説明

ジャンケンゲーム装置及びプログラム

【課題】 遊技者に対してゲームの困難さを味合わせることができるジャンケンゲーム装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】 ジャンケンゲーム装置(1)は、遊技者に対してジャンケンゲーム画面を表示すると共に当該遊技者によるジャンケンゲームの操作入力を受け取り(2)、操作入力に応答してジャンケン判定と傾向分析・統計量決定と統計量に基づいて次回の手を決定することによりジャンケンゲームの制御を実行しそのゲーム結果を遊技者に提供し(3)、ジャンケンゲームの進行に伴い前記遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録し(4)、記録された情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて遊技者の手に対抗する次回の手を遊技者が入力する前に決定する(3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンケンゲーム装置及びプログラムに関し、詳しくは、対戦相手(遊技者)との間で“3すくみの関係”にある3手(グー・チョキ・パー)のいずれかを出し合いながらジャンケンゲームを実行するジャンケンゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャンケンは、人間同士の間で古くから行われている遊びの一種であり、その遊び方は、同時にグー・チョキ・パーの三つの手のいずれかを出し合い、所定のルール(グーに対してパーの勝ち、パーに対してチョキの勝ち、チョキに対してグーの勝ち、同手は引き分け)に基づいて、互いの手の関係から勝負を決するというものである。
【0003】
ジャンケンは、遊びとして行われるだけでなく、何かの順番を決めたりするときなどにもよく行われるが、さらに、今日では、コンピュータ応用機器(遊技機)と人間との対戦形式でも行われるようになってきた。たとえば、下記の特許文献1には、勝負結果が図柄で表示される画像表示装置と遊技進行を制御する制御装置とを備えた「ジャンケン遊技機」(以下、従来技術という。)が記載されており、この従来技術の遊技機では、過去の所定回数分の勝負結果を記憶しておき、遊技者がグー・チョキ・パーのいずれかの手を選択する前に、記憶しておいた過去の所定回数分の勝負結果を画像表示装置に表示させるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−254350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来技術の「ジャンケン遊技機」にあっては、遊技者は、表示された過去の所定回数分の勝負結果に基づいて出すべき手の予測を立てることができるため、遊技の面白みを増すことができるという利点があるものの、ゲームの勝敗が偶然の産物で決まることには変わりなく、したがって、予測に意味がなく、知的な感性をくすぐることはないので、すぐに飽きてしまうという問題点がある。
【0006】
すなわち、たとえ、遊技者の手が、過去の所定回数分の勝負結果に基づいて予測されたものであったとしても、その予測は、遊技者の主観に基づく適当なもの(たとえば、数学的予測モデルなどに基づく正確且つ信頼性のあるものではない。)であり、一方、遊技機の手は、同文献によれば、「図柄選択手段104」(同文献の段落〔0012〕、〔0018〕等参照)によって選択されたものであるとされており、この「図柄選択手段104」の詳細な仕組みは同文献に記載されていないものの、当業者の常識より、たとえば、乱数などによってランダムに選択されたものであると考えられるから、両者の勝負結果は、もっぱら偶然の産物に過ぎないものであった。
【0007】
したがって、たとえば、遊技機側でより強い手を出すことにより、遊技者に対してゲームの困難さを味合わせ、もって、遊技者のゲームに対する挑戦欲をかき立てて、飽きの来ないジャンケンゲーム装置を提供するという点で未だ改善すべき技術課題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、遊技者に対してゲームの困難さを味合わせることができるジャンケンゲーム装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、遊技者に対してジャンケンゲーム画面を表示すると共に当該遊技者によるジャンケンゲームの操作入力を受け取るユーザインターフェース部と、前記操作入力に応答してジャンケン判定と傾向分析・統計量決定と統計量に基づいて次回の手を決定することによりジャンケンゲームの制御を実行しそのゲーム結果を前記ユーザインターフェース部を介して前記遊技者に提供するゲーム制御部と、前記ジャンケンゲームの進行に伴い前記遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録する記録手段と、前記記録手段に記録された情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて前記遊技者の手に対抗する次回の手を前記遊技者が入力する前に決定する決定手段とを備えたことを特徴とするジャンケンゲーム装置である。
