説明

ジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路、交流電圧標準回路、及び交流電圧標準装置

【課題】プログラマブルジョセフソン電圧標準に基づく交流電圧標準は、階段状の波形により近似された擬似正弦形になってしまう問題があるので、1V以上の高い振幅を持つ理想的な正弦波に代表される交流波形を発生することを目的とする。
【解決手段】ジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路であって、ジョセフソン素子を所定数個直列接続してなるセグメントを複数個備え、各セグメントに印加するバイアス電流を制御することにより、階段状の交流電圧を発生するプログラマブルジョセフソン電圧標準回路と、高速単一磁束量子方式電圧標準又はパルス駆動方式電圧標準からなる第2の回路とを、直列に接続して出力電圧の和を得て、理想的な交流波形を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い振幅を持つ理想的な滑らかな交流波形を発生することができるジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路、交流電圧標準回路及び交流電圧標準装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、交流電圧等の計測器の校正の基準として交流電圧標準が用いられている。近年、電子機器の製造や通信計測などの産業において使用される計測器の測定精度の向上に伴い、高性能な交流電圧標準が望まれている。交流電圧標準とは、理想的な正弦波電圧を発生させる装置であり、より高い振幅及び周波数の電圧を、より高い精度で出力することが望まれている。
【0003】
超伝導技術分野において、ジョセフソン素子を用いた高性能な回路が開発されている。図4は、ジョセフソン素子の模式図である。ジョセフソン素子は、薄い障壁層2(絶縁体Insulatorまたは常伝導体Normal conductor)を2つの超伝導体(Superconductor)1で挟んだサンドイッチ構造を有したトンネル効果を利用する素子である。ジョセフソン素子はジョセフソン接合(SIS又はSNS接合)を備えている。ジョセフソン素子に対してある周波数fのマイクロ波を照射しておき、さらに電流を流すと、素子の両端にはマイクロ波の周波数fのみで決まる一定の電圧(V=hf/2e)が発生する。ここで、eは電気素量、hはプランク定数である。また電流を流さなければ、発生電圧は完全にゼロとなる。ここで流す電流をバイアス電流と呼ぶ。図5は、ジョセフソン素子におけるバイアス電流Iと電圧Vの関係を示す図である。図5に示すように、バイアス電流の値を制御することで、素子の両端にはマイクロ波の周波数fによってのみ決まる高精度定電圧ステップ(hf/2e)が発生する。また、マイクロ波の周波数は非常に高精度で制御可能であるため、ジョセフソン素子の両端で得られる電圧値も非常に高精度に制御できる。しかし一般に、ジョセフソン素子1個あたりの電圧は数十μV程度と非常に小さい。そこで、必要な電圧(1V以上)を得るためには、ジョセフソン素子を数万個以上直列に接続したアレーを構成して、全体として1Vが得られるようにして用いている。
【0004】
現在、ジョセフソン素子を直列に接続したアレーを利用したプログラマブルジョセフソン電圧標準(programmable Josephson voltage standard: PJVS)方式が、知られている(特許文献1〜3参照)。プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)方式では、任意の直流電圧を発生させることができ、直流電圧標準(直流PJVS)として実用化されている。プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)アレーから任意の電圧を得るために、デジタル−アナログ変換器として動作させるための工夫がなされている。
【0005】
直流電圧標準として実用化されているプログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)を発展させて、交流電圧標準として、交流電圧を合成するための交流プログラマブルジョセフソン電圧標準(交流PJVS)の研究が進められている(非特許文献1参照)。
【0006】
プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)は、任意振幅の電圧を発生させるために、デジタル−アナログ変換器として構成される。多数個のジョセフソン素子が直列接続されたアレーを、例えば2のべき乗に比例する素子数を持つようなセグメントに分割し、各セグメントに対してバイアス電流源を接続する構造からなる。バイアス電流が供給されたセグメントからは一定の高精度電圧が出力され、逆にバイアス電流をゼロにするとそのセグメントの電圧は完全にゼロとなる。このようにして各セグメントのバイアス電流のON/OFFを制御することによって、アレーから任意の値の電圧をプログラマブルに発生させることができる。
【0007】
