説明

ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体およびその製造方法

【課題】 ファインケミカル分野で有用な新規な共重合体を提供すること。
【解決手段】
ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と(メタ)アクリルアミド類単位と二酸化イオウ単位との共重合体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは本発明は、ファインケミカル分野に使用可能で、かつ水に可溶で、有機溶媒への溶解性の高い、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体は、ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとを共重合させることにより簡単に製造できる点から工業的に製造され、水溶性塗料や染色物の染色堅牢度向上剤等のファインケミカル分野で使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭45−343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、地球環境の保全の高まりとともにファインケミカル分野で使用される各種薬剤も、塩素を含まないものが求められてきており、ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体の代りに、ジアリルジアルキルアンモニウムのクロリド以外の塩と二酸化イオウとの共重合体が求められるようになってきている。
【0004】
ところが、特許文献1に記載のように、ジアリルジアルキルアンモニウムのクロリド以外の塩と二酸化イオウとの共重合体を、対応するジアリルジアルキルアンモニウムの塩と二酸化イオウとの反応により実用的に製造することは困難である。
【0005】
例えば、ジアリルジアルキルアンモニウムのヨウ化物塩と二酸化イオウとを共重合して得られる共重合体は、重合中にヨウ素が一部遊離するために着色することがある。また、ジアリルジアルキルアンモニウムの有機酸塩と二酸化イオウとを共重合しても、得られる有機酸塩の共重合体の収率は低い。さらに、ジアリルジアルキルアンモニウムの硫酸塩または亜硫酸塩と二酸化イオウとを共重合しようとしても、得られる共重合体の硫酸塩または亜硫酸塩を、製造単離することが困難である。
【0006】
本発明者らは、このような事情のもとで、ジアリルジアルキルアンモニウムのクロリド以外の塩と二酸化イオウとの新規な共重合体として、特開2006−45363号公報に記載のように、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体を製造開発することに成功した。さらに、特開2006−45621号公報に記載のように、その共重合体は、酸性銅メッキ用レベリング剤に用いるとブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっき付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れた特性を与えることを明らかにした。
【0007】
しかしながら、種々の基板に用いるためには、レベリング剤として更にそれらの特性を超えることが必要であり、そのようなファインケミカル分野には、新たな共重合体の提供が求められている。
【0008】
本発明は、ファインケミカル分野にユウヨウな新規な共重合体を提供することを第一の目的とし、また該新規共重合体を簡単な操作により高収率で製造する方法を提供すること
を第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、種々の重合体の製造を種々検討したところ、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの3つのモノマーが共重合し、新規な三元共重合体が収率良く得られることを見出した。また、本発明者らはこの新規三元共重合体は水溶性であり、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと二酸化イオウとの二元共重合体と同様、有機溶媒への溶解性に優れており、しかも、ファインケミカル分野の用途には、さらに有効であることが判明された。
【0010】
本発明は上記の知見に基いてなされたものであり、下記の(1)および(2)からなるものである。
(1)一般式(I)
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、
一般式(II)
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、
式(III)
【0015】
【化3】

【0016】
で表される二酸化イオウ単位とを含むことを特徴とするジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体。
(2)一般式(IV)
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと、
一般式(V)
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)で表される(メタ)アクリルアミド類と、二酸化イオウとを、極性溶媒中で共重合させることを特徴とする上記(1)に記載のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、水溶性であり、かつ有機溶媒への溶解性に優れ、ファインケミカル分野の用途に極めて有用な、新規ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体を、簡単な操作により収率良く工業的に有利に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
まず、本発明のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体(以下、単に本発明の共重合体と記載することもある)について説明する。
【0023】
本発明の共重合体は、
一般式(I)
【0024】
【化6】