請求項2記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回と同じ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置である。
請求項3記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に勝つ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手にさらに勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置である。
請求項4記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に負ける手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の自己の手に負ける手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置である。
請求項5記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つが同等である場合に、乱数で求めた手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置である。
請求項6記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つの内どれか二つが同等である場合に、遊技者が次に出す手の二つのうち強い方の手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置である。
請求項7記載の発明は、コンピュータを、遊技者に対してジャンケンゲーム画面を表示すると共に当該遊技者によるジャンケンゲームの操作入力を受け取るユーザインターフェース部と、前記操作入力に応答してジャンケン判定と傾向分析・統計量決定と統計量に基づいて次回の手を決定することによりジャンケンゲームの制御を実行しそのゲーム結果を前記ユーザインターフェース部を介して前記遊技者に提供するゲーム制御部と、前記ジャンケンゲームの進行に伴い前記遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録する記録手段と、前記記録手段に記録された情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて前記遊技者の手に対抗する手を決定する決定手段として機能させるためのプログラムである。
請求項8記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回と同じ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラムである。
請求項9記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に勝つ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手にさらに勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラムである。
請求項10記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に負ける手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の自己の手に負ける手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラムである。
請求項11記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つが同等である場合に、乱数で求めた手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラムである。
請求項12記載の発明は、前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つの内どれか二つが同等である場合に、遊技者が次に出す手の二つのうち強い方の手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ジャンケンゲームの進行に伴い遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録し、その記録情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて前記遊技者の手に対抗する次回の手を前記遊技者が入力する前に決定するようにしたから、具体的には、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回と同じ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定するようにし、又は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