説明

ジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法、ジフェニルメタンジイソシアネートの製造方法、並びに、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法

【課題】低温域で貯蔵安定性に優れており、精製・反応後などに得られるポリウレタン樹脂に所望の諸性能を具備しているジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法、並びに、このジフェニルメタン系イソシアネート組成物から製造されるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法を得る。
【解決手段】ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンを後添加した組成物を貯蔵及び/又は輸送する方法であり、この組成物は、所定時間が経過するまでは、貯蔵安定性を有する。また、この組成物から、モノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離し、分離されたジフェニルメタン系イソシアネートからMDIやポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを分離・精製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のポリウレタン製品の原料となるジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法、ジフェニルメタンジイソシアネートの製造方法、並びに、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々のポリウレタン製品の製造には、原料として、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、必要に応じて単に「MDI」と略記。)、又は、この二核体であるMDIと、三核体以上の多核体(MDI系縮合体)との混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)からなるジフェニルメタン系イソシアネートが用いられることが多い。
【0003】
一般に、例えば硬質ポリウレタンフォームなどの原料となるジフェニルメタン系イソシアネートとしては、MDI含有量が全体の30〜45%の範囲のものが好適に用いられる。このようなジフェニルメタン系イソシアネートは、低温(例えば10℃)雰囲気下で長期間貯蔵しても、比較的析出沈殿といった不具合は生じ難いものである。
【0004】
このようなMDI含有量が全体の30〜45%の範囲であるジフェニルメタン系イソシアネートを得る方法の一例として、まずは第一工程として、適した条件でアニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化する、といった工程を経て、MDI含有量が全体の50%以上のジフェニルメタン系イソシアネートを得、次いで第二工程として、該組成物についてさらに蒸留等によりMDIの分離・精製等を行って、最終的にMDI含有量が全体の30〜45%の範囲のジフェニルメタン系イソシアネートを得る、といった方法が採られる。なお、これらの一連の工程により、分離・精製されたMDIを得られる。
【0005】
近年、全世界的なスケールでジフェニルメタン系イソシアネートの消費量が年々増加してきており、このような旺盛なる需要に対応すべく、例えば、長時間を要する海上輸送が頻繁に行われるようになってきている。
【0006】
しかし、ジフェニルメタン系イソシアネートは一般的に、低温(例えば10℃)雰囲気下で長期間貯蔵した場合、程度の差はあるものの析出沈殿といった、貯蔵安定性の面で不具合を生じ易いといった問題点を有している。このような問題点は同時に、例えば長時間を要する海上輸送を経て消費地等においてMDIの分離・精製を行う場合、所望されるMDIの量を得ることができないといった問題をも有することになる。
【0007】
とりわけ、MDI含有量が全体の50%以上であるジフェニルメタン系イソシアネートは低温域において極めて析出沈殿を生じ易く、貯蔵安定性に関し好ましくないものが通常である。そのため、ジフェニルメタン系イソシアネートを前述のように例えば海外へ海上輸送し、消費地等においてジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離・精製する際、所望されるMDIの量を分離・精製できないといった問題も非常に大きなものとなっていた。
【0008】
このような問題を解決するため、近年では、貯蔵安定性に優れたもの(特に低温域において析出沈殿しないもの)が開発されるに至っている。
【0009】
上述のような貯蔵安定性に優れたジフェニルメタン系イソシアネートとしては、例えば、下記特許文献1〜3に開示されている。簡単に説明すると、特許文献1には、ウレタン変性により貯蔵安定性の向上を図る方法、特許文献2には、カルボジイミド化により貯蔵安定性の向上を図る方法、特許文献3には、異性体の比率を特定のものとすることにより貯蔵安定性の向上を図る方法が、それぞれ開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2001−55427号公報
【特許文献2】特開平10−36470号公報
【特許文献3】特開平6−9539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1〜3のものはいずれも樹脂骨格に変更を加える手法であるため、本来の需要として所望されているジフェニルメタン系イソシアネートを遠隔地に供給することが不可能であり、また、得られるポリウレタン樹脂に所望される諸性能(反応性、機械物性等)を具備しない等といった問題が生じる。
【0012】
また、上記特許文献1〜3のものはいずれも樹脂骨格に変更を加える手法であるため、本来所望されるMDIの量を精製・抽出できないといった問題をも併せて生じる。
【0013】
