説明

ジアミノジフェニルスルホンから誘導された繊維とポリオキサジアゾール繊維とのブレンドから製造された難燃性紡績スフ糸、それらから製造された布及び衣類並びにそれらの製造方法

本発明は、難燃性紡績スフ糸ならびにこれらの糸を含む布および衣類ならびにそれらの製造方法に関する。これらの糸は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の総量を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導された構造を含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;5〜50重量部又はこれ以上のポリオキサジアゾール繊維とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性紡績スフ糸ならびにこれらの糸を含む布および衣類、ならびにそれらの製造方法に関する。これらの糸は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の総量を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導された構造を含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;5〜50重量部のポリオキサジアゾール繊維とを有する。
【背景技術】
【0002】
火炎、高温、および/または電気アークなどに曝され得る消防士、救急救命士、軍隊の隊員、レーシング要員、および工業作業者は、耐熱性布から製造された防護服および保護物品を必要とする。保護性能を維持しながらの、これらの保護物品の有効性のいかなる向上も、またはこれらの物品の着心地の良さもしくは耐久性のいかなる向上も歓迎される。
【0003】
ポリスルホンアミド繊維(PSA)として知られる繊維は、ポリ(スルホンアミド)ポリマーから製造され、その芳香族含有率のために良好な耐熱性を有し、かつまた、この繊維から製造された布に可撓性を与える低い弾性率を有するが;火炎などの高い熱流束に曝されたときにこの繊維は収縮する傾向がある。防護服に使用されたとき、かかる高い繊維収縮により熱保護は低下する。なぜなら高い熱流束または火炎に曝されたときにかかる繊維から製造された布は破れ開き、防護服着用者により程度の高い火傷をもたらす傾向があるためである。それ故必要とされるものは、保護布、衣類、および衣服に使用するための糸中へPSAを組み込む方法であって、PSA繊維の欠陥を相殺しながら該繊維の便益を活用する方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施形態では、本発明は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマーを含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;5〜50重量部のポリオキサジアゾールステープルファイバーとを含む難燃性紡績糸、織布、および防護服に関する。本発明はまた、工業作業着、カバーオール、シャツ、ズボン、および/または内側熱ライニング、液体バリア、および難燃性糸を含有する織布から製造された外面シェル布帛を順番に含むものなどの多層衣類などの難燃性衣類および衣服に関する。
【0005】
幾つかの他の実施形態では、本発明は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の総量を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマーを含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;5〜50重量部又はそれ以上のポリオキサジアゾールステープルファイバーとの繊維混合物を形成する工程と、この繊維混合物を紡績スフ糸へ紡績する工程とを含む難燃性紡績糸の製造方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、ジアミノジフェニルスルホンモノマーから誘導されたポリマーステープルファイバーとポリオキサジアゾール繊維とから製造された難燃性紡績スフ糸に関する。「難燃性」とは、紡績スフ糸、またはこの糸から製造された布が空気中で火災を支援しないことを意味する。好ましい実施形態では、布は26以上の限界酸素指数(LOI)を有する。
【0007】
本明細書における目的のためには、用語「繊維」は、長さ対当該長さに垂直の断面積の幅の高い比を有する比較的可撓性の、巨視的に均一の物体と定義される。繊維断面は任意の形状であることができるが、典型的には円形である。本明細書では、用語「フィラメント」または「連続フィラメント」は、用語「繊維」と同じ意味で用いられる。
【0008】
本明細書で用いるところでは、用語「ステープルファイバー」は、フィラメントと比較されたときに長さ対当該長さに垂直の断面積の幅の低い比を有する、所望の長さにカットされているかもしくは牽切されている(are stretch broken)繊維、または天然に存在するかもしくは製造される繊維を意味する。人造ステープルファイバーは、綿、羊毛、または梳毛糸紡績装置で処理するのに好適な長さにカットされるかまたは製造される。ステープルファイバーは、(a)実質的に一様な長さ、(b)可変もしくはランダム長さ、または(c)実質的に一様な長さを有するステープルファイバーの部分集合および異なる長さを有するステープルファイバーの他の部分集合、を有することができ、(c)は各部分集合のステープルファイバーが一緒に混合されて、実質的に一様な分布を形成する。