【0025】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、
一般式(II)
【0026】
【化7】

【0027】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、
式(III)
【0028】
【化8】

【0029】
で表される二酸化イオウ単位とを含む。
【0030】
本発明の共重合体において、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位としては、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイト単位を好ましく例示できる。なお、この場合、ヒドロキシエチルは、好ましくは2−ヒドロキシエチルである。
【0031】
本発明の共重合体において、(メタ)アクリルアミド類単位としては、Rが水素原子
のときはアクリルアミド類単位となり、一方、Rがメチル基のときは、メタクリルアミド類単位となる。
【0032】
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基であるか、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である。
【0033】
、Rがそれぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基の場合、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2〜3の2−ヒドロキシアルキル基であることが好ましい。この場合、(メタ)アクリルアミド類単位としては、アクリルアミド単位、N-メチルアクリルアミド単位、N-エチルアクリルアミド単位、N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、N,N-ジメチルアクリルアミド単位、N-メチル-N-エチルアクリルアミド単位、N,N-ジエチルアクリルアミド単位、N-メチル-N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N-メチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、 N-エチル-N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N-エチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、メタクリルアミド単位、N-メチルメタクリルアミド単位、N-エチルメタクリルアミド単位、N-(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド単位、N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位、N,N-ジメチルメタクリルアミド単位、N-メチル-N-エチルメタクリルアミド単位、N,N-ジエチルメタクリルアミド単位、N-メチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位、N-エチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位を例示できる。
【0034】
また、R、Rが一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基の場合、(メタ)アクリルアミドのアミノ基部分がモルフォリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基となることが好ましい。
【0035】
この場合、(メタ)アクリルアミド単位としては、アクロイルモルフォリン単位、アクロイルピペリジン単位、アクロイルピロリジン単位、メタクロイルモルフォリン単位、メタクロイルピペリジン単位、メタクロイルピロリジン単位を例示できる。
【0036】
本発明の共重合体は、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト系共重合体を例にすると、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジメチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルーN−エチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジエチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−
ヒドロキシプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルモルフォリンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルピペリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルピロリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジメチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルーN−エチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジエチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルモルフォリンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルピペリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルピロリジンと二酸化イオウとの共重合体などを例示できる。
【0037】
また、その他にも前記例示したジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト系共重合体において、モノマーのジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトの換りに、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトとした共重合体なども、併せて、例示できる。
【0038】
本発明の共重合体においては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト/(メタ)アクリルアミド類/二酸化イオウのモノマーモル比は、得られる共重合体の安定性の観点から、通常、1/(0.001〜100)/(0.001〜1)であり、好ましくは1/(0.005〜10)/(0.005〜1)、さらに好ましくは1/(0.01〜10)/(0.01〜1)、特に好ましくは1/(0.05〜5)/(0.05〜1)、最も好ましくは1/(0.08〜3)/(0.05〜1)である。
【0039】
本発明の共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量で、通常300〜50,000、好ましくは500〜25,000、より好ましくは800〜10,000の範囲である。
【0040】
次に、本発明の共重合体の製造方法について説明する。
本発明のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体の製造方法は、
一般式(IV)
【0041】
【化9】

【0042】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと、
一般式(V)
【0043】
【化10】