に勝つ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手にさらに勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定するようにし、又は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に負ける手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の自己の手に負ける手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定するようにし、又は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つが同等である場合に、乱数で求めた手を前記遊技者の手に対抗する手として決定するようにし、又は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つの内どれか二つが同等である場合に、遊技者が次に出す手の二つのうち強い方の手を前記遊技者の手に対抗する手として決定するようにしたから、従来技術のように、単に「図柄選択手段104」でランダムに自分(ジャンケンゲーム装置)の手を選択するものに比べて、より強い手を自分(ジャンケンゲーム装置)の手として決定できるようになり、その結果、遊技者はなかなかジャンケンゲーム装置に勝つことができなくなるので、それだけ、遊技者のゲームに対する挑戦欲をかき立てて、飽きの来ない知的なジャンケンゲーム装置を提供できるという特有の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係るジャンケンゲーム装置の概念ブロック図である。この図において、ジャンケンゲーム装置1は、ユーザインターフェース部2、ゲーム制御部3及びゲーム情報記憶部4を含んで構成される。
【0012】
ユーザインターフェース部2は、このジャンケンゲーム装置1の利用者(ユーザ)である遊技者5に対してジャンケン遊技に関する画面情報を提供する液晶ディスプレイ等の表示部6と、遊技者5の入力操作を受け付ける、たとえば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タッチパネル、ジョグキー等)、デジタルビデオカメラと形認識プログラム、スイッチあるいはその他の操作手段からなる操作部7とを有する。
【0013】
また、ゲーム制御部3は、典型的にはプログラム制御型のマイクロコンピュータで構成された制御部であって、詳細には、オペレーティングシステムや、そのオペレーティングシステム上で動作する各種の制御プログラムからなるソフトウェアリソースと、マイクロコンピュータのハードウェアリソースとの有機的結合により、所望の制御処理(本実施形態では特にジャンケンゲーム処理)を実現するためのものであり、その構成は、周知のとおり、前記のソフトウェアリソースを予め格納した記憶手段(不図示のROM等)と、そのソフトウェアリソースをメモリ(同RAM)にロードして実行する中央制御部(同CPU)と、入出力部等のCPU周辺回路とを備えたものであるが、ソフトウェアとしては、たとえば、次回の手の決定部8、ジャンケン判定部9、及び、傾向分析部10などの機能部分を含むものである。
【0014】
なお、本実施形態では、ゲーム制御部3を、プログラム制御型のマイクロコンピュータで構成されたものとして説明するが、これは、実現可能な一つの態様例を示しているに過ぎない。たとえば、その制御機能の一部又は全てをハードロジックで構成しても構わない。
【0015】
ゲーム情報記憶部4は、書き換え可能且つ不揮発性な情報記憶装置(たとえば、ハードディスクや半導体プログラマブルメモリ等)で構成されており、特に、本実施形態に係るジャンケン遊技の可変的情報(遊技の進行に伴って変化する情報)を記憶するための二つの記憶部(統計表記憶部11、対戦表記憶部12)を備えている。すなわち、統計表記憶部11は、遊技者5の勝敗結果や遊技者5の手の出し方の傾向(以下、パターンともいう。)などを記録するための「統計表」を記憶し、また、対戦表記憶部12は、ジャンケン遊技の前回又は今回の遊技者の手と遊技者の勝敗結果と現在までの対戦回数と勝率を記録するための「対戦表」を記憶するものである。なお、これらの「統計表」と「対戦表」の具体的構造については、後で詳しく説明する。
【0016】
図2は、ゲーム制御部3で実行される制御プログラムのフローを示す図である。この制御プログラムは、ジャンケンゲーム装置1の電源がONになったとき、或いは、電源ON後に遊技者5によって操作部7に対して所定の操作が行われたときに、ROM等の記憶手段からRAMにロードされ、CPUによって実行される。この制御プログラムの実行が開始されると、まず、ゲーム情報記憶部4の統計表記憶部11と対戦表記憶部12を初期化するなどして「統計表」と「対戦表」の内容をクリアする(ステップS0)。
【0017】
ここで、「統計表」と「対戦表」の構造の一例を説明する。
