説明

ジャーナル情報管理システム、自動取引装置、管理装置及びそのプログラム

【課題】通信負荷の増大を抑制しつつ、一元管理するジャーナル情報の利用性を向上させる。
【解決手段】ジャーナル情報管理システムは、複数の自動取引装置と、管理装置とを備える。自動取引装置は、ジャーナル情報を記憶する記憶部と、抽出条件を外部から受信する抽出条件取得部と、所定の事象が生じた場合に、記憶するジャーナル情報のうちから、受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、管理装置に送信するジャーナル情報提供部とを備える。管理装置は、自動取引装置から前記ジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得部と、受信したジャーナル情報を記憶する記憶部と、所定の検索条件を受け付けて、記憶するジャーナル情報のうちから、検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索部と、検索部の検索結果を表示用に出力する出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置における取引に関するジャーナル情報の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(Automated teller machine)などの自動取引装置では、取引に関するジャーナル情報を紙媒体に印字するだけでなく、電子的に記録し、管理している。近年では、複数の自動取引装置のジャーナル情報を、ネットワークを介して収集し、一元管理するジャーナル情報管理システムが導入されている。こうして管理されるジャーナル情報は、例えば、自動取引装置にトラブルが発生した場合に、その原因を究明する調査に用いられる。
【0003】
こうしたジャーナル情報管理システムでは、ジャーナル情報を収集するための種々の技術が開発されている。例えば、下記特許文献1では、ジャーナルデータが発生するたびに、自動取引装置がジャーナル情報をジャーナル管理サーバへ送信する技術が開示されている。かかる技術によれば、常に最新のジャーナル情報を管理することができる。また、下記特許文献2では、自動取引装置で取引不能となる要因が発生した場合に限り、要因情報をサーバへ送信する技術が記載されている。かかる技術によれば、通信負荷の増大を抑制することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ジャーナルデータが発生するたびに通信を発生させるため、このようなジャーナル情報の通信が多数発生すると、通信負荷が増大して、自動取引装置の取引のための通信が阻害されるおそれがあった。また、特許文献2の技術では、要因情報だけでは、発生したトラブルへの対処方法が判断できない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−84345号公報
【特許文献2】特開2001−331848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の問題の少なくとも一部を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、通信負荷の増大を抑制しつつ、一元管理するジャーナル情報の利用性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]複数の自動取引装置と、該自動取引装置と通信可能に接続され、該自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を管理する管理装置とを備えたジャーナル情報管理システムであって、
前記自動取引装置の各々は、
前記ジャーナル情報を記憶する記憶部と、
抽出条件を外部から受信する抽出条件取得部と、
所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記管理装置に送信するジャーナル情報提供部と
を備え、
前記管理装置は、
前記自動取引装置から前記ジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得部と、
前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶部と、
所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索部と、
前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力部と
を備えた
ジャーナル情報管理システム。
【0009】
かかる構成のジャーナル情報管理システムにおいて、自動取引装置は、所定の事象が発生した場合に、外部から受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、管理装置に送信する。管理装置は、受信したジャーナル情報を記憶し、受け付けた検索条件に合致するジャーナル情報を検索して、表示用に出力する。したがって、自動取引装置のジャーナル情報を管理装置で一元管理し、所望の検索条件に応じた閲覧に供することができる。しかも、自動取引装置は、抽出条件に合致するジャーナル情報のみを管理装置に送信するので、管理装置は、必要なジャーナル情報だけを絞り込んで収集することができる。その結果、取引ごとにジャーナル情報を収集する場合など、全てのジャーナル情報を送信する場合と比べて、通信負荷の増大を抑制することができる。しかも、抽出条件を用いることによって、発生する事象に適した内容のジャーナル情報を収集することができる。さらに、自動取引装置は、所定の事象の発生を契機として、ジャーナル情報を管理装置に送信するので、管理装置では、ジャーナル情報を用いて行う調査に必要なジャーナル情報が常に最新の状態で記憶される。その結果、管理装置は、受け付けた検索条件に応じて、即時に最新の状態のジャーナル情報を出力することができ、ユーザのジャーナル情報の利用性を向上させることができる。さらに、抽出条件は、通信手段によって各々の自動取引装置に送信されるので、抽出条件が変更された場合でも、容易にその変更を自動取引装置に反映することができる。
【0010】
[適用例2]適用例1記載のジャーナル情報管理システムであって、前記自動取引装置は、更に、前記所定の事象が発生したことを前記管理装置に通知する通知部を備え、前記管理装置は、前記抽出条件を更に記憶しており、前記自動取引装置から前記通知を受け取った場合に、前記記憶した抽出条件を、該通知を受け取った自動取引装置に送信する抽出条件提供部を更に備えたジャーナル情報管理システム。
【0011】
かかる構成のジャーナル情報管理システムにおいて、自動取引装置は、所定の事象の発生を契機として、管理装置から抽出条件を受け取る。したがって、常に、最新の抽出条件に基づいて切り出されたジャーナル情報を管理装置が受信することができ、ジャーナル情報の利用性が向上する。しかも、管理装置は、所定の事象が発生した自動取引装置のみに抽出条件を送信するので、全ての自動取引装置に送信する場合と比べて、通信負荷を低減することができる。
【0012】
[適用例3]適用例1記載のジャーナル情報管理システムであって、前記管理装置は、前記抽出条件を更に記憶しており、所定の期間ごとに、前記記憶する抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件送信部を更に備えたジャーナル情報管理システム。
【0013】
かかる構成のジャーナル情報管理システムにおいて、管理装置は、所定の期間ごとに抽出条件を自動取引装置に送信するので、抽出条件が変更されても、好適に自動取引装置に反映させることができる。なお、ここでの期間とは、時間よりも広い概念であり、不定期に行われる動作が発生する期間を含む。
【0014】
[適用例4]適用例2または適用例3記載のジャーナル情報管理システムであって、前記管理装置は、更に、前記記憶されたジャーナル情報の検索履歴を記憶する検索履歴記憶部と、前記記憶する検索履歴に応じて、前記記憶する抽出条件を修正する抽出条件修正部とを備えたジャーナル情報管理システム。
【0015】
かかる構成のジャーナル情報管理システムにおいて、管理装置は、検索履歴に応じて抽出条件を修正するので、ユーザのジャーナル情報の閲覧状況を抽出条件に反映させることができ、抽出条件の有効な調査を行うための抽出精度を向上させることができる。したがって、ジャーナル情報の収集を効果的、効率的に行うことができる。