交流プログラマブルジョセフソン電圧標準(交流PJVS)の原理を以下に説明する。交流PJVSは、直流PJVSと基本的には同じ回路構成である。直流PJVSが直流のバイアス電流を供給し直流の高精度電圧を出力するのに対して、交流PJVSは、各セグメントに供給するバイアス電流(I0、I1、I2、・・・、In)のON/OFFを時間的に制御してアレーからの高精度電圧値VPJVSを時々刻々と変化させて正弦波電圧を合成する。
【0008】
図6は、交流電圧波形の例として正弦波電圧波形を発生するためのプログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)の回路図である。図6の回路図は、プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子部61と、バイアス電流源を制御するための手段である、正弦波電圧波形入力装置64、パルスパターン変換装置65及びパルスパターン生成装置66を備えている。
【0009】
プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子61は、ジョセフソン素子(×印)が直列に所定数個(例えば2のべき乗個)接続された区間(S0、S1、S2・・・、Sn。「セグメント」と呼ぶ。)に対してバイアス電流源(I0、I1、I2、・・・、In)を接続し、これらの区間(セグメントS0、S1、S2・・・、Sn)を直列に所定数接続する構造を備える。例えば、セグメントS0は2の0乗である1個の素子数、セグメントS1は、2の1乗である2個の素子数、セグメントS2は2の2乗である4個の素子数、セグメントS3は2の3乗である8個の素子数、そしてセグメントSnは2のn乗である2n 個の素子数からなる。
【0010】
図7は、2のべき乗(2)の素子数のジョセフソン素子を直列に接続したセグメントSiにおけるバイアス電流Iと発生電圧V の電流電圧特性を示す図である。図7に示すように、バイアス電流を制御することで、各セグメントSiの両端には素子数とマイクロ波の周波数fによってのみ決まる高精度定電圧ステップV が発生する。各バイアス電流源をスィッチングして制御すると、対応するセグメントからは3値の電圧値V を得ることができる。各バイアス電流源を例えばゼロ/プラス/マイナスの3値で制御するとよい。
=(hf/2e)×a×2
ただし、a=0,+1,−1
【0011】
そして、図6に示すように、パルスパターン生成装置66からの信号によりこれらのバイアス電流源を制御することによって、プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子のアレーから以下の式で表される任意の高精度で高振幅である電圧 Vout を得ることができる。プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子の電圧出力をVPJVSと表す。
Vout =(hf/2e)(a0×20+a1×21+・・・an×2n
ただし、a=0,+1,−1
【0012】
次に交流電圧標準の目的とするところの所望の交流周波数の正弦波電圧を合成した例を説明する。図8は、プログラマブルジョセフソン電圧標準方式により発生させた合成正弦波電圧波形の図である。任意の所望の交流周波数をfとおくとき、正弦波1周期T=1/fをN分割でサンプリングし、各サンプリング周期Ts=1/Nf毎にバイアス電流を切り替えて、その間プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子のアレーからの電圧が一定となるように動作させている。交流PJVSは、ジョセフソン素子を多段に接続することによって、1V以上もの高い電圧値を稼ぐことが容易であるという利点がある。各サンプリング時間は電圧を一定値に保持する必要性から、合成された電圧波形は真の正弦波形とはならず、階段状の波形により近似された擬似正弦波形になっている。
【0013】
プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)方式以外の交流電圧標準方式として、高速単一磁束量子(Rapid Single Flux Quantum: RSFQ)回路に基づく方式(以下、「高速単一磁束量子方式交流電圧標準」または「RSFQ方式」)という。)がある(非特許文献2参照)。RSFQ方式は、PJVS方式同様ジョセフソン素子を用いているが、PJVS方式とは異なった原理で高精度電圧を発生する。
【0014】
高速単一磁束量子(RSFQ)方式交流電圧標準の原理を説明する。超伝導現象に関する基本性質の一つとして、磁束の量子化が挙げられる。超伝導体で構成されたリング内では磁束は量子化され、Φの整数倍の値のみを取りうる。Φとは量子化された磁束の最小単位であり、単一磁束量子(Single Flux Quantum、以下「SFQ」という)という。このSFQを情報担体とする高速単一磁束量子回路(Rapid SFQ:RSFQ回路)とは、数10ギガヘルツ以上の超高速動作と、低消費電力特性を特徴とする超伝導回路であり、次世代高性能集積回路として研究がなされている。この高速単一磁束量子回路を交流電圧波形生成に応用したものが高速単一磁束量子方式交流電圧標準である。図9は、高速単一磁束量子方式交流電圧標準の回路図である。