そこで、本発明は、特に低温域において貯蔵安定性に優れているとともに、容易に元のジフェニルメタン系イソシアネートを得ることができる上、精製・反応後などに得られるポリウレタン樹脂に所望される諸性能(反応性、機械物性等)を具備しているジフェニルメタン系イソシアネート組成物、その貯蔵方法及び輸送方法、このジフェニルメタン系イソシアネート組成物から製造される、ジフェニルメタンジイソシアネートの製造方法及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、モノクロルベンゼンが後添加されたジフェニルメタン系イソシアネート組成物を貯蔵及び/又は輸送する工程を有していることを特徴とするジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法である。
【0015】
別の観点として、本発明は、ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンが後添加されてなるジフェニルメタン系イソシアネート組成物から、モノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離する工程と、分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離・精製する工程とを有していることを特徴とするMDIの製造方法である。また、別の観点として、本発明は、ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンが後添加されてなるジフェニルメタン系イソシアネート組成物から、モノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離する工程と、分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離することにより、MDI含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを得る工程とを有していることを特徴とするMDI含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法である。
【0016】
また、前記ジフェニルメタン系イソシアネート中のMDI含有量は、全体の50%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%〜70%である。
【発明の効果】
【0017】
上記構成によれば、特に低温域において貯蔵安定性に優れているとともに、容易に元のジフェニルメタン系イソシアネートを得ることができる上、精製・反応後などに得られるポリウレタン樹脂に所望される諸性能(反応性、機械物性等)を具備しているジフェニルメタン系イソシアネート組成物、その貯蔵方法及び輸送方法を提供できる。また、不活性溶媒であるモノクロルベンゼンが後添加されたジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、低温域において貯蔵安定性に優れているので、所定時間経過した後でも、このジフェニルメタン系イソシアネート組成物からモノクロルベンゼンを除去するだけで、収率よくMDIを製造できる。その結果として、このジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを収率よく製造できる。また、上述のジフェニルメタン系イソシアネートからは、上述の方法により、MDI含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートをも得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法について説明する。
【0019】
本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンを後添加してなる組成物を含有している。モノクロルベンゼンは、ジフェニルメタン系イソシアネート組成物に対して、2%以上添加することが好ましく、さらには3〜15%添加することが特に好ましい。
【0020】
後述するように、ジフェニルメタン系イソシアネートは対応するアミンのホスゲン化反応により製造されるが、この際に反応溶媒としてモノクロルベンゼンが用いられることがある。通常のジフェニルメタン系イソシアネートの製造においては、用いられたホスゲンを人間に対して安全なレベルまで除去するので、これに伴い反応溶媒として用いられたモノクロルベンゼンは実質的に無くなる。特別な方法により該ホスゲンが人間に対して安全なレベルまで除去できれば、ホスゲン化反応時の反応溶媒であるモノクロルベンゼンが残っていてもよく、その分、後添加されるモノクロルベンゼンの添加量を削減することができる。
【0021】
ジフェニルメタン系イソシアネートは、前述の通り、二核体であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、三核体以上の多核体(MDI系縮合体)との混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)である。このジフェニルメタン系イソシアネートは、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができる。なお、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるジフェニルメタン系イソシアネートの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
【0022】
また、ジフェニルメタン系イソシアネートは、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のジフェニルメタン系イソシアネートにMDIを混合したものであってもよい。
【0023】
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート中のMDIの割合は50%以上であることが好ましく、更に好ましくは50〜70%である。ここでのMDIの割合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。