図3は、ゲーム情報記憶部4の統計表記憶部11に記憶される統計表13の構造図であり、図4は、ゲーム情報記憶部4の対戦表記憶部12に記憶される対戦表14の構造図である。これらの図に示すように、統計表13は3列×3行の二次元配列になっており、また、対戦表14は6列の一次元配列になっている。なお、ジャンケンゲームの対戦上限回数は、任意に指定又は予め定められたいくつかの候補回数から選択できるものとする。ただし、初回(0回)における手は「グー」、勝敗は「引き分け」、勝率は「勝ち数=0」、「負け数=0」、「引き分け数=1」とする。
【0018】
また、これらの統計表13及び対戦表14の列順と行順は、左から右(列の場合)、上から下(行の場合)へと昇順で並ぶものとする。すなわち、図面に正対して左列が1列目、中央列が2列目、右列が3列目となり、同様に、最上行が1行目、次行が2行目、次々行が3行目となるものとする。
【0019】
統計表13の各列(1列目〜3列目)は、遊技者5の勝負結果頻度格納用、各行(1行目〜3行目)は遊技者5の手の出し方のパターン頻度格納用であり、具体的には、1列目は遊技者5の勝ち頻度を示す勝ち頻度格納用、2列目は遊技者5の負け頻度を示す負け頻度格納用、3列目は遊技者5の引き分け頻度を示す引き分け頻度格納用である。また、統計表13の各行(1行目〜3行目)は、遊技者5の手の出し方のパターン頻度格納用であり、具体的には、1行目は遊技者5の手の出し方が「前回と同じ手を出す」というパターンの頻度格納用、2行目は遊技者5の手の出し方が「前回の自己の手に勝つ手を出す」というパターンの頻度格納用、3行目は遊技者5の手の出し方が「前回の自己の手に負ける手を出す」というパターンの頻度格納用である。
【0020】
対戦表14の1列目には、対戦回数(図示の表ではジャンケンゲームの“実行回数”となっている)が格納され、2列目には、前回又は今回の遊技者の手(グー・チョキ・パー)が格納され、3列目には、遊技者の勝敗結果(勝ち・負け・引き分け)が格納され、4列目〜6列目には、勝率として、勝ち数、負け数、及び、引き分け数が格納される。
【0021】
再び、図2において、ステップS0で統計表13と対戦表14の初期化(内容のクリア)などを完了すると、次に、ゲーム開始画面を表示部6に表示(ステップS1)して、遊技者5によるゲーム開始操作(操作部7に対して行われる所定の操作)の有無を判定する(ステップS2)。そして、ゲーム開始操作がなければそのまま待機する一方、ゲーム開始操作が行われた場合には、次に、ジャンケンゲーム画面を表示部6に表示(ステップS3)した後、遊技者5によるゲーム終了操作(操作部7に対して行われる所定の操作など)が行われるまでの間、後述の「ジャンケンゲーム処理」を継続して実行する(ステップS4)。
【0022】
図5は、ゲーム開始画面の一例を示す図である。この図において、ゲーム開始画面15は、たとえば、遊技者5の名前(遊技者名又はユーザ名或いはニックネーム等)を入力するためのテキストボックス16とゲーム開始ボタン17とを有している。テキストボックス16に遊技者名を入力した後、ゲーム開始ボタン17を操作することにより、図2のステップS2の判定結果が“YES”になって、ゲーム開始画面15の代わりに、次に説明するジャンケンゲーム画面が表示部6に表示されるようになっている。
【0023】
図6は、ジャンケンゲーム画面の一例を示す図である。この図において、ジャンケンゲーム画面18は、たとえば、ジャンケンのグーの絵柄を模したグー画像19と、ジャンケンのチョキの絵柄を模したチョキ画像20と、ジャンケンのパーの絵柄を模したパー画像21と、それらの三つの画像の下に各々配置されたグー選択用オプションボタン22、チョキ選択用オプションボタン23及びパー選択用オプションボタン24と、ジャンケンゲーム実行用のポンボタン25と、成績表示用のテキストボックス26と、ゲーム終了ボタン27とを有している。なお、ポンボタン25の“ポン”とは、ジャンケン遊技の手出しのタイミングを合わせるためのかけ声(ジャンケン・ポン)に由来する。
【0024】
ここで、三つのオプションボタン(グー選択用オプションボタン22、チョキ選択用オプションボタン23及びパー選択用オプションボタン24)は、択一的選択(いずれか一つだけの選択)が可能なオプションボタングループであり、たとえば、図示のように、グー選択用オプションボタン22が選択状態(中心黒丸で選択状態を表している。)にあるときには、他のオプションボタンが必ず非選択状態になっている。
【0025】
三つのオプションボタン(グー選択用オプションボタン22、チョキ選択用オプションボタン23及びパー選択用オプションボタン24)の選択情報、つまり、遊技者5によって選択された手の情報(グー、チョキ、パーいずれかの選択情報)は、遊技者5のポンボタン25の操作に応答して、後述のジャンケンゲーム処理に引き渡され、そのジャンケンゲーム処理によって得られた勝敗結果(勝率)が、たとえば、“何勝何敗何分”という書式に整えられてテキストボックス26に表示される。ジャンケンゲームを引き続き行う場合は、以上の手順を繰り返せばよく、あるいは、ゲームを終了する場合はゲーム終了ボタン27を操作すればよい。
【0026】
図7及び図8は、ジャンケンゲーム処理のフローを示す図である。このジャンケンゲーム処理では、最初にゲーム終了ボタン27が操作されたか否かを判定し(ステップS11)、操作されていればフローを抜けて図2の“END”に至り、操作されていなければ、自分の手の決定処理(ステップS12)を実行する。ここで、“自分”とは、遊技者5の対戦相手(ジャンケンゲーム装置1)を指す言葉である。