高速単一磁束量子方式交流電圧標準は、主として、高精度電圧を出力するための超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device: SQUID)アレー92と、それを超高速で駆動するための高速単一磁束量子回路(以後SQUIDアレー駆動回路とよぶ)93から構成される。超伝導量子干渉素子(SQUID)アレー92は、図9のように、2個のジョセフソン素子と2個のインダクタンスから構成されるSQUIDセル(SCi)がアレー状にN個(SC1、SC2、・・・・SCN)接続されたものである。SQUIDアレー駆動回路も同様にN個のセルに分割され(C1、C2、・・・CN:駆動セルとよぶ)、各SQUIDセル(SC1、SC2、・・・・SCN)とそれぞれ相互インダクタンスにより結合している。所望の電圧波形を電圧波形入力装置94に入力すると、パルスパターン変換装置95とパルスパターン生成装置96とを経由して、電圧波形はパルス密度変調されて0/1ビット系列へと変換される。パルス生成装置97からパルス系列Vinとして高速に出力される(i)。後段のSQUIDアレー駆動回路93とSQUIDアレー92は、パルス系列Vinを高精度量子化電圧パルスの系列に変換後、パルス密度復調を行うための回路である。以下その動作について述べる。生成された高速パルス系列VinがSQUIDアレー駆動回路93へ入力されると、同回路内にて量子化された電圧パルス(SFQパルス)の系列へと変換される(ii)。変換されたSFQパルスは、駆動セルC1から駆動セルCNへと上から下に伝搬していく。一方で各駆動セルは対応する各SQUIDセルと相互インダクタンスにより結合しており、駆動セルを通過したSFQパルスはこの結合を通してSQUIDセルに伝搬する。SQUIDセルにSFQパルスが入ると、SQUIDセルから直ちにSFQパルスが出力され、N段のSQUIDセルによってN倍の振幅を持つ高精度量子化パルスに増幅されて出力される(iii)。SQUIDアレーの後段には、実際には出力電圧を取り出すためにケーブル等が接続される。ケーブルの帯域は実際には有限であることから低域通過フィルタすなわち積分回路が接続されているのと等価であり、それによって高精度量子化電圧パルスの系列はパルス密度復調がかけられて、最終的には高精度な電圧波形出力VRSFQとして取り出すことができる(iv)。
【0015】
このRSFQ方式交流電圧標準では、このSFQパルスを担体として用いることで所望の電圧波形を合成する。SFQパルスとは、量子化されたピコ秒時間幅の電圧パルスであるため、これを必要な個数分発生させて制御することによって非常に高精度な任意電圧を得ることができるという利点がある。またRSFQ回路の持つ高速パルス密度変復調機能により、任意の高精度・広帯域な電圧波形を生成可能であるという利点がある。
【0016】
さらに、プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)方式以外の交流電圧標準方式として、パルス駆動(Pulse Driven:PD)型交流電圧標準方式がある(特許文献4参照)。図10は、パルス駆動方式交流電圧標準の回路図である。パルス駆動方式交流電圧標準素子101は、約10000のジョセフソン素子を直列に接続したジョセフソン素子アレーの回路から構成され、両端から電圧VPDを出力する。所望の電圧波形情報を電圧波形入力装置134へ入力する。電圧波形入力装置134から出力された電圧波形情報は、パルスパターン変換装置138によりパルス密度変調が行われ、所定の電圧振幅情報をパルス密度情報へと変換する。この密度情報は、パルスパターン生成装置139によって0/1ビット系列に変換され、パルス生成装置140から高速パルス系列Vinとして出力される(i)。高速パルス系列Vinは、パルス駆動方式電圧標準素子101に入力されると、アレー内のジョセフソン素子によって量子化された高精度電圧パルスの系列に変換され、素子数に比例した振幅のパルス系列として出力される(ii)。ジョセフソン素子アレーには実際には出力電圧を取り出すためにケーブル等に接続される。ケーブルの帯域は実際には有限であることから低域通過フィルタすなわち積分回路が接続されているのと等価であり、それによって高精度量子化電圧パルスの系列はパルス密度復調がかけられて、最終的には高精度な電圧波形出力VPDとして取り出すことができる(iii)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2004−172692号公報
【特許文献2】特開2005−300317号公報
【特許文献3】特表2000−514957号公報
【特許文献4】特開2006−148271号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】C.A.Hamilton,C.J.Burroughs,and R.L.Kautz, “Josephson D/A Converter with Fundamental Accuracy” IEEE Transactions on instrumentation and measuerement,vol.44,no.2,pp.223−225,April 1995.
