説明

シール

軸(14)に対して軸方向及び回転方向で固定された関係で取り付けられた嵌合リング(100,100')とハウジングアセンブリ(16)に対して回転方向で固定された関係で且つ軸方向に移動可能となるよう取り付けられた一次リング(120,120')とを有するシール(10,12)。一次リング(120,120')を軸方向に付勢して嵌合リング(100,100')と密閉状態で係合させるバネ(136)が配設され、嵌合リング(100,100')が第1の半径方向の表面(44,62)と当接した状態で軸(14)に対して取り付けられ、嵌合リング(100,100')の周方向の表面が軸(14)の周方向の表面から半径方向に離隔され、環状の螺旋バネ要素(104)が半径方向に圧縮された状態で周方向の表面間に配置され、環状の螺旋バネ要素(104)が細長い断面のワイヤから形成され、該断面の軸方向の幅が半径方向の厚さよりも大きいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールに関し、特に、一次シールリング上のシール面が嵌合リング状のシール面と密閉状態で係合するよう軸方向に付勢される機械式面シールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的には、かかるシールでは、前記嵌合リングは、例えばUS5700013において説明されているように、軸と共に回転するよう取り付けられ、該嵌合リングは、軸上に回転不能となるよう取り付けられるよう構成されたスリーブ上に取り付けられる。該嵌合リングは、該スリーブ上のフランジ構造の半径方向の表面に当接し、及び該フランジ構造の該半径方向の表面の環状凹部内に配置されたバネ力が加えられたポリマーシールによって該表面に対して密閉されて、該嵌合リングの後方の半径方向の表面に当接するようになる。該嵌合リングの円筒形状の内側面が前記スリーブの外側面に当接し、これにより前記軸に対して該嵌合リングの中心が合わせられる。1つ又は2つ以上の駆動ピンが、前記フランジ構造から軸方向に延び、及び前記嵌合リングの背面にある対応する穴に嵌合して、前記スリーブに対する該嵌合リングの回転が阻止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した構成は、スリーブ及び/又は嵌合リングの熱膨張並びに嵌合リングの円筒形状の内側面と前記スリーブとの嵌合を考慮したものではなく、当接による疲労(abutment fretting)を引き起こすものとなる。
【0004】
代替的に、前記嵌合リングは、軸が通過する穴を取り囲むように、ハウジングに対して軸方向及び回転方向で固定された関係で取り付けることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、シールは、一対の相対回転可能な構成要素のうちの一方の構成要素に対して軸方向及び回転方向で固定された関係で取り付けられた嵌合リングと、他方の構成要素に対して回転方向で固定された関係で且つ該他方の構成要素に対して軸方向に移動できるよう取り付けられた一次リングと、該一次リングを軸方向に付勢して前記嵌合リングと密閉状態で係合させるために配設された手段とを備えており、前記嵌合リングが、前記一方の構成要素に対して、該一方の構成要素上の第1の半径方向の表面と当接した状態で取り付けられており、前記嵌合リングの周方向の表面が前記一方の構成要素上の周方向の表面から半径方向に離隔しており、環状の螺旋バネ要素が半径方向に圧縮された状態で前記2つの周方向の表面間に配置されており、該環状の螺旋バネ要素が細長い断面のワイヤから形成されたものであり、該断面の軸方向の幅が半径方向の厚さよりも大きい、ということを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、環状の螺旋バネ要素は、嵌合リングをそれに関連する構成要素の周方向の表面に対して中央に集める働きをし、該嵌合リングと該構成要素との間の隙間によって熱膨張差が許容されることとなり、該環状の螺旋バネ要素は、前記嵌合リング及び前記構成要素の相対的な熱膨張又は収縮に適応するように容易に圧縮され又は伸長される。更に、該環状のバネ要素は、嵌合リングとそれに関連する構成要素との間で駆動力を伝達するものとなり、それ故、その目的のために駆動ピンその他の手段を設ける必要がなくなる。
【0007】
本発明の更に別の態様によれば、環状の螺旋バネ要素は、嵌合リングを軸方向に付勢してそれに関連する構成要素の半径方向の表面と密閉状態で係合させるように、嵌合リング及びそれに関連する構成要素の半径方向の表面間に作用することも可能である。
【0008】
