである。
【0018】
説明の便宜上、以下の説明では、本発明の種々の形態を記述するものとして、マスカラ包装体を例示している。しかし、ここに記載したものは全て、本発明をマスカラ包装体に限定することを意図したものではない。図3−5を参照すると、本発明の新規なワイパー(1)は中空円筒体をなしている。
【0019】
この円筒体は、少なくとも2つの部を有する、すなわち、上方部(2)と、この上方部に下に位置するテーパー部(3)とである。この上方部は上方オリフィス(4)で終わっており、下方部は下方オリフィス(5)で終わっている。この上方部は保持ビード(6)を有する。ワイパーをマスカラボトル上に完全に着座させたとき、この保持ビードがボトル首部の内側壁面(30)に設けられた相補的保持溝(7)と嵌合するようになっている。このビードおよび首部溝は、例えば、ブラシをワイパー内を通過させたときに、ワイパーの動きを抑制し、ボトル首部内でのワイパーを安定化させるものである。一般に行われているように、下方オリフィスは通常、径が0.139〜0.163インチの範囲のものであるが、その他のサイズが用いられることもある。本発明は下方オリフィスのサイズが特定の範囲のものに限定されるものでなく、そのサイズはブラシ・ロッド・アプリケータ・アッセンブリーの要求される変化に適応するよう調整させることができる。上方部(2)の頂部の全体又は殆んどを囲むようにしてフランジ(8)が設けられている。
【0020】
従来のワイパーがマスカラボトル内に挿入されたとき、但し、ワイパーが完全に着座する前に、気密封止が上方部の外側壁面の或る部分と、前記首部の内側壁面(30)との間の接触により形成される。図9において、“A”はワイパーの外側壁面と前記首部の内側壁面との間に形成されるこのような気密封止の全てを個々に、又は集合的に表している。更に、“気密封止”とは、充填の間において、空気が気密封止部分を通過して、製品により置換される空気の速度によって容器の外へ出ることが出来ないことを意味する。従来のワイパーでは、ワイパーが完全に着座される前に1又はそれ以上の気密封止が形成され、従って、ワイパーを更にボトル内に挿入すると、置換された空気は通常、ワイパーの内部を介して流れ、上方オリフィスから流出することになる。しかし、本発明のワイパーにおいては、上方オリフィスは、該上方オリフィスを横切って延びたバリア又はシール(S)の存在により塞がれている(図6および図9参照)。従って、気密封止がワイパーの外側周囲に形成し始められたとき、ボトル内へのワイパーの更なる挿入はボトル内部の圧力の蓄積を生じさせる。ボトル内の蓄積された圧力は製品又は包装体を不安定化したり、ワイパーが完全に着座されるのを防止することになる。この圧力の蓄積を避けるため、本発明によるワイパーでは排気手段が用いられ、置換された空気がワイパーの内部を介して流れることなく、容器から排気されるようになっている。本発明のワイパーには気密封止(A)を中断させる或る種の手段が備えられている。このような手段が設けられている場合、ボトル内部の空気は上方オリフィスを通過することなく逃げることになる。
【0021】
この気密封止を遮るための1つの手段は、ワイパーの外側壁面に没設された1又はそれ以上の溝(10)を有する新規なワイパーである。1実施例として、1又はそれ以上の溝の夫々の一部は、ワイパーを前記首部に挿入したとき生じる気密封止(A)の高さより下のテーパー部(3)の外側壁面に位置するようになっている。他方、1又はそれ以上の溝の夫々の第2の部分は、上方部(2)の外側壁面に位置するようになっている。ワイパーが前記首部内に挿入されているときの少なくとも或る時点において、この第2の部分は気密封止の高さよりも上になければならない。この間において、ボトルの内側から外側への空気通路が存在することになる。
【0022】
例えば、溝の第1の部分は前記溝の下端であってもよい。この下端は前記テーパー部の底部と一致させても、あるいは前記テーパー部の底部より上方に位置させてもよい。いずれの場合も、ワイパーのボトル首部への組立ての間において、この溝の下端は常に気密封止が形成される高さより下に位置することになる。従って、この溝の下端は、ボトル内の圧力の実質的な蓄積が生じる前に置換された空気と連通することになる。
【0023】