【0009】
幾つかの実施形態では、好適なステープルファイバーは、0.25センチメートル(0.1インチ)〜30センチメートル(12インチ)の長さを有する。幾つかの実施形態では、ステープルファイバーの長さは、1cm(0.39インチ)〜20cm(8インチ)である。幾つかの好ましい実施形態では、短ステープル法によって製造されたステープルファイバーは、1cm(0.39インチ)〜6cm(2.4インチ)のステープルファイバー長さを有する。
【0010】
ステープルファイバーは任意の方法によって製造することができる。例えば、ステープルファイバーは、真っ直ぐな(すなわち、非捲縮の)ステープルファイバーをもたらす回転カッターまたはギロチンカッターを用いて連続の真っ直ぐな繊維からカットすることができるか、またはさらに、1センチメートル当たり好ましくは8以下の捲縮の捲縮(繰り返し屈曲)頻度の、鋸歯状捲縮をステープルファイバーの長さに沿って有する捲縮連続繊維からカットすることができる。
【0011】
ステープルファイバーはまた、連続繊維を牽切することによって形成することができ、捲縮としての機能を果たす変形部分を持ったステープルファイバーをもたらす。牽切されたステープルファイバーは、切断ゾーン調節によって制御される平均カット長を有する繊維のランダム可変マスを生成する規定の距離である1つ以上の切断ゾーンを有する牽切操作中に、連続フィラメントのトウまたは束を切断することによって製造することができる。
【0012】
紡績スフ糸は、当該技術分野で周知である、伝統的な長および短ステープルリング紡績法を用いてステープルファイバーから製造することができる。短ステープル、綿システム紡績のためには、1.9〜5.7cm(0.75インチ〜2.25インチ)の繊維長さが典型的には使用される。長ステープル、梳毛または羊毛システム紡績のためには、16.5cm(6.5インチ)以下の繊維が典型的には使用される。しかしながら、糸はまた、エアジェット紡績、オープンエンド紡績、ステープルファイバーを使用可能な糸へ変換する多くの他の種類の紡績を用いて紡績されてもよいので、これは、リング紡績に限定されることを意図されない。
【0013】
紡績スフ糸はまた、牽切トウ−トップステープル法(stretch−broken tow to top staple process)を用いて牽切することによって直接製造することができる。伝統的な牽切法によって形成された糸中のステープルファイバーは、典型的には18cm(7インチ)以下の長さを有する。しかしながら、牽切することによって製造された紡績スフ糸はまた、例えばPCT特許出願国際公開第0077283号パンフレットに記載されているような方法によって約50cm(20インチ)以下の最大長さを持つステープルファイバーを有することができる。牽切されたステープルファイバーは、牽切プロセスがある程度の捲縮を繊維に与えるので、普通は捲縮を必要としない。
【0014】
用語連続フィラメントは、比較的小さい直径を有する、かつ、その長さがステープルファイバーについて示されたものより長い可撓性繊維を意味する。連続フィラメント繊維および連続フィラメントのマルチフィラメント糸は、当業者に周知の方法によって製造することができる。
【0015】
4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたアミンモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマー含有するポリマー繊維とは、ポリマー繊維が構造:
NH2−Ar1−SO2−Ar2−NH2
(式中、Ar1およびAr2は、炭素原子の任意の非置換もしくは置換6員環芳香族基であり、Ar1およびAr2は同じまたは異なるものである)
を一般に有するモノマーから製造されたことを意味する。幾つかの好ましい実施形態では、Ar1およびAr2は同じものである。さらにより好ましくは、炭素原子の6員環芳香族基は、SO2基に対してメタ−またはパラ−配向結合を有する。このモノマーまたはこの一般構造を有する多数のモノマーが相溶性溶媒中で酸モノマーと反応させられてポリマーを生成する。有用な酸モノマーは一般に、
Cl−CO−Ar3−CO−Cl
(式中、Ar3は、任意の非置換もしくは置換芳香環構造であり、Ar1および/またはAr2と同じまたは異なるものであることができる)
の構造を有する。幾つかの好ましい実施形態では、Ar3は炭素原子の6員環芳香族基である。さらにより好ましくは、炭素原子の6員環芳香族基はメタ−またはパラ−配向結合を有する。幾つかの好ましい実施形態では、Ar1およびAr2は同じものであり、Ar3はAr1およびAr2の両方とも異なる。例えば、Ar1およびAr2は両方とも、メタ配向結合を有するベンゼン環であることができるが、Ar3は、パラ配向結合を有するベンゼン環であることができる。有用なモノマーの例としては、塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイルなどが挙げられる。幾つかの好ましい実施形態では、この酸は、塩化テレフタロイルまたはそれと塩化イソフタロイルとの混合物であり、アミンモノマーは4,4’ジアミノジフェニルスルホンである。幾つかの他の好ましい実施形態では、アミンモノマーは、3:1の重量比の4,4’ジアミノジフェニルスルホンと3,3’ジアミノジフェニルスルホンとの混合物であり、それは両スルホンモノマーを有するコポリマーから製造された繊維を生成する。