本発明の更なる態様によれば、一対の同軸の構成要素の一方の構成要素を他方の構成要素に対して心合わせするためのセンタリング要素は、環状の螺旋バネ要素からなり、該環状の螺旋バネ要素が、細長い断面のワイヤから形成され、及び該断面の軸方向の幅が半径方向の厚さよりも大きいことを特徴とするものである。
【0009】
該環状の螺旋バネ要素を形成するために使用されるワイヤの断面の寸法は、必要とされる半径方向のバネ定数によって決まる。しかし、好適には、該環状の螺旋バネ要素は、軸方向の幅と半径方向の厚さの比が5:1〜10:1である矩形断面のワイヤから形成されることになる。
【0010】
該螺旋バネ要素の直径は、嵌合リングの対向する円筒形状の表面と構成要素との間の間隔によって決まり、該間隔は、使用される材料の相対的な熱係数と、本シールが動作するよう設計される温度範囲とに関して設計されることになる。
【0011】
また、該バネ要素の半径方向の弾性は、ワイヤの回旋のピッチと軸方向の厚さとの比によって決まる。所与のワイヤ断面について、この比が小さいほど、すなわち、その回旋が直立しているほど、該バネ要素の半径方向の弾性は高くなる。このピッチと幅の比は、結果的に、各回旋の直径方向で対向する位置において軸方向の重複部分が存在し、及び圧縮負荷の一部が、嵌合リングと係合した状態にあるバネ要素の側部から、関連する構成要素と係合した状態にある該バネ要素の側部へと、半径方向へ伝達されるように、使用されるワイヤの断面に応じて適当な半径方向のバネ定数が提供されるよう選定されることになり、典型的には、該ピッチと幅の比は2:1よりも小さくなり、より好適には、およそ1.6:1となる。
【0012】
ここで、ほんの一例として添付図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるシールを断面で示したものである。
【図2】図1に示すシールの一部を拡大して示したものである。
【図3】図3は、図1に示すシールで使用されるバネ要素の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、シールアセンブリは、軸14と機械ハウジング16との間で軸方向に離隔した位置にある内側及び外側シール10,12を含む。該シールアセンブリは、カートリッジ構造を有するものであり、軸14に対して回転不能かつシールされた状態で固定されるよう構成された内側スリーブアセンブリ18と、機械ハウジング16内の(前記軸14が通過する)ボア内に回転不能な状態で配置されるよう構成された外側ハウジングアセンブリ20とを有している。
【0015】
前記内側スリーブアセンブリ18は、軸14上への押し嵌め式の(push fit)内側スリーブ部材30を含み、該内側スリーブ部材30は、軸14の階段状の外側面に対応する階段状ボア32を有しており、これにより軸14上での内側スリーブ部材30の軸方向の運動が制限される。該内側スリーブ部材30のボア内の周方向の溝36内にポリマーシール34が配置され、該ポリマーシール34が軸14の表面と係合して、該内側スリーブ部材30と該軸14との間にシールが提供される。内側スリーブ部材30は、その内側端部にフランジ構造38を画定する。該フランジ構造38の外側の半径方向の表面に環状の軸方向に延びる凹部40が配設され、該凹部40の半径方向の基部44に環状溝42が配設される。
【0016】
半径方向外方のスリーブ部材46は、内側スリーブ部材30の外側表面上への押し嵌め式のものであり、及び該内側スリーブ部材30の外周面の周方向の溝50内に配置されたポリマーシール48によって該内側スリーブ部材30に対してシールされる。キー部材52は、内側スリーブ部材30の外周面及び半径方向外方のスリーブ部材46の内周面においてそれぞれ軸方向に延びる溝54,56内に配置されて、内側スリーブ部材30に対する半径方向外方のスリーブ部材46の回転を阻止する。
【0017】
半径方向外方のスリーブ部材46の外側端部にフランジ構造58が配設され、該半径方向外方のスリーブ部材46のボア60は、該フランジ構造58において、半径方向のショルダ62を画定するよう一層大きな直径を有している。該半径方向のショルダ62に環状溝64が配設される。
【0018】
軸方向外方のスリーブ部材66は階段状のボアを有しており、該ボアの外側端部が軸14上への押し嵌め式になっており、一方、該ボアの内側の直径の一層大きな端部が内側スリーブ部材30上への押し嵌め式になっている。軸方向外方のスリーブ部材66の外側端部は、複数の角度方向に離隔した軸方向に延びるボルト68によって内側スリーブ部材30の外側端部に対して固定される。軸方向外方のスリーブ部材66が内側スリーブ部材30に対してボルト留めされると、該軸方向外方のスリーブ部材66の内側端部が、半径方向のショルダ62に当接し、及び半径方向外方のスリーブ部材46の内側端部とフランジ構造38との間にリング70が配置された状態で、半径方向外方のスリーブ部材46を内側スリーブ部材30のフランジ構造38に対してクランプする。リング70の外周は、凹部40の内周壁の半径方向外方に延びる。