溝の第2の部分は前記溝の上端であってもよい。ワイパーのボトル首部への挿入の間において、この溝の上端は前記気密封止の高さまでますます近づくよう移動する。最終的に、この溝の上端が前記首部内部に完全に存在することになり、気密封止(A)により周囲雰囲気から封鎖されることになる。この封鎖前に、この溝の上方部は気密封止の高さより上にあり、この間において、ボトルの内側から外側への空気通路が存在することになる。この空気通路が存在する間において、ワイパーの前進により置換された空気はこの空気通路を通ってボトルから逃げて、ワイパーの上方オリフィスを通って通過する必要はなくなる。この置換された空気の殆んどは、このようにして排気される。しかし、ワイパーが一旦、前記首部内に更に挿入されると、気密封止によりこの溝の上端が封鎖されることになる。その後は、空気はボトルから逃げることができず、或る程度の圧力上昇が生じることになる。しかし、この溝の上端に最適に配置された場合、圧力上昇は十分に小さく、製品、包装体又はその製造に対し悪影響を回避するものとなる。例えば、この溝の上端を保持ビードの直ぐ下に配置することができる。この場合、この保持ビードは通常、フランジ(8)又はワイパーの上端近傍に配置される。別の態様としては、この溝の上端を前記保持ビードと前記フランジとの間に配置するようにしてもよい。この場合、この保持ビードは遮られるが、この保持ビードがその保持機能を依然として果たすことができる限り、これは問題を生じさせない。その他、この溝の上端を前記フランジに当接させたり、更にはフランジ内に一部貫通させたりすることもできる。このようにして、置換された空気のほぼ全てをボトルから逃がすことができる。
【0024】
1実施例が図5および9に示されている。この場合、溝(10)はその下端(11)がテーパー部の外側壁面に位置し、その上端(12)が保持ビード(6)の直ぐ下の上方部の外側壁面に位置している。これらの全ての変形例において、ボトル内の空気は、ワイパーの上方オリフィスを通過することなく、ボトルの外側に流出することができる。
【0025】
上述のこと以外、1又はそれ以上の溝の上端および下端の正確な位置は、コストおよび製造容易性などを考慮して決定することができる。これら溝の上端および下端が上述の規定通りである限り、この溝の全体的形状については実施的に制限はない。最も単純な溝は直線的で、ワイパーの長手方向軸とほぼ平行なものである。その他、直線的溝はワイパーの長手方向軸に対し或る角度で傾斜させてもよい。例えば、螺旋状溝であってもよい(図7A、図7B参照)。更に、この溝は平坦又は湾曲した底面を有するもの、又は図8に示すように溝は角度を持たせたノッチであってもよい。
【0026】
その他の実施例として、溝の下端以外の或る部分を気密封止(A)の下のテーパー部(3)の外側壁面に位置させ、上端以外の或る部分を気密封止よりも上の上方部(2)の外側壁面に位置させてもよい。例えば、この溝はU字形であり、このU字形の第1の端部および第2の端部が気密封止の高さより上又は下にあるようにし、U字形の湾曲部がそれぞれ気密封止の高さより下又は上にあるようにしてもよい。その他、溝は明確に規定された端部を全く有しないものとしてもよい。例えば、溝がワイパーの周面に沿って閉じられた幾何学的形状(例えば、のこ歯形状又は正弦波パターンで両端が繋がったもの)で延出するものであってもよい。各溝の或る部分が、2つの重要な領域内(すなわち、気密封止の上および下)に位置している限り、溝の全体的形状については重要ではない。なぜならば、空気はボトルが充填されている間において逃げることができ、空気はワイパーの上方オリフィスを通過する必要がないからである。
【0027】
上述したような溝を、1つのワイパーに対し適当数設けることができる。1つの重要な因子は、ワイパー上での全ての溝の合計容積である。この合計容積は充填の間にボトルから空気を、製品により置換される空気の置換速度と少なくとも同じ速度で、逃がすのに十分なものでなければならない。溝の寸法によっては、1以上の溝を必要とする、又は必要としない場合もある。実際問題として、1つの適当な寸法の溝を任意の公知の化粧瓶ワイパーに配置することができないという理由はない。多くの場合、当業者は通常の実験により溝の必要数を決定することができよう。
【0028】
溝の容積は、その線寸法により決定される。もし、溝が幾何学的に単純であれば、各溝の長さ、幅および深さ、あるいは適当な場合は、長さおよび半径を参照して決定される。指標として、各溝の深さ又は半径をワイパーの肉厚の25%〜75%に制限することが望ましいかも知れない。しかし、ワイパーの一体性が実質的に損なわれない限り、この範囲外にすることもできる。これに関連する寸法については、ワイパーの設計者並びにメーカーなどの当業者により容易に決定することができよう。