【0024】
二核体であるMDIは、4,4’−MDIと、2,2’−MDIと、2,4’−MDIとの3種類の異性体により構成されている。なお、異性体の構成比は、GC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に求めることができる。
【0025】
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの平均官能基数は、2.1以上であることが好ましく、更に好ましくは2.1〜3.1である。また、ジフェニルメタン系イソシアネートのイソシアネート基含有量は、30〜33質量%であることが好ましく、更に好ましくは31〜33質量%である。
【0026】
加えて、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの酸度は、0.1質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05質量%以下である。
【0027】
上記構成によれば、特に低温域(10℃以下)において貯蔵安定性に優れているとともに、容易に元のジフェニルメタン系イソシアネートを得ることができる上、精製・反応後などに得られるポリウレタン樹脂に所望される諸性能(反応性、機械物性等)を具備しているジフェニルメタン系イソシアネート組成物とすることができる。その結果として、ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を10℃以下の環境下でも固体MDIを析出させずに貯蔵、輸送する方法を提供できる。
【0028】
次に、本発明の実施形態に係るジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の製造方法について説明する。
【0029】
本実施形態に係るMDIの製造工程は、上述したジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンを後添加してなる組成物を含有しているジフェニルメタン系イソシアネート組成物からモノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離する工程(1)と、分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離・精製する工程(2)とを有している。
【0030】
具体的には、工程(1)において、圧力0.2〜0.5kPa,温度110〜130℃
条件下で,ジフェニルメタン系イソシアネート組成物からモノクロルベンゼンを蒸発させ,除去する。
【0031】
工程(2)においては、圧力0.2〜50kPa,温度110〜250℃条件下で,蒸発操作を行いジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離する。MDIはさらに蒸留精製を行い,二核体が99.9%の純MDIを精製する。
【0032】
上記構成により、不活性溶媒であるモノクロルベンゼンが後添加されたジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、低温域において貯蔵安定性に優れているので、所定時間経過した後でも、このジフェニルメタン系イソシアネート組成物からモノクロルベンゼンを除去するだけで、収率よくジフェニルメタン系イソシアネートを製造できる。その結果として、このジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを収率よく製造できる。
【0033】
次に、本発明の実施形態に係るポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法について説明する。
【0034】
本実施形態に係るポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造工程は、上述の工程(1)と同様の工程と、分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離することにより、ジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを得る工程(3)とを有している。
【0035】
工程(3)においては、ジフェニルメタン系イソシアネートを圧力0.2〜50kPa,温度110〜250℃条件下で蒸発操作を行い,ジフェニルメタン系イソシアネートからMDIを分離することにより, ジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを得る。
【実施例】
【0036】
次に、本発明について実施例を用いて説明する。下記表1に示すような組成のジフェニルメタン系イソシアネート100gに対して、下記表2に示す各量(全体に対する含有量)のモノクロルベンゼン(以下、表2を含め必要に応じて「MCB」と略記。)を含有させ、それぞれのジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵安定性について検証した。具体的には、複数の100mlサンプル瓶に各実施例及び各比較例の調製済み試料をそれぞれ100gずつ入れて密封した後、目視によってその経時変化(ダイマー及びMDIの析出沈殿の有無や、析出沈殿した場合にはその程度)を観察した。なお、表2には、この検証結果も示した。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
表2の比較例2から、10℃において、1週間程度で貯蔵安定性が低下していることがわかる。また、5℃である場合には、ほとんど貯蔵安定性を有さない状態となっていることがわかる。これに対し、各実施例は10℃において、2ヶ月貯蔵安定性を保持していることがわかる。また、5℃である場合でも、1週間以上貯蔵安定性を保持していることがわかる。したがって、本発明に係る実施例のジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、低温域においても貯蔵安定性の点において従来のものより優れていることがわかる。