【0019】
フランジ構造72は、軸方向外方のスリーブ部材66の外周面から外方へ延びる。
【0020】
内側スリーブアセンブリ18は、クランプカラー74によって軸14の階段状部分上に軸方向で固定される。該カラー74は、軸方向外方のスリーブ部材66の外側端部に当接し、及び複数の角度方向に離隔された半径方向の位置決めねじ(図示せず)によって軸14に対してクランプされる。一連の角度方向に離隔された駆動ピン78が、軸方向外方のスリーブ部材66の端部とカラー74における軸方向ボア80内に係合して、軸14に対する内側スリーブアセンブリ18の回転を阻止する。
【0021】
図2に一層詳細に示すように、内側シール10は、内側スリーブ部材30のフランジ構造38に形成された凹部40内に配置された嵌合シールリング100を有しており、該嵌合シールリング100の内周面と凹部40の内周壁との間、及び嵌合シールリング100の外周面と凹部40の外周壁との間に、隙間が存在する。
【0022】
同様に、外側シール12は、半径方向外方のスリーブ部材46のフランジ部分58のボアの直径が拡大された部分内に配置された嵌合リング100'を有しており、該嵌合リング100'の内周面と軸方向外方のスリーブ部材66の外周面との間、及び嵌合リング100'の外周面と拡大されたボアの周方向の表面との間に、隙間が存在する。
【0023】
嵌合リング100,100'の各々はその内周面に一対の環状凹部102を有しており、該凹部102は嵌合リング100,100'の各々の半径方向の表面から延びている。該凹部102内に螺旋バネ要素104が配置され、該螺旋バネ要素は溝102の周囲に環状に延びている。
【0024】
内側シール10の嵌合リング100の凹部102内の螺旋バネ要素104は、該嵌合リング100と凹部40の内周壁との間で半径方向に圧縮されており、これにより嵌合リング100が内側スリーブ部材30に対して心合わせされる。嵌合リング100の外側溝102内の螺旋バネ要素104は、凹部102の半径方向の壁とそれに対向するリング70の半径方向の表面との間で軸方向に更に圧縮されて、嵌合リング100を内側スリーブ部材30に対してシールさせるために、該嵌合リング100を付勢して、該嵌合リング100を凹部40の半径方向の基部44の溝42内に配置されたポリマーシール108と係合した状態にする。
【0025】
同様に、外側シール12の螺旋バネ要素104は、嵌合リング100'と軸方向外方のスリーブ部材66の外周面との間で半径方向に圧縮されて該嵌合リング100'の心合わせが行われる。外側の螺旋バネ要素104はまた、半径方向のショルダ62と軸方向外方のスリーブ部材66のフランジ構造72の対向する半径方向の表面との間で軸方向に圧縮され、該嵌合リング100'を付勢して、該嵌合リング100'を半径方向のショルダ62の溝64内に配置されたポリマーシール110と係合した状態にする。
【0026】
嵌合リング100,100'の心合わせに加えて、螺旋バネ要素104と、嵌合リング100,100'の外側表面及び内側表面における隙間とによって、スリーブ部材30,66に対する嵌合リング100,100'の熱膨張及び収縮が許容される。更に、螺旋バネ要素104は、スリーブ部材30,66と嵌合リング100,100'との間で駆動力を伝達することになる。その結果として駆動ピンが不要となる。スリーブ部材30,46のボア内に配置されて嵌合リング100,100'のボアに係合するピン112が配設されているが、このピンは、位置決めのみを目的としたものであって駆動力を伝達する働きをするものではない。
【0027】
内側及び外側シール10,12の各々は、外側ハウジングアセンブリ20によって嵌合リング100,100'と同軸に配置された一次リング120を有している。該一次リング120の外側フランジ構造122は、複数の角度方向に離隔された突起124を有しており、該突起124は、ハウジングアセンブリの対応する軸方向に延びる溝126に係合して、該一次リング120を該ハウジングアセンブリ20に対して回転方向で位置決めする一方、該一次リング120の軸方向の運動を可能にする。
【0028】