【0029】
本発明によるワイパーは従来の材料、例えば、天然又は合成ゴム、シリコーンエラストマー、非シリコーンエラストマー、プラスチックから作ることができる。好ましい材料の例は、高ないし低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンである。本発明によるワイパーは従来の成形法で作ることができ、本発明は如何なる特定の製造方法に限定されるものではない。
【0030】
本発明のワイパーにおいて、上方オリフィスはそれを横切って延びたバリア又はシール(S)の存在により塞がれている(図6、図9および図10参照)。このシールは様々な形状を採り得るものであり、唯一の重要な要件はシールが効果的なバリアとして機能することである。ここで、“効果的なバリア”とは、周囲の影響がそのシールのいずれの方向においても許容レベルを超えて浸透しないことを意味する。本発明のシール付きワイパーをボトル上に着座させたときには、ボトルの内部はこの効果的なバリアにより外部雰囲気影響から保護され、更に、この効果的なバリアはボトルの内容物が漏れるのを防止するものである。この後者の例としては、化粧品が揮散し易く製品を損なう1又はそれ以上の揮発性成分を含む場合である。
【0031】
このシールは、上方ワイパーオリフィスを跨りオリフィスを完全に覆う膜からなるものでもよい。このシールは上方オリフィスの周縁及び/又はフランジに貼着することができる。その他、このシールはフランジの頂部を超えて延出し、フランジの側壁の周りを包みこむものでもよい。好ましくは、このシールは可撓性のものとする。例えば、このシールはプラスチック、ゴム、金属箔又はこれらの組み合わせからなる膜であってもよい。周囲環境に対するバリアを形成するため、又は揮発性成分の移行を抑制するためのこのような材料の使用については、包装業界で周知であり、当業者であれば、特定の状況に応じて適当な材料を容易に選択し得るであろう。
【0032】
シールをワイパー上に固定する手段としては、公知の手段、例えば、接着剤、ヒートシール、溶接、一体成形、収縮包装、その他、目的に応じて適当な手段が含まれる。好ましくは、貼着したシールがワイパーから容易に剥離できるものとし、消費者が製品に容易にアクセスできるようにする。シールを繰り返し除去可能とし、再度、効果的なバリアを形成し得るようにすることも好ましいと思われる。このような特性を有する接着剤は公知であり、例えば、粘着剤である。消費者に対し把持表面を提供するタブ構造を有するものとし、シールがより容易に除去できるようにすることも望ましいことである。このタブはシールから延出するものであり、シールと同一の組成のもの、又は異なる組成のものであってもよい。例えば、タブをより強度の高い構造とし、消費者による引っ張り力によりタブが中途半端で引き裂かれることのないようにすることが望ましい。もし、使用者にとってより効果的な把持部を提供するものであれば、タブをシールよりも厚くしてもよい。
【0033】
好ましくは、充填者はマスカラボトルをワイパーなしで受入れるようにする。充填者は、ワイパーを所定位置に配することなく、マスカラボトルを充填し、ついで、シール付きワイパーをボトル上に着座させる。このアプローチの利点は、充填チューブがワイパーの下方オリフィスよりも大きくないものとするという制約がなくなることである。従って、充填チューブをボトルのオリフィスとほぼ同じにすることができる。これは製造のスピードアップにつながり、エネルギーも小さくて済む。シール付きワイパーをボトル上に着座させたとき、ボトル内で置換された空気はワイパーの1又はそれ以上の溝を介して排出されなければならない。空気は、ワイパーの挿入距離が最終段階になるまで、このようにしてボトルから排出され、この時点において、溝は既にボトル首部の内側にあり、封止されている。しかし、このワイパーの挿入距離の最終段階でもボトル内部の圧力の著しい蓄積は生じない。
【0034】
その他、充填者はワイパーが完全に着座されているが、シールされていないボトルを受入れることもある。ついで、ボトルはワイパーを介して、多かれ少なかれ従来の手法で充填され、ついで、ワイパーのシールが行われる。この方法は効率的ではない。なぜならば、ワイパー封止操作が生産を遅延させると共に、ワイパーを着座させることよりも、より複雑なプロセスとなるからである。