【0016】
さらに別の好ましい実施形態では、ポリマー繊維は、スルホンアミンモノマーとパラフェニレンジアミンおよび/またはメタフェニレンジアミンに由来するアミンモノマーとから誘導された両繰り返し単位を有するコポリマーを含有する。幾つかの好ましい実施形態では、スルホンアミド繰り返し単位は、他のアミド繰り返し単位に対して3:1の重量比で存在する。幾つかの実施形態では、アミンモノマーの少なくとも80モルパーセントはスルホンアミンモノマーまたはスルホンアミンモノマーの混合物である。便宜上、本明細書では、省略形「PSA」は、以前に記載されたようなスルホンモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマーで製造された全クラスの繊維の全てを表すために用いられる。
【0017】
一実施形態では、スルホンモノマーから誘導されたポリマーおよびコポリマーは好ましくは、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、またはそれらの混合物などのジアルキルアミド溶媒中での1種以上のジアミンモノマーと1種以上の塩化物モノマーとの重縮合によって製造することができる。この種の重合の幾つかの実施形態では、塩化リチウムまたは塩化カルシウムなどの無機塩もまた存在する。必要ならば、ポリマーは、水などの非溶媒での沈殿によって単離し、中和し、洗浄し、乾燥させることができる。ポリマーはまた、直接にポリマー粉末を生成する界面重合によっても製造することができ、ポリマー粉末は次に繊維製造のための溶媒に溶解させることができる。
【0018】
ポリマーまたはコポリマーは、重合溶媒か、ポリマーまたはコポリマー用の別の溶媒かのどちらか中のポリマーまたはコポリマーの溶液を使用する、溶液紡糸によって繊維へ紡糸することができる。繊維紡糸は、当該技術分野において公知であるように、マルチフィラメント糸もしくはトウを生み出すために乾式紡糸、湿式紡糸、または乾式ジェット湿式紡糸(空隙紡糸としても知られる)によって多孔紡糸口金によって成し遂げることができる。紡糸後のマルチフィラメント糸もしくはトウ中の繊維は次に、ステープルファイバーおよび有用な繊維を製造するための従来技法を必要に応じて用いて中和する、洗浄する、乾燥させる、または熱処理するために処理することができる。例示的な乾式、湿式、および乾式ジェット湿式紡糸法は、米国特許第3,063,966号明細書;同第3,227,793号明細書;同第3,287,324号明細書;同第3,414,645号明細書;同第3,869,430号明細;同第3,869,429号明細書;同第3,767,756号明細書;および同第5,667,743号明細書に開示されている。
【0019】
スルホンアミンモノマーを含有するPSA繊維またはコポリマーの具体的な製造方法は、Wangらの中国特許出願公開第1389604A号明細書に開示されている。この参考文献は、ジメチルアセトアミド中で等モル量の塩化テレフタロイルと共重合させられた50〜95重量パーセントの4,4’ジアミノジフェニルスルホンと5〜50重量パーセントの3,3’ジアミノジフェニルスルホンとの混合物から形成されたコポリマー溶液を紡糸することによって製造されたポリスルホンアミド繊維(PSA)として知られる繊維を開示している。Chenらの中国特許出願公開第1631941A号明細書はまた、ジメチルアセトアミド中で等モル量の塩化テレフタロイルと共重合させられた10:90〜90:10の質量比の4,4’ジアミノジフェニルスルホンと3,3’ジアミノジフェニルスルホンとの混合物から形成されたPSAコポリマー紡糸液の調製方法を開示している。コポリマーのさらに別の製造方法は、Sokolovらに付与された米国特許第4,169,932号明細書に開示されている。この参考文献は、重合の速度を上げるために第三級アミンを使用するポリ(パラフェニレン)テレフタルアミド(PPD−T)の製造を開示している。この特許はまた、PPD−Tコポリマーがパラフェニレンジアミン(PPD)の5〜50モルパーセントを、4,4’ジアミノジフェニルスルホンなどの別の芳香族ジアミンで置き換えることによって製造できることを開示している。
【0020】
紡績スフ糸はまた、ポリオキサジアゾール繊維またはポリオキサジアゾール繊維のみから製造された布が空気中で火災を起こさないことを意味する、21以上の限界酸素指数(LOI)を有するポリオキサジアゾール繊維を含む。幾つかの好ましい実施形態では、ポリオキサジアゾール繊維は少なくとも26以上のLOIを有する。
【0021】
低火炎収縮性ポリオキサジアゾール繊維の添加は、紡績糸から製造された最終布および衣類において向上した熱比率性能になる追加の熱安定性を紡績糸に提供すると考えられる。
【0022】