【0040】
次に、他の実施例として、以下に説明するような実験を行った。すなわち、表1に示すジフェニルメタン系イソシアネートにMCBを5質量%添加して、イソシアネート組成物Aを調製した(該イソシアネート組成物Aは、温度10℃以上雰囲気下で2ヶ月間液体であることを、別途確認した)。調製後、10℃以上で1ヶ月間貯蔵の後、以下に示すとおり、MDIとポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの分離実験を行った。
【0041】
(分離実験1)
10℃以上で1ヶ月貯蔵しておいた上述の組成物Aを圧力0.2kPa〜50kPa,温度110℃〜250℃の条件下で,薄膜蒸発器にて蒸留操作を行い,二核体が99%以上であるMDI成分(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、二核体と三核体以上の多核体(MDI系縮合体)とのMDI混合物成分(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)を分離した。その収量はMDI成分が50%,MDI混合物が50%であった。MDI成分についてはさらに蒸留精製を行い,二核体が99.9%の純MDIを得た。ここで,得られたMDI及びMDI混合物は,以下の品質を有していた。
【0042】
[MDI]
2,2‘−MDI+2,4’−MDI 1.0%
4,4‘−MDI 99.0%
凝固点 38.6℃
【0043】
[MDI混合物]
NCO含量 30.8%
2核体 38%
3核体 28%
4核体 9%
5核体以上 25%
酸度 0.005%
加水分解性塩素 0.097%
溶液色(APHA) 120
粘度 200mPa・s/25℃
【0044】
(分離実験2)
上述の組成物Aを圧力0.2〜50kPa,温度110℃〜250℃の条件下で,薄膜蒸発器にて蒸発操作を行い,二核体が99%以上であるMDI成分(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、二核体と三核体以上の多核体(MDI系縮合体)とのMDI混合物成分(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)を分離した。その収量はMDI成分が53%,MDI混合物が47%であった。ここで,MDI混合物は,以下の品質を有していた。
[MDI]
2,2‘−MDI+2,4’−MDI 1.0%
4,4‘−MDI 99.0%
凝固点 38.6℃
[MDI混合物]
NCO含量 30.3%
2核体 30%
3核体 30%
4核体 9%
5核体以上 31%
酸度 0.005%
加水分解性塩素 0.090%
溶液色(APHA) 100
粘度 160mPa・s/25℃
【0045】
(分離実験3)
上述の組成物Aを圧力0.2〜50kPa,温度110℃〜250℃の条件下で,薄膜蒸発器にて蒸発操作を行い,二核体が99%以上であるMDI成分(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、二核体と三核体以上の多核体(MDI系縮合体)とのMDI混合物成分(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)を分離した。その収量はMDI成分が50%,MDI混合物が50%であった。ここで,MDI混合物は,以下の品質を有していた。
[MDI]
2,2‘−MDI+2,4’−MDI 1.0%
4,4‘−MDI 99.0%
凝固点 38.6℃
[MDI混合物]
NCO含量 30.7%
2核体 45%
3核体 23%
4核体 7%
5核体以上 25%
酸度 0.008%
加水分解性塩素 0.056%
溶液色(APHA) 80
粘度 130mPa・s/25℃
【0046】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンが後添加されてなるジフェニルメタン系イソシアネート組成物を貯蔵及び/又は輸送する工程を有していることを特徴とするジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法。
【請求項2】
前記ジフェニルメタン系イソシアネート中のジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の50%以上であることを特徴とする請求項1記載のジフェニルメタン系イソシアネート組成物の貯蔵及び/又は輸送方法。
【請求項3】
ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンが後添加されてなるジフェニルメタン系イソシアネート組成物から、モノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離する工程と、
分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからジフェニルメタンジイソシアネートを分離・精製する工程とを有していることを特徴とするジフェニルメタンジイソシアネートの製造方法。
【請求項4】
前記ジフェニルメタン系イソシアネート中のジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の50%以上であることを特徴とする請求項5記載のジフェニルメタンジイソシアネートの製造方法。
【請求項5】
ジフェニルメタン系イソシアネートにモノクロルベンゼンが後添加されてなるジフェニルメタン系イソシアネート組成物から、モノクロルベンゼンを除去してジフェニルメタン系イソシアネートを分離する工程と、
分離された前記ジフェニルメタン系イソシアネートからジフェニルメタンジイソシアネートを分離することにより、ジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを得る工程とを有していることを特徴とするジフェニルメタンジイソシアネート含有量が全体の30〜45%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートの製造方法。