【0035】
シール及び/又はタブはテキスト又はグラフィックを保持するのに利用することが出来る(図10)。このテキスト又はグラフィックはロゴ(20)など装飾的なもの、あるいは情報的なものであってもよい。情報的テキストは、消費財の系列(line)又はブランドについて総括的な情報又は商品の系列内でのS.K.U.について特定する情報であってもよい。好ましくは、このテキスト又はグラフィックは1つの特定のS.K.U.について特異的なものである。1つの特定のS.K.U.について特異的なテキスト又はグラフィックの1つの例は、ボトル内のマスカラの色相を識別する情報(21)である。これは色相を識別する1つ又はそれ以上の言葉、あるいは製品と同一の色相で着色したグラフィックであってもよい。この特定の情報の幾つか又は全てをシール及び/又はタブに付した場合、ボトルは好ましくは総括的な系統又はブランド情報のみを含むものとする。ここで、“総括的情報”とは、製品のブランド又は系統を識別する情報を意味するが、ボトル内に含まれるS.K.U.に特異的な情報ではない。“総括的情報”のみが容器に表示されたときは、同じ容器を、同一の製品の異なるバージョンについて、あるいは同一の系統又はブランドでの異なるS.K.U.について使用することもできる。ボトルが“総括的情報”のみを表示するときは、上述したコスト節減および戦略的な製造上の利益のいくらかを実現することができる。前記実施例において、8つの色相で販売されるマスカラの系列では、通常、8種の別々のセットの包装部品であって、夫々が異なる特定の情報を伝達するものを必要とする。これに伴う種々のコストは上述の通りである。本発明では、これらのコストの多くを回避することができる。なぜならば、包装体の最も高価な部品(ボトルおよびアプリケータ・クロージャー)は8種の色相の全てについて同一とすることができるからである。8種の部品のセット全ての過剰供給を維持する必要はなく、どの程度の多くの各色相を任意の特定の時点で必要となるかを憶測する必要もなくなる。この理由のため、仮に、1又はそれ以上の色相のものが予想通り売れなくとも投資の損失が軽減される。
【0036】
タブがシール本体(seal proper)から延出し、シールと共に除去される如く、任意の補助構造体も略同様に構成される。例えば、印刷された基材、例えばカード、リーフレット、ビラ、リボン(図10中、22で示す)又はパンフレットなどの形態の情報もシールに付属させることができる。この情報は小売業者が消費者に見せたいと望む如何なるものであってもよい。例えば、この情報は容器内の化粧品の色又は色相であってもよい。若しくは、この情報は成分についてのもの、使用者への指示書、法律上の情報であってもよい。この情報はテキスト又はグラフィックであってもよく、情報的なもの、あるいは装飾的なものであってもよい。ここでも、小売業者は特定のS.K.U.情報の全てを載せ、充填された容器には総括的な系統又はブランド情報のみを付すことを望むかも知れない。本発明のシール付きワイパーの場合、全ての特定非総括的情報をシール上に表示したり、シールに付属させて表示したりすることができる。更に、任意の装飾的要素を、それが製品情報を伝達するものでなくとも、シールに付属させて表示することができる。これは純粋に視覚的アピールため、並びにマーケッティングの目的になされるものであってもよい。
【0037】
包装体の中には非常に小さいものがあり、従って、或る情報を主たる容器上に載せる必要がないことは、有益なものと言える。上述のように、二次情報、つまり、使用者への指示書、法律上の情報、成分又は色相などの要素を容器上に載せないことは有益なことである。本発明において、この情報は主容器から排除され、主容器の視覚的魅力を向上させるようにしている。二次情報を主容器から排除することの他の利益は印刷コストの軽減である。平坦でないプラスチック表面に印刷を行うことは一般に、平坦な紙面又は厚紙表面に印刷することに較べて、より困難であり、コストがより高くつくことになる。
【0038】