ポリオキサジアゾール繊維とは、オキサジアゾール単位を含むポリマーを含み繊維を意味する。ポリオキサジアゾールポリマーおよび繊維の製造方法は、当該技術分野で公知であり;例えば、Bachに付与された米国特許第4,202,962号明細書ならびにポリマー科学およびエンジニアリング百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、Vol 12、322−339ページ(John Wiley & Sons,New York,1988)を参照されたい。幾つかの実施形態では、ポリオキサジアゾール繊維は、ポリアリーレン−1,3,4−オキサジアゾールポリマー、ポリアリーレン−1,2,4−オキサジアゾールポリマー、またはそれらの混合物を含有する。幾つかの好ましい実施形態では、ポリオキサジアゾール繊維は、ポリパラフェニレン−1,3,4−オキサジアゾールポリマーを含有する。好適なポリオキサジアゾール繊維は、Oxalon(登録商標)、Arselon(登録商標)、Arselon−C(登録商標)およびArselon−S(登録商標)繊維などの様々な商品名で商業的に公知である。
【0023】
幾つかの実施形態では、本発明は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の総量を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導された構造を含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;5〜50重量部のポリオキサジアゾール繊維とを含む難燃性紡績糸、織布、および防護服に関する。幾つかの好ましい実施形態では、糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の総量(全100部)を基準として、ポリマーステープルファイバーは50〜75重量部の量で存在し、ポリオキサジアゾール繊維は25〜50重量部の量で存在する。幾つかの他の好ましい実施形態では、糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の総量を基準として、ポリマーステープルファイバーは50〜65重量部の量で存在し、ポリオキサジアゾール繊維は35〜50重量部の量で存在する。
【0024】
幾つかの好ましい実施形態では、様々な種類のステープルファイバーがステープルファイバーブレンドとして存在する。繊維ブレンドとは、どんな方法でも2つ以上のステープルファイバー種の組み合わせを意味する。好ましくは、ステープルファイバーブレンドは、ブレンド中の様々なステープルファイバーが繊維の比較的一様な混合物を形成することを意味する、「均質ブレンド」である。幾つかの実施形態では、2つ以上のステープルファイバー種は、様々なステープルファイバーがスフ糸束中に均一に分配されるように糸が紡績される前にまたは紡績されている間にブレンドされる。
【0025】
必要ならば、ステープルファイバーブレンドは、加えて、スフ糸、布、および衣類における帯電傾向を減らす1〜5重量部の帯電防止繊維を有することができる。幾つかの好ましい実施形態では、この帯電防止性を与えるための繊維は、ナイロン鞘とカーボン芯とを有する鞘−芯ステープルファイバーである。帯電防止性を提供するための好適な材料は、米国特許第3,803,453号明細書および同第4,612,150号明細書に記載されている。
【0026】
ポリマーまたはPSAステープルファイバーは、難燃性ではあるが、ポリオキサジアゾール繊維より高い火炎収縮を有する。実際の布火炎収縮は多くの因子に左右され得るが、ポリマーまたはPSA繊維の織布正方形の長さ寸法は、より高温(300℃)で少なくとも2パーセント収縮し、火炎中では5パーセント以上ほどに多く収縮すると考えられるのに対して、ポリオキサジアゾール繊維の織布正方形の長さ寸法は、より高温でたとえあったとしても少ししか収縮せず、火炎中で2パーセント未満収縮すると考えられる。より低い火炎収縮のポリオキサジアゾール繊維を5重量パーセントという少量で添加することにより、火炎中での布火炎収縮を低減するのに役立つことができると考えられる。幾つかの他の実施形態では、比較的に、25重量パーセントから50重量パーセントまでの量のポリオキサジアゾール繊維ステープルファイバーの添加は、防護服での使用に好ましい布を提供することができると考えられる。ステープルファイバーのこの組み合わせから製造された布は、PSAステープルファイバーのみから製造された布よりも低減した火炎収縮ならびに優れた着心地の良さの両方を有する。
【0027】
布は紡績スフ糸から製造することができ、布には、織布または編布が含まれ得るが、それらに限定されない。一般布設計および構成は当業者に周知である。「織」布とは、たて糸または縦方向糸と、よこ糸または横方向糸とを互いに織り合わせて、平織、千鳥綾織、バスケット織、繻子織、綾織等々の、任意の布織を生み出すことによって織機で通常形成される布を意味する。平織および綾織が取引に用いられる最も一般的な織り方であると考えられ、多くの実施形態において好ましい。
【0028】