【0016】
[適用例5]適用例4記載のジャーナル情報管理システムであって、前記管理装置は、更に、前記出力部に出力された検索結果に対応する検索履歴を前記抽出条件修正部の抽出条件の修正の基礎となる検索履歴として扱うことの指示を受け付ける第1の受付部を備え、前記抽出条件修正部は、前記第1の受付部が前記指示を受け付けた検索履歴のみに応じて、前記抽出条件の修正を行うジャーナル情報管理システム。
【0017】
かかる構成のジャーナル情報管理システムは、抽出条件の修正の基礎となる検索履歴として扱うことの指示を受け付けた検索履歴のみに応じて、抽出条件の修正を行うので、より柔軟な運用を行うことができる。例えば、ジャーナル情報を閲覧して行う調査において、入力した検索条件に基づいて表示されたジャーナル情報が実際に役に立った場合にのみ、検索履歴を抽出条件の修正に反映させることができ、抽出条件の有効な調査を行うための抽出精度をさらに向上させることができる。
【0018】
[適用例6]適用例4または適用例5記載のジャーナル情報管理システムであって、前記管理装置は、更に、前記抽出条件の追加を受け付ける第2の受付部を備え、前記抽出条件修正部は、前記受け付けた抽出条件を前記記憶する抽出条件に追加するジャーナル情報管理システム。
【0019】
かかる構成のジャーナル情報管理システムは、抽出条件を新たに追加することができるので、より柔軟な運用を行うことができる。例えば、ユーザが閲覧したジャーナル情報が調査に有効であると判断した場合、当該閲覧時の検索履歴のみに基づいて、抽出条件を即座に修正して、その後に行われるジャーナル情報の閲覧に反映させることができる。
【0020】
[適用例7]適用例2記載のジャーナル情報管理システムであって、前記自動取引装置は、前記通知部が、前記所定の事象が発生したことと共に、該事象の内容を示す識別子を通知し、前記管理装置は、前記抽出条件を前記識別子と対応付けて記憶し、前記抽出条件提供部が、前記受け取った通知に含まれる前記識別子に対応する前記抽出条件のみを前記自動取引装置に送信するジャーナル情報管理システム。
【0021】
かかる構成のジャーナル情報管理システムにおいて、自動取引装置は、事象の内容を示す識別子を管理装置に通知し、管理装置は、受け取った識別子に対応する抽出条件のみを自動取引装置に送信する。したがって、所定の事象に対応する各々の抽出条件を全て送信する必要がないので、送信する抽出条件のデータ量を低減することができる。その結果、通信負荷を低減することができる。
【0022】
また、本発明は、適用例8の自動取引装置、適用例9の管理装置としても実現することができる。
[適用例8]自動取引装置であって、前記自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を記憶する記憶部と、通信手段によって外部から抽出条件を受信する抽出条件取得部と、所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記ジャーナル情報を管理する管理装置に送信するジャーナル情報提供部とを備えた自動取引装置。
【0023】
[適用例9]複数の自動取引装置と通信可能に接続され、該自動取引装置に関するジャーナル情報を管理する管理装置であって、前記自動取引装置がジャーナル情報を抽出するための抽出条件を設定して記憶する記憶部と、前記記憶する抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件提供部と、前記自動取引装置が前記抽出条件を受信して、該抽出条件に合致する前記ジャーナル情報として切り出して送信したジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得部と、前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶部と、所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索部と、前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力部とを備えた管理装置。
【0024】
また、本発明は、適用例10または適用例11のプログラム、当該プログラムを記録した記憶媒体としても実現することができる。
[適用例10]自動取引装置がジャーナル情報を送信するためのプログラムであって、前記自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を記憶する記憶機能と、通信手段によって外部から抽出条件を受信する抽出条件取得機能と、所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記管理装置に送信するジャーナル情報提機能とをコンピュータに実現させるプログラム。
【0025】
[適用例11]複数の自動取引装置に関するジャーナル情報を、該自動取引装置に通信可能に接続された管理装置で管理するためのプログラムであって、前記自動取引装置がジャーナル情報を抽出するための抽出条件を設定して記憶する記憶機能と、前記設定した抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件提供機能と、前記自動取引装置が前記抽出条件を受信して、該抽出条件に合致する前記ジャーナル情報として切り出して送信したジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得機能と、前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶機能と、所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索機能と、前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力機能とをコンピュータに実現させるプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ジャーナル情報管理システム20の概略構成を示す説明図である。
【図2】ATM100の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】事象情報テーブル141の具体例を示す説明図である。
【図4】管理装置400の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図5】抽出条件テーブル472の具体例を示す説明図である。
【図6】ジャーナル情報テーブル473の具体例を示す説明図である。
【図7】検索履歴テーブル474の具体例を示す説明図である。
【図8】閲覧端末500の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】ジャーナル情報収集処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】ジャーナル情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2実施例としてのジャーナル情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3実施例としてのジャーナル情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例について説明する。
A.第1実施例:
A−1.ネットワーク構成:
本発明の実施例としてのジャーナル情報管理システム20の概略構成を図1に示す。本実施例におけるジャーナル情報管理システム20は、金融機関の各支店や店外に設置された複数のATMの取引に関するジャーナル情報をセンターで一括管理するネットワークシステムである。図示するように、ジャーナル情報管理システム20は、ATM100,200,300と、管理装置400と、閲覧端末500とを備えている。ATM100は、金融機関の店外に設置されたATMである。ATM200,300は、金融機関の支店B1,B2にそれぞれ設置されたATMである。なお、支店B1,B2には、他にもATMが設置されているが、図示を省略している。ATMは、周知の通り、金融機関等に設置され、顧客の操作によって現金の入金、出金、振り込み等の取引を行う装置である。これらのATM100,200,300は、ルータ30,40,50を介して、ワイドエリアネットワークWANに接続されている。ここでのワイドエリアネットワークWANとは、専用回線や電話回線をいう。