更に上述のように、もし、蓋締め操作をなくすことができれば、それは有利なことであり、もし、消費者にアプリケータブラシの選択が与えられるとすれば、それは有利なこととなろう。本発明のワイパーは、この双方を可能にするものである。なぜならば、クロージャー・ワイパー・アッセンブリーの封止機能がワイパーのシールにより置き換わるからである。従って、蓋締め操作は必要でなくなる。充填され、本発明のワイパーで封止されたマスカラボトルは、クロージャー・アプリケータ・アッセンブリーを受け付けることができない。なぜならば、上方オリフィスが既に塞がれているからである。ボトルを充填し、ワイパーを挿入した後、製造者は、ワイパーで封止された充填済みボトルをそのまま、市場へ輸送するか、あるいは、充填され、封止されたボトルを更に外側包装体内に包装してから市場へ輸送するかについて選択することができる。いずれにしても、消費者は最終的にアプリケータ並びにおそらくクロージャーが提供されなければならない。これは、消費者にとって、アプリケータおよびクロージャーについての選択の機会が与えられることになる。これは潜在的に、市場においてかなり有利なものであり、消費者にとって明らかに利益となる。
【0039】
消費者に対しアプリケータ及び/又はクロージャーの選択を与える1つの方法は、販売時点で、アプリケータおよびクロージャーを別々に供給することである。ここで、“別々に供給する”とは、容器およびアプリケータ/クロージャーを一緒に包装しないことである。例えば異なるタイプのブラシなど種々のアプリケータが消費者にとって選択のため入手可能となる。消費者に対しアプリケータ及び/又はクロージャーの選択を与える他の方法は、アプリケータと、容器とを外側包装体内に一緒に包装することであるが、これを様々な組み合わせでおこなう。外側包装体の例としては、プラスチック・クラムシェル(clamshell)型包装体又は収縮帯締めを挙げることができる。例えば、8つの色相ラインの各色相を3つの異なるアプリケータ(すなわち、濃い、薄い又は中間密度のまつ毛に適したブラシ)と共に提供することができる。この例の場合、小売業者はミックスアンドマッチの組み合わせ方式で24の別々のクラムシェル型包装体(各色相について任意のブラシを組み合わせたもの)を提供することができる。再度述べると、この選択を高い費用を伴わずに提供するという以前では実現し得なかったカスタマーに対するこの機会は市場においてかなりの優位をもたらすものであり、カスタマーにとっても明らかに利益となる。
【0040】
また、たとえ小売業者が消費者にアプリケータの選択を提供しないとしても、本発明は依然として消費者に対し利益を提供するものとなる。たとえ、容器と一緒に束ねられていても、あるいは別々に供給されていても、消費者はアプリケータを見ることができる。従来のマスカラ容器−ワイパーシステムの場合は、そうは行かない。なぜならば、アプリケータは容器の内側に隠れているからである。化粧品および個人ケアビジネスにおいてしばしば見られるように、アプリケータはむしろ化粧品自体よりも主なセールポイントとなっている。本発明は、膨大な開発並びにコストの結果であるかも知れないこの主なセールポイントを見せる機会を与えることを可能にする。
【0041】
蓋締め操作をなくすことの他の利点は、完成された製品を破壊することに伴う投資損失の軽減である。完成製品を破壊することは多くの理由から必要なことがある。これは製造段階、輸送段階、あるいは小売販路で生じる。破壊される包装体が高価なクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーではなく、比較的安価なシール自体を有するものであればかなりの節減が可能となる。
【0042】
蓋締め操作をなくすことの他の利点は、容器を充填するためのリードタイムが短縮されることである。充填された容器を本発明の新規なワイパーで封止する場合、製造するのに比較的時間がかかるクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーのための待ち時間を必要としない。上述のように、充填者が充填の前においてクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーのために待つことを必要としないということは、時間とコストのかなりの節減を可能にするものとなる。更に、クロージャー・アプリケータ・アッセンブリーが既に最も長いリードタイムを必要としているから、クロージャーに対し特定のS.K.U.について必要なテキスト又はグラフィック情報を載せることは時として有利となることがある。