【非特許文献2】C.A.Hamilton, “Josephson Voltage Standard Based on Single−Flux−Quantum Voltage Multipliers” IEEE Transactions on applied superconductivity,vol.2,no.3,pp.139−142,Sep.1992.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)に基づく交流PJVSは、ジョセフソン素子を多段に接続することによって、1V以上もの高い電圧値を稼ぐことが容易であるという利点がある一方で、その原理上、合成された電圧波形は真の正弦波形とはならず、階段状の波形により近似された擬似正弦形になってしまう。また、バイアス電流の切り替え時刻において電圧波形は急峻に立ち上がる(または立ち下がる)ため、これに起因する高調波成分が含まれてしまう欠点がある。その高調波成分は出力ケーブルを通して伝送する際に減衰しやすく、電圧誤差の要因になるという問題がある。
【0020】
一方、高速単一磁束量子方式交流電圧標準は、RSFQ回路の持つ電圧パルスの量子性と高速パルス密度変復調機能により、任意の高精度・広帯域電圧波形を高速に合成可能であるという利点があるものの、回路構成が複雑で回路パラメータのばらつきの影響を受けやすい等の理由により、素子数を増やして電圧を稼ぐことが難しく、10mV以下程度の低い電圧しか得られない。よって、高速単一磁束量子方式交流電圧標準では、10mVを超える所望の電圧の振幅のものが得られないという問題がある。
【0021】
また、パルス駆動方式交流電圧標準は、電圧パルスの量子性と高速パルス密度変復調機能により、任意の高精度・広帯域電圧波形を高速に合成可能であるという利点があるものの、終端抵抗において発生するコモンモードノイズによる不安定性により、素子段数を増やすことが難しく、100mV以下程度の低い電圧振幅しか得られないという欠点がある。
【0022】
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、高い振幅を持つ電圧波形を高精度に出力する交流電圧発生回路、交流電圧標準回路及び交流電圧標準装置を実現することを目的とするものである。さらに、本発明は、ジョセフソン素子を用いた回路において、交流PJVSの発生する階段状の疑似波形ではなく、より真の正弦波形に近い正弦波形を出力することを目的とし、1V以上の高い振幅を持つ正弦波電圧を出力することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
そして、本発明は、上記目的を達成するために、以下の特徴を有するものである。
【0024】
本発明のジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路は、ジョセフソン素子を所定数個直列接続してなるセグメントを複数個備え、各セグメントに印加するバイアス電流を制御することにより、階段状の交流電圧を発生する第1の回路と、量子化された電圧パルスを発生するジョセフソン素子からなる第2の回路とからなることを特徴とするものである。また、前記第1の回路として、プログラマブルジョセフソン電圧標準を用いることを特徴とする。
【0025】
本発明の第2の回路は、所望の交流電圧波形と階段状の交流電圧波形との差分波形を出力することを特徴とするものである。本発明の交流電圧発生回路は、第1の回路と第2の回路を直列に接続して出力電圧の和を出力電圧とすることを特徴とするものである。本発明の交流電圧発生回路において、所望の交流電圧波形は、代表的には、正弦波波形であり、第2の回路は、正弦波の交流電圧波形と階段状の疑似正弦波波形との差分波形を出力することを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第2の回路は、量子化された電圧パルスを用いてパルス密度変復調を行うことにより差分波形を合成して出力することを特徴とするものである。本発明の交流電圧発生回路は、第2の回路として、高速単一磁束量子方式の回路又はパルス駆動方式の回路を用いることを特徴とするものである。本発明の交流電圧発生回路は、1V以上の高い振幅を持つ理想的な滑らかな正弦波を合成することができる。
【0027】
本発明の交流電圧発生回路は、交流電圧標準に用いる回路であることを特徴とする。
【0028】