【0044】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)で表される(メタ)アクリルアミド類と、二酸化イオウとを、極性溶媒中で共重合させることを特徴とする。
【0045】
本発明の共重合体の製造方法において使用する一般式(IV)のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトモノマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトを好ましく例示できる。なお、この場合、ヒドロキシエチルは、好ましくは2−ヒドロキシエチルである。
【0046】
モノマーとして用いるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトは、例えばジアリルアルキルアミンとジアルキル硫酸との反応によるアルキル化反応等により製造することができる。
【0047】
ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイトは、それぞれジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、ジアリル(ヒドロキシエチル)アミンにジメチル硫酸を加えて反応させるメチル化反応により製造することができる。
【0048】
また、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトは、それぞれ、ジアリルエチルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリル(ヒドロキシエチル)アミンに、ジエチル硫酸を加えて反応させるエチル化反応により製造することができる。
【0049】
本発明の製造方法に用いる一般式(V)の(メタ)アクリルアミド類としては、Rが水素原子のときはアクリルアミド類となり、一方、Rがメチル基のときは、メタクリルアミド類となる。
【0050】
、Rは、独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基であるか、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である。R5、R6が独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基の場合、R5、R6は、独立に、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2〜3の2−ヒドロキシアルキル基であることが好ましい。この場合、(メタ)アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-メチル-N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-メチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N-エチル-N-(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-エチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、N-(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-メチル-N-エチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、N-メチル-N-(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-メチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N-エチル-N-(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N-エチル-N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドを例示できる。
【0051】
また、R、Rが一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基の場合、(メタ)アクリルアミドのアミノ基部分がモルフォリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基となることが好ましい。
【0052】
この場合、(メタ)アクリルアミドとしては、アクロイルモルフォリン、アクロイルピペリジン、アクロイルピロリジン、メタクロイルモルフォリン、メタクロイルピペリジン、メタクロイルピロリジンを例示できる。
【0053】
本発明の共重合体の製造方法においては、上述のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類とともに二酸化イオウを出発モノマーとして用いる。
【0054】
本発明の共重合体の製造方法に用いる極性溶媒としては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト、(メタ)アクリルアミド類および二酸化イオウを溶解する溶媒であるが、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を例示することができる。
【0055】
本発明の共重合体の製造方法において、ラジカル共重合反応のために用いられる重合触媒としては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを重合し得るものであれば特に制限はないが、第三−ブチルヒド
ロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのような脂肪族アゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムのような無機過酸化物、硝酸アンモニウム、硝酸カリウムのような硝酸塩等が挙げられる。また、空気等の酸素を含む気体、放射線、紫外線、可視光線も挙げられる。
【0056】
本発明の共重合体の製造方法においては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト/(メタ)アクリルアミド類/二酸化イオウの仕込みモノマーモル比は、得られる共重合体の安定性の観点から、通常、1/(0.001〜100)/(0.001〜1)であり、好ましくは1/(0.005〜10)/(0.005〜1)、さらに好ましくは1/(0.01〜10)/(0.01〜1)、特に好ましくは1/(0.05〜5)/(0.05〜1)、最も好ましくは1/(0.08〜3)/(0.05〜1)である。
【0057】
本発明の共重合体の製造方法においては、通常、上記ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを含む極性溶媒溶液に、上記重合触媒を加え、室温下または加熱条件下、適宜撹拌操作を加えることにより共重合が行われる。重合温度は−100℃〜80℃が好ましい。また、重合時間は1〜100時間が好ましい。
【0058】
反応終了した後、アルコールやアセトン等の共重合体を溶解させない溶媒を加えることにより、本発明の共重合体を再沈させ、ろ取することもできる。
【実施例】
【0059】
先ず、実施例で得られた共重合体の重量平均分子量および重合収率の測定方法を以下に示す。
(i) 共重合体の重量平均分子量
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI−101示差屈折率検出器、カラムはショーデックスアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)とを直列に接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調製し、20μlを用いた。溶離液には、0.4モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準物質として、分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に共重合体の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(ii) 共重合体の重合収率
GPC法により得られたピーク面積比により求めた。
参考例1 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマーの製造と同定
攪拌機、温度計、ジムロート式還流冷却管を備えた1リットルの4つ口丸底セパラブルフラスコ中にジアリルメチルアミン167.1g(1.5モル)を仕込み、攪拌しながら硫酸ジエチル232.5g(1.5モル)を20〜50℃に保ちながらゆっくり滴下した。そして50℃で24時間反応させて、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトをオイルとして得た。収量は、399.8g(収率100%)であった。
【0060】
得られたジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトのIRスペクトルから、1220cm−1に硫酸エステルに由来する吸収があり、この構造を支持している。リンタングステン酸を用いる重量法による四級塩の基本分子量の測定値は264.27(計算値265.38)であった。
参考例2 濃度65質量%のジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノ
マー水溶液の製造
攪拌機、温度計、ジムロート式還流冷却管を備えた1リットルの4つ口丸底セパラブルフラスコ中にジアリルメチルアミン167.1g(1.5モル)を仕込み、攪拌しながら硫酸ジエチル232.5g(1.5モル)を20〜50℃に保ちながらゆっくり滴下した。そして50℃で24時間反応させた。次に水212.9gを加え、濃度65質量%ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー水溶液を調製し、共重合反応に用いた。
参考例3 濃度65質量%のジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイトモノマー水溶液の製造
硫酸ジエチルの代わりに硫酸ジメチル(1.5モル)を用いた以外は、参考例2と同様に操作して、濃度65質量%のジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイトモノマー水溶液を得た。
【0061】