「編」布とは、針を用いて糸ループを編成することによって通常形成される布を意味する。多くの場合、編布を製造するために、紡績スフ糸は、糸を布に変換する編機に供給される。必要ならば、多数のエンドまたは糸を、合撚か未合撚かのどちらかで編機に供給することができる;すなわち、糸の束または合撚糸の束を編機に共供給し、従来技法を用いて、布へ、または手袋などの衣服物品へ直接編むことができる。幾つかの実施形態では、繊維の均質ブレンドを有する1つ以上の紡績スフ糸と共に1つ以上の他のスフ糸または連続フィラメント糸を共供給することによって編布に機能性を付加することが望ましい。ニットの緻密度は、任意の具体的なニーズに合うように調節することができる。保護衣向け特性の非常に有効な組み合わせは、例えば、シングルジャージニットおよびテリーニットパターンに見いだされてきた。
【0029】
幾つかの特に有用な実施形態では、紡績スフ糸は、難燃性衣類を製造するために使用することができる。幾つかの実施形態では、衣類は、紡績スフ糸から製造された保護布の本質的に1つの層を有することができる。この種の衣類には、消防士用のまたは軍人用のジャンプスーツおよびカバーオールが含まれる。かかるスーツは典型的には消防士被服上に使用され、森林火災と戦うべき区域へパラシュートで降りるために使用することができる。他の衣類には、極度の熱事象が起こる可能性がある化学処理工業または工業電気/用役などの状況で着用することができるズボン、シャツ、手袋、袖などが含まれ得る。幾つかの好ましい実施形態では、布は、1平方ヤード当たりオンスによって1平方センチメートル当たり少なくとも0.8カロリーの耐アーク性を有する。
【0030】
他の実施形態では、紡績スフ糸は、多層難燃性衣類を製造するために使用される。かかる一衣類は、米国特許第5,468,537号明細書に開示されているような一般構成を有する。かかる衣類は一般に、3層または3種の布構成を有し、各層または布構成は異なる機能を果たす。火炎保護を提供し、かつ、消防士のための火炎からの一次防御としての機能を果たす外面シェル布帛が存在し、ほとんどの実施形態では、これは、紡績スフ糸を使用する層である。典型的には液体バリアであるが水蒸気がこのバリアを通過できるように選択することができる防湿層が外面シェルに隣接する。繊維状不織または織メタ−アラミドスクリム布上のGore−Tex(登録商標)PTFE膜またはNeoprene(登録商標)膜のラミネートが、かかる構成に典型的に使用される防湿層である。内側面クロスに貼り付けられた耐熱性繊維のバットを一般に含む、サーマルライナーが防湿層に隣接する。防湿層はサーマルライナーを乾燥して保ち、サーマルライナーは、着用者によって対処されている火災または熱脅威からの熱応力から着用者を守る。
【0031】
別の実施形態では、本発明は、糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の総量(全100部)を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導された構造を含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと、5〜50重量部のポリオキサジアゾールステープルファイバーとの繊維混合物を形成する工程と;この繊維混合物を紡績スフ糸へ紡績する工程とを含む難燃性紡績糸の製造方法に関する。幾つかの好ましい実施形態では、糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾールステープルファイバーの総量を基準として、ポリマーステープルファイバーは50〜75重量部の量で存在し、ポリオキサジアゾールステープルファイバーは25〜50重量部の量で存在する。幾つかの他の実施形態では、糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾールステープルファイバーの総量を基準として、ポリマーステープルファイバーは60〜70重量部の量で存在し、ポリオキサジアゾールステープルファイバーは30〜40重量部の量で存在する。
【0032】
一実施形態では、ポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の繊維混合物は、繊維の均質ブレンドを製造することによって形成される。必要ならば、ステープルファイバーのこの比較的一様な混合物中で他のステープルファイバーを組み合わせることができる。ブレンディングは、連続フィラメントの多数のボビンをクリールに入れ(creel)、同時に2種以上のフィラメントをカットして切断ステープルファイバーのブレンドを形成する法;または異なるステープルファイバーのベールを解く工程と、次にオープナー、ブレンダー、およびカードで様々な繊維を解き、ブレンドする工程とを含む方法;または様々なステープルファイバーのスライバーを形成し、それが次に、繊維の混合物のスライバーを形成するためのカードにおいてなど、さらに処理されて混合物を形成する方法をはじめとする、当該技術分野で公知の様々な方法によって達成することができる。様々な種類の異なる繊維がブレンドの全体にわたって比較的一様に分配される限り、均質な繊維ブレンドを製造する他の方法が可能である。糸がブレンドから形成される場合、糸はまた、ステープルファイバーの比較的一様な混合を有する。一般に、最も好ましい実施形態では、個々のステープルファイバーは、ステープルファイバーの不十分な解放による繊維ノットまたはスラブおよび他の主要な欠陥が最終布品質を損なう量で存在しないように、有用な布を製造するための繊維処理において標準的である程度まで解かれるかまたは分離される。