本発明の交流電圧標準装置は、本発明の交流電圧発生回路を備え、正弦波波形と疑似正弦波波形の差分波形を計算する手段を備えることを特徴とするものである。交流電圧標準装置において、少なくともジョセフソン素子を含む回路部分は超伝導のための低温状態に置かれている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ジョセフソン素子を用いた回路において、高い振幅を持つ電圧波形を高精度に出力する交流電圧を発生することができる。また、本発明の交流電圧標準回路や交流電圧標準装置によれば、交流PJVSの発生する階段状の疑似波形ではなく、より真の正弦波形に近似されているので、1V以上の高い振幅を持つ電圧波形を高精度に出力させることができ、滑らかで完全正確な正弦波電圧を合成することができる。また、交流電圧発生回路において、バイアス電流の切り替え時刻において電圧波形に起因する高調波成分が実質的に解消するので、電圧誤差がなくすことができる。また、第1の回路(例えばPJVS方式)と第2の回路(例えば、高速単一磁束量子方式の回路又はパルス駆動方式の回路)を組み合わせる形態としては、マルチチップ実装技術を用いてそれぞれの回路のチップを直列に接続することで作成すれば、簡単に作成できまた低コストで作成できる。また、これらのチップを1つのチップ内に集積すれば、より低コスト化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路の第1の実施の形態の回路図。
【図2】本発明を説明するための交流電圧波形を示す図。
【図3】本発明のジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路の第2の実施の形態の回路図。
【図4】ジョセフソン素子の模式図。
【図5】ジョセフソン素子におけるバイアス電流Iと電圧Vの関係を示す図。
【図6】正弦波電圧波形を発生するためのプログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)の回路図。
【図7】セグメントにおけるバイアス電流と発生電圧の電流電圧特性を示す図。
【図8】プログラマブルジョセフソン電圧標準方式により発生させた合成正弦波電圧波形の図。
【図9】高速単一磁束量子方式交流電圧標準の回路図。
【図10】パルス駆動方式交流電圧標準の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願発明は、プログラマブルジョセフソン電圧標準方式(PJVS方式)と他の方式とを融合させてなるハイブリッド方式の交流波形出力回路である。
【0032】
(第1の実施の形態)
本発明のジョセフソン素子を用いた交流電圧波形出力回路の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して以下説明する。図1は、プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)方式とRSFQ方式交流電圧標準とを直列に接続して、両者のハイブリッド方式を実現した回路図である。図2は、本発明を説明するための交流電圧波形を示す図である。
【0033】
PJVS方式とRSFQ方式とを直列に接続し、両者の和電圧として理想的な正弦波電圧波形出力を得る。PJVS方式は、1V以上の高い振幅を持つ階段状の擬似正弦波形を生成する。そこで、真の正弦波形とその擬似正弦波形との間の差電圧を、連続的・広帯域な任意電圧波形を発生可能なRSFQ方式により生成する。これによって、PJVS方式とRSFQ方式の和電圧として、1V以上の振幅を持つ理想的な滑らかな正弦波を合成することが可能となる。
【0034】
図1の回路は、プログラマブルジョセフソン電圧標準素子11と高速単一磁束量子方式交流電圧標準のSQUIDアレー12を直列に接続して構成されている。さらに、図1の回路は、正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置17を備えていることを特徴とする。
【0035】
プログラマブルジョセフソン電圧標準素子11は、多数個のジョセフソン素子(×印)が直列接続されたアレーを、2のべき乗に比例する素子数を持つようなセグメント(S0、S1、S2、・・・Sn)に分割し、それらの各セグメントに対してバイアス電流源(I0、I1、I2・・・In)を接続する構造からなる。さらに、バイアス電流源を制御するために、正弦波電圧波形入力装置14、疑似正弦波波形用パルスパターン変換装置15及びパルスパターン生成装置16を備えている。正弦波電圧波形入力装置14は、所望の理想正弦波の電圧振幅・周波数情報を入力するための装置である。疑似正弦波波形用パルスパターン変換装置15は、従来例で説明した図8で図示した階段状となってしまう従来の正弦波波形を出力するためのパルスパターン変換装置65(図6)と同じでよい。これは、正弦波電圧波形入力装置14から得られた理想正弦波情報をもとに、これを階段状の擬似正弦波形に近似・変換する装置である。パルスパターン生成装置16は、擬似正弦波形を得るためのバイアス電流供給パターン(ゼロ/マイナス/プラス)を決定し、後段のバイアス電流源へ制御信号を送信するための装置である。この構成は、従来のプログラマブルジョセフソン電圧標準素子回路と同様である。プログラマブルジョセフソン電圧標準素子11は、高い振幅を持つ階段状の擬似正弦波形VPJVS (図2(a)参照)を出力する。
【0036】