【0028】
管理装置400と閲覧端末500とは、ローカルエリアネットワークLANを介して接続されている。このローカルエリアネットワークLANは、金融機関のセンターに構築されている。ローカルエリアネットワークLANは、ルータ60を介してワイドエリアネットワークWANに接続されている。管理装置400は、ATM100,200,300のジャーナル情報を、ワイドエリアネットワークWANを介して収集して記憶、管理し、閲覧端末500の求めに応じて、記憶するジャーナル情報を閲覧端末500に提供する管理サーバである。閲覧端末500は、管理装置400から所望のジャーナル情報を取得して表示させるためのプログラムがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータである。また、ローカルエリアネットワークLANには、ATM100,200,300での預入取引、引出取引、振込取引等の勘定系取引で生じる預金高の増減などを管理する勘定系ホストサーバが接続されている(図示省略)。ATM100,200,300は、取引動作を実行するたびに、この勘定系ホストサーバと通信を行う。なお、ATM100,200,300、管理装置400及び閲覧端末500の接続形態は、特に限定するものではない。例えば、これらは、インターネット上にVPN(Virtual Private Network)を構築して接続されてもよい。
【0029】
本実施例では、ジャーナル情報管理システム20において、管理装置400は、ATM100,200,300に所定期間内に蓄積されたジャーナル情報を定期的に収集する。具体的には、管理装置400は、予め定めた時刻に、ATM100,200,300にジャーナル情報の送信要求を送信する。これに対して、ATM100,200,300は、所定期間(例えば1日間)内において取引のたびに記憶媒体に蓄積したジャーナル情報を管理装置400に送信する。管理装置400は、これを受信して、送信元のATMと対応付けて記憶する。このようなジャーナル情報の収集は、タイマなどを用いて、深夜や早朝など、ATM100,200,300の取引数が比較的少ない時間帯に行われる。ただし、ワイドエリアネットワークWANの通信負荷をモニタして、通信負荷が所定値以下となった場合に行ってもよい。このような時間帯にジャーナル情報を収集すれば、ジャーナル情報を収集するための通信負荷が増大することによって、ATM100,200,300の取引に係る勘定系ホストサーバとの通信を阻害し、円滑な取引に支障を与えることがないからである。なお、ジャーナル情報の収集は、上述した定期的な収集のほかに、後述するジャーナル情報収集処理によっても行われる。
【0030】
こうして管理装置400に記憶されたATM100,200,300のジャーナル情報は、閲覧端末500によって閲覧が可能である。ジャーナル情報管理システム20の監視オペレータは、閲覧端末500を用いてジャーナル情報を管理装置400から取得し、閲覧することで、ATM100,200,300のいずれかで発生したトラブルの原因究明等の調査を行うことができる。
【0031】
A−2.装置構成:
ジャーナル情報管理システム20を構成するATM100,200,300、管理装置400及び閲覧端末500の概略構成について説明する。なお、ATM100,200,300については、同一の構成であるから、これらを代表して、ATM100の構成として説明する。ATM100の機能ブロック図を図2に示す。図示するように、ATM100は、制御部110と記憶部140とを備えている。制御部110は、ATM100の動作全体を制御する制御ユニットであり、CPU、RAM、ROM等で構成される。制御部110は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することで、通信制御部121、操作機構部122、カード/明細票機構部123、通帳機構部124、紙幣入出金機構部125、硬貨入出金機構部126、音声案内ガイダンス部127、ジャーナル処理部130としても機能する。
【0032】
通信制御部121は、ワイドエリアネットワークWANを介した管理装置400との通信を制御する。操作機構部122は、操作機構(図示省略)を制御する。この操作機構は、画面表示、キー入力検知機能を有し、主にATM100の利用者が取引を行う際、取引操作の誘導画面を表示したり、暗証番号など利用者の操作や指で押されたキー入力を受付けたりする。なお、操作機構は、タッチパネル等により構成された入力兼表示機構として構成することが望ましい。
【0033】
カード/明細票機構部123は、カード/明細票機構(図示省略)を制御する。このカード/明細票機構は、利用者のカードの挿入または排出動作、カードの磁気ストライプやICチップへのリードまたはライト動作、カードエンボス部分のイメージの読み取りなどを行う。また、カード/明細票機構は、取引した内容を印字部により明細票に印字し、装置内から排出する機構を含む。通帳機構部124は、通帳機構(図示省略)を制御する。この通帳機構は、利用者の通帳の挿入または排出動作、磁気ストライプのリードまたはライト動作、通帳への印字部による印字などを行う。
【0034】
紙幣入出金機構部125、硬貨入出金機構部126は、紙幣入出金機構(図示省略)、硬貨入出金機構(図示省略)をそれぞれ制御する。この紙幣入出金機構、硬貨入出金機構は、現金の入金や出金、現金の鑑別や搬送、収納などを行う。音声案内ガイダンス部127は、音声案内ガイダンス機構(図示省略)を制御する。この音声案内ガイダンス機構は、取引時に利用者に対し音声により操作方法の案内を行う。
【0035】
ジャーナル処理部130は、ATM100のジャーナル情報を電子的に記録して、管理する機能や、記憶したジャーナル情報をモニタ(図示省略)に表示する機能を有する。また、ジャーナル処理部130は、抽出条件取得部131、ジャーナル情報提供部132、通知部133としても機能する。これらの機能については、後述する。
【0036】
記憶部140は、不揮発性の記憶媒体であり、本実施例では、ハードディスクドライブである。ただし、記憶媒体の種類は、特に制限するものではない。この記憶部140には、事象情報テーブル141とジャーナル情報テーブル142とが記憶されている。事象情報テーブル141には、ATM100で生じる可能性のある事象の内容と、当該内容の各々に一意に割り当てた識別子である事象IDとが対応付けられている。事象情報テーブル141に記憶される事象は、ジャーナル情報を用いた調査を要する事象として予め定められたものである。調査を要する事象としては、取引の成立が明確に確認できない事象や、ATM100の内部的要因によって取引が不成立となった事象などを含む。図3に、事象情報テーブル471の具体例を示す。図示するように、この例では、事象「元帳更新不明」、「紙幣入出金障害」、「硬貨入出金障害」などが事象ID「1」〜「3」と対応付けられている。
【0037】
ジャーナル情報テーブル142には、ATM100における取引履歴や、その他運用履歴に関する情報などを含むジャーナル情報が記憶されている。取引履歴とは、例えば、取引があった口座、取引日時、取引の種別、取引内容などである。取引内容とは、例えば、出金取引であれば出金額、本人確認の成否などの情報、本人の顔カメラ画像、カード面のイメージ画像などである。運用履歴とは、例えば、ATM100の起動、開局、モード変更など、各種の動作ログである。以下、ジャーナル情報を構成する各々の情報を情報要素ともいう。
【0038】
管理装置400の機能ブロック図を図4に示す。図示するように、管理装置400は、制御部410と記憶部470とを備えている。制御部410は、管理装置400の動作全体を制御する制御ユニットであり、CPU、RAM、ROM等で構成される。制御部410は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することで、ジャーナル管理部420、入力操作部430、表示部440、通信制御部450としても機能する。ジャーナル管理部420は、ATM100,200,300のジャーナル情報を収集して一元管理する。このジャーナル管理部420は、抽出条件提供部421、ジャーナル情報取得部422、検索部423、抽出条件修正部424、出力部425、第1受付部426、第2受付部427としての機能を含んでいる。これらの機能については後述する。なお、第1受付部426,第2受付部427は、後述する第2または第3実施例としての機能である。