【0033】
好ましい方法では、均質ステープルファイバーブレンドは、追加の機能性のために必要ならば、任意の他のステープルファイバーと一緒に、開放ベールから得られたステープルファイバーを一緒に先ず混合することによって製造される。繊維ブレンドは次に、カード機を用いてスラーバーにされる。カード機は、普通カードスライバーとして知られる、実質的な撚りなしのゆるく集合した繊維の連続撚糸へと繊維を分離し、整列させ、配送するために繊維工業で一般に用いられる。カードスライバーは、典型的には2段階延伸法によって、しかしそれに限定されずに、延伸スライバーへと処理される。
【0034】
紡績スフ糸は次に、従来の綿システムもしくはオープンエンド紡績およびリング紡績などの短ステープル紡績法をはじめとする技法;またはステープルファイバーを糸へ撚るために空気が使用されるMurata空気ジェット紡績などのより高速の空気紡績技法を用いて延伸スライバーから形成される。紡績糸の形成はまた、従来の羊毛システムあるいは梳毛もしくは半梳毛リング紡績または牽切紡績などの長ステープル法の使用によって達成することができる。処理システムにかかわらず、リング紡績が紡績スフ糸を製造するための一般に好ましい方法である。
【0035】
試験方法
坪量値は、FTMS 191A;5041に従って得られた。
【0036】
摩耗試験。布の摩耗性能は、ASTM D−3884−01「織物布の耐摩耗性についての標準ガイド(回転プラットフォーム、双頭法)(Standard Guide for Abrasion Resistance of Textile Fabrics(Rotary Platform,Double Head Method)」に従って測定される。
【0037】
機器搭載熱マニキン試験(Instrumented Thermal Manikin Test)。燃焼防止性能は、試験布で製造された標準パターンカバーオールで機器搭載熱マネキンを使用してASTM F 1930方法(1999年)に従って「比強度の模擬突発的火事における特有の衣類またはシステムを着用する人についての予測燃焼損傷(Predicted Burn Injuries for a Person Wearing a Specific Garment or System in a Simulated Flash Fire of Specific Intensity)」を用いて測定される。
【0038】
耐アーク性試験。布の耐アーク性は、ASTM F−1959−99「被服用材料のアーク熱性能値を測定するための標準試験方法(Standard Test Method for Determining the Arc Thermal Performance Value of Materials for Clothing)」に従って測定される。各布のアーク熱性能値(ATPV)、それは当該織物を着用する人が暴露され、50%の時間のかかる暴露から第2度の火傷に相当するであろうエネルギーの量の尺度である。
【0039】
グラブ試験。布の耐グラブ性(破壊引張強度)は、ASTM D−5034−95「布の破壊強度および伸びについての標準試験方法(グラブ試験)(Standard Test Method for Breaking Strength and Elongation of Fabrics(Grab Test)」に従って測定される。
【0040】
引裂試験。布の引裂抵抗は、ASTM D−5587−03「台形手順による布の引裂についての標準試験方法(Standard Test Method for Tearing of Fabrics by Trapezoid Procedure)」に従って測定される。
【0041】
熱保護性能(TPP)試験。布の熱保護性能は、NFPA 2112「突発的火事からの工業要員の保護のための難燃性衣類に関する基準(Standard on Flame Resistant Garments for Protection of Industrial Personnel Against Flash Fire)」に従って測定される。熱保護性能は、布が直火または放射熱に曝されるときに布の下の着用者の皮膚に連続的なおよび信頼できる保護を提供する布の能力に関する。布収縮は、試験されるべき布の2インチ×10インチ(5cm×25.4cm)ストリップをカットし、次に、以下の修正を加えたTPP試験プロトコルによって火炎を布に適用することによって測定することができる。布のストリップの2インチ端の一つが装置に固定され、一方試験の間ずっと布に僅かな張力を維持するために10グラム重りが他の2インチ端に吊される。さらに、TPP試験装置は、布の2インチ×2インチ正方形のみが火炎にさらされるように2インチ×2インチ(5cm×5cm)開口部を有するプレートを付けられる。布が概して実施例に開示されるような坪量の範囲(6〜8オンス/平方ヤード(200〜270g/m2))内にある場合、布は4秒間火炎にさらされる。より高い坪量については、火炎接触時間は延ばされる。布は次に放冷され、ストリップの試験区域の寸法が測定され、2インチ×2インチの元の寸法を基準として試験された区域の長さおよび幅の両方についてパーセント収縮が計算される。