本発明の正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置17は、正弦波電圧波形入力装置14の出力信号に基づく理想的な正弦波波形と、正弦波電圧波形入力装置14からの出力信号に基づきプログラマブルジョセフソン電圧標準素子11が出力する疑似正弦波波形との差分の波形を計算する。具体的には、正弦波電圧波形入力装置14から得られる理想正弦波情報と、擬似正弦波形用パルスパターン変換装置15から得られる擬似正弦波情報をもとに、それら両者の差分波形を計算する。正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置17からの差分電圧波形情報に基づき、パルスパターン変換装置18は差分波形に対してパルス密度変調を行い、波形の振幅情報をパルス列の密度情報へと変換する。パルスパターン生成装置19は、パルス密度情報を0/1ビット系列へ変換・生成し出力する。パルス生成装置20は、0/1ビット系列をパルス信号系列へと変換し、Vinとして出力する。
【0037】
SQUIDアレー駆動回路13は、N個の駆動セル(C1、C2、・・・CN)を備えている。パルス生成装置20からのパルス信号系列Vinが同回路内に入力されると、量子化された高精度電圧パルス(SFQパルス)の系列に変換され、駆動セルC1から駆動セルCNへと上から下に伝搬していく。一方で各駆動セル(C1、C2、・・・CN)は、対応する各SQUIDセル(SC1、SC2、・・・SCN)と相互インダクタンスにより結合しており、駆動セルを通過したSFQパルスはこの結合を通してSQUIDセルに伝搬する。SQUIDセルにSFQパルスが入ると、SQUIDセルから直ちにSFQパルスが出力される。SFQパルス系列は最終的にはN倍の振幅を持つ高精度量子化電圧パルスの系列に増幅され、SQUIDアレー12から出力される。実際にはその後段には電圧を取り出すためのケーブルが接続されるが、それの周波数帯域は有限であることから帯域制限がかかり、その積分作用によってパルス密度復調がかけられて振幅情報に戻されて、最終的には高精度な任意電圧波形VRSFQとして出力される。
【0038】
このように、PJVSにより、高い振幅を持つ階段状の擬似正弦波形VPJVS を生成する。一方、差分波形計算装置により求めた差分を、広帯域任意波形の生成可能なRSFQ方式電圧標準で生成する(VRSFQ)。そして、PJVS素子の出力VPJVS とRSFQ方式電圧標準素子の出力VRSFQ のトータルの電圧(VPJVS +VRSFQ )として、正確な真の正弦波形を合成することができる。
【0039】
ここで、図2は、本願発明の原理を説明するための図である。図2(a)は、プログラマブルジョセフソン電圧標準回路からの電圧波形を示す。背景技術の説明において図8でも示したように、階段状の擬似的な正弦波の波形を生成する。例えば1V以上の大きい振幅の波形を生成する。図2(b)は、RSFQ方式からの電圧波形を示す。真の正弦波波形と、PJVS方式の生成する擬似正弦波形との間の差電圧を、RSFQ方式により生成するものである。RSFQ方式によれば、振幅は高くはないが、任意の波形を高速に合成することができる。図2(c)は、PJVS方式とRSFQ方式の回路を直列に接続することにより、両者の電圧波形の和として、真の正弦波形を合成することを示す図である。PJVS方式とRSFQ方式との組み合わせによって、滑らかで理想的な正弦波形を合成することができる。
【0040】
図2(b)の波形を生成するための、図1におけるRSFQ方式の動作について以下詳しく説明する。図1において、正弦波−擬似正弦波差分波形計算装置17、パルスパターン変換装置18、パルスパターン生成装置19、パルス生成装置20、SQUIDアレー駆動回路13及びSQUIDアレー12が、主に該動作を行う。パルスパターン変換装置18は、正弦波−擬似正弦波差分波形計算装置17から得られた差分電圧波形情報に基づき、その差分波形に対してパルス密度変調を行い、差分波形の振幅情報をパルス列の密度情報へと変換する装置である。パルスパターン生成装置19は、パルス密度情報を0/1ビット系列へ変換・生成し出力する装置である。パルス生成装置20は、0/1ビット系列をパルス信号へと変換し出力する装置である。SQUIDアレー駆動回路13へ入力されたパルス系列Vinは、同回路内において直ちに量子化された高精度電圧パルス(SFQパルス)系列に変換される。SFQパルスの振幅は微小のため、十分な振幅を得るために増幅する必要があり、SQUIDアレー12と、それを駆動するためのSQUIDアレー駆動回路13を用いて量子性を維持したまま増幅する。SFQパルスへ変換された入力信号Vinは、その後SQUIDアレー駆動回路13内の駆動セルC1から駆動セルCNへと順次伝搬していく。各駆動セルはSQUIDセルと相互インダクタンスにより結合しており、SFQパルスが駆動セルを通過した瞬間に対応するSQUIDセルに伝搬し、直ちにSQUIDセルからSFQパルスとして出力される。このとき、N段のSQUIDセルの直列接続であるSQUIDアレー12からは、SFQパルスの振幅をN倍に増幅した高精度量子化電圧パルスとして出力される。以上、パルス密度変調されたパルス信号系列(i)はVinとしてSQUIDアレー駆動回路13へ入力後、SFQパルスの系列(ii)に変換され、その後SQUIDアレー12の直後の出力からN倍に増幅された高精度量子化電圧パルスの系列として出力される(iii)。これの後段に接続される低域通過フィルタによってパルス密度復調がかけられ振幅情報に戻されて、高精度な任意電圧波形として出力され、図2(b)の波形が生成される(iv)。