【0039】
入力操作部430は、管理装置400が備えるマウス及びキーボード(図示省略)で構成される入力手段の入力を受け付ける。表示部は、管理装置400が備えるモニタ(図示省略)への出力を制御する。通信制御部450は、ローカルエリアネットワークLANやワイドエリアネットワークWANを介したATM100,200,300や閲覧端末500との通信を制御する。
【0040】
記憶部470は、不揮発性の記憶媒体であり、本実施例では、ハードディスクドライブである。この記憶部470には、事象情報テーブル471、抽出条件テーブル472、ジャーナル情報テーブル473、検索履歴テーブル474が記憶されている。事象情報テーブル471には、ATM100,200,300で生じる可能性のある事象の内容と、当該内容の各々に一意に割り当てた識別子である事象IDとが対応付けられている。この事象情報テーブル471は、ATM100,200,300が記憶する事象情報テーブル141と同一内容である。
【0041】
抽出条件テーブル472には、事象IDと抽出条件とが対応付けられている。抽出条件とは、後述するジャーナル情報収集処理において、ATM100,200,300が、自らが記憶するジャーナル情報のうちから所定のジャーナル情報を抽出して管理装置400に送信する際の抽出キーである。抽出条件テーブル472の具体例を図5に示す。図示するように、この例では、事象ID及び枝番と、抽出条件の要素としての障害有無と取引種別と障害箇所とエラーコードとが複数記憶されている。障害有無は、取引における障害の有無を示す。取引種別は、入金、出金等の取引の種別を示す。障害箇所は、障害が発生したATMの機構を示す。エラーコードは、取引での障害の内容に一意に割り当てられた識別子である。例えば、事象ID「0001」、枝番「001」の抽出条件は、抽出要素「取引種別」が「入金」であることであり、障害有無、障害箇所、エラーコードについては、その内容を問わない。なお、抽出条件の要素は、他の要素で構成してもよいし、障害の有無と、取引種別と、障害箇所とエラーコードのうちの少なくとも1つを含むものとして構成してもよい。
【0042】
ジャーナル情報テーブル473には、ATM100,200,300から収集したジャーナル情報が記憶されている。ジャーナル情報テーブル473に記憶されるジャーナル情報は、管理装置400が定期的に収集したもののほか、後述するジャーナル情報収集処理によって管理装置400が収集したジャーナル情報を含む。本実施例では、管理装置400は、ATM100,200,300に記憶されたジャーナル情報テーブル142のうちの取引履歴に関する情報のみを収集するものとし、運用履歴に関する情報は収集しないものとした。これは、管理装置400が記憶するジャーナル情報を、ATM100,200,300のトラブル等の調査に最低限必要な情報に限ることによって、通信負荷を低減させると共に、限りある記憶部470の記憶容量を有効活用するためである。ただし、管理装置400が記憶するジャーナル情報の内容は、適宜設定すればよく、例えば、ATM100,200,300のジャーナル情報テーブル142と同一内容のジャーナル情報を収集して、ジャーナル情報テーブル473に記憶してもよい。
【0043】
ジャーナル情報テーブル473の具体例を図6に示す。図示するように、この例では、ジャーナル情報として、装置、取引日時、障害有無、取引種別、障害箇所、エラーコードなどが対応付けて記憶されている。装置は、ATMを特定する情報である。取引日時は、当該ジャーナル情報に係る取引が実行された日時である。例えば、図示する1つ目のジャーナル情報は、ATM100において、2010年2月22日20時55分に、現金振り込みが障害なく実行されたことを示している。
【0044】
検索履歴テーブル474には、ジャーナル情報閲覧処理における検索履歴が記憶される。ジャーナル情報閲覧処理は、ATM100,200,300の監視オペレータが、閲覧端末500を用いて所定の検索条件を入力し、当該検索条件に合致するジャーナル情報を管理装置400から取得して、閲覧端末500のモニタに表示させて、閲覧する処理であり、その詳細については後述する。
【0045】
検索履歴テーブル474の具体例を図7に示す。図示するように、この例では、閲覧日時と、対象装置と、オペレータと、検索条件と、事象IDとが対応付けて記憶されている。閲覧日時は、閲覧端末500にてジャーナル情報の閲覧を実行した日時を示す。対象装置は、閲覧対象のATMを示す。オペレータは、閲覧を行ったオペレータ名を示しており、閲覧操作を行う際にオペレータが閲覧端末500で入力したユーザIDである。検索条件は、ジャーナル情報を検索するための検索キー情報であり、本実施例では、上述の抽出条件と対応させて、障害有無、取引種別、障害箇所、エラーコードによって構成される。この検索条件の内容は、オペレータがジャーナル情報の検索時に閲覧端末500で入力したものである。なお、検索条件の要素は、適宜設定すればよく、例えば、障害有無、取引種別、障害箇所、エラーコードのうちの少なくとも1つを含むものとすることができる。事象IDは、ジャーナル情報の調査の動機付けとなった事象を表す。この事象IDは、上述した事象情報テーブル471と同一の識別子である。当該事象IDは、オペレータがジャーナル情報の検索時に閲覧端末500で入力したものである。例えば、図示する1つ目の検索履歴は、オペレータ1が、事象ID「0001」が示す元帳更新不明を契機として、2010年2月23日の10時30分に、ATM100について、現金振り込みに関するジャーナル情報を検索して閲覧したことを示している。
【0046】
閲覧端末500の機能ブロック図を図8に示す。図示するように、閲覧端末500は、制御部510を備えている。制御部510は、閲覧端末500の動作全体を制御する制御ユニットであり、CPU、RAM、ROM等で構成される。制御部510は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することで、ジャーナル閲覧部520、入力操作部530、表示部540、通信制御部550としても機能する。ジャーナル閲覧部520は、管理装置400に対して、検索条件に合致するジャーナル情報を要求し、受信する制御を行う。入力操作部530は、閲覧端末500が備えるマウス及びキーボード(図示省略)で構成される入力手段の入力を受け付ける。表示部は、閲覧端末500が備えるモニタ(図示省略)への出力を制御する。通信制御部550は、ローカルエリアネットワークLANを介した閲覧端末500との通信を制御する。
【0047】
A−3.ジャーナル情報収集処理:
ジャーナル情報管理システム20におけるジャーナル情報収集処理について説明する。ジャーナル情報収集処理とは、ATM100,200,300における所定の事象の発生を契機として、管理装置400がATM100,200,300からジャーナル情報を収集する処理である。ジャーナル情報収集処理について、以下、ATM100と管理装置400との間で実行されるものとして説明する。ジャーナル情報収集処理の流れを図9に示す。図示するように、この処理が開始されると、ATM100の制御部110は、所定の事象の発生を待機する(ステップS611)。所定の事象とは、事象情報テーブル141に定義された事象である。
【0048】
そして、所定の事象の発生を検知すると(ステップS611:YES)、制御部110は、通知部133の処理として、ジャーナル情報収集要求を管理装置400に送信する(ステップS612)。このジャーナル情報収集要求は、ATM100において所定の事象が発生したことを管理装置400に通知するものである。ジャーナル情報収集要求の受信によって、管理装置400は、ジャーナル情報の収集動作を開始することとなる。本実施例では、制御部110は、送信するジャーナル情報収集要求に、発生した事象に対応する事象IDを含ませる構成とした。
【0049】
一方、管理装置400の制御部410は、ATM100が送信したジャーナル情報収集要求を受信すると、抽出条件テーブル472を参照して、ジャーナル情報収集要求に含まれる事象IDに対応する抽出条件を読み込む(ステップS621)。なお、この抽出条件テーブル472は、当初は、管理装置400のユーザが入力する所望の条件を、制御部410が受け付けて設定するものであるが、後述するジャーナル情報閲覧処理によって動的に修正される。そして、制御部410は、抽出条件提供部421の処理として、ジャーナル情報収集指示をATM100に送信する(ステップS622)。このジャーナル情報収集指示には、上記ステップS622で読み込んだ抽出条件が含まれる。例えば、ジャーナル情報収集要求に含まれる事象IDが、図3に示した「0001」であれば、制御部410は、図5に示した抽出条件テーブル472のうちから、事象ID「0001」かつ枝番「001」〜「004」の抽出条件を含ませたジャーナル情報収集指示を送信する。