容器に対してではなく、クロージャーに対してこの情報を載せることにより充填サイトで容器を受け入れるためのリードタイムを更に減少させることができる。この修飾されたクロージャー・アプリケータ・アッセンブリーが入手可能な場合(容器の充填後、多分、数週間又は数ヶ月)は、これらを適当な充填済み容器に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】典型的な従来のワイパーを示す図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】没設された排気手段を備えた本願発明の封止ワイパーの非制限的実施例の1つを示す立面図。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図
【図5】図3のワイパーの等尺斜視図。
【図6】シールを付けたままの状態での本発明のワイパーの等尺斜視図。
【図7A】螺旋形溝を備えた本発明のワイパーの立面図。
【図7B】螺旋形溝を備えた本発明のワイパーの立面図。
【図8】ノッチ付きの本発明のワイパーの立面図。
【図9】本発明のワイパーをマスカラボトル内に部分的に挿入し状態を示す斜視図であって、ワイパーを示すためボトル首部の一部が切欠されている図。
【図10】シールに付属させた補助構造を有する本発明のワイパーを示す斜視図。
【符号の説明】
【0044】
1 ワイパー
2 上方部
3 テーパー部
4 上方オリフィス
5 下方オリフィス
6 保持ビード
7 相補的保持溝
8 フランジ
10 溝
11 下端
12 上端
20 ロゴ
21 情報
30 首部の内側壁面
A 気密封止
S シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側壁面を有する中空円筒体を有する化粧品用ワイパーであって:
上方オリフィスで終わっている上方部と;
該上方部の下方に位置し、下方オリフィスで終わっているテーパー部と;
該上方部に設けられた保持ビードと;
前記円筒体の外側壁面に没設されたワイパー溝であって、該ワイパー溝の第1の部分が前記テーパー部に位置し、その第2の部分が前記上方部に位置しているワイパー溝と;
前記上方オリフィスを横切って貼着された効果的バリアを形成するシールと;
を具備してなる化粧品用ワイパー。
【請求項2】
前記ワイパー溝は、第1の端部と、第2の端部とを有する請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項3】
前記第1の端部は、前記テーパー部に位置し、前記第2の端部は、前記上方部に位置している請求項2記載の化粧品用ワイパー。
【請求項4】
前記ワイパー溝が直線状であり、かつ、前記ワイパーの長手方向軸に平行となっている請求項3記載の化粧品用ワイパー。
【請求項5】
前記ワイパー溝は、螺旋状である請求項3記載の化粧品用ワイパー。
【請求項6】
前記ワイパー溝は、U字形のものである請求項2記載の化粧品用ワイパー。
【請求項7】
前記ワイパー溝は、端部を有していない請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項8】
前記ワイパー溝は、正弦波形状のものである請求項7記載の化粧品用ワイパー。
【請求項9】
前記ワイパー溝は、のこ歯形状のものである請求項7記載の化粧品用ワイパー。
【請求項10】
前記円筒体の前記外側壁面に更に1又はそれ以上のワイパー溝が付加的に没設されている請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項11】
前記シールが、前記ワイパーの上方オリフィスを跨り、該オリフィスを完全に覆う膜を具備してなる請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項12】
前記シールが可撓性のものである請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項13】
前記シールがプラスチック、ゴム、金属箔又はその組み合わせからなる請求項12記載の化粧品用ワイパー。
【請求項14】
前記シールをワイパー上に貼着させる手段が接着、ヒートシール、溶接、一体成形および収縮包装のいずれかを含む請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項15】