比較例1 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体の製造
得られたジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー水溶液(モノマー含有量1.5モル)に、モノマー濃度を調整するための水を加えた後、氷水で冷却・攪拌しながら、二酸化イオウをモノマーに対し当モル量加えた。次に得られたモノマー−二酸化イオウ混合物を所定の重合温度に維持しながら、28.5質量%過硫酸アンモニウム水溶液(以下APSと記載する)52.0g(モノマーに対して3.0質量%)を分割して加えて共重合させ、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体を水溶液として得た。
【0062】
得られた溶液の一部をアセトンで再沈殿させ、得られた白色固体をろ別し、50℃で48時間真空乾燥した。得られた白色粉末状の共重合体のIRスペクトルから、1320cm−1と1130cm−1に−SO−に起因する吸収および1220cm−1に硫酸エステルに起因する吸収が見られることから、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとの共重合体であることを支持している。
【0063】
またこの固体の硫黄分析値は、S=19.9〜20.8%であった。この値はジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとのモル比1:1の共重合体の値に近い。
【0064】

実施例1 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)の製造
65質量%のジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー水溶液(モノマー含有量1.5モル)に、モノマー濃度を60%に調整するための水を加えた後、氷水で冷却・攪拌しながら、二酸化イオウをモノマーに対し当モル、さらに、アクリルアミド13.3g(0.19モル)を加え溶解させた。次に得られたモノマー−アクリルアミド−二酸化イオウ混合物を60℃に維持しながら、濃度28.5質量%の過硫酸アンモニウム(APS)水溶液71.3g(モノマーに対して4.0質量%)を分割して加えて48時間、共重合させ、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)を水溶液として得た。
【0065】
得られた溶液の一部をアセトンで再沈殿させ、得られた白色固体をろ別し、50℃で48時間真空乾燥した。得られた白色粉末状の三元共重合体のIRスペクトルを図1に示す。図1において、1320cm−1と1130cm−1に−SO−に起因する吸収、1220cm−1に硫酸エステルに起因する吸収および1680cm−1にアミドI吸収帯
が見られたことから、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)であることを支持している。
【0066】
実施例1および下記に記載される実施例2〜8の三元共重合体の製造条件、および重合収率と重量平均分子量の結果を表−1に示す。
実施例2 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:4:8)の製造
アクリルアミドを53.3g(0.75モル)用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を水溶液として得た。
【0067】

実施例3 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:8:8)の製造
アクリルアミドを106.6g(1.50モル)用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を水溶液として得た。
【0068】
得られた溶液の一部をアセトンで再沈殿させ、得られた白色固体をろ別し、50℃で48時間真空乾燥した。得られた白色粉末状の三元共重合体のIRスペクトルから、1320cm−1と1130cm−1に−SO−に起因する吸収、1220cm−1に硫酸エステルに起因する吸収および1680cm−1にアミドI吸収帯が見られたことから、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:8:8)であることを支持している。特に1680cm−1の吸収は、実施例1の三元共重合体8:1:8の重合体に比べ、大きくなっているので、この三元共重合体(8:8:8)は、アクリルアミドのモル比が大きくなっていることが示された。このIRスペクトルを図2に、GPCチャートを図3に示す。
【0069】
また、硫黄の分析結果が16.1%で理論値の16.0%に極めて類似しているので、このジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体のモル比が8:8:8であることが支持された。
【0070】