【0050】
一方、ATM100の制御部110は、抽出条件取得部131の処理として、抽出条件を含むジャーナル情報収集指示を受信すると、ジャーナル情報提供部132の処理として、当該抽出条件に合致するジャーナル情報をジャーナル情報テーブル142から切り出し、管理装置400に送信する(ステップS613)。例えば、抽出条件が、上述した事象ID「0001」かつ枝番「001」〜「004」に対応するものであれば、制御部110は、この4つの抽出条件のいずれか1つに少なくとも合致する全てのジャーナル情報を送信する。ここで送信するジャーナル情報は、管理装置400に未送信のものに限られる。つまり、ジャーナル情報の過去の定期収集において送信していないものに限られる。なお、本実施例においては、ステップS613で送信するジャーナル情報は、ATM100が記憶するジャーナル情報を構成する各々の情報要素のうちの一部分の情報要素である。すなわち、上述の通り、送信するジャーナル情報は、取引履歴に係るものに限られ、運用履歴に係るものを含まない。ただし、全ての情報要素を送信する構成としてもかまわない。
【0051】
一方、管理装置400の制御部410は、ジャーナル情報取得部422の処理として、このジャーナル情報を受信すると、受信したジャーナル情報を図6に例示したようにジャーナル情報テーブル473に登録する(ステップS623)。ジャーナル情報を登録すると、制御部410は、ATM100に収集完了通知を送信する(ステップS624)。こうして、ジャーナル情報収集処理は終了となる。
【0052】
A−4.ジャーナル情報閲覧処理:
ジャーナル情報管理システム20におけるジャーナル情報閲覧処理について説明する。ジャーナル情報閲覧処理とは、管理装置400が定期的に、あるいは、上述したジャーナル情報収集処理によってATM100,200,300から収集したジャーナル情報を閲覧可能に表示する処理である。この処理は、本実施例では、管理装置400と閲覧端末500との間で実行される。ジャーナル情報閲覧処理の流れを図10に示す。この処理は、オペレータが、閲覧端末500を用いて所定のアプリケーションを起動させ、モニタに表示させたGUI(Graphical User Interface)と、入力手段とによって所定の検索条件を入力することで開始される。検索条件は、本実施例では、図7に示した障害有無、取引種別、障害箇所、エラーコードのうちの少なくとも1つの内容である。なお、入力する検索条件は2つ以上であってもよい。例えば、2つ以上の検索キーを論理和の検索条件として入力してもよい。この検索条件を入力するGUIは、オペレータが、自身のユーザID、検索対象装置、調査の契機となった事象IDを入力可能に構成されている。なお、GUIは、取引日時の範囲など、検索の対象を絞り込むための種々の情報を指定可能に構成されてもよい。
【0053】
図10に示すように、ジャーナル情報閲覧処理が開始されると、閲覧端末500の制御部510は、オペレータが入力したユーザID、対象装置、事象IDを含む検索条件を受け付ける(ステップS641)。検索条件を受け付けると、制御部510は、ジャーナル情報閲覧要求を管理装置400に送信する(ステップS642)。このジャーナル情報閲覧要求には、上記ステップS641で受け付けた検索条件が含まれる。
【0054】
一方、管理装置400の制御部410は、閲覧端末500が送信したジャーナル情報閲覧要求を受信すると、検索部423の処理として、ジャーナル情報テーブル473を参照して、ジャーナル情報閲覧要求に含まれる検索条件に合致するジャーナル情報を抽出する(ステップS651)。ジャーナル情報を抽出すると、制御部410は、受信した検索条件を、検索履歴として、検索履歴テーブル474に登録する(ステップS652)。なお、ここでは、制御部410は、図7に示したように、受信した検索キーとしての検索条件を、ユーザID、対象装置、事象IDと対応付けて登録する。
【0055】
検索履歴を登録すると、制御部410は、検索履歴テーブル474の検索履歴の集計を行う(ステップS653)。この処理は、検索履歴テーブル474に登録された検索履歴のうちから、閲覧日時が過去の所定期間内にある閲覧履歴のみを抽出し、事象IDと検索条件(ここでは、障害有無、取引種別、障害箇所、エラーコードの各々の内容)との組み合わせごとに、検索回数を集計する処理である。
【0056】
検索履歴を集計すると、制御部410は、抽出条件修正部424の処理として、集計した検索履歴に基づいて、抽出条件テーブル472を更新する(ステップS654)。本実施例においては、検索回数が閾値以上の事象IDと検索条件との組み合わせを、新たな抽出条件とする構成とした。すなわち、既に抽出条件テーブル472に記憶されていた抽出条件のうち、検索回数が閾値に満たない抽出条件は削除され、新たに閾値に達した抽出条件は、新たに登録される。なお、このように、事象ごとに抽出条件を更新する構成は、上述したように、検索履歴テーブル474において、事象IDと検索条件とを対応付けて記憶することによって実現される。また、ステップS654で用いる閾値は、事象IDごとに異なった値としてもよい。こうすれば、発生する事象の重要度や一般的に発生し得る頻度などを考慮して、より柔軟な運用を行うことができる。
【0057】
抽出条件テーブル472を更新すると、制御部410は、出力部425の処理として、上記ステップS651で抽出したジャーナル情報を閲覧端末500に送信する(ステップS655)。一方、閲覧端末500の制御部510は、管理装置400が送信したジャーナル情報を受信すると、受信したジャーナル情報を閲覧端末500が備えるモニタに表示させる(ステップS643)。表示されたジャーナル情報は、ATM100,200,300で発生した事象の原因究明調査などに用いられる。こうして、ジャーナル情報閲覧処理は終了となる。なお、抽出条件を更新するための構成は必須ではない。
【0058】
A−5.効果:
上述したジャーナル情報管理システム20において、管理装置400は、設定した抽出条件をATM100,200,300に送信する。ATM100,200,300は、所定の事象が発生した場合に、受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、管理装置400に送信する。管理装置400は、受信したジャーナル情報を記憶し、受け付けた検索条件に合致するジャーナル情報を検索して、表示用に出力する。したがって、ATM100,200,300のジャーナル情報を管理装置400で一元管理し、所望の検索条件に応じた閲覧に供することができる。しかも、ATM100,200,300は、管理装置400が設定した抽出条件に合致するジャーナル情報のみを管理装置400に送信するので、管理装置400は、ATM100,200,300の取引のための通信が比較的多い時間帯においては、必要なジャーナル情報だけを絞り込んで収集することができる。その結果、取引ごとにジャーナル情報を収集する場合など、全てのジャーナル情報を送信する場合と比べて、通信負荷の増大を抑制することができ、ジャーナル情報の収集のための通信が、取引のための通信に支障を与えることがない。しかも、管理装置400は、抽出条件の設定によって、発生する事象に適した内容のジャーナル情報を収集することができる。さらに、ATM100,200,300は、所定の事象の発生を契機として、ジャーナル情報を管理装置400に送信するので、管理装置400では、ジャーナル情報を用いて行う調査に必要なジャーナル情報が常に最新の状態で記憶される。その結果、管理装置400は、閲覧端末500を介して受け付けた検索条件に応じて、即時に最新の状態のジャーナル情報を出力することができ、ユーザのジャーナル情報の利用性を向上させることができる。さらに、抽出条件は、管理装置400から各々のATM100,200,300に送信されるので、抽出条件が変更された場合でも、容易にその変更をATM100,200,300に反映することができる。
【0059】