【0041】
(第2の実施の形態)
本発明のジョセフソン素子を用いた交流電圧波形出力回路の第2の実施の形態について、図3及び図2を参照して以下説明する。図3は、プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS方式)素子とパルス駆動方式交流電圧標準素子とを直列に接続して、両者のハイブリッド方式を実現した回路図である。
【0042】
プログラマブルジョセフソン電圧標準素子(PJVS方式)とパルス駆動方式交流電圧標準とを直列に接続し、両者の和電圧として理想的な正弦波電圧波形出力を得る。PJVS方式は、1V以上の高い振幅を持つ階段状の擬似正弦波形VPJVSを生成する。そこで、真の正弦波形と擬似正弦波形VPJVSとの間の差電圧を、連続的・広帯域な任意電圧波形を発生可能なパルス駆動方式電圧標準により生成する。これによって、PJVS方式とパルス駆動方式電圧標準の和電圧として、1V以上の振幅を持つ理想的な滑らかな正弦波を合成することが可能となる。
【0043】
図3の回路は、プログラマブルジョセフソン電圧標準素子31とパルス駆動方式交流電圧標準素子32を直列に接続して構成されている。さらに、図3の回路は、正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置37を備えている。
【0044】
プログラマブルジョセフソン電圧標準素子31は、多数個のジョセフソン素子(×印)が直列接続されたアレーを、2のべき乗に比例する素子数を持つようなセグメントに分割し、それらの各セグメントに対してバイアス電流源を接続する構造からなる。さらに、バイアス電流源を制御するために、正弦波電圧波形入力装置34、疑似正弦波波形用パルスパターン変換装置35及びパルスパターン生成装置36を備えている。正弦波電圧波形入力装置34は、所望の理想的な正弦波の電圧振幅・周波数情報を入力するための装置である。疑似正弦波波形用パルスパターン変換装置35は、従来例で説明した図8で図示した階段状となってしまう従来の正弦波波形を出力するためのパルスパターン変換装置65(図6)と同じでよい。これは、正弦波電圧波形入力装置34から得られた理想正弦波情報をもとに、これを階段状の擬似正弦波形に近似・変換する装置である。パルスパターン生成装置36は、擬似正弦波形を得るためのバイアス電流供給パターン(ゼロ/マイナス/プラス)を決定し、後段のバイアス電流源へ制御信号を送信するための装置である。この構成は、従来のプログラマブルジョセフソン電圧標準素子回路と同様である。プログラマブルジョセフソン電圧標準素子31は、高い振幅を持つ階段状の擬似正弦波形VPJVS (図2(a)参照)を出力する。
【0045】
本発明の正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置37は、正弦波電圧波形入力装置34の出力信号に基づく理想的な正弦波波形と、正弦波電圧波形入力装置34からの出力信号に基づきプログラマブルジョセフソン電圧標準素子31が出力する疑似正弦波波形との差分の波形を計算する。具体的には、正弦波電圧波形入力装置34から得られる理想正弦波情報と、擬似正弦波形用パルスパターン変換装置35から得られる擬似正弦波情報をもとに、それらの両者の差分波形を計算する。正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置37からの差分電圧波形情報に基づき、パルスパターン変換装置38は差分波形に対してパルス密度変調を行い、波形の振幅情報をパルス列の密度情報へと変換する。パルスパターン生成装置39は、パルス密度情報を0/1ビット系列へ変換・生成し出力する。パルス生成装置40は、0/1ビット系列をパルス信号へと変換し、Vinとして出力する。
【0046】
パルス生成装置40によって生成された高速パルス信号系列は、パルス駆動方式電圧標準素子32へ入力される。これは、多数個(約10000個)のジョセフソン素子(×印)を直列に接続したジョセフソン素子アレーの回路から構成される。高速パルス信号系列Vinが入力されると、ジョセフソン素子アレーの両端VPDから高精度電圧波形が出力される。以下、その動作の詳細を説明する。図3においてパルス信号系列(i)がジョセフソンアレー32へVinとして入力されると、アレー内のそれぞれのジョセフソン素子において量子化された高精度電圧パルス(SFQパルス)系列に変換される(ii)。アレーは素子が直列接続されているため、素子の両端からは素子の数だけ増幅された高精度量子化電圧パルスの系列として出力される。実際にはその後段には電圧を取り出すためのケーブルが接続されるが、それの周波数帯域は有限であることから帯域制限がかかり、その積分作用によってパルス密度復調がかけられて振幅情報に戻されて、高精度な任意電圧波形VPDとして出力され、図2(b)の波形が生成される(iii)。
【0047】