消費者が製品にアクセスできるように、貼着されたシールがワイパーから手動で剥離可能となっている請求項14記載の化粧品用ワイパー。
【請求項16】
シールが繰り返し除去可能であって、再度、効果的なバリアを形成し得るようになっている請求項15記載の化粧品用ワイパー。
【請求項17】
接着手段が粘着剤である請求項16記載の化粧品用ワイパー。
【請求項18】
貼着されたシールが、該シールがより容易に除去できるような把持面を有している請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項19】
前記把持面が前記シールから延出する引っ張りタブの形状のものである請求項18記載の化粧品用ワイパー。
【請求項20】
前記引っ張りタブが前記シールと組成において同一又は異なるものである請求項19記載の化粧品用ワイパー。
【請求項21】
前記引っ張りタブがシールよりも、より強度の高い組成からなっている請求項20記載の化粧品用ワイパー。
【請求項22】
使用者に対しより効果的なグリップを与えるように前記引っ張りタブが前記シールよりも、より厚くなっている請求項21記載の化粧品用ワイパー。
【請求項23】
前記シールに印刷されたテキスト又はグラフィックを更に含む請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項24】
前記シールに付属したテキスト又はグラフィックを更に含む請求項1記載の化粧品用ワイパー。
【請求項25】
前記情報が印刷された基材の形態のものである請求項24記載の化粧品用ワイパー。
【請求項26】
容器と、化粧品用ワイパーと、該容器内に配置された製品とを具備してなる消費者用包装体であって;
該容器が保持溝を備えた首部を有し;
該化粧品用ワイパーが:
外側壁面と、
上方オリフィスで終わっている上方部と、
該上方部の下方に位置し、下方オリフィスで終わっているテーパー部と、
を具備してなる中空円筒体と;
該上方部に設けられた保持ビードと;
前記円筒体の外側壁面に形成されたワイパー溝であって、該ワイパー溝の第1の部分が前記テーパー部に位置し、その第2の部分が前記上方部に位置しているワイパー溝と;
前記上方オリフィスを横切って貼着された効果的バリアを形成するシールと;
を具備してなり;
該ワイパーの保持ビードが前記首部の保持溝内に配置されていることを特徴とする消費者用包装体。
【請求項27】
請求項26の消費者用包装体と、アプリケータとの組み合わせ。
【請求項28】
前記消費者用包装体およびアプリケータが外側包装体内に配置されている請求項27記載の組み合わせ。
【請求項29】
前記シールに印刷されたテキスト又はグラフィックを更に含む請求項26記載の消費者用包装体。
【請求項30】
前記テキスト又はグラフィックが前記容器内の製品に特異的な情報を含む請求項29記載の消費者用包装体。
【請求項31】
前記シールに付属したテキスト又はグラフィックを更に含む請求項26記載の消費者用包装体。
【請求項32】
情報が印刷された基材の形態のものである請求項31記載の消費者用包装体。
【請求項33】
前記テキスト又はグラフィックが、成分、法律上の情報又は使用者用指示書を含む請求項32記載の消費者用包装体。
【請求項34】
前記容器が情報を表示するものであり、該情報が単に総括的であり、同一の容器を同一の製品の異なるバージョンについて使用できるようにした請求項26記載の消費者用包装体。
【請求項35】
請求項1記載のシール付きワイパーを使用する容器を充填する方法であって;該方法が、充填チューブを前記ボトル首部内に挿入すること;前記ボトルを充填チューブを介して充填すること;前記ボトルから充填チューブを除去すること;前記ボトルにシール付きワイパーを着座させること、を具備してなることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−531198(P2008−531198A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558050(P2007−558050)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/005749
【国際公開番号】WO2006/093696
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】