【0027】
自分の手の決定処理(ステップS12)、すなわち、ジャンケンゲーム装置1の手の決定処理では、まず、初回(1回目)の対戦であるか否かを判定する(ステップS13)。そして、1回目の対戦であれば自分の手を自由に決定し(ステップS14)、2回目以降の対戦であれば統計表13に基づき、過去の統計(1回目から先回までの対戦結果の統計)から自分の手を決定する(ステップS15)。
【0028】
ここで、ステップS14で自分の手を自由に決定する際には、たとえば、“0”〜“2”までの乱数を発生し、その乱数の発生値に従って自分の手を決定してもよい(例:“0”→グー、“1”→パー、“2”→チョキ)。また、ステップS15で「統計表に基づいて自分の手を決定する」という処理は、本実施形態のポイントとなる事項を含むものであり、その詳細については、後で詳しく説明することにする。
【0029】
自分の手の決定処理(ステップS12)を完了すると、次に、自分の手と遊技者5の手(ジャンケンゲーム画面18の三つのオプションボタン22〜24の選択情報)とを比較して所定のルール(グーに対してパーの勝ち、パーに対してチョキの勝ち、チョキに対してグーの勝ち、同手は引き分け)でジャンケンを実行し(ステップS16)、その結果を対戦表14に記録(ステップS17)した後、統計表の更新処理(ステップS18)を実行する。
【0030】
ステップS17における対戦表14への記録は、現在までの対戦回数(ゲーム実行回数)と、今回の遊技者5の手(グー・チョキ・パー)と、今回の遊技者5の勝敗結果(勝ち・負け・引き分け)と、現在までの勝率(勝ち数、負け数、引き分け数)とを書き込むというものである。また、ステップS17における統計表の更新処理は、対戦表14の前回の遊技者5の勝敗結果を参照(ステップS19)して統計表13の1列目〜3列目のいずれかを選択(ステップS20〜ステップS22)すると共に、対戦表14の前回と今回の遊技者5の手を比較し(ステップS23)、その比較結果に基づいて、統計表13の選択列の一つの行(1行目〜3行目のいずれか)の値を更新(+1)する(ステップS24〜ステップS26)というものである。
【0031】
統計表の更新処理(ステップS18)について詳しく説明する。まず、ステップS19で、対戦表14の前回の遊技者5の勝敗を参照したところ、「遊技者の勝ち」であった場合はステップS20で統計表13の1列目を選択し、「遊技者の負け」であった場合はステップS21で統計表13の2列目を選択し、「引き分け」であった場合はステップS22で統計表13の3列目を選択する。次に、ステップS23で、対戦表14の前回と今回の遊技者5の手を比較したところ、「前回の手=今回の手」(つまり、遊技者5の前回と今回の手が同じ)であった場合は、ステップS24で統計表13の選択列の1行目の値を+1し、「前回の手<今回の手」(つまり、遊技者5の前回の手に対して今回の手が勝ち:0と2の比較では0>2とする。サイクリックルール)であった場合は、ステップS25で統計表13の選択列の2行目の値を+1し、「前回の手>今回の手」(つまり、遊技者5の前回の手に対して今回の手が負けの手)であった場合は、ステップS26で統計表13の選択列の3行目の値を+1する。
【0032】
図9及び図10は、統計表に基づいて自分の手を決定する処理(ステップS15)のフローを示す図である。この処理では、まず、対戦表14の前回の遊技者5の勝敗結果を参照(ステップS27)して統計表13の1列目〜3列目のいずれかを選択(ステップS28〜ステップS30)する。具体的には、対戦表14の前回の遊技者5の勝敗を参照したところ、「遊技者の勝ち」であった場合は、ステップS28で統計表13の1列目を選択し、「遊技者の負け」であった場合は、ステップS29で統計表13の2列目を選択し、「引き分け」であった場合は、ステップS30で統計表13の3列目を選択する。
【0033】
次いで、統計表11の選択列の各行(1行目〜3行目)の値を比較し(ステップS31)、その比較結果ごとに、以下の条件に従って自分の手を決定する。
【0034】
<第1条件:1行目の値が最大である場合>・・・・(ステップS33)
既述のとおり、統計表13の1行目は、遊技者5の手の出し方が「前回と同じ手を出す」というパターンの頻度格納用である。したがって、このパターンの頻度が最大であるということは、遊技者5は前回の手と同じを出す可能性が高いと予測されるから、それに勝つ手を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定する。たとえば、遊技者5の前回の手がグーであると仮定すれば、上記のパターン(「前回と同じ手を出す」)より、遊技者5は同じくグーを出す可能性が高いので、それ(グー)に勝つ手、つまり、パーを自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定すればよい。遊技者5が上記のパターン(「前回と同じ手を出す」)を踏襲する限り、自分(ジャンケンゲーム装置1)の手(パー)が負けることはない。
【0035】
<第2条件:2行目の値が最大である場合>・・・・(ステップS34)