プログラマブルジョセフソン電圧標準素子31の電圧波形出力VPJVS とパルス駆動方式電圧標準素子32の電圧波形出力VPDの和として、トータルの電圧(VPJVS +VPD )を得て出力することで、正確な真の正弦波形を合成する。1V以上の振幅を持つ理想的な滑らかな正弦波を合成することができる。
【0048】
本発明を実施するにあたっては、第1の実施の形態の例であれば、PJVS方式とRSFQ方式とを組み合わせる形態としては、PJVSチップとRSFQチップとをマルチチップ実装技術を用いて直列に接続することで作成する。また、第2の実施の形態の例であれば、PJVS方式とパルス駆動方式電圧標準とを組み合わせる形態としては、PJVSチップとパルス駆動型電圧標準チップとをマルチチップ実装技術を用いて直列に接続することで作成する。また、これらのチップを1つのチップ内に集積することも考えられ、より低コスト化が達成できる。
【0049】
PJVS方式と、パルス駆動方式(あるいはRSFQ方式)とを直列に接続することによって理想的な正弦波電圧波形を合成する例を説明したが、パルス駆動方式の代わりにそれと類似の方式であるジョセフソン任意電圧波形合成方式を用いて差分波形を発生させて、PJVS方式と直列接続することによっても、理想的な交流正弦波波形を合成することができる。
【0050】
また、本発明の交流電圧標準装置は、第1及び第2の実施の形態で記載したように、正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置17や37のような、正弦波波形と疑似正弦波波形の差分波形を計算する手段を備える。ここで、本発明の交流電圧標準装置は、少なくともジョセフソン素子を含む回路部分は超伝導回路であるため低温状態に置かれている。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の交流電圧発生回路は、振幅の高い理想的な滑らかな正弦波波形が得られるので、交流電圧標準として、高精度である。一次標準や二次標準をはじめとし、企業現場の特に品質管理部門等においても有用である。
【符号の説明】
【0052】
1、 超伝導体
2、 薄い障壁層
11、31、 プログラマブルジョセフソン電圧標準素子
12、 高速単一磁束量子方式交流電圧標準のSQUIDアレー
13、 SQUIDアレー駆動回路
14、34、 正弦波電圧波形入力装置
15、35、 疑似正弦波波形用パルスパターン変換装置
16、36、 パルスパターン生成装置
17、37、 正弦波−疑似正弦波差分波形計算装置
18、38、 パルスパターン変換装置
19、39、 パルスパターン生成装置
20、40、 パルス生成装置
32、 パルス駆動方式電圧標準
61、 プログラマブルジョセフソン電圧標準(PJVS)素子
64、 正弦波電圧波形入力装置
65、 パルスパターン変換装置
66、 パルスパターン生成装置
94、 電圧波形入力装置
95、 パルスパターン変換装置
96、 パルスパターン生成装置
97、 パルス生成装置
134、 電圧波形入力装置
138、 パルスパターン変換装置
139、 パルスパターン生成装置
140、 パルス生成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョセフソン素子を用いた交流電圧発生回路であって、
ジョセフソン素子を所定数個直列接続してなるセグメントを複数個備え、各セグメントに印加するバイアス電流を制御することにより、階段状の交流電圧を発生する第1の回路と、
量子化された電圧パルスを発生するジョセフソン素子からなる第2の回路とからなり、
前記第2の回路は、所望の交流電圧波形と前記階段状の交流電圧波形との差分波形を出力する回路であり、
前記第1の回路と前記第2の回路を直列に接続して出力電圧の和を出力電圧とすることを特徴とする交流電圧発生回路。
【請求項2】
前記所望の交流電圧波形は、正弦波波形であり、前記第2の回路は、正弦波の交流電圧波形と前記階段状の疑似正弦波波形との差分波形を出力することを特徴とする、請求項1記載の交流電圧発生回路。
【請求項3】
前記第2の回路は、量子化された電圧パルスを用いてパルス密度変復調を行うことにより前記差分波形を合成して出力することを特徴とする請求項1又は2記載の交流電圧発生回路。
【請求項4】
前記第2の回路は、高速単一磁束量子方式の回路を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の交流電圧発生回路。
【請求項5】
前記第2の回路は、パルス駆動方式の回路を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の交流電圧発生回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の交流電圧発生回路を用いた交流電圧標準回路。
【請求項7】
正弦波波形と疑似正弦波波形の差分波形を計算する手段を備えた、請求項2乃至5のいずれか1項記載の交流電圧発生回路を用いた交流電圧標準装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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