また、ジャーナル情報管理システム20において、ATM100,200,300は、所定の事象の発生を管理装置400に通知する。管理装置400は、この通知を受けて、抽出条件をATM100,200,300に送信する。つまり、ATM100,200,300は、所定の事象の発生を契機として、管理装置400から抽出条件を受け取る。したがって、常に最新の抽出条件に基づいてジャーナル情報を切り出して、管理装置400に送信することができ、ジャーナル情報の利用性が向上する。しかも、管理装置400は、抽出条件を、所定の事象が発生したATM100,200,300のみに送信するので、全てのATM100,200,300に送信する場合と比べて、通信負荷を低減することができる。
【0060】
また、ジャーナル情報管理システム20において、管理装置400は、閲覧端末500による検索履歴に応じて抽出条件を修正するので、ユーザが閲覧端末500を用いて行うジャーナル情報の閲覧の状況を抽出条件に反映させることができる。その結果、有効な調査を行うための抽出条件の抽出精度を向上させることができ、管理装置400によるジャーナル情報の収集を効果的、効率的に行うことができる。
【0061】
また、ジャーナル情報管理システム20において、ATM100,200,300は、事象の内容を示す事象IDを管理装置400に通知し、管理装置400は、受け取った事象IDに対応する抽出条件のみをATM100,200,300に送信する。したがって、所定の事象に対応する各々の抽出条件を全て送信する必要がないので、送信する抽出条件のデータ量を低減することができる。その結果、通信負荷を低減することができる。
【0062】
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第2実施例としてのジャーナル情報管理システム20は、基本的な構成が第1実施例と同様であり、ジャーナル情報閲覧処理の流れのみが第1実施例と異なる。以下、第1実施例と異なる点に付いてのみ説明し、第1実施例と共通する点については、説明を省略する。第2実施例としてのジャーナル情報閲覧処理の流れを図11に示す。図11において、第1実施例(図10)と同一内容の処理については、各々の処理に付した番号の下二桁を図10と共通の番号で表示し、詳しい説明を省略する。
【0063】
第2実施例としてのジャーナル情報閲覧処理が開始されると、閲覧端末500の制御部510は、検索条件を受け付けて(ステップS741)、検索条件を含むジャーナル情報閲覧要求を管理装置400に送信する(ステップS742)。一方、管理装置400の制御部410は、ジャーナル情報閲覧要求を受信して、検索条件に合致するジャーナル情報を抽出すると共に(ステップS751)、検索履歴を登録し(ステップS752)、抽出したジャーナル情報を閲覧端末500に送信する(ステップS755)。
【0064】
一方、閲覧端末500の制御部510は、受信したジャーナル情報を表示する(ステップS743)。そして、制御部510は、検索履歴を集計対象として採用するか否かを示す可否情報を受け付ける(ステップS744)。第1実施例においては、所定期間内における全ての検索履歴を上記ステップS653において集計対象としたが、本実施例のジャーナル情報管理システム20では、検索履歴の集計対象への反映を選択的に行えるように構成されている。具体的には、上記ステップS743で表示されるGUIは、表示されたジャーナル情報に係る検索履歴を集計対象として採用するか否かについて、オペレータの判断を受付可能に構成されている。制御部510は、このGUIを介して、可否情報を受け付ける。かかる構成により、オペレータは、閲覧結果が調査に有効であったと判断した場合の検索条件のみを集計対象として採用することができる。特に、本実施例では、上記ステップS741において、複数の検索条件を受け付けた場合には、各々の検索条件毎に、可否条件を受け付け可能な構成とした。こうすれば、有効であったジャーナル情報に対応する検索条件のみを集計結果に反映させることができる。このように、可否情報を受け付けると、制御部510は、受け付けた可否情報を管理装置400に送信する(ステップS745)。
【0065】
一方、管理装置400の制御部410は、閲覧端末500が送信した可否情報を受信して、第1受付部426の処理として受け付け、集計対象としての採用の可否を解釈する(ステップS756)。その結果、採用が「可」であれば(ステップS756:YES)、制御部410は、検索履歴テーブル474のうちの、集計対象として採用された検索履歴のみを対象として、検索履歴の集計を行う(ステップS753)。なお、この処理は、可否情報を受信した時点において、制御部410が、検索履歴テーブル474に可否情報を各々の検索条件と対応付けて記憶することによって、容易に実現可能である。
【0066】
検索履歴を集計すると、制御部410は、集計結果に基づいて抽出条件を更新し(ステップS754)、完了通知を閲覧端末500に送信する(ステップS757)。一方、集計対象への採用が「不可」であれば(ステップS756:NO)、制御部410は、検索履歴の集計及び抽出条件の更新を行わずに、処理を終了する。なお、上述の例では、閲覧端末500は、集計対象としての採用の可否を管理装置400に送信する構成としたが、集計対象として採用する場合に限り、管理装置400にその通知を行う構成としてもよい。
【0067】
かかる構成のジャーナル情報管理システム20において、管理装置400は、表示されたジャーナル情報に係る検索履歴を集計対象として採用するか否かについての可否情報を閲覧端末500から受け付けて、集計対象として採用する検索履歴のみに応じて、抽出条件の修正を行うので、より柔軟な運用を行うことができる。例えば、ジャーナル情報を閲覧して行う調査において、検索結果が実際に役立った場合にのみ、検索履歴を抽出条件の修正に反映させることができ、抽出条件の抽出精度をさらに向上させることができる。
【0068】
上述の実施形態では、管理装置400は、集計結果への採用の可否を受け付ける構成としたが、かかる構成に代えて、検索結果の調査への有効性の評価を受け付ける構成としてもよい。かかる場合には、例えば、事象IDごと及び検索条件ごとに、受け付けた評価を点数化し、当該点数が所定値以上の検索条件を新たな抽出条件としてもよい。このような構成であっても、実質的には、採用の可否を受け付ける構成と等価である。
【0069】
C.第3実施例:
本発明の第3実施例について説明する。第3実施例としてのジャーナル情報管理システム20は、基本的な構成が第1実施例と同様であり、ジャーナル情報閲覧処理の流れのみが第1実施例と異なる。以下、第1実施例と異なる点に付いてのみ説明し、第1実施例と共通する点については、説明を省略する。第3実施例としてのジャーナル情報閲覧処理の流れを図12に示す。図12において、第1実施例(図10)と同一内容の処理については、各々の処理に付した番号の下二桁を図10と共通の番号で表示し、詳しい説明を省略する。
【0070】
第3実施例としてのジャーナル情報閲覧処理が開始されると、閲覧端末500の制御部510は、検索条件を受け付けて(ステップS841)、検索条件を含むジャーナル情報閲覧要求を管理装置400に送信する(ステップS842)。一方、管理装置400の制御部410は、ジャーナル情報閲覧要求を受信して、検索条件に合致するジャーナル情報を抽出すると共に(ステップS851)、検索履歴を登録し(ステップS852)、抽出したジャーナル情報を閲覧端末500に送信する(ステップS855)。
【0071】
一方、閲覧端末500の制御部510は、受信したジャーナル情報を表示する(ステップS843)。そして、制御部510は、抽出条件の追加指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS846)。本実施例においては、上記ステップS843で表示されるGUIは、新たな抽出条件を追加可能に構成されている。制御部510は、このGUIを介して追加する抽出条件を受け付ける。かかる構成により、オペレータは、調査に特に有効であったと判断したジャーナル情報が次回以降のジャーナル情報閲覧処理で含まれるように、抽出条件を追加することができる。
【0072】
その結果、抽出条件の追加指示を受け付けなければ(ステップS846:NO)、制御部510は処理を終了する。一方、抽出条件の追加指示を受け付ければ(ステップS846:YES)、制御部510は、受け付けた抽出条件を含む抽出条件追加要求を管理装置400に送信する(ステップS847)。
【0073】