既述のとおり、統計表13の2行目は、遊技者5の手の出し方が「前回の自己の手に勝つ手を出す」というパターンの頻度格納用である。したがって、このパターンの頻度が最大であるということは、遊技者5は前回の自己の手に勝つ手を出す可能性が高いと予測されるから、それに勝つ手を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定する。たとえば、遊技者5の前回の手がグーであると仮定すれば、上記のパターン(「前回の自己の手に勝つ手を出す」)より、遊技者5はグーに勝つパーを出す可能性が高いので、それ(パー)に勝つ手、つまり、チョキを自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定すればよい。遊技者5が上記のパターン(「前回の自己の手に勝つ手を出す」)を踏襲する限り、自分(ジャンケンゲーム装置1)の手(チョキ)が負けることはない。
【0036】
<第3条件:3行目の値が最大である場合>・・・・(ステップS35)
既述のとおり、統計表13の3行目は、遊技者5の手の出し方が「前回の自己の手に負ける手を出す」というパターンの頻度格納用である。したがって、このパターンの頻度が最大であるということは、遊技者5は前回の自己の手に負ける手を出す可能性が高いと予測されるから、それに勝つ手を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定する。たとえば、遊技者5の前回の手がグーであると仮定すれば、上記のパターン(「前回の自己の手に負ける手を出す」)より、遊技者5はグーに負けるチョキを出す可能性が高いので、それ(チョキ)に勝つ手、つまり、グーを自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定すればよい。遊技者5が上記のパターン(「前回の自己の手に負ける手を出す」)を踏襲する限り、自分(ジャンケンゲーム装置1)の手(グー)が負けることはない。
【0037】
<第4条件:三つの行の値が同じである場合>・・・・(ステップS32)
この場合は、統計表13の各行のいずれのパターンも当てはまらないから、事実上、予測は不可能である。したがって、この場合は、例外として自分の手を自由に決定することになる。それには、たとえば、初回のとき(ステップS14)と同様に乱数を用いるなどして自分の手を自由に決定してもよい。ちなみに、この場合の勝敗は、初回と同様に予測がつかず、自分(ジャンケンゲーム装置1)の手が勝つこともあれば、負けることもあり、又は引き分けになることもある。
【0038】
<第5条件:二つの行の値が最大である場合>・・・・(ステップS36)
この場合は、統計表13の各行のうち二つの行のパターンが当てはまることになる。したがって、それら二つのパターンから割り出された二つの手のうちいずれか一方の手(たとえば、強い方の手)を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定する。このように自分の手を決定すると、少なくとも、上記の第4条件(「三つの行の値が同じである場合」)よりも高い確率で遊技者5に勝つことができる。
【0039】
そのことについて説明する。今、便宜的に、1行目と2行目の値が最大であり、且つ、それら二つの行のパターンから割り出された二つの手のうち“強い方の手”を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定するものとする。
【0040】
さて、統計表13の1行目は、遊技者5の手の出し方が「前回と同じ手を出す」というパターンの頻度格納用である。したがって、このパターンの頻度が最大であるということは、遊技者5は前回の手と同じを出す可能性が高いと予測されるから、たとえば、遊技者5の前回の手がグーであると仮定すれば、上記のパターン(「前回と同じ手を出す」)より、遊技者5は同じくグーを出す可能性が高い。これを遊技者5の出す手の第1候補とする。
【0041】
同様に、統計表13の2行目は、遊技者5の手の出し方が「前回の自己の手に勝つ手を出す」というパターンの頻度格納用である。したがって、このパターンの頻度が最大であるということは、遊技者5は前回の自己の手に勝つ手を出す可能性が高いと予測されるから、たとえば、遊技者5の前回の手がグーであると仮定すれば、上記のパターン(「前回の自己の手に勝つ手を出す」)より、遊技者5はグーに勝つパーを出す可能性が高い。これを遊技者5の出す手の第2候補とする。
【0042】
そして、これらの第1及び第2候補の手を比較すると、第1候補の手(グー)に対して第2候補の手(パー)が強い手であるから、最終的に第2候補の手(パー)を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として最終決定する。
【0043】
しかして、統計表13の1行目と2行目の値が最大であるということは、それら二つの行のパターン(「前回と同じ手を出す」と「前回の自己の手に勝つ手を出す」)の出現頻度が同等であるということであり、換言すれば、遊技者5が統計表13の2行目のパターン(「前回の自己の手に勝つ手を出す」)に従って自己の手を決定する可能性が半々の確率であるといえるから、上記のとおり、二つの行のパターンから割り出された二つの手のうち“強い方の手”を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定するようにすれば、非常に高い確率で遊技者5に勝つことができる。