実施例4 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとN,N−ジメチルアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)の製造
アクリルアミドの替わりにN,N−ジメチルアクリルアミド(0.19モル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を得た。
実施例5 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリロイルモルホリンと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)の製造
アクリルアミドの替わりにアクリロイルモルホリン(0.19モル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を得た。
実施例6 ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)の製造
アクリルアミドの替わりにN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(0.19モル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を得た。
実施例7 ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(8:1:8)の製造
ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトの替わりにジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト(1.5モル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、標記の三元共重合体を得た。
【0071】

【表−1】

【0072】
試験例1 溶解性試験
実施例1〜7で得られた三元共重合体0.1gを用い、各種溶媒(いずれも5ミリリットル)に対する溶解性(30℃)を検討した。また比較として、比較例1で得た共重合体および比較例2として、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドと二酸化イオウとの共重合体(日東紡(株)、PAS−A−1、重量平均分子量5000)に対しても同様に溶解性を検討した。それらの結果を表−2に示す。本発明の三元共重合体は、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとの二元共重合体と同様、水に可溶で、またジメチルスルホキシドのような有機溶媒にも優れた溶解性を示す性質を維持した。

【表−2】

【0073】
試験例2 圧延銅箔へのめっきにおけるレベリング性(スローイングパワー)評価試験
圧延銅箔が設けられたフレキシブルプリント配線基板(FPC基板)を用い、実施例で得られた共重合体を含む、下記組成の硫酸銅めっき浴で圧延銅箔への酸性銅めっき処理を25℃、陰極電流密度1.5A/dmで50分間、エアレーション攪拌下にて行った。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 90g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 500mg/L
SPS 2) 1mg/L
実施例で得られた共重合体 1000mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
このようにしてめっきされたFPC基板について、めっき面のレベリング性をスローイングパワーとして評価した(評価方法は特開2006−45621号公報に詳細に記載されている)。
【0074】
その結果を、表−3に示す。本発明の共重合体を用いるとスローイングパワーが向上することが判明した。
【0075】

試験例3 下地不良における電気めっき後の凸発生の低減
CEM−3基板(サイズ250mm×250mm,板厚 1.6mm,穴無し)を用い、実施例の重合体を使用し、下地不良における電気めっき後の凸発生数を評価した。この結果を表−3に示す。なお、下地作成条件は、CEM−3基板を酸性雰囲気の場所に1週間放置した。また、電流条件は、3A/dm、40分間で行なった。
【0076】
(硫酸銅めっき浴組成)
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 2000mg/L
SPS 1.5mg/L
本発明共重合体 300mg/L
その結果を表−3に示す。本発明の共重合体を用いると凸発生数がほとんどないことが判明した。
【0077】

【表−3】

【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明によれば、ファインケミカル分野で有用なジアリルジアルキルアンモニウムアル
キルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの新規共重合体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】は、実施例1で得られた共重合体のIRスペクトルを示す。
【0080】
【図2】は、実施例3で得られた共重合体のIRスペクトルを示す。
【0081】
【図3】は、実施例3で得られた共重合体のGPCチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R、Rは、独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、
一般式(II)
【化2】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、
式(III)
【化3】

で表される二酸化イオウ単位とを含むことを特徴とするジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体。
【請求項2】
一般式(IV)
【化4】

(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと、
一般式(V)
【化5】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類と、二酸化イオウとを、極性溶媒中で共重合させることを特徴とする請求項1に記載のジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−63467(P2008−63467A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243648(P2006−243648)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】