一方、管理装置400の制御部410は、ジャーナル情報を送信した後、所定期間の間、抽出条件追加要求の受信を待機している(ステップS856)。その結果、閲覧端末500が送信した抽出条件追加要求を受信すると(ステップS856:YES)、制御部410は、第2受付部427の処理として、受信した追加条件を受け付け、当該追加要求に含まれる抽出条件を抽出条件テーブル472に追加する(ステップS857)。
【0074】
抽出条件を追加すると、制御部410は、完了通知を閲覧端末500に送信する(ステップS858)。一方、抽出条件追加要求を受信しなければ(ステップS856:NO)、制御部410は、抽出条件の追加を行わずに、処理を終了する。なお、上述の例では、閲覧端末500は、抽出条件の追加を受け付けた場合にのみ、管理装置400に通知を行う構成としたが、抽出条件を受け付けなかった場合に、その旨の通知も行う構成としてもよい。
【0075】
かかる構成のジャーナル情報管理システム20は、抽出条件を新たに追加することができるので、より柔軟な運用を行うことができる。例えば、ユーザが閲覧したジャーナル情報が調査に有効であると判断した場合、当該閲覧履歴のみに基づいて、抽出条件を即座に修正して、その後に行われるジャーナル情報の閲覧に反映させることができる。かかる構成は、上述した第2実施例の構成と組み合わせれば、より効果的となる。
【0076】
D.変形例:
上述した実施例の変形例について説明する。
D−1.変形例1:
上述の実施形態においては、ATM100,200,300は、発生する事象の内容にかかわらず、常に、同一の情報要素からなるジャーナル情報を管理装置400に送信する構成としたが、発生する事象に応じて、情報要素の数を変更してもよい。例えば、発生する事象に応じて、送信するジャーナル情報に含まれる情報要素を変化させてもよい。例えば、重要度の高い事象や、原因究明等の調査に多くの情報を必要とする事象などを予め想定して、当該事象に対しては、情報要素を相対的に増大させてもよい。あるいは、ATM100,200,300は、閲覧端末500での検索頻度の高い事象が発生した場合に相対的に多くの情報要素を含むジャーナル情報を送信する構成としてもよい。かかる場合には、例えば、閲覧端末500が事象ごとの検索頻度を集計し、その集計結果に応じた情報要素の識別子を抽出条件と共にATM100,200,300に送信する構成としてもよい。これらの構成とすれば、通信負荷を抑制しつつ、ジャーナル情報の利用性をさらに高めることができる。
【0077】
D−2.変形例2:
上述の実施形態においては、管理装置400や閲覧端末500は、金融機関のセンターに配置される構成を例示したが、これらは、金融機関の支店に配置されてもよいし、センターと支店の両方に配置されてもよい。管理装置400がセンターと支店の両方に配置される場合、支店の管理装置400が、センターの管理装置400とATMとの通信を中継する構成としてもよい。また、管理装置400や閲覧端末500は、複数台であってもよい。管理装置400が複数台である場合、管理装置400ごとに、収集するジャーナル情報の情報要素の数を代えてもよい。例えば、支店に配置した管理装置400は、ATMと同一内容のジャーナル情報を収集し、センターに配置した管理装置400は、情報要素の数が相対的に少ないジャーナル情報を収集してもよい。また、管理装置400は、複数の装置に機能を分散化させてもよい。
【0078】
D−3.変形例3:
上述の実施形態においては、管理装置400は、検索したジャーナル情報を、ローカルエリアネットワークLANを介して閲覧端末500に出力する構成としたが、管理装置400のモニタに出力する構成としてもよい。例えば、管理装置400は、閲覧端末500の機能を併せ持ち、管理装置400でもジャーナル情報の閲覧を可能に構成してもよい。もとより、閲覧端末500と管理装置400とを個別的に設けずに、管理装置400と閲覧端末500とを一体的に構成してもよい。
【0079】
D−4.変形例4:
管理装置400は、上述した第1〜第3実施例におけるジャーナル情報閲覧処理のいずれも実行可能に構成し、更に、いずれの処理を実行するかを選択的に切り替え可能に構成してもよい。かかる切り替えは、ユーザが入力するモード設定に応じて行ってもよいし、閲覧端末500にログインしたユーザの権限に基づいて行ってもよい。ユーザ権限によって処理を切り替える場合には、例えば、管理装置400に管理者のユーザIDを登録しておき、閲覧端末500から送信されるユーザIDに応じて、管理装置400が処理を切り替えてもよい。こうすれば、より自由度の高い運用を行うことができる。例えば、ジャーナル情報管理システム20の導入直後は、管理者のみが第1〜第3実施例のジャーナル情報閲覧処理を選択できる構成とし、管理者の管理下にあるオペレータは、第1実施例のジャーナル情報閲覧処理のみを選択可能としてもよい。また、所定期間の運用によってオペレータのスキルが向上すると共に、検索履歴が所定量蓄積された段階で、かかるオペレータの選択制限を解除してもよい。
【0080】
D−5.変形例5:
上述の実施形態においては、ATM100,200,300は、所定の事象の発生を契機として、管理装置400に事象IDを通知し、管理装置400は、その事象IDに対応付けた抽出条件のみをATM100,200,300に送信する構成としたが、事象IDの通知は必須ではない。例えば、管理装置400は、登録された各々の事象と対応付けた抽出条件をATM100,200,300に送信し、ATM100,200,300は、受信した抽出条件のうちから、発生した事象に対応する抽出条件を抽出してもよい。
【0081】
D−6.変形例6:
上述の実施形態においては、ATM100,200,300は、所定の事象の発生を管理装置400に通知し、管理装置400は、その通知を契機として抽出条件を事象が発生したATM100,200,300に送信する構成としたが、かかる構成は必須ではない。例えば、以下の構成としてもよい。管理装置400は、所定の期間ごとに抽出条件をATM100,200,300に送信する。ATM100,200,300は受信した抽出条件を記憶し、所定の事象が発生した場合に、記憶した抽出条件を用いて切り出したジャーナル情報を管理装置400に送信する。こうすれば、所定の事象が発生するたびに、その通知と、抽出条件の受け渡しのための通信を行う必要がないので、抽出条件が異なる内容で更新される頻度が低い場合には、全体として通信負荷を低減することができる。なお、所定の期間とは、例えば、抽出条件が異なる内容に更新されるまでの期間としてもよい。こうすれば、常に最新の抽出条件を反映することができる。あるいは、所定時間の経過としてもよい。こうしても、最新の抽出条件の反映の程度を所望の程度に近づけることができる。
【0082】
また、かかる構成は、事象の内容に応じて採用することも可能である。例えば、抽出条件が異なる内容に更新される頻度が相対的に高い事象と低い事象とを想定できる場合には、事象に応じて、抽出条件の受け渡しの方法を異なる方法で予め設定してもよい。あるいは、管理装置400が、事象ごとに抽出条件の変更を記録し、その変更実績に応じて、抽出条件の受け渡しの方法を動的に変更する構成としてもよい。かかる場合、管理装置400は、事象ごとの抽出条件の受け渡しの方法を表す情報を、抽出条件を送信するタイミングなどでATM100,200,300に送信する構成としてもよい。そして、ATM100,200,300は、受信した抽出条件の受け渡し方法に応じた処理を実行してもよい。
【0083】
また、検索履歴に応じた抽出条件の更新を行わない場合には、抽出条件は、管理装置400がATM100,200,300に送信する構成に限るものではない。例えば、ローカルエリアネットワークLANに接続された管理者専用端末などからATM100,200,300に送信する構成としてもよい。
【0084】
D−7.変形例7:
上述の実施形態においては、自動取引装置としてATMを例示したが、本発明における自動取引装置は、ATMに限るものではなく、営業店窓口端末などの金融デバイス、自動発券機など種々の自動取引装置とすることができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態における本発明の構成要素のうち、独立クレームに記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略、または、組み合わせが可能である。また、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、ジャーナル情報管理システム、自動取引装置、管理装置のほかに、それらのプログラム、当該プログラムを記録した記憶媒体、ジャーナル情報管理方法等としても実現することができる。