【0044】
以上説明したとおり、本実施形態では、ジャンケンゲームの進行に伴い、遊技者5の過去の手と勝敗結果を記録して、その記録情報から遊技者5の手の出し方の傾向(パターン)を統計的に把握し、そのパターンに基づいて自分(ジャンケンゲーム装置1)の手を決定するようにしたから、冒頭で説明した従来技術のように、単に「図柄選択手段104」でランダムに自分の手を選択するものに比べて、より強い手を自分(ジャンケンゲーム装置1)の手として決定できるようになる。その結果、遊技者5はなかなかジャンケンゲーム装置1に勝つことができなくなり、それだけ、遊技者5のゲームに対する挑戦欲をかき立てて、飽きの来ない知的なジャンケンゲーム装置1を提供することができるという特有の効果を奏することができる。
【0045】
また、遊技者5の手の出し方の傾向(パターン)は、統計表13の統計量が多くなるほど確実に把握できるようになるが、前記の第1条件〜第5条件を区別できる程度であれば、たとえば、数回〜数十回程度の対戦回数に相当する少ない統計量の蓄積で十二分に信頼性のある傾向(パターン)の把握が可能であり、数回〜数十回程度の短い対戦段階で自分(ジャンケンゲーム装置1)の手を強くすることができる。したがって、長期の学習時間(統計データの収集時間)を要しないというメリットも得られる。
【0046】
なお、以上の説明では、図1に示すようなユーザインターフェース部2と、ゲーム制御部3と、ゲーム情報記憶部4とを含むジャンケンゲーム装置1を例にしたが、これに限定されることはなく、たとえば、ネットワークを利用したジャンケンゲームシステムに応用することもできる。ネットワークを利用したジャンケンゲームシステムに応用する場合には、たとえば、インターネット等のネットワーク上のサーバマシンにゲーム制御部3やゲーム情報記憶部4の機能を実装すると共に、遊技者5の手元にあるパーソナルコンピュータ等のネットワーク端末を上記ネットワークを介して前記のサーバマシンに接続できるようにし、且つ、そのネットワーク端末の表示部に前記のゲーム開始画面15やジャンケンゲーム画面18を表示させると共に、当該ネットワーク端末のキーボードやマウス等を図1のユーザインターフェース部2として利用すればよい。
【0047】
又は、少なくとも、グー・チョキ・パーの形をとることが可能な手部と、人間の視覚に相当する撮像部と、撮像部からの画像情報を処理して対戦相手(遊技者5)の手(グー・チョキ・パー)を判別すると共に、その判別結果に基づいて、前記のジャンケンゲーム処理(図7〜図10参照)を実行する制御部とを有する人型ロボットのゲーム装置に適用することも可能である。この場合、ロボットの手部や撮像部は図1のユーザインターフェース部2に相当し、制御部は図1のゲーム制御部3及びゲーム情報記憶部4に相当する。
【0048】
又は、ジャンケンゲームの途中で、自分(ジャンケンゲーム装置1)の手(必ず勝つ手である。)を紙などに出力(プリントアウト)し、その紙を封筒に入れるなどして遊技者5に見えないようにしておくと面白い。ジャンケンの勝敗が決した後で改めて封筒の中から紙を取り出して遊技者5に見せると、まるで、未来を見通していたかの如き結果になるので、遊技者5に大きな衝撃を与えることができ、より一層、ゲームに熱中させることができる。
【0049】
最後に、本実施形態の主要な機能は、マイクロコンピュータを含むハードウェア資産と、オペレーティングシステムや各種制御プログラムなどのソフトウェア資産との有機的結合によって機能的に実現されるものであるが、ハードウェア資産およびオペレーティングシステムは汎用のものを利用できるから、本実施形態にとって欠くことのできない必須の事項は、実質的に、図2、図7、図8、図9、図10の各プログラム、並びに、図3の統計表13や図4の対戦表14に集約されているということができる。したがって、本件発明の要素は、それらのプログラム及び統計表13や対戦表14に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態に係るジャンケンゲーム装置の概念ブロック図である。
【図2】ゲーム制御部3で実行される制御プログラムのフローを示す図である。
【図3】ゲーム情報記憶部4の統計表記憶部11に記憶される統計表13の構造図である。
【図4】ゲーム情報記憶部4の対戦表記憶部12に記憶される対戦表14の構造図である。
【図5】ゲーム開始画面の一例を示す図である。
【図6】ジャンケンゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】ジャンケンゲーム処理のフローを示す図(1/2)である。
【図8】ジャンケンゲーム処理のフローを示す図(2/2)である。
【図9】統計表に基づいて自分の手を決定する処理(ステップS15)のフローを示す図(1/2)である。
【図10】統計表に基づいて自分の手を決定する処理(ステップS15)のフローを示す図(2/2)である。
【符号の説明】
【0051】
1 ジャンケンゲーム装置