【0042】
垂直火炎試験。布の焦げ長さは、ASTM D−6413−99「織物の難燃性についての標準試験方法(垂直法)(Standard Test Method for Flame Resistance of Textiles(Vertical Method)」に従って測定される。
【0043】
限界酸素指数(LOI)は、ASTM G125/D2863の条件下に最初は室温で材料の火炎燃焼をちょうど起こす酸素と窒素との混合物中の、容量パーセントとして表される、酸素の最低濃度である。
【実施例】
【0044】
本発明は、以下の実施例によって例示されるが、それらによって限定されることを意図されない。全ての部および百分率は、特に示されない限り重量による。
【0045】
実施例1
本実施例は、PSA繊維とポリオキサジアゾールステープルファイバーとの均質ブレンドの難燃性紡績糸および布を例示する。PSAステープルファイバーは、ジメチルアセトアミド中で等モル量の塩化テレフタロイルと共重合させた4,4’ジアミノジフェニルスルホンと3,3’ジアミノジフェニルスルホンとから製造されたポリマーから製造され、Tanlon(登録商標)の一般名称で公知であり;ポリオキサジアゾール(POD)ステープルファイバーは、商標Arselon(登録商標)繊維で公知である。
【0046】
45重量%のPOD繊維と55重量%のPSA繊維とのピッカーブレンドスライバーを調製し、従来の綿システム装置によって処理し、次にリング紡績機を用いて撚り係数4.0および21テックス(28綿番手)の単糸繊度を有するスフ糸へ紡績する。2つのかかる単糸を次にプライング機で撚り合わせて布たて糸として使用するための2本撚り難燃性糸を製造する。類似の法ならびに同じ撚りおよびブレンド比を用いて、24テックス(24綿番手)単糸を製造し、これらの単糸の2つを撚り合わせて2本撚り布よこ糸を形成する。
【0047】
PSAとPODステープルファイバーとの均質ブレンドのリング紡績糸を次にたて糸およびよこ糸として使用し、シャトル織機で布へと織り、2×1綾織および1cm当たり26エンド×17ピックス(1インチ当たり72エンド×52ピックス)の構成、ならびに215g/m2(6.5オンス/平方ヤード)の坪量を有する生機布を製造する。生機綾織布を次に熱水中で洗濯し、低い張力下に乾燥させる。洗濯した布を次に、塩基性染料を使用してジェット染色する。生じた布は、231g/m2(7オンス/平方ヤード)の坪量、28を超えるLOIを有し、TPP試験中に破れ開かず、火炎中での適切な布収縮を示唆する。表1は、生じた布の特性を例示する。「+」は、対照布の特性より優れた特性を示すが、記号「0」は、対照布の性能または対照布と同等の性能を示す。「0/+」は、性能が対照布より僅かに良好であることを意味する。
【0048】
表1

【0049】
実施例2
防湿層およびサーマルライナーをまた含む3層複合布用の外面シェル布帛として実施例1の布を使用する。防湿層は、2.7オンス/平方ヤードの坪量を有する不織ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)/ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維ブレンド基材に貼り付けられた0.7オンス/平方ヤードの坪量を有するGoretexである。3.2オンス/平方ヤードポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)ステープルファイバースクリムにキルティングされた3つの1.5オンス/平方ヤードスパンレースポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)/ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維シートからサーマルライナーを製造する。消防士出動服などの防護服を次にこの複合布から製造する。
【0050】
実施例3
型紙によって布を布原型にカットし、これらの原型を縫い合わせて産業で保護衣として使用するための防護カバーオールを形成することによって、衣類をはじめとする保護物品へ実施例1の布を仕立て上げる。同様に、布を布原型にカットし、これらの原型を縫い合わせて防護シャツおよび防護ズボン1着を含む保護衣組み合わせを形成する。必要ならば、布をカットし、縫って、カバーオール、頭巾、袖、およびエプロンなどの他の保護衣構成要素を形成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマーを含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;
5〜50重量部のポリオキサジアゾールステープルファイバーと
を含む難燃性紡績糸。
【請求項2】
糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、
前記ポリマーステープルファイバーが50〜75重量部の量で存在し、
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーが25〜50重量部の量で存在する、
請求項1に記載の難燃性紡績糸。
【請求項3】
糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、