【符号の説明】
【0086】
20…ジャーナル情報管理システム
30,40,50,60…ルータ
100,200,300…ATM
110…制御部
121…通信制御部
122…操作機構部
123…カード/明細票機構部
124…通帳機構部
125…紙幣入出金機構部
126…硬貨入出金機構部
127…音声案内ガイダンス部
130…ジャーナル処理部
131…抽出条件取得部
132…ジャーナル情報提供部
133…通知部
140…記憶部
141…事象情報テーブル
142…ジャーナル情報テーブル
400…管理装置
410…制御部
420…ジャーナル管理部
421…抽出条件提供部
422…ジャーナル情報取得部
423…検索部
424…抽出条件修正部
425…出力部
426…第1受付部
427…第2受付部
430…入力操作部
440…表示部
450…通信制御部
470…記憶部
471…事象情報テーブル
472…抽出条件テーブル
473…ジャーナル情報テーブル
474…検索履歴テーブル
500…閲覧端末
510…制御部
520…ジャーナル閲覧部
530…入力操作部
540…表示部
550…通信制御部
B1,B2…支店
WAN…ワイドエリアネットワーク
LAN…ローカルエリアネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動取引装置と、該自動取引装置と通信可能に接続され、該自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を管理する管理装置とを備えたジャーナル情報管理システムであって、
前記自動取引装置の各々は、
前記ジャーナル情報を記憶する記憶部と、
抽出条件を外部から受信する抽出条件取得部と、
所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記管理装置に送信するジャーナル情報提供部と
を備え、
前記管理装置は、
前記自動取引装置から前記ジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得部と、
前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶部と、
所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索部と、
前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力部と
を備えた
ジャーナル情報管理システム。
【請求項2】
請求項1記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記自動取引装置は、更に、前記所定の事象が発生したことを前記管理装置に通知する通知部を備え、
前記管理装置は、
前記抽出条件を更に記憶しており、
前記自動取引装置から前記通知を受け取った場合に、前記記憶した抽出条件を、該通知を受け取った自動取引装置に送信する抽出条件提供部を更に備えた
ジャーナル情報管理システム。
【請求項3】
請求項1記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記管理装置は、
前記抽出条件を更に記憶しており、
所定の期間ごとに、前記記憶する抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件送信部を更に備えた
ジャーナル情報管理システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記管理装置は、更に、
前記記憶されたジャーナル情報の検索履歴を記憶する検索履歴記憶部と、
前記記憶する検索履歴に応じて、前記記憶する抽出条件を修正する抽出条件修正部と
を備えたジャーナル情報管理システム。
【請求項5】
請求項4記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記管理装置は、更に、前記出力部に出力された検索結果に対応する検索履歴を前記抽出条件修正部の抽出条件の修正の基礎となる検索履歴として扱うことの指示を受け付ける第1の受付部を備え、
前記抽出条件修正部は、前記第1の受付部が前記指示を受け付けた検索履歴のみに応じて、前記抽出条件の修正を行う
ジャーナル情報管理システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5のいずれか記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記管理装置は、更に、前記抽出条件の追加を受け付ける第2の受付部を備え、
前記抽出条件修正部は、前記受け付けた抽出条件を前記記憶する抽出条件に追加する
ジャーナル情報管理システム。
【請求項7】
請求項2記載のジャーナル情報管理システムであって、
前記自動取引装置は、前記通知部が、前記所定の事象が発生したことと共に、該事象の内容を示す識別子を通知し、
前記管理装置は、
前記抽出条件を前記識別子と対応付けて記憶し、
前記抽出条件提供部が、前記受け取った通知に含まれる前記識別子に対応する前記抽出条件のみを前記自動取引装置に送信する
ジャーナル情報管理システム。
【請求項8】
自動取引装置であって、
前記自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を記憶する記憶部と、
通信手段によって外部から抽出条件を受信する抽出条件取得部と、
所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記ジャーナル情報を管理する管理装置に送信するジャーナル情報提供部と
を備えた自動取引装置。
【請求項9】
複数の自動取引装置と通信可能に接続され、該自動取引装置に関するジャーナル情報を管理する管理装置であって、
前記自動取引装置がジャーナル情報を抽出するための抽出条件を設定して記憶する記憶部と、
前記記憶する抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件提供部と、
前記自動取引装置が前記抽出条件を受信して、該抽出条件に合致する前記ジャーナル情報として切り出して送信したジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得部と、
前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶部と、
所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索部と、
前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力部と
を備えた管理装置。
【請求項10】
自動取引装置がジャーナル情報を送信するためのプログラムであって、
前記自動取引装置における取引に関するジャーナル情報を記憶する記憶機能と、
通信手段によって外部から抽出条件を受信する抽出条件取得機能と、
所定の事象が生じた場合に、前記記憶するジャーナル情報のうちから、前記受信した抽出条件に合致するジャーナル情報を切り出して、前記管理装置に送信するジャーナル情報提機能と
をコンピュータに実現させるプログラム。
【請求項11】
複数の自動取引装置に関するジャーナル情報を、該自動取引装置に通信可能に接続された管理装置で管理するためのプログラムであって、
前記自動取引装置がジャーナル情報を抽出するための抽出条件を設定して記憶する記憶機能と、
前記設定した抽出条件を前記自動取引装置に送信する抽出条件提供機能と、
前記自動取引装置が前記抽出条件を受信して、該抽出条件に合致する前記ジャーナル情報として切り出して送信したジャーナル情報を受信するジャーナル情報取得機能と、
前記受信したジャーナル情報を記憶する記憶機能と、
所定の検索条件を受け付けて、前記記憶するジャーナル情報のうちから、該検索条件に合致するジャーナル情報を検索する検索機能と、
前記検索部の検索結果を表示用に出力する出力機能と
をコンピュータに実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−3680(P2012−3680A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140453(P2010−140453)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】