2 ユーザインターフェース部
3 ゲーム制御部(決定手段)
4 ゲーム情報記憶部(記録手段)
5 遊技者
18 ジャンケンゲーム画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対してジャンケンゲーム画面を表示すると共に当該遊技者によるジャンケンゲームの操作入力を受け取るユーザインターフェース部と、
前記操作入力に応答してジャンケン判定と傾向分析・統計量決定と統計量に基づいて次回の手を決定することによりジャンケンゲームの制御を実行しそのゲーム結果を前記ユーザインターフェース部を介して前記遊技者に提供するゲーム制御部と、
前記ジャンケンゲームの進行に伴い前記遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて前記遊技者の手に対抗する次回の手を前記遊技者が入力する前に決定する決定手段と
を備えたことを特徴とするジャンケンゲーム装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回と同じ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に勝つ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手にさらに勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に負ける手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の自己の手に負ける手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つが同等である場合に、乱数で求めた手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つの内どれか二つが同等である場合に、遊技者が次に出す手の二つのうち強い方の手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項1記載のジャンケンゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、
遊技者に対してジャンケンゲーム画面を表示すると共に当該遊技者によるジャンケンゲームの操作入力を受け取るユーザインターフェース部と、
前記操作入力に応答してジャンケン判定と傾向分析・統計量決定と統計量に基づいて次回の手を決定することによりジャンケンゲームの制御を実行しそのゲーム結果を前記ユーザインターフェース部を介して前記遊技者に提供するゲーム制御部と、
前記ジャンケンゲームの進行に伴い前記遊技者の前回又は今回の手と勝敗結果と対戦回数と勝率と傾向分析に基づく統計量を記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された情報から遊技者の手の出し方の傾向を把握してその傾向に基づいて前記遊技者の手に対抗する手を決定する決定手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項8】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回と同じ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に勝つ手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の手に勝つ手にさらに勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項10】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が前回の自己の手に負ける手を出す傾向である場合に、遊技者の前回の自己の手に負ける手に勝つ手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項11】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つが同等である場合に、乱数で求めた手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項12】
前記決定手段は、前記遊技者の手の出し方の傾向が、前回の自己の手と同じ手を出す傾向と前回の自己の手に勝つ手を出す傾向と前回の自己の手に負ける手を出す傾向の三つの内どれか二つが同等である場合に、遊技者が次に出す手の二つのうち強い方の手を前記遊技者の手に対抗する手として決定することを特徴とする請求項7記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−279033(P2008−279033A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125328(P2007−125328)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(593171592)学校法人玉川学園 (38)
【Fターム(参考)】