前記ポリマーステープルファイバーが50〜65重量部の量で存在し、
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーが35〜50重量部の量で存在する、
請求項2に記載の難燃性紡績糸。
【請求項4】
前記ポリマーステープルファイバーに使用されるポリマーまたはコポリマーの少なくとも80モルパーセントがスルホンアミンモノマーまたはスルホンアミンモノマーの混合物から誘導される請求項1に記載の難燃性紡績糸。
【請求項5】
前記高分子ポリマーが、塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイル、およびそれらの混合物の群より選択されたモノマーから誘導された構造をさらに含有する請求項1に記載の難燃性紡績糸。
【請求項6】
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーがポリアリーレン−1,3、4−オキサジアゾール、ポリアリーレン−1,2,4−オキサジアゾール、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の難燃性紡績糸。
【請求項7】
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーがポリパラフェニレン−1,3,4−オキサジアゾールを含む、請求項6に記載の難燃性紡績糸。
【請求項8】
請求項1に記載の糸を含む織布。
【請求項9】
請求項1に記載の糸を含む防護服。
【請求項10】
内側熱ライニング、液体バリア、および外面シェル布帛を順番に含む難燃性衣類であって、この外面シェル布帛が請求項8に記載の織布を含む衣類。
【請求項11】
a)糸中のポリマー繊維およびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、4,4’ジアミノジフェニルスルホン、3,3’ジアミノジフェニルスルホン、およびそれらの混合物からなる群より選択されたモノマーから誘導されたポリマーまたはコポリマーを含有する50〜95重量部のポリマーステープルファイバーと;
5〜50重量部のポリオキサジアゾールステープルファイバーとの繊維混合物を形成する工程と、
b)この繊維混合物を紡績スフ糸へ紡績する工程と
を含む難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項12】
糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、前記ポリマーステープルファイバーが50〜75重量部の量で存在し、
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーが25〜50重量部の量で存在する、
請求項11に記載の難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項13】
糸中のポリマーステープルファイバーおよびポリオキサジアゾール繊維の全100部を基準として、前記ポリマーステープルファイバーが50〜65重量部の量で存在し、
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーが35〜50重量部の量で存在する、
請求項12に記載の難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項14】
前記ポリマーステープルファイバーに使用されるポリマーまたはコポリマーの少なくとも80モルパーセントがスルホンアミンモノマーまたはスルホンアミンモノマーの混合物に由来する、請求項11に記載の難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項15】
前記高分子ポリマーが、塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイル、およびそれらの混合物の群より選択されたモノマーから誘導された構造をさらに含有する、請求項11に記載の難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項16】
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーがポリアリーレン−1,3,4−オキサジアゾール、ポリアリーレン−1,2,4−オキサジアゾール、またはそれらの混合物を含む、請求項11に記載の難燃性紡績糸の製造方法。
【請求項17】
前記ポリオキサジアゾールステープルファイバーがポリパラフェニレン−1,3,4−オキサジアゾールを含む、請求項16に記載の難燃性紡績糸の製造方法。

【公表番号】特表2010−537075(P2010−537075A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522056(P2010−522056)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/073942
【国際公開番号】WO2009/026482
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】