一次リング120は、スラストリング130により付勢されて嵌合リング100,100'と密閉状態で係合する。該スラストリング130は、ハウジングアセンブリ20の直径が縮小された部分132内に摺動可能となるよう取り付けられ、及びシール要素134により該部分132に対してシールされる。一連の角度方向に離隔された螺旋圧縮バネ136は、該スラストリング130とハウジングアセンブリ20の直径が縮小された部分132との間で軸方向に作用して、該スラストリング130を嵌合リング100,100'及び一次リング120に向かって軸方向へ付勢して該嵌合リング100,100'と密閉状態で係合させる。該一次リング120は、スラストリング130の環状溝140内に配置されたポリマーシール138によりスラストリング130に対してシールされる。
【0029】
組み立てを容易にするために、ハウジングアセンブリ20は、複数の角度方向に離隔されたボルト150により共に固定される2つの部分20',20"で形成される。カートリッジの完全性を維持するために、アセンブリ保持プレート152が溝126の端部に配設されて、一次リング120がバネ136により溝126外へ押し出されるのが防止される。また、ハウジングアセンブリ20の2つの部分20',20"間にラビリンスシール154が挟まれて、フランジ構造58の外周面に対するシールが提供される。
【0030】
ハウジングアセンブリは、従来の態様で、例えば、複数の角度方向に離隔された軸方向に延びるボルトであってハウジングアセンブリ20の外側端部に配設されたフランジ構造に嵌合するボルトによって、機械ハウジング22に固定される。ハウジングアセンブリ20の外周面の溝162内に配置されたシール要素160は、ハウジングアセンブリ20の様々な部分と機械ハウジング22との間のシールを提供する。
【0031】
図3に示すように、螺旋バネ要素104は、矩形断面のワイヤから形成され、該ワイヤの幅(W)は該バネ要素の軸方向に向けられ、その厚さは半径方向に向けられている。該ワイヤ及び螺旋バネの実際の寸法は、シールの寸法、必要とされるバネ定数、及びシールの作動条件(例えば作動温度)によって決まることになる。しかし、好適には、該ワイヤの幅:厚さの比は5:1〜10:1となり、ピッチ(P):幅(W)の比は1:1〜2:1となる。典型的な実施形態では、螺旋バネ要素104の直径が2.46mmとなり、その回旋のピッチが0.93mmとなるように、該螺旋バネ要素は、幅0.58mm及び厚さ0.08mmを有する矩形断面のワイヤから形成される。
【0032】
図3を参照すると、螺旋バネ要素104を使用する1つの利点は、中実の弾性Oリングといった従来の環状リングと比べて表面積が増大することにある。表面積が増大することにより、螺旋バネ要素104が効率的に熱を吸収して膨張することが可能となる。このため、螺旋バネ要素104は、スリーブ18の熱膨張と共に膨張して、スリーブ18,66とそのそれぞれの嵌合リング100,100'との間の熱成長の差を補償するものとなる。
【0033】
更に、環状リング70及びフランジ72が、螺旋バネ要素104を軸方向に圧縮して嵌合リング100,100'の軸方向の運動を制限し、これにより、嵌合リング100,100'が軸方向に自由に動くのが防止される。該環状リング70及びフランジ72はまた、螺旋バネ要素104が熱膨張時に凹部102外へ押し出されるのを防止する。
【0034】
本発明の更なる実施形態によれば、螺旋バネ要素104は、嵌合リング100,100'の外周面とそれに関連する構成要素の対向する周面との間に配置することが可能である。
【0035】
本発明から逸脱することなく様々な変更を行うことが可能であり、例えば、上記の実施形態では螺旋バネ要素104は矩形断面のワイヤから形成されるが、任意の細長い断面のワイヤを使用することが可能である。
【0036】
この発明は、嵌合リング及び一次リングの両方のシール面が平坦となる場合に接触シールと共に使用することが可能であり、又は一次リング若しくは嵌合リングのシール面に溝付きの領域が設けられる場合に流体力学的なガスシールと共に使用することが可能である。
【0037】
更に、ダブルシールに関して本発明を説明したが、本発明は他の構成を有するシングルシール又は多重シールに適用することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の相対回転可能な構成要素(14,16)のうちの一方の構成要素(14)に対して軸方向及び回転方向で固定された関係で取り付けられた嵌合リング(100,100')と、他方の構成要素(16)に対して回転方向で固定された関係で且つ該他方の構成要素(16)に対して軸方向に移動できるよう取り付けられた一次リング(120,120')と、該一次リング(120,120')を軸方向に付勢して前記嵌合リング(100,100')と密閉状態で係合させるために配設された手段(136)とを備えたシール(10,12)であって、前記嵌合リング(100,100')が、前記一方の構成要素(14)に対して、該一方の構成要素(14)上の第1の半径方向の表面(44,62)と当接した状態で取り付けられており、前記嵌合リング(100,100')の周方向の表面が前記一方の構成要素(14)上の周方向の表面から半径方向に離隔しており、環状の螺旋バネ要素(104)が半径方向に圧縮された状態で前記周方向の表面間に配置されており、該環状の螺旋バネ要素(104)が細長い断面のワイヤから形成されたものであり、該断面の軸方向の幅がその半径方向の厚さよりも大きいことを特徴とする、シール(10,12)。
【請求項2】
前記螺旋バネ要素(104)が矩形断面のワイヤから形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシール(10,12)。
【請求項3】
前記ワイヤの軸方向の幅と半径方向の厚さとの比が5:1〜10:1であることを特徴とする、請求項2に記載のシール(10,12)。
【請求項4】
前記螺旋バネ要素(104)の回旋のピッチと前記ワイヤの軸方向の幅との比が1:1〜2:1であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のシール(10,12)。
【請求項5】
前記螺旋バネ要素(104)の回旋のピッチと前記ワイヤの軸方向の幅との比が約1.6:1であることを特徴とする、請求項4に記載のシール(10,12)。
【請求項6】
前記螺旋バネ要素(104)が、前記嵌合リング(100,100')の半径方向の表面と前記一方の構成要素(14)上に配設された第2の半径方向の表面との間で軸方向にも圧縮されて、該嵌合リング(100,100')を軸方向に付勢して前記第1の半径方向の表面(44,62)と密閉状態で係合させることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載のシール(10,12)。
【請求項7】
第2のシール要素(108,110)が前記嵌合リング(100,100')と前記第1の半径方向の表面(44,62)との間に配置されてそれらの間に密閉状態を提供することを特徴とする、請求項6に記載のシール(10,12)。
【請求項8】
ポリマーシール(108,110)が前記嵌合リング(100,100')と前記第1の半径方向の表面(44,62)との間に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のシール(10,12)。
【請求項9】
一対の螺旋バネ要素(104)が、前記嵌合リング(100,100')の内周面における軸方向に離隔された環状凹部(102)内に配置され、該螺旋バネ要素(104)が、該凹部(102)の各々の周方向の基部と前記一方の構成要素(14)上の対向する周方向の表面との間で圧縮される、請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載のシール(10,12)。
【請求項10】
前記一方の構成要素(14)上の前記周方向の表面が、該一方の構成要素(14)に対して軸方向及び回転方向の両方で固定されると共に該一方の構成要素(14)に対して密閉されたスリーブ部材(30,62)によって形成される、請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載のシール(10,12)。
【請求項11】
実質的に添付図面の図1ないし図3に関して本書で説明し図示したシール(10,12)。
【請求項12】
一対の同軸構成要素(100,100';30,66)の一方の構成要素(100,100')を他方の構成要素(30,66)に対して心合わせするための心合わせ要素であって、環状の螺旋バネ要素(104)からなり、該環状の螺旋バネ要素(104)が細長い断面のワイヤから形成され、該断面の軸方向の幅がその半径方向の厚さよりも大きいことを特徴とする、心合わせ要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−509384(P2011−509384A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541835(P2010−541835)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2008/004273
【国際公開番号】WO2009/087353
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(501077664)ジョン・クレーン・